JPH1131849A - 熱電材料及びその製造方法 - Google Patents

熱電材料及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1131849A
JPH1131849A JP10127970A JP12797098A JPH1131849A JP H1131849 A JPH1131849 A JP H1131849A JP 10127970 A JP10127970 A JP 10127970A JP 12797098 A JP12797098 A JP 12797098A JP H1131849 A JPH1131849 A JP H1131849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
thermoelectric material
group
element selected
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10127970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3572939B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Yamashita
博之 山下
Yuuma Horio
裕磨 堀尾
Toshiharu Hoshi
星  俊治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP12797098A priority Critical patent/JP3572939B2/ja
Publication of JPH1131849A publication Critical patent/JPH1131849A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3572939B2 publication Critical patent/JP3572939B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 その結晶粒界及び旧粉末境界における酸化物
相を低減することでキャリアの移動度を大きくし、高い
冷却能力を有する熱電材料及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 (Bi、Sb)2(Te、Se)3の組成
を有する原料を溶解し液体急冷法により粉末状又は薄片
状とする。次に、これを粉砕して粉末としてプラズマ処
理する。そして、プラズマ処理された粉末を固化成形す
ることにより、結晶粒界及び旧粉末境界における酸化物
相の厚さが50nmである熱電材料を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電冷却等に使用さ
れる熱電材料に関し、特に、性能指数が高く、冷却能力
が高い熱電材料に関する。
【0002】
【従来の技術】種類が異なる2物質を接合させ、2箇所
の接合部を有する回路を構成し、一方の接合部を高温に
加熱し、他方の接合部を低温に冷却すると、接合部の温
度差に基づく起電力が発生する。この現象をゼーベック
効果という。
【0003】また、同様に接合させた2物質に直流電流
を流すと、一方の接合部で熱を吸収し、他方の接合部で
熱を発生する。この現象をペルチェ効果という。
【0004】更に、均質な物質に温度勾配を設け、この
温度勾配がある方向に電流を流すと、この物質内で熱の
吸収又は発生がある。この現象をトムソン効果という。
【0005】これらのゼーベック効果、ペルチェ効果及
びトムソン効果は熱電効果といわれる可逆反応であり、
ジュール効果及び熱伝導等の非可逆現象と対比される。
これらの可逆過程及び非可逆過程を組み合わせて、電子
冷熱等に利用されている。
【0006】このような熱電材料の特性は、そのゼーベ
ック係数をα(V/K)、熱伝導率をκ(W/(m・
K))、比抵抗をρ(Ω・m)としたとき、下記数式1
に示す性能指数Zによって評価することができる。即
ち、性能指数Zの値が大きいほど、熱電材料の特性は優
れており、熱電冷却材料としては、モジュール化された
場合の吸熱量が大きい。
【0007】
【数1】Z=α2/(κ×ρ)
【0008】上記数式1に示すように、熱電材料の特性
を向上させるためには、比抵抗ρ又は熱伝導率κを小さ
くすることが効果的である。
【0009】また、比抵抗ρは、熱電材料のキャリア移
動度をμ(m2/(V・s))、キャリア密度をn(1
/m3)、電子の電荷をe(C)としたとき、下記数式
2で示される。
【0010】
【数2】ρ=1/(μ×n×e)
【0011】eは1.602×10-19(C)と定数で
あるので、上記数2に示すように、キャリア密度nが特
定の値になるように熱電材料のドーパントを含む組成を
調整した場合、キャリア移動度μを大きくすれば、比抵
抗ρが小さくなり性能指数Zの値を大きくすることがで
きる。
【0012】ところで、従来の熱電材料としては、Bi
及びSbからなる群から選択された少なくとも1種と、
Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種
とからなる合金があり、主にBi又はSbの原子数と、
Te又はSeの原子数との比が2:3となる組成(以
下、(Bi、Sb)2(Te、Se)3と記す)で使用さ
れている。
【0013】なお、(Bi、Sb)2(Te、Se)3
組成には、Bi−Te系、Bi−Se系、Sb−Te
系、Sb−Se系、Bi−Sb−Te系、Bi−Sb−
Se系、Bi−Te−Se系、Sb−Te−Se系及び
Bi−Sb−Te−Se系といわれる9種類がある。
【0014】従来、熱電材料は、先ず、所望の組成を有
するように原料粉末を秤量して溶解し、この溶湯を冷却
してインゴットを得て、このインゴットを粉砕して粉末
化した後、ホットプレスにより固化成形して焼結体とす
る方法により製造されている。また、インゴットを粉砕
した後、得られた粉末を冷間成形によりペレット状と
し、常圧焼結することにより焼結体を得る方法も行われ
ている。
【0015】また、特開平5−335628号公報に記
載のように、原料の溶湯を急冷凝固して薄膜とした後、
固化成形して焼結体を得る方法も公知である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法により熱電材料を製造すると、熱電材料の
溶湯を冷却するとき又は熱電材料の薄片若しくは粉末を
粉砕するときに、粉末の表面が酸化する。この後工程と
なる固化成形を行った後にもこの境界に酸化皮膜が残存
する。この酸化皮膜の存在により、熱電材料のキャリア
移動度μが低下し、従って、比抵抗ρが増加するため性
能指数Zが小さくなり冷却能力が低下してしまうという
問題点がある。
【0017】従来技術のインゴットを粉砕して粉末化す
る工程において、そのエネルギにより不純物の混入、結
晶格子の欠陥又はダングリングボンドが発生し、エネル
ギギャップ中に局在準位、欠陥準位又は化合物半導体に
特有の深い準位が形成される。これにより、キャリア移
動度μが低下し、性能指数Zが小さくなってしまうとい
う問題点もある。なお、深い準位、局在準位及び欠陥準
位は、伝導帯の底から80meV以上低いエネルギ準位
及び価電子帯の上端から80meV以上高いエネルギ準
位である。
【0018】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、その結晶粒界及び旧粉末境界における酸化
物相を低減することでキャリアの移動度を大きくし、高
い冷却能力を有する熱電材料及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱電材料
は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも
1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された
少なくとも1種の元素とを含有する組成を有し、液体急
冷法により得られた粉末の焼結体からなる熱電材料にお
いて、その結晶粒界及び旧粉末境界における酸化物相の
厚さが50nm以下であることを特徴とする。なお、前
記酸化物相の厚さは20nm以下であることが望まし
い。
【0020】本発明に係る他の熱電材料は、Bi及びS
bからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、
Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種
の元素とを含有する組成を有し、液体急冷法により得ら
れた粉末の焼結体からなる熱電材料において、その結晶
粒界及び旧粉末境界の少なくとも一部に、非晶質相、S
i及びGeからなる群から選択された少なくとも1種の
成分を含有する皮膜相又はその双方の相を有することを
特徴とする。
【0021】なお、伝導帯の底から80meV以上低い
エネルギ準位又は価電子帯の上端から80meV以上高
いエネルギ準位の密度が1×1017(1/cm3)以下
であることが望ましい。また、伝導帯の底から80me
V以上低いエネルギ準位又は価電子帯の上端から80m
eV以上高いエネルギ準位の捕獲断面積が1×10-1 1
(cm2)以下であることが望ましい。
【0022】本発明においては、結晶粒界及び旧粉末境
界における酸化物相の厚さが50nm以下であるか、又
は結晶粒界及び旧粉末境界の少なくとも一部に、適切な
相が形成されているのでキャリア移動度μが大きく性能
指数Zが大きい。このため、冷却能力が優れている。伝
導帯の底から80meV以上低いエネルギ準位又は価電
子帯の上端から80meV以上高いエネルギ準位の密度
が1×1017(1/cm3)以下である場合か、又は伝
導帯の底から80meV以上低いエネルギ準位又は価電
子帯の上端から80meV以上高いエネルギ準位の捕獲
断面積が1×10-11(cm2)以下である場合には、特
に、冷却能力が高い。
【0023】なお、前記熱電材料は、I、Cl、Br、
Ag、Hg及びCuからなる群から選択された少なくと
も1種の元素を含有することが望ましい。
【0024】本発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi
及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元
素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくと
も1種の元素とを含有する組成を有する原料を溶解し液
体急冷法により粉末状又は薄片状とする工程と、これを
粉砕して粉末とする工程と、前記粉末をプラズマ処理す
る工程と、プラズマ処理された前記粉末を固化成形する
工程とを有することを特徴とする。なお、前記原料は、
I、Cl、Br、Ag、Hg及びCuからなる群から選
択された少なくとも1種の元素を含有することが望まし
い。
【0025】なお、前記粉末をプラズマ処理する工程
は、Ar、H2、O2、SbH3、H2Te、H2Se、S
iH4、GeH4及びSbCl3からなる群から選択され
た少なくとも1種の雰囲気ガス中で前記粉末を高周波プ
ラズマに曝露する工程であることが望ましい。
【0026】また、前記粉末をプラズマ処理する工程
は、高周波電源の出力を10乃至1000W、処理時間
を0.5時間以上、雰囲気ガスの流量を10ml/分と
してプラズマ処理する工程であることが望ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
べく、鋭意研究を重ねた結果、Bi及びSbからなる群
から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSe
からなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含
有する組成を有し、液体急冷法により得られた粉末の焼
結体である熱電材料中の結晶粒界及び旧粉末境界におけ
る酸化物相の厚さを所定値以下に規定するか、この結晶
粒界及び旧粉末境界の少なくとも一部に、非晶質相、特
定の皮膜相若しくはその双方を含有する相を形成するこ
とにより熱電材料の性能指数が高くなり熱電材料の冷却
能力が向上することを見出した。
【0028】一般に、熱電半導体を含む半導体において
は、結晶欠陥又は複合欠陥が形成するエネルギ状態は、
通常、伝導帯及び価電子帯の端部からエネルギ的にかな
り離れた位置にある。つまり、これらの欠陥がドナー
(伝導帯に電子を供給する場合)であってもアクセプタ
(価電子帯に正孔を供給する場合)であっても、そのイ
オン化エネルギは、室温付近でほぼ完全にイオン化さ
れ、伝導帯又は価電子帯の端部付近の浅い準位にあるド
ナー又はアクセプタによるイオン化エネルギと比して大
きい。このような伝導帯及び価電子帯の端部から離れた
位置にある準位を深い準位という。例えば、EL2及び
DXセンター等がある。また、結晶格子の不整合又はダ
ングリングボンドの発生により、エネルギギャップ中に
局在準位又は欠陥準位が形成されることもある。これら
の深い準位、局在準位及び欠陥準位等の存在密度が大き
いときは、キャリア移動度μが小さいといえる。また、
電子が前述の深い準位に捕獲される確率を示すパラメー
タとして、捕獲断面積と呼ばれるものがあり、捕獲率と
も呼ばれる。捕獲断面積が大きいということは、キャリ
アが深い準位に捕獲されていることに等しく、キャリア
移動度μは小さいといえる。このため、本発明において
は、深い準位、局在準位及び欠陥準位の密度及び捕獲断
面積が大きければキャリア移動度が小さいことを利用し
て、更に、深い準位、局在準位及び欠陥準位の密度又は
捕獲断面積を所定値以下に規定することができる。
【0029】第1の発明においては、Bi及びSbから
なる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及
びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素
とを含有する組成を有し、液体急冷法により得られた粉
末の焼結体である熱電材料中の結晶粒界及び旧粉末境界
における酸化物相の厚さが50nm以下であることが必
要である。酸化物相の厚さが50nmを超えると、キャ
リア移動度μが低下して性能指数Zが小さくなる。従っ
て、熱電材料中の焼結された粉末間の境界部分における
酸化物相の厚さは50nm以下とする。なお、酸化物相
が20nm以下であると性能指数Zが極めて高くなる。
従って、焼結された粉末間の境界部分における酸化物相
の厚さは20nm以下であることが望ましい。
【0030】第2の発明においては、Bi及びSbから
なる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及
びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素
とを含有する組成を有し、液体急冷法により得られた粉
末の焼結体である熱電材料中の結晶粒界及び旧粉末境界
の少なくとも一部に、非晶質相、Si及びGeからなる
群から選択された少なくとも1種の成分を含有する皮膜
相又はその双方を有する相が形成されている。これらの
相のうちSi及びGeからなる群から選択された少なく
とも1種の成分を含有する皮膜相が焼結体の旧粉末境界
の少なくとも一部分に形成されることにより、キャリア
移動度μが向上し、性能指数Zが高くなる。また、プラ
ズマの高温により材料の一部が非晶質化されることによ
って熱伝導率が低減されて性能指数Zが増大する。
【0031】これらの第1及び第2の発明においては、
伝導帯の底から80meV以上低いエネルギ準位又は価
電子帯の上端から80meV以上高いエネルギ準位の密
度が1×1017(1/cm3)以下であることが好まし
い。このようなエネルギ準位の密度が1×1017(1/
cm3)を超えると、キャリア移動度μが低下して比抵
抗ρが増大するため、性能指数Zが小さくなる。従っ
て、伝導帯の底から80meV以上低いエネルギ準位又
は価電子帯の上端から80meV以上高いエネルギ準位
の密度は1×1017(1/cm3)以下であることが好
ましい。
【0032】また、これらの第1及び第2発明におい
て、伝導帯の底から80meV以上低いエネルギ準位又
は価電子帯の上端から80meV以上高いエネルギ準位
の捕獲断面積が1×10-11(cm2)以下であることが
好ましい。このようなエネルギ準位の捕獲断面積が1×
10-11(cm2)を超えると、キャリア移動度μが低下
して比抵抗ρが増大するため、性能指数Zが小さくな
る。従って、伝導帯の底から80meV以上低いエネル
ギ準位又は価電子帯の上端から80meV以上高いエネ
ルギ準位の捕獲断面積は1×10-11(cm2)以下であ
ることが好ましい。
【0033】以下、前述の熱電材料の製造方法について
添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、熱電材
料の原料粉末を秤量する。原料としては、例えば、B
i、Sb、Te又はSeを所定の(Bi、Sb)2(T
e、Se)3の組成としたものが挙げられる。また、こ
れらの成分の他にI、Cl、Br、Ag、Hg及びCu
からなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有
していてもよい。
【0034】次に、秤量した原料粉末を混合した後、溶
解する。そして、溶解された原料を液体急冷法により薄
片状又は粉末状に固化する。液体急冷法としては、単ロ
ール法、双ロール法、ガスアトマイズ法及びエアアトマ
イズ法等がある。図1は単ロール装置を示す模式的断面
図である。単ロール装置には鉛直下向きの石英ノズル1
が配設されている。石英ノズル1の下端には射出口が設
けられており、石英ノズル1に溶湯3を保持し、石英ノ
ズル1の上部からArガスにより圧力をかけると、射出
口から溶湯3が射出される。また、射出口に近接した下
方には、円柱状の銅製ロール2が配設されている。銅製
ロール2はその円柱の中心を回転の中心として回転する
ことができる。
【0035】前述のように構成された単ロール装置にお
いては、Arガスの圧力を0.1乃至4.0kg/cm
2とし、射出口から原料の溶湯3を射出させる。そし
て、銅製ロール2を射出口から0.2乃至10mm離
し、5乃至80m/秒の回転速度で高速回転させる。そ
うすると、溶湯3は103K/秒以上の冷却速度で急冷
凝固され脆い急冷薄帯4となる。
【0036】Arガスの圧力が0.1kg/cm2未満
であると、溶湯をノズルの射出口から射出することが困
難である。一方、Arガスの圧力が4.0kg/cm2
を超えると、射出する溶湯の量が過剰となり、冷却速度
が遅くなると共に、ノズルが破損する虞がある。従っ
て、Arガスの圧力は、0.1乃至4.0kg/cm2
であることが望ましい。
【0037】また、銅製ロールと射出口との間隔が0.
2mm未満であると、銅製ロール上に射出された溶湯の
厚さが不均一となり、粉末又は薄片の冷却速度にむらが
発生する。一方、銅製ロールと射出口との間隔が10m
mを超えると、銅製ロールに接触する前に中途半端に冷
却される部分が発生し、銅製ロールによる速い冷却速度
を得ることが困難である。従って、銅製ロールと射出口
との間隔は0.2乃至10mmであることが望ましい。
【0038】更に、銅製ロールの回転速度が5m/秒未
満であると、冷却速度が103K/秒以下と遅くなる。
一方、回転速度が80m/秒を超えると、溶湯と銅製ロ
ールとの濡れ性が悪化し、冷却速度が低下する。従っ
て、銅製ロールの回転速度は5乃至80m/秒であるこ
とが望ましい。
【0039】図2はガスアトマイズ装置を示す模式的断
面図である。ガスアトマイズ装置には溶湯を保持する溶
湯保持るつぼ11が配設されている。溶湯保持るつぼ1
1の下部には落下管14が設けられており、落下管14
を通過して溶湯保持るつぼ11に保持された溶湯13が
落下される。落下管14の横には、落下管14を挟ん
で、その中を高圧ガス12が通る1対の噴霧ノズル15
が配設されており、噴霧ノズル15の先端は落下管14
の先端に近接している。
【0040】前述のように構成されたガスアトマイズ装
置においては、溶湯保持るつぼ11から落下管14を介
して原料の溶湯13を落下させる。そして、溶湯13は
噴霧ノズル15の先端から高圧ガス12を噴霧され、噴
霧ノズル15の延長線と落下管14の延長線が交わる粉
化点16において103K/秒以上の冷却速度で急冷凝
固し粉化する。更に、粉化した原料は落下するにつれ冷
却される。
【0041】高圧ガス12としては、例えば不活性ガス
であるArガスが使用される。
【0042】次に、液体急冷法により粉末状又は薄片状
等の形態となった原料を粉砕する。そして、粉砕された
粉末にプラズマ処理を施す。図3はプラズマ処理装置を
示す模式図である。プラズマ処理装置においては、チャ
ンバ21内の相対する1対の側壁に電極22及び23が
設けられている。一方の電極22はチャンバ21の外部
にある高周波電源24に接続されている。また、チャン
バ21内には複数個のプロペラフィン25が設けられて
いる。更に、バルブ26を介してガスを導入する配管2
7及び真空ポンプに接続されている配管28がチャンバ
21に設けられている。
【0043】前述のように構成されたプラズマ処理装置
においては、チャンバ21内に前工程で粉砕された粉末
の原料を導入した後、配管28に接続された真空ポンプ
によりチャンバ21内を真空引きする。その後、バルブ
26を介して配管27から雰囲気ガスを導入してチャン
バ21内の圧力を0.1乃至0.2Torrに保つ。そ
して、複数個のプロペラフィン25を回転させ粉末をチ
ャンバ21の中央部のプラズマゾーンへ巻き上げ、例え
ば、高周波電源24の出力を10乃至1000W、粉末
のプラズマへの曝露時間である処理時間を0.5時間以
上、雰囲気ガスの流量を10ml/分以上としてプラズ
マ処理する。雰囲気ガスとしては、Ar、H2、O2、S
bH3、H2Te、H2Se、SiH4、GeH4及びSb
Cl3等を使用することができ、同時に複数種を使用す
ることもできる。
【0044】チャンバ内の圧力が0.1Torr未満で
あるか、又は0.2Torrを超えると、プラズマが発
生しにくく、プラズマ処理することが困難である。従っ
て、チャンバ内の圧力は0.1乃至0.2Torrであ
ることが好ましい。
【0045】また、高周波電源の出力が10W未満であ
ると、プラズマ処理を十分に行うことが困難である。一
方、高周波電源の出力が1000Wを超えると、粉末中
の成分元素が蒸発して組成変動が生じ、熱電性能が低下
することがある。従って、高周波電源の出力は10乃至
1000Wであることが好ましい。
【0046】更に、処理時間が0.5時間未満である場
合か、又は雰囲気ガスの流量が10ml/分未満の場合
には、プラズマ処理を十分に行うことが困難である。従
って、処理時間は0.5時間以上、及び雰囲気ガスの流
量は10ml/分以上であることが好ましい。
【0047】次に、プラズマ処理された粉末をホットプ
レス、HIP、CIP、放電プラズマ焼結又は押出成形
等の方法により固化成形する。
【0048】前述の方法により製造された熱電材料にお
いては、プラズマ処理により液体急冷後に粉砕された粉
末から酸化皮膜が除去又は低減される。また、酸化皮膜
が除去された少なくとも一部分に、非晶質相、プラズマ
処理に使用された雰囲気ガスの成分であるSi、Ge若
しくはその双方を含有する皮膜相又はその双方を含有す
る相が形成される。この粉末から形成された焼結体にお
いては、欠陥準位、局在準位及び深い準位が減少し、キ
ャリア移動度μが大きくなるため、比抵抗ρが小さくな
り、性能指数Zが大きくなる。このため、冷却能力が高
い熱電材料が得られる。
【0049】また、液体急冷法により溶湯を急冷して粉
末状又は薄片状等の形態にし粉砕した微細な粉末を使用
して固化成形しているので、プラズマ処理時及び固化成
形時に、平均結晶粒径50μm以下の微細な再結晶組織
となるため、固化成形体の焼結体の熱伝導率κが小さく
なり性能指数Zが大きくなる。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明す
る。
【0051】第1実施例 先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15と0.1重量%
SbI3とからなる原料に液体急冷及び粉砕を施し、得
られた粉末をサンプル1A乃至1FにおいてはAr雰囲
気中でプラズマ処理し、サンプル1G及び1Hにおいて
はプラズマ処理せずに、ホットプレス法により固化成形
した。そして、ESCA法により焼結体中の焼結された
粉末間の境界部分における酸化物相の厚さを測定した。
更に、サンプルの比抵抗ρを測定し、性能指数Zを算出
した。なお、プラズマ処理は、高周波電源の出力を15
0Wとして2時間、Arガスの流量を20ml/分とし
て行い、ホットプレスは、370℃で80分間、焼結圧
力を2tonf/cm2として行った。この結果を図4
(a)及び(b)に示す。図4は酸化物相の厚さと熱電
性能との関係を示すグラフ図であり、(a)は横軸に酸
化物相の厚さをとり、縦軸に比抵抗ρをとって両者の関
係を示し、(b)は横軸に酸化物相の厚さをとり、縦軸
に性能指数Zをとって両者の関係を示す。
【0052】図4(a)及び(b)に示すように、サン
プル1A乃至1Fにおいては、プラズマ処理が施され、
酸化物相の厚さが本発明の範囲内であるので、比抵抗ρ
が低く性能指数Zが高い。サンプル1A乃至1Cにおい
ては、酸化物相の厚さが20μm以下であるので、性能
指数Zが特に高い。
【0053】一方、サンプル1G及び1Hにおいては、
プラズマ処理が施されず、酸化物相の厚さが本発明範囲
の上限を超えているので、比抵抗ρが高く性能指数Zが
低い。
【0054】第2実施例 先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15と0.09重量
%SbI3とからなる原料に液体急冷及び粉砕を施し、
得られた粉末をサンプル2A乃至2DにおいてはAr雰
囲気中でプラズマ処理し、サンプル2E乃至2Iにおい
てはプラズマ処理せずに、ホットプレス法により固化成
形した。そして、DLTS(DeepLevel Tr
ansient Spectroscopy)法により
深い準位の密度を測定した。DLTS法とは、深い準位
の過渡容量分光法であり、半導体にショットキー接合を
形成し、その電気容量の時間変化を測定することにより
深い準位の位置、捕獲断面積及び密度等を求める測定方
法である。更に、サンプルの比抵抗ρを測定し、性能指
数Zを算出した。なお、プラズマ処理は、高周波電源の
出力を300Wとして2時間、Arガスの流量を15m
l/分として行い、ホットプレスは、430℃で60分
間、焼結圧力を4tonf/cm2として行った。この
結果を図5(a)及び(b)に示す。図5は酸化物相の
厚さと熱電性能との関係を示すグラフ図であり、(a)
は横軸に深い準位の密度の常用対数をとり、縦軸に比抵
抗ρをとって両者の関係を示し、(b)は横軸に深い準
位の密度の常用対数をとり、縦軸に性能指数Zをとって
両者の関係を示す。
【0055】図5(a)及び(b)に示すように、サン
プル2A乃至2Dにおいては、プラズマ処理が施され、
深い準位の密度が本発明の範囲内であるので、比抵抗ρ
が低く性能指数Zが高い。
【0056】一方、サンプル2E乃至2Iにおいては、
プラズマ処理が施されず、深い準位の密度が本発明範囲
の上限を超えているので、比抵抗ρが高く性能指数Zが
低い。
【0057】第3実施例 先ず、Bi2Te2.65Se0.35と0.15重量%AgI
とからなる原料に液体急冷及び粉砕を施し、得られた粉
末をサンプル3A乃至3GにおいてはH2雰囲気中でプ
ラズマ処理し、サンプル3H乃至3Kにおいてはプラズ
マ処理せずに、ホットプレス法により固化成形した。そ
して、DLTS法により捕獲断面積を測定した。更に、
サンプルの比抵抗ρを測定し、性能指数Zを算出した。
なお、プラズマ処理は、高周波電源の出力を500Wと
して1.5時間、H2ガスの流量を15ml/分として行
い、ホットプレスは、430℃で10分間、焼結圧力を
2tonf/cm2として行った。この結果を図6
(a)及び(b)に示す。図6は酸化物相の厚さと熱電
性能との関係を示すグラフ図であり、(a)は横軸に深
い準位の捕獲断面積の常用対数をとり、縦軸に比抵抗ρ
をとって両者の関係を示し、(b)は横軸に深い準位の
捕獲断面積の常用対数をとり、縦軸に性能指数Zをとっ
て両者の関係を示す。
【0058】図6(a)及び(b)に示すように、サン
プル3A乃至3Gにおいては、プラズマ処理が施され、
深い準位の密度が本発明の範囲内であるので、比抵抗ρ
が低く性能指数Zが高い。
【0059】一方、サンプル3H乃至3Kにおいては、
プラズマ処理が施されず、捕獲断面積が本発明範囲の上
限を超えているので、比抵抗ρが高く性能指数Zが低
い。
【0060】第4実施例 先ず、下記表1及び2に示す組成を有する熱電材料を製
造した。このとき、実施例1乃至20及び比較例24乃
至26においては、雰囲気ガスの流量を50ml/分、
高周波電源の出力を500W、処理時間を1時間として
プラズマ処理を施した。一方、比較例21乃至23にお
いては、プラズマ処理を施していない。これらのサンプ
ルを370℃で60分間、4tonf/cm2の焼結圧
力で焼結した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】次に、各サンプルの性能指数Zを算出し
た。これを下記表3及び4に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】上記表3及び4に示すように、実施例1乃
至20においては、粉末を本発明で規定した雰囲気ガス
中でプラズマ処理した後に焼結して熱電材料を製造して
いるので、性能指数Zが高い。
【0067】一方、比較例21乃至23においては、プ
ラズマ処理せずに焼結しているので、性能指数Zが低
い。
【0068】また、比較例24乃至26においては、プ
ラズマ処理が施されているものの、その雰囲気ガスが本
発明で規定するガスではないので性能指数Zが極めて低
い。
【0069】第5実施例 先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15と0.1重量%
SbI3とからなる原料に液体急冷及び粉砕を施し、得
られた粉末を雰囲気ガスとしてO2又は10%H2Te+
Arを50ml/分の流量で導入し、種々の高周波電源
の出力で1時間プラズマ処理した。次に、得られた各サ
ンプルを370℃で60分間、焼結圧力を4tonf/
cm2としてホットプレス法により固化成形した。
【0070】そして、各サンプルの性能指数Zを測定し
た。この結果を図7(a)及び(b)に示す。図7は横
軸に高周波電源の出力をとり、縦軸に性能指数をとって
両者の関係を示すグラフ図であり、(a)はO2ガスを
使用した場合を示し、(b)は10%H2Te+Arガ
スを使用した場合を示す。
【0071】図7(a)及び(b)に示すように、高周
波電源の出力が10W未満であると、プラズマ処理が十
分には行われず性能指数Zが低い。一方、出力が100
0Wを超えると、粉末中の成分元素の組成が変動するた
め性能指数Zが低い。
【0072】第6実施例 先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15と0.1重量%
SbI3とからなる原料に液体急冷及び粉砕を施し、得
られた粉末を雰囲気ガスとしてO2又は10%H2Te+
Arを50ml/分の流量で導入し、高周波電源の出力
を500Wとして、種々の処理時間でプラズマ処理し
た。次に、得られた各サンプルを370℃で60分間、
焼結圧力を4tonf/cm2としてホットプレス法に
より固化成形した。
【0073】そして、各サンプルの性能指数Zを測定し
た。この結果を図8(a)及び(b)に示す。図8は横
軸に処理時間をとり、縦軸に性能指数をとって両者の関
係を示すグラフ図であり、(a)はO2ガスを使用した
場合を示し、(b)は10%H2Te+Arガスを使用
した場合を示す。
【0074】図8(a)及び(b)に示すように、処理
時間が0.5時間未満であると、プラズマ処理が十分に
は行われず性能指数Zが低い。
【0075】第7実施例 先ず、Bi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15と0.1重量%
SbI3とからなる原料に液体急冷及び粉砕を施し、得
られた粉末を雰囲気ガスとしてO2又は10%H2Te+
Arを導入し、種々のガス流量で高周波電源の出力を5
00Wとして、1時間プラズマ処理した。次に、得られ
た各サンプルを370℃で60分間、焼結圧力を4to
nf/cm2としてホットプレス法により固化成形し
た。
【0076】そして、各サンプルの性能指数Zを測定し
た。この結果を図9(a)及び(b)に示す。図9は横
軸にガス流量をとり、縦軸に性能指数をとって両者の関
係を示すグラフ図であり、(a)はO2ガスを使用した
場合を示し、(b)は10%H2Te+Arガスを使用
した場合を示す。
【0077】図9(a)及び(b)に示すように、ガス
流量が50ml/分未満であると、プラズマ処理が十分
には行われず性能指数Zが低い。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種
の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少な
くとも1種の元素とを含有する組成を有し、液体急冷法
により得られた粉末の焼結体からなる熱電材料の結晶粒
界及び旧粉末境界における酸化物相が適切な厚さである
か、結晶粒界及び旧粉末境界の少なくとも一部に、適切
な相が形成されているのでキャリア移動度μが大きく性
能指数Zが大きい。このため、冷却能力が優れている。
また、液体急冷及び粉砕が施された粉末原料にプラズマ
処理を施した後に、固化成形することによりキャリア移
動度μが大きく、冷却能力が優れた熱電材料を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単ロール装置を示す模式図である。
【図2】 ガスアトマイズ装置を示す模式図である。
【図3】 プラズマ処理装置を示す模式図である。
【図4】 酸化物相の厚さと熱電性能との関係を示すグ
ラフ図であり、(a)は横軸に酸化物相の厚さをとり、
縦軸に比抵抗ρをとって両者の関係を示し、(b)は横
軸に酸化物相の厚さをとり、縦軸に性能指数Zをとって
両者の関係を示す。
【図5】 酸化物相の厚さと熱電性能との関係を示すグ
ラフ図であり、(a)は横軸に深い準位の密度の常用対
数をとり、縦軸に比抵抗ρをとって両者の関係を示し、
(b)は横軸に深い準位の密度の常用対数をとり、縦軸
に性能指数Zをとって両者の関係を示す。
【図6】 酸化物相の厚さと熱電性能との関係を示すグ
ラフ図であり、(a)は横軸に深い密度の捕獲断面積の
常用対数をとり、縦軸に比抵抗ρをとって両者の関係を
示し、(b)は横軸に捕獲断面積の常用対数をとり、縦
軸に性能指数Zをとって両者の関係を示す。
【図7】 横軸に高周波電源の出力をとり、縦軸に性能
指数をとって両者の関係を示すグラフ図であり、(a)
はO2ガスを使用した場合を示し、(b)は10%H2
e+Arガスを使用した場合を示す。
【図8】 横軸に処理時間をとり、縦軸に性能指数をと
って両者の関係を示すグラフ図であり、(a)はO2
スを使用した場合を示し、(b)は10%H2Te+A
rガスを使用した場合を示す。
【図9】 横軸にガス流量をとり、縦軸に性能指数をと
って両者の関係を示すグラフ図であり、(a)はO2
スを使用した場合を示し、(b)は10%H2Te+A
rガスを使用した場合を示す。
【符号の説明】
1;石英ノズル、 2;銅製ロール、 3、13;溶
湯、 4;急冷薄帯、11;溶湯保持るつぼ、 12;
高圧ガス、 14;落下管、 15;噴霧ノズル、 1
6;粉化点、 21;チャンバ、 22、23;電極、
24;高周波電源、 25;プロペラフィン、 2
6;バルブ、 27、28;配管

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi及びSbからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から
    選択された少なくとも1種の元素とを含有する組成を有
    し、液体急冷法により得られた粉末の焼結体からなる熱
    電材料において、その結晶粒界及び旧粉末境界における
    酸化物相の厚さが50nm以下であることを特徴とする
    熱電材料。
  2. 【請求項2】 前記酸化物相の厚さが20nm以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の熱電材料。
  3. 【請求項3】 Bi及びSbからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から
    選択された少なくとも1種の元素とを含有する組成を有
    し、液体急冷法により得られた粉末の焼結体からなる熱
    電材料において、その結晶粒界及び旧粉末境界の少なく
    とも一部に、非晶質相、Si及びGeからなる群から選
    択された少なくとも1種の成分を含有する皮膜相又はそ
    の双方の相を有することを特徴とする熱電材料。
  4. 【請求項4】 伝導帯の底から80meV以上低いエネ
    ルギ準位又は価電子帯の上端から80meV以上高いエ
    ネルギ準位の密度が1×1017(1/cm3)以下であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載の熱電材料。
  5. 【請求項5】 伝導帯の底から80meV以上低いエネ
    ルギ準位又は価電子帯の上端から80meV以上高いエ
    ネルギ準位の捕獲断面積が1×10-11(cm2)以下で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に
    記載の熱電材料。
  6. 【請求項6】 I、Cl、Br、Ag、Hg及びCuか
    らなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記
    載の熱電材料。
  7. 【請求項7】 Bi及びSbからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から
    選択された少なくとも1種の元素とを含有する組成を有
    する原料を溶解し液体急冷法により粉末状又は薄片状と
    する工程と、これを粉砕して粉末とする工程と、前記粉
    末をプラズマ処理する工程と、プラズマ処理された前記
    粉末を固化成形する工程とを有することを特徴とする熱
    電材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記原料は、I、Cl、Br、Ag、H
    g及びCuからなる群から選択された少なくとも1種の
    元素を含有することを特徴とする請求項7に記載の熱電
    材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記粉末をプラズマ処理する工程は、A
    r、H2、O2、SbH3、H2Te、H2Se、SiH4
    GeH4及びSbCl3からなる群から選択された少なく
    とも1種の雰囲気ガス中で前記粉末を高周波プラズマに
    曝露する工程であることを特徴とする請求項7又は8に
    記載の熱電材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記粉末をプラズマ処理する工程は、
    高周波電源の出力を10乃至1000W、処理時間を
    0.5時間以上、雰囲気ガスの流量を10ml/分以上
    としてプラズマ処理する工程であることを特徴とする請
    求項7乃至9のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方
    法。
JP12797098A 1997-05-15 1998-05-11 熱電材料及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3572939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12797098A JP3572939B2 (ja) 1997-05-15 1998-05-11 熱電材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-125491 1997-05-15
JP12549197 1997-05-15
JP12797098A JP3572939B2 (ja) 1997-05-15 1998-05-11 熱電材料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1131849A true JPH1131849A (ja) 1999-02-02
JP3572939B2 JP3572939B2 (ja) 2004-10-06

Family

ID=26461921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12797098A Expired - Lifetime JP3572939B2 (ja) 1997-05-15 1998-05-11 熱電材料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3572939B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505028A (ja) * 2003-09-12 2007-03-08 ボード オブ トラスティース オペレイティング ミシガン ステイト ユニバーシティー 銀を含有する熱電気的な合成物
WO2010024641A3 (ko) * 2008-08-29 2010-07-01 주식회사 엘지화학 신규한 열전 변환 재료 및 그 제조 방법과, 이를 이용한 열전 변환 소자
JP2012204452A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Komatsu Ltd BiTe系多結晶熱電材料およびそれを用いた熱電モジュール
KR101533627B1 (ko) * 2012-10-09 2015-07-06 한양대학교 에리카산학협력단 열전복합체의 제조방법, 그에 따라 제조된 열전복합체와 열전복합재료
US9660165B2 (en) 2008-08-29 2017-05-23 Lg Chem, Ltd. Thermoelectric conversion material and producing method thereof, and thermoelectric conversion element using the same
WO2017170914A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 住友化学株式会社 化合物、熱電変換材料及び化合物の製造方法
KR20180094533A (ko) * 2017-02-15 2018-08-24 공주대학교 산학협력단 대면적 Bi-Sb-Te계 소결합금 제조방법 및 이를 이용한 대면적 Bi-Sb-Te계 소결합금
CN110692143A (zh) * 2017-06-08 2020-01-14 住友电气工业株式会社 热电转换材料、热电转换元件和热电转换材料的制造方法
KR20210071150A (ko) * 2019-12-05 2021-06-16 (주)선영시스텍 금속 분말 및 이의 가공장치, 가공방법
US11171277B2 (en) 2016-03-31 2021-11-09 Sumitomo Chemical Company, Limited Compound and thermoelectric conversion material

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505028A (ja) * 2003-09-12 2007-03-08 ボード オブ トラスティース オペレイティング ミシガン ステイト ユニバーシティー 銀を含有する熱電気的な合成物
US9620696B2 (en) 2008-08-28 2017-04-11 Lg Chem, Ltd. Thermoelectric conversion material and producing method thereof, and thermoelectric conversion element using the same
US8715538B2 (en) 2008-08-29 2014-05-06 Lg Chem, Ltd. Thermoelectric conversion material and producing method thereof; and thermoelectric conversion element using the same
WO2010024641A3 (ko) * 2008-08-29 2010-07-01 주식회사 엘지화학 신규한 열전 변환 재료 및 그 제조 방법과, 이를 이용한 열전 변환 소자
US8029703B2 (en) 2008-08-29 2011-10-04 Lg Chem, Ltd. Compound semiconductor and its manufacturing method, and thermoelectric conversion device using the same
KR101128304B1 (ko) 2008-08-29 2012-03-23 주식회사 엘지화학 신규한 열전 변환 재료 및 그 제조 방법과, 이를 이용한 열전 변환 소자
US8173097B2 (en) 2008-08-29 2012-05-08 Lg Chem, Ltd. Thermoelectric conversion material and its manufacturing method, and thermoelectric conversion device using the same
US8226843B2 (en) 2008-08-29 2012-07-24 Lg Chem, Ltd. Thermoelectric conversion material and producing method thereof, and thermoelectric conversion element using the same
JP2011516370A (ja) * 2008-08-29 2011-05-26 エルジー・ケム・リミテッド 新規な熱電変換材料及びその製造方法、並びにそれを用いた熱電変換素子
US8535637B2 (en) 2008-08-29 2013-09-17 Lg Chem, Ltd. Thermoelectric conversion material and its manufacturing method, and thermoelectric conversion device using the same
JP2011513986A (ja) * 2008-08-29 2011-04-28 エルジー・ケム・リミテッド 新規な熱電変換材料及びその製造方法、並びにそれを用いた熱電変換素子
US9660165B2 (en) 2008-08-29 2017-05-23 Lg Chem, Ltd. Thermoelectric conversion material and producing method thereof, and thermoelectric conversion element using the same
CN103178202B (zh) * 2008-08-29 2016-06-01 Lg化学株式会社 新型热电转换材料及其制备方法,以及使用该热电转换材料的热电转换器件
JP2012204452A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Komatsu Ltd BiTe系多結晶熱電材料およびそれを用いた熱電モジュール
KR101533627B1 (ko) * 2012-10-09 2015-07-06 한양대학교 에리카산학협력단 열전복합체의 제조방법, 그에 따라 제조된 열전복합체와 열전복합재료
WO2017170914A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 住友化学株式会社 化合物、熱電変換材料及び化合物の製造方法
US11063197B2 (en) 2016-03-31 2021-07-13 Sumitomo Chemical Company, Limited Compound, thermoelectric conversion material, and method for producing compound
US11171277B2 (en) 2016-03-31 2021-11-09 Sumitomo Chemical Company, Limited Compound and thermoelectric conversion material
KR20180094533A (ko) * 2017-02-15 2018-08-24 공주대학교 산학협력단 대면적 Bi-Sb-Te계 소결합금 제조방법 및 이를 이용한 대면적 Bi-Sb-Te계 소결합금
CN110692143A (zh) * 2017-06-08 2020-01-14 住友电气工业株式会社 热电转换材料、热电转换元件和热电转换材料的制造方法
JP2022037116A (ja) * 2017-06-08 2022-03-08 住友電気工業株式会社 熱電変換材料、熱電変換素子および熱電変換材料の製造方法
CN110692143B (zh) * 2017-06-08 2023-04-28 住友电气工业株式会社 热电转换材料、热电转换元件和热电转换材料的制造方法
KR20210071150A (ko) * 2019-12-05 2021-06-16 (주)선영시스텍 금속 분말 및 이의 가공장치, 가공방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3572939B2 (ja) 2004-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2022126952A1 (zh) 一种碲化铋热电材料及其制备方法
EP0874406A2 (en) A co-sb based thermoelectric material and a method of producing the same
US7002071B1 (en) Thermoelectric conversion material and method of producing the same
KR100398939B1 (ko) 열전 변환 재료
EP2427589B1 (de) Verfahren zur herstellung von thermoelektrischen schichten
JP2829415B2 (ja) 熱電半導体材料およびその製造方法
TW200933940A (en) Extrusion process for preparing improved thermoelectric materials
EP0583795A1 (en) Method for producing thermoelectric elements
US20180138385A1 (en) Method for manufacturing bi-te-based thermoelectric material using resistance-heating element
JP3572939B2 (ja) 熱電材料及びその製造方法
US7067733B2 (en) Thermoelectric material having crystal grains well oriented in certain direction and process for producing the same
US20160343930A1 (en) Thermoelectric composite material and method for producing same
JP2007067163A (ja) 熱電材料及びその製造方法、並びに熱電モジュール
EP0996174B1 (en) Thermoelectric materials and thermoelectric conversion element
US20040217333A1 (en) N-type thermoelectric material and method of preparing thereof
US8986566B2 (en) Thermoelectric material, thermoelectric device using the same, and method of manufacturing thereof
US20220077375A1 (en) Thermoelectric material manufacturing method
CN115667559B (zh) 硅化物系合金材料、以及使用了该硅化物系合金材料的元件
JP2556970B2 (ja) 熱電材料の製造方法
JP2000261044A (ja) 熱電変換材料とその製造方法
JPH07215704A (ja) 1b−3b−6b族化合物薄膜の製造方法
JP2002232024A (ja) 熱電素子の製造方法
JP3478162B2 (ja) 熱電材料の製造方法
JP2000036627A (ja) 熱電材料及び熱電変換素子
CN113272978B (zh) 硅化物系合金材料和使用它的热电转换元件

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040621

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term