JP2000285829A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000285829A
JP2000285829A JP2000010534A JP2000010534A JP2000285829A JP 2000285829 A JP2000285829 A JP 2000285829A JP 2000010534 A JP2000010534 A JP 2000010534A JP 2000010534 A JP2000010534 A JP 2000010534A JP 2000285829 A JP2000285829 A JP 2000285829A
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image forming
forming apparatus
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spacer
phosphor
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Yoichi Ando
洋一 安藤
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像表示時の放電を防止し、良好な表示画像
を得る為の画像表示装置を提供する。 【解決手段】 複数の電子放出素子を有する電子源と、
電子源より放出された電子ビームの照射により発光する
蛍光体と、電子源と蛍光体との間に配置され電子源との
第1の当接面と蛍光体との第2の当接面と第1と第2の
当接面とに挟まれる側面を有するスペーサとを有する画
像形成装置において、側面の少なくとも一部が蛍光体の
表面に面するように上方内側に傾斜している。又は、側
面の少なくとも一部が電子源の表面に面するように傾斜
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線装置および
その応用である表示装置等の画像形成装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出
型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型
放出素子(以下MIM型と記す)、などが知られてい
る。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10,12
90(1965)や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2 薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:“Thin Solid Films”,9,317(197
2)]や、In2 3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Ha
rtwell andC.G.Fonstad:“IEEE Trans. ED Con
f.”,519 (1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木
久 他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が報
告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図27に前述のM.Hartwellらによ
る素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。該導電性薄膜3
004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を
施すことにより、電子放出部3005が形成される。図
中の間隔Lは、0.5〜1[mm]、Wは、0.1[m
m]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子放出
部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で
示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出
部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0006】M.Hartwellらによる素子をはじめとして
上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う
前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる
通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成す
るのが一般的であった。すなわち、通電フォーミングと
は、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、
もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとした
レートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄
膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せ
しめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形
成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もし
くは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発
生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜3004
に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近におい
て電子放出が行われる。
【0007】また、FE型の例は、たとえば、W.P.
Dyke & W.W.Dolan,“Field emission”,Advance
in Electron Physics,8,89(1956)や、あるいは、C.
A.Spindt,“Physical Properties of Thin−Film Fie
ld Emission Cathodes withMolybdenum Cones”,J.A
ppl. Phys.,47, 5248(1976)などが知られている。
【0008】FE型の素子構成の典型的な例として、図
28に前述のC. A. Spindtらによる素子の断面図を示
す。同図において、3010は基板で、3011は導電
材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコー
ン、3013は絶縁層、3014はゲート電極である。
本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極301
4の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコ
ーン3012の先端部より電界放出を起こさせるもので
ある。
【0009】また、FE型の他の素子構成として、図2
8のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ
平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】また、MIM型の例としては、たとえば、
C. A. Mead, “Operation of Tunnel-Emission Device
s, J. Appl. Phys., 32, 646(1961)などが知られてい
る。MIM型の素子構成の典型的な例を図29に示す。
同図は断面図であり、図において、3020は基板で、
3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ100
オングストローム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ8
0〜300オングストローム程度の金属よりなる上電極
である。MIM型においては、上電極3023と下電極
3021の間に適宜の電圧を印加することにより、上電
極3023の表面より電子放出を起こさせるものであ
る。
【0011】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
ターを必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構
造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、
基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱
溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒ
ーターの加熱により動作するため応答速度が遅いのとは
異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利
点もある。
【0012】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0013】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31
332号公報において開示されるように、多数の素子を
配列して駆動するための方法が研究されている。また、
表面伝導型放出素子の応用については、たとえば、画像
表示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビ
ーム源、等が研究されている。
【0014】特に、画像表示装置への応用としては、た
とえば本出願人による米国特許第5,066,883号や特開平
2−257551号公報や特開平4−28137号公報
において開示されているように、表面伝導型放出素子と
電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わせ
て用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型放
出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置
は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が
期待されている。たとえば、近年普及してきた液晶表示
装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを
必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言え
る。
【0015】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、たとえば本出願人による米国特許第4,904,895号
に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用
した例として、たとえば、R. Meyerらにより報告された
平板型表示装置が知られている[R. Meyer:“Recent D
evelopment on Microtips Display at LETI”,Tech.Di
gest of 4th Int. Vacuum Microele-ctronics Conf., N
agahama, pp.6〜9(1991)]。
【0016】また、MIM型を多数個並べて画像表示装
置に応用した例は、たとえば本出願人による特開平3−
55738号公報に開示されている。
【0017】上記のような電子放出素子を用いた画像形
成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペ
ースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置
に置き換わるものとして注目されている。
【0018】図30は平面型の画像表示装置をなす表示
パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すた
めにパネルの一部を切り欠いて示している。
【0019】図中、3115はリアプレート、3116
は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレ
ート3115、側壁3116およびフェースプレート3
117により、表示パネルの内部を真空に維持するため
の外囲器(気密容器)を形成している。
【0020】リアプレート3115には基板3111が
固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子
3112が、N×M個形成されている。(N、Mは2以
上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適
宜設定される。)また、前記N×M個の冷陰極素子31
12は、図30に示すとおり、M本の行方向配線311
3とN本の列方向配線3114により配線されている。
これら基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線
3113および列方向配線3114によって構成される
部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線3
113と列方向配線3114の少なくとも交差する部分
には、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、
電気的な絶縁が保たれている。
【0021】フェースプレート3117の下面には、蛍
光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図
示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をな
す上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあ
り、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の
面には、Al等からなるメタルバック3119が形成さ
れている。
【0022】Dx1l〜DxmおよびDy1〜Dynお
よびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電
気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子
である。Dx1l〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方
向配線3113と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム
源の列方向配線3114と、Hvはメタルバック311
9と各々電気的に接続している。
【0023】また、上記気密容器の内部は10のマイナ
ス6乗Torr程度の真空に保持されており、画像表示
装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部
と外部の気圧差によるリアプレート3115およびフェ
ースプレート3117の変形あるいは破壊を防止する手
段が必要となる。リアプレート3115およびフェース
プレート3116を厚くすることによる方法は、画像表
示装置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見
たときに画像のゆがみや視差を生ずる。これに対し、図
30においては、比較的薄いガラス板からなり大気圧を
支えるための構造支持体(スペーサあるいはリブと呼ば
れる)3120が設けられている。このようにして、マ
ルチビーム電子源が形成された基板3111と蛍光膜3
118が形成されたフェースプレート3116間は通常
サブミリないし数ミリに保たれ、前述したように気密容
器内部は高真空に保持されている。
【0024】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1lないしDxm、Dy1ない
しDynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加す
ると、各冷陰極素子3112から電子が放出される。そ
れと同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通
じて数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上
記放出された電子を加速し、フェースプレート3117
の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜3118をな
す各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示され
る。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した画像表示
装置の表示パネルにおいては、以下のような問題点があ
った。
【0026】冷陰極素子3112からの放出電子を加速
するためにマルチビーム電子源とフェースプレート31
17との間には数百V以上の高電圧(即ち1kV/mm
以上の高電界)が印加されるため、スペーサ3120表
面での沿面放電が懸念される。特に、スペーサ3120
の近傍から放出された電子の一部がスペーサ3120に
当たることにより、あるいは放出電子の作用でイオン化
したイオンがスペーサに付着することにより、スペーサ
帯電をひきおこしている場合は、放電が誘発される可能
性がある。
【0027】この問題点を解決するために、スペーサに
微小電流が流れるようにして帯電を除去する提案がなさ
れている(特開昭57−118355号公報、特開昭6
1−124031号公報)。そこでは絶縁性のスペーサ
の表面に高抵抗薄膜を形成することにより、スペーサ表
面に微小電流が流れるようにしている。ここで用いられ
ている帯電防止膜は酸化スズ、あるいは酸化スズと酸化
インジウム混晶薄膜や金属膜である。
【0028】帯電防止膜の機能をさらに強化するため
に、スペーサ3120が基板3111、あるいは蛍光膜
3118と接触する面、ならびにその近傍に導電性膜を
配置している。これにより帯電防止膜と基板3111、
及び蛍光膜3118の間の電気的接続が確保される。
【0029】半面、基板3111と蛍光膜3118の間
に高電圧を印加するときには前記導電性膜、特にスペー
サの長手方向の端部付近が放電の原因となりやすい。こ
れらの放電は、画像表示中に突発的に起こり、画像を乱
すだけでなく、放電個所近傍の冷陰極素子3112を著
しく劣化させ、その後の表示が正常にできなくなるとい
う問題があった。
【0030】本発明は上記従来スペーサの欠点を克服す
るものであり、画像表示時の放電を防止し、良好な表示
画像を得る為の画像表示装置を提供するものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明による画像形成装
置は、複数の電子放出素子を有する電子源と、前記電子
源より放出された電子ビームの照射により発光する蛍光
体と、前記電子源と前記蛍光体との間に配置され前記電
子源との第1の当接面と前記蛍光体との第2の当接面と
前記第1と第2の当接面とに挟まれる側面を有するスペ
ーサとを有する画像形成装置において、前記側面の少な
くとも一部が前記蛍光体の表面に面するように傾斜して
いることを特徴とする。
【0032】また、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
が平面状であることを特徴とする。
【0033】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
が、前記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度をな
すことを特徴とする。
【0034】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
が曲面状であることを特徴とする。
【0035】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
の少なくとも一部が前記電子源の表面を貫く垂線と5度
以上の角度をなすことを特徴とする。
【0036】更に、本発明による画像形成装置は、複数
の電子放出素子を有する電子源と、前記電子源より放出
された電子ビームの照射により発光する蛍光体と、前記
電子源と前記蛍光体との間に配置され前記電子源との第
1の当接面と前記蛍光体との第2の当接面と前記第1と
第2の当接面とに挟まれる側面を有するスペーサとを有
する画像形成装置において、前記側面の少なくとも一部
が前記電子源の表面に面するように傾斜していることを
特徴とする。
【0037】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
が平面状であることを特徴とする。
【0038】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
が、前記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度をな
すことを特徴とする。
【0039】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
が曲面状であることを特徴とする。
【0040】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記側面のうち傾斜した部分
の少なくとも一部が前記電子源の表面を貫く垂線と5度
以上の角度をなすことを特徴とする。
【0041】更に、本発明による画像形成装置は、複数
の電子放出素子を有する電子源と、前記電子源より放出
された電子ビームの照射により発光する蛍光体と、前記
電子源と前記蛍光体との間に配置され前記電子源との第
1の当接面と前記蛍光体との第2の当接面と前記第1と
第2の当接面とに挟まれる側面を有するスペーサとを有
する画像形成装置において、前記側面は前記第1の当接
面と共通辺を有する第1の側面と前記第2の当接面と共
通辺を有する第2の側面を有し、前記第1の側面の少な
くとも一部が前記電子源の表面と面するように傾斜し、
前記第2の側面の少なくとも一部が前記蛍光体の面と面
するように傾いていることを特徴とする。
【0042】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第1の側面のうち傾いた
部分が平面状であることを特徴とする。
【0043】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第1の側面のうち傾いた
部分が、前記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度
をなすことを特徴とする。
【0044】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第1の側面のうち傾いた
部分が曲面状であることを特徴とする。
【0045】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第1の側面のうち傾いた
部分の少なくとも一部が前記電子源の表面を貫く垂線と
5度以上の角度をなすことを特徴とする。
【0046】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第2の側面のうち傾いた
部分が平面状であることを特徴とする。
【0047】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第2の側面のうち傾いた
部分が、前記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度
をなすことを特徴とする。
【0048】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第2の側面のうち傾いた
部分が曲面状であることを特徴とする。
【0049】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記第2の側面のうち傾いた
部分の少なくとも一部が前記電子源の表面を貫く垂線と
5度以上の角度をなすことを特徴とする。
【0050】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記電子源は、配線にて結線
された複数の電子放出素子を有し、前記スペーサは、表
面に高抵抗膜をもち、前記スペーサ表面の高抵抗膜は、
前記配線と前記蛍光体に対して電気的に接続されている
ことを特徴とする。
【0051】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記電子源は、複数の行方向
配線と複数の列方向配線とでマトリクス配線された複数
の電子放出素子を有し、前記スペーサは、その長手方向
と行方向配線あるいは列方向配線とが平行になるよう
に、前記行方向配線あるいは列方向配線と前記蛍光体と
の間に配置されており、前記スペーサ表面の高抵抗膜
は、前記行方向配線あるいは列方向配線と前記蛍光体に
対して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0052】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記スペーサは該スペーサと
前記蛍光体との当接面及びその近傍に配設される第1の
低抵抗層並びに該スペーサと前記電子源との当接面及び
その近傍に配設される第2の低抵抗層を備え、前記スペ
ーサの最大断面積の前記蛍光体への正射影に、前記第1
の低抵抗層が内包され、及び/又は、前記スペーサの最
大断面積の前記電子源への正射影に、前記第2の低抵抗
層が内包されていることを特徴とする。
【0053】更に、本発明による画像形成装置は、上記
の画像形成装置において、前記電子放出素子は、表面伝
導型放出素子であることを特徴とする。
【0054】[作用]以上により、スペーサの二次電子
による正帯電を抑え、また電界放出一次電子によるスペ
ーサの電子源側の負帯電により、放電原因となりやすい
スペーサの陰極付近の電界集中を飽和し、放電を防ぐこ
とができる。
【0055】
【発明の実施の形態】[実施形態1]まず本発明の実施
形態による画像表示装置に用いたスペーサについて詳細
に説明する。
【0056】図1は、図12(詳しくは後述)のY方向
から見た模式図、図2は同じくX方向から見た模式図で
あり、各部の番号は図12に対応している。なお図12
においては、説明の便宜上、スペーサは矩形状に描いて
いる。
【0057】図1において1020はスペーサであり、
上側がフェースプレート1017(陽極側)、下側がリ
アプレート1015(陰極側)(いずれも不図示)と接
し、スペーサ1020の高さは3mm、長さは40mm
である。また陰極接合部に立てた垂線からの角度をαと
すると、αは通常は5゜から50゜くらいの範囲から適
当な数値を選んで設計される。αが大きいほど放電耐圧
は向上するが、半面、耐大気圧構造としては弱くなる。
本実施形態においてはαを15゜とした。
【0058】αが大きいほど放電耐圧は向上するのは以
下の理由による。
【0059】まずスペーサの沿面で放電する機構として
は諸説あるものの、スペーサ陰極付近の電界放出電子が
引き金となり、その電子がスペーサに衝突することでお
きる二次電子増倍によるスペーサ正帯電現象、及びそれ
に伴う放出気体中での気体放電により最終的な絶縁破壊
に至る、というのが、一般的な考え方である。
【0060】上記αの角度をつけると、(1)前記電界
放出電子がスペーサに衝突するのを抑制し、正帯電その
ものを小さくすること(2)スペーサ正帯電によるスペ
ーサ陰極付近への影響を小さくする。これらの理由によ
り、スペーサ陰極付近の電界集中を緩和することで、放
電耐圧は向上すると考えられる。
【0061】図2において1020はスペーサであり、
上側がフェースプレート1017(陽極側)、下側がリ
アプレート1015(陰極側)(いずれも不図示)と接
し、スペーサ1020の厚さは200μmである。本実
施形態では、図2における陰極接合部に立てた垂線から
の角度をβとするとβ=0゜、すなわち垂直であるが、
図3のようにβを適当な値に設計した方がより効果的な
場合もある。
【0062】本実施形態でβ=0゜としたのは以下の理
由による。
【0063】従来放電耐圧がもっとも弱い部分は、スペ
ーサ陰極側端部(図中辺B近傍)であった。これは端部
という形状的な特異点と、厚み方向という薄さによる加
工や成膜(詳しくは後述)の欠陥に起因するものと思わ
れる。
【0064】一方、αは図2の辺B、βは図1の辺Aの
近傍に対して放電耐圧向上効果があり、このため本実施
形態の場合、βよりαの方が、より効果的に放電耐圧向
上効果が得られると考えられる。
【0065】また本実施形態の場合、辺Bの長さとスペ
ーサ1020の高さの比と、耐大気圧構造の点より、β
は大きな値を取れないため、αの15゜と比べ放電耐圧
向上効果は大きくないといえる。実際、本実施形態のス
ペーサ(α=15゜、β=0゜)を用いることで十分な
放電耐圧を得ることができた。
【0066】もちろん上記α、βの値は本実施形態にお
いて最適な値であり、パネルやスペーサの設計が変わっ
た場合、適宜変更されなければならない。例えばスペー
サ厚さがより厚くなった場合や、辺Aの近傍にも放電発
生源が有り得る場合など、上記βが効果的となる。
【0067】上記スペーサとしては、板状のソーダライ
ムガラスを図4のようにカットし、研磨したものを用い
た。図のように台形状のため、一枚のガラス板から効率
的に切り出すことができ、コスト的にも有利である。
【0068】また、本実施形態においては、図12のY
方向からの正射影が図1のように上すぼみの台形である
が、例えば図5のように同正射影が曲線を含む形状でも
同様の効果を生むことは明らかである。
【0069】(1)画像表示装置概要 次に、本発明を適用した画像表示装置の表示パネルの構
成と製造法について、具体的な例を示して説明する。
【0070】図12は、実施形態に用いた表示パネルの
斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切
り欠いて示している。以後、説明の便宜上スペーサは、
矩形状としている。
【0071】図中、1015はリアプレート、1016
は側壁、1017はフェースプレートであり、1015
〜1017により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。また、上記気密容器の内部は1
0のマイナス6乗[Torr]程度の真空に保持される
ので、大気圧や不意の衝撃などによる気密容器の破壊を
防止する目的で、耐大気圧構造体として、スペーサ10
20が設けられている。
【0072】リアプレート1015には、基板1011
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1012
がN×M個形成されている。(N,Mは2以上の正の整
数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした
表示装置においては、N=3000,M=1000以上
の数を設定することが望ましい。)前記N×M個の冷陰
極素子は、M本の行方向配線1013とN本の列方向配
線1014により単純マトリクス配線されている。前
記、1011〜1014によって構成される部分をマル
チ電子ビーム源と呼ぶ。
【0073】本発明の画像表示装置に用いるマルチ電子
ビーム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子
源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法に制
限はない。したがって、たとえば表面伝導型放出素子や
FE型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いるこ
とができる。
【0074】次に、冷陰極素子として表面伝導型放出素
子(後述)を基板上に配列して単純マトリクス配線した
マルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0075】図13に示すのは、図12の表示パネルに
用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板101
1上には、後述の図14で示すものと同様な表面伝導型
放出素子が配列され、これらの素子は行方向配線101
3と列方向配線1014により単純マトリクス状に配線
されている。行方向配線1013と列方向配線1014
の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)が形成
されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0076】図13のB−B′に沿った断面を、図15
に示す。
【0077】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線1013、列方向配線1
014、電極間絶縁層(不図示)、および表面伝導型放
出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、行方向配
線1013および列方向配線1014を介して各素子に
給電して通電フォーミング処理(後述)と通電活性化処
理(後述)を行うことにより製造した。
【0078】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レート1015にマルチ電子ビーム源の基板1011を
固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板10
11が十分な強度を有するものである場合には、気密容
器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板10
11自体を用いてもよい。
【0079】また、フェースプレート1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。本実施形態はカ
ラー表示装置であるため、蛍光膜1018の部分にはC
RTの分野で用いられる赤、緑、青、の3原色の蛍光体
が塗り分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図2
5(a)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍
光体のストライプの間には黒色の導電体1010が設け
てある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビ
ームの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが
生じないようにする事や、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐ事、電子ビームによる蛍光膜の
チャージアップを防止する事などである。黒色の導電体
1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記の目
的に適するものであればこれ以外の材料を用いても良
い。
【0080】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は図2
5(a)に示したストライプ状の配列に限られるもので
はなく、たとえば図25(b)に示すようなデルタ状配
列や、それ以外の配列(例えば図26)であってもよ
い。
【0081】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1018に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0082】また、蛍光膜1018のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
を設けてある。メタルバック1019を設けた目的は、
蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させる事や、負イオンの衝突から蛍光膜101
8を保護する事や、電子ビーム加速電圧を印加するため
の電極として作用させる事や、蛍光膜1018を励起し
た電子の導電路として作用させる事などである。メタル
バック1019は、蛍光膜1018をフェースプレート
基板1017上に形成した後、蛍光膜表面を平滑化処理
し、その上にAlを真空蒸着する方法により形成した、
なお、蛍光膜1018に低電圧用の蛍光体材料を用いた
場合には、メタルバック1019は用いない。
【0083】また、本実施形態では用いなかったが、加
速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フ
ェースプレート基板1017と蛍光膜1018との間
に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0084】図16は図12のA−A′の断面模式図で
あり、各部の番号は図12に対応している。スペーサ1
020は絶縁性部材1の表面に帯電防止を目的とした高
抵抗膜11を成膜し、かつフェースプレート1017の
内側(メタルバック1019等)及び基板1011の表
面(行方向配線1013または列方向配線1014)に
面したスペーサの当接面3及び接する側面部5に低抵抗
膜(導電性膜)21を成膜した部材からなるもので、上
記目的を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔を
おいて配置され、フェースプレートの内側および基板1
011の表面に接合材1014により固定される。ま
た、高抵抗膜11は、絶縁性部材1の表面のうち、少な
くとも気密容器内の真空中に露出している面に成膜され
ており、スペーサ1020上の低抵抗膜21および接合
材1041を介して、フェースプレート1017の内側
(メタルバック1019等)及び基板1011の表面
(行方向配線1013または列方向配線1014)に電
気的に接続される。ここで説明される態様においては、
スペーサ1020の形状は前記の通り(変更)とし、行
方向配線1013に平行に配置され、行方向配線101
3に電気的に接続されている。
【0085】スペーサ1020としては、基板1011
上の行方向配線1013および列方向配線1014とフ
ェースプレート1017内面のメタルバック1019と
の間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有し、
かつスペーサ1020の表面への帯電を防止する程度の
導電性を有する必要がある。
【0086】スペーサ1020の絶縁性部材1として
は、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少し
たガラス、ソーダライムガラス、アルミナ等のセラミッ
クス部材等が挙げられる。なお、絶縁性部材1はその熱
膨張率が気密容器および基板1011を成す部材と近い
ものが好ましい。
【0087】スペーサ1020を構成する高抵抗膜11
には、高電位側のフェースプレート1017(メタルバ
ック1019等)に印加される加速電圧Vaを帯電防止
膜である高抵抗膜11の抵抗値Rsで除した電流が流さ
れる。そこで、スペーサの抵抗値Rsは帯電防止および
消費電力からその望ましい範囲に設定される。帯電防止
の観点からシート抵抗は10の12乗Ω/□以下である
ことが好ましい。十分な帯電防止効果を得るためには1
0の11乗Ω/□以下がさらに好ましい。シート抵抗の
下限はスペーサ形状とスペーサ間に印加される電圧によ
り左右されるが、10の5乗Ω/□以上であることが好
ましい。
【0088】絶縁材料1上に形成された帯電防止膜であ
る高抵抗膜11の厚みtは10nm〜1μmの範囲が望
ましい。材料の表面エネルギーおよび基板との密着性や
基板温度によっても異なるが、一般的に10nm以下の
薄膜は島状に形成され、抵抗が不安定で再現性に乏し
い。一方、膜厚tが1μm以上では膜応力が大きくなっ
て膜はがれの危険性が高まり、かつ成膜時間が長くなる
ため生産性が悪い。従って、膜厚は50〜500nmで
あることが望ましい。シート抵抗はρ/tであり、以上
に述べたシート抵抗と厚みtの好ましい範囲から、帯電
防止膜の比抵抗ρは0.1[Ωcm]乃至10の8乗
[Ωcm]が好ましい。さらにシート抵抗と膜厚のより
好ましい範囲を実現するためには、ρは10の2乗乃至
10の6乗Ωcmとするのが良い。
【0089】スペーサは上述したようにその上に形成し
た帯電防止膜を電流が流れることにより、あるいはディ
スプレイ全体が動作中に発熱することによりその温度が
上昇する。帯電防止膜の抵抗温度係数が大きな負の値で
あると温度が上昇した時に抵抗値が減少し、スペーサに
流れる電流が増加し、さらに温度上昇をもたらす。そし
て電流は電源の限界を越えるまで増加しつづける。この
ような電流の暴走が発生する抵抗温度係数の値は経験的
に負の値で絶対値が1%以上である。すなわち、帯電防
止膜の抵抗温度係数は−1%以上であることが望まし
い。
【0090】帯電防止特性を有する高抵抗膜11の材料
としては、例えば金属酸化物を用いることが出来る。金
属酸化物の中でも、クロム、ニッケル、銅の酸化物が好
ましい材料である。その理由はこれらの酸化物は二次電
子放出効率が比較的小さく、冷陰極素子1012から放
出された電子がスペーサ1020に当たった場合におい
ても帯電しにくいためと考えられる。金属酸化物以外に
も炭素は二次電子放出効率が小さく好ましい材料であ
る。特に、非晶質カーボンは高抵抗であるため、スペー
サ抵抗を所望の値に制御しやすい。
【0091】帯電防止特性を有する高抵抗膜11の他の
材料として、アルミと遷移金属合金の窒化物は遷移金属
の組成を調整することにより、良伝導体から絶縁体まで
広い範囲に抵抗値を制御できるので好適な材料である。
さらには後述する表示装置の作製工程において抵抗値の
変化が少なく安定な材料である。かつ、その抵抗温度係
数が−1%未満であり、実用的に使いやすい材料であ
る。遷移金属元素としてはTi,Cr,Ta等があげら
れる。
【0092】合金窒化膜はスパッタ、窒素ガス雰囲気中
での反応性スパッタ、電子ビーム蒸着、イオンプレーテ
ィング、イオンアシスト蒸着法等の薄膜形成手段により
絶縁性部材上に形成される。金属酸化膜も同様の薄膜形
成法で作製することができるが、この場合窒素ガスに代
えて酸素ガスを使用する。その他、CVD法、アルコキ
シド塗布法でも金属酸化膜を形成できる。カーボン膜は
蒸着法、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法で作
製され、特に非晶質カーボンを作製する場合には、成膜
中の雰囲気に水素が含まれるようにするか、成膜ガスに
炭化水素ガスを使用する。
【0093】スペーサ1020を構成する低抵抗膜(導
電性膜)21は、高抵抗膜11を高電位側のフェースプ
レート1017(メタルバック1019等)及び低電位
側の基板1011(配線1013,1014等)と電気
的に接続する為に設けられたものであり、以下では、中
間電極層(中間層)という名称も用いる。中間電極層
(中間層)は以下に列挙する複数の機能を有することが
出来る。
【0094】高抵抗膜11をフェースプレート101
7及び基板1011と電気的に接続する。
【0095】既に記載したように、高抵抗膜11はスペ
ーサ1020表面での帯電を防止する目的で設けられた
ものであるが、高抵抗膜11をフェースプレート101
7(メタルバック1019等)及び基板1011(配線
1013,1014等)と直接或いは当接材1041を
介して接続した場合、接続部界面に大きな接触抵抗が発
生し、スペーサ表面に発生した電荷を速やかに除去でき
なくなる可能性がある。これを避ける為に、フェースプ
レート1017、基板1011及び当接材1041と接
触するスペーサ1020の当接面3或いは側面部5に低
抵抗の中間層を設けた。
【0096】高抵抗膜11の電位分布を均一化する。
【0097】冷陰極素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ1
020の近傍で電子軌道に乱れが生じないようにする為
には、高抵抗膜11の電位分布を全域にわたって制御す
る必要がある。高抵抗膜11をフェースプレート101
7(メタルバック1019等)及び基板1011(配線
1013,1014等)と直接或いは当接材1041を
介して接続した場合、接続部界面の接触抵抗の為に、接
続状態のむらが発生し、高抵抗膜11の電位分布が所望
の値からずれてしまう可能性がある。これを避ける為
に、スペーサ1020がフェースプレート1017及び
基板1011と当接するスペーサ端部(当接面3或いは
側面部5)の全長域に低抵抗の中間層を設け、この中間
層部に所望の電位を印加することによって、高抵抗膜1
1全体の電位を制御可能とした。
【0098】放出電子の軌道を制御する。
【0099】冷陰極素子1012より放出された電子
は、フェースプレート1017と基板1011の間に形
成された電位分布に従って電子軌道を成す。スペーサ近
傍の冷陰極素子から放出された電子に関しては、スペー
サを設置することに伴う制約(配線、素子位置の変更
等)が生じる場合がある。このような場合、歪みやむら
の無い画像を形成する為には、放出された電子の軌道を
制御してフェースプレート1017上の所望の位置に電
子を照射する必要がある。フェースプレート1017及
び基板1011と当接する面の側面部5に低抵抗の中間
層を設けることにより、スペーサ1020近傍の電位分
布に所望の特性を持たせ、放出された電子の軌道を制御
することが出来る。
【0100】低抵抗膜21は、高抵抗膜11に比べ十分
に低い抵抗値を有する材料を選択すればよく、Ni,C
r,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等
の金属、あるいは合金、及びPd,Ag,Au,RuO
2 ,Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構
成される印刷導体、あるいはIn2 3 −SnO2 等の
透明導体及びポリシリコン等の半導体材料等より適宜選
択される。
【0101】接合材1041はスペーサ1020が行方
向配線1013およびメタルバック1019と電気的に
接続するように、導電性をもたせる必要がある。すなわ
ち、導電性接着材や金属粒子や導電性フィラーを添加し
たフリットガラスが好適である。
【0102】また、Dx1l〜DxmおよびDy1〜D
ynおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路
とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続
用端子である。Dx1l〜Dxmはマルチ電子ビーム源
の行方向配線1013と、Dy1〜Dynはマルチ電子
ビーム源の列方向配線1014と、Hvはフェースプレ
ートのメタルバック1019と電気的に接続している。
【0103】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、たと
えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしく
は高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、
該ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10マ
イナス5乗ないしは1×10マイナス7乗[Torr]
の真空度に維持される。
【0104】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1lないしDxm、Dy1ない
しDynを通じて各冷陰極素子1012に電圧を印加す
ると、各冷陰極素子1012から電子が放出される。そ
れと同時にメタルバック1019に容器外端子Hvを通
じて数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上
記放出された電子を加速し、フェースプレート1017
の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜1018をな
す各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示され
る。
【0105】通常、冷陰極素子である本発明の表面伝導
型放出素子への1012への印加電圧は12〜16
[V]程度、メタルバック1019と冷陰極素子101
2との距離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メ
タルバック1019と冷陰極素子1012間の電圧0.
1[kV]から10[kV]程度である。
【0106】以上、本発明の実施形態の表示パネルの基
本構成と製法、および画像表示装置の概要を説明した。 (2)マルチ電子ビーム源の製造方法 次に、前記実施形態の表示パネルに用いたマルチ電子ビ
ーム源の製造方法について説明する。本発明の画像表示
装置に用いるマルチ電子ビーム源は、冷陰極素子を単純
マトリクス配線した電子源であれば、冷陰極素子の材料
や形状あるいは製法に制限はない。したがって、たとえ
ば表面伝導型放出素子やFE型、あるいはMIM型など
の冷陰極素子を用いることができる。
【0107】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や
製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしか
も均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コス
トの低減を達成するには不利な要因となる。その点、表
面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大
面積化や製造コストの低減が容易である。また、発明者
らは、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしく
はその周辺部を微粒子膜から形成したものがとりわけ電
子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見
いだしている。したがって、高輝度で大画面の画像表示
装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適であ
ると言える。そこで、上記実施形態の表示パネルにおい
ては、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成した表面伝導型放出素子を用いた。そこで、まず好適
な表面伝導型放出素子について基本的な構成と製法およ
び特性を説明し、その後で多数の素子を単純マトリクス
配線したマルチ電子ビーム源の構造について述べる。
【0108】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0109】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。
【0110】図14に示すのは、平面型の表面伝導型放
出素子の構成を説明するための平面図(a)および断面
図(b)である。図中、1011は基板、1102と1
103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105は
通電フォーミング処理により形成した電子放出部、11
13は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0111】基板1011としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2 を材料とする絶縁層
を積層した基板、などを用いることができる。
【0112】また、基板1011上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23 −SnO2 をはじめとする金属
酸化物、ポリシリコンなどの半導体、などの中から適宜
材料を選択して用いればよい。電極を形成するには、た
とえば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィ
ー、エッチングなどのパターニング技術を組み合わせて
用いれば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえ
ば印刷技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0113】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0114】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0115】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0116】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pb等をはじめとする金属や、PdO,SnO
2 ,In23 ,PbO,Sb23 等をはじめとする
酸化物や、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB6
YB4 ,GdB4 等をはじめとする硼化物や、TiC,
ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等をはじめとす
る炭化物や、TiN,ZrN,HfN等をはじめとする
窒化物や、Si,Ge等をはじめとする半導体や、カー
ボン等があげられ、これらの中から適宜選択される。
【0117】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/□]の範囲に含ま
れるよう設定した。
【0118】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図14の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電
極、の順序で積層してもさしつかえない。
【0119】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図14においては模式的に示した。
【0120】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0121】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボンのいずれかか、もし
くはその混合物であり、膜厚は500[オングストロー
ム]以下とするが、300[オングストローム]以下と
するのがさらに好ましい。なお、実際の薄膜1113の
位置や形状を精密に図示するのは困難なため、図14に
おいては模式的に示した。また、平面図(a)において
は、薄膜1113の電子放出部1105付近の一部を除
去した素子を図示した。
【0122】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0123】すなわち、基板1011には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。
【0124】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメーター]とした。
【0125】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。
【0126】図17(a)〜(d)は、表面伝導型放出
素子の製造工程を説明するための断面図で、各部材の表
記は図14と同一である。
【0127】1)まず、図17(a)に示すように、基
板1011上に素子電極1102および1103を形成
する。
【0128】形成するにあたっては、あらかじめ基板1
011を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、
素子電極の材料を堆積させる。(堆積する方法として
は、たとえば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術
を用いればよい。)その後、堆積した電極材料を、フォ
トリソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニン
グし、(a)に示した一対の素子電極(1102と11
03)を形成する。
【0129】2)次に、同図(b)に示すように、導電
性薄膜1104を形成する。
【0130】形成するにあたっては、まず前記(a)の
基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッ
チングにより所定の形状にパターニングする。ここで、
有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を
主要元素とする有機金属化合物の溶液である。(具体的
には、本実施形態では主要元素としてPdを用いた。ま
た、実施形態では塗布方法として、ディッピング法を用
いたが、それ以外のたとえばスピンナー法やスプレー法
を用いてもよい。)また、微粒子膜で作られる導電性薄
膜の成膜方法としては、本実施形態で用いた有機金属溶
液の塗布による方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパ
ッタ法、あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合も
ある。
【0131】3)次に、同図(c)に示すように、フォ
ーミング用電源1110から素子電極1102と110
3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を
行って、電子放出部1105を形成する。
【0132】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0133】通電方法をより詳しく説明するために、図
18に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施形態の場合には同図に示したようにパルス
幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加
した。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順
次昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモ
ニターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三
角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計
1111で計測した。
【0134】実施形態においては、たとえば10のマイ
ナス5乗[Torr]程度の真空雰囲気下において、た
とえばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を
10[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに
0.1[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス
印加するたびに1回の割りで、モニターパルスPmを挿
入した。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがない
ように、モニターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に
設定した。そして、素子電極1102と1103の間の
電気抵抗が1×10の6乗[オーム]になった段階、す
なわちモニターパルス印加時に電流計1111で計測さ
れる電流が1×10のマイナス7乗[A]以下になった
段階で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0135】なお、上記の方法は、本実施形態の表面伝
導型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微
粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0136】4)次に、図17(d)に示すように、活
性化用電源1112から素子電極1102と1103の
間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電
子放出特性の改善を行う。
【0137】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである。(図においては、炭
素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113と
して模式的に示した。)なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0138】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[Torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、の
いずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0139】通電方法をより詳しく説明するために、図
19(a)に、活性化用電源1112から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。本実施形態においては、一定
電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行っ
たが、具体的には、矩形波の電圧Vacは14[V]、
パルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4は10
[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本実施形
態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、
表面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに
応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0140】図17(d)に示す1114は該表面伝導
型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するため
のアノード電極で、直流高電圧電源1115および電流
計1116が接続されている。(なお、基板1011
を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114
として用いる。)活性化用電源1112から電圧を印加
する間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電
活性化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源11
12の動作を制御する。電流計1116で計測された放
出電流Ieの一例を図19(b)に示すが、活性化電源
1112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経
過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和して
ほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieが
ほぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印
加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0141】なお、上述の通電条件は、本実施形態の表
面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
条件を適宜変更するのが望ましい。
【0142】以上のようにして、図17(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0143】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、すなわち
垂直型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0144】図20は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1011は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0145】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。し
たがって、図14の平面型における素子電極間隔Lは、
垂直型においては段差形成部材1206の段差高Lsと
して設定される。なお、基板1011、素子電極120
2および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜120
4については、前記平面型の説明中に列挙した材料を同
様に用いることが可能である。また、段差形成部材12
06には、たとえばSiO2 のような電気的に絶縁性の
材料を用いる。
【0146】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図21(a)〜(f)は、製造工程
を説明するための断面図で、各部材の表記は図20と同
一である。
【0147】1)まず、図21(a)に示すように、基
板1011上に素子電極1203を形成する。
【0148】2)次に、同図(b)に示すように、段差
形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、たとえばSiO2 をスパッタ法で積層すればよい
が、たとえば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を
用いてもよい。
【0149】3)次に、同図(c)に示すように、絶縁
層の上に素子電極1202を形成する。
【0150】4)次に、同図(d)に示すように、絶縁
層の一部を、たとえばエッチング法を用いて除去し、素
子電極1203を露出させる。
【0151】5)次に、同図(e)に示すように、微粒
子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成する
には、前記平面型の場合と同じく、たとえば塗布法など
の成膜技術を用いればよい。
【0152】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する。
(図17(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミ
ング処理と同様の処理を行えばよい。) 7)次に、前記平面型の場合と同じく、通電活性化処理
を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化合物を堆
積させる。(図17(d)を用いて説明した平面型の通
電活性化処理と同様の処理を行えばよい。)以上のよう
にして、図21(f)に示す垂直型の表面伝導型放出素
子を製造した。
【0153】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0154】図22に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素
子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例
を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著
しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、
これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータ
を変更することにより変化するものであるため、2本の
グラフは各々任意単位で図示した。
【0155】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0156】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0157】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0158】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0159】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0160】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。た
とえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表
示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を
順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値
電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次
切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表
示を行うことが可能である。
【0161】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0162】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素
子を基板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電
子ビーム源の構造について述べる。
【0163】図13に示すのは、図12の表示パネルに
用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板上に
は、図14で示したものと同様な表面伝導型放出素子が
配列され、これらの素子は行方向配線電極1003と列
方向配線電極1004により単純マトリクス状に配線さ
れている。行方向配線電極1003と列方向配線電極1
004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)
が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0164】図13のB−B′に沿った断面を、図15
に示す。
【0165】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線電極1013、列方向配
線電極1014、電極間絶縁層(不図示)、および表面
伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、
行方向配線電極1013および列方向配線電極1014
を介して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電
活性化処理を行うことにより製造した。
【0166】(3)駆動回路構成(および駆動方法) 図23は、NTSC方式のテレビ信号に基づいてテレビ
ジョン表示を行う為の駆動回路の概略構成をブロック図
で示したものである。同図中、表示パネル1701は前
述した表示パネルに相当するもので、前述した様に製造
され、動作する。また、走査回路1702は表示ライン
を走査し、制御回路1703は走査回路へ入力する信号
等を生成する。シフトレジスタ1704は1ライン毎の
データをシフトし、ラインメモリ1705は、シフトレ
ジスタ1704からの1ライン分のデータを変調信号発
生器1707に入力する。同期信号分離回路1706は
NTSC信号から同期信号を分離する。
【0167】以下、図23の装置各部の機能を詳しく説
明する。
【0168】まず表示パネル1701は、端子Dx1な
いしDxmおよび端子Dy1ないしDyn、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続されている。こ
のうち、端子Dx1ないしDxmには、表示パネル17
01内に設けられているマルチ電子ビーム源、すなわち
m行n列の行列状にマトリクス配線された冷陰極素子を
1行(n素子)ずつ順次駆動してゆく為の走査信号が印
加される。一方、端子Dy1ないしDynには、前記走
査信号により選択された1行分のn個の各素子の出力電
子ビームを制御する為の変調信号が印加される。また、
高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、たとえば5
[kV]の直流電圧が供給されるが、これはマルチ電子
ビーム源より出力される電子ビームに蛍光体を励起する
のに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0169】次に、走査回路1702について説明す
る。同回路は、内部にm個のスイッチング素子(図中、
S1ないしSmで模式的に示されている)を備えるもの
で、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧
もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一方を
選択し、表示パネル1701の端子Dx1ないしDxm
と電気的に接続するものである。S1ないしSmの各ス
イッチング素子は、制御回路1703が出力する制御信
号Tscanに基づいて動作するものだが、実際にはたとえ
ばFETのようなスイッチング素子を組合わせる事によ
り容易に構成することが可能である。なお、前記直流電
圧源Vxは、図22に例示した電子放出素子の特性に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出閾値電圧Vth電圧以下となるよう、一定電圧を出
力するよう設定されている。
【0170】また、制御回路1703は、外部より入力
する画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように
各部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説
明する同期信号分離回路1706より送られる同期信号
Tsyncに基づいて、各部に対してTscanおよびTsftお
よびTmry の各制御信号を発生する。同期信号分離回路
1706は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ
信号から、同期信号成分と輝度信号成分とを分離する為
の回路である。同期信号分離回路1706により分離さ
れた同期信号は、良く知られるように垂直同期信号と水
平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上、Tsync
信号として図示した。一方、前記テレビ信号から分離さ
れた画像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と表す
が、同信号はシフトレジスタ1704に入力される。
【0171】シフトレジスタ1704は、時系列的にシ
リアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライ
ン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路1703より送られる制御信号Tsft に基づい
て動作する。すなわち、制御信号Tsft は、シフトレジ
スタ1704のシフトクロックであると言い換えること
もできる。シリアル/パラレル変換された画像1ライン
分(電子放出素子n素子分の駆動データに相当する)の
データは、Id1ないしIdnのn個の信号として前記
シフトレジスタ1704より出力される。
【0172】ラインメモリ1705は、画像1ライン分
のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路1703より送られる制御信号Tmry にし
たがって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記
憶された内容は、I′d1ないしI′dnとして出力さ
れ、変調信号発生器1707に入力される。
【0173】変調信号発生器1707は、前記画像デー
タI′d1ないしI′dnの各々に応じて、電子放出素
子1015の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、
その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて表示
パネル1701内の電子放出素子1015に印加され
る。
【0174】図22を用いて説明したように、本発明に
関わる表面伝導型放出素子は放出電流Ieに対して以下
の基本特性を有している。すなわち、電子放出には明確
な閾値電圧Vth(後述する実施形態の表面伝導型放出
素子では8[V])があり、閾値Vth以上の電圧を印
加された時のみ電子放出が生じる。また、電子放出閾値
Vth以上の電圧に対しては、図22のグラフのように
電圧の変化に応じて放出電流Ieも変化する。このこと
から、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、たとえ
ば電子放出閾値Vth以下の電圧を印加しても電子放出
は生じないが、電子放出閾値Vth以上の電圧を印加す
る場合には表面伝導型放出素子から電子ビームが出力さ
れる。その際、パルスの波高値Vmを変化させることに
より出力電子ビームの強度を制御することが可能であ
る。また、パルスの幅Pwを変化させることにより出力
される電子ビームの電荷の総量を制御することが可能で
ある。
【0175】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器1707として、一定長さの電圧パ
ルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの
波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いるこ
とができる。また、パルス幅変調方式を実施するに際し
ては、変調信号発生器1707として、一定の波高値の
電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電
圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路
を用いることができる。
【0176】シフトレジスタ1704やラインメモリ1
705は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式の
ものでも採用できる。すなわち、画像信号のシリアル/
パラレル変換や記憶が所定の速度で行われればよいから
である。
【0177】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路1706の出力信号DATAをデジタル信号
化する必要があるが、これには同期信号分離回路170
6の出力部にA/D変換器を設ければよい。これに関連
してラインメモリ115の出力信号がデジタル信号かア
ナログ信号かにより、変調信号発生器に用いられる回路
が若干異なったものとする。すなわち、デジタル信号を
用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器1707に
は、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回
路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号
発生器1707には、例えば高速の発振器および発振器
の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)および計
数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器
(コンパレータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応
じて、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を
電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付加することもできる。
【0178】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器1707には、例えばオペアンプな
どを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてシフトレ
ベル回路などを付加することもできる。パルス幅変調方
式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)
を採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧まで
電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0179】このような構成をとりうる本発明の適用可
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dx1乃至Dxm、Dy1乃至Dynを介して電
圧を印加することにより、電子放出が生じる。高圧端子
Hvを介してメタルバック1019あるいは透明電極
(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加
速された電子は、蛍光膜1018に衝突し、発光が生じ
て画像が形成される。
【0180】ここで述べた画像表示装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の思
想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号につい
てはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限るも
のではなく、PAL,SECAM方式など他、これらよ
り多数の走査線からなるTV信号(MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0181】図24は、前記説明の表面伝導型放出素子
を電子ビーム源として用いたディスプレイパネルに、た
とえばテレビジョン放送をはじめとする種々の画像情報
源より提供される画像情報を表示できるように構成した
多機能表示装置の一例を示すための図である。
【0182】図中2100はディスプレイパネル、21
01はディスプレイパネルの駆動回路、2102はディ
スプレイコントローラ、2103はマルチプレクサ、2
104はデコーダ、2105は入出力インターフェース
回路、2106はCPU、2107は画像生成回路、2
108および2109および2110は画像メモリーイ
ンターフェース回路、2111は画像入力インターフェ
ース回路、2112および2113はTV信号受信回
路、2114は入力部である。(なお、本表示装置は、
たとえばテレビジョン信号のように映像情報と音声情報
の両方を含む信号を受信する場合には、当然映像の表示
と同時に音声を再生するものであるが、本発明の特徴と
直接関係しない音声情報の受信,分離,再生,処理,記
憶などに関する回路やスピーカーなどについては説明を
省略する。)以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明してゆく。
【0183】まず、TV信号受信回路2113は、たと
えば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて
伝送されるTV画像信号を受信する為の回路である。受
信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、た
とえば、NTSC方式,PAL方式,SECAM方式な
どの諸方式でもよい。また、これらよりさらに多数の走
査線よりなるTV信号(たとえば商品位TV)は、大面
積化や大画素数化に適した前記ディスプレイパネルの利
点を生かすのに好適な信号源である。TV信号受信回路
2113で受信されたTV信号は、デコーダ2104に
出力される。
【0184】また、TV信号受信回路2112は、たと
えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送
系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。前記TV信号受信回路2113と同様に、受
信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、ま
た本回路で受信されたTV信号もデコーダ2104に出
力される。
【0185】また、画像入力インターフェース回路21
11は、たとえばTVカメラや画像読み取りスキャナー
などの画像入力装置から供給される画像信号を取り込む
ための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ210
4に出力される。
【0186】また、画像メモリーインターフェース回路
2110は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略
す)に記憶されている画像信号を取り込むための回路
で、取り込まれた画像信号はデコーダ2104に出力さ
れる。
【0187】また、画像メモリーインターフェース回路
2109は、ビデオディスクに記憶されている画像信号
を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコ
ーダ2104に出力される。
【0188】また、画像メモリーインターフェース回路
2108は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画
像データを記憶している装置から画像信号を取り込むた
めの回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ2
104に出力される。
【0189】また、入出力インターフェース回路210
5は、本表示装置と、外部のコンピュータもしくはコン
ピュータネットワークもしくはプリンターなどの出力装
置とを接続するための回路である。画像データや文字・
図形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によ
っては本表示装置の備えるCPU2106と外部との間
で制御信号や数値データの入出力などを行うことも可能
である。
【0190】また、画像生成回路2107は、前記入出
力インターフェース回路2105を介して外部から入力
される画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU
2106より出力される画像データや文字・図形情報に
もとずき表示用画像データを生成するための回路であ
る。本回路の内部には、たとえば画像データや文字・図
形情報を蓄積するための書き換え可能メモリーや、文字
コードに対応する画像パターンが記憶されている読み出
し専用メモリーや、画像処理を行うためのプロセッサー
などをはじめとして画像の生成に必要な回路が組み込ま
れている。
【0191】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ2104に出力されるが、場合によっては
前記入出力インターフェース回路2105を介して外部
のコンピュータネットワークやプリンターに出力するこ
とも可能である。
【0192】また、CPU2106は、主として本表示
装置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わ
る作業を行う。
【0193】たとえば、マルチプレクサ2103に制御
信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号
を適宜選択したり組み合わせたりする。また、その際に
は表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコント
ローラ2102に対して制御信号を発生し、画面表示周
波数や走査方法(たとえばインターレースかノンインタ
ーレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作
を適宜制御する。
【0194】また、前記画像生成回路2107に対して
画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるい
は前記入出力インターフェース回路2105を介して外
部のコンピュータやメモリーをアクセスして画像データ
や文字・図形情報を入力する。
【0195】なお、CPU2106は、むろんこれ以外
の目的の作業にも関わるものであって良い。たとえば、
パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのよう
に、情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良
い。
【0196】あるいは、前述したように入出力インター
フェース回路2105を介して外部のコンピュータネッ
トワークと接続し、たとえば数値計算などの作業を外部
機器と協同して行っても良い。
【0197】また、入力部2114は、前記CPU21
06に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなど
を入力するためのものであり、たとえばキーボードやマ
ウスのほか、ジョイスティック、バーコードリーダー、
音声認識装置など多様な入力機器を用いる事が可能であ
る。
【0198】また、デコーダ2104は、前記2107
ないし2113より入力される種々の画像信号を3原色
信号、または輝度信号とI信号,Q信号に逆変換するた
めの回路である。なお、同図中に点線で示すように、デ
コーダ2104は内部に画像メモリーを備えるのが望ま
しい。これは、たとえばMUSE方式をはじめとして、
逆変換するに際して画像メモリーを必要とするようなテ
レビ信号を扱うためである。また、画像メモリーを備え
る事により、静止画の表示が容易になる、あるいは前記
画像生成回路2107およびCPU2106と協同して
画像の間引き,補間,拡大,縮小,合成をはじめとする
画像処理や編集が容易に行えるようになるという利点が
生まれるからである。
【0199】また、マルチプレクサ2103は、前記C
PU2106より入力される制御信号にもとずき表示画
像を適宜選択するものである。すなわち、マルチプレク
サ2103はデコーダ2104から入力される逆変換さ
れた画像信号のうちから所望の画像信号を選択して駆動
回路2101に出力する。その場合には、一画面表示時
間内で画像信号を切り替えて選択することにより、いわ
ゆる多画面テレビのように、一画面を複数の領域に分け
て領域によって異なる画像を表示することも可能であ
る。
【0200】また、ディスプレイパネルコントローラ2
102は、前記CPU2106より入力される制御信号
にもとずき駆動回路2101の動作を制御するための回
路である。
【0201】まず、ディスプレイパネルの基本的な動作
に関わるものとして、たとえばディスプレイパネルの駆
動用電源(図示せず)の動作シーケンスを制御するため
の信号を駆動回路2101に対して出力する。
【0202】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、たとえば画面表示周波数や走査方法
(たとえばインターレースかノンインターレースか)を
制御するための信号を駆動回路2101に対して出力す
る。
【0203】また、場合によっては表示画像の輝度やコ
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路2101に対して出力する場
合もある。
【0204】また、駆動回路2101は、ディスプレイ
パネル2100に印加する駆動信号を発生するための回
路であり、前記マルチプレクサ2103から入力される
画像信号と、前記ディスプレイパネルコントローラ21
02より入力される制御信号にもとずいて動作するもの
である。
【0205】以上、各部の機能を説明したが、図24に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル2
100に表示する事が可能である。
【0206】すなわち、テレビジョン放送をはじめとす
る各種の画像信号はデコーダ2104において逆変換さ
れた後、マルチプレクサ2103において適宜選択さ
れ、駆動回路2101に入力される。一方、ディスプレ
イコントローラ2102は、表示する画像信号に応じて
駆動回路2101の動作を制御するための制御信号を発
生する。駆動回路2101は、上記画像信号と制御信号
にもとずいてディスプレイパネル2100に駆動信号を
印加する。
【0207】これにより、ディスプレイパネル2100
において画像が表示される。これらの一連の動作は、C
PU2106により統括的に制御される。
【0208】また、本表示装置においては、前記デコー
ダ2104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路21
07およびCPU2106が関与することにより、単に
複数の画像情報の中から選択したものを表示するだけで
なく、表示する画像情報に対して、たとえば拡大,縮
小,回転,移動,エッジ強調,間引き,補間,色変換,
画像の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合
成,消去,接続,入れ換え,はめ込みなどをはじめとす
る画像編集を行う事も可能である。また、本実施形態の
説明では特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集
と同様に、音声情報に関しても処理や編集を行なうため
の専用回路を設けても良い。
【0209】したがって、本表示装置は、テレビジョン
放送の表示機器,テレビ会議の端末機器,静止画像およ
び動画像を扱う画像編集機器,コンピュータの端末機
器,ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器,
ゲーム機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、
産業用あるいは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0210】なお、上記図24は、表面伝導型放出素子
を電子ビーム源とするディスプレイパネルを用いた表示
装置の構成の一例を示したにすぎず、これのみに限定さ
れるものでない事は言うまでもない。たとえば、図24
の構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回
路は省いても差し支えない。またこれとは逆に、使用目
的によってはさらに構成要素を追加しても良い。たとえ
ば、本表示装置をテレビ電話機として応用する場合に
は、テレビカメラ,音声マイク,照明機,モデムを含む
送受信回路などを構成要素に追加するのが好適である。
【0211】本表示装置においては、とりわけ表面伝導
型放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルが
容易に薄形化できるため、表示装置全体の奥行きを小さ
くすることが可能である。それに加えて、表面伝導型放
出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルは大画
面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本
表示装置は臨場感にあふれ迫力に富んだ画像を視認性良
く表示する事が可能である。
【0212】[実施形態2]本発明の第2の実施形態に
ついて、第1の実施形態と違う点のみ説明する。
【0213】第1の実施形態と違う点は、用いたスペー
サの形状である。
【0214】図6は、図12のY方向から見た模式図で
あり、各部の番号は図12に対応している。なお図12
においては、説明の便宜上、スペーサは矩形状に描いて
いる。図6において1020はスペーサであり、上側が
フェースプレート1017(陽極側)、下側がリアプレ
ート1015(陰極側)(いずれも不図示)と接し、ス
ペーサ1020の高さは3mm、長さは40mmであ
る。
【0215】また陰極接合部に立てた垂線からの角度を
αとすると、αは通常は5゜から50゜くらいの範囲か
ら適当な数値を選んで設計される。αが大きいほど放電
耐圧は向上するが、半面、耐大気圧構造としては弱くな
る。本実施形態においてはαを15゜とした。図6から
明らかなとおり、第2の実施形態のスペーサは、第1の
実施形態のスペーサを倒立させた形状を有し、リアプレ
ートからフェースプレートに向かって上広がりの台形形
状をしている。この形状でもαが大きいほど放電耐圧は
向上するのは以下の理由による。
【0216】まずスペーサの沿面で放電する機構は、第
1の実施形態で説明した通りである。また、上記αの角
度をつけると、スペーサ陰極付近からの電界放出電子
は、この形状では直接スペーサの陰極付近に入射する。
そのためスペーサの陰極付近表面が負に帯電し、この負
帯電によるスペーサ陰極付近の電界緩和効果が寄与する
為と思われる。図12のX方向から見た模式図は、第1
の実施形態の図2と同一であり、同様に厚さは200μ
mである。本実施形態においても第1の実施形態と同様
の理由でβ=0゜とした。もちろん上記α,βの値は本
実施形態において最適な値であり、パネルやスペーサの
設計が変わった場合、適宜変更されなければならない。
例えばスペーサ厚さがより厚くなった場合や、辺Aの近
傍にも放電発生源が有り得る場合など、上記βが効果的
となる。
【0217】上記スペーサは、第1の実施形態と同様、
板状のソーダライムガラスを図4のようにカットし、研
磨したものを用いた。
【0218】図のように台形状のため、一枚のガラス板
から効率的に切り出すことができ、コスト的にも有利で
ある。
【0219】また、本実施形態においては、図12のY
方向からの正射影が図6のように下すぼみの台形である
が、例えば図7のように同正射影が曲線を含む形状でも
同様の効果を生むことは明らかである。
【0220】[実施形態3]本発明の第3の実施形態に
ついて、第1の実施形態と違う点のみ説明する。第1の
実施形態と違う点は、用いたスペーサの形状である。
【0221】図8は、図12のY方向から見た模式図で
あり、各部の番号は図12に対応している。なお図12
においては、説明の便宜上、スペーサは矩形状に描いて
いる。図8において1020はスペーサであり、上側が
フェースプレート1017(陽極側)、下側がリアプレ
ート1015(陰極側)(いずれも不図示)と接し、ス
ペーサ1020の高さは3mm、長さは40mmであ
る。図8から分かるとおり、図12のY方向からの正射
影が、全ての内角が凸角である六角形の形状をしてい
る。またリアプレートとスペーサの接点からフェースプ
レートに向かっての最初の頂点までの高さhは0.5m
mとした。
【0222】また陰極接合部に立てた垂線からの角度を
α1、陽極接合部に立てた垂線からの角度をα2とする
と、α1,α2は通常は5゜から50゜くらいの範囲か
ら適当な数値を選んだ設計される。α1,α2が大きい
ほど放電耐圧は向上するが、半面、耐大気圧構造として
は弱くなる。本実施形態においてはα1,α2をそれぞ
れ15゜とした。この形状で放電耐圧が向上するのは、
第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した理由によ
り理解される。
【0223】すなわちこの形状では(1)スペーサ陰極
付近からの電界放出電子は、直接スペーサの陰極付近に
入射し、α1の角度の範囲を負に帯電させる。
【0224】またα2の角度の範囲では、(2)前記電
界放出電子がスペーサに直接衝突するのを抑制し、正帯
電そのものを小さくする、(3)スペーサ正帯電による
スペーサ陰極付近への影響を小さくする。
【0225】これらの理由により、スペーサ陰極付近の
電界集中を緩和することで、放電耐圧は向上すると考え
られる。
【0226】図12のX方向から見た模式図は、第1の
実施形態の図2と同一であり、同様に厚さは200μm
である。本実施形態においても第1の実施形態と同様の
理由でβ=0゜とした。もちろん上記α1,α2,β,
hの値は本実施形態において最適な値であり、パネルや
スペーサの設計が変わった場合、適宜変更されなければ
ならない。例えばスペーサ厚さがより厚くなった場合
や、辺Aの近傍にも放電発生源が有り得る場合など、上
記βを0゜より大きくすることが効果的となる。
【0227】また、本実施形態においては、図12のY
方向からの正射影が図8のように全ての内角が凸角であ
る六角形であるが、例えば図9のように同正射影が曲線
を含む形状でも同様の効果を生むことは明らかである。
【0228】また第1の実施形態から第3の実施形態を
通して図12のX方向から見た模式図は、図2のように
垂直タイプとしたが、第1の実施形態の図3や、図10
のような上広がり台形タイプ、図11のような六角形タ
イプ、曲線を含んだタイプなどでもよい。これらの場合
も、β,β1,β2,hなどは設計によって最適値が適
宜決められる。
【0229】[実施形態4]本実施形態では、前述のβ
が角度を有する(β≠0゜)タイプについて説明する。
【0230】図31及び図32はそれぞれ本実施例の画
像表示装置の断面模式図、本実施例のスペーサ1020
と低抵抗膜21、接合材1041の位置関係を図12の
x方向から見た図(A−A′断面図)である。
【0231】図31は、断面が中膨れの6角形をしてい
る。そして基板1011及びフェースプレート1017
とスペーサ1020の当接する面の側面部5にも低抵抗
の中間層を設けている。
【0232】また図32のように、スペーサ1020の
当接面領域は直接は接合材1041及び低抵抗膜21の
当節面領域を包含していないが、基板面への正射影に着
目すると、スペーサ1020の当接面領域が接合材10
41及び低抵抗膜21の当節面領域を包含している。
【0233】この構成においても、放電耐圧の向上が認
められるが、これは次の理由によると思われる。
【0234】すなわち接合材1041及び低抵抗膜21
からの電界放出電子(沿面放電の原因といわれている)
が、スペーサ1020の基板1011近傍(フェースプ
レートに向かって上広がりの部分)に直接入射すること
で、この部分が負に帯電し、接合材1041及び低抵抗
膜21の電界を弱めていると考えられる。また前述した
とおり、フェースプレート1017側(陽極側)は、放
電耐圧に余り敏感でない。
【0235】以上のように、スペーサ1020の基板面
への正射影が、接合材1041及び低抵抗膜21の当接
面を包含している場合にも、放電耐圧の向上が認められ
る。
【0236】更に本実施例の構成によれば、スペーサ1
020の両側の当接面の側面部5に、低抵抗の中間層を
設けることができるため、電子の軌道制御が、より容易
にできる。
【0237】また、スペーサの形は、上記に限らずこの
条件のもとで、様々な形をとりうる。例えば、図33の
ように断面形状が楕円であっても、図34のように断面
形状が上広がりであってもよい。
【0238】また、接合材1041は、スペーサ102
0の基板1011側又はフェースプレート1017側の
どちらか一方のみに設ける構成でも良い。
【0239】
【発明の効果】以上説明したように本発明による画像表
示装置によれば、画像表示時の放電を防止し、良好な表
示画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるスペーサの模式
図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるスペーサの別角
度からの模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態によるスペーサのその
他の例を示す別角度からの模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態によるスペーサの切り
出し方法を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態によるスペーサのその
他の例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態によるスペーサの模式
図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によるスペーサのその
他の例を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態によるスペーサの模式
図である。
【図9】本発明の第3の実施形態によるスペーサのその
他の例を示す模式図である。
【図10】本発明の実施形態によるスペーサのその他の
例を示す別角度からの模式図である。
【図11】本発明の実施形態によるスペーサのその他の
例を示す別角度からの模式図である。
【図12】本発明の実施形態による画像表示装置の、表
示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図である。
【図13】本発明の実施形態によるマルチ電子ビーム源
の基板の平面図である。
【図14】本発明の実施形態による平面型の表面伝導型
放出素子の平面図(a)及び断面図(b)である。
【図15】本発明の実施形態によるマルチ電子ビーム源
の基板の一部断面図である。
【図16】図12に示す本発明の実施形態表示パネルの
A−A′断面図である。
【図17】図15に示す平面型の表面伝導型放出素子の
製造工程を示す断面図である。
【図18】本発明の実施形態による通電フォーミング処
理の際の印加電圧波形を示す図である。
【図19】本発明の実施形態による通電活性化処理の際
の印加電圧波形(a)及び放出電流Ieの変化(b)を
示す図である。
【図20】本発明の実施形態による垂直型の表面伝導型
放出素子の断面図である。
【図21】図20に示す垂直型の表面伝導型放出素子の
製造工程を示す断面図である。
【図22】本発明の実施形態で用いた表面伝導型放出素
子の典型的な特性を示すグラフである。
【図23】本発明の実施形態による画像表示装置の駆動
回路の概略構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の実施形態による画像表示装置を用い
た多機能画像表示装置のブロック図である。
【図25】表示パネルのフェースプレートの蛍光体配列
を例示した平面図である。
【図26】表示パネルのフェースプレートの他の蛍光体
配列を例示した平面図である。
【図27】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示
す図である。
【図28】従来知られたFE型素子の一例を示す図であ
る。
【図29】従来知られたMIM型素子の一例を示す図で
ある。
【図30】従来例による画像表示装置の表示パネルの一
部を切り欠いて示した斜視図である。
【図31】本発明の実施形態4による表示パネルの断面
図である。
【図32】本発明の実施形態4によるスペーサを、基板
側より見た位置関係を示す図である。
【図33】本発明の実施形態4による表示パネルの断面
図の他の例である。
【図34】本発明の実施形態4による表示パネルの断面
図の他の例である。
【符号の説明】
1011 基板 1013 行方向配線 1014 列方向配線 1015 リアプレート 1016 側壁 1017 フェースプレート 1018 蛍光膜 1019 メタルバック 1020 スペーサ(構造支持体)

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子を有する電子源と、
    前記電子源より放出された電子ビームの照射により発光
    する蛍光体と、前記電子源と前記蛍光体との間に配置さ
    れ前記電子源との第1の当接面と前記蛍光体との第2の
    当接面と前記第1と第2の当接面とに挟まれる側面を有
    するスペーサとを有する画像形成装置において、前記側
    面の少なくとも一部が前記蛍光体の表面に面するように
    傾斜していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分が平面状であることを
    特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分が、前記電子源の表面
    を貫く垂線と5度以上の角度をなすことを特徴とする画
    像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分が曲面状であることを
    特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分の少なくとも一部が前
    記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度をなすこと
    を特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 複数の電子放出素子を有する電子源と、
    前記電子源より放出された電子ビームの照射により発光
    する蛍光体と、前記電子源と前記蛍光体との間に配置さ
    れ前記電子源との第1の当接面と前記蛍光体との第2の
    当接面と前記第1と第2の当接面とに挟まれる側面を有
    するスペーサとを有する画像形成装置において、前記側
    面の少なくとも一部が前記電子源の表面に面するように
    傾斜していることを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分が平面状であることを
    特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分が、前記電子源の表面
    を貫く垂線と5度以上の角度をなすことを特徴とする画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分が曲面状であることを
    特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の画像形成装置におい
    て、前記側面のうち傾斜した部分の少なくとも一部が前
    記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度をなすこと
    を特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 複数の電子放出素子を有する電子源
    と、前記電子源より放出された電子ビームの照射により
    発光する蛍光体と、前記電子源と前記蛍光体との間に配
    置され前記電子源との第1の当接面と前記蛍光体との第
    2の当接面と前記第1と第2の当接面とに挟まれる側面
    を有するスペーサとを有する画像形成装置において、前
    記側面は前記第1の当接面と共通辺を有する第1の側面
    と前記第2の当接面と共通辺を有する第2の側面を有
    し、前記第1の側面の少なくとも一部が前記電子源の表
    面と面するように傾斜し、前記第2の側面の少なくとも
    一部が前記蛍光体の面と面するように傾いていることを
    特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第1の側面のうち傾いた部分が平面状である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第1の側面のうち傾いた部分が、前記電子源
    の表面を貫く垂線と5度以上の角度をなすことを特徴と
    する画像形成装置。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第1の側面のうち傾いた部分が曲面状である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第1の側面のうち傾いた部分の少なくとも一
    部が前記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度をな
    すことを特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第2の側面のうち傾いた部分が平面状である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第2の側面のうち傾いた部分が、前記電子源
    の表面を貫く垂線と5度以上の角度をなすことを特徴と
    する画像形成装置。
  18. 【請求項18】 請求項11に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第2の側面のうち傾いた部分が曲面状である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の画像形成装置にお
    いて、前記第2の側面のうち傾いた部分の少なくとも一
    部が前記電子源の表面を貫く垂線と5度以上の角度をな
    すことを特徴とする画像形成装置。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至19のいずれか1項に記
    載の画像形成装置において、前記電子源は、配線にて結
    線された複数の電子放出素子を有し、前記スペーサは、
    表面に高抵抗膜をもち、前記スペーサ表面の高抵抗膜
    は、前記配線と前記蛍光体に対して電気的に接続されて
    いることを特徴とする画像形成装置。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至20のいずれか1項に記
    載の画像形成装置において、前記電子源は、複数の行方
    向配線と複数の列方向配線とでマトリクス配線された複
    数の電子放出素子を有し、前記スペーサは、その長手方
    向と行方向配線あるいは列方向配線とが平行になるよう
    に、前記行方向配線あるいは列方向配線と前記蛍光体と
    の間に配置されており、前記スペーサ表面の高抵抗膜
    は、前記行方向配線あるいは列方向配線と前記蛍光体に
    対して電気的に接続されていることを特徴とする画像形
    成装置。
  22. 【請求項22】 請求項6又は11に記載の画像形成装
    置において、 前記スペーサは該スペーサと前記蛍光体との当接面及び
    その近傍に配設される第1の低抵抗層並びに該スペーサ
    と前記電子源との当接面及びその近傍に配設される第2
    の低抵抗層を備え、 前記スペーサの最大断面積の前記蛍光体への正射影に、
    前記第1の低抵抗層が内包され、及び/又は、前記スペ
    ーサの最大断面積の前記電子源への正射影に、前記第2
    の低抵抗層が内包されていることを特徴とする画像形成
    装置。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至22のいずれか1項に記
    載の画像形成装置において、前記電子放出素子は、表面
    伝導型放出素子であることを特徴とする画像形成装置。
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JP2010177186A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Kochi Fel Kk 電界放出型光源

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