JP2000284535A - トナー - Google Patents

トナー

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JP2000284535A
JP2000284535A JP9471299A JP9471299A JP2000284535A JP 2000284535 A JP2000284535 A JP 2000284535A JP 9471299 A JP9471299 A JP 9471299A JP 9471299 A JP9471299 A JP 9471299A JP 2000284535 A JP2000284535 A JP 2000284535A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な耐オフセット性を有しつつ、より低い
定着温度で定着でき、高温高湿下や低温低湿下の各環境
条件の下、安定した現像性を維持できるトナーを提供す
ることにある。 【解決手段】 (1)少なくともテトラヒドロフタル酸
またはその誘導体を含有するジカルボン酸と、脂環式ジ
アルコールと、分岐鎖をもつ炭素数3又は4の脂肪族ジ
アルコールと、フェノールノボラック型エポキシ樹脂と
を少なくとも有する混合物を縮重合して得られるポリエ
ステル樹脂を主構成成分とする結着樹脂、(2)着色剤
及び(3)芳香族オキシカルボン酸金属化合物を少なく
とも含有することを特徴とするトナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法の如き画像形成方法において形成さ
れる静電荷像の現像、またはトナージェット記録方式に
用いるトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、米国特許第2,297,
691号、同第2,357,809号明細書等に記載さ
れている如く、光導電性絶縁層を一様に帯電し、次いで
その層を露光し、静電荷像を形成し、更に静電荷像をト
ナーで現像し(現像工程)、得られたトナー像を中間転
写体を介して、又介さずに転写紙の如き転写材に転写し
(転写工程)、加熱、加圧或いは加熱加圧定着法により
転写材にトナー像を定着する工程(定着工程)を有して
いる。
【0003】この様にトナーは現像工程のみならず、転
写工程、定着工程の各工程において要求される機能を備
えていなければならない。
【0004】一般にトナーは現像装置内で機械的動作中
にうける剪断力、衝撃力による機械的な摩擦力を受け、
数千枚乃至数万枚コピー又はプリントする間に劣化しや
すい。この様なトナーの劣化を防ぐには機械的な摩擦力
に耐えうる分子量の大きな強靭な結着樹脂を用いれば良
いが、これらの結着樹脂は一般に軟化点が高く、接触定
着方式で熱効率が良いため広く用いられているヒートロ
ーラー定着方式においても、充分に定着させるためヒー
トローラーの温度を高くする必要がある。ヒートローラ
ーの温度が高いと定着装置の劣化、定着後の紙のカール
の発生、消費エネルギーの増大を招く。
【0005】さらに、この様な結着樹脂は、粉砕性が悪
いため、トナーを製造する際、製造効率が低下する。
【0006】一方、ヒートローラー定着方式は、加熱ロ
ーラー表面と被定着シートのトナー像面が圧接触するた
め熱効率が著しく良く、低速から高速に至るまで低く使
用されている。しかしながら、加熱ローラー面とトナー
像面が接触する際、トナーが加熱ローラー表面に付着
し、付着したトナーが後続の転写材に転写される、オフ
セット現象が生じ易い。
【0007】特公昭55−6895号公報や特開昭56
−98202号公報に記載の如く、結着樹脂の分子量分
布の幅を広くすることによりオフセット現象を制御する
方法もあるが、一般に樹脂の重合度が高くなり使用定着
温度も高く設定する必要がある。
【0008】更に、特公昭57−493号公報、特開昭
50−44836号公報、特開昭57−37353号公
報に記載の如く、樹脂を非線状化、又は架橋化すること
によってオフセット現象を抑制する方法;特開昭61−
213858号公報、特開平1−295269号公報、
特開平1−30061号公報、特開平1−302267
号公報、特開平3−96964号公報の如く、ポリエス
テル樹脂を金属イオン架橋化してオフセット現象を改善
する方法が提案されている。
【0009】トナーの耐オフセット性を向上させる方法
として架橋ポリマーと呼ばれる多官能性モノマーや多官
能開始剤を用いた共有結合性架橋樹脂ないし分岐性樹脂
を用いたトナー(特開平3−203746号公報、特開
平4−24648号公報に記載)や金属酸化物とポリマ
ーとを強固に結合させたイオン結合性架橋ポリマーを用
いたトナー(特開昭61−213858号公報、特開平
6−175395号公報に記載)が提案されている。
【0010】また、特開平5−107807号公報や特
開平5−165252号公報、特開平4−12367号
公報等で、脂環式ジアルコールを用いることによりポリ
エステル樹脂の耐オフセット性や耐保存性を向上させる
提案がされている。また、特開平5−27478号公報
等で、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレン
エーテルで強固に結着樹脂を架橋させ、耐オフセット性
を向上させる提案もされている。
【0011】しかしながら、いすれも耐オフセット性は
向上するものの、結着樹脂本来の定着性が低下し、また
ポリマー分子のからみ合いが強いため、テトラヒドロフ
ラン不溶分に代表される架橋による樹脂成分が着色剤や
荷電制御剤の結着樹脂への分散性を困難なものとし、さ
らにトナー製造時におけるトナー混練物の粉砕性も低下
させてしまう。
【0012】一般に、最低定着温度は、低温オフセット
と高温オフセットの間にあるため、使用可能温度領域は
最低定着温度と高温オフセットの間である。最低定着温
度をできるだけ下げ、高温オフセット発生温度をできる
だけ上げることにより、使用定着温度を下げることがで
きると共に使用可能温度領域を広げることができる。そ
の結果、省エネルギー化、高速定着化が可能となり、ま
た紙のカールの発生を防ぐことができる。また、紙のカ
ールを抑制できることから両面コピーを円滑に行え、複
写機のインテリジェント化、定着装置の温度コントロー
ルの精度、許容幅の緩和が行える。
【0013】そのため、低温定着性及び耐オフセット性
の良いトナーが望まれる。
【0014】また、近年の複写機及びプリンターの小型
化、コンパクト化から現像機内の温度は上昇しやすく、
トナーの高温における保存性はこれまで以上のものが望
まれており、さらには、高品位画像出力のため、安定し
た現像性と良好な転写性を同時に十分に満足するトナー
が待望されている。さらに、二成分現像剤の場合は、キ
ャリア粒子へのトナー汚染、一成分現像剤の場合は、現
像剤担持体へのトナー汚染による、現像性の劣化を抑制
することも待望されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のトナーにおける諸問題を克服した優れた電子写真特性
及び定着性を有するトナーを提供することにある。
【0016】本発明の目的は、十分な耐オフセット性を
有しつつ、より低い定着温度で定着できるトナーを提供
することにある。
【0017】本発明の他の目的は、高温高湿下や低温低
湿下の各環境条件の下、安定な帯電特性を有し、静電荷
像に対して極めて忠実な現像を可能にするトナーを提供
することにある。
【0018】本発明の他の目的は、高湿下における長期
間の放置に対し、凝集を起こさず放置前の状態と同様な
現像性を有するトナーを提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、極めて良好な転写性
を有するトナーを提供することにある。
【0020】本発明の他の目的は、着色剤の分散性が極
めて良好でトナーのカバーリングパワー(隠ぺい力)に
優れたトナーを提供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、長期の現像剤の使用
に対し、キャリアや現像剤担持体を汚染することがない
トナーを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)少なく
ともテトラヒドロフタル酸またはその誘導体を含有する
ジカルボン酸と、脂環式ジアルコールと、分岐鎖をもつ
炭素数3又は4の脂肪族ジアルコールと、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂とを少なくとも有する混合物を
縮重合して得られるポリエステル樹脂を主構成成分とす
る結着樹脂、(2)着色剤及び(3)芳香族オキシカル
ボン酸金属化合物を少なくとも含有することを特徴とす
るトナーに関する。
【0023】また、本発明は、上記トナーにおいて、
該ポリエステル樹脂中のテトラヒドロフタル酸及びその
誘導体由来のテトラヒドロフタル酸ユニットが、ジカル
ボン酸由来のジカルボン酸ユニット100重量部中5〜
70重量部であり、該ポリエステル樹脂が、ジカルボン
酸由来のジカルボン酸ユニット100重量部当たり、
脂環式ジアルコール由来の脂環式ジアルコールユニット
を5〜80重量部有し、分岐鎖をもつ炭素数3又は4
の脂肪族ジアルコール由来のジアルコールユニットを5
〜80重量部有し、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂由来のエポキシ樹脂ユニットを1〜20重量部有す
ることを特徴とするトナーに関する。
【0024】さらに本発明は、上記トナーにおいて、該
ポリエステル樹脂のジカルボン酸ユニットとジアルコー
ルユニットとの重量比率が100:80〜80:100
であることを特徴とするトナーに関する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明者らは、テトラヒドロフタ
ル酸又はその無水物を含有するジカルボン酸、および、
脂環式ジアルコール、分岐鎖を有する脂肪族ジアルコー
ル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂から縮重合さ
れたポリエステル樹脂は、芳香族オキシカルボン酸金属
化合物とイオン的架橋反応が生じ、該ポリエステル樹脂
本来のガラス転移温度(以下、Tgと略す)が、芳香族
オキシカルボン酸金属化合物が存在することにより高め
られ、かつ、分子量も高分子側に変化することを見出し
た。
【0026】上記の架橋反応は、テトラヒドロフタル酸
類のジカルボン酸ユニットに由来するシクロヘキセン環
が、ポリエステル樹脂中に存在すると芳香族オキシカル
ボン酸金属化合物との親和性に優れ、親和性に優れてい
るためにシクロヘキセン骨格のπ電子が芳香族オキシカ
ルボン酸金属化合物に含有される金属に電子供与するよ
うになり、かつシクロヘキセン環特有の構造からある種
の配位性を有するようになる。この作用は特に金属原子
がアルミニウムの場合に顕著である。これは、アルミニ
ウム原子は、有機金属化合物内に結合を3つ形成する
と、アルミニウム原子は電子のオクテット(8個の電子
による4組の電子対の形成)から電子が2個欠けた状態
となる。そのため、アルミニウムの有機金属化合物はさ
らに2個の電子を受け取ることで電子を8個に増やす傾
向にあるからと考えられる。この状態を模式的に示すの
が図1である。図1のような状態がアルミニウムの如き
金属原子または2価以上の金属原子と樹脂の骨格とで形
成され、これにより、従来の結着樹脂の側鎖又は末端カ
ルボキシル基との強固な金属イオン架橋とは異なる化学
的親和力による分子間の絡み合いが形成される。また、
これが、従来にない低温定着性と耐高温オフセット性と
を両立すると共に、ポリエステル樹脂と芳香族オキシカ
ルボン酸金属化合物との新たなる相互作用効果で次の作
用効果(1)〜(4)、特に定着性改良と共に様々な環
境下における帯電性が著しく向上すると解される。
【0027】(1)定着開始温度を上昇させることな
く、耐オフセット性が向上する。しかも、高温(45
℃)状態での長時間放置においてもトナー凝集すること
なく、放置前と同じ状態で現像性の変動も少ない。
【0028】(2)トナーの流動性が極めて良好で、低
温/低湿,高温/高湿下などの各環境下においても安定
した良好な帯電性(現像性)を維持し、カブリの発生や
画像形成装置内でのトナー飛散が抑制される。
【0029】(3)現像スリーブ及びキャリア粒子の如
き帯電付与部材への汚染が少ないため、トナーの入れ替
わりの激しい高画像面積現像の長期間使用においても初
期と同等の良好な画像形成ができる。
【0030】(4)トナーの製造時において着色剤のポ
リエステル樹脂への分散性が良好で、少ない着色剤の添
加で十分な画像濃度を達成することができる。着色剤の
分散性が良好であるとトナー製造時、微粉砕後の分級工
程の分級粉砕の再利用化を容易なものとする。
【0031】本発明は、ジカルボン酸に隣接するジアル
コール成分の分子骨格を制御することで上記の作用効果
がより顕著になる。
【0032】脂環式ジアルコール由来のシクロアルカン
骨格は、環構造の異性体間の変化が知られているが、芳
香族オキシカルボン酸金属化合物との前述の架橋反応
は、そのポリエステル鎖の歪みから環構造の異性体比率
を変化させ、トナーとしての熱溶融特性(定着性能)
は、樹脂の架橋反応にもかかわらず良好なものになる。
【0033】また、分岐鎖を有する脂肪族ジアルコール
に由来する分岐鎖と、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂由来のフェノールノボラックのくし型分子構造を有
することで、本発明はより効果的になることを見出し
た。
【0034】本発明に係るポリエステル樹脂は、少なく
ともテトラヒドロフタル酸またはその無水物を含有して
おり、ジカルボン酸ユニットにおいてテトラヒドロフタ
ル酸構造に由来するテトラヒドロフタル酸ユニットが5
〜70重量%であり、好ましくは7〜55重量%、より
好ましくは10〜55重量%である。5重量%未満で
は、芳香族オキシカルボン酸金属化合物との架橋反応が
不十分となり、耐高温オフセット性と共に耐ブロッキン
グ性が悪化する。また、70重量%を超える場合は、架
橋反応が過剰になり、定着開始温度が上昇する。
【0035】本発明に係るテトラヒドロフタル酸または
その誘導体としては、シクロヘキセン−4.5−ジカル
ボン酸、シクロヘキセン−4.5−ジカルボン酸無水
物、シクロヘキセン−3.4−ジカルボン酸、シクロヘ
キセン−3.4−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン
−1.6−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1.6−ジ
カルボン酸無水物、シクロヘキセン−1.2−ジカルボ
ン酸、シクロヘキセン−1.2−ジカルボン酸無水物、
また、これらの低級アルキルエステル等の誘導体が挙げ
られる。中でも、特にシクロヘキセン−4.5−ジカル
ボン酸が好ましい。
【0036】また、本発明に係るポリエステル樹脂の酸
成分として用いることができるジカルボン酸としては、
例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水
フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類、又はその無水
物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類、
又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニ
ルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハ
ク酸類若しくはアルキルこはく酸類、又はその無水物、
低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類、又はそ
の無水物、低級アルキルエステルの如き、ジカルボン酸
類及びその誘導体の他、脂環構造を有するジカルボン酸
としてヘキサヒドロ無水フタル酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸等が使用できる。
【0037】本発明では、3価以上の多価カルボン酸を
用いても構わない。3価以上の多価カルボン酸成分とし
ては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼ
ントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル
−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレン
カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテト
ラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水
物、低級アルキルエステル;テトラカルボン酸等、及び
これらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボ
ン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0038】本発明における脂環式ジアルコールとして
は、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサ
ン(別名1,4−シクロヘキサンジメタノール)、3
(4),8(9)−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシ
クロ(5.2.1.0/2.6)デカン(別名トリシク
ロデカンジメタノール)、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シシクロヘキシル)−プロパン(別名水素化ビスフェノ
ールA)、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログ
リコール、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等が挙げら
れる。
【0039】本発明における脂肪族ジアルコールとして
は、分岐鎖を有する炭素数3又は4のもの、すなわち、
プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパン
ジオール、1,3−ブタンジオール及び2,3−ブタン
ジオールが挙げられる。
【0040】本発明におけるフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂としては、化学式(1)で代表されるエピコ
ート152、エピコート154(油化シェルエポキシ社
製);エポトート638、エポトート601(東都化成
社製)などが挙げられる。
【0041】
【化1】
【0042】本発明に係るポリエステル樹脂は、ジカル
ボン酸由来のジカルボン酸ユニット100重量部あたり
脂環式ジアルコール由来の脂環式ジアルコールユニット
が5〜80重量部であることが好ましく、より好ましく
は7〜75重量部、更に好ましくは10〜70重量部で
ある。5重量部未満の場合は、耐高温オフセット性が低
下しやすい。また、80重量部を超える場合は、定着画
像の光沢性が下がり、定着開始温度が高く、コールドオ
フセットが生じやすくなる。
【0043】また、分岐鎖を持つ炭素数3又は4の脂肪
族ジアルコール由来のジアルコールユニットは、上記ジ
カルボン酸ユニット100重量部あたり5〜80重量部
であることが好ましく、より好ましくは5〜75重量
部、更に好ましくは5〜70重量部である。5重量部未
満の場合は、定着開始温度が高くなる。また、80重量
部を超える場合は、耐ブロッキング性が低下する傾向に
ある。
【0044】フェノールノボラック型エポキシ樹脂由来
のエポキシ樹脂ユニットは、上記ジカルボン酸ユニット
100重量部あたり1.0〜20重量部であることが好
ましく、より好ましくは1.5〜20重量部、更に好ま
しくは2.0〜19.5重量部である。1.0重量部未
満では高温オフセットが低下する傾向にあり、20重量
部を超えると着色剤の分散などが低下しやすい。
【0045】さらに、本発明のポリエステル樹脂のジカ
ルボン酸ユニットとジアルコールユニットとの重量比率
は、好ましくは100:80〜80:100であること
が好ましく、より好ましくは100:90〜80:10
0である。この範囲から外れるものは、芳香族オキシカ
ルボン酸金属化合物との架橋反応が十分に達成できなく
なりやすい。
【0046】本発明に係るポリエステル樹脂及びトナー
の酸価は、5〜30mgKOH/gが好ましく、より好
ましくは7〜25mgKOH/gである。酸価が5mg
KOH/g未満では、低湿下でトナーが過剰に電荷を持
つ、いわゆるチャージアップが起こりやすくなり、酸価
が30mgKOH/gを超える場合は、高湿下での電荷
緩和が大きいため、トナーが十分な帯電を維持できなく
なりやすい。
【0047】本発明にかかるポリエステル樹脂及びトナ
ーの分子量としては、ピークトップ分子量(P1)は2
000〜9000であることが好ましく、より好ましく
は2500〜8000、更に好ましくは3000〜70
00である。また数平均分子量(Mn)は1500〜5
000であることが好ましく、より好ましくは2000
〜4500、更に好ましくは2500〜4500であ
り、重量平均分子量(Mw)は7000〜100000
であることが好ましく、より好ましくは8000〜90
000、更に好ましくは9000〜80000である。
【0048】またポリエステル樹脂及びトナーのガラス
転移温度(Tg)としては、45〜70℃であることが
好ましく、より好ましくは47〜67℃、更に好ましく
は50〜65℃である。
【0049】本発明に使用する芳香族オキシカルボン酸
金属化合物としては、芳香族オキシカルボン酸と2価以
上の金属との有機金属化合物が好ましい。
【0050】芳香族オキシカルボン酸としては、下記3
種の化合物が挙げられる。
【0051】
【化2】
【0052】〔式中、R1乃至R7は同一又は異なる基を
示し、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数
2〜12のアルケニル基、−OH、−NH2、−NH
(CH3)、−N(CH32、−OCH3、−O(C
25)、−COOH又は−CONH2を示す。但し、上
記化合物は少なくとも1つの−OH基を有している。〕
【0053】好ましいR1としては、ヒドロキシル基、
アミノ基及びメトキシ基が挙げられるが、中でもヒドロ
キシル基が好ましい。芳香族オキシカルボン酸として
は、特にジ−tert−ブチルサリチル酸の如きジアル
キルサリチル酸が好ましい。
【0054】芳香族オキシカルボン酸金属化合物を形成
する金属としては、2価以上の金属原子が好ましい。2
価の金属としてMg2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Fe
2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Zr2+、Hf2+
が挙げられる。2価の金属としては、Zn2+、Ca2+
Mg2+、Zr2+、Hf2+、Sr2+が好ましい。3価以上
の金属としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ni3+、Zr
4+、Hf4+が挙げられる。これらの金属の中で好ましい
のはAl3+、Fe3+、Cr3+、Zn2+、Zr4+、Hf4+
であり、特に好ましいのはAl3+、Zn2+、Cr3+、Z
4+、Hf4+である。
【0055】芳香族オキシカルボン酸金属化合物は、例
えば、芳香族オキシカルボン酸を水酸化ナトリウム水溶
液に溶解させ、2価以上の金属原子を溶融している水溶
液を水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次
に水溶液のpHを調整し、室温まで冷却した後、ろ過洗
浄することにより芳香族オキシカルボン酸金属化合物を
合成し得る。ただし、上記の合成方法だけに限定される
ものではない。
【0056】芳香族オキシカルボン酸金属化合物は、結
着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部(より好ま
しくは、0.5〜9重量部)使用するのがトナーの粘弾
性特性及び摩擦帯電特性を調整する点で好ましい。
【0057】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させるために必要に応じて上記の芳香族オキシカル
ボン酸金属化合物以外の化合物を荷電制御剤として用い
ることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部
当り0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜7重量部
使用するのが好ましい。
【0058】荷電制御剤としては、ニグロシン,イミダ
ゾール系化合物などである。
【0059】着色剤としては、顔料及び/又は染料を用
いることができる。例えば染料としては、C.I.ダイ
レクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.
I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、
C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブ
ルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッ
ドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベ
ーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.
I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン
6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシッ
クグリーン6等がある。顔料としては、ミネラルファス
トイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオ
レンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4
R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレー
キ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファスト
バイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト
ブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレー
キ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、
インダンスレンブルーBC、ピグメントグリーンB、マ
ラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーン
G等がある。
【0060】また、フルカラー用トナーとして使用する
場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35等が挙げられる。
【0061】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0062】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料であ
る。
【0063】
【化3】
【0064】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0065】着色剤の使用量は結着樹脂100重量部に
対して、0.1〜60重量部、好ましくは0.5〜50
重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
【0066】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナー粒子は磁性体を含み、磁性体は着色剤
としての機能も有する。磁性材料としては、マグネタイ
ト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の
金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金
属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,P
b,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0067】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙
げられる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の
組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄
又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0068】これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μ
m(より好ましくは0.1〜0.5μm)で、10Kエ
ルステッド印加での磁気特性が抗磁力20〜150エル
ステッド、飽和磁化50〜200emu/g(好ましく
は50〜100emu/g)、残留磁化2〜20emu
/gのものが好ましい。
【0069】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0070】本発明において、必要に応じて一種又は二
種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわ
ない。
【0071】離型剤としては次のものが挙げられる。低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイク
ロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂
肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの
如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それ
らのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワ
ックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エス
テルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワッ
クスの如き脂肪酸エステル類の一部または全部を脱酸化
したものが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステア
リン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を
有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸
類、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸
の如き不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラル
キルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルア
ルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あ
るいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアル
コール類の如き飽和アルコール類、ソルビトールの如き
多価アルコール類、リノール酸アミド、オレイン酸アミ
ド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類、メチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミ
ド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビ
スステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類、
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオ
レイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミ
ド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽
和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミ
ド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き
芳香族系ビスアミド類、ステアリン酸カルシウム、ラウ
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マ
グネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんとい
われているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワックスに
スチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いて
グラフト化させたワックス類、また、ベヘニン酸モノグ
リセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル
化物、また、植物性油脂の水素添加によって得られるヒ
ドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられ
る。
【0072】特に好ましく用いられる離型剤としては、
脂肪族系アルコールワックス、脂肪族炭化水素系ワック
スが挙げられる。脂肪族系アルコールワックスは式
(I)で示されるものが好ましい。
【0073】 CH3(CH2xCH2OH (I) (xは平均値を示し、20〜250の正数である)
【0074】脂肪族炭化水素系ワックスとしては、アル
キレンを高圧下でのラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリ
マー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得ら
れるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素からなる
合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残
分から、あるいは、これらを水素添加して得られる合成
炭化水素ワックスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤
法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワッ
クスを分別したものがより好ましく用いられる。母体と
しての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上
の多元系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によっ
て合成されるもの、例えばジントール法、ヒドロコール
法(流動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素
が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得
られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素や、エチレン
の如きアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化
水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化
水素であるので好ましい。特に一酸化炭素及び水素から
合成されたワックスが分子量分布が狭く、好ましいもの
である。
【0075】ワックスの分子量分布では、分子量400
〜2400の領域に(好ましくは450〜2000、特
に好ましくは500〜1600の領域に)メインピーク
が存在することが良い。このような分子量分布を有する
ワックスは、トナーに好ましい熱特性を持たせることが
できる。
【0076】離型剤の量は、結着樹脂100重量部あた
り0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部
が好ましい。
【0077】離型剤は、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液
温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時
に混合する方法で結着樹脂に含有させられる。
【0078】トナー粒子には、流動性向上剤が外添され
ていることが画質向上のために好ましい。
【0079】流動性向上剤としては、トナー粒子に外添
することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し
得るものである。
【0080】例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテ
トラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;
湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微
粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシラン
カップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオ
イルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微
粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チ
タン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。
【0081】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着により比表面積が30cm2/g以上、好ましくは
50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー
粒子100重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重
量部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0082】トナー粒子は結着樹脂、着色剤、有機金属
化合物及びその他の任意成分の添加剤をヘンシェルミキ
サー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニー
ダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、
捏和及び練肉し、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉
砕し、粉砕物を分級することにより所定の平均粒径のト
ナー粒子を生成することができる。
【0083】さらに、流動性向上剤とトナー粒子をヘン
シェルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー
粒子表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることがで
きる。
【0084】本発明のトナーは、重量平均粒径が2.5
乃至10.0μm(より好ましくは2.5乃至6.0μ
m)を有することが画質の点で好ましい。
【0085】本発明のトナーは、体積平均粒径では2.
5乃至6.0μmを有することが好ましい。
【0086】結着樹脂、トナー粒子及びトナーの各物性
の測定方法を以下に説明する。
【0087】(1)GPCによる分子量の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によ
るクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
【0088】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μ
mフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0089】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500,103 ,1
4 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,8
06,807の組合せが好ましい。
【0090】(2)ガラス転移温度(Tg)の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0091】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0092】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0093】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0094】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0095】(3)酸価(JIS)の測定 JIS K0070−1966の測定方法を準拠して行
う。 (a)試料の0.1〜0.2gを精秤し、その重さをW
(g)とする。 (b)20cc三角フラスコに試料を入れ、トルエン/
エタノール(2:1)の混合溶液10ccを加え溶解す
る。 (c)指示薬としてフェノールフタレインのアルコール
溶液を数滴加える。 (d)0.1規定のKOHのアルコール溶液を用いてフ
ラスコ内の溶液をビュレットを用いて滴定する。 この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時
にブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB
(ml)とする。
【0096】(e)次式により酸価(mgKOH/g)
を計算する。
【0097】
【数1】
【0098】(4)トナー粒子又はトナーの粒度分布の
測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)
を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約
1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON
(登録商標)−II(コールターサイエンティフィック
ジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記
電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面
活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)
を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20m
g加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約
1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパ
ーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナ
ー粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、
トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、
トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナー粒子
又はトナーの重量平均粒径(D 4)及び体積平均粒径
(DV)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表
値とする)を求める。
【0099】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜
40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0100】本発明のトナーを良好に使用し得る画像形
成装置を図2を参照しながら説明する。
【0101】図2に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体1の右側(図2右側)から装置本体の略中央部に
わたって設けられている転写材搬送系Iと、装置本体1
の略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写
ドラム15に近接して設けられている潜像形成部II
と、上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像
手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別され
る。
【0102】上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成と
なっている。上記装置本体の右壁(図2右側)に開口部
が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用
トレイ2及び3が一部機外に突出して配設されている。
該トレイ2及び3の略直上部には給紙用ローラ4及び5
が配設され、これら給紙用ローラ4及び5と左方に配さ
れた矢印A方向に回転自在な転写ドラム15とを連係す
るように、給紙用ローラ6及び給紙ガイド7及び8が設
けられている。上記転写ドラム15の外周面近傍には回
転方向上流側から上流側に向かって当接用ローラ9、グ
リッパ10、転写材分離用帯電器11、分離爪12が順
次配設されている。
【0103】上記転写ドラム15の内周側には転写帯電
器13、転写材分離用帯電器14が配設されている。転
写ドラム15の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニ
リデンの如き、ポリマーで形成されている転写シート
(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該転写シ
ート上に静電的に密着貼り付けされている。上記転写ド
ラム15の右側上部には上記分離爪12と近接して搬送
ベルト手段16が配設され、該搬送ベルト手段16の転
写材搬送方向終端(右側)には定着装置18が配設され
ている。該定着装置18よりもさらに搬送方向後流には
装置本体1の外へと延在し、装置本体1に対して着脱自
在な排出用トレイ17が配設されている。
【0104】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図2矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ド
ラム(例えば、OPC感光ドラム)19が、外周面を上
記転写ドラム15の外周面と当接して配設されている。
上記感光ドラム19の上方でその外周面近傍には、該感
光ドラム19の回転方向上流側から下流側に向かって除
電用帯電器20、クリーニング手段21及び一次帯電器
23が順次配設され、さらに上記感光ドラム19の外周
面上に静電潜像を形成するためのレーザービームスキャ
ナのごとき像露光手段24、及びミラーのごとき像露光
反射手段25が配設されている。
【0105】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム19の外周面と対向する
位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)26
が配設され、該回転体26中には四種類の現像装置が周
方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム19の外周面
上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)する
ようになっている。上記四種類の現像装置は、それぞれ
イエロー現像装置27Y、マゼンタ現像装置27M、シ
アン現像装置27C及びブラック現像装置27BKを有
する。
【0106】上記したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム19が図2矢印方向に
回転すると、該感光ドラム19は一次帯電器23によっ
て帯電される。図2の装置においては、感光ドラム19
の周速(以下、プロセススピードとする)は100mm
/sec以上(例えば、130〜250mm/sec)
である。一次帯電器23による感光ドラム19に対する
帯電が行われると、原稿28のイエロー画像信号にて変
調されたレーザー光Eにより画像露光が行われ、感光ド
ラム19上に静電潜像が形成され、回転体26の回転に
よりあらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装置
27Yによって上記静電潜像の現像が行われ、イエロー
トナー画像が形成される。
【0107】給紙ガイド7、給紙ローラ6、給紙ガイド
8を経由して搬送されてきた転写材は、所定のタイミン
グにてグリッパ10により保持され、当接用ローラ9と
該当接用ローラ9と対向している電極とによって静電的
に転写ドラム15に巻き付けられる。転写ドラム15
は、感光ドラム19と同期して図2矢印方向に回転して
おり、イエロー現像装置27Yにより形成されたイエロ
ートナー画像は、上記感光ドラム19の外周面と上記転
写ドラム15の外周面とが当接している部位にて転写帯
電器13によって転写材上に転写される。転写ドラム1
5はそのまま回転を継続し、次の色(図2においてはマ
ゼンタ)の転写に備える。
【0108】感光ドラム19は、上記除電用帯電器20
により除電され、クリーニングブレードによるクリーニ
ング手段21によってクリーニングされた後、再び一次
帯電器23によって帯電され、次のマゼンタ画像信号に
より画像露光が行われ、静電潜像が形成される。上記回
転式現像装置は、感光ドラム19上にマゼンタ画像信号
による像露光により静電潜像が形成される間に回転し
て、マゼンタ現像装置27Mを上述した所定の現像位置
に配置せしめ、所定のマゼンタトナーにより現像を行
う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシ
アン色及びブラック色に対しても実施し、四色のトナー
像の転写が終了すると、転写材上に形成された三色顕画
像は各帯電器22及び14により除電され、上記グリッ
パ10による転写材の把持が解除されると共に、該転写
材は、分離爪12によって転写ドラム15より分離さ
れ、搬送ベルト16で定着装置18に送られ、熱と圧力
により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが
終了し、所要のフルカラープリント画像が転写材の一方
の面に形成される。
【0109】このとき、定着装置18での定着動作速度
は、本体のプロセススピード(例えば160mm/se
c)より遅い(例えば90mm/sec)で行われる。
これは、トナーが二層から四層積層された未定着画像を
溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与えなけ
ればならないためで、現像速度より遅い速度で定着を行
うことによりトナーに対する加熱量を多くしている。
【0110】図3において、定着手段である定着ローラ
ー29は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金31上に
厚さ2mmのRTV(室温加硫型)シリコーンゴム層3
2、この外側に厚さ50μmのフッ素ゴム層58、この
外側にHTV(高温加硫型)シリコーンゴム層33を有
し、直径60mmを有している。
【0111】一方、加圧手段である加圧ローラー30
は、例えば厚さ5mmのアルミ芯金34の上に厚さ2m
mのRTVシリコーンゴム層35、この外側に厚さ50
μmのフッ素ゴム層59、この外側に厚さ230μmの
HTVシリコーンゴム層を有し、直径60mmを有して
いる。
【0112】上記定着ローラー29には発熱手段である
ハロゲンヒータ36が配置され、加圧ローラー30には
同じくハロゲンヒータ37が芯金内に配設されて両面か
らの加熱を行っている。定着ローラー29及び加圧ロー
ラー30に当接されたサーミスタ38a及び38bによ
り定着ローラー29及び加圧ローラーの温度が検知さ
れ、この検知温度に基づき制御装置39a及び39bに
よりハロゲンヒータ36及び37がそれぞれ制御され、
定着ローラー29の温度及び加圧ローラー30の温度が
共に一定の温度(例えば、160℃±10℃に保つよう
に制御される。定着ローラー29と加圧ローラー30は
加圧機構(図示せず)によって総圧約40kgで加圧さ
れている。
【0113】図3においてOは離型剤塗布手段たるオイ
ル塗布装置、Cはクリーニング装置、C1は加圧ローラ
ーに付着したオイル及び汚れを除去するためのクリーニ
ングブレードである。オイル塗布装置Oはオイルパン4
0内のジメチルシリコーンオイル41(例えば、信越化
学製KF96 300cSt)を、オイル汲み上げロー
ラー42及びオイル塗布ローラー43を経由してオイル
塗布量調節ブレード44でオイル塗布量を規制しくして
定着ローラー29上に塗布させる。
【0114】クリーニング装置Cはノーメックス(商品
名)より成る不織布ウェブ46を押圧ローラー45にて
定着ローラー29に押し当ててクリーニングしている。
該ウェヴ46は巻き取り装置(図示せず)により適宜巻
き取られ、定着ローラー29との当接部にトナー等が堆
積しないようにされている。
【0115】片面にフルカラー画像が形成された転写材
は、排紙ローラー52によって排紙トレイ17へ送られ
る。
【0116】排紙ローラー52の下方に、排紙トレイ1
7に一度載せた転写材を再び潜像形成部IIへと送り込
むための再給紙ローラー50が配置され、該再給紙ロー
ラー50の後方には転写材を搬送する搬送通路51が配
設されている。
【0117】排紙トレイ17上の転写材は、再給紙ロー
ラー50により再び給紙されて搬送通路51を通り、再
び潜像形成部IIへ搬送されて表面と同様にして裏面に
カラー画像を形成する。こうして、表面にすでに定着さ
れたカラー画像をもち、裏面に転写された未定着カラー
トナー像を担持した転写材は、搬送ベルト手段16によ
り定着ローラー29及び加圧ローラー30まで運ばれて
定着が行われ、最終的には排紙トレイへ運ばれて両面カ
ラーコピーが終了する。
【0118】本発明のトナーは、低温定着性及び耐高温
オフセット性に優れているので離型剤の塗布量を少なく
することが可能であり、また、クリーニング装置の汚れ
量も少ない。
【0119】本発明のトナーのトナー像は、定着ローラ
ーの表面温度150℃±の温度条件で加熱加圧定着する
のが良い。
【0120】排紙トレイ17上の転写材は、再給紙ロー
ラー50により再び給紙されて搬送通路51を通り、再
び潜像形成部IIへ搬送されて表面と同様にして裏面に
カラー画像を形成する。こうして、表面にすでに定着さ
れたカラー画像をもち、裏面に転写された未定着カラー
トナー像を担持した転写材は、搬送ベルト手段16によ
り定着ローラー29及び加圧ローラー30まで運ばれて
定着が行われ、最終的には排紙トレイ17へ運ばれて両
面カラーコピーが終了する。
【0121】本発明のトナーは、低温定着性及び耐高温
オフセット性に優れているので離型剤の塗布量を少なく
することが可能であり、また、クリーニング装置の汚れ
最も少ない。
【0122】本発明のトナーのトナー像は、定着ローラ
の表面温度150℃±30℃の温度条件で加熱加圧定着
するのが良い。
【0123】
【実施例】以下、結着樹脂の製造例および本発明のトナ
ーの実施例について述べるが、本発明はこれらの例に限
定されるものではない。
【0124】 [ポリエステル樹脂製造例1] ・シクロヘキセン−4.5−ジカルボン酸 20mol% ・イソフタル酸 70mol% ・2−メチル−1,3−プロパンジオール 30mol% ・プロピレングリコール 20mol% ・1,4−シクロヘキサンジメタノール 50mol% ・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エピコート154;油化シェルエポキ シ社製) 5mol% 上記の量はジアルコール成分の合計を100とした場合
のmol%であり、エピコート154はエポキシ当量を
1molとした。
【0125】テトラブトキシチタネートを触媒として用
い、N2ガス雰囲気下、撹拌加熱昇温して220℃で脱
水縮合反応を行なった。
【0126】酸価が12.1mgKOH/gになるまで
反応した後取り出して、表1に示す物性のポリエステル
樹脂1を得た。
【0127】[ポリエステル樹脂製造例2〜11]処方
を表1に示す処方に変更する以外は製造例1と同様にし
てポリエステル樹脂2〜11を合成した。
【0128】[芳香族オキシカルボン酸金属化合物の製
造]芳香族オキシカルボン酸アルミニウム化合物の合成 3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸75.0g
(約0.3mol)を水酸化ナトリウム水溶液(0.6
mol/リットル)1リットルに混合し加熱溶解させ
た。この溶液に硫酸アルミニウム水溶液(0.25mo
l/リットル)400mlを10ml/10秒で滴下
し、滴下後、約80℃で60分撹拌し溶液のpHをpH
=5.0で濾別採取した。
【0129】採取した白色沈殿物を洗浄水がほぼpH=
7となるまで水洗した後乾燥し、芳香族オキシカルボン
酸アルミニウム化合物を得た。
【0130】芳香族オキシカルボン酸クロム化合物の合
芳香族オキシカルボン酸アルミニウム化合物の合成で硫
酸アルミニウム水溶液の代わりに硫酸クロム水溶液を用
いる以外は同様な方法で芳香族オキシカルボン酸クロム
化合物を合成した。
【0131】芳香族オキシカルボン酸ジルコニウム化合
物の合成 芳香族オキシカルボン酸アルミニウム化合物の合成で硫
酸ジルコニウム水溶液を塩化カルシウム水溶液にかえる
以外は同様な方法で芳香族オキシカルボン酸ジルコニウ
ム化合物を合成した。
【0132】芳香族オキシカルボン酸亜鉛化合物の合成 芳香族オキシカルボン酸アルミニウム合成物の合成で硫
酸アルミニウム水溶液を硫酸亜鉛水溶液にかえる以外は
同様な方法で芳香族オキシカルボン酸亜鉛化合物を合成
した。
【0133】得られたポリエステル樹脂と芳香族オキシ
カルボン酸金属化合物を用いて、以下に示す実施例1〜
10及び比較例1〜5のトナーのポリエステル樹脂の合
成ジアルコールユニットと構成ジカルボン酸ユニットの
分析を行なった。
【0134】構成成分分析は、トナーをテトラヒドロフ
ラン溶媒等で溶解し、孔径0.4μmのフィルターでろ
過またはカラムクロマトグラフィー等でトナーのポリエ
ステル樹脂成分を抽出する。抽出したポリエステル樹脂
をNMRで分析し、構成される各ジアルコールユニット
と各ジカルボン酸ユニットの含有割合を算出した。この
結果を表2及び3に示す。
【0135】 <実施例1> ・ポリエステル樹脂1 100重量部 ・芳香族オキシカルボン酸Al化合物 4重量部 ・銅フタロシアニン顔料 3重量部 上記材料を充分ヘンシェルミキサーにより予備混合を行
い、設定温度100℃の二軸の押出混練機で溶融混練
し、冷却後ハンマーミルを用いて粉砕し、次いでエアー
ジェット方式による微粉砕機で微粉砕した後、コアンダ
効果を利用した多分割分級装置で分級しシアン色のトナ
ー粒子を得た。
【0136】トナー粒子に、イソブチルトリメトキシシ
ランで表面処理した一次粒径5nmのアルミナ微粒子
1.0wt%を外添混合し、シアントナー(1)を製造
した。該シアントナー(1)は重量平均粒径6.5μm
であった。該シアントナー(1)の各物性を表2に示
す。
【0137】このシアントナー(1)7重量部と、ビニ
リデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体
(共重合体量8:2)とスチレン−アクリル酸2−エチ
ルヘキシル−メタクリル酸メチル(共重合重量比45:
20:35)を50:50の重量比率で約0.5wt%
コーティングしたCu−Zn−Fe系磁性フェライトキ
ャリア(平均粒径40μm)93重量部になるように混
合し、現像剤(1)とした。
【0138】現像剤(1)を、表面層がポリカーボネイ
ト樹脂層のOPC感光ドラムを有するキヤノン製フルカ
ラー複写機(CLC700)に適用して、単色モードで
常温/低湿下(23℃/5%RH),高温/高湿下(3
0℃/90%RH)での連続通紙40,000枚の耐久
画像試験を行った。
【0139】一方、フルカラー複写機の定着機をとりは
ずし、外部駆動および温度コントロール機能をつけ、定
着速度を変えて15℃/60%RHの環境下において定
着性試験をおこなった。結果を表4に示す。
【0140】常温/低湿環境下では、A4サイズで画像
面積5%の連続40,000枚の耐久を行ない、画像濃
度とカブリの評価を行った。高温/高湿下では、A4サ
イズで画像面積30%の連続40,000枚耐久を行な
い、画像濃度とカブリとともに、40,000枚後の定
着ローラーに付いている定着クリーニングウェブの汚れ
を調べた。
【0141】これらの結果を表5及び6に示す。各々環
境下においても初期から高精細と階調性が優れた高品位
および高画像濃度を出力し、40,000枚耐久後も初
期と変わらぬ良好な画像を提供できた。感光体ドラムへ
のトナー付着、キズもみられなかった。また高温/高湿
下での定着クリーニングウェブの汚れもほとんどみられ
なかった。
【0142】また各環境で40,000枚耐久した現像
剤からキャリア粒子を取り出し、これを走査型電子顕微
鏡でキャリアに対するトナーの汚染を目視で評価したと
ころ、トナーによるキャリアの汚染はほとんどみられな
かった。
【0143】キャリア粒子へのトナー汚染は、以下の基
準で評価した。 A:トナー汚染が全くみられない B:若干のトナー汚染があるもののほとんど初期のキャ
リアの状態である C:トナー汚染が明らかにみとめられる
【0144】定着クリーニングウェブの汚れの評価は、
以下の基準で行った。 A:トナーによる汚れは全く見られない B:若干のトナーの汚れはあるもののウェブの下地が目
視で確認できる C:トナーの汚れが顕著でウェブの下地が確認できない
【0145】画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マク
ベス社製)を用いて現像コントラスト電位差が常温/低
湿下350V,高温/高湿下250Vにおける画像で測
定した。
【0146】カブリは「リフレクトメーター」(東京電
色社製)により測定した複写画像の白地部分の白色度と
転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出して評
価した。
【0147】感光ドラムとのマッチング性は、感光ドラ
ム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントア
ウト画像への影響を目視で評価した。 A:非常に良好(未発生) B:良好(わずかに傷の発生が見られるが、画像への影
響はない) C:普通(固着や傷があるが、画像への影響が少ない) D:悪い(固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
【0148】階調性は、現像コントラスト電位を17段
階に分割して出力した画像にて目視が評価した。 A:非常に良好 B:良好 C:良 D:普通 E:やや悪い F:悪い
【0149】<実施例2>ポリエステル樹脂2を使用す
る以外は実施例1と同様にしてシアントナー(2)およ
び現像剤(2)を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表4乃至6に示す。
【0150】<実施例3>ポリエステル樹脂3を使用す
る以外は実施例1と同様にしてシアントナー(3)およ
び現像剤(3)を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表4乃至6に示す。
【0151】<実施例4>ポリエステル樹脂4を使用す
る以外は実施例1と同様にしてシアントナー(4)およ
び現像剤(4)を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表4乃至6に示す。
【0152】<実施例5>ポリエステル樹脂5を使用す
る以外は実施例1と同様にしてシアントナー(5)およ
び現像剤(5)を調製し、実施例1と同様にして評価し
た。結果を表4乃至6に示す。
【0153】<実施例6>ポリエステル樹脂1及び芳香
族オキシカルボン酸クロム化合物を使用する以外は実施
例1と同様にしてシアントナー(6)および現像剤
(6)を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果
を表4乃至6に示す。
【0154】<実施例7>ポリエステル樹脂1及び芳香
族オキシカルボン酸ジルコニウム化合物を使用する以外
は実施例1と同様にしてシアントナー(7)および現像
剤(7)を調製し、実施例1と同様にして評価した。結
果を表4乃至6に示す。
【0155】<実施例8>ポリエステル樹脂1及び芳香
族オキシカルボン酸亜鉛化合物を使用する以外は実施例
1と同様にしてシアントナー(8)および現像剤(8)
を調製し、実施例1と同様にして評価した。結果を表4
乃至6に示す。
【0156】<比較例1>ポリエステル樹脂6を使用す
る以外は実施例1と同様にして比較シアントナー(1)
と比較現像剤(1)を製造し、実施例1と同様にして評
価した。結果を表4乃至6に示す。実施例1と比較して
定着性に関して劣り、かつ、画像評価の点でも十分な画
像濃度が得られず、カブリ抑制も満足できるものではな
かった。
【0157】<比較例2>ポリエステル樹脂7を使用す
る以外は実施例1と同様にして比較シアントナー(2)
と比較現像剤(2)を製造し、実施例1と同様にして評
価した。結果を表4乃至6に示す。実施例1と比較して
定着性と現像性が劣っていた。
【0158】<比較例3>ポリエステル樹脂8を使用す
る以外は実施例1と同様にして比較シアントナー(3)
と比較現像剤(3)を製造し、実施例1と同様にして評
価した。結果を表3乃至5に示す。実施例1と比較して
定着性と現像性で劣っていた。
【0159】<比較例4>ポリエステル樹脂9を使用す
る以外は実施例1と同様にして比較シアントナー(4)
と比較現像剤(4)を製造し、実施例1と同様にして評
価した。結果を表3乃至5に示す。実施例1と比較して
定着可能温度領域がせまく、また耐久画像特性も実施例
1よりも劣っていた。
【0160】<比較例5>ポリエステル樹脂7を使用
し、芳香族オキシカルボン酸アルミニウム化合物を使用
しない以外は実施例1と同様にして比較シアントナー
(5)と比較現像剤(5)を製造し、実施例1と同様に
して評価した。結果を表4乃至6に示す。比較例2と同
等で、定着性と現像性の点で満足できるものではなかっ
た。
【0161】<実施例9>ポリエステル樹脂10を使用
する以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(9)
及び現像剤(9)を調製し、実施例1と同様にして評価
した。結果を表4乃至6に示す。
【0162】<実施例10>ポリエステル樹脂11を使
用する以外は、実施例1と同様にしてシアントナー(1
0)及び現像剤(10)を調製し、実施例1と同様にし
て評価した。結果を表4乃至6に示す。実施例1に比
べ、定着性の点で若干劣っていた。
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】
【表3】
【0166】
【表4】
【0167】
【表5】
【0168】
【表6】
【0169】
【発明の効果】本発明は良好な低温定着性と耐高温オフ
セット性を有し、かつ、低湿環境下や高湿環境下におい
ても安定した現像性を維持できるトナーを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステルポリマー鎖の金属イオン架橋の一
例を示す説明図である。
【図2】本発明のトナーを適用し得る画像形成装置の概
略的説明図である。
【図3】本発明のトナーのトナー像をシート部材に加熱
加圧定着するための加熱加圧定着手段の一例を示す概略
的説明図である。
【符号の説明】
1 装置本体 15 転写ドラム 18 定着装置 19 感光ドラム 27 現像装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)少なくともテトラヒドロフタル酸
    またはその誘導体を含有するジカルボン酸と、脂環式ジ
    アルコールと、分岐鎖をもつ炭素数3又は4の脂肪族ジ
    アルコールと、フェノールノボラック型エポキシ樹脂と
    を少なくとも有する混合物を縮重合して得られるポリエ
    ステル樹脂を主構成成分とする結着樹脂、(2)着色剤
    及び(3)芳香族オキシカルボン酸金属化合物を少なく
    とも含有することを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 該ポリエステル樹脂中のテトラヒドロ
    フタル酸及びその誘導体由来のテトラヒドロフタル酸ユ
    ニットが、ジカルボン酸由来のジカルボン酸ユニット1
    00重量部中5〜70重量部であり、 該ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸由来のジカルボン
    酸ユニット100重量部当たり、脂環式ジアルコール
    由来の脂環式ジアルコールユニットを5〜80重量部有
    し、分岐鎖をもつ炭素数3又は4の脂肪族ジアルコー
    ル由来のジアルコールユニットを5〜80重量部有し、
    フェノールノボラック型エポキシ樹脂由来のエポキシ
    樹脂ユニットを1〜20重量部有することを特徴とする
    請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 該ポリエステル樹脂のジカルボン酸ユニ
    ットとジアルコールユニットとの重量比率が100:8
    0〜80:100であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のトナー。
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