JP2000284291A - 液晶配向膜および液晶素子 - Google Patents

液晶配向膜および液晶素子

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JP2000284291A JP9029599A JP9029599A JP2000284291A JP 2000284291 A JP2000284291 A JP 2000284291A JP 9029599 A JP9029599 A JP 9029599A JP 9029599 A JP9029599 A JP 9029599A JP 2000284291 A JP2000284291 A JP 2000284291A
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Masayuki Negoro
雅之 根来
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶性分子(特にディスコティック液晶性分
子)を、実質的に垂直かつ均一な方向に安定に配向さ
せ、さらに耐久性も改善する。 【解決手段】 側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を
二個、三個または四個有する繰り返し単位を2乃至80
モル%含み、さらに重合性基を有する変性ポリビニルア
ルコールを液晶配向膜を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶を配向させるため
基板上に設けられている液晶配向膜に関する。また、本
発明は、基板、液晶配向膜および液晶性分子から形成さ
れた液晶層が、この順に積層されている液晶素子にも関
する。
【0002】
【従来の技術】STN(Super Twisted Nematic)型液晶
表示装置は、STNモードの液晶セル、二枚の偏光板お
よびSTNモードの液晶セルと偏光板との間に設けられ
る一枚または二枚の光学補償シート(位相差板)からな
る。液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するため
の二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるため
の電極層からなる。STN型液晶セルでは、棒状液晶性
分子を180乃至360度に配向させるための配向膜
が、二枚の基板に設けられる。光学補償シートがないS
TN型液晶表示装置では、棒状液晶分子の複屈折性のた
め、表示画像がイエローグリーンまたはイエローに着色
する。表示画像の着色は、白黒表示でもカラー表示でも
不都合である。光学補償シートは、このような着色を解
消して、明るい鮮明な画像を得るために用いられる。光
学補償シートにはまた、液晶セルの視野角を拡大する機
能を付与する場合もある。光学補償シートとしては、延
伸複屈折フイルムが従来から使用されている。延伸複屈
折フイルムを用いたSTN型液晶表示装置用の光学補償
シートについては、特開平7−104284号、同7−
13021号の各公報に記載がある。
【0003】延伸複屈折フイルムからなる光学補償シー
トに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分
子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートを使用
することが提案されている。光学的異方性層は、ディス
コティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定
することにより形成する。ディスコティック液晶性分子
は、一般に大きな複屈折率を有する。そして、ディスコ
ティック液晶性分子には、多様な配向形態がある。ディ
スコティック液晶性分子を用いることで、従来の延伸複
屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有す
る光学補償シートを製造することが可能になる。ディス
コティック液晶性分子を用いた光学補償シートについて
は、特開平6−214116号公報、米国特許5583
679号、同5646703号、ドイツ特許公報391
1620A1号の各明細書に記載がある。ただし、これ
らの光学補償シートは、主な用途としてTN型液晶表示
装置を想定して設計されている。
【0004】ディスコティック液晶性分子を用いた光学
補償シートを、STN型液晶表示装置に利用することが
考えられる。STN型液晶表示装置では、90゜よりも
大きく超ねじれ配向させた棒状液晶性分子を複屈折モー
ドで用いる。STN型液晶表示装置には、能動素子(薄
膜トランジスターやダイオード)がない単純マトリック
ス電極構造でも、時分割駆動により大きな画像の鮮明な
表示が可能であるとの特徴がある。ディスコティック液
晶性分子を用いてSTN型液晶セルを光学補償するため
には、ディスコティック液晶性分子を垂直に配向させる
(好ましくは、さらに、ねじれ配向させる)必要があ
る。特開平9−26572号公報には、ディスコティッ
ク液晶性分子をねじれ配向させた光学補償シートが開示
されている。さらに同公報の図面には、ディスコティッ
ク液晶性分子を垂直に配向させた状態が示されている。
ただし、同公報に開示されている配向膜のうち、ディス
コティック液晶性分子の垂直配向膜として実質的に有効
であるのは、同公報の実施例2に記載されている磁場配
向膜(SiO2 スパッタリング膜に磁場を印加しながら
加熱したもの)である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−26572
号公報に開示されている磁場配向膜では、ディスコティ
ック液晶性分子を、垂直かつ均一な方向に安定に配向さ
せることは、製造方法として難しい。ディスコティック
液晶性分子の垂直配向膜よりも、液晶セルに使用する棒
状液晶性分子の垂直配向膜の方が研究が進んでいる。例
えば、棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に
配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる垂直
配向(Vertical Alignment)液晶モードの液晶セルでは、
棒状液晶性分子を垂直に配向させる配向膜が必要であ
る。棒状液晶性分子を配向させるために、様々な垂直配
向膜が提案されている。棒状液晶性分子とディスコティ
ック液晶性分子では、分子構造も光学的性質も全く異な
る。垂直配向についても、ディスコティック液晶性分子
では、棒状液晶性分子とは異なり、単に垂直に配向させ
るだけではなく、ディスコティック液晶性分子の円盤面
を一定の方向にそろえる必要がある(方向性が必要)。
本発明者が研究を進めたところ、棒状液晶性分子の垂直
配向膜として知られている配向膜の大部分は、ディスコ
ティック液晶性分子を垂直かつ均一な方向に配向させる
機能を示さなかった。
【0006】本発明の目的は、液晶性分子(特にディス
コティック液晶性分子)を実質的に垂直に配向させる機
能を有する液晶配向膜を提供することである。また、本
発明の目的は、液晶性分子が実質的に垂直かつ均一な方
向に安定に配向している液晶素子を提供することでもあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(5)の液晶配向膜および下記(6)の液晶素
子により達成された。 (1)液晶を配向させるため基板上に設けられている液
晶配向膜であって、液晶配向膜が変性ポリビニルアルコ
ールを含み、そして、変性ポリビニルアルコールが側鎖
に芳香族環または芳香族性複素環を二個、三個または四
個有する繰り返し単位を2乃至80モル%および側鎖に
重合性基を有する繰り返し単位を0.1乃至10モル%
含むことを特徴とする液晶配向膜。 (2)側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を二個、三
個または四個有する繰り返し単位が、下記式(I)で表
される(1)に記載の液晶配向膜。
【0008】
【化4】
【0009】式中、L1 は、単結合、−CO−、−CO
−NH−、−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレ
ン基−、−CO−NH−アルキレン基−O−、−CO−
NH−アルキレン基−CO−O−および−CO−NH−
アルキレン基−CO−NH−からなる群より選ばれる連
結基であり;L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立
に、単結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO
−O−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−アルキ
レン基−、−O−アルキレン基−および−アルキレン基
−O−からなる群より選ばれる連結基であり;Ar1
Ar2 、Ar3 およびAr4 は、それぞれ独立に、芳香
族環または芳香族性複素環であり;そして、mおよびn
は、0または1である。 (3)側鎖に重合性基を有する繰り返し単位が、下記式
(II)で表される(1)に記載の液晶配向膜。
【0010】
【化5】
【0011】式中、L11は、単結合、−CO−、−CO
−NH−、−CO−NH−アルキレン基−、−CO−N
H−アルキレン基−O−、−CO−NH−アルキレン基
−CO−O−、−CO−NH−アルキレン基−O−CO
−、−CO−NH−アルキレン基−CO−NH−、−C
O−アルキレン基−O−CO−、−CO−アリーレン基
−O−アルキレン基−O−CO−、−CO−アリーレン
基−O−アルキレン基−O−、−CO−アリーレン基−
O−アルキレン基−および−アルキレン基−O−CO−
からなる群より選ばれる連結基であり;そして、Qは、
重合性基である。 (4)液晶を配向させるため基板上に設けられている液
晶配向膜であって、液晶配向膜が変性ポリビニルアルコ
ールを含み、そして、変性ポリビニルアルコールが側鎖
に芳香族環または芳香族性複素環を二個、三個または四
個と重合性基とを有する繰り返し単位を2乃至80モル
%含むことを特徴とする液晶配向膜。 (5)側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を二個、三
個または四個と重合性基とを有する繰り返し単位が、下
記式(III)で表される(4)に記載の液晶配向膜。
【0012】
【化6】
【0013】式中、L21は、単結合、−CO−、−CO
−NH−、−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレ
ン基−、−CO−NH−アルキレン基−O−、−CO−
NH−アルキレン基−CO−O−および−CO−NH−
アルキレン基−CO−NH−からなる群より選ばれる連
結基であり;L22、L23、L24およびL25は、それぞれ
独立に、単結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−
CO−O−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−ア
ルキレン基−、−O−アルキレン基−および−アルキレ
ン基−O−からなる群より選ばれる連結基であり;Ar
21、Ar22、Ar23およびAr24は、それぞれ独立に、
芳香族環または芳香族性複素環であり;Qは、重合性基
であり;mおよびnは、0または1であり;そして、p
は、1、2または3である。 (6)基板、液晶配向膜および液晶性分子から形成され
た液晶層が、この順に積層されている液晶素子であっ
て、液晶配向膜が変性ポリビニルアルコールを含み、変
性ポリビニルアルコールが側鎖に芳香族環または芳香族
性複素環を二個、三個または四個と重合性基とを有する
繰り返し単位を2乃至80モル%含み、液晶性分子が5
0乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向しており、そし
て、液晶性分子と変性ポリビニルアルコールとが、液晶
層と液晶配向膜との界面を介して化学的に結合している
ことを特徴とする液晶素子。
【0014】
【発明の効果】本発明者は研究の結果、側鎖に芳香族環
または芳香族性複素環を二個、三個または四個有する繰
り返し単位を2乃至80モル%含む変性ポリビニルアル
コールを液晶配向膜に用いて、液晶性分子を実質的に垂
直に配向させることに成功した。上記の変性ポリビニル
アルコールを含む液晶配向膜は、従来の配向膜よりも垂
直配向膜としての機能が優れており、液晶性分子を実質
的に垂直かつ均一な方向に安定に配向させることができ
る。従来の垂直配向膜は、垂直配向膜を有する2枚の基
板の間に液晶性分子を注入することで、液晶性分子を垂
直に配向させていた。しかし、垂直配向膜を有する基板
が1枚の場合は、基板と反対側の界面(空気界面)近傍
の液晶性分子の傾斜角が小さくなり、液晶性分子の垂直
配向が不充分であった。本発明の液晶配向膜を用いる
と、基板が1枚でも液晶性分子の垂直配向が達成でき
る。また、2枚の基板を用いる場合には、従来よりも良
好な垂直配向を達成できる。さらに、本発明では、重合
性基を変性ポリビニルアルコールに導入する。これによ
り、液晶性分子と変性ポリビニルアルコールとを、液晶
層と液晶配向膜との界面を介して化学的に結合させるこ
とができる。従って、本発明の液晶配向膜を用いた液晶
素子は、耐久性が優れているとの特徴もある。
【0015】
【発明の実施の形態】[変性ポリビニルアルコールおよ
び液晶配向膜]本発明は、側鎖に芳香族環または芳香族
性複素環を二個、三個または四個有する繰り返し単位を
2乃至80モル%含む変性ポリビニルアルコールを液晶
配向膜に用いる。さらに、本発明では、重合性基を変性
ポリビニルアルコールに導入する。重合性基は、側鎖に
重合性基を有する繰り返し単位として変性ポリビニルア
ルコールに導入する(本発明の第1の態様)か、あるい
は、側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を二個、三個
または四個有する繰り返し単位に重合性基を導入する
(本発明の第2の態様)。以下、(1)側鎖に芳香族環
または芳香族性複素環を二個、三個または四個有する繰
り返し単位、(2)側鎖に重合性基を有する繰り返し単
位、そして(3)側鎖に芳香族環または芳香族性複素環
を二個、三個または四個と重合性基とを有する繰り返し
単位の順に説明する。
【0016】(1)側鎖に芳香族環または芳香族性複素
環を二個、三個または四個有する繰り返し単位 芳香族環の例には、ベンゼン環、インデン環、ナフタレ
ン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、
アントラセン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、
ナフタセン環、トリフェニレン環およびピレン環が含ま
れる。芳香族性複素環は、一般に五員または六員の不飽
和複素環である。複素環は最多二重結合を含むことが好
ましい。芳香族性複素環の例には、フラン環、チオフェ
ン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール
環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール
環、ピラゾール環、フラザン環、ピラン環、ピリジン
環、ピリダジン環、ピリミジン環およびピラジン環が含
まれる。芳香族性複素環よりも芳香族環の方が好まし
く、ベンゼン環が特に好ましい。芳香族環および芳香族
性複素環は、置換基を有していてもよい。置換基の例に
は、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、カルボキシル、
シアノ、アルキル基、シクロアルキル基およびアルコキ
シ基が含まれる。上記アルキル基は、分岐を有していて
もよい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20である
ことが好ましく、1乃至15であることがより好まし
く、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6
であることが最も好ましい。上記シクロアルキル基は、
シクロヘキシルであることが好ましい。上記アルコキシ
基は、分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原
子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15
であることがより好ましく、1乃至10であることがさ
らに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
【0017】側鎖に含まれる芳香族環または芳香族性複
素環の数は、2乃至4であり、2または3であることが
好ましく、2であることが最も好ましい。主鎖と最も主
鎖側の芳香族環または芳香族性複素環との間は、直結せ
ずに、連結基を介して連結することが好ましい。連結基
の例には、−O−、−O−CO−、−O−CO−NH
−、−O−CO−NH−アルキレン基−、−O−CO−
NH−アルキレン基−O−、−O−CO−NH−アルキ
レン基−CO−O−および−O−CO−NH−アルキレ
ン基−CO−NH−が含まれる(左側が主鎖に結合し、
右側が最も主鎖側の芳香族環または芳香族性複素環に結
合する)。上記アルキレン基は、分岐または環状構造を
有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃
至30であることが好ましく、1乃至20であることが
より好ましく、1乃至15であることがさらに好まし
く、1乃至12であることが最も好ましい。少なくとも
二つの芳香族環または芳香族性複素環は、単結合で直結
していることが好ましい。少なくとも二つのベンゼン環
が単結合で直結していることが特に好ましい。
【0018】側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を二
個、三個または四個有する繰り返し単位は、下記式
(I)で表されることが好ましい。
【0019】
【化7】
【0020】式(I)において、L1 は、単結合、−C
O−、−CO−NH−、−アルキレン基−、−CO−N
H−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−O
−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−および−
CO−NH−アルキレン基−CO−NH−からなる群よ
り選ばれる連結基である。−CO−、−CO−NH−お
よび−アルキレン基−が好ましく、−CO−NH−が特
に好ましい。上記アルキレン基は、分岐または環状構造
を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1
乃至30であることが好ましく、1乃至20であること
がより好ましく、1乃至15であることがさらに好まし
く、1乃至12であることが最も好ましい。式(I)に
おいて、L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立に、単
結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O
−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−アルキレン
基−、−O−アルキレン基−および−アルキレン基−O
−からなる群より選ばれる連結基である。L2 、L3
よびL4 の少なくとも一つは、単結合であることが特に
好ましい。
【0021】式(I)において、Ar1 、Ar2 、Ar
3 およびAr4 は、それぞれ独立に、芳香族環または芳
香族性複素環である。芳香族環であることが好ましく、
ベンゼン環であることがさらに好ましい。Ar1 、Ar
2 およびAr3 は、p−フェニレンであることが特に好
ましい。芳香族環および芳香族性複素環は、置換基を有
していてもよい。置換基の例は、前述した通りである。
式(I)において、mおよびnは、0または1である。
mは0または1でnは0(芳香族環または芳香族性複素
環の数が2または3)であることが好ましく、mおよび
nは、それぞれ0(芳香族環または芳香族性複素環の数
が2)であることが最も好ましい。以下に、側鎖に芳香
族環または芳香族性複素環を二個、三個または四個有す
る繰り返し単位の例を示す。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
【化18】
【0033】
【化19】
【0034】
【化20】
【0035】
【化21】
【0036】
【化22】
【0037】
【化23】
【0038】
【化24】
【0039】
【化25】
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】
【化28】
【0043】
【化29】
【0044】
【化30】
【0045】
【化31】
【0046】
【化32】
【0047】
【化33】
【0048】
【化34】
【0049】
【化35】
【0050】
【化36】
【0051】
【化37】
【0052】
【化38】
【0053】
【化39】
【0054】
【化40】
【0055】
【化41】
【0056】
【化42】
【0057】
【化43】
【0058】
【化44】
【0059】
【化45】
【0060】
【化46】
【0061】
【化47】
【0062】
【化48】
【0063】
【化49】
【0064】
【化50】
【0065】
【化51】
【0066】
【化52】
【0067】
【化53】
【0068】
【化54】
【0069】
【化55】
【0070】
【化56】
【0071】
【化57】
【0072】
【化58】
【0073】
【化59】
【0074】
【化60】
【0075】
【化61】
【0076】
【化62】
【0077】
【化63】
【0078】
【化64】
【0079】(2)側鎖に重合性基を有する繰り返し単
位 重合性基は、後述する液晶性分子の重合性基(Q)と重
合反応させて、液晶性分子と変性ポリビニルアルコール
とを、液晶層と液晶配向膜との界面を介して化学的に結
合させる。従って、重合性基の種類は、後述する液晶性
分子の重合性基(Q)の種類に応じて決定する。液晶性
分子の重合性基(Q)は、後述するように、不飽和重合
性基(後述する例示のQ1〜Q7)、エポキシ基(Q
7)またはアジリジニル基(Q8)であることが好まし
く、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチ
レン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も
好ましい。変性ポリビニルアルコールの重合性基も同様
に、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基
であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさ
らに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが
最も好ましい。
【0080】主鎖と重合性基は、直結せずに、連結基を
介して連結することが好ましい。連結基の例には、−O
−、−O−CO−、−O−CO−NH−、−O−CO−
NH−アルキレン基−、−O−CO−NH−アルキレン
基−O−、−O−CO−NH−アルキレン基−CO−O
−、−O−CO−NH−アルキレン基−O−CO−、−
O−CO−NH−アルキレン基−CO−NH−、−O−
CO−アルキレン基−O−CO−、−O−CO−アリー
レン基−O−アルキレン基−O−CO−、−O−CO−
アリーレン基−O−アルキレン基−O−、−O−CO−
アリーレン基−O−アルキレン基−および−O−アルキ
レン基−O−CO−が含まれる(左側が主鎖に結合し、
右側が重合性基に結合する)。上記アルキレン基は、分
岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の
炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃
至20であることがより好ましく、1乃至15であるこ
とがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ま
しい。上記アリーレン基は、フェニレンまたはナフチレ
ンであることが好ましく、フェニレンであることがさら
に好ましく、p−フェニレンであることが最も好まし
い。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリ
ーレン基の置換基の例は、(1)の芳香族環および芳香
族性複素環の置換基の例と同様である。側鎖は、二以上
の重合性基を有していてもよい。側鎖に重合性基を有す
る繰り返し単位は、下記式(II)で表されることが好ま
しい。
【0081】
【化65】
【0082】式(II)において、L11は、単結合、−C
O−、−CO−NH−、−CO−NH−アルキレン基
−、−CO−NH−アルキレン基−O−、−CO−NH
−アルキレン基−CO−O−、−CO−NH−アルキレ
ン基−O−CO−、−CO−NH−アルキレン基−CO
−NH−、−CO−アルキレン基−O−CO−、−CO
−アリーレン基−O−アルキレン基−O−CO−、−C
O−アリーレン基−O−アルキレン基−O−、−CO−
アリーレン基−O−アルキレン基−および−アルキレン
基−O−CO−からなる群より選ばれる連結基である。
−CO−NH−アルキレン基−、−CO−NH−アルキ
レン基−O−、−CO−NH−アルキレン基−O−CO
−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O−C
O−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−O
−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−および
−アルキレン基−O−CO−が好ましく、−CO−NH
−アルキレン基−O−CO−が特に好ましい。上記アル
キレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。
アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが
好ましく、1乃至20であることがより好ましく、1乃
至15であることがさらに好ましく、1乃至12である
ことが最も好ましい。上記アリーレン基は、フェニレン
またはナフチレンであることが好ましく、フェニレンで
あることがさらに好ましく、p−フェニレンであること
が最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有していて
もよい。アリーレン基の置換基の例は、(1)の芳香族
環および芳香族性複素環の置換基の例と同様である。式
(II)において、Qは、重合性基である。重合性基は、
前述したように、液晶性分子の重合性基(Q)と同様の
基であることが好ましい。以下に、側鎖に重合性基を有
する繰り返し単位の例を示す。
【0083】
【化66】
【0084】
【化67】
【0085】
【化68】
【0086】
【化69】
【0087】
【化70】
【0088】
【化71】
【0089】
【化72】
【0090】
【化73】
【0091】
【化74】
【0092】
【化75】
【0093】
【化76】
【0094】(3)側鎖に芳香族環または芳香族性複素
環を二個、三個または四個と重合性基とを有する繰り返
し単位 前記(1)側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を二
個、三個または四個有する繰り返し単位に、前記(2)
で説明した重合性基を導入する。重合性基は、芳香族環
または芳香族性複素環の置換基であることが好ましく、
最も末端側の芳香族環または芳香族性複素環の置換基で
あることがさらに好ましい。芳香族環または芳香族性複
素環と重合性基は、直結せずに、連結基を介して連結す
ることが好ましい。連結基の例には、−O−、−CO
−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、
−CO−NH−、−アルキレン基−、−O−アルキレン
基−および−アルキレン基−O−が含まれる(左側が芳
香族環または芳香族性複素環に結合し、右側が重合性基
に結合する)。上記アルキレン基は、分岐または環状構
造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、
1乃至30であることが好ましく、1乃至20であるこ
とがより好ましく、1乃至15であることがさらに好ま
しく、1乃至12であることが最も好ましい。芳香族環
または芳香族性複素環は、二以上の重合性基を置換基と
して有していてもよい。側鎖に芳香族環または芳香族性
複素環を二個、三個または四個と重合性基とを有する繰
り返し単位は、下記式(III)で表されることが好まし
い。
【0095】
【化77】
【0096】式(III)において、L21は、単結合、−C
O−、−CO−NH−、−アルキレン基−、−CO−N
H−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−O
−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−および−
CO−NH−アルキレン基−CO−NH−からなる群よ
り選ばれる連結基である。−CO−、−CO−NH−お
よび−アルキレン基−が好ましく、−CO−NH−が特
に好ましい。上記アルキレン基は、分岐または環状構造
を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1
乃至30であることが好ましく、1乃至20であること
がより好ましく、1乃至15であることがさらに好まし
く、1乃至12であることが最も好ましい。式(III)に
おいて、L22、L23、L24およびL25は、それぞれ独立
に、単結合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO
−O−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−アルキ
レン基−、−O−アルキレン基−および−アルキレン基
−O−からなる群より選ばれる連結基である。L2 、L
3 およびL4 の少なくとも一つは、単結合であることが
特に好ましい。式(III)において、Ar21、Ar22、A
23およびAr24は、それぞれ独立に、芳香族環または
芳香族性複素環である。芳香族環であることが好まし
く、ベンゼン環であることがさらに好ましい。Ar21
Ar22およびAr23は、p−フェニレンであることが特
に好ましい。芳香族環および芳香族性複素環は、置換基
を有していてもよい。置換基の例は、(1)の芳香族環
および芳香族性複素環の置換基の例と同様である。式
(III)において、Qは、重合性基である。重合性基は、
前述したように、液晶性分子の重合性基(Q)と同様の
基であることが好ましい。式(III)において、mおよび
nは、0または1である。mは0または1でnは0(芳
香族環または芳香族性複素環の数が2または3)である
ことが好ましく、mおよびnは、それぞれ0(芳香族環
または芳香族性複素環の数が2)であることが最も好ま
しい。式(III)において、pは、1、2または3であ
る。pは、1または2であることが好ましく、1である
ことがさらに好ましい。以下に、側鎖に芳香族環または
芳香族性複素環を二個、三個または四個と重合性基とを
有する繰り返し単位の例を示す。
【0097】
【化78】
【0098】
【化79】
【0099】
【化80】
【0100】
【化81】
【0101】
【化82】
【0102】
【化83】
【0103】
【化84】
【0104】
【化85】
【0105】
【化86】
【0106】
【化87】
【0107】
【化88】
【0108】本発明の第1の態様では、変性ポリビニル
アルコールは(1)側鎖に芳香族環または芳香族性複素
環を二個、三個または四個有する繰り返し単位を2乃至
80モル%および(2)側鎖に重合性基を有する繰り返
し単位を0.1乃至10モル%含む。第1の態様の変性
ポリビニルアルコールは、(1)側鎖に芳香族環または
芳香族性複素環を二個、三個または四個有する繰り返し
単位を3乃至50モル%の範囲で含むことが好ましい。
また、第1の態様の変性ポリビニルアルコールは、
(2)側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を0.2乃
至5モル%の範囲で含むことが好ましい。第1の態様の
変性ポリビニルアルコールを下記式(PVI)で表す。 (PVI) −(VAl)x−(I)a−(II)b−(VAc)y− 式中、VAlは、ビニルアルコールから誘導される繰り
返し単位であり;Iは、側鎖に芳香族環または芳香族性
複素環を二個、三個または四個有する繰り返し単位であ
り;IIは、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位であ
り;VAcは、酢酸ビニルから誘導される繰り返し単位
であり;xは、20乃至95モル%(好ましくは30乃
至95モル%)であり;aは、2乃至80モル%(好ま
しくは3乃至50モル%)であり;bは、0.1乃至1
0モル%(好ましくは0.2乃至5モル%)であり;そ
して、yは0乃至30モル%(好ましくは1乃至20モ
ル%)である。
【0109】本発明の第2の態様では、変性ポリビニル
アルコールは(3)側鎖に芳香族環または芳香族性複素
環を二個、三個または四個と重合性基とを有する繰り返
し単位を2乃至80モル%含む。第2の態様の変性ポリ
ビニルアルコールは、(3)側鎖に芳香族環または芳香
族性複素環を二個、三個または四個と重合性基とを有す
る繰り返し単位を3乃至50モル%の範囲で含むことが
好ましい。第2の態様の変性ポリビニルアルコールを下
記式(PVII)で表す。 (PVII) −(VAl)x−(III)c−(VAc)y− 式中、VAlは、ビニルアルコールから誘導される繰り
返し単位であり;IIIは、側鎖に芳香族環または芳香族
性複素環を二個、三個または四個と重合性基とを有する
繰り返し単位であり;xは、20乃至95モル%(好ま
しくは30乃至95モル%)であり;cは、2乃至80
モル%(好ましくは3乃至50モル%)であり;そし
て、yは0乃至30モル%(好ましくは1乃至20モル
%)である。
【0110】本発明の第1の態様と第2の態様とを組み
合わせた変性ポリビニルアルコールを用いてもよい。す
なわち、(1)と(3)の繰り返し単位を有する変性ポ
リビニルアルコール、(2)と(3)の繰り返し単位を
有する変性ポリビニルアルコール、あるいは(1)、
(2)および(3)の繰り返し単位を有する変性ポリビ
ニルアルコールを用いても本発明の効果は得られる。変
性ポリビニルアルコールの末端に、繰り返し単位とは異
なる基が結合していてもよい。末端基の例には、アルキ
ルチオ基が含まれる。以下に、変性ポリビニルアルコー
ルの例を示す。繰り返し単位の割合は、モル%である。
【0111】PV1:−(VAl)61−(I−16)25
(II−1)2 −(VAc)12− PV2:−(VAl)56−(I−16)30−(II−1)2
−(VAc)12− PV3:−(VAl)51−(I−16)30−(II−1)5
−(VAc)12− PV4:−(VAl)68−(I−16)25−(II−1)2
−(VAc)5 − PV5:−(VAl)64−(I−16)30−(II−1)5
−(VAc)1 − PV6:−(VAl)61−(I−16)30−(II−2)2
−(VAc)12− PV7:−(VAl)61−(I−16)30−(II−4)2
−(VAc)12− PV8:−(VAl)61−(I−16)30−(II−5)2
−(VAc)12− PV9:−(VAl)61−(I−17)30−(II−1)2
−(VAc)12− PV10:−(VAl)61−(I−23)30−(II−1)2
−(VAc)12
【0112】PV11:−(VAl)63−(III-9)25
(VAc)12− PV12:−(VAl)56−(III-9)30−(VAc)12
− PV13:−(VAl)67−(III-9)30−(VAc)1
− PV14:−(VAl)65−(III-9)30−(VAc)5
− PV15:−(VAl)48−(III-9)40−(VAc)12
− PV16:−(VAl)63−(III-10)25−(VAc)12
− PV17:−(VAl)56−(III-10)30−(VAc)12
− PV18:−(VAl)67−(III-10)30−(VAc)1
− PV19:−(VAl)65−(III-10)30−(VAc)5
− PV20:−(VAl)48−(III-10)40−(VAc)12
【0113】PV21:−(VAl)61−(I−16)25
(III-9)2 −(VAc)12− PV22:−(VAl)56−(I−16)30−(III-9)2
−(VAc)12− PV23:−(VAl)46−(I−16)40−(III-9)2
−(VAc)12− PV24:−(VAl)56−(I−19)30−(III-1)2
−(VAc)12− PV25:−(VAl)48−(I−19)35−(III-2)5
−(VAc)12− PV26:−(VAl)56−(I−23)25−(III-9)7
−(VAc)12− PV27:−(VAl)49−(I−23)40−(III-10)10
−(VAc)1 − PV28:−(VAl)78−(I−41)15−(III-9)2
−(VAc)5 − PV29:−(VAl)58−(I−41)25−(III-10)5
−(VAc)12− PV30:−(VAl)48−(I−56)30−(III-11)10
−(VAc)12
【0114】PV31:−(VAl)61−(II−1)2
(III-9)25−(VAc)12− PV32:−(VAl)53−(II−1)5 −(III-9)30
−(VAc)12− PV33:−(VAl)50−(II−1)10−(III-9)35
−(VAc)5 − PV34:−(VAl)53−(II−1)2 −(III-9)40
−(VAc)5 − PV35:−(VAl)61−(II−1)2 −(III-10)25
−(VAc)12− PV36:−(VAl)53−(II−2)5 −(III-10)30
−(VAc)12− PV37:−(VAl)50−(II−4)10−(III-10)35
−(VAc)5 − PV38:−(VAl)53−(II−1)5 −(III-10)30
−(VAc)12− PV39:−(VAl)61−(II−1)2 −(III-11)25
−(VAc)12− PV40:−(VAl)56−(II−4)2 −(III-11)30
−(VAc)12
【0115】PV41:-(VAl)61-(I−16)23-(II−
1)2 -(III-9)2 -(VAc)12- PV42:-(VAl)61-(I−16)25-(II−1)1 -(III-9)
1 -(VAc)12- PV43:-(VAl)56-(I−16)30-(II−1)1 -(III-9)
1 -(VAc)12- PV44:-(VAl)51-(I−16)35-(II−1)1 -(III-9)
1 -(VAc)12- PV45:-(VAl)57-(I−16)40-(II−1)0.5-(III-
9)0.5-(VAc)12- PV46:-(VAl)56-(I−16)30-(II−2)1 -(III-10)
1 -(VAc)12- PV47:-(VAl)51-(I−16)30-(II−4)1 -(III-10)
5 -(VAc)12- PV48:-(VAl)56-(I−17)30-(II−1)1 -(III-9)
1 -(VAc)12- PV49:-(VAl)56-(I−19)30-(II−1)1 -(III-9)
1 -(VAc)12- PV50:-(VAl)56-(I−41)30-(II−1)1 -(III-9)
1 -(VAc)12-
【0116】変性ポリビニルアルコールの重合度は、2
00乃至5000であることが好ましく、300乃至3
000であることが好ましい。変性ポリビニルアルコー
ルの分子量は、9000乃至200000であることが
好ましく、13000乃至130000であることがさ
らに好ましい。二種類以上の変性ポリビニルアルコール
を併用してもよい。液晶配向膜の厚さは、0.1乃至1
0μmであることが好ましい。液晶配向膜の形成におい
て、ラビング処理を実施することが好ましい。ラビング
処理は、上記の変性ポリビニルアルコールを含む膜の表
面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施
する。本発明の液晶配向膜は、ディスコティック液晶性
分子の垂直配向に用いると特に効果がある。
【0117】[基板]基板の種類は、液晶素子(基板、
液晶配向膜および液晶性分子の積層体)の用途に応じて
決定する。液晶素子を、液晶セルとして用いる場合、透
明電極層(例、ITO)が設けられたガラス基板が普通
に用いられる。透明電極層の上に上記の液晶配向膜を形
成した基板を二枚準備し、液晶配向膜が対面するように
配置し、その間隙に(後述する)棒状液晶性分子を封入
して、液晶セルを形成する。間隙は、スペーサーにより
形成する。液晶素子を、光学補償シートとして用いる場
合、基板として透明ポリマーフイルムが普通に用いられ
る。ポリマーフイルムは、光学的異方性が小さいことが
好ましい。透明であるとは、光透過率が80%以上であ
ることを意味する。光学的異方性が小さいとは、具体的
には、面内レターデーション(Re)が10nm以下で
あることが好ましく、5nm以下であることがさらに好
ましい。また、厚み方向のレターデーション(Rth)
は、40nm以下であることが好ましく、20nm以下
であることがさらに好ましい。面内レターデーション
(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、そ
れぞれ下記式で定義される。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
【0118】液晶セルの表示モードの種類によっては、
光学補償シートの基板として光学的異方性のポリマーフ
イルムが用いられる場合もある。すなわち、液晶層の光
学的異方性にポリマーフイルムの光学的異方性も加え
て、液晶セルの光学的異方性に対応する(光学的に補償
する)場合もある。そのような目的で光学的異方性ポリ
マーフイルムを使用する場合、ポリマーフイルムの面内
レターデーション(Re)は、20nm以上であること
が好ましく、30nm以上であることがさらに好まし
い。また、厚み方向のレターデーション(Rth)は、8
0nm以上であることが好ましく、120nm以上であ
ることがさらに好ましい。ポリマーフイルムを形成する
ポリマーは、光学的等方性とするか、光学的異方性とす
るかに応じて決定する。光学的等方性が要求される場合
は、一般にガラスまたはセルロースエステルが用いられ
る。光学的異方性が要求される場合は、一般に合成ポリ
マー(例、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ノルボルネン樹脂)が用いられる。合成ポリマーフ
イルムを延伸することによって、光学的異方性を得る。
セルロースエステルまたは合成ポリマーのフイルムは、
ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
光学補償シートの基板の厚さは、20乃至500μmで
あることが好ましく、50乃至200μmであることが
さらに好ましい。光学補償シートの基板とその上に設け
られる層(接着層、配向膜あるいは光学的異方性層)と
の接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グ
ロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、
火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着
層(下塗り層)を設けてもよい。
【0119】[液晶層]液晶層は、液晶性分子から形成
する。上記の液晶配向膜は、50乃至90度の範囲の平
均傾斜角で液晶性分子を実質的に垂直に配向させる機能
を有する。液晶性分子としては、棒状液晶性分子または
ディスコティック液晶性分子が好ましい。前述したよう
に、液棒状液晶性分子の傾斜角は棒状液晶性分子の長軸
方向と基板平面との角度を意味し、ディスコティック液
晶性分子の傾斜角は、ディスコティック液晶性分子の円
盤面と基板平面との角度を意味する。液晶素子を、液晶
セルとして用いる場合、棒状液晶性分子を用いることが
特に好ましい。棒状液晶性分子としては、アゾメチン
類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニル
エステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカル
ボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキ
サン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ
置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、ト
ラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル
類が好ましく用いられる。棒状液晶性分子を実質的に垂
直に配向させた液晶セルとしては、VA(Vertically A
ligned)モードの液晶セルが代表的である。VAモード
の液晶セルを用いた液晶表示装置については、日経マイ
クロデバイスNo.136、147頁(1996)、特
開平2−176625号公報および特許番号第2866
372号公報に記載がある。
【0120】液晶素子を、光学補償シートとして用いる
場合、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分
子を好ましく用いることができる。ディスコティック液
晶性分子を用いることが特に好ましい。液晶性分子は、
重合性基(後述するQ)を有することが好ましい。光学
補償シートに用いる液晶性分子は、実質的に配向させた
状態で固定することが好ましく、重合により固定するこ
とがさらに好ましい。ディスコティック液晶性分子は、
様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. C
ryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季
刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10
章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc.
Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al.,
J. Am.Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記
載されている。ディスコティック液晶性分子の重合につ
いては、特開平8−27284公報に記載がある。ディ
スコティック液晶性分子を重合により固定するために
は、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換
基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円
盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において
配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コア
と重合性基との間に、連結基を導入する。従って、ディ
スコティック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物
であることが好ましい。
【0121】D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0122】
【化89】
【0123】
【化90】
【0124】
【化91】
【0125】
【化92】
【0126】
【化93】
【0127】
【化94】
【0128】
【化95】
【0129】
【化96】
【0130】
【化97】
【0131】前記式において、二価の連結基(L)は、
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0132】 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O−
【0133】 L13:−O−AL−O−CO− L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0134】なお、STNモードのような棒状液晶性分
子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償する
ためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向さ
せることが好ましい。上記AL(アルキレン基またはア
ルケニレン基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディス
コティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させること
ができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化
合物(カイラル剤)を光学的異方性層に添加しても、デ
ィスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させる
ことができる。
【0135】前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種
類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0136】
【化98】
【0137】
【化99】
【0138】
【化100】
【0139】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q7)またはアジリジニル基
(Q8)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。前記式におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。
【0140】二種類以上のディスコティック液晶性分子
を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性デ
ィスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック
液晶性分子とを併用することができる。非重合性ディス
コティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティ
ック液晶性分子の重合性基(Q)を、水素原子またはア
ルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すな
わち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、下記式
で表わされる化合物であることが好ましい。 D(−L−R)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、n
は4乃至12の整数である。上記式の円盤状コア(D)
の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変
更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子
の例と同様である。また、二価の連結基(L)の例も、
前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様であ
る。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40である
ことが好ましく、1乃至30であることがさらに好まし
い。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好まし
く、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル
基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が
1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好まし
い。
【0141】光学補償シートに用いる液晶層は、液晶性
分子、あるいは下記の重合性開始剤や任意の添加剤
(例、可塑剤、モノマー、界面活性剤、セルロースエス
テル、1,3,5−トリアジン化合物、カイラル剤)を
含む塗布液を、液晶配向膜の上に塗布することで形成す
る。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が
好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、
N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、
ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジ
ン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキル
ハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エス
テル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、ア
セトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラ
ヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれ
る。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類
以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公
知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグ
ラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング
法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0142】液晶性分子の重合反応には、熱重合開始剤
を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応
とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の
例には、α−カルボニル化合物(米国特許236766
1号、同2367670号の各明細書記載)、アシロイ
ンエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、
α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2
722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国
特許3046127号、同2951758号の各明細書
記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミ
ノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許35493
67号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合
物(特開昭60−105667号公報、米国特許423
9850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物
(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃
至20重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量
%であることがさらに好ましい。ディスコティック液晶
性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが
好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至5
0J/cm2 であることが好ましく、100乃至800
mJ/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応
を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよ
い。光学補償シートに用いる液晶層の厚さは、0.1乃
至20μmであることが好ましく、0.5乃至15μm
であることがさらに好ましく、1乃至10μmであるこ
とが最も好ましい。
【0143】[液晶表示装置]液晶素子は、実質的に垂
直に配向させる液晶性分子の種類に応じて、液晶セルま
たは光学補償シートとして液晶表示装置に使用できる。
棒状液晶性分子を実質的に垂直に配向させた液晶セルと
しては、前述したように、VA(Vertically Aligned)
モードの液晶セルが代表的である。ディスコティック液
晶性分子を実質的に垂直に配向させた光学補償シート
は、STN(Super Twisted Nematic)モードの液晶セル
を用いるSTN型液晶表示装置において特に有効であ
る。液晶表示装置は、液晶セル、液晶セルの両側に配置
された一対の偏光素子、液晶セルと一方または双方の偏
光素子との間に配置された一枚または二枚の光学補償シ
ートからなる。
【0144】
【実施例】[実施例1]変性ポリビニルアルコール(P
V1)1重量部を、N−メチルピロリドン4.8重量部
とメチルエチルケトン19.2重量部との混合溶媒に溶
解して溶液を調製した。この溶液を、バーコーターを用
いてガラス基板の上に塗布し、80℃で10分間乾燥し
て、厚さ0.8μmの塗布層を形成した。塗布層の表面
を、ラビングロール(外径:80mm、基板搬送速度:
100m/分、ロール回転数:1000rpm、基板搬
送張力:基板巾1cm当たり1kgf)を用いてラビン
グ処理して、垂直配向膜を形成した。
【0145】
【化101】
【0146】垂直配向膜の上に、以下の組成の塗布液を
エクストルージョン法により塗布した。
【0147】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物 100重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2重量部 メチルエチルケトン 185重量部 ────────────────────────────────────
【0148】
【化102】
【0149】塗布層を130℃に加熱して、ディスコテ
ィック液晶性化合物を垂直に配向させた。塗布層を13
0℃に加熱した状態で、4秒間紫外線を照射し、ディス
コティック液晶性化合物の末端ビニル基を重合させ、配
向状態を固定した。このようにして、光学補償シートを
作製した。エリプソメーターを用いて光学補償シートの
面内レターデーションを測定し、その角度依存性から平
均傾斜角を求めたところ、85゜であった。また、セロ
ハンデープを光学的異方性層表面に貼り付け、デープを
光学的異方性層と平行に引っ張って剥がしたところ、剥
がしたテープの表面には、いかなる層も付着していなか
った。
【0150】[実施例2]変性ポリビニルアルコール
(PV1)に代えて、変性ポリビニルアルコール(PV
11)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償
シートを作製して評価した。ディスコティック液晶性分
子の平均傾斜角は、80゜であった。また、セロハンデ
ープを光学的異方性層表面に貼り付け、デープを光学的
異方性層と平行に引っ張って剥がしたところ、剥がした
テープの表面には、いかなる層も付着していなかった。
【0151】
【化103】
【0152】[実施例3]変性ポリビニルアルコール
(PV1)に代えて、変性ポリビニルアルコール(PV
21)を同量用いた以外は、実施例1と同様に光学補償
シートを作製して評価した。ディスコティック液晶性分
子の平均傾斜角は、85゜であった。また、セロハンデ
ープを光学的異方性層表面に貼り付け、デープを光学的
異方性層と平行に引っ張って剥がしたところ、剥がした
テープの表面には、いかなる層も付着していなかった。
【0153】
【化104】
【0154】[比較例1]無機垂直配向膜形成材料(E
XP−OA004、日産化学工業(株)製)をメタノー
ルで希釈し、固形分を2重量%とした。これをガラス板
上に0.4μmとなるようにバーコーターで塗布し、1
40゜で10分間乾燥して、配向膜を形成した。配向膜
をラビングした後、アンチパラセルを二つ作成した。一
方のセルには、棒状液晶性分子(MBBA)を挿入し
た。他方のセルには、実施例1で用いた光学的異方性層
塗布液からメチルエチルケトンを蒸発させて固めたもの
(ディスコティック液晶性分子)を挿入した。それぞれ
のセルについて、液晶性分子の配向状態を調べた。棒状
液晶性分子を挿入したセルでは、棒状液晶性分子がガラ
ス板に垂直な方向にネマチック配向していた。これに対
して、ディスコティック液晶性分子を挿入したセルで
は、平均傾斜角が30゜であり、垂直配向(50〜90
゜)にはならなかった。使用した無機垂直配向膜形成材
料は、棒状液晶性分子用の垂直配向膜として市販されて
おり、最も普通に使用されている。他の市販の棒状液晶
性分子用垂直配向膜を用いた実験結果から、市販の棒状
液晶性分子用垂直配向膜は、ディスコティック液晶性分
子を垂直に配向させる機能が不充分であることが判明し
た。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 HB07Y KA05 KA08 MA01 MB09 4J100 AE09P AG08P AG75P AH39P AL74P BA02P BA05P BA06P BA12P BA15P BA16P BA35P BA40P BB03P BB07P BC04P BC43P BC44P BC48P BC49P BC54P BC65P BC73P CA01 JA39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶を配向させるため基板上に設けられ
    ている液晶配向膜であって、液晶配向膜が変性ポリビニ
    ルアルコールを含み、そして、変性ポリビニルアルコー
    ルが側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を二個、三個
    または四個有する繰り返し単位を2乃至80モル%およ
    び側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を0.1乃至1
    0モル%含むことを特徴とする液晶配向膜。
  2. 【請求項2】 側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を
    二個、三個または四個有する繰り返し単位が、下記式
    (I)で表される請求項1に記載の液晶配向膜。 【化1】 式中、L1 は、単結合、−CO−、−CO−NH−、−
    アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−、−C
    O−NH−アルキレン基−O−、−CO−NH−アルキ
    レン基−CO−O−および−CO−NH−アルキレン基
    −CO−NH−からなる群より選ばれる連結基であり;
    2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立に、単結合、−
    O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、−O−
    CO−O−、−CO−NH−、−アルキレン基−、−O
    −アルキレン基−および−アルキレン基−O−からなる
    群より選ばれる連結基であり;Ar1 、Ar2 、Ar3
    およびAr4 は、それぞれ独立に、芳香族環または芳香
    族性複素環であり;そして、mおよびnは、0または1
    である。
  3. 【請求項3】 側鎖に重合性基を有する繰り返し単位
    が、下記式(II)で表される請求項1に記載の液晶配向
    膜。 【化2】 式中、L11は、単結合、−CO−、−CO−NH−、−
    CO−NH−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレ
    ン基−O−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O
    −、−CO−NH−アルキレン基−O−CO−、−CO
    −NH−アルキレン基−CO−NH−、−CO−アルキ
    レン基−O−CO−、−CO−アリーレン基−O−アル
    キレン基−O−CO−、−CO−アリーレン基−O−ア
    ルキレン基−O−、−CO−アリーレン基−O−アルキ
    レン基−および−アルキレン基−O−CO−からなる群
    より選ばれる連結基であり;そして、Qは、重合性基で
    ある。
  4. 【請求項4】 液晶を配向させるため基板上に設けられ
    ている液晶配向膜であって、液晶配向膜が変性ポリビニ
    ルアルコールを含み、そして、変性ポリビニルアルコー
    ルが側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を二個、三個
    または四個と重合性基とを有する繰り返し単位を2乃至
    80モル%含むことを特徴とする液晶配向膜。
  5. 【請求項5】 側鎖に芳香族環または芳香族性複素環を
    二個、三個または四個と重合性基とを有する繰り返し単
    位が、下記式(III)で表される請求項4に記載の液晶配
    向膜。 【化3】 式中、L21は、単結合、−CO−、−CO−NH−、−
    アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−、−C
    O−NH−アルキレン基−O−、−CO−NH−アルキ
    レン基−CO−O−および−CO−NH−アルキレン基
    −CO−NH−からなる群より選ばれる連結基であり;
    22、L23、L24およびL25は、それぞれ独立に、単結
    合、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、
    −O−CO−O−、−CO−NH−、−アルキレン基
    −、−O−アルキレン基−および−アルキレン基−O−
    からなる群より選ばれる連結基であり;Ar21、A
    22、Ar23およびAr24は、それぞれ独立に、芳香族
    環または芳香族性複素環であり;Qは、重合性基であ
    り;mおよびnは、0または1であり;そして、pは、
    1、2または3である。
  6. 【請求項6】 基板、液晶配向膜および液晶性分子から
    形成された液晶層が、この順に積層されている液晶素子
    であって、液晶配向膜が変性ポリビニルアルコールを含
    み、変性ポリビニルアルコールが側鎖に芳香族環または
    芳香族性複素環を二個、三個または四個と重合性基とを
    有する繰り返し単位を2乃至80モル%含み、液晶性分
    子が50乃至90度の範囲の平均傾斜角で配向してお
    り、そして、液晶性分子と変性ポリビニルアルコールと
    が、液晶層と液晶配向膜との界面を介して化学的に結合
    していることを特徴とする液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006209097A (ja) * 2004-12-27 2006-08-10 Dainippon Ink & Chem Inc 光学フィルム、楕円偏光板、円偏光板、液晶表示素子、及び該光学フィルムの製造方法
JPWO2005040274A1 (ja) * 2003-10-23 2007-03-15 日産化学工業株式会社 液晶配向処理剤及び液晶表示素子

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