JP2000283965A - 超音波レール探傷装置 - Google Patents

超音波レール探傷装置

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JP2000283965A
JP2000283965A JP11088661A JP8866199A JP2000283965A JP 2000283965 A JP2000283965 A JP 2000283965A JP 11088661 A JP11088661 A JP 11088661A JP 8866199 A JP8866199 A JP 8866199A JP 2000283965 A JP2000283965 A JP 2000283965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信用探触子と受信用探触子との相対位置を
動かすことなく広い探傷領域で平坦面状の欠陥を検出す
ることができる超音波レール探傷装置を提供する。 【解決手段】 送信用探触子12から放射される超音波
信号を、受信用探触子14から遠ざかる方向に斜めにレ
ール1内へ入射させ、欠陥で反射してきた超音波信号を
受信用探触子14で受信する。送信用探触子12から放
射される超音波信号のレール1への屈折角度θ及びその
超音波信号のレール前後方向のビーム長さLが、レール
1の探傷するべき深さ領域長さdに対して、d≦L/t
anθを満足するように設定されると共に、受信用探触
子14の受信面のレール前後方向の長さがL以上に設定
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レール内の欠陥を
検出する超音波レール探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超音波レール探傷装置と
しては、図4に示したものがある。図4において、レー
ル1の頭面に超音波探触子32が当接されており、この
超音波探触子32に送受信回路36が接続されている。
送受信回路36から出力される電気パルスが超音波探触
子32に送られると、超音波探触子32で超音波パルス
に変換され、ある屈折角度を持ってレール1内に斜めに
入射される。レール内に入った超音波パルスは音響イン
ピーダンスの不連続面、即ち、欠陥があると反射するの
で、反射して戻ってきた超音波パルスを超音波探触子3
2で受信し、欠陥を検出している。
【0003】欠陥からの反射方向は、反射面となる欠陥
の角度や位置によって影響を受ける。従って、図4の送
受信を兼用した超音波探触子32を使用した場合、図4
(a)のような底部に開口した欠陥3や、図4(b)の
凹凸面のある自然欠陥4に対しては、超音波探触子32
に超音波が戻ってくるため、その受信信号から欠陥の存
在を検出することができる。しかしながら、図4(c)
に示したように、レール1内にレール前後方向に直交す
る平坦面状の欠陥5が存在していた場合、反射指向性が
鋭く、超音波は入射した方向と別の方向へ反射してしま
い超音波探触子32の方向に戻ってこないので受信する
ことができないという課題がある。欠陥5の端部で散乱
反射する超音波成分もあるが、これは非常に信号レベル
が低く受信が困難である。
【0004】このため、レール内に平坦面状の欠陥5が
存在することが予測される溶接部の探傷においては、図
5に示したように、レール1の頭面に送信用探触子42
と受信用探触子44とをレール前後方向にタンデムに配
置するタンデム方式の探傷装置を使用することが提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このタ
ンデム方式の探傷装置では、送信用探触子42と受信用
探触子44との間の相対的な位置関係によって探傷領域
が決定されるという課題がある。例えば、図5(a)に
示したように、送信用探触子42と受信用探触子44と
の間の間隔が小さい場合には深い探傷領域を持つのに対
して、送信用探触子42と受信用探触子44との間の間
隔が大きい場合には浅い探傷領域を持つ。そのため、2
つの探触子42、44の位置を調整しながら探傷を行わ
なければならず、超音波探傷車のように走行しながら探
傷する場合には、上記位置調整を伴うために探傷走行速
度に制限ができるという課題がある。
【0006】本発明はかかる従来の課題に鑑みなされた
もので、請求項1及び2の発明は、送信用探触子と受信
用探触子との相対位置を動かすことなく広い探傷領域で
平坦面状の欠陥を検出することができる超音波レール探
傷装置を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、レールの頭面に当接し、レー
ル前後方向に整列された送信用探触子と受信用探触子と
を有し、送信用探触子から放射される超音波信号を、受
信用探触子から遠ざかる方向に斜めにレール内へ入射さ
せ、欠陥で反射してきた超音波信号を受信用探触子で受
信することにより、レール内の欠陥を検出する超音波レ
ール探傷装置において、送信用探触子から放射される超
音波信号のレールへの屈折角度θ及びその超音波信号の
レール前後方向のビーム長さLが、レールの探傷するべ
き深さ領域dに対して、
【0008】
【数2】d≦L/tanθ (1) を満足するように設定されると共に、受信用探触子の受
信面のレール前後方向の長さがL以上に設定されること
を特徴とする。
【0009】レール内において、前記探傷するべき深さ
領域と同じ長さを持ち、レール前後方向に直交する仮想
反射面を仮定すると、上記式を満足させることによっ
て、送信用探触子から放射される超音波信号は、仮想反
射面全体をカバーする。従って、この仮想反射面のいず
れかに平坦状の欠陥があったとすると、必ず、送信用探
触子からの超音波信号はその欠陥で反射される。また、
受信用探触子を同じく上記L以上の長さとすることによ
って、反射された超音波信号を確実に受信用探触子で受
信することができる。
【0010】受信用探触子は、上記仮想反射面で反射さ
れた超音波信号をすべて受信できるような位置に配置さ
れればよく、受信用探触子と送信用探触子との相対的位
置関係は固定とすることができる。
【0011】また、受信用探触子は、一つの振動子を持
つ単一の探触子とすることもできるが、請求項2記載の
発明は、請求項1記載のものにおいて、前記受信用探触
子はレール前後方向に整列した複数のアレイ素子からな
るアレイ形探触子であり、いずれかのアレイ素子におい
て超音波信号が受信されたかを識別することにより欠陥
の深さを検出することを特徴とする。レール前後方向の
受信位置が前記仮想反射面の反射深さ位置に依存するの
で、いずれかのアレイ素子で受信されたかで、欠陥の深
さを検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明に係る超音波レール
探傷装置の実施の形態を表すレールの側方から見た説明
図、図2は斜視図である。
【0013】この超音波レール探傷装置10は、レール
1の頭面に当接し、レール前後方向に整列された送信用
探触子12と受信用探触子14とを有している。送信用
探触子12は、その振動子から放射される超音波パルス
のレール1への屈折角度θ及び送信用探触子12から放
射される超音波パルスのレール前後方向のビーム長さL
が、レール1の探傷するべき深さ領域長さdに対して、
【0014】
【数3】d≦L/tanθ (1) を満足するように設定される。(1)式を満足するよう
に設定することにより、送信用探触子12から放射され
る超音波信号が図1の仮想反射面6全体をカバーするこ
とができる。即ち、仮想反射面6は、探傷するべき深さ
領域と同じ長さdを持ち、レール前後方向に直交する平
坦面である。
【0015】また、受信用探触子14の受信面のレール
前後方向の長さも、前記ビーム長さLと同じか、または
それ以上となるように設定される。受信用探触子14
は、送信用探触子12から放射され仮想反射面6で反射
された超音波信号を受信することができる位置に設定さ
れ、送信用探触子12と受信用探触子14との間の相対
的位置は固定される。図の例のように、探傷するべき深
さ領域dが、頭部から底部までの長さにほぼ等しい場
合、受信用探触子14は、送信用探触子12にほぼ密着
して配置される。
【0016】屈折角度θは、その値が大きくなると、上
記(1)式でLが大きくなり送信用探触子12の全体寸
法が大きくなるので、屈折角度θは、レール1との境界
面における変換効率の良い範囲で可能な限り小さい角度
となるように選択されるとよい。
【0017】例えば、超音波の横波を用いて探傷を行う
ものとすると、縦波が臨界角となる屈折角度に設定すれ
ば、縦波の変換がなくなるので効率の良い探傷が可能と
なる。レールが鋼材である場合、その横波音速は323
0m/s、縦波音速は5900m/sであるので、スネ
ルの法則から、横波の屈折角度θSと縦波の屈折角度θD
との関係は、
【0018】
【数4】sinθS/3230=sinθD/5900 が成り立ち、縦波が臨界角となるθD=90゜のときの
θSを求めると、θS=約33゜程度となる。従って、屈
折角度33゜以上の横波を利用すれば、縦波の変換がな
くなり効率の良い探傷が可能となる。より好ましくは、
横波の最も変換効率の高い35゜程度が選択されると良
い。また、縦波を利用する場合には、屈折角度が0〜3
0゜まで利用できることが知られているが、斜角探傷で
ないと欠陥の平面での反射を利用することができないこ
と、及び変換効率を勘案して、15〜20°が選択され
ると良い。
【0019】例えば、横波超音波を使用する場合、屈折
角度θを35°とし、レール1の探傷するべき深さ領域
長さdとなるレール高さを160mmとすると、Lは、
【0020】
【数5】L=160×tan35°=112(mm) となる。送信用探触子12のレール前後方向の長さもほ
ぼこのLに一致したものとするとよい。また、受信用探
触子14の受信面のレール前後方向の長さもこの寸法L
(またはL以上)にするとよく、受信用探触子14のレ
ール前後方向の長さもほぼこのL(またはL以上)にす
るとよい。
【0021】送信用探触子12及び受信用探触子14
は、それぞれ送受信回路16に接続される。送受信回路
16は、送信用探触子12に接続され電気パルスを送出
する送信パルサ18と、受信用探触子14に接続され受
信信号を増幅して欠陥の有無を検出する増幅検知部20
とを有している。
【0022】以上のように構成される超音波レール探傷
装置10において、上記送信用探触子12と受信用探触
子14とは相対位置関係を保持された状態で超音波探傷
車に装備されレール1の頭面上を図2の矢印方向に移動
しながら連続的に探傷を行う。送信パルサ18から電気
パルスが送信用探触子12に送出されると、送信用探触
子12で超音波パルスに変換され、レール前後方向の長
さLの超音波ビームが受信用探触子14から遠ざかる方
向に、上記屈折角度θでレール1に入射される。
【0023】上記の仮想反射面6内のどこにも欠陥がな
い場合には、超音波パルスは、そのまま前方(受信用探
触子14から遠ざかる方向)に進んでいって、受信用探
触子14で受信されることはない。
【0024】一方、仮想反射面6内のどこかに平坦面状
の垂直欠陥5が存在すると、超音波が反射して底面に向
かって反射する。この反射エコーはさらに底面で反射
し、受信用探触子14で受信されて電気信号に変換され
る。この受信信号は、増幅検知部20で増幅、検出され
て、内在した平坦面状の垂直欠陥5が当該探傷領域dに
存在することが検出される。
【0025】このとき受信される受信信号の強度は、反
射面の大きさに比例すると考えられるので、信号の強度
を増幅検知部20で測定することによって、欠陥5の面
積(大きさ)を推定することもできる。面積の推定は、
予め基準の欠陥に対して求めておいた強度と面積との関
係に基づいて、行うことができる。
【0026】尚、検出できる欠陥としては、平坦面状の
垂直欠陥5に限ることなく、底部に開口した欠陥3(図
4(a)参照)や凹凸面のある自然欠陥4(図4(b)
参照)も同様に、反射波の一部が受信用探触子14に受
信されるので、欠陥を検出することができる。
【0027】次に、図3は、本発明の第2の実施の形態
を表す図1相当図である。図において、図1と同一部材
は、同一符号を付し、その詳細説明を省略する。この実
施の形態では、受信用探触子14’として、レール前後
方向に整列した複数のアレイ素子14−1、14−2、
14−3からなるアレイ形探触子を用いており、アレイ
素子14−1、14−2、14−3は、それぞれ個別に
増幅検知部20’に接続されている。増幅検知部20’
は、深部増幅検知部20−1、中間部増幅検知部20−
2、浅部増幅検知部20−3からなり、それぞれアレイ
素子14−1、14−2、14−3が受信可能な欠陥が
存在する位置に応じてアレイ素子に接続されている。
【0028】アレイ素子14−1、14−2、14−3
の各受信面のレール前後方向長さは、送信用探触子12
から放射される超音波信号のレール前後方向のビーム長
さLに対して、それぞれ同じ長さL/3となっている。
【0029】以上のように構成される超音波レール探傷
装置10’では、仮想反射面6内のどこかに平坦面状の
垂直欠陥5が存在すると、その垂直欠陥5の位置に応じ
てアレイ素子14−1、14−2、14−3のいずれか
で反射エコーが受信されるので、反射エコーに対応する
電気信号が検知部20−1、20−2、20−3のいず
れかで検出されたか識別することによって、欠陥5の深
さを知ることができる。例えば、アレイ素子14−1で
反射エコーが受信された場合、欠陥5は(2/3)・d
からdの範囲にあることが分かる。
【0030】この例では簡単のため3個のアレイ素子で
説明したが、受信用探触子を多数のアレイ素子で構成す
ることにより、欠陥の深さの分解能を向上させることが
できる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明によれば、送信用探触子から放射される
超音波信号のレールへの屈折角度θ及びその超音波信号
のレール前後方向のビーム長さLを、レールの探傷する
べき深さ領域長さdに対して、
【0032】
【数6】d≦L/tanθ (1) を満足するように設定すると共に、受信用探触子の受信
面のレール前後方向の長さをL以上に設定することによ
り、送信用探触子と受信用探触子との相対位置を動かす
ことなく、広い探傷領域dでレール内に存在するレール
前後方向に直交する平坦面状の欠陥を確実かつ効率的に
検出することができる。そして、受信用探触子で受信さ
れる受信信号の強度を測定することによって、欠陥の面
積を推定することもできる。
【0033】また、請求項2記載の発明によれば、受信
用探触子はレール前後方向に整列した複数のアレイ素子
からなるアレイ形探触子であり、いずれかのアレイ素子
において超音波信号が受信されたかを識別することによ
り欠陥の深さを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波レール探傷装置の実施の形
態を表すレールの側方から見た説明図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】本発明に係る超音波レール探傷装置の第2の実
施の形態を表すレールの側方から見た説明図である。
【図4】従来の超音波レール探傷装置を表すレールの側
方から見た説明図である。
【図5】従来の他の超音波レール探傷装置を表すレール
の側方から見た説明図である。
【符号の説明】
1 レール 10、10’ 超音波レール探傷装置 12 送信用探触子 14 受信用探触子 14’ 受信用探触子(アレイ形探触子) 14−1、14−2、14−3 アレイ素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レールに当接し、レール前後方向に整列
    された送信用探触子と受信用探触子とを有し、送信用探
    触子から放射される超音波信号を、受信用探触子から遠
    ざかる方向に斜めにレール内へ入射させ、欠陥で反射し
    てきた超音波信号を受信用探触子で受信することによ
    り、レール内の欠陥を検出する超音波レール探傷装置に
    おいて、 送信用探触子から放射される超音波信号のレールへの屈
    折角度θ及びその超音波信号のレール前後方向のビーム
    長さLが、レールの探傷するべき深さ領域長さdに対し
    て、 【数1】d≦L/tanθ (1) を満足するように設定されると共に、受信用探触子の受
    信面のレール前後方向の長さがL以上に設定されること
    を特徴とする超音波レール探傷装置。
  2. 【請求項2】 前記受信用探触子はレール前後方向に整
    列した複数のアレイ素子からなるアレイ形探触子であ
    り、いずれかのアレイ素子において超音波信号が受信さ
    れたかを識別することにより欠陥の深さを検出すること
    を特徴とする請求項1記載の超音波レール探傷装置。
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CN103969333A (zh) * 2014-05-22 2014-08-06 攀钢集团攀枝花钢钒有限公司 翼轨探伤方法

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