JP3241519B2 - 超音波探傷方法および装置 - Google Patents

超音波探傷方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波探傷方法および
装置に係り、特に鋼板をはじめとする圧延金属板の内部
の非金属介在物などの内部欠陥の検出に用いるのに好適
な、一度に一定幅の線状の領域の探傷が可能な超音波探
傷方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、材料内部の内部欠陥などの欠陥の
検出には、超音波探傷法を用いることが最も適してい
る。これは、材料内部に超音波を伝播させ、内部欠陥に
よる超音波伝播の乱れを検出するものであるが、この方
法を応用したものとして、スポットフォーカス型超音波
センサから、音響レンズによって2次元的に集束させた
超音波ビームを鋼板内部に入射させ、内部欠陥による底
面反射波の弱まりを検出して、内部欠陥を検出する方法
がある(たとえば、入江ら著「超音波集束探触子法によ
る微細介在物の連続検査基礎実験(CAMP-ISIJ Vol.2,(1
989)-1452)」参照)。
【0003】圧延金属板の中の介在物などの内部欠陥
は、直径50μm 以上のものからプレス成形あるいは絞り
加工などにおいて割れの原因となるといわれており、非
常に微細な内部欠陥を検出することが要求されている。
このため、前記の方法では、超音波ビームを集束させ、
細径化することにより、小さな内部欠陥の検出能力を高
めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超音波
ビームを細径化すると1つの超音波センサによって検査
可能な面積が低下するので、このような超音波センサを
用いて圧延金属板全体を探傷しようとすると、膨大な数
のセンサが必要となるという問題がある。たとえば、鋼
板の搬送ライン上で、前記の方法によって全面探傷を行
うとすると、鋼板の幅方向に全体をカバーできる数の超
音波センサを並べ、鋼板を走行させることにより連続的
な全面探傷を行うことが可能である。しかし、鋼板の幅
をたとえば1000mm、1つのセンサによって検査可能な幅
を1mmとすると、1000個もの超音波センサが必要とな
り、装置のコストは膨大なものになってしまうのであ
る。
【0005】ところで、本発明者らは、上記の問題点を
解消すべく、既に特願平4−210169号において、被検査
板の同一面に超音波送信子としてラインフォーカス型超
音波センサと、超音波受信子として1次元アレー型超音
波センサをそれぞれ配置し、超音波送信子から一方向に
集束した帯状の超音波ビームを被検査板に向けて送信
し、被検査板に入射された超音波によって生起された内
部欠陥からの反射波を1次元アレー型超音波センサによ
り受信すること、また被検査板に入射した超音波が屈折
角30〜60°の横波となるように、送信ビームの入射角を
設定し、かつ屈折角30〜60°の横波を受信可能に、前記
1次元アレー型超音波センサと被検査板との角度を設定
することを特徴とする超音波探傷方法を提案した。これ
により、一度に一定幅の線状の領域を探傷することが可
能となったのである。
【0006】しかしながら、この方法では、送信した超
音波ビームの鋼板表面での反射波が超音波受信子に大き
い振幅で受信され、それが表面近くの内部欠陥からの反
射エコーと重なるため、被検査板の表面近くに不感帯が
発生するという問題があった。本発明は、上記した従来
技術の有する課題を解消すべくなされたもので、表面近
くの不感帯がなく、一度に一定幅の線状の領域の探傷が
可能であり、したがって被検査板の中の微細な内部欠陥
を、被検査板の全面および全断面にわたり、少ないセン
サ数で高い検出能力による探傷を可能とした超音波探傷
方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
被検査板を挟んで超音波送信子と超音波受信子を対向配
置し、該超音波送信子から超音波ビームを被検査板に向
けてほぼ垂直に送信し、被検査板に入射した超音波が内
部欠陥の上面で反射し、さらに、被検査板の表面で再反
射した反射波と、被検査板に入射した超音波が被検査板
の裏面で反射した後、内部欠陥の下面で再反射した反射
波とを超音波受信子により受信し、受信された超音波を
増幅し、反射波のみを抽出した後に所定の振幅に達した
反射波の有無を検出することを特徴とする超音波探傷方
法である。
【0008】また、本発明の第2の態様は、被検査板に
向けてほぼ垂直に超音波ビームを送信する超音波送信子
と、被検査板を挟んで前記超音波送信子と対向する位置
に配置され、被検査板に入射した超音波が内部欠陥の上
面で反射し、さらに、被検査板の表面で再反射した反射
波と、被検査板に入射した超音波が被検査板の裏面で反
射した後、内部欠陥の下面で再反射した反射波とを受信
る超音波受信子と、受信された超音波を増幅する手段
と、反射波のみを抽出するゲート手段と、所定の振幅に
達した反射波の有無を検出するコンパレータ群と、から
なることを特徴とする超音波探傷装置である。
【0009】なお、前記超音波送信子として一方向に集
束した帯状の超音波ビームを送信するラインフォーカス
型超音波センサを用い、前記超音波受信子として短冊型
の超音波振動子を前記帯状超音波ビームの幅方向に並べ
てなる1次元超音波アレーセンサを用いるのがよい。ま
た、被検査板に向けてほぼ垂直に一方向に集束した帯状
の超音波ビームを送信するラインフォーカス型超音波セ
ンサと、被検査板を挟んで前記ラインフォーカス型超音
波センサと対向する位置に配置され短冊型の超音波振動
子を前記帯状超音波ビームの幅方向に並べてなる1次元
超音波アレーセンサと、受信された超音波を増幅する手
段と、反射波のみを抽出するゲート手段と、所定の振幅
に達した反射波の有無を検出するコンパレータ群と、か
らなる超音波探傷装置において、前記ラインフォーカス
型超音波センサと前記1次元超音波アレーセンサとの間
の距離LS が、該ラインフォーカス型超音波センサの送
信する帯状超音波ビームの水中焦点距離をF、被検査板
の板厚をtとしたとき、下記の式を満足するのがよい。
【0010】 LS ≦F−{(CS /CW )−1}・t+5.5 (mm) ただし、CS ;金属板中での超音波の速度、CW ;水中
での超音波の速度 さらに、前記1次元超音波アレーセンサの超音波振動子
の大きさを被検査板の幅方向で1.0 mm以上とするのがよ
く、また前記ラインフォーカス型超音波センサは複数個
の超音波振動子を帯状の超音波ビームの幅方向に密接に
並べて構成され、1個の超音波振動子の大きさが帯状超
音波ビームの幅方向で2.0 〜15.0mmとされるのがよい。
【0011】
【作 用】図1ないし図4に本発明の基本構成を示す。
まず、図1に示すように、本発明の超音波センサ20は、
圧延金属板などの被検査板10を挟んで対向して配置され
る超音波送信子22および超音波受信子25と、超音波受信
子25からの信号を受信する複数の受信増幅素子501 〜50
N と、これら受信増幅素子501 〜50N に対応して接続さ
れるゲート手段521 〜52N およびコンパレータ541 〜54
N とで構成される。なお、これら超音波送信子22および
超音波受信子25と被検査板10との間には、超音波伝播媒
質としてたとえば水40が介在される。
【0012】超音波送信子22としては、たとえばライン
フォーカス型超音波センサを用いることができ、また超
音波受信子25としては、図2に示すように、たとえばN
個の短冊型の超音波振動子421 〜42N を1次元に密接に
並べて構成される1次元アレー超音波センサを用いるこ
とができる。超音波送信子22からの超音波ビーム23は集
束されて、図3に示すように、被検査板10に向けてほぼ
垂直に送信されて、被検査板10のほぼ板厚方向に伝播す
る。このとき、伝播路程に内部欠陥28があれば反射して
受信ビーム24として超音波受信子25に受信される。
【0013】この受信ビーム24は、図4に示すように、
内部欠陥28の上面で反射しさらに被検査板10の表面10a
で再反射した反射波30と、いったん、被検査板10の裏面
10bで反射した後内部欠陥28の下面で再反射した反射波
31とが、2通りの伝播経路によって超音波受信子25に受
信される。なお、受信ビーム24は図3のように断面内に
おいてのみ集束されているが、必ずしも集束させる必要
はない。
【0014】超音波受信子25により受信された超音波
は、各超音波振動子42ごとに接続されている受信増幅素
子501 〜50N にて増幅され、ゲート手段521 〜52N によ
って反射波のみが抽出された後、コンパレータ541 〜54
N によって所定の振幅以上の反射波が存在するか否かが
検出される。本発明では、図5(a) に示す被検査板10の
表面10a近傍に存在する内部欠陥28aと、図5(b) に示
す被検査板10の裏面10b近傍に存在する内部欠陥28bに
ついても、図示した伝播経路の反射波32aおよび32bが
被検査板10を直接透過する透過波33よりも、時間的に大
きく遅れて超音波受信子25に受信されることになるの
で、これらの反射波を明瞭に識別して検出することがで
きる。したがって、本発明では、従来例でみられた表面
近くの不感帯は存在しないのである。
【0015】ここで、超音波送信子22としてラインフォ
ーカス型超音波センサを用い、超音波受信子25として1
次元アレー超音波センサを用いた場合における、超音波
送信子22と超音波受信子25との位置関係や被検査板10の
位置関係、さらに超音波受信子25に内蔵される超音波振
動子42および超音波送信子22に内蔵される超音波振動子
での寸法の制約条件について、実験で得られた結果を詳
しく説明する。
【0016】まず、超音波送信子22と超音波受信子25と
の位置関係について説明すると、図6に示すように、超
音波送信子22と超音波受信子25とを内部欠陥を有する板
厚tなる被検査板10を挟んで対向配置し、被検査板10と
超音波受信子25との間の距離をLR とし、被検査板10と
超音波送信子22との間の距離をLT 、超音波送信子22と
超音波受信子25との間の距離(以下、送受信子間距離と
いう)をLS (=LR+LT +t)とする。
【0017】そこで、板厚tが4.5 mmの被検査板10と超
音波受信子25との間の距離LR を1mm一定とし、超音波
送信子22の位置を漸次被検査板10から遠ざかるように移
動させて、送受信子間距離LS を変化させた時の内部欠
陥からのエコー高さ(dB) を調査した。その結果を図7
に示した。この図から明らかなように、送受信子間距離
S が遠くなるに従ってエコー高さは漸次下降はする
が、距離LS がほぼ25.5mm付近で超音波ビームが底面で
焦点(以下、底面焦点という)するまでかなり高いレベ
ルを保持し、その後急激に下降することがわかる。この
ことから、送受信子間距離LS は、少なくとも底面焦点
の位置を超えないような位置関係であることが望ましい
のである。
【0018】なお、ここで、板厚tの被検査板10におい
て超音波ビームが底面焦点するための条件について補足
すると、超音波送信子22の水中焦点距離をFとすると、
被検査板10と超音波送信子22との間の距離LT は下記
(1) 式で表現される。 LT =F−(CS /CW )・t (mm) ……………(1) ここで、CS ;金属板中での超音波の速度、CW ;水中
での超音波の速度である。
【0019】したがって、送受信子間距離LS は、被検
査板10と超音波受信子25との間の距離LR を1mmとする
と、下記(2) 式で表現できる。 LS =LT +t+1 (mm) =F−(CS /CW )・t+t+1 =F−{(CS /CW )−1}・t+1 ……………(2) また、図8は上記した送受信子間距離LS を基準とし、
これに対する送受信子間距離LS の増分とエコー高さと
の関係を示したものである。内部欠陥からの反射波をS
/Nよく検出するためには3dB以下のエコー高さが好ま
しいことから、送受信子間距離LS の増分は4.5 mm以下
が望ましいといえる。
【0020】したがって、好ましい送受信子間距離LS
は下記(3) 式で求められる。 LS ≦F−{(CS /CW )−1}・t+5.5 (mm) …………(3) つぎに、被検査板10の位置による探傷への影響を調べた
結果について述べる。すなわち、前出図6において、送
受信子間距離LS を(2) 式を満足する条件とした状態
で、被検査板10を移動させて距離LR を変化させたとき
の内部欠陥からのエコー高さおよびそのS/Nの推移を
図9に示した。
【0021】この図からわかるように、被検査板10の位
置が変化しても、エコー高さおよびS/Nには殆ど変化
がない。それゆえ、送受信子間距離LS を、超音波ビー
ム23が被検査板10で底面焦点し、被検査板10から1mmの
位置においた超音波受信子25で反射波を受信するのと同
じ距離とし、被検査板10を超音波送信子22と超音波受信
子25との間の任意の位置において探傷してもよい。
【0022】さらに、超音波受信子25の超音波振動子42
の寸法について、その適切な大きさを決定する実験を行
った結果について説明する。実験に用いた装置は、図10
に示すように、複数の超音波振動子421 〜42n を加算器
56で加算して、その加算信号を受信増幅素子50で増幅
し、ゲート手段52で処理したのちピーク値検出器55で反
射波ん振幅を検出するように構成される。
【0023】そこで、図11に示すように、帯状超音波ビ
ームの幅方向(Y方向) の幅が0.5mmとされる最大12個
の超音波振動子421 〜4212を加算器56に接続した1次元
アレー超音波センサで構成される超音波受信子25を用い
た。送受信子間距離LS が25.5mmの超音波送信子22と超
音波受信子25の間に、板厚tが4.5 mmで幅0.41mm×長さ
2.8 mmの大きさの欠陥28を有する被検査板10を矢示Fお
よびR方向に、たとえば70〜100 μm の微小ピッチで往
復移動させ、そのとき変化する内部欠陥からの反射波の
S/Nの分布を調査した。
【0024】このとき、加算器56に接続する超音波振動
子42の個数nを1個,2個,4個,8個、12個の5通り
に変化させたときのS/N(dB) の分布を図12に示し
た。n個の超音波振動子42を同一の加算器56に接続して
測定を行った結果は、0.5 ×nの幅を有する単一の超音
波振動子を用いて測定を行った結果と等価と考えられる
ので、図12では加算器56に接続した超音波振動子の個数
nに0.5 mmを乗じて超音波振動子の幅としている。な
お、このとき用いた帯状超音波ビームの周波数は25MHz
である。
【0025】図12において、S/Nは幅Wが1mm(N=
2)以上では15dBを超えた高いレベルが得られているこ
とから、その下限は1mmが望ましい。これらの結果か
ら、内部欠陥からの反射波の受信に用いる1次元超音波
アレーセンサに内蔵される超音波振動子の大きさWは、
帯状超音波ビーム23の方向(Y方向)では、1mm以上と
するとよいことが判明した。なお、図12の結果からは超
音波振動子の幅Wが1mmから6mmまではS/Nがそれほ
ど変化せず、圧延金属板等の内部欠陥の検出に好適な範
囲であることが明らかとなった。
【0026】なお、上記の実験には幅が0.5 mmの超音波
振動子42を用いるとして説明したが、この超音波振動子
42は物理的に最小0.2 mmの幅まで製作可能であることか
ら、この0.2 mm幅の超音波振動子42を5個組み合わせれ
ば、下限値である幅W;1mmを実現することができる。
したがって、0.2 mm幅の素子を用いる場合には5個以上
の超音波振動子42を加算器56で加算するとよい。
【0027】さらにまた、超音波送信子22に内蔵される
超音波振動子の寸法の制約条件の有無について検討を行
った結果について説明する。すなわち、超音波送信子22
に用いられる一方向に集束した帯状の超音波ビームを送
信するラインフォーカス型超音波センサの場合は複数個
の超音波振動子42を帯状超音波ビーム23の幅方向(Y方
向)に密接に並べて構成されるのであるが、その超音波
振動子42のY方向の大きさと帯状超音波ビーム23のビー
ム強度(dB) について調べたところ、図13のような特性
を得ることができた。
【0028】この結果から、ビーム強度が−6dB以上で
あれば実用上で問題がないことから、1つの超音波振動
子の大きさを超音波ビームの幅方向で2.0 〜15.0mmとす
るのが適当であることがわかる。本発明は、上記のよう
に構成することによって、一度に一定幅の線状の領域の
探傷が不感帯なしで可能であり、オンライン全面探傷を
行う際に、設置が必要な超音波センサの数を大幅に減ず
ることができる。また、受信増幅素子50、ゲート手段5
2、コンパレータ54は、超音波振動子42の数だけ設置す
る必要はあるが、超音波送信子22と超音波受信子25が分
離しているため、通常の超音波探傷で実施されている1
つの超音波センサで超音波の送受信を兼用する方式で必
要な、増幅回路に加わる超音波励振用の高電圧パルスか
ら、該回路を防護するための保護回路が不要であり、通
信などに用いられる安価な増幅素子をそのまま用いるこ
とができ、また回路構成も簡単であるため、コンパレー
タも含めて集積化が可能であり、コストを低く抑えるこ
とができる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、図14を用
いて詳細に説明する。図において、超音波センサ20は透
過型の構成とされ、超音波送信子として用いられるライ
ンフォーカス型超音波センサ58と、超音波受信子として
用いられる1次元アレー超音波センサ59とが、被検査板
である薄鋼板12を挟んで対向する位置に配置されて構成
される。
【0030】なお、薄鋼板12とラインフォーカス型超音
波センサ58および1次元アレー超音波センサ59のそれぞ
れの間には水(図示せず)が超音波伝播媒質として介在
される。また、ラインフォーカス型超音波センサ58およ
び1次元アレー超音波センサ59からなる超音波センサ20
は、全面連続探傷のため、1つの超音波センサ20にて検
査可能な線状領域の長さから計算される必要数だけ、薄
鋼板12の幅方向に隙間無く並べて配置される。
【0031】ラインフォーカス型超音波センサ58を励振
する電気パルス送信器60にはクロック回路が内蔵されて
おり、この電気パルス送信器60から一定の時間間隔をお
いて電気パルスが送信され、ラインフォーカス型超音波
センサ58に内蔵された超音波振動子に印加されることに
より、ラインフォーカス型超音波センサ58から帯状の超
音波ビーム23が送信される。
【0032】送信された超音波ビーム23は、水中を伝播
して薄鋼板12の表面に達すると、薄鋼板12の内部に入射
し、ほぼ板厚方向に伝播する。この超音波ビーム23はそ
の伝播路程に内部欠陥が存在すると、これによって反射
される。その反射波は薄鋼板12を通り抜けて水中を伝播
し、1次元アレー型超音波センサ59に受信される。その
超音波が1次元アレー型超音波センサ59のどの超音波振
動子に受信されるかは、内部欠陥28の薄鋼板12の幅方向
の位置に対応する。
【0033】1次元アレー型超音波センサ59に受信され
た信号は、受信増幅素子501 〜50Nにて増幅され、ゲー
ト手段521 〜52N によって内部欠陥からの反射波のみが
抽出され、コンパレータ541 〜54N に送られる。コンパ
レータ541 〜54N は振幅が所定レベル以上の反射波が入
力されると、電気パルスを出力し、これが内部欠陥の検
出信号621 〜62N となる。
【0034】このように構成された超音波探傷装置を用
いて、板厚;4.5 mm×板幅;1000mmの薄鋼板の探傷を行
った。この装置のラインフォーカス型超音波センサ58か
ら送信される帯状の超音波ビーム23の幅を50mm、1次元
アレー超音波センサ59の素子数、幅をそれぞれ10素子、
5mmとしたところ、1つの超音波センサ20で50mmの長さ
の線状領域の探傷が可能であった。なお、幅が1000mm幅
の薄鋼板に対してわずか20個の超音波センサでその全面
連続探傷が可能であった。
【0035】このとき、検出された内部欠陥である非金
属介在物を含む一部分を薄鋼板から切出し、Cスキャン
超音波探傷装置と称される切板サンプルの精密な探傷装
置を用いて検出した結果を図15に示した。この図から明
らかなように、長さ50μm の微小な内部欠陥が、本発明
装置によって検出することができることがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被検査板を挟んで超音波送信子と超音波受信子を対向配
置し、該超音波送信子から超音波ビームを被検査板に向
けてほぼ垂直に送信し、被検査板に入射した超音波によ
って生起された内部欠陥からの反射波を前記超音波受信
子によって受信するようにしたので、表面近くの内部欠
陥も含めて一度に一定幅の領域の探傷が不感帯なく行う
ことができ、これによって、圧延金属板などの被検査板
の中の微細な介在物などの内部欠陥を、被検査板の全面
にわたって少数の超音波センサで高い検出能力で検出す
ることができるというすぐれた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す一部斜視図を含むブロ
ック線図である。
【図2】本発明に用いられる1次元アレー型超音波セン
サの構造を示す平面図である。
【図3】図1の側断面図である。
【図4】内部欠陥からの反射波の伝播経路の説明図であ
る。
【図5】(a) ,(b) は内部欠陥からの反射波の伝播経路
の説明図である。
【図6】実験に用いた超音波送信子と超音波受信子との
位置関係を示す側面図である。
【図7】送受信子間距離と内部欠陥からの反射波のエコ
ー高さの関係を示す特性図である。
【図8】送受信子間距離の基準からの増分と内部欠陥か
らの反射波のエコー高さの関係を示す特性図である。
【図9】被検査板の位置と内部欠陥からの反射波のエコ
ー高さおよびS/Nの関係を示す特性図である。
【図10】超音波振動子の加算回路を示す構成図である。
【図11】内部欠陥を加算回路に接続された超音波振動子
で検出する概要の説明図である。
【図12】内部欠陥の超音波振動子に対する位置とS/N
との関係を示す特性図である。
【図13】超音波送信子における超音波振動子の大きさと
ビーム強度の関係を示す特性図である。
【図14】本発明装置の実施例の構成を示す一部斜視図を
含むブロック線図である。
【図15】本発明装置を用いた薄鋼板のオンライン探傷に
おいて検出された非金属介在物をCスキャン超音波探傷
装置で精密評価した結果を示すスケッチ図である。
【符号の説明】
10 被検査板 12 薄鋼板 20 超音波センサ 22 超音波送信子 23 受信ビーム 25 超音波受信子 40 水 421 〜42N 超音波振動子 501 〜50N 受信増幅素子 521 〜52N ゲート手段 541 〜54N コンパレータ 56 加算器 621 〜62N 内部欠陥の検出信号
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−79595(JP,A) 特開 平3−261857(JP,A) 特開 昭55−129750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査板を挟んで超音波送信子と超音波
    受信子を対向配置し、該超音波送信子から超音波ビーム
    を被検査板に向けてほぼ垂直に送信し、被検査板に入射
    した超音波が内部欠陥の上面で反射し、さらに、被検査
    板の表面で再反射した反射波と、被検査板に入射した超
    音波が被検査板の裏面で反射した後、内部欠陥の下面で
    再反射した反射波とを超音波受信子により受信し、受信
    された超音波を増幅し、反射波のみを抽出した後に所定
    の振幅に達した反射波の有無を検出することを特徴とす
    る超音波探傷方法。
  2. 【請求項2】 被検査板に向けてほぼ垂直に超音波ビー
    ムを送信する超音波送信子と、被検査板を挟んで前記超
    音波送信子と対向する位置に配置され、被検査板に入射
    した超音波が内部欠陥の上面で反射し、さらに、被検査
    板の表面で再反射した反射波と、被検査板に入射した超
    音波が被検査板の裏面で反射した後、内部欠陥の下面で
    再反射した反射波とを受信する超音波受信子と、受信さ
    れた超音波を増幅する手段と、反射波のみを抽出するゲ
    ート手段と、所定の振幅に達した反射波の有無を検出す
    るコンパレータ群と、からなることを特徴とする超音波
    探傷装置。
  3. 【請求項3】 前記超音波送信子として一方向に集束
    した帯状の超音波ビームを送信するラインフォーカス型
    超音波センサを用い、前記超音波受信子として短冊型の
    超音波振動子を前記帯状超音波ビームの幅方向に並べて
    なる1次元超音波アレーセンサを用いることを特徴とす
    る請求項2記載の超音波探傷装置。
  4. 【請求項4】 被検査板に向けてほぼ垂直に一方向に集
    束した帯状の超音波ビームを送信するラインフォーカス
    型超音波センサと、被検査板を挟んで前記ラインフォー
    カス型超音波センサと対向する位置に配置され短冊型の
    超音波振動子を前記帯状超音波ビームの幅方向に並べて
    なる1次元超音波アレーセンサと、受信された超音波を
    増幅する手段と、反射波のみを抽出するゲート手段と、
    所定の振幅に達した反射波の有無を検出するコンパレー
    タ群と、からなる超音波探傷装置において、 前記ラインフォーカス型超音波センサと前記1次元超音
    波アレーセンサとの間の距離LS が、該ラインフォーカ
    ス型超音波センサの送信する帯状超音波ビームの水中焦
    点距離をF、被検査板の板厚をtとしたとき、下記の式
    を満足することを特徴とする超音波探傷装置。 LS ≦F−{(CS /CW )−1}・t+5.5 (mm) ただし、CS ;金属板中での超音波の速度、CW ;水中
    での超音波の速度
  5. 【請求項5】 前記1次元超音波アレーセンサの超音波
    振動子の大きさを被検査板の幅方向で1.0 mm以上とする
    ことを特徴とする請求項4に記載の超音波探傷装置。
  6. 【請求項6】 前記ラインフォーカス型超音波センサは
    複数個の超音波振動子を帯状の超音波ビームの幅方向に
    密接に並べて構成され、1個の超音波振動子の大きさが
    帯状超音波ビームの幅方向で2.0 〜15.0mmとされること
    を特徴とする請求項4または5に記載の超音波探傷装
    置。
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