JP2000283632A - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却ユニットと庫内天井面間に生じる結露や
霜による不都合を効果的に解消できる冷却貯蔵庫を提供
する。 【解決手段】 冷却貯蔵庫１は、ケーシング４内に蒸発
器７と冷却ファン８を取り付けて成る冷却ユニット２
を、庫内天井面３Ａに取り付けて成るものであって、ケ
ーシングの天板６と庫内天井面との間における空気の流
通を遮断する遮蔽板２１を、ケーシングに取り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプレハブ冷
凍・冷蔵庫などの如く、庫内天井面に冷却ユニットを取
り付けてなる冷却貯蔵庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種プレハブ冷凍・冷蔵庫
は、例えば実公昭６２−２４２２０号公報に示される如
く、庫内天壁に蒸発器と冷却ファンを内蔵した冷却ユニ
ットを取り付け、蒸発器にて冷却された冷気を冷却ファ
ンにより庫内に循環させていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、この種プレハ
ブ冷凍・冷蔵庫の冷却ユニットは、ケーシングの天板に
蒸発器を取り付けるためのビスの逃がしとして、ケーシ
ング天板（天面）と庫内天井面との間に間隔を形成しな
ければならない。そこで、冷却ユニットを庫内天井面に
取り付けるためのハンガーは、ケーシングの天板から所
定寸法でクランク状に立ち上がる形状とされている。

【０００４】そのため、冷却ユニットのケーシングの天
板と庫内天井面との間の間隔を庫内を循環する空気が流
通することになる。一方、冷却運転中蒸発器からの冷却
作用によりケーシングの天板も低温となるため、天板と
庫内天井面との間を通過する空気中の水分が天板上に結
露となって溜まり、やがて凍結することになる。

【０００５】このようにしてケーシング天板と庫内天井
面間に生成された霜は、蒸発器の霜取時に融解され、ケ
ーシング内に流下して排出されるが、一部霜残りが生じ
ると、次回の冷却運転時に再凍結し、氷層となって成長
するため、ケーシングや蒸発器が変形し、破損してしま
う不都合が生じる。

【０００６】また、融解した水がケーシングの表面に残
っていると、次回の冷却ファンの運転により、これが庫
内に吹き飛ばされて飛び散るようになると共に、残った
水が凍結すると、成長した氷が冷却ファンに当たって異
音を生じたり、冷却ファンがロックしてしまう危険性も
あった。

【０００７】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、冷却ユニットと庫内天井
面間に生じる結露や霜による不都合を効果的に解消でき
る冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明の冷却貯蔵
庫は、ケーシング内に蒸発器と冷却ファンを取り付けて
成る冷却ユニットを、庫内天井面に取り付けて成るもの
であって、ケーシングの天面と庫内天井面との間におけ
る空気の流通を遮断する遮蔽板を、ケーシングに取り付
けたことを特徴とする。

【０００９】本発明によれば、ケーシング内に蒸発器と
冷却ファンを取り付けて成る冷却ユニットを、庫内天井
面に取り付けて成る冷却貯蔵庫において、ケーシングの
天面と庫内天井面との間における空気の流通を遮断する
遮蔽板をケーシングに取り付けたので、冷却ユニットの
ケーシング天面と庫内天井面との間を流通する空気中の
水分がそこに凝結・凍結することを効果的に防止するこ
とができるようになる。

【００１０】これにより、ケーシングや蒸発器の変形し
破損する不都合を未然に防止することができるようにな
るものである。

【００１１】請求項２の発明の冷却貯蔵庫は、上記にお
いて遮蔽板は庫内天井面に押圧されていることを特徴と
する。

【００１２】請求項２の発明によれば、上記に加えて遮
蔽板を庫内天井面に押圧しているので、ケーシング天面
と庫内天井面間のシール性が向上すると共に、冷却ファ
ンの運転による振動で遮蔽板と庫内天井面との接触部か
らビビリ音が生じることを防止することが可能となる。

【００１３】請求項３の発明の冷却貯蔵庫は、上記各発
明において冷却ファンからの冷気が吹き出される吹出口
上方に延在するカバー部を遮蔽板に形成したことを特徴
とする。

【００１４】請求項３の発明によれば、上記各発明に加
えて冷却ファンからの冷気が吹き出される吹出口上方に
延在するカバー部を遮蔽板に形成したので、蒸発器の霜
取時に生じる蒸気が吹出口から立ち昇って庫内天井面に
付着し、再凍結する不都合を未然に防止することができ
るようになるものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を詳述する。図１は本発明の冷却貯蔵庫１の冷却
ユニット２部分の断面図、図２は冷却ユニット２の斜視
図を示している。冷却貯蔵庫１はプレハブ冷凍・冷蔵庫
であり、複数枚のプレハブ断熱パネルを組み立てて構成
されている。そして、この冷却貯蔵庫１の庫内３の天井
面３Ａとなる天壁１Ａの下面には、冷却装置を構成する
冷却ユニット２が取り付けられている。

【００１６】この冷却ユニット２は、鋼板製のケーシン
グ４と、このケーシング４内に収納され、ケーシング４
の天板６にネジ止めされた蒸発器７と、冷却ファン８
と、ケーシング４の下面に取り付けられた露受皿９と、
霜取用の電気ヒータＨなどから構成されており、蒸発器
７側に吸込口１１が、また、冷却ファン８側に吹出口１
２がそれぞれ開口形成されている。

【００１７】また、この吹出口１２の外側にはファンガ
ード１３が取り付けられており、下面の露受皿９にはド
レンホース１４が接続され、庫外に引き出されている。

【００１８】そして、この冷却ユニット２はケーシング
４の天板６の四隅にネジ止めされたハンガー１６、１６
及び１７、１７によって天井面３Ａに取り付けられる。
この場合、ケーシング４の天板６の吸込口１１側両端部
にネジ止めされたハンガー１６、１６は、吸込口１１の
開口方向にクランク状に立ち上がっており、立ち上がっ
た先端には切込１８が形成されている。そして、取り付
け時にはこの切込１８を天井面３Ａに取り付けた図示し
ないボルトに係合するものである。

【００１９】一方、ケーシング４の天板６の吹出口１２
側両端部にネジ止めされたハンガー１７も吹出口１２の
開口方向にクランク状に立ち上がっており、立ち上がっ
た上面にはネジ孔１９が形成されている。そして、取り
付け時にはこのネジ孔１９にて天井面３Ａにネジ止めさ
れる。これにより、ケーシング４の天板６と天井面３Ａ
間には、蒸発器７を内側からネジ止めするための間隔Ｇ
が構成されることになる。

【００２０】他方、このハンガー１７、１７と天板６間
には本発明の遮蔽板２１が介設され、ハンガー１７と共
に天板６にネジにて共締めされている。この遮蔽板２１
はケーシング４の天板６の横幅（空気の流通方向に直交
する方向の幅）と略同等の幅寸法を有した鋼板を折曲し
て構成されており、一端部には傾斜しながら立ち上がる
シール部２２と、他端部には斜め下方に延在するガード
部２３が形成されている。尚、シール部２２の起立寸法
は間隔Ｇの縦寸法よりも少許大きくなるように設定され
ている。

【００２１】そして、ハンガー１７、１７と共にケーシ
ング４の天板６上にネジ止めされた状態で、遮蔽板２１
は天板６上の全幅に渡って設けられると共に、一端部の
シール部２２は天板６上方の天井面３Ａにその弾性で押
圧され、ガード部２３は前記吹出口１２のファンガード
１３の上側（吹出口１２の上方）に延在する。

【００２２】このように取り付けられた冷却ユニット２
の蒸発器７は、庫外に設置された図示しないコンデンシ
ングユニットに設けられた圧縮機や凝縮器と配管接続さ
れ、所定の冷媒回路を構成する。そして、冷却運転中は
この圧縮機が運転され、蒸発器７にて冷媒が蒸発するこ
とにより、冷却作用が発揮される。

【００２３】そして、冷却ファン８が運転されると、こ
の蒸発器７にて冷却された冷気は吹出口１２から庫内３
に吹き出され、吸込口１１から再び冷却ユニット２内の
蒸発器７に帰還する循環を行う。

【００２４】このとき、冷却ユニット２と天井面３Ａ間
には間隔Ｇが形成されているため、庫内３を循環する冷
気はこの間隔Ｇにも流通しようとするが、間隔Ｇは遮蔽
板２１のシール部２２によって遮蔽されており、この間
隔Ｇ内の冷気の流通は遮断さる。このとき、シール部２
２は天井面３Ａに押圧されているので、間隔Ｇは確実に
シールされる。

【００２５】これにより、冷却ユニット２のケーシング
２の天板６（天面）と天井面３Ａとの間を流通する冷気
中の水分がそこに凝結・凍結することが防止され、霜の
成長によりケーシング２や蒸発器７の変形し破損してし
まう不都合が未然に防止されるようになる。

【００２６】このような冷却運転中に蒸発器７には着霜
が成長するが、この蒸発器７に付着した霜は電気ヒータ
Ｈを発熱させて定期的に融解除去される。この霜取中に
蒸発器７から滴下した融解水やケーシング２に付着した
結露水などは露受皿９に受容され、ドレンホース１４に
て庫外に排出される。

【００２７】また、蒸発器７の霜取中、吹出口１２から
は蒸気が立ち昇るが、吹出口１２の上方には遮蔽板２１
のガード部２３が位置しているので、この湯気が直接天
井面３Ａに付着して凝結し、再凍結することが防止され
る。

【００２８】ここで、吹出口１２からの蒸気が天井面３
Ａにて再凍結すると、次回の霜取時に融解して吹出口１
２付近に流下し、それが冷却ファン８の運転によって庫
内３に飛び散ったり、吹出口１２付近に再凍結して冷却
ファン８をロックさせる不都合が生じるが、本発明では
ガード部２３により天井面３Ａでの再凍結が阻止される
ので、係る不都合は未然に防止される。

【００２９】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、ケー
シング内に蒸発器と冷却ファンを取り付けて成る冷却ユ
ニットを、庫内天井面に取り付けて成る冷却貯蔵庫にお
いて、ケーシングの天面と庫内天井面との間における空
気の流通を遮断する遮蔽板をケーシングに取り付けたの
で、冷却ユニットのケーシング天面と庫内天井面との間
を流通する空気中の水分がそこに凝結・凍結することを
効果的に防止することができるようになる。

【００３０】これにより、ケーシングや蒸発器の変形し
破損する不都合を未然に防止することができるようにな
るものである。

【００３１】また、請求項２の発明によれば、上記に加
えて遮蔽板を庫内天井面に押圧しているので、ケーシン
グ天面と庫内天井面間のシール性が向上すると共に、冷
却ファンの運転による振動で遮蔽板と庫内天井面との接
触部からビビリ音が生じることを防止することが可能と
なる。

【００３２】更に、請求項３の発明によれば、上記各発
明に加えて冷却ファンからの冷気が吹き出される吹出口
上方に延在するカバー部を遮蔽板に形成したので、蒸発
器の霜取時に生じる蒸気が吹出口から立ち昇って庫内天
井面に付着し、再凍結する不都合を未然に防止すること
ができるようになるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷却貯蔵庫の冷却ユニット部分の断面
図である。

【図２】本発明の冷却貯蔵庫の冷却ユニットの斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 冷却貯蔵庫 ２ 冷却ユニット ３ 庫内 ３Ａ 天井面 ４ ケーシング ６ 天板 ７ 蒸発器 ８ 冷却ファン １１ 吸込口 １２ 吹出口 ２１ 遮蔽板 ２２ シール部 ２３ ガード部 Ｇ 間隔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング内に蒸発器と冷却ファンを取
   り付けて成る冷却ユニットを、庫内天井面に取り付けて
   成る冷却貯蔵庫において、 前記ケーシングの天面と前記庫内天井面との間における
   空気の流通を遮断する遮蔽板を、前記ケーシングに取り
   付けたことを特徴とする冷却貯蔵庫。
2. 【請求項２】 遮蔽板は庫内天井面に押圧されているこ
   とを特徴とする請求項１の冷却貯蔵庫。
3. 【請求項３】 冷却ファンからの冷気が吹き出される吹
   出口上方に延在するカバー部を遮蔽板に形成したことを
   特徴とする請求項１又は請求項２の冷却貯蔵庫。