JP2000282388A - 高分子ゲル形成用多孔質シート状物及びそれを用いた高分子ゲル電解質 - Google Patents
高分子ゲル形成用多孔質シート状物及びそれを用いた高分子ゲル電解質Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電解液により膨張及び/又はゲル化せしめるこ
とにより高いイオン伝導度を示し、且つセパレータ機能
を有する高分子ゲル電解質を形成しうる多孔質シート及
びそれを用いた高分子ゲル電解質の提供。 【解決手段】アクリロニトリル系重合体の繊維状物10
〜100wt%、オレフィン系重合体の繊維状物90w
t%以下から構成され、空孔率が15〜90%かつ厚さ
150μm以下である、高分子ゲル電解質形成用多孔質
シート状物。
とにより高いイオン伝導度を示し、且つセパレータ機能
を有する高分子ゲル電解質を形成しうる多孔質シート及
びそれを用いた高分子ゲル電解質の提供。 【解決手段】アクリロニトリル系重合体の繊維状物10
〜100wt%、オレフィン系重合体の繊維状物90w
t%以下から構成され、空孔率が15〜90%かつ厚さ
150μm以下である、高分子ゲル電解質形成用多孔質
シート状物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム電池もしく
はリチウムイオン二次電池、電気二重層コンデンサー等
の各種電気デバイスに用いられている高分子ゲル電解質
形成用多孔質シート状物に関するものであり、更に詳し
くは、電解液により膨張及び/又はゲル化せしめること
により高いイオン伝導度を示し、且つセパレータ機能を
有する高分子ゲル電解質を形成しうる多孔質シート及び
それを用いた高分子ゲル電解質に関するものである。
はリチウムイオン二次電池、電気二重層コンデンサー等
の各種電気デバイスに用いられている高分子ゲル電解質
形成用多孔質シート状物に関するものであり、更に詳し
くは、電解液により膨張及び/又はゲル化せしめること
により高いイオン伝導度を示し、且つセパレータ機能を
有する高分子ゲル電解質を形成しうる多孔質シート及び
それを用いた高分子ゲル電解質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LiCoO2、LiMnO2、LiNi
O2の如きリチウムの複合酸化物を正極活物質とし、L
i合金や、Liを吸蔵、放出する能力を備えた炭素材を
負極活物質とし、LiBF4、LiClO4、LiPF
6等の電解質塩を溶解した有機溶媒を電解液として使用
するリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、リ
サイクル特性にも優れていることより、パソコン、携帯
電話、ミニコンポ、ミニディスク等の電子機器用電源と
して大きな発展を遂げている。
O2の如きリチウムの複合酸化物を正極活物質とし、L
i合金や、Liを吸蔵、放出する能力を備えた炭素材を
負極活物質とし、LiBF4、LiClO4、LiPF
6等の電解質塩を溶解した有機溶媒を電解液として使用
するリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、リ
サイクル特性にも優れていることより、パソコン、携帯
電話、ミニコンポ、ミニディスク等の電子機器用電源と
して大きな発展を遂げている。
【0003】しかしながら、従来開発されてきたリチウ
ムイオン電池は、電解液としてエチレンカーボネートや
プロピレンカーボネートなどの有機溶媒を用いているた
め、当該電池が高温雰囲気下に曝された場合や、当該電
池を用いた電子機器において、当該電池に内部短絡や外
部短絡などの不都合が生じ、電池温度が上昇した場合、
電解液が揮散し、電池が爆発したり、火災発生を起こし
たりするという難点があった。
ムイオン電池は、電解液としてエチレンカーボネートや
プロピレンカーボネートなどの有機溶媒を用いているた
め、当該電池が高温雰囲気下に曝された場合や、当該電
池を用いた電子機器において、当該電池に内部短絡や外
部短絡などの不都合が生じ、電池温度が上昇した場合、
電解液が揮散し、電池が爆発したり、火災発生を起こし
たりするという難点があった。
【0004】このような危険性を回避するため、正負極
間にポリオレフィン系の微多孔膜がセパレータとして用
いられている。しかし、現行のセパレータは空孔率が2
0〜40%と低く、セパレータの微孔以外の部分はイオ
ン伝導に寄与しないことから、セパレータと電解液を組
み合わせたもののイオン伝導度は電解液のみの系に比し
て大きく低下する事が知られている。さらにポリオレフ
ィン系の材料は電解液に対して膨潤しないため、電池が
高温雰囲気に曝された場合などで液漏れを防ぐことがで
きないという問題点があった。
間にポリオレフィン系の微多孔膜がセパレータとして用
いられている。しかし、現行のセパレータは空孔率が2
0〜40%と低く、セパレータの微孔以外の部分はイオ
ン伝導に寄与しないことから、セパレータと電解液を組
み合わせたもののイオン伝導度は電解液のみの系に比し
て大きく低下する事が知られている。さらにポリオレフ
ィン系の材料は電解液に対して膨潤しないため、電池が
高温雰囲気に曝された場合などで液漏れを防ぐことがで
きないという問題点があった。
【0005】特開平7−320781号公報にはビニル
系重合体を溶解し、この溶液にLiClO4を加えた溶
液を流延し、溶媒を揮散せしめて固体電解質としたフィ
ルムにプロピレンカーボネートを含む溶液に浸漬、膨潤
せしめることにより電解質を得る方法が示されており、
ビニル系重合体フィルムへの非水溶媒による溶解又は膨
潤しうる繊維状高分子重合体を主体とする繊維状物をシ
ート状物としたものに非水電解液を含浸しゲル化せしめ
たことを特徴とする高分子ゲル電解質が記載されている
が、この繊維質シートは繊維が非水電解液により溶解又
は膨潤しうる材料のみからなるため、このシートより作
ったゲル電解質を電池に組み込む場合には別途セパレー
タを用いる必要があり、電極間距離が大きくなるため電
解液のみからなる電池に比較して性能の低下が避けがた
いという問題がある。
系重合体を溶解し、この溶液にLiClO4を加えた溶
液を流延し、溶媒を揮散せしめて固体電解質としたフィ
ルムにプロピレンカーボネートを含む溶液に浸漬、膨潤
せしめることにより電解質を得る方法が示されており、
ビニル系重合体フィルムへの非水溶媒による溶解又は膨
潤しうる繊維状高分子重合体を主体とする繊維状物をシ
ート状物としたものに非水電解液を含浸しゲル化せしめ
たことを特徴とする高分子ゲル電解質が記載されている
が、この繊維質シートは繊維が非水電解液により溶解又
は膨潤しうる材料のみからなるため、このシートより作
ったゲル電解質を電池に組み込む場合には別途セパレー
タを用いる必要があり、電極間距離が大きくなるため電
解液のみからなる電池に比較して性能の低下が避けがた
いという問題がある。
【0006】ポリオレフィン系繊維の不織布に電解液を
含浸させて電解液を保持する方法も公知であるが、不織
布は一般に100μm以上と厚く、電極間距離が空いて
しまうため内部抵抗低減が課題のリチウム電池には好ま
しくなく、また薄い不織布を用いると厚さ方向の強度が
不足するためソフトショートが容易に起こるという問題
がある。
含浸させて電解液を保持する方法も公知であるが、不織
布は一般に100μm以上と厚く、電極間距離が空いて
しまうため内部抵抗低減が課題のリチウム電池には好ま
しくなく、また薄い不織布を用いると厚さ方向の強度が
不足するためソフトショートが容易に起こるという問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
上記従来の問題の解決し得た高いイオン伝導度を有し、
かつ電解質シートの厚さ方向の十分な強度を有すること
からセパレータ機能を有し、さらに液漏れを防ぐ事ので
きるシート状の高分子ゲル電解質を得るべく検討した結
果、本発明を完成した。
上記従来の問題の解決し得た高いイオン伝導度を有し、
かつ電解質シートの厚さ方向の十分な強度を有すること
からセパレータ機能を有し、さらに液漏れを防ぐ事ので
きるシート状の高分子ゲル電解質を得るべく検討した結
果、本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、有機溶媒
に膨潤及び/又は可溶でゲル形成性の重合体の繊維状物
と有機溶媒に不溶な重合体の繊維状物とよりなるシート
状物であって多孔質構造を有する重合体シートを用いる
ことにより、上記課題を解決しうる事を見いだしたもの
であり、その要旨とするところはアクリロニトリルを主
成分とする重合体(以下アクリロニトリル系重合体と呼
称する)の繊維状構造体が10〜100wt%、オレフ
ィン系重合体90wt%以下から構成され、空孔率が1
5〜90%かつ厚さ150μm以下であるシート状高分
子ゲル電解質形成用多孔質シート状物及びそれを用いた
高分子ゲル電解質にある。
に膨潤及び/又は可溶でゲル形成性の重合体の繊維状物
と有機溶媒に不溶な重合体の繊維状物とよりなるシート
状物であって多孔質構造を有する重合体シートを用いる
ことにより、上記課題を解決しうる事を見いだしたもの
であり、その要旨とするところはアクリロニトリルを主
成分とする重合体(以下アクリロニトリル系重合体と呼
称する)の繊維状構造体が10〜100wt%、オレフ
ィン系重合体90wt%以下から構成され、空孔率が1
5〜90%かつ厚さ150μm以下であるシート状高分
子ゲル電解質形成用多孔質シート状物及びそれを用いた
高分子ゲル電解質にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳しく説明
する。
する。
【0010】本発明における多孔質シート状物は、アク
リロニトリル系重合体の繊維状物10〜100wt%、
さらに好ましくは10〜70wt%と、オレフィン系重
合体の繊維状物90wt%以下、さらに好ましくは90
〜30wt%から構成される必要がある。
リロニトリル系重合体の繊維状物10〜100wt%、
さらに好ましくは10〜70wt%と、オレフィン系重
合体の繊維状物90wt%以下、さらに好ましくは90
〜30wt%から構成される必要がある。
【0011】本発明のシート状物を構成する繊維状高分
子重合体は、高分子重合体を溶融紡糸法、湿式紡糸法、
乾式紡糸法、複合紡糸法による海島繊維形成法、分割繊
維形成法等により紡糸して得た、好ましくは直径1〜2
0μmの短繊維状物、又は、フラッシュ紡糸法や、高分
子重合体の溶液を、その凝固力を有する液体又は気体の
高流速乱流液体流中へ吐出し、せん断流下で凝固するこ
とにより、作られるパルプ状物などが好ましい。この
際、用いる高分子としては2種以上用い複合紡糸法、混
合紡糸法にて繊維状物又はパルプ状物を形成する事がで
きる。
子重合体は、高分子重合体を溶融紡糸法、湿式紡糸法、
乾式紡糸法、複合紡糸法による海島繊維形成法、分割繊
維形成法等により紡糸して得た、好ましくは直径1〜2
0μmの短繊維状物、又は、フラッシュ紡糸法や、高分
子重合体の溶液を、その凝固力を有する液体又は気体の
高流速乱流液体流中へ吐出し、せん断流下で凝固するこ
とにより、作られるパルプ状物などが好ましい。この
際、用いる高分子としては2種以上用い複合紡糸法、混
合紡糸法にて繊維状物又はパルプ状物を形成する事がで
きる。
【0012】上記短繊維状物の場合、繊維の直径は1〜
20μm、長さは2〜5mmが望ましい。これは、直径
が20μmを越える繊維の太さが大きすぎ厚すぎるとシ
ートを作る事が難しくなり、また繊維長が5mmを越え
たものもやはりシート斑の原因となるため好ましくな
い。一方、直径1μm未満の繊維は紡糸が困難になり、
生産性も低く、繊維長2mm未満の繊維を用いて作った
多孔質シートはシートの強度が低下するので好ましくな
い。
20μm、長さは2〜5mmが望ましい。これは、直径
が20μmを越える繊維の太さが大きすぎ厚すぎるとシ
ートを作る事が難しくなり、また繊維長が5mmを越え
たものもやはりシート斑の原因となるため好ましくな
い。一方、直径1μm未満の繊維は紡糸が困難になり、
生産性も低く、繊維長2mm未満の繊維を用いて作った
多孔質シートはシートの強度が低下するので好ましくな
い。
【0013】上記パルプ状物は繊維状の幹から直径が数
μm以下のフィブリルを多数分岐した構造で、このパル
プ状物より作ったシート状物は繊維同士の絡み合いが効
率よく形成されており、薄いシート状物であってもその
取り扱い性に優れていると共にその特異構造により非水
電解液の含浸特性に優れているという特徴を有してい
る。
μm以下のフィブリルを多数分岐した構造で、このパル
プ状物より作ったシート状物は繊維同士の絡み合いが効
率よく形成されており、薄いシート状物であってもその
取り扱い性に優れていると共にその特異構造により非水
電解液の含浸特性に優れているという特徴を有してい
る。
【0014】上記パルプは直径5〜20μmの直径を有
する繊維状の幹から、多数の直径0.2〜1μmのフィ
ブリル繊維が分岐した構造体であることが好ましい。さ
らに、ポリオレフィン重合体からなるパルプ状物の代わ
りとして、ポリオレフィン系繊維を用いることも可能で
あるが、この場合も繊維の直径は20μm以下、長さは
7mm以下が望ましい。
する繊維状の幹から、多数の直径0.2〜1μmのフィ
ブリル繊維が分岐した構造体であることが好ましい。さ
らに、ポリオレフィン重合体からなるパルプ状物の代わ
りとして、ポリオレフィン系繊維を用いることも可能で
あるが、この場合も繊維の直径は20μm以下、長さは
7mm以下が望ましい。
【0015】これら繊維状物より本発明のシート状物を
作るには、通常用いられる不織布製造法、パルプ状物の
分散液を抄紙法により抄造してシート化する方法等を用
いることができるが、薄く均一な多孔質シートを製造す
るのに有利な湿式抄造方式が好ましい。湿式抄造でシー
ト化を行う場合、抄造工程中、湿潤状態のシートをネッ
ト/ネット間のトランスファーを行う必要があり、湿潤
状態のシート強度が必要になる。この強度は繊維同士の
絡みによって得られるものであり、上記アクリロニトリ
ル系重合体パルプの分岐した構造が本発明の多孔質シー
トの強度向上に大きく寄与している。このような構造体
は特開平9−241917号公報に開示されている方法
で効率的に生成することができる。
作るには、通常用いられる不織布製造法、パルプ状物の
分散液を抄紙法により抄造してシート化する方法等を用
いることができるが、薄く均一な多孔質シートを製造す
るのに有利な湿式抄造方式が好ましい。湿式抄造でシー
ト化を行う場合、抄造工程中、湿潤状態のシートをネッ
ト/ネット間のトランスファーを行う必要があり、湿潤
状態のシート強度が必要になる。この強度は繊維同士の
絡みによって得られるものであり、上記アクリロニトリ
ル系重合体パルプの分岐した構造が本発明の多孔質シー
トの強度向上に大きく寄与している。このような構造体
は特開平9−241917号公報に開示されている方法
で効率的に生成することができる。
【0016】上記アクリロニトリル系重合体は、アクリ
ロニトリルを主成分とする重合体であり、その有機電解
液とのゲル形成の点および得られる高分子ゲルのイオン
伝導性の点から、アクリロニトリルユニットを50mo
l%以上、特に70mol%以上含有する事が好まし
い。
ロニトリルを主成分とする重合体であり、その有機電解
液とのゲル形成の点および得られる高分子ゲルのイオン
伝導性の点から、アクリロニトリルユニットを50mo
l%以上、特に70mol%以上含有する事が好まし
い。
【0017】リチウム二次電池に使用されるイオン導電
性のポリマーゲル電解質として、有機電解液に溶解可能
な、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリエチレングリ
コール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリ
デンなどが提案されている。中でも、アクリロニトリル
系共重合体は、イオン導電性、安全性の確保、繊維構造
体への賦形性能の面で、他の有機高分子材料に比べて、
本発明の多孔質シートを効率的に構成する事ができる。
性のポリマーゲル電解質として、有機電解液に溶解可能
な、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリエチレングリ
コール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリ
デンなどが提案されている。中でも、アクリロニトリル
系共重合体は、イオン導電性、安全性の確保、繊維構造
体への賦形性能の面で、他の有機高分子材料に比べて、
本発明の多孔質シートを効率的に構成する事ができる。
【0018】アクリロニトリルとの共重合成分として
は、該共重合体の非水溶媒への溶解性と得られた高分子
ゲルのイオン伝導性を損なわない限り、特に限定するも
のではなく、例えばアルキル(メタ)アクリレート、酢
酸ビニル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、スチレンなどが用いられる。中でも、アクリル
酸エステルユニット或いは酢酸ビニルユニットを10m
ol%以下含有するアクリロニトリル系共重合体である
ことが好ましい。このようなコモノマーを共重合するこ
とにより、これらのアクリロニトリル系重合体は、例え
ばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチ
ルメチルカーボネート等の低粘度溶媒を含む電解液でも
ゲル形成が可能になり、低温においても高いイオン伝導
度を有するゲル電解質となりうる。
は、該共重合体の非水溶媒への溶解性と得られた高分子
ゲルのイオン伝導性を損なわない限り、特に限定するも
のではなく、例えばアルキル(メタ)アクリレート、酢
酸ビニル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、スチレンなどが用いられる。中でも、アクリル
酸エステルユニット或いは酢酸ビニルユニットを10m
ol%以下含有するアクリロニトリル系共重合体である
ことが好ましい。このようなコモノマーを共重合するこ
とにより、これらのアクリロニトリル系重合体は、例え
ばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチ
ルメチルカーボネート等の低粘度溶媒を含む電解液でも
ゲル形成が可能になり、低温においても高いイオン伝導
度を有するゲル電解質となりうる。
【0019】また、上記オレフィン系重合体の繊維状物
は、シート長手方向及びシート厚み方向の強度向上のた
めに必要である。リチウムイオン二次電池の通常の製造
工程は、正極と負極の間にセパレータを挟んだ積層物に
張力をかけてロール状に巻き取る工程である。したがっ
て、ゲル電解質前駆体である本発明の多孔質シートは、
現行セパレータの代わりとして、上記製造工程に組み込
むことができることが好ましく、上記巻き取り張力に対
し破断しないだけの強度を有する。この様な強度を有す
る本発明の多孔質シートは、上記アクリロニトリル系共
重合体の繊維状物をオレフィン系重合体の繊維状物を混
抄紙することによって得られる。オレフィン系重合体か
らなる繊維状高分子重合体は、アクリロニトリル系共重
合体からなる繊維状高分子重合体と混抄紙したのち、該
オレフィン重合体の溶融温度以上でプレス処理すること
により、一部又は全部が溶融結着し、シート内部に連続
層を形成し、シート強度、特にシート厚み方向強度を高
める事ができる。かくの如き熱処理により作成した本発
明の多孔質シートは次の如き方法で測定した。シートの
厚み方向の強度は1.3N以上、好ましくは1.5N、
より好ましくは2.0N以上のものとすることがよい。
かくの如き多孔質シートの厚さ方向の強度の高いものは
ソフトショートの起こりにくい高分子ゲル電解質とする
ことができるとともに、この連続層は、有機電解液に不
溶な連続層となり、電池内部に組み込まれた後はセパレ
ータとして有効に働く。
は、シート長手方向及びシート厚み方向の強度向上のた
めに必要である。リチウムイオン二次電池の通常の製造
工程は、正極と負極の間にセパレータを挟んだ積層物に
張力をかけてロール状に巻き取る工程である。したがっ
て、ゲル電解質前駆体である本発明の多孔質シートは、
現行セパレータの代わりとして、上記製造工程に組み込
むことができることが好ましく、上記巻き取り張力に対
し破断しないだけの強度を有する。この様な強度を有す
る本発明の多孔質シートは、上記アクリロニトリル系共
重合体の繊維状物をオレフィン系重合体の繊維状物を混
抄紙することによって得られる。オレフィン系重合体か
らなる繊維状高分子重合体は、アクリロニトリル系共重
合体からなる繊維状高分子重合体と混抄紙したのち、該
オレフィン重合体の溶融温度以上でプレス処理すること
により、一部又は全部が溶融結着し、シート内部に連続
層を形成し、シート強度、特にシート厚み方向強度を高
める事ができる。かくの如き熱処理により作成した本発
明の多孔質シートは次の如き方法で測定した。シートの
厚み方向の強度は1.3N以上、好ましくは1.5N、
より好ましくは2.0N以上のものとすることがよい。
かくの如き多孔質シートの厚さ方向の強度の高いものは
ソフトショートの起こりにくい高分子ゲル電解質とする
ことができるとともに、この連続層は、有機電解液に不
溶な連続層となり、電池内部に組み込まれた後はセパレ
ータとして有効に働く。
【0020】多孔質シートの厚さ方向の強度は、該多孔
質シートを径10mmのワッシャーに固定し、シート面
にその垂直方向から直径1mm先端の曲率半径0.5m
mの針を200mm/minの速度で押圧し、シートが
破断した際の突刺荷重を定し、この値を多孔質シ−トの
厚み方向の強度とした。このオレフィン系重合体として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることが好
ましい。
質シートを径10mmのワッシャーに固定し、シート面
にその垂直方向から直径1mm先端の曲率半径0.5m
mの針を200mm/minの速度で押圧し、シートが
破断した際の突刺荷重を定し、この値を多孔質シ−トの
厚み方向の強度とした。このオレフィン系重合体として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることが好
ましい。
【0021】本発明における多孔質シート状物は、アク
リロニトリル系共重合体からなる繊維状高分子重合体と
ポリオレフィン系共重合体からなる繊維状高分子重合体
から構成されることを必要とする。オレフィン系重合体
の割合を増やすほど、シート長手方向及び厚さ方向の強
度が向上し、短絡の危険性が減少する。好ましくは、ア
クリロニトリル系重合体のパルプとポリオレフィン系重
合体繊維状物との混合の割合は10〜70質量%/90
〜30質量%である。オレフィン系重合体繊維状物の割
合が90質量%を越えると、シート状物を湿式抄造する
際の湿式強度が低くなるので好ましくない。
リロニトリル系共重合体からなる繊維状高分子重合体と
ポリオレフィン系共重合体からなる繊維状高分子重合体
から構成されることを必要とする。オレフィン系重合体
の割合を増やすほど、シート長手方向及び厚さ方向の強
度が向上し、短絡の危険性が減少する。好ましくは、ア
クリロニトリル系重合体のパルプとポリオレフィン系重
合体繊維状物との混合の割合は10〜70質量%/90
〜30質量%である。オレフィン系重合体繊維状物の割
合が90質量%を越えると、シート状物を湿式抄造する
際の湿式強度が低くなるので好ましくない。
【0022】さらに、本発明の多孔質シート状物の空孔
率は15〜90%、更に好ましくは15〜80%である
ことが必要である。このシート状物中の空孔はゲル電解
質としたときに高いイオン伝導度を維持するためであ
り、その尺度として空孔率を用いる。ここで言う空孔率
とは空孔率=(空孔容積/シート容積)×100の数式
から算出される、シートにおける空隙の体積分率であ
る。空孔率が15%未満のシート状物であれば、電解液
の浸透性が低く、十分にシート内部まで電解液が行き渡
らず、イオン伝導度の高い高分子ゲルを作る事が難し
い。また、空孔率が90%を越えると、シート強度が弱
くなり好ましくない。
率は15〜90%、更に好ましくは15〜80%である
ことが必要である。このシート状物中の空孔はゲル電解
質としたときに高いイオン伝導度を維持するためであ
り、その尺度として空孔率を用いる。ここで言う空孔率
とは空孔率=(空孔容積/シート容積)×100の数式
から算出される、シートにおける空隙の体積分率であ
る。空孔率が15%未満のシート状物であれば、電解液
の浸透性が低く、十分にシート内部まで電解液が行き渡
らず、イオン伝導度の高い高分子ゲルを作る事が難し
い。また、空孔率が90%を越えると、シート強度が弱
くなり好ましくない。
【0023】また、本発明の多孔質シートは厚さが15
0μm以下、さらに好ましくは100μm以下である事
が必要である。シート状物の厚みが150μmを越える
と、該シート状物を用いた高分子ゲル電解質の内部抵抗
が増大し好ましくない。
0μm以下、さらに好ましくは100μm以下である事
が必要である。シート状物の厚みが150μmを越える
と、該シート状物を用いた高分子ゲル電解質の内部抵抗
が増大し好ましくない。
【0024】本発明の多孔質シートの好適な製造方法と
しては、湿式抄造方式が好ましく用いることが出来る。
これらの抄紙法においては、アクリロニトリル系重合体
パルプとオレフィン系重合体パルプを混抄紙することで
前述したような厚さ30〜150μmの多孔質シート状
物を作る事ができ、さらに該多孔質シートをヒートプレ
スする事により、多孔質シート中の該オレフィン系重合
体の溶融結着することにより、厚さ15〜100μmの
均一な多孔質シートを製造する事が可能である。また製
造された多孔質シートには、繊維間に適度な空間を有し
ており、特別な多孔化処理を必要としない。またシート
の空孔率はアクリロニトリル系重合体フィブリル化繊維
の直径や分岐度などの形状や、配合比、坪量、抄紙後の
プレス温度、圧力などを変えることにより、制御するこ
とが可能である。
しては、湿式抄造方式が好ましく用いることが出来る。
これらの抄紙法においては、アクリロニトリル系重合体
パルプとオレフィン系重合体パルプを混抄紙することで
前述したような厚さ30〜150μmの多孔質シート状
物を作る事ができ、さらに該多孔質シートをヒートプレ
スする事により、多孔質シート中の該オレフィン系重合
体の溶融結着することにより、厚さ15〜100μmの
均一な多孔質シートを製造する事が可能である。また製
造された多孔質シートには、繊維間に適度な空間を有し
ており、特別な多孔化処理を必要としない。またシート
の空孔率はアクリロニトリル系重合体フィブリル化繊維
の直径や分岐度などの形状や、配合比、坪量、抄紙後の
プレス温度、圧力などを変えることにより、制御するこ
とが可能である。
【0025】本発明の高分子ゲル電解質を作るに際して
用いる非水電解液としてはイオン導電を行わせる電解質
塩と、当該電解質を溶解する非水溶媒とからなるもので
ある。電解質塩としては種々の有機、無機の電解質塩を
用い、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、
LiCF3SO3、LiAsF6、LiSCN、Li
I、LiAlO4をその代表例として挙げることができ
る。また非水溶媒としては、非誘電率が高いこと、化学
的に特に電気化学的に安定であること、長期保存安定性
に優れている事などが要求され、環状カーボネート類、
鎖状カーボネート類を用いることが好ましく、例えば、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート等の環状カーボネート、γ−ブチロラ
クトン等の環状エステル、テトラメチルスルフォラン、
N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、ヘキサメ
チルスルフォアミド、ピリジンやこれらの誘導体等の
他、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエ
トキシエタン等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテル、ジメチル
カーボネートやジエチルカーボネート等の鎖状カーボネ
ートやこれらの誘導体、アセトニトリル、ニトロメタ
ン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げ
ることができる。
用いる非水電解液としてはイオン導電を行わせる電解質
塩と、当該電解質を溶解する非水溶媒とからなるもので
ある。電解質塩としては種々の有機、無機の電解質塩を
用い、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、
LiCF3SO3、LiAsF6、LiSCN、Li
I、LiAlO4をその代表例として挙げることができ
る。また非水溶媒としては、非誘電率が高いこと、化学
的に特に電気化学的に安定であること、長期保存安定性
に優れている事などが要求され、環状カーボネート類、
鎖状カーボネート類を用いることが好ましく、例えば、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート等の環状カーボネート、γ−ブチロラ
クトン等の環状エステル、テトラメチルスルフォラン、
N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、ヘキサメ
チルスルフォアミド、ピリジンやこれらの誘導体等の
他、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエ
トキシエタン等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテル、ジメチル
カーボネートやジエチルカーボネート等の鎖状カーボネ
ートやこれらの誘導体、アセトニトリル、ニトロメタ
ン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げ
ることができる。
【0026】本発明の高分子ゲル電解質は、本発明の繊
維質シート状物に非水電解液を含浸し繊維状物をゲル化
せしめることにより作られるが、リチウム二次電池を作
る場合には正極活物質シートと負極活物質シートとの間
に予め非水電解質を含浸し、ゲル化した本発明のシート
状の高分子ゲル電解質を挟持固定化するか、或いは正極
活物質シートと負極活物質シートとの間に本発明の繊維
質シート状物を挟持させた後、非水電解液を含浸し、ゲ
ル化させる方法も取り得る。本発明の繊維状高分子重合
体を用いたシート状物は非水電解液の含浸、ゲル化が容
易であり、従来開発されてきた高分子ゲル電解質に比
べ、ゲル状固体電解質層の形成が極めて容易であり、そ
の取り扱い性が良好であるという大きな特徴を有してい
る。
維質シート状物に非水電解液を含浸し繊維状物をゲル化
せしめることにより作られるが、リチウム二次電池を作
る場合には正極活物質シートと負極活物質シートとの間
に予め非水電解質を含浸し、ゲル化した本発明のシート
状の高分子ゲル電解質を挟持固定化するか、或いは正極
活物質シートと負極活物質シートとの間に本発明の繊維
質シート状物を挟持させた後、非水電解液を含浸し、ゲ
ル化させる方法も取り得る。本発明の繊維状高分子重合
体を用いたシート状物は非水電解液の含浸、ゲル化が容
易であり、従来開発されてきた高分子ゲル電解質に比
べ、ゲル状固体電解質層の形成が極めて容易であり、そ
の取り扱い性が良好であるという大きな特徴を有してい
る。
【0027】本発明の繊維状シート状物と非水電解液と
の含浸比は95/5〜10/90(質量比)の割合を通
常用いることが出来るが、より好ましくは40/60〜
10/90(質量比)の割合である。本発明の繊維状シ
ート状物に非水電解液を含浸させると、非水電解液は、
本発明の繊維状シート状物の毛管現象を利用して極めて
短時間にシート状物を構成する繊維間に均一に浸透し、
適切な温度条件、ゲル化条件を設定することにより本発
明の高分子ゲル電解質とすることができる。本発明の繊
維質シート状物を構成する繊維として、細い繊維やフィ
ブリル状物、パルプ状物を用いたシート状物は繊維自体
の表面積を大きくすることができるため、非水電解液と
の接触性が特に良好であり、短時間で高分子ゲル電解質
を作り得るという大きな特徴を有する。
の含浸比は95/5〜10/90(質量比)の割合を通
常用いることが出来るが、より好ましくは40/60〜
10/90(質量比)の割合である。本発明の繊維状シ
ート状物に非水電解液を含浸させると、非水電解液は、
本発明の繊維状シート状物の毛管現象を利用して極めて
短時間にシート状物を構成する繊維間に均一に浸透し、
適切な温度条件、ゲル化条件を設定することにより本発
明の高分子ゲル電解質とすることができる。本発明の繊
維質シート状物を構成する繊維として、細い繊維やフィ
ブリル状物、パルプ状物を用いたシート状物は繊維自体
の表面積を大きくすることができるため、非水電解液と
の接触性が特に良好であり、短時間で高分子ゲル電解質
を作り得るという大きな特徴を有する。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されるもので
はない。
説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されるもので
はない。
【0029】〔実施例1〕ポリアクリロニトリルをジメ
チルアセトアミドに濃度が13wt%になるように溶解
した。この重合体溶液を、特開平9−241917号公
報に開示されている手法に準じて、直径が0.2mmφ
の溶液吐出口、直径が2mmφ、長さが10mmの円筒
状の混合セル部、水蒸気流路がスリット状で開度を25
0μmに調整し、溶液流路の中心線とスリット中心線の
なす角度が60度になるように作成したノズルを用い
て、該高分子溶液の供給量を40ml/min、水蒸気
の供給圧を0.39MPaとして、温度30℃の水中へ
噴出し、ポリアクリロニトリル重合体パルプ状物を得
た。
チルアセトアミドに濃度が13wt%になるように溶解
した。この重合体溶液を、特開平9−241917号公
報に開示されている手法に準じて、直径が0.2mmφ
の溶液吐出口、直径が2mmφ、長さが10mmの円筒
状の混合セル部、水蒸気流路がスリット状で開度を25
0μmに調整し、溶液流路の中心線とスリット中心線の
なす角度が60度になるように作成したノズルを用い
て、該高分子溶液の供給量を40ml/min、水蒸気
の供給圧を0.39MPaとして、温度30℃の水中へ
噴出し、ポリアクリロニトリル重合体パルプ状物を得
た。
【0030】このポリアクリロニトリル重合体パルプ状
物を、水に分散し家庭用ミキサーで10分間叩解処理を
行った。叩解処理後の水分散液を一部取り出し、乾燥し
て得たパルプを走査型電子顕微鏡を用いて形態観察を行
ったところ、直径5〜20μmの直径を有する繊維状の
幹から、多数の直径0.2μm〜1μm程度のフィブリ
ル状の繊維が分岐している構造が認められた。
物を、水に分散し家庭用ミキサーで10分間叩解処理を
行った。叩解処理後の水分散液を一部取り出し、乾燥し
て得たパルプを走査型電子顕微鏡を用いて形態観察を行
ったところ、直径5〜20μmの直径を有する繊維状の
幹から、多数の直径0.2μm〜1μm程度のフィブリ
ル状の繊維が分岐している構造が認められた。
【0031】上記の如くして得たポリアクリロニトリル
重合体パルプ状物10質量部とポリエチレンパルプ状物
10質量部を混合し、この混合物の水分散液を調製し
た。この水分散液を用いて、標準角形シートマシンを用
いてJIS P−8209法に準じて湿式抄紙を行っ
た。
重合体パルプ状物10質量部とポリエチレンパルプ状物
10質量部を混合し、この混合物の水分散液を調製し
た。この水分散液を用いて、標準角形シートマシンを用
いてJIS P−8209法に準じて湿式抄紙を行っ
た。
【0032】得られた繊維質シート状物の坪量は22g
/m2、シート平均厚みをJIS8118に準じて測定
したところ105μmであった。このシートを裁断し短
冊状の試験片を調製し、JIS P−8113に準じて
試験片の引っ張り強さ試験を行った。15mm幅の試験
片は12.7N/15mmの破断強度を有していた。こ
のシートの空孔率を数式:空孔率=(空孔容積/シート
容積)×100から算出したところ、81%であった。
/m2、シート平均厚みをJIS8118に準じて測定
したところ105μmであった。このシートを裁断し短
冊状の試験片を調製し、JIS P−8113に準じて
試験片の引っ張り強さ試験を行った。15mm幅の試験
片は12.7N/15mmの破断強度を有していた。こ
のシートの空孔率を数式:空孔率=(空孔容積/シート
容積)×100から算出したところ、81%であった。
【0033】この多孔質シートを表面温度150℃に設
定したプレスロールを用いてプレス熱処理を行った。プ
レス熱処理後のシートは、シート厚35μm、引っ張り
強度20.6N/15mm幅、空孔率42%の多孔質シ
ートであった。シートの厚さ方向の強度評価のため、多
孔質シートを10mmのワッシャーに固定し、垂直方向
より直径1mm、先端の曲率半径0.5mmの針を20
0mm/minの速度で押し、シートが破れる際の荷重
を突き刺し荷重と定義した。この多孔質シートの厚さ方
向の強度を測定したところ、2.6Nであった。
定したプレスロールを用いてプレス熱処理を行った。プ
レス熱処理後のシートは、シート厚35μm、引っ張り
強度20.6N/15mm幅、空孔率42%の多孔質シ
ートであった。シートの厚さ方向の強度評価のため、多
孔質シートを10mmのワッシャーに固定し、垂直方向
より直径1mm、先端の曲率半径0.5mmの針を20
0mm/minの速度で押し、シートが破れる際の荷重
を突き刺し荷重と定義した。この多孔質シートの厚さ方
向の強度を測定したところ、2.6Nであった。
【0034】この多孔質シートを直径42mmの丸形に
打ち抜いた。支持電解質として1mol/kgのLiP
F6を含むプロピレンカーボネート(以下、PCと呼称
する)/エチレンカーボネート(以下、ECと呼称す
る)の質量比1:3混合溶液を本打ち抜きシートに含浸
させたものは繊維質シートの2.6倍の非水電解質溶液
を担持した。
打ち抜いた。支持電解質として1mol/kgのLiP
F6を含むプロピレンカーボネート(以下、PCと呼称
する)/エチレンカーボネート(以下、ECと呼称す
る)の質量比1:3混合溶液を本打ち抜きシートに含浸
させたものは繊維質シートの2.6倍の非水電解質溶液
を担持した。
【0035】非水電解液含浸操作後のシートを密閉容器
中に移し130℃で5分間保持し熱処理した後、室温で
6時間保持したものを偏光顕微鏡を用いてクロスニコル
下で観察したところ、熱処理前のものはパルプ状重合体
に基づく異方性構造が観察されたが、熱処理後のものに
はこの異方性構造は観察されなかった。
中に移し130℃で5分間保持し熱処理した後、室温で
6時間保持したものを偏光顕微鏡を用いてクロスニコル
下で観察したところ、熱処理前のものはパルプ状重合体
に基づく異方性構造が観察されたが、熱処理後のものに
はこの異方性構造は観察されなかった。
【0036】この加熱後の電解質を含む多孔質シート
(以下、電解質シートと呼称する)の電気的特性の評価
を、ヒューレットパッカード製プレシジョンLCRメー
ター4284Aを用い、交流インピーダンス法により測
定した。測定に用いたイオン伝導度測定用のアタッチメ
ントは、対向する直径14.8mmの円盤状ステンレス
製電極よりなり、この電極間に電解質シートを挟んだ。
測定時は、バネを利用して両極間に11.8kPaの荷
重を与え、試料とステンレス製電極との密着性を一定に
保った。なおこれらの操作はアルゴン置換したグローブ
ボックス中で行った。
(以下、電解質シートと呼称する)の電気的特性の評価
を、ヒューレットパッカード製プレシジョンLCRメー
ター4284Aを用い、交流インピーダンス法により測
定した。測定に用いたイオン伝導度測定用のアタッチメ
ントは、対向する直径14.8mmの円盤状ステンレス
製電極よりなり、この電極間に電解質シートを挟んだ。
測定時は、バネを利用して両極間に11.8kPaの荷
重を与え、試料とステンレス製電極との密着性を一定に
保った。なおこれらの操作はアルゴン置換したグローブ
ボックス中で行った。
【0037】周波数100Hzから1MHzの範囲でピ
ーク電圧20mVの交流を印加し、試料の複素インピー
ダンスを測定した。測定で得られた複素インピーダンス
の軌跡をコールコールプロット法により解析し、高周波
側で実軸上と交わる点を試料の抵抗値として、電極面積
と電極間距離よりイオン伝導度を導出した。25℃での
試料のイオン伝導度は1.2mS/cmであった。
ーク電圧20mVの交流を印加し、試料の複素インピー
ダンスを測定した。測定で得られた複素インピーダンス
の軌跡をコールコールプロット法により解析し、高周波
側で実軸上と交わる点を試料の抵抗値として、電極面積
と電極間距離よりイオン伝導度を導出した。25℃での
試料のイオン伝導度は1.2mS/cmであった。
【0038】〔実施例2〕実施例1で用いたポリアクリ
ロニトリル重合体パルプ状物5質量部と実施例1で用い
たポリエチレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例
1と同様な方法で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシー
トを得た。
ロニトリル重合体パルプ状物5質量部と実施例1で用い
たポリエチレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例
1と同様な方法で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシー
トを得た。
【0039】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み30
μm、引っ張り強度26.5N/15mm、空孔率33
%の多孔質シ−トを得た。この多孔質シ−トの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.3Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み30
μm、引っ張り強度26.5N/15mm、空孔率33
%の多孔質シ−トを得た。この多孔質シ−トの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.3Nであった。
【0040】この多孔質に実施例1と同様に電解液を含
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、1.0
mS/cmであった。
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、1.0
mS/cmであった。
【0041】〔実施例3〕重合体組成がアクリロニトリ
ル93mol%、酢酸ビニル7mol%のアクリロニト
リル系共重合体から、実施例1と同様な方法でアクリロ
ニトリル系共重合体パルプ状物を得た。
ル93mol%、酢酸ビニル7mol%のアクリロニト
リル系共重合体から、実施例1と同様な方法でアクリロ
ニトリル系共重合体パルプ状物を得た。
【0042】このポリアクリロニトリル系共重合体パル
プ状物10質量部と実施例1で用いたポリエチレンパル
プ状物10質量部を混合し、実施例1と同様な方式で、
坪量20g/m2の多孔質シートを作成した。
プ状物10質量部と実施例1で用いたポリエチレンパル
プ状物10質量部を混合し、実施例1と同様な方式で、
坪量20g/m2の多孔質シートを作成した。
【0043】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み33
μm、引っ張り強度19.6N/15mm、空孔率44
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、2.5Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み33
μm、引っ張り強度19.6N/15mm、空孔率44
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、2.5Nであった。
【0044】この多孔質に支持電解質として1mol/
kgのLiPF6を含むEC/ジエチルカーボネート
(以下、DECと呼称する)の質量比2:1電解液を含
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、1.6
mS/cmであった。
kgのLiPF6を含むEC/ジエチルカーボネート
(以下、DECと呼称する)の質量比2:1電解液を含
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、1.6
mS/cmであった。
【0045】〔実施例4〕実施例3で用いたアクリロニ
トリル系共重合体パルプ状物5質量部と実施例1で用い
たポリエチレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例
1と同様な方式で、坪量23g/m2の多孔質シートを
作成した。
トリル系共重合体パルプ状物5質量部と実施例1で用い
たポリエチレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例
1と同様な方式で、坪量23g/m2の多孔質シートを
作成した。
【0046】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み29
μm、引っ張り強度23.5N/15mm、空孔率24
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.0Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み29
μm、引っ張り強度23.5N/15mm、空孔率24
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.0Nであった。
【0047】この多孔質シートに実施例3と同様に電解
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.1mS/cmであった。
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.1mS/cmであった。
【0048】〔実施例5〕実施例3で用いたアクリロニ
トリル93mol%、酢酸ビニル7mol%の重合体1
8質量部を、82質量部のジメチルアセトアミドに溶解
し、アクリロニトリル重合体溶液を作成した。この溶液
を孔径0.027mmφのノズルより凝固液中に押し出
し、洗浄、延伸、乾燥後0.2dtexのアクリロニト
リル系繊維を得た。
トリル93mol%、酢酸ビニル7mol%の重合体1
8質量部を、82質量部のジメチルアセトアミドに溶解
し、アクリロニトリル重合体溶液を作成した。この溶液
を孔径0.027mmφのノズルより凝固液中に押し出
し、洗浄、延伸、乾燥後0.2dtexのアクリロニト
リル系繊維を得た。
【0049】上記の如くして得たアクリロニトリル系繊
維を3mmにカットしたもの5質量部と実施例1で用い
たポリエチレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例
1と同様な方法で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシー
トを得た。
維を3mmにカットしたもの5質量部と実施例1で用い
たポリエチレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例
1と同様な方法で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシー
トを得た。
【0050】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み30
μm、引っ張り強度24.5N/15mm空孔率33%
の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向の
強度を測定したところ、3.3Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み30
μm、引っ張り強度24.5N/15mm空孔率33%
の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向の
強度を測定したところ、3.3Nであった。
【0051】この多孔質シートに実施例3と同様に電解
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.2mS/cmであった。
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.2mS/cmであった。
【0052】〔実施例6〕実施例3で用いた組成がアク
リロニトリル93mol%、酢酸ビニル7mol%のポ
リアクリロニトリル系パルプ5質量部と実施例5で用い
た組成がアクリロニトリル93mol%、酢酸ビニル7
mol%でカット長3mmのポリアクリロニトリル系短
繊維5質量部、実施例1で用いたポリエチレンパルプ状
物10質量部を混合し、実施例1と同様な方式で、坪量
20g/m2の多孔質シートを作成した。
リロニトリル93mol%、酢酸ビニル7mol%のポ
リアクリロニトリル系パルプ5質量部と実施例5で用い
た組成がアクリロニトリル93mol%、酢酸ビニル7
mol%でカット長3mmのポリアクリロニトリル系短
繊維5質量部、実施例1で用いたポリエチレンパルプ状
物10質量部を混合し、実施例1と同様な方式で、坪量
20g/m2の多孔質シートを作成した。
【0053】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み31
μm、引っ張り強度21.6N/15mm、空孔率40
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、2.0Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み31
μm、引っ張り強度21.6N/15mm、空孔率40
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、2.0Nであった。
【0054】この多孔質シートに実施例3と同様に電解
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.7mS/cmであった。
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.7mS/cmであった。
【0055】〔実施例7〕実施例1で用いたポリアクリ
ロニトリル重合体パルプ状物5質量部とポリプロピレン
パルプ状物15質量部を混合し、実施例1と同様な方法
で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシートを得た。
ロニトリル重合体パルプ状物5質量部とポリプロピレン
パルプ状物15質量部を混合し、実施例1と同様な方法
で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシートを得た。
【0056】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み25
μm、引っ張り強度18.6N/15mm、空孔率22
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、2.1Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み25
μm、引っ張り強度18.6N/15mm、空孔率22
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、2.1Nであった。
【0057】この多孔質に実施例1と同様に電解液を含
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、0.9
mS/cmであった。
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、0.9
mS/cmであった。
【0058】〔実施例8〕重合体組成がアクリロニトリ
ル75mol%、メタクリロニトリル25mol%のア
クリロニトリル系共重合体から実施例1と同様な方法で
アクリロニトリル系共重合体パルプ状物を得た。
ル75mol%、メタクリロニトリル25mol%のア
クリロニトリル系共重合体から実施例1と同様な方法で
アクリロニトリル系共重合体パルプ状物を得た。
【0059】このポリアクリロニトリル系共重合体パル
プ状物10質量部と実施例1で用いたポリエチレンパル
プ状物10質量部を混合し、実施例1と同様な方式で、
坪量22g/m2の多孔質シートを作成した。
プ状物10質量部と実施例1で用いたポリエチレンパル
プ状物10質量部を混合し、実施例1と同様な方式で、
坪量22g/m2の多孔質シートを作成した。
【0060】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み34
μm、引っ張り強度21.6N/15mm、空孔率39
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.1Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み34
μm、引っ張り強度21.6N/15mm、空孔率39
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.1Nであった。
【0061】この多孔質に実施例3と同様に電解液を含
浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したところ、1.
7mS/cmであった。
浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したところ、1.
7mS/cmであった。
【0062】〔実施例9〕実施例1で用いたポリアクリ
ロニトリル系パルプ10質量部と実施例5で用いた組成
がアクリロニトリル93mol%、酢酸ビニル7mol
%でカット長3mmのポリアクリロニトリル系短繊維1
0質量部を混合し、実施例1と同様な方法で湿式抄紙
し、坪量25g/m2のシートを得た。
ロニトリル系パルプ10質量部と実施例5で用いた組成
がアクリロニトリル93mol%、酢酸ビニル7mol
%でカット長3mmのポリアクリロニトリル系短繊維1
0質量部を混合し、実施例1と同様な方法で湿式抄紙
し、坪量25g/m2のシートを得た。
【0063】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み35
μm、引っ張り強度17.7N/15mm、空孔率37
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、1.6Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み35
μm、引っ張り強度17.7N/15mm、空孔率37
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、1.6Nであった。
【0064】この多孔質に実施例1と同様に電解液を含
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、2.1
mS/cmであった。
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、2.1
mS/cmであった。
【0065】〔比較例1〕実施例1で用いたポリアクリ
ロニトリル系パルプ5質量部と実施例1で用いたポリエ
チレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例1と同様
な方法で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシートを得
た。
ロニトリル系パルプ5質量部と実施例1で用いたポリエ
チレンパルプ状物15質量部を混合し、実施例1と同様
な方法で湿式抄紙し、坪量21g/m2のシートを得
た。
【0066】得られたシートを175℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み23
μm、引っ張り強度26.5N/15mm、空孔率13
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.5Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み23
μm、引っ張り強度26.5N/15mm、空孔率13
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、3.5Nであった。
【0067】この多孔質に実施例1と同様に電解液を含
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、0.4
mS/cmであった。
浸させ熱処理し、電気伝導度を測定したところ、0.4
mS/cmであった。
【0068】〔比較例2〕実施例5で用いた組成がアク
リロニトリル93mol%、酢酸ビニル7mol%でカ
ット長3mmのポリアクリロニトリル系短繊維5質量
部、実施例1で用いたポリエチレンパルプ状物15質量
部を混合し、実施例1と同様な方式で、坪量25g/m
2の多孔質シートを作成した。
リロニトリル93mol%、酢酸ビニル7mol%でカ
ット長3mmのポリアクリロニトリル系短繊維5質量
部、実施例1で用いたポリエチレンパルプ状物15質量
部を混合し、実施例1と同様な方式で、坪量25g/m
2の多孔質シートを作成した。
【0069】得られたシートは厚み260μm、引っ張
り強度12.7N/15mm、空孔率91%であった。
この多孔質シートの厚さ方向の強度を測定したところ、
1.2Nであった。
り強度12.7N/15mm、空孔率91%であった。
この多孔質シートの厚さ方向の強度を測定したところ、
1.2Nであった。
【0070】この多孔質シートに実施例3と同様に電解
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.4mS/cmであった。
液を含浸させ熱処理し、イオン伝導度を測定したとこ
ろ、1.4mS/cmであった。
【0071】〔比較例3〕実施例1で用いたポリエチレ
ンパルプ状物のみから湿式抄紙で坪量22g/m 2のシ
−トを得た。
ンパルプ状物のみから湿式抄紙で坪量22g/m 2のシ
−トを得た。
【0072】得られたシートを150℃に設定したプレ
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み29
μm、引っ張り強度32.4N/15mm、空孔率18
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、4.0Nであった。
スロールを用いてプレス処理を行ったところ、厚み29
μm、引っ張り強度32.4N/15mm、空孔率18
%の多孔質シートを得た。この多孔質シートの厚さ方向
の強度を測定したところ、4.0Nであった。
【0073】この多孔質に実施例1と同様に電解液を含
浸させ熱処理したところ、この含浸シートは電解液を保
持できず、液の漏れ出しが顕著であった。
浸させ熱処理したところ、この含浸シートは電解液を保
持できず、液の漏れ出しが顕著であった。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明の多孔質シートはその厚み方向の
強度が優れており、有機電解液を含浸して膨潤又は/及
びゲル化させ、電解質シートとして用いた場合、非水電
解液との漏れ性及び含浸性から膨潤又は/及びゲル化を
容易に行わしめることが出来、また良好な力学的特性も
有している。また本発明の固体電解質シートは、その取
り扱い性も良好であり、かつ高いイオン伝導性を有する
にもかかわらず、電解液の漏れがないという大きな特徴
を有するものである。
強度が優れており、有機電解液を含浸して膨潤又は/及
びゲル化させ、電解質シートとして用いた場合、非水電
解液との漏れ性及び含浸性から膨潤又は/及びゲル化を
容易に行わしめることが出来、また良好な力学的特性も
有している。また本発明の固体電解質シートは、その取
り扱い性も良好であり、かつ高いイオン伝導性を有する
にもかかわらず、電解液の漏れがないという大きな特徴
を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/038 H01M 2/16 P 9/02 10/40 B H01M 2/16 H01G 9/00 301D 10/40 301C (72)発明者 浜田 光夫 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4F074 AA16 AA49 CB91 CC30Y DA49 4L047 AA14 AA17 AA28 AB02 AB09 BA22 CA19 CB01 CC12 4L055 AF16 AF17 AF21 AF27 AF29 AF39 AF46 EA04 EA07 EA08 EA16 EA18 EA29 FA11 GA50 5H021 BB12 CC01 CC02 EE01 EE04 EE06 EE11 EE15 HH01 HH02 HH03 HH06 5H029 AJ06 AJ11 AJ15 AK03 AL06 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ23 DJ04 DJ15 EJ12 EJ14 HJ00 HJ02 HJ04 HJ05 HJ09
Claims (10)
- 【請求項1】アクリロニトリル系重合体の繊維状物10
〜100wt%、オレフィン系重合体の繊維状物90w
t%以下から構成され、空孔率が15〜90%かつ厚さ
150μm以下であることを特徴とする高分子ゲル電解
質形成用多孔質シート状物。 - 【請求項2】多孔質シートの厚さ方向の強度が1.3N
以上であることを特徴とする請求項1記載の多孔質シー
ト。 - 【請求項3】アクリロニトリル系重合体の繊維状物10
〜70wt%、オレフィン系重合体の繊維状物90〜3
0wt%から構成され、空孔率が15〜80%かつ厚さ
100μm以下であることを特徴とする請求項1又は2
記載の多孔質シート状物。 - 【請求項4】前記アクリロニトリル系重合体として、ア
クリロニトリルユニットを50mol%以上含有するこ
とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項
記載の多孔質シート状物。 - 【請求項5】前記アクリロニトリル系重合体として、ア
クリル酸エステルユニットあるいは酢酸ビニルユニット
を10mol%以下含有する共重合体を用いることを特
徴とする請求項4記載の多孔質シート状物。 - 【請求項6】前記オレフィン系重合体が、ポリエチレン
及び/又はポリプロピレンであることを特徴とする請求
項1又は2記載の多孔質シート状物。 - 【請求項7】前記繊維状高分子重合体が、繊維状の幹か
ら多数のフィブリル繊維が分岐したパルプ状物及び/又
は短繊維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
か1項記載の多孔質シート状物。 - 【請求項8】前記短繊維が直径1〜20μmであり、長
さが2〜5mmであることを特徴とする請求項7記載の
多孔質シート状物。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の多孔
質シート状物に非水電解液を含浸しゲル化せしめたこと
を特徴とする高分子ゲル電解質。 - 【請求項10】非水電解液を構成する非水溶媒が、環状
カーボネート、鎖状カーボネートより選ばれた少なくと
も1種の溶媒である高分子ゲル電解質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11092074A JP2000282388A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 高分子ゲル形成用多孔質シート状物及びそれを用いた高分子ゲル電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11092074A JP2000282388A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 高分子ゲル形成用多孔質シート状物及びそれを用いた高分子ゲル電解質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000282388A true JP2000282388A (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=14044319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11092074A Pending JP2000282388A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 高分子ゲル形成用多孔質シート状物及びそれを用いた高分子ゲル電解質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000282388A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100406794B1 (ko) * | 2001-04-07 | 2003-11-21 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 전지 및 그 제조방법 |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP11092074A patent/JP2000282388A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100406794B1 (ko) * | 2001-04-07 | 2003-11-21 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 전지 및 그 제조방법 |
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