JP2000282106A - 金属磁性体の製造方法 - Google Patents

金属磁性体の製造方法

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JP2000282106A
JP2000282106A JP11094462A JP9446299A JP2000282106A JP 2000282106 A JP2000282106 A JP 2000282106A JP 11094462 A JP11094462 A JP 11094462A JP 9446299 A JP9446299 A JP 9446299A JP 2000282106 A JP2000282106 A JP 2000282106A
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Eiji Kato
英治 加藤
Tsutomu Ishizaka
力 石坂
Jun Nakagawa
準 中川
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属磁石等の金属磁性体を製造するに際し、
酸化による特性劣化をコスト上昇を抑えて実現する。 【解決手段】 磁性を有する金属粉末を、空気中よりも
酸素分圧の低い雰囲気中において、外力により少なくと
も一部が変形可能な可撓性容器に充填し、この可撓性容
器を密閉した後、空気中に取り出し、次いで、前記可撓
性容器に圧縮力を加えて前記金属粉末を成形する工程を
有する金属磁性体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類磁石などの
金属磁性体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属圧粉磁石や金属焼結磁石などの金属
磁性体では、磁性を有する金属粉末を所定の形状に成形
する工程が必要である。高性能金属磁石としては、Sm
−Co系やNd−Fe−B系など、希土類元素を利用す
る希土類磁石が一般的である。しかし、希土類磁石の粉
末は極めて酸化されやすく、酸化によって磁気特性、機
械的特性、物理特性等が大幅に低下してしまうという問
題がある。
【0003】そのため、例えば特開昭63−21170
7号公報では、希土類磁石を製造する際の粗粉砕、微粉
砕、乾燥、成形および焼結の各工程をそれぞれ不活性ガ
ス雰囲気または真空に維持することを提案している。し
かし、磁石製造の全工程において雰囲気制御を行うと、
製造ラインが著しく大がかりとなり、また、生産性が低
くなるので、製造コストが著しく高くなってしまう。し
たがって実際の製造現場では、酸化が進みやすい粉砕工
程までを雰囲気制御し、成形工程は空気中において行う
ことが一般的であり、これにより製造ラインの簡素化お
よび生産性向上をはかっている。
【0004】ところが、本発明者らの検討によれば、成
形工程における雰囲気制御の有無が、従来考えられてい
た以上の大きな影響を磁気特性に及ぼすことがわかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属磁石等
の金属磁性体を製造するに際し、酸化による特性劣化を
コスト上昇を抑えて実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。 (1) 磁性を有する金属粉末を、空気中よりも酸素分
圧の低い雰囲気中において、外力により少なくとも一部
が変形可能な可撓性容器に充填し、この可撓性容器を密
閉した後、空気中に取り出し、次いで、前記可撓性容器
に圧縮力を加えて前記金属粉末を成形する工程を有する
金属磁性体の製造方法。 (2) 前記可撓性容器を密閉した後、気密性をもつ薄
膜から構成された袋状容器に封入し、次いで、空気中に
取り出し、次いで、前記袋状容器の外側から圧縮力を加
える上記(1)の金属磁性体の製造方法。 (3) 減圧雰囲気中において前記袋状容器内に前記可
撓性容器を封入する上記(2)の金属磁性体の製造方
法。 (4) 前記袋状容器が、樹脂膜から構成されるか、樹
脂膜と金属膜との積層膜から構成される上記(2)また
は(3)の金属磁性体の製造方法。 (5) 前記可撓性容器が分離可能な2以上の部材から
構成され、可撓性材料を介して部材同士を接触させるこ
とにより、前記可撓性容器を密閉する上記(1)〜
(4)のいずれかの金属磁性体の製造方法。 (6) 前記部材同士をはめ込みまたはねじ込みにより
接触させて前記可撓性容器を密閉する上記(5)の金属
磁性体の製造方法。 (7) 空気中における前記可撓性容器内への酸素侵入
速度が0.1mg/分以下である上記(1)〜(6)のい
ずれかの金属磁性体の製造方法。 (8) 前記金属粉末を成形する際に前記可撓性容器に
加える圧縮力が、等方性のものである上記(1)〜
(7)のいずれかの金属磁性体の製造方法。 (9) 成形前に前記可撓性容器内の金属粉末を磁場に
より配向する工程を有する上記(1)〜(8)のいずれ
かの金属磁性体の製造方法。 (10) 前記磁場をパルス的に印加する上記(9)の
金属磁性体の製造方法。 (11) 前記金属粉末を成形した後、焼結する工程を
有する上記(1)〜(10)のいずれかの金属磁性体の
製造方法。
【0007】
【作用および効果】本発明では、低酸素雰囲気中におい
て金属粉末を可撓性容器に充填し、これを密閉した後、
空気中に取り出し、次いで、圧縮成形する。したがっ
て、成形工程において雰囲気制御をする必要がなくなる
ので、コストアップが避けられる。
【0008】本発明では、可撓性容器として例えば、有
底円筒容器と、これに対しはめ込みまたはねじ込みによ
り固定される蓋とからなるゴム製容器が利用できる。こ
のような簡単な構造の容器であっても、成形工程および
その前後における酸化を抑制するには十分なので、コス
トパフォーマンスが極めて良好である。また、ポリエチ
レン等からなる樹脂製の袋に可撓性容器を封入した後、
空気中に持ち出して成形すれば、金属粉末の酸化は格段
と抑制される。このような簡易な手段で磁気特性劣化が
著しく抑制されることは、従来指摘されておらず、本発
明において初めて提案されることである。
【0009】ところで、特開昭63−227701号公
報には、希土類元素を含有する磁気異方性の大きな合金
の粉末を、弾性材料製成形容器内に充填し、これに磁場
中において一軸異方性を付与し、次いで成形容器ごと粉
末を冷間静水圧プレス法で圧粉成形し、得られた圧粉体
を焼結した後、これに熱処理を施す工程を有する永久磁
石の製造方法が記載されている。同公報に記載された発
明は、弾性材料製成形容器を用い、冷間静水圧プレスを
行う点で本発明に類似する。また、同公報には、粉末製
造中および粉末製造後の保存中に粉末が酸化しないよう
に、非酸化性雰囲気を維持する旨が記載されている。
【0010】しかし、同公報には、成形容器への粉末の
充填を非酸化性雰囲気中で行い、かつ、成形を空気中で
行うことは記載されていない。したがって、これによる
効果、すなわち、コストアップをほとんど招くことなく
磁気特性劣化を著しく抑制できることも、同公報には記
載されておらず、その示唆もない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、磁性を有する金属粉
末を、空気中よりも酸素分圧の低い雰囲気中において、
外力により少なくとも一部が変形可能な可撓性容器に充
填し、この可撓性容器を密閉した後、空気中に取り出
し、続いて、空気中または水等の圧縮媒体中において前
記可撓性容器に圧縮力を加えて前記金属粉末を成形し、
その後、必要に応じて焼結する。
【0012】空気中よりも酸素分圧の低い雰囲気として
は、酸素分圧が好ましくは0.1気圧以下、より好まし
くは0.01気圧以下、さらに好ましくは0.003気
圧以下の雰囲気である。この雰囲気は、減圧した空気で
あってもよいが、通常、Ar等の希ガスや窒素等の非酸
化性雰囲気とすることが好ましい。
【0013】外力により少なくとも一部が変形可能な可
撓性容器としては、全体が可撓性材料から構成されてい
るもの、一部だけが可撓性材料から構成されているもの
のいずれであってもよい。より具体的には、分離可能な
2以上の部材から構成され、可撓性材料を介して部材同
士を接触させることにより密閉することが可能な容器が
挙げられる。等方性の圧縮力を加える静水圧成形の場合
には、全体を可撓性材料から構成した容器が好ましい
が、一方向性の圧縮力を加える場合には、圧縮に応じて
容積が減少する構造であれば全体を可撓性材料から構成
する必要はなく、例えば筒状容器の側面の一部を可撓性
材料から構成した容器などを用いることができる。可撓
性容器の内部空間(成形空間)の形状は特に限定され
ず、必要とされる金属磁性体の形状に応じて決定すれば
よく、例えば、円柱状、円筒状等のいずれであってもよ
い。
【0014】可撓性容器の具体的構成例を、図1〜図3
にそれぞれ示す。図1に示す容器は、有底円筒状の容器
本体2と蓋3とを有する。蓋3は、円柱状の蓋本体31
と、これに連続する円盤状の鍔部32とを有する。蓋本
体31を容器本体2内にはめ込み、鍔部32を容器本体
2の周壁上面に密着させれば、容器を密閉することがで
きる。蓋本体31の直径は容器本体2の内径と同等とし
てもよいが、前記内径よりも大きく設定すれば、蓋本体
31を容器本体2にはめ込む際に両者が圧縮されて密着
するので、成形空間の気密性を高くすることができ、ま
た、後述する磁場配向の際に容器内において金属粉末が
暴れた場合でも、蓋3が抜け落ちにくい。
【0015】図2に示す容器は、図1に示す蓋本体31
の下部に、その周面を取り巻くように凸条311を設
け、かつ、容器本体2の内周面に、前記凸条311とは
め合わせ可能な溝21を全周にわたって設けたものであ
る。この容器では、凸条311と溝21とが嵌合するた
め、気密性がいっそう高くなり、また、蓋3がいっそう
抜け落ちにくくなる。
【0016】図3に示す容器は、蓋本体31を容器本体
2にねじ込みによりはめ合わせる構造としたものであ
る。この構造では、蓋3が容器本体2から脱離すること
がない。また、この構造においても、図1の説明におい
て前述したように、蓋本体31と容器本体2とがねじ込
まれた状態で圧縮されるように両者の寸法を設定すれ
ば、気密性が良好となる。
【0017】上記した具体的構成例において、容器の一
部だけを可撓性材料から構成する場合、少なくとも蓋本
体31の容器本体2と接触する領域および/または容器
本体2の蓋本体31と接触する領域を可撓性材料から構
成すればよい。その場合、その領域の厚さ方向全体を可
撓性材料から構成してもよく、剛性基体の表面に可撓性
部材を貼り付ける構成としてもよい。
【0018】容器に用いる可撓性材料としては、ゴムが
好ましい。ゴムの種類は特に限定されず、例えばシリコ
ンゴムなどを用いればよい。ゴム製の可撓性容器は、射
出成形などにより製造することができる。このほか、樹
脂、軟質金属、繊維の集合体、ゲルなども利用すること
ができる。可撓性容器の壁厚は、圧縮成形に耐えられる
ように構成材料に応じて適宜決定すればよいが、壁厚を
比較的厚くすれば、金属粉末を充填した状態で取り扱う
際に外部から圧力や衝撃力が加わったり振動などが伝わ
ったりしても、内部の金属粉末に偏りや形状変形が生じ
にくくなるので好ましい。また、容器全体を可撓性材料
から構成する場合、壁厚が厚ければ、内部の金属粉末に
等方的な圧縮力を加えやすくなるため、成形体の密度が
均一になりやすく、高特性の金属磁性体を得やすくな
る。容器壁の好ましい厚さの具体的範囲は、容器構成材
料の種類によって異なるが、例えばゴム製容器では、好
ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、さらに好
ましくは10mm以上である。ただし、壁厚が厚すぎると
可撓性が不十分となるので、ゴム製容器では壁厚を30
mm以下とすることが好ましい。
【0019】本発明では、可撓性容器内への酸素の侵入
をさらに低減するために、低酸素雰囲気中において可撓
性容器を密閉した後、気密性をもつ薄膜から構成された
袋状容器に封入し、次いで、空気中において袋状容器の
外側から圧縮力を加える構成としてもよい。この場合、
袋状容器で可撓性容器を押さえつける構成とすれば、可
撓性容器の蓋の脱離を防ぐことができる。この袋状容器
としては、樹脂膜から構成されるもの、例えば、市販さ
れているポリエチレン製や塩化ビニル製の袋を利用でき
る。また、気体遮断性のさらに高い袋状容器として、樹
脂膜と金属膜との積層膜から構成されたものを用いるこ
とも好ましい。袋状容器の密閉方法は特に限定されず、
例えば機械的に押さえてシールする方法、熱融着などの
いずれを用いてもよい。
【0020】袋状容器への可撓性容器の封入は、減圧雰
囲気中で行うことが好ましい。袋状容器を用いる場合、
袋状容器の外側から圧縮力を加えて成形するため、袋状
容器内に可撓性容器と共に多量の気体が封入されている
と、圧縮力の加えかたによっては袋状容器が破裂するお
それがある。ただし、袋状容器内の気体をほぼ完全に除
去する必要はなく、特に、圧縮成形の際に等方的な圧縮
力を加える場合には袋状容器内に比較的多量の気体が存
在しても問題はない。
【0021】成形工程における金属粉末の酸化を著しく
抑制するためには、空気中における可撓性容器内への酸
素侵入速度が0.1mg/分以下となるように、特に0.
02mg/分以下となるように、可撓性容器の構成や、袋
状容器の使用の有無を選択することが好ましい。酸化に
よる特性劣化が特に問題となる希土類磁石においても、
酸素侵入速度が上記範囲内であれば、実用上、酸化によ
る特性劣化は無視できる。袋状容器を利用すれば、酸素
侵入速度を上記範囲内とすることが容易にできるが、例
えば図1〜図3に示す構造において容器本体2と蓋本体
31とを両者が圧縮されるようにはめ込むことによって
も、酸素侵入速度を上記範囲内とすることが可能であ
る。袋状容器は一般に使い捨てとするので、袋状容器を
利用しない場合には廃棄物が生じず、製造コストも低減
できる。
【0022】金属粉末が磁気的な異方性を有し、かつ、
金属粉末を磁気的に配向させる必要がある場合には、金
属粉末を可撓性容器に封入した状態で、加圧成形前に磁
場を印加して金属粉末を配向させる。磁場を印加する
と、磁場の方向に対し磁化容易軸が平行となるように、
金属粉末を構成する各粒子が回転して整列する。その
後、圧縮成形すれば、磁化容易軸が揃った異方性成形体
が得られる。例えば永久磁石では、異方性材料は等方性
材料の数倍も高い最大エネルギー積が得られることが知
られている。
【0023】金属粉末に印加する磁場の強度は特に限定
されないが、磁場強度が高いほど配向度を高くできるた
め、好ましくは0.1T以上、より好ましくは1T以上、
さらに好ましくは5T以上の磁場を印加することが好ま
しい。また、強力な磁場をパルス的に印加してもよい。
パルス磁場発生装置は静磁場発生装置と異なりヨークが
不要なので、構造が簡単で小型の装置で済み、低コスト
化が可能である。ただし、磁場を印加すると、特にパル
ス磁場を印加すると、金属粉末が暴れやすい。したがっ
て、可撓性容器の蓋が外れないように、例えば前述した
構成の可撓性容器を用いることが好ましい。
【0024】金属粉末の圧縮成形は、可撓性容器の外部
から圧縮力を加えることにより行う。このとき、金属粉
末が十分に圧縮され、かつ、所定の形状に保形されれ
ば、どのような圧縮力を加えてもよいが、金属粉末全体
に均等な圧力を加えることが可能で、均一性の高い成形
体を得やすいことから、加える圧縮力は等方性であるこ
とが好ましい。
【0025】圧縮力の大きさは、成形体に必要とされる
強度に応じて適宜決定すればよいが、高強度の成形体を
得るためには、一般に10MPa以上、好ましくは30MPa
以上、より好ましくは50MPa以上とする。ただし、圧
縮力が大きすぎると、成形体の形状が乱れたり、可撓性
容器の使用可能回数が少なくなったりし、また、磁場に
より配向した場合には、成形時に配向度が低くなってし
まうという問題も生じる。そのため、圧縮力は、好まし
くは200MPa以下、より好ましくは100MPa以下とす
る。
【0026】成形体は、そのままで圧粉磁石などとして
利用することができる。また、必要に応じ、成形体を焼
成して焼結磁石などとして利用することもできる。焼成
雰囲気中の酸素分圧は、極力低いことが好ましく、具体
的には、好ましくは0.01気圧以下、より好ましくは
0.001気圧以下とする。
【0027】本発明が対象とする金属磁性体は特に限定
されないが、酸化されやすいものほど、また、酸化によ
り特性低下が生じやすいものほど本発明は有効である。
例えば、希土類元素と遷移元素とを含有する金属磁性体
は、磁気特性に優れるが、粉末化により比表面積が大き
くなると著しく酸化されやすくなり、磁気特性等の各種
特性が大幅に低下したり、酸化反応により発火したりす
ることもある。したがって、本発明は希土類元素と遷移
元素とを含有する金属磁性体の製造に特に有効である。
希土類元素と遷移元素とを含有する金属磁性体として
は、Sm−Co系磁石、Nd−Fe−B系磁石などの各
種希土類磁石が挙げられる。
【0028】
【実施例】実施例1 表1に示す組成および平均粒径の金属粉末を、1気圧の
窒素雰囲気(酸素分圧0.01気圧)中において、表1
に示すゴム容器に充填した。充填密度は、35体積%と
した。次いで、ゴム容器を空気中に取り出し、強度10
Tのパルス磁場を印加して配向した後、圧力50MPaで冷
間静水圧成形を行った。磁場印加の際の不具合発生率
を、表1に示す。なお、この場合の不具合とは、蓋が外
れたことを意味する。
【0029】ゴム容器は図1〜図3に示す構造とし、成
形空間は直径16mm、高さ20mmとした。表1に示すゴ
ム容器の構成を以下に示す。
【0030】 ゴム容器1:図1の構造、はめ合わせ圧縮代0.0mm、 ゴム容器2:図1の構造、はめ合わせ圧縮代を0.0mm
とし、塩化ビニル製の袋状容器に入れ、減圧雰囲気中で
熱融着することにより袋状容器を密閉し、容器の蓋部を
袋状容器が押さえつける構成とした、 ゴム容器3:図1の構造、はめ合わせ圧縮代0.3mm、 ゴム容器4:図1の構造、はめ合わせ圧縮代0.6mm、 ゴム容器5:図2の構造、はめ合わせ圧縮代0.3mm、 ゴム容器6:図3の構造、はめ合わせ圧縮代0.3mm
【0031】なお、ゴム容器の説明における圧縮代と
は、図1〜図3において蓋本体31の直径から容器本体
2の内径を減じた値の1/2であり、はめ込んだときの
両者の密着の度合いを示す値である。
【0032】上記各ゴム容器について、密閉したときの
成形空間内への酸素侵入速度を、ゴム容器内の酸素濃度
を測定することにより求めた。なお、ゴム容器2では、
袋状容器に入れた状態で測定した。結果を表1に示す。
【0033】また、比較のために、各金属粉末を空気中
に取り出して、内径13mmの金型にゴム容器の場合と同
じ量充填し、圧力50MPaで圧縮成形した。
【0034】このようにして得た各成形体の酸素含有量
を、酸素ガス分析計により測定した。結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から、本発明を適用することにより、
金属粉末の酸化を著しく抑制できることがわかる。ま
た、圧縮代を設けることにより、酸化がさらに抑制され
ることがわかる。また、袋状容器で容器の蓋を押さえつ
けたり、圧縮代を比較的大きくしたり、蓋をねじ込んだ
りすることにより、磁場印加時の不具合発生を抑制でき
ることがわかる。なお、ゴム容器1では磁場印加により
蓋が外れたため、磁場配向せずに成形し、酸素含有量を
測定した。
【0037】実施例2 Nd−Fe−B合金粉末(Nd:29重量%、B:1重
量%、Al:0.15重量%、残部Fe、平均粒径3.
0μm)を、直径18mm、高さ20mmの成形空間を有す
るゴム容器に充填した。ゴム容器の壁厚を表2に示す。
ゴム容器の構成は、寸法以外は上記ゴム容器2と同じと
した。充填時の雰囲気はArとし、その酸素分圧は表2
に示す値とした。
【0038】充填後、ゴム容器を空気中に取り出し、表
2に示す条件で磁場配向した。次いで、真空中において
1050℃で8時間焼成し、Ar雰囲気中において55
0℃で1時間の熱処理を施して、焼結磁石を得た。
【0039】得られた焼結磁石の酸素含有量、密度、残
留磁束密度(Br)、保磁力(HcJ)および変形量を、
表2に示す。なお、変形量とは、焼結磁石の高さ方向中
央における直径から上端部または下端部の直径を減じた
値の最大値を、前記高さ方向中央における直径で除した
値である。
【0040】
【表2】
【0041】表2から、本発明の効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる可撓性容器の構成例を示す断面
図である。
【図2】本発明で用いる可撓性容器の構成例を示す断面
図である。
【図3】本発明で用いる可撓性容器の構成例を示す断面
図である。
【符号の説明】
2 容器本体 21 溝 3 蓋 31 蓋本体 311 凸条 32 鍔部
フロントページの続き (72)発明者 中川 準 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 4K018 CA04 CA12 CA14 CA19 CA23 DA31 KA42 5E062 CC02 CD04 CE01 CE04 CE07 CF04 CG02 CG03 CG05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性を有する金属粉末を、空気中よりも
    酸素分圧の低い雰囲気中において、外力により少なくと
    も一部が変形可能な可撓性容器に充填し、この可撓性容
    器を密閉した後、空気中に取り出し、次いで、前記可撓
    性容器に圧縮力を加えて前記金属粉末を成形する工程を
    有する金属磁性体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記可撓性容器を密閉した後、気密性を
    もつ薄膜から構成された袋状容器に封入し、次いで、空
    気中に取り出し、次いで、前記袋状容器の外側から圧縮
    力を加える請求項1の金属磁性体の製造方法。
  3. 【請求項3】 減圧雰囲気中において前記袋状容器内に
    前記可撓性容器を封入する請求項2の金属磁性体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記袋状容器が、樹脂膜から構成される
    か、樹脂膜と金属膜との積層膜から構成される請求項2
    または3の金属磁性体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記可撓性容器が分離可能な2以上の部
    材から構成され、可撓性材料を介して部材同士を接触さ
    せることにより、前記可撓性容器を密閉する請求項1〜
    4のいずれかの金属磁性体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記部材同士をはめ込みまたはねじ込み
    により接触させて前記可撓性容器を密閉する請求項5の
    金属磁性体の製造方法。
  7. 【請求項7】 空気中における前記可撓性容器内への酸
    素侵入速度が0.1mg/分以下である請求項1〜6のい
    ずれかの金属磁性体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金属粉末を成形する際に前記可撓性
    容器に加える圧縮力が、等方性のものである請求項1〜
    7のいずれかの金属磁性体の製造方法。
  9. 【請求項9】 成形前に前記可撓性容器内の金属粉末を
    磁場により配向する工程を有する請求項1〜8のいずれ
    かの金属磁性体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記磁場をパルス的に印加する請求項
    9の金属磁性体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記金属粉末を成形した後、焼結する
    工程を有する請求項1〜10のいずれかの金属磁性体の
    製造方法。
JP11094462A 1999-04-01 1999-04-01 金属磁性体の製造方法 Pending JP2000282106A (ja)

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