JP2000281347A - 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 - Google Patents

微細粒炭酸マンガン及びその製造方法

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JP2000281347A JP11085093A JP8509399A JP2000281347A JP 2000281347 A JP2000281347 A JP 2000281347A JP 11085093 A JP11085093 A JP 11085093A JP 8509399 A JP8509399 A JP 8509399A JP 2000281347 A JP2000281347 A JP 2000281347A
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芳男 梶谷
Hiroshi Tazaki
博 田崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウム二次電池用マンガン酸リチウム等の
製造原料として好適な、球状で微細粒のタップ密度が高
い炭酸マンガンを提供する。 【解決手段】 金属マンガンをアンモニウムイオン含有
溶液にて溶解し、この溶解液のpHが 8.5以上の領域で
該溶液にCO2 ガスを吹き込むことによって、図2のS
EM写真図に示すような、粒子形状が球状で、かつメジ
アン径が10μm以下であり、タップ密度が1.2g/cm3
上を示す微細粒炭酸マンガンを実現する。この場合、C
2 ガスを吹き込む前の金属マンガン溶解溶液中のマン
ガン濃度を1.5mol/L以下とするのが良く、また生成した
微細粒炭酸マンガンを除去した後の溶液を金属マンガン
溶解用として再利用することも望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばマンガン一次
電池の正極として使用される二酸化マンガン( MnO2
やリチウム二次電池の正極として使用されるマンガン酸
リチウム(LiMnO2, LiMn24 )等の製造原料として好
適な“球状でタップ密度の高い微細粒炭酸マンガン”に
関し、更にはその製造方法にも関わるものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、携帯用電子機器の急増に
伴い、その電源としての電池の需要が著しい伸びを見せ
ているが、従来からこれら電池の原料として広く使用さ
れてきた二酸化マンガンは次の2種類に大別することが
できる。 a) 可溶性マンガン塩溶液とアンモニアあるいは苛性ア
ルカリの炭酸塩とを反応させて得られる“炭酸マンガ
ン”を焼成し、更に重質化処理して得られる化学二酸化
マンガン(CMD), b) 可溶性マンガン塩溶液を電解処理して得られる電解
二酸化マンガン(EMD) 。
【0003】ただ、電池用の二酸化マンガンに対して
は、これが主として一次電池の正極として使用されるこ
とから、正極成形用の型に高密度で充填するのに必要と
される良好な流動性と、高い充填密度が要求されてい
る。ところが、前記電解二酸化マンガン(EMD) の場
合には、製法上の特徴から見掛け密度は2.5g/cm3と高い
ものの、粉砕して所定の粒径とすると形状が不定形にな
り、そのため流動性に劣っていて十分に高い充填密度を
達成することが難しかった。
【0004】一方、化学二酸化マンガン(CMD)は前
述したように化学反応によって生成させた炭酸マンガン
を焼成して製造されるが、このようにして得られる二酸
化マンガンの形状は球状であるために流動性が良く、従
って充填性に富むという特性を有している。しかしなが
ら、従来の化学二酸化マンガンは粒子径が比較的大き
く、そのため見掛け密度が低いので、電池の正極として
使用する際には重質化処理を施して見掛け密度を高めな
ければならないという問題があった。
【0005】しかるに、成形性の観点から好ましい良好
な流動性を示す化学二酸化マンガンに対する注目度は高
く、この化学二酸化マンガンの良好な流動性を確保しつ
つ粒子径を小さくして見掛け密度を高めるためには出発
原料である炭酸マンガンとして球状でかつ細粒のものを
使用する必要があるということが明らかになったことか
ら、極力粒径の小さい球状の炭酸マンガンを製造するこ
とが広く試みられてきた。しかし、これまでに造られた
炭酸マンガンは粒径が80〜200μmと未だ大きく、
十分に満足できる球状でかつ細粒の炭酸マンガンを安定
して実現し得る手段が模索されているのが現状である。
【0006】ところで、近年、放電電圧が低い上に軽量
化が困難であるという従前の二次電池に指摘されていた
問題を解消し得るものとしてリチウム二次電池が登場
し、その正極としてLiCoO2 ,LiNiO2 等のリチウム複
合酸化物が用いられてきたが、最近では資源の存在量や
コスト的な面からマンガン酸リチウム(LiMnO2 とりわ
け LiMn24 )がLiCoO2 やLiNiO2 に代わる正極活物
質として注目されるようになってきた。ところが、例え
ば LiMn24 等といったマンガン酸リチウムは二酸化マ
ンガン(MnO2 )と炭酸リチウム等のリチウム塩とを反
応させることにより容易に製造することができるもの
の、単に従来法で作られた二酸化マンガン(前述したC
MDあるいはEMD)を用いるだけでは繰り返し充放電
が可能なリチウム二次電池の正極として要求される特性
(電流負荷特性,サイクル特性等)を満たさないことが
明らかとなってきた。
【0007】もっとも、例えば特許第2615854号
公報を見ると、リチウム二次電池の電流負荷特性を向上
させるため、正極活物質として用いる“リチウム複合酸
化物(Lix MO2 :Mは遷移金属で、0.05≦x≦1.1
0)”の平均粒径を10〜150μmに規制すると共に
5μm以下の粒子を30容量%未満に抑えることが提案
されている。しかしながら、その後の検討により、この
ような条件を満足する場合であっても、上記リチウム複
合酸化物のMがマンガンである場合には必ずしも十分な
電池特性を得ることができないという事実が次第に明ら
かとなってきた。また、マンガン酸リチウムを正極とし
て用いるリチウム二次電池では、電池特性の面からより
細粒のマンガン酸リチウムを使用することが望ましいこ
とも分かってきた。
【0008】そして、現在では、最大粒径が20μm以
下でメジアン径が10μm以下のマンガン酸リチウムが
電池特性の面から望まれるようになっており、このよう
なマンガン酸リチウムの製造原料として“流動性に優れ
る球状を呈していて最大粒径が20μm以下でメジアン
径が10μm以下の微細粒炭酸マンガン”が要望される
ようになってきた。なぜなら、二酸化マンガンと炭酸リ
チウムとを反応させることによって容易に製造すること
ができる“マンガン酸リチウム”の形状・粒度は、原料
である二酸化マンガン、更には二酸化マンガンの製造原
料である炭酸マンガンのそれにほぼ左右されてしまうた
め、製造原料として“球状の単一粒から成る炭酸マンガ
ン微細粒”を用いることにより十分に満足できる電池特
性を有したリチウム二次電池が得られるからである。
【0009】このようなことから、本発明が目的とした
のは、例えば電池用二酸化マンガンやリチウム二次電池
の正極として使用されるマンガン酸リチウム等の製造に
好適な“球状で微細粒の炭酸マンガン”を安定して実現
できる手段を確立することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、次に示す一
連の事項を知見することができた。 (1) アンモニウム塩の水溶液によって金属マンガンが溶
解される。例えば、 Mn+2(NH4)2 SO4 +2H2 O=MnSO4 ・(N
4)2 SO4 +2NH4 OH+H2 あるいは Mn+(NH4)2 SO4 +2H2 O=MnSO4 +2NH4
OH+H2 なる反応によって金属マンガンが溶解される。 (2) 金属マンガンがアンモニウム塩水溶液に溶解する
と、上記反応式から分かるように溶解したマンガンイオ
ンの2倍モルのアンモニア(NH3 )が生成し、これが
溶解して水酸化アンモニウムとなって溶液のpHをアン
モニウムアルカリ性に導く。 (3) 金属マンガンが溶解してpHが特定の値以上を示す
ようになったアンモニウム塩水溶液にCO2 ガスを吹き
込むと中和反応が起きて炭酸イオンが生成し、この炭酸
イオンと溶解したマンガンイオンが反応して炭酸マンガ
ンが生成する。例えば、 MnSO4 +2NH4 OH+CO2=MnCO3 +(NH4)
2 SO4 +H2 O なる反応によって炭酸マンガンが生成する。 (4) このようにして生成した炭酸マンガンは粒子形状が
球状を呈していて最大粒径20μm以下,メジアン径1
0μm以下を十分に満たすタップ密度の高いものであっ
て、これを焼成することにより流動性が良好で見掛け密
度の高いマンガン酸化物が得られる上、このマンガン酸
化物をリチウム塩と共に熱処理して反応させることによ
り十分な電池特性を持ったマンガン酸リチウムを製造す
ることができる。
【0011】本発明は、上記知見事項等を基にして完成
されたものであり、次に示す微細粒炭酸マンガン並びに
その製造方法を提供するものである。 1) 粒子形状が球状で、かつメジアン径が10μm以下
であり、タップ密度が1.2g/cm3以上を示すことを特徴と
する微細粒炭酸マンガン。 2) 金属マンガンをアンモニウムイオン含有溶液にて溶
解し、この溶解液のpHが 8.5以上の領域で該溶液にC
2 ガスを吹き込むことを特徴とする、前記1)項記載の
微細粒炭酸マンガンを製造する方法。 3) CO2 ガスを吹き込む前の“金属マンガンが溶解し
た溶液”のマンガン濃度を1.5mol/L以下とする、前記2)
項記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。 4) 生成した微細粒炭酸マンガンを除去した後の溶液を
“金属マンガン溶解用のアンモニウムイオン含有溶液”
として再利用することを特徴とする、前記2)項又は3)項
記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。
【0012】以下、本発明の実施の形態をその作用と共
に詳述する。まず、本発明に係る微細粒炭酸マンガンに
おいて、そのメジアン径を10μm以下、そしてタップ
密度を1.2g/cm3以上とそれぞれ限定したのは、球状炭酸
マンガン粒子のメジアン径が10μm以下(好ましくは
8μm以下、 より好ましくは6μm以下)でタップ密度
が1.2g/cm3以上になると、これを例えばマンガン一次電
池用の二酸化マンガンやリチウム二次電池用のマンガン
酸リチウム(LiMnO2,LiMn24 )の製造原料として使
用した場合に電池特性(電流負荷特性,サイクル特性
等)の顕著な向上がもたらされるからである。
【0013】上述のような球状の微細粒炭酸マンガンは
金属マンガンをアンモニウムイオン含有溶液で溶解して
からこの溶液にCO2 ガスを吹き込むことにより製造す
ることができるが、溶解させる金属マンガンとしてはそ
の形態が格別に限定されるものではなく、フレ−ク状,
粉状,くず状等どのような形態であっても構わない。
【0014】また、金属マンガンの溶解に用いるアンモ
ニウムイオン(NH4 + )含有溶液としてはアンモニウ
ム塩の水溶液を挙げることができ、使用するアンモニウ
ム塩には格別な制約はなくて、(NH4)2 SO4 ,NH
4 Cl,NH4 NO3 ,NH4CH3 CO2 等の何れであ
っても構わない。
【0015】さて、金属マンガンをアンモニウムイオン
含有溶液にて溶解すると、アンモニウムイオン含有溶液
中においては溶解したマンガンイオンは生成するアンモ
ニア(NH3 )と錯体を形成することにより安定化され
る。つまり、アンモニウムイオンを含有しないマンガン
溶液の場合は、マンガン濃度が10-2 mol/L程度であっ
ても、pHを 8.5程度にすると水酸化マンガンが速やか
に沈殿してしまうのに対して、アンモニウムイオンを含
有する本発明系の溶液中では、マンガンイオンは生成し
たアンモニアと単独で錯体を形成するかもしくはマンガ
ンイオンとアンモニアと他のイオン種が錯体を形成して
いるため、マンガン濃度が1mol/L と高濃度であっても
pHを 8.5以上に調整したとしても水酸化マンガンの沈
殿が生じない。このように、金属マンガンをアンモニウ
ムイオン含有溶液にて溶解すると、マンガンイオンが安
定化された溶液組成となる。
【0016】なお、金属マンガンを溶解させた際のマン
ガンイオンの安定化は使用する溶解液のアンモニウムイ
オン濃度に依存する。即ち、アンモニウムイオン濃度が
高いほど水酸化マンガンの生成が抑制され、マンガンイ
オンが安定な状態を保つマンガンイオン濃度領域は増加
する。このような観点からして、溶解液の好ましいアン
モニウムイオン濃度は0.5mol/L以上である。しかし、あ
まりに初期アンモニウムイオン濃度が高くなると、水酸
化マンガンの生成は抑制されるものの、マンガンイオン
を含む複塩の生成が起きるので注意を要する。
【0017】上述の如く、複塩が生成するマンガンイオ
ン濃度はアンモニウムイオン濃度に依存するが、検討の
結果、上記の領域(アンモニウムイオン濃度が0.5mol/L
以上程度の領域)ではマンガンイオン濃度が1.5mol/Lを
超えると複塩の生成が始まることが分かった。これらの
ことから、溶解液のマンガンイオン濃度は1.5mol/L以下
に調整するのが望ましいと言える。
【0018】次に、炭酸マンガン(MnCO3 )生成反応
の初期pHの影響について述べる。金属マンガンを溶解
してアンモニア(NH3 )が生成した溶解溶液にCO2
ガスを通気すると、中和反応が起きて炭酸イオンが生成
する。そして、この炭酸イオンが溶液中のマンガンイオ
ンと反応して炭酸マンガンを生成する。
【0019】ここで、金属マンガンを溶解する際の溶液
のpHは、水酸化マンガンもしくは複塩の生成が起きな
いとするならば図1に示した「アンモニア分率{〔NH
3 〕/(〔NH3 〕+〔NH4 + 〕)}とpHとの関
係」に則って増加する。一方、CO2 通気時は、アンモ
ニアの中和の進行に伴ってpHは減少するが、図1に示
すようにpHが 8.5未満の場合には炭酸イオンはCO3
2- の形では殆ど存在しない。そのため、炭酸マンガン
の生成速度が著しく低下することとなって生成した粒子
の凝集が起きるので、得られる炭酸マンガンの粒子径が
大きくなりメジアン径10μm以下を達成することがで
きず、ひいてはタップ密度1.2g/cm3以上を確保すること
もできなくなる。従って、炭酸マンガン生成反応の初期
pHは 8.5以上とすべきであるが、反応速度を上げてよ
り均一な粒子を生成するためにはCO2 ガス吹き込みに
よる炭酸マンガン生成反応の初期pHを9以上とするの
が望ましい。
【0020】以上の処理により得られる炭酸マンガンは
最大粒径が20μm以下でメジアン径が10μm以下の
ほぼ球状の微粒子であり、タップ密度1.2g/cm3以上を示
す。そして、これを焼成することによって流動性が良好
で見掛け密度の高いマンガン酸化物を得ることができ、
更にこのマンガン酸化物を熱処理によりリチウム塩と反
応させることによりリチウム二次電池としての特性(電
流負荷特性,サイクル特性等)に優れたマンガン酸リチ
ウムが得られる。
【0021】なお、マンガンの溶解溶液にCO2 ガスを
吹き込んで上記微細粒炭酸マンガンを生成させた後、該
溶液から生成した微細粒炭酸マンガンを除去し、この炭
酸マンガンを除去した後の溶液を“金属マンガン溶解用
のアンモニウムイオン含有溶液”として再利用するよう
にすれば、資源の有効利用が叶うだけでなく、廃液処理
の負担も軽減される。
【0022】次に、実施例及び比較例によって本発明を
更に具体的に説明する。
【実施例】〔実施例1〕まず、脱イオン水を用いて濃度
が1mol/L の(NH4)2 SO4 溶液を1リットル調整し
た。続いて、この溶液に金属マンガンフレ−クを入れた
ステンレス鋼製のバスケットを浸漬して金属マンガンフ
レ−クを溶解し、溶解液のpHが 9.3になった時点で前
記ステンレス鋼製バスケットを溶解液から引き上げた。
【0023】次いで、上記溶解液を濾過した濾液に対し
てCO2 ガスを2.5L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、58gの微細粒炭酸マンガ
ンが得られた。
【0024】そこで、得られた微細粒炭酸マンガンにつ
き、微粒子分析器(Particle sizeanalyzer)を用いて
粒度及び粒度分布を測定したところ、最大粒径が10.1μ
mでメジアン径が 5.2μmであった。また、得られた微
細粒炭酸マンガンのタップ密度を測定したところ、タッ
プ密度は1.28g/cm3 を示した。更に、得られた微細粒炭
酸マンガンの粒の形状をSEM(Scanning ElectronMic
roscope)を用いて観察したところ、図2として示した
SEM写真図から確認できるように、真球に近い球状を
なしていた。
【0025】〔実施例2〕脱イオン水を用いて濃度が
2.5mol/L の(NH4)2 SO4 溶液を1リットル調整し
た。続いて、この溶液に金属マンガンフレ−クを入れた
ステンレス鋼製のバスケットを浸漬して金属マンガンフ
レ−クを溶解し、溶解液のpHが9.25になった時点で前
記ステンレス鋼製バスケットを溶解液から引き上げた。
【0026】次いで、上記溶解液を濾過した濾液に対し
てCO2 ガスを2.0L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、120gの微細粒炭酸マン
ガンが得られた。
【0027】得られた微細粒炭酸マンガンにつき、微粒
子分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定したところ、
最大粒径が10.4μmでメジアン径が 4.8μmであった。
また、得られた微細粒炭酸マンガンのタップ密度を測定
したところ、タップ密度は1.28g/cm3 を示した。更に、
得られた微細粒炭酸マンガンの粒の形状をSEMを用い
て観察したところ、真球に近い球状をなしていた。
【0028】〔実施例3〕実施例1と同様の溶液条件
で、溶解液のpHが 9.7になった時点で金属マンガンフ
レ−クの入ったステンレス鋼製バスケットを溶解液から
引き上げた。そして、この溶解液を濾過した濾液に対し
てCO2 ガスを2.0L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、75gの微細粒炭酸マンガ
ンが得られた。
【0029】得られた微細粒炭酸マンガンにつき、微粒
子分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定したところ、
最大粒径が 8.8μmでメジアン径が 3.8μmであった。
また、得られた微細粒炭酸マンガンのタップ密度を測定
したところ、タップ密度は1.28g/cm3 を示した。更に、
得られた微細粒炭酸マンガンの粒の形状をSEMを用い
て観察したところ、真球に近い球状をなしていた。
【0030】〔比較例1〕実施例1と同様の溶液条件
で、溶解液のpHが8.45になった時点で金属マンガンフ
レ−クの入ったステンレス鋼製バスケットを溶解液から
引き上げた。次いで、この溶解液を濾過した濾液に対し
てCO2 ガスを2.5L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、31gの炭酸マンガン粒子
が得られた。
【0031】得られた炭酸マンガン粒子につき、微粒子
分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定したところ、最
大粒径が 175μmでメジアン径が26.0μmであった。ま
た、得られた炭酸マンガン粒子のタップ密度を測定した
ところ、タップ密度は0.93g/cm3 を示した。更に、得ら
れた炭酸マンガン粒子の形状をSEMを用いて観察した
ところ、小さな粒子が凝集していて不定形であることが
確認された。
【0032】なお、表1は、前記各実施例及び比較例で
の金属マンガン溶解条件と得られた炭酸マンガン粒の特
性を対比した一覧表である。この表1からも、CO2
スを吹き込んで炭酸マンガンを析出させる金属マンガン
溶解溶液のpHが 8.5を下回った場合には、所望するタ
ップ密度の高い微細粒炭酸マンガンが得られないことが
分かる。
【0033】
【表1】
【0034】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、メジアン径が10μm以下でタップ密度 1.2g/cm3
以上を示す球状の微細粒炭酸マンガンを安定して提供す
ることが可能となり、これを原料とすることで例えば十
分に満足できる電池特性を有したマンガン一次電池用二
酸化マンガンやリチウム二次電池用マンガン酸リチウム
を製造できるなど、産業上極めて有用な効果がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンモニア分率{〔NH3 〕/(〔NH3 〕+
〔NH4 + 〕)}並びに炭酸イオン分率{〔CO3 2-
/(〔CO3 2- 〕+〔HCO3 - 〕)}とpHとの関係
との関係を示したグラフである。
【図2】実施例で得られた微細粒炭酸マンガンのSEM
写真図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子形状が球状で、かつメジアン径が1
    0μm以下であり、タップ密度が1.2g/cm3以上を示すこ
    とを特徴とする微細粒炭酸マンガン。
  2. 【請求項2】 金属マンガンをアンモニウムイオン含有
    溶液にて溶解し、この溶解液のpHが 8.5以上の領域で
    該溶液にCO2 ガスを吹き込むことを特徴とする、請求
    項1記載の微細粒炭酸マンガンを製造する方法。
  3. 【請求項3】 CO2 ガスを吹き込む前の“金属マンガ
    ンが溶解した溶液”のマンガン濃度を1.5mol/L以下とす
    る、請求項2記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。
  4. 【請求項4】 生成した微細粒炭酸マンガンを除去した
    後の溶液を“金属マンガン溶解用のアンモニウムイオン
    含有溶液”として再利用することを特徴とする、請求項
    2又は3記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。
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