JP3495676B2 - 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 - Google Patents
微細粒炭酸マンガン及びその製造方法Info
- Publication number
- JP3495676B2 JP3495676B2 JP2000043588A JP2000043588A JP3495676B2 JP 3495676 B2 JP3495676 B2 JP 3495676B2 JP 2000043588 A JP2000043588 A JP 2000043588A JP 2000043588 A JP2000043588 A JP 2000043588A JP 3495676 B2 JP3495676 B2 JP 3495676B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- manganese
- solution
- fine
- manganese carbonate
- carbonate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
電池の正極として使用される二酸化マンガン( MnO2 )
やリチウム二次電池の正極として使用されるマンガン酸
リチウム(LiMnO2, LiMn2O4 )等の製造原料として好
適な“球状でタップ密度の高い微細粒炭酸マンガン”に
関し、更にはその製造方法にも関わるものである。
伴い、その電源としての電池の需要が著しい伸びを見せ
ているが、従来からこれら電池の原料として広く使用さ
れてきた二酸化マンガンは次の2種類に大別することが
できる。 a) 可溶性マンガン塩溶液とアンモニアあるいは苛性ア
ルカリの炭酸塩とを反応させて得られる“炭酸マンガ
ン”を焼成し、更に重質化処理して得られる化学二酸化
マンガン(CMD), b) 可溶性マンガン塩溶液を電解処理して得られる電解
二酸化マンガン(EMD) 。
は、これが主として一次電池の正極として使用されるこ
とから、正極成形用の型に高密度で充填するのに必要と
される良好な流動性と、高い充填密度が要求されてい
る。ところが、前記電解二酸化マンガン(EMD) の場
合には、製法上の特徴から見掛け密度は2.5g/cm3と高い
ものの、粉砕して所定の粒径とすると形状が不定形にな
り、そのため流動性に劣っていて十分に高い充填密度を
達成することが難しかった。
述したように化学反応によって生成させた炭酸マンガン
を焼成して製造されるが、このようにして得られる二酸
化マンガンの形状は球状であるために流動性が良く、従
って充填性に富むという特性を有している。しかしなが
ら、従来の化学二酸化マンガンは粒子径が比較的大き
く、そのため見掛け密度が低いので、電池の正極として
使用する際には重質化処理を施して見掛け密度を高めな
ければならないという問題があった。
好な流動性を示す化学二酸化マンガン”に対する注目度
は高く、この化学二酸化マンガンの良好な流動性を確保
しつつ粒子径を小さくして見掛け密度を高めるためには
出発原料である炭酸マンガンとして球状でかつ細粒のも
のを使用する必要があるということが明らかになったこ
とから、極力粒径の小さい球状の炭酸マンガンを製造す
ることが広く試みられてきた。しかし、これまでに造ら
れた炭酸マンガンは粒径が80〜200μmと未だ大き
く、十分に満足できる“球状でかつ細粒の炭酸マンガ
ン”を安定して実現し得る手段が模索されているのが現
状である。
量化が困難である」という従前の二次電池に指摘されて
いた問題を解消し得るものとして“リチウム二次電池”
が登場し、その正極としてLiCoO2 ,LiNiO2 等のリチ
ウム複合酸化物が用いられてきたが、最近では、資源の
存在量やコスト的な面からマンガン酸リチウム(LiMnO
2 とりわけ LiMn2O4 )がLiCoO2 やLiNiO2 に代わる
正極活物質として注目されるようになってきた。ところ
が、例えば LiMn2O4 等といったマンガン酸リチウムは
二酸化マンガン(MnO2 )と炭酸リチウム等のリチウム
塩とを反応させることにより容易に製造することができ
るものの、単に従来法で作られた二酸化マンガン(前述
したCMDあるいはEMD)を用いるだけでは繰り返し
充放電が可能なリチウム二次電池の正極として要求され
る特性(電流負荷特性,サイクル特性等)を満たさない
ことが明らかとなってきた。
公報を見ると、リチウム二次電池の電流負荷特性を向上
させるため、正極活物質として用いる“リチウム複合酸
化物(Lix MO2 :Mは遷移金属で、0.05≦x≦1.1
0)”の平均粒径を10〜150μmに規制すると共に
5μm以下の粒子を30容量%未満に抑えることが提案
されている。しかしながら、その後の検討により、この
ような条件を満足する場合であっても、上記リチウム複
合酸化物のMがマンガンである場合には必ずしも十分な
電池特性を得ることができないという事実が次第に明ら
かとなってきた。また、マンガン酸リチウムを正極とし
て用いるリチウム二次電池では、電池特性の面からより
細粒のマンガン酸リチウムを使用することが望ましいこ
とも分かってきた。
下乃至は20μm以下でメジアン径が10μm以下のマ
ンガン酸リチウムが電池特性の面から望まれるようにな
っており、このようなマンガン酸リチウムの製造原料と
して“流動性に優れる球状を呈していて最大粒径が30
μm以下乃至は20μm以下でメジアン径が10μm以
下の微細粒炭酸マンガン”が要望されるようになってき
た。なぜなら、二酸化マンガンと炭酸リチウムとを反応
させることによって容易に製造することができる“マン
ガン酸リチウム”の形状・粒度は、原料である二酸化マ
ンガン、更には二酸化マンガンの製造原料である炭酸マ
ンガンのそれにほぼ左右されてしまうため、製造原料と
して“球状の単一粒から成る炭酸マンガン微細粒”を用
いることにより十分に満足できる電池特性を有したリチ
ウム二次電池が得られるからである。
のは、例えば電池用二酸化マンガンやリチウム二次電池
の正極として使用されるマンガン酸リチウム等の製造に
好適な“球状で微細粒の炭酸マンガン”を安定して実現
できる手段を確立することである。
記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、次に示す一
連の事項を知見することができた。 (1) アンモニウム塩の水溶液によって金属マンガンが溶
解される。例えば、 Mn+2(NH4)2 SO4 +2H2 O=MnSO4 ・ (NH
4)2 SO4 +2NH4 OH+H2 あるいは Mn+(NH4)2 SO4 +2H2 O=MnSO4 +2NH4
OH+H2 なる反応によって金属マンガンが溶解される。 (2) 金属マンガンがアンモニウム塩水溶液に溶解する
と、上記反応式から分かるように溶解したマンガンイオ
ンの2倍モルのアンモニア(NH3 )が生成し、これが
溶解して水酸化アンモニウムとなって溶液のpHをアン
モニウムアルカリ性に導く。 (3) 金属マンガンが溶解してpHが特定の値以上を示す
ようになったアンモニウム塩水溶液にCO2 ガスを吹き
込むと中和反応が起きて炭酸イオンが生成し、この炭酸
イオンと溶解したマンガンイオンが反応して炭酸マンガ
ンが生成する。例えば、 MnSO4 +2NH4 OH+CO2=MnCO3 +(NH4)2
SO4 +H2 O なる反応によって炭酸マンガンが生成する。(4) このよ
うにして生成した炭酸マンガンは、粒子形状が球状を呈
していて最大粒径が30μm以下乃至は20μm以下,
メジアン径10μm以下を十分に満たすタップ密度の高
いものであって、これを焼成することにより流動性が良
好で見掛け密度の高いマンガン酸化物が得られる上、こ
のマンガン酸化物をリチウム塩と共に熱処理して反応さ
せることにより十分な電池特性を持ったマンガン酸リチ
ウムを製造することができる。
されたものであり、次に示す微細粒炭酸マンガン並びに
その製造方法を提供するものである。 1) 粒子形状が球状で、かつメジアン径が10μm以下
であり、タップ密度が1.2g/cm3以上を示すことを特徴と
する微細粒炭酸マンガン。 2) 金属マンガンをアンモニウムイオン含有溶液にて溶
解し、この溶解液のpHが 8.5以上の領域で該溶液にC
O2 ガスを吹き込むことを特徴とする、前記1)項記載の
微細粒炭酸マンガンを製造する方法。 3) CO2 ガスを吹き込む前の“金属マンガンが溶解し
た溶液”のマンガン濃度を1.5mol/L以下とする、前記2)
項記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。 4) 生成した微細粒炭酸マンガンを除去した後の溶液を
“金属マンガン溶解用のアンモニウムイオン含有溶液”
として再利用することを特徴とする、前記2)項又は3)項
記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。
に詳述する。まず、本発明に係る微細粒炭酸マンガンに
おいて、そのメジアン径を10μm以下、そしてタップ
密度を1.2g/cm3以上とそれぞれ限定したのは、球状炭酸
マンガン粒子のメジアン径が10μm以下(好ましくは
8μm以下、 より好ましくは6μm以下)でタップ密度
が1.2g/cm3以上になると、これを例えばマンガン一次電
池用の二酸化マンガンやリチウム二次電池用のマンガン
酸リチウム(LiMnO2,LiMn2O4 )の製造原料として使
用した場合に電池特性(電流負荷特性,サイクル特性
等)の顕著な向上がもたらされるからである。
は、金属マンガンをアンモニウムイオン含有溶液で溶解
してからこの溶液にCO2 ガスを吹き込むことにより製
造することができるが、溶解させる金属マンガンとして
はその形態が格別に限定されるものではなく、フレ−ク
状,粉状あるいはくず状等といったどのような形態であ
っても構わない。
ニウムイオン(NH4 + )含有溶液としてはアンモニウ
ム塩の水溶液を挙げることができるが、使用するアンモ
ニウム塩には格別な制約はなくて、(NH4)2 SO4 ,
NH4 Cl,NH4 NO3 あるいはNH4 CH3 CO2 等
の何れであっても構わない。
含有溶液にて溶解すると、アンモニウムイオン含有溶液
中においては、溶解したマンガンイオンは生成するアン
モニア(NH3 )と錯体を形成することにより安定化さ
れる。つまり、アンモニウムイオンを含有しないマンガ
ン溶液の場合は、マンガン濃度が10-2 mol/L程度であ
っても、pHを 8.5程度にすると水酸化マンガンが速や
かに沈殿してしまうのに対して、アンモニウムイオンを
含有する本発明系の溶液中では、マンガンイオンは生成
したアンモニアと単独で錯体を形成するかもしくはマン
ガンイオンとアンモニアと他のイオン種が錯体を形成し
ているため、マンガン濃度が1mol/L と高濃度であって
も、pHを 8.5以上に調整したとしても、水酸化マンガ
ンの沈殿が生じない。このように、金属マンガンをアン
モニウムイオン含有溶液にて溶解すると、マンガンイオ
ンが安定化された溶液組成となる。
ガンイオンの安定化は、使用する溶解液のアンモニウム
イオン濃度に依存する。即ち、アンモニウムイオン濃度
が高いほど水酸化マンガンの生成が抑制され、マンガン
イオンが安定な状態を保つマンガンイオン濃度領域は増
加する。このような観点からして、溶解液の好ましいア
ンモニウムイオン濃度は0.5mol/L以上である。しかし、
あまりに初期アンモニウムイオン濃度が高くなると、水
酸化マンガンの生成は抑制されるものの、マンガンイオ
ンを含む複塩の生成が起きるので注意を要する。
ン濃度はアンモニウムイオン濃度に依存するが、検討の
結果、上記の領域(アンモニウムイオン濃度が0.5mol/L
以上程度の領域)ではマンガンイオン濃度が1.5mol/Lを
超えると複塩の生成が始まることが分かった。これらの
ことから、溶解液のマンガンイオン濃度は1.5mol/L以下
に調整するのが望ましいと言える。
の初期pHの影響について述べる。金属マンガンを溶解
してアンモニア(NH3 )が生成した溶解溶液にCO2
ガスを通気すると、中和反応が起きて炭酸イオンが生成
する。そして、この炭酸イオンが溶液中のマンガンイオ
ンと反応して炭酸マンガンを生成する。
のpHは、水酸化マンガンもしくは複塩の生成が起きな
いとするならば図1に示した「アンモニア分率{〔NH
3 〕/(〔NH3 〕+〔NH4 + 〕)}とpHとの関
係」に則って増加する。一方、CO2 通気時は、アンモ
ニアの中和の進行に伴ってpHは減少するが、図1に示
すようにpHが 8.5未満の場合には炭酸イオンはCO3
2- の形では殆ど存在しない。そのため、炭酸マンガン
の生成速度が著しく低下することとなって生成した粒子
の凝集が起きるので、得られる炭酸マンガンの粒子径が
大きくなりメジアン径10μm以下を達成することがで
きず、ひいてはタップ密度1.2g/cm3以上を確保すること
もできなくなる。従って、炭酸マンガン生成反応の初期
pHは 8.5以上とすべきであるが、反応速度を上げてよ
り均一な粒子を生成するためにはCO2 ガス吹き込みに
よる炭酸マンガン生成反応の初期pHを9以上とするの
が望ましい。なお、本発明におけるpHは25℃で測定
したものである。
は、最大粒径が30μm以下、更には20μm以下と小
さく、メジアン径が10μm以下のほぼ球状の微粒子で
あり、タップ密度1.2g/cm3以上を示す。そして、これを
焼成することによって流動性が良好で見掛け密度の高い
マンガン酸化物を得ることができ、更にこのマンガン酸
化物を熱処理によりリチウム塩と反応させることにより
リチウム二次電池としての特性(電流負荷特性,サイク
ル特性等)に優れたマンガン酸リチウムが得られる。
吹き込んで上記微粒炭酸マンガンを生成させる場合、例
えば次に示す「CO2 ガス多段吹き込み法」あるいは
「溶液分割CO2 ガス多段吹き込み法」を採用すれば、
生成する微粒炭酸マンガの最大粒径,メジアン径及びタ
ップ密度等をよりきめ細かに制御することができる。
酸マンガンを生成させる際に、反応が終了するまで連続
して一気にCO2 ガスを吹き込むことをせず、数回(例
えば2〜3回)に分けてCO2 ガスを吹き込む。即ち、
1回のCO2 ガスを吹き込み量をマンガンの当量未満と
することによって生成する炭酸マンガンの粒子数を制限
し、その後必要に応じて溶液を所定時間静置した後、2
回目のCO2 ガスを吹き込みを行うと、主として1回目
で生成した炭酸マンガンを核として炭酸マンガンが生成
することとなり、その結果、本発明の規制範囲内でメジ
アン径等をある程度大きくした炭酸マンガンを得ること
ができる。なお、CO2 ガスの吹き込み回数は、目的と
するメジアン径等により適宜決定すれば良い。
炭酸マンガンを生成させる際に、予め初期のマンガン溶
解溶液(CO2 ガスを吹き込む前のマンガン溶解溶液)
を複数(例えば2〜3)に分割しておき、まずその内の
1つのマンガン溶解溶液にCO2 ガスを吹き込んで炭酸
マンガンを生成させ、その後必要に応じて該溶液を所定
時間静置してから、この炭酸マンガン含有溶液に分割し
て取り分けておいた別のマンガン溶解溶液を添加し、こ
れに再度CO2 ガスの吹き込みを行う。このような手法
によっても、前記「CO2 ガス多段吹き込み法」の場合
と同様、2回目のCO2 ガス吹き込み工程では“1回目
のCO2ガス吹き込みによって生成した炭酸マンガン”
を核として炭酸マンガンが生成する現象が起き、本発明
の規制範囲内でメジアン径等をある程度大きくした炭酸
マンガンを得ることができる。なお、マンガン溶解溶液
の分割数は、目的とするメジアン径等により適宜決定す
れば良い。
吹き込んで上記微細粒炭酸マンガンを生成させた後、該
溶液から生成した微細粒炭酸マンガンを除去し、この炭
酸マンガンを除去した後の溶液を“金属マンガン溶解用
のアンモニウムイオン含有溶液”として再利用するよう
にすれば、資源の有効利用が叶うだけでなく、廃液処理
の負担も軽減される。
更に具体的に説明する。
が1mol/L の(NH4)2 SO4 溶液を1リットル調整し
た。続いて、この溶液に金属マンガンフレ−クを入れた
ステンレス鋼製のバスケットを浸漬して金属マンガンフ
レ−クを溶解し、溶解液のpHが 9.3になった時点で前
記ステンレス鋼製バスケットを溶解液から引き上げた。
てCO2 ガスを2.5L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、58gの微細粒炭酸マンガ
ンが得られた。
き、微粒子分析器(Particle sizeanalyzer)を用いて
粒度及び粒度分布を測定したところ、最大粒径が10.1μ
mでメジアン径が 5.2μmであった。また、得られた微
細粒炭酸マンガンのタップ密度を測定したところ、タッ
プ密度は1.28g/cm3 を示した。更に、得られた微細粒炭
酸マンガンの粒の形状をSEM(Scanning ElectronMic
roscope)を用いて観察したところ、図2として示した
SEM写真図から確認できるように、真球に近い球状を
なしていた。
2.5mol/L の(NH4)2 SO4 溶液を1リットル調整し
た。続いて、この溶液に金属マンガンフレ−クを入れた
ステンレス鋼製のバスケットを浸漬して金属マンガンフ
レ−クを溶解し、溶解液のpHが9.25になった時点で前
記ステンレス鋼製バスケットを溶解液から引き上げた。
てCO2 ガスを2.0L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、120gの微細粒炭酸マン
ガンが得られた。
子分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定したところ、
最大粒径が10.4μmでメジアン径が 4.8μmであった。
また、得られた微細粒炭酸マンガンのタップ密度を測定
したところ、タップ密度は1.28g/cm3 を示した。更に、
得られた微細粒炭酸マンガンの粒の形状をSEMを用い
て観察したところ、真球に近い球状をなしていた。
で、溶解液のpHが 9.7になった時点で金属マンガンフ
レ−クの入ったステンレス鋼製バスケットを溶解液から
引き上げた。そして、この溶解液を濾過した濾液に対し
てCO2 ガスを2.0L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、75gの微細粒炭酸マンガ
ンが得られた。
子分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定したところ、
最大粒径が 8.8μmでメジアン径が 3.8μmであった。
また、得られた微細粒炭酸マンガンのタップ密度を測定
したところ、タップ密度は1.28g/cm3 を示した。更に、
得られた微細粒炭酸マンガンの粒の形状をSEMを用い
て観察したところ、真球に近い球状をなしていた。
で、溶解液のpHが8.45になった時点で金属マンガンフ
レ−クの入ったステンレス鋼製バスケットを溶解液から
引き上げた。次いで、この溶解液を濾過した濾液に対し
てCO2 ガスを2.5L/minの吹き込み速度で吹き込んだ。
CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中に白色の炭酸
マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾別し、105
℃で2時間乾燥したところ、31gの炭酸マンガン粒子
が得られた。
分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定したところ、最
大粒径が 175μmでメジアン径が26.0μmであった。ま
た、得られた炭酸マンガン粒子のタップ密度を測定した
ところ、タップ密度は0.93g/cm3 を示した。更に、得ら
れた炭酸マンガン粒子の形状をSEMを用いて観察した
ところ、小さな粒子が凝集していて不定形であることが
確認された。
の金属マンガン溶解条件と得られた炭酸マンガン粒の特
性を対比した一覧表である。この表1からも、CO2 ガ
スを吹き込んで炭酸マンガンを析出させる金属マンガン
溶解溶液のpHが 8.5を下回った場合には、所望するタ
ップ密度の高い微細粒炭酸マンガンが得られないことが
分かる。
6.0mol/L のCH3 COONH4 溶液を1リットル調整
した。続いて、この溶液に100メッシュの篩でふるっ
た金属マンガン粉を27.5g添加し、攪拌して溶解させ
た。次いで、上記溶解液を濾過した濾液(pH測定値は
9.05)に対してCO2 ガスを1.0L/minの吹き込み速度で
吹き込んだ。CO2 ガスの吹き込みを開始すると、液中
に白色の炭酸マンガンが生じた。この炭酸マンガンを濾
別し、105℃で2時間乾燥したところ、43.5gの微細
粒炭酸マンガンが得られた。
き、微粒子分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定した
ところ、最大粒径は11.5μmでメジアン径は 2.5μmで
あった。また、得られた微細粒炭酸マンガンのタップ密
度を測定したところ、タップ密度は1.25g/cm3 を示し
た。更に、得られた微細粒炭酸マンガン粒の形状をSE
Mを用いて観察したところ、図3として示したSEM写
真図から確認できるように、真球に近い形状をなしてい
た。
6.0mol/L のCH3 COONH4 溶液を1リットル調整
した。続いて、この溶液に100メッシュの篩でふるっ
た金属マンガン粉を27.5g添加し、攪拌して溶解させ
た。次いで、上記溶解液を濾過した濾液(pH測定値は
9.05)に対してCO2 ガスを4.0L/minの吹き込み速度で
吹き込み、pHが 8.7になった時点で吹き込みを止めて
そのまま静置すると、メジアン径1μm程度の炭酸マン
ガンの粒子が生じた。
O2 ガスを吹き込むと、液中の炭酸マンガンの粒成長が
起こった。再度のCO2 ガス吹き込みを続けて反応が終
了した後、液中の炭酸マンガンを濾別して105℃で2
時間乾燥したところ、45.5gの微細粒炭酸マンガンが得
られた。
ンにつき、微粒子分析器を用いて粒度及び粒度分布を測
定したところ、最大粒径は20μmでメジアン径は 6.2
μmであった。また、得られた微細粒炭酸マンガンのタ
ップ密度を測定したところ、タップ密度は1.30g/cm3 を
示した。更に、得られた微細粒炭酸マンガン粒の形状を
SEMを用いて観察したところ、真球に近い形状をなし
ていた。
6.0mol/L のCH3 COONH4 溶液を12リットル調
整した。続いて、この溶液に100メッシュの篩でふる
った金属マンガン粉340gを添加し、攪拌して溶解さ
せた。次いで、上記溶解液を濾過した濾液(濾液のpH
測定値は9.05)を4リットル取り分け、この濾液4リッ
トルに対してCO2 ガスを4.0L/minの吹き込み速度で吹
き込んだ。pHが 8.7になったところで吹き込みを止
め、そのまま静置するとメジアン径1μm程度の炭酸マ
ンガンの粒子が生じた。
を吹き込むと、液中の炭酸マンガンの粒成長が起こっ
た。この反応を終了させた溶液に対して別に取り分けて
おいた前記濾液(金属マンガン粉の溶解濾液)の4リッ
トルを添加して溶液量を8リットルとし、再度 4.0L/mi
n の速度でCO2 ガスを吹き込んだところ、液中炭酸マ
ンガンの更なる粒成長が生じた。
りの濾液(金属マンガン粉の溶解濾液)を4リットル加
え、溶液量を12リットルとした。そして、この溶液に
4.0L/min の速度でCO2 ガスの更なる吹き込みを行っ
たところ、液中の炭酸マンガン粒子は更に成長した。こ
のようにして得られた炭酸マンガンを濾別し、105℃
で2時間乾燥したところ、540gの微細粒炭酸マンガ
ンが得られた。
き、微粒子分析器を用いて粒度及び粒度分布を測定した
ところ、最大粒径は30μmでメジアン径は 8.0μmで
あった。また、得られた微細粒炭酸マンガンのタップ密
度を測定したところ、タップ密度は1.40g/cm3 を示し
た。更に、得られた微細粒炭酸マンガン粒の形状をSE
Mを用いて観察したところ、球状をなしていることが確
認された。
ば、メジアン径が10μm以下でタップ密度 1.2g/cm3
以上を示す球状の微細粒炭酸マンガンを安定して提供す
ることが可能となり、これを原料とすることで例えば十
分に満足できる電池特性を有したマンガン一次電池用二
酸化マンガンやリチウム二次電池用マンガン酸リチウム
を製造できるなど、産業上極めて有用な効果がもたらさ
れる。
〔NH4 + 〕)}並びに炭酸イオン分率{〔CO3 2- 〕
/(〔CO3 2- 〕+〔HCO3 - 〕)}とpHとの関係
との関係を示したグラフである。
M写真図である。
M写真図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 粒子形状が球状で、かつメジアン径が1
0μm以下であり、タップ密度が1.2g/cm3以上を示すこ
とを特徴とする微細粒炭酸マンガン。 - 【請求項2】 金属マンガンをアンモニウムイオン含有
溶液にて溶解し、この溶解液のpHが 8.5以上の領域で
該溶液にCO2 ガスを吹き込むことを特徴とする、請求
項1記載の微細粒炭酸マンガンを製造する方法。 - 【請求項3】 CO2 ガスを吹き込む前の“金属マンガ
ンが溶解した溶液”のマンガン濃度を1.5mol/L以下とす
る、請求項2記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。 - 【請求項4】 生成した微細粒炭酸マンガンを除去した
後の溶液を“金属マンガン溶解用のアンモニウムイオン
含有溶液”として再利用することを特徴とする、請求項
2又は3記載の微細粒炭酸マンガンの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000043588A JP3495676B2 (ja) | 2000-02-16 | 2000-02-16 | 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 |
PCT/JP2000/001856 WO2000058221A1 (fr) | 1999-03-29 | 2000-03-27 | Compose de manganese particulaire et son procede de preparation, et cellule secondaire utilisant ce compose |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000043588A JP3495676B2 (ja) | 2000-02-16 | 2000-02-16 | 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11085093A Division JP2000281347A (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000281348A JP2000281348A (ja) | 2000-10-10 |
JP3495676B2 true JP3495676B2 (ja) | 2004-02-09 |
Family
ID=18566483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000043588A Expired - Lifetime JP3495676B2 (ja) | 1999-03-29 | 2000-02-16 | 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3495676B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100688732B1 (ko) * | 2005-03-30 | 2007-03-02 | 에스케이 주식회사 | 구형 망간탄산화물의 제조방법 및 그 제조물 |
US20120177921A1 (en) | 2011-01-10 | 2012-07-12 | Basf Se | Process for preparing transition metal carbonates |
KR101937129B1 (ko) | 2011-01-10 | 2019-01-10 | 바스프 에스이 | 전이금속 카르보네이트의 제조 방법 |
JPWO2016021067A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2017-06-08 | 株式会社パワージャパンプリュス | 球状炭酸マンガン、それらを用いたリチウムマンガン複合酸化物およびリチウムイオン二次電池、並びに球状炭酸金属塩および球状炭酸マンガンの製造方法 |
KR102671188B1 (ko) | 2017-10-09 | 2024-06-03 | 씨에스아이알 | 음극 재료 |
-
2000
- 2000-02-16 JP JP2000043588A patent/JP3495676B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000281348A (ja) | 2000-10-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6241959B1 (en) | Method of manufacturing lithium composite oxide as positive active material for lithium secondary batteries | |
JP4011442B2 (ja) | リチウムイオン電池用正極材料の製造方法およびリチウムイオン電池 | |
CN114050257B (zh) | 一种锰铁铜正极前驱体材料及其制备方法和应用 | |
CN114702081B (zh) | 镁钛共掺杂碳酸钴的制备方法及其应用 | |
JP2012064557A (ja) | リチウム二次電池用金属酸化物系正極活物質の再処理及び合成方法 | |
WO2018015210A1 (en) | A method for upscalable precipitation synthesis of battery materials with tunable particle size distribution | |
JP2015227263A (ja) | ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物とその製造方法 | |
JPH1160246A (ja) | 水酸化ニッケル粒子、その製造方法、これを原料とするリチウム・ニッケル複合酸化物粒子及びその製造方法 | |
CN115924980A (zh) | 一种复合磷酸盐的铁基钠离子电池层状正极材料前驱体的制备方法 | |
CN114314541B (zh) | 一种高压密用磷酸铁及其制备方法 | |
CN110282665B (zh) | 一种具有介观结构的锂电池正极材料前驱体及其制备方法 | |
JP3495676B2 (ja) | 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 | |
CN116873989B (zh) | 镍钴锰三元前驱体及其制备方法、正极材料、锂离子电池 | |
JP2001354428A (ja) | 酸化コバルト粉及びその製造方法並びにコバルト酸リチウム | |
JP2004210560A (ja) | マンガンニッケル複合水酸化物粒子 | |
WO2024017039A1 (zh) | 四氧化三钴材料与制备方法、正极及锂电池 | |
JP2004079386A (ja) | 非水系電解質二次電池用正極活物質用コバルト酸化物及びその製造方法 | |
JP6245081B2 (ja) | ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物とその製造方法 | |
CN115411394A (zh) | 一种普鲁士类正极材料的回收方法及制备方法 | |
JP2000281347A (ja) | 微細粒炭酸マンガン及びその製造方法 | |
JP2019212396A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質、及びリチウムイオン二次電池 | |
JP2002313338A (ja) | 非水系電解質二次電池用の正極活物質、その原料、及びそれらの製造方法 | |
KR100261508B1 (ko) | 리튬복합산화물,그제조방법및그것을활물질로하는양극을채용한리튬이온이차전지 | |
JP3032975B1 (ja) | 炭酸マンガンの製造方法 | |
CN114105216B (zh) | 一种具有微观裂纹结构的氢氧化钴、其制备方法和应用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091121 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091121 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121 Year of fee payment: 7 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121 Year of fee payment: 10 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |