JP2000281140A - 商品梱包用緩衝装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の商品梱包用緩衝装置は、商品の側部を
均一に且つ確実に接触して安定して保持できるようにす
ることを課題とする。 【解決手段】 商品の側部を保持する緩衝装置１１にお
いて、商品の側部を外側から嵌合する板材からなる凹部
１２と、この凹部１２の周囲に形成され梱包容器と接し
て商品を梱包容器から離して保持する保持部１３とを備
え、凹部１２は商品の側部を嵌合した状態において商品
の側部に存在する角部が凹部１２の外側へ突き出る大き
さであり、且つ凹部１２を形作る面部には商品の側部に
おける角部が係合する孔部１４ａ〜１４ｃが形成され、
この孔部１４ａ〜１４ｃの周縁部でこの孔部１４ａ〜１
４ｃに係合した商品の角部を弾性的に押えるものであ
り、商品の側部をポイント的ではなくて包み込むように
保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は商品梱包用緩衝装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば小型のファクシミリ装置などの商
品を梱包するためには、まずファクシミリ装置の側部を
緩衝装置で外側から嵌合して保持し、次にこの商品およ
び緩衝装置を段ボールからなる梱包容器の内部に入れて
梱包して商品を外部の衝撃から保護することが行われて
いる。最近、商品を梱包する上で環境問題に対処するた
めに発泡スチロールを使用しない梱包方法が求められて
おり、このためその対策のひとつとして古紙を材料とし
て成形した緩衝装置が用いられている。この古紙成形品
の緩衝装置は、古紙とパルプの混合材料を溶解して金型
に流し込んで成形したものである。

【０００３】従来の古紙成形品からなる緩衝装置の形態
についてファクシミリ装置を保持するものを対象にして
図５ないし図７を参照して説明する。図５はファクシミ
リ装置および緩衝装置を示す斜視図、図６はファクシミ
リ装置の側部と緩衝装置を示す図５のＹ−Ｙ線に沿う断
面図、図７はファクシミリ装置の側部を緩衝装置が保持
した状態を示す断面図である。

【０００４】緩衝装置１はファクシミリ装置１０１の例
えば図示右側の側部１０１ａを外側から嵌合保持するも
ので、ファクシミリ装置１０１とともに段ボール箱の内
部に収納して梱包する。ここで、緩衝装置１は古紙材料
の板材からなる成型品で、ファクシミリ装置１０１の側
部１０１ａを外側から嵌合する凹部２と、この凹部２の
周囲を囲み梱包容器である段ボール箱と接してファクシ
ミリ装置１０１を段ボール箱から離して保持する保持部
３とを備えている。

【０００５】凹部２は開口部が例えば四角形をなすもの
で、開口部と平行に位置する垂直な底面部２ａと、底面
部２ａの縁から開口部の縁に向けて外側へ向けて広がる
傾斜をもった側面部２ｂとでファクシミリ装置１０１の
側部１０１ａを嵌合する空間を形成している。この凹部
２は、このファクシミリ装置１０１の側部１０１ａを嵌
合した際に、側部１０１ａに存在する角部が底面部２ａ
と側面部２ｂにおける例えばＡ点、Ｂ点およびＣ点の３
点で接触するように底面部２ａの寸法と側面部２ｂの寸
法、傾斜角度などが設定されている。側面部２ｂが底面
部２ａの縁から開口部の縁に向けて外側へ向けて広がる
傾斜をなしてファクシミリ装置１０１の側部１０１ａが
ポイント的に接触するようになっているのは、凹部２を
ファクシミリ装置１０１に嵌合した時にファクシミリ装
置１０１の製品外径寸法の誤差を吸収し、且つファクシ
ミリ装置１０１に押された側面部２ｂが反発して側部１
０１ａに対して弾性力を作用させるためである。ここ
で、凹部２は、ファクシミリ装置１０１の側部１０１ａ
をその角部が内側に収まる大きさとなっている。これに
より凹部２の底面部２ａがファクシミリ装置１０１の側
面部２ｂが側部１０１ａの角部を弾性力で押圧して保持
するようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の緩
衝装置１は次に述べる問題がある。すなわち、緩衝装置
１は凹部２がファクシミリ装置１０１の側部１０１ａに
存在する角部に対してＡ点、Ｂ点およびＣ点の３点でポ
イント的に接触して保持する。また、古紙材料で成形し
た緩衝装置１は寸法精度が悪く、且つ弾性力が弱い。こ
のため、緩衝装置１の凹部２をファクシミリ装置１０１
の側部１０１ａに嵌合した時に、凹部２が側部１０１ａ
に対してＡ点、Ｂ点およびＣ点の全てが接触できないこ
とがあり、また凹部２において側部１０１ａに接触する
点が充分な弾性力で押圧できないことがあり、この結果
ファクシミリ装置１０１の側部１０１ａの保持にがたつ
きが発生することがある。さらに、凹部２が側部１０１
ａに対してＡ点、Ｂ点およびＣ点の図べてが均一な状態
で接触できず、いずれかの点が部分的に強く接触してし
まうことがある。

【０００７】これらのことにより緩衝装置１の凹部２で
ファクシミリ装置１０１の側部１０１ａを安定して保持
できず、ファクシミリ装置１０１を梱包して輸送する時
に外部から加わる振動により、緩衝装置１の凹部２とフ
ァクシミリ装置１０１の側部１０１ａとが擦れて側部１
０１ａの表面を傷つけてファクシミリ装置１０１の製品
の価値を損なうことがあった。

【０００８】そして、この事態に対処するために、ファ
クシミリ装置１０１を梱包する毎に、緩衝装置１の凹部
２とファクシミリ装置１０１の側部１０１ａとの間にク
ラフト紙やポロエチレンシートなどを緩衝材として挟み
込む処置が行なわれているが、この対策はファクシミリ
装置を梱包する作業の作業量が増大して梱包作業の能率
が低下するとともに、梱包に要する材料が増大して材料
費用が高くなるという問題がある。

【０００９】従って、従来から緩衝装置に対しては商品
の側部を均一に且つ確実に接触して安定して保持できる
ことが要望されている。

【００１０】本発明は前記事情に基づいてなされたもの
で、商品の側部を均一に且つ確実に接触して安定して保
持でき、従来から要望されている課題を解決した商品梱
包用緩衝装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明の商品梱
包用緩衝装置は、商品の側部を保持する緩衝装置におい
て、前記商品の側部を外側から嵌合する板材からなる凹
部と、この凹部の周囲を囲み梱包容器と接して前記商品
を前記梱包容器から離して保持する保持部とを備え、前
記凹部は前記側部を嵌合した状態において前記商品の側
部に存在する角部が前記凹部の外側へ突き出る大きさで
あり、且つ前記凹部には前記商品の側部における角部が
係合する孔部が形成され、この孔部の周縁部はこの孔部
に係合した前記商品の角部を弾性的に押えるものである
ことを特徴とする。

【００１２】この発明の構成によれば、凹部を商品の側
部に嵌合すると、商品の側部に存在する角部が凹部に形
成した孔部から凹部の外側へ突き出て、孔部の周縁部が
商品の角部を弾性的に押えるために、商品の側部をポイ
ント的ではなくて包み込むように保持することができ
る。

【００１３】請求項２の発明によれば、請求項１に記載
の商品梱包用緩衝装置において、前記凹部を成形する板
材は古紙成形材料であることを特徴とする。

【００１４】この発明の構成によれば、緩衝装置を環境
に与える影響が小さく経済的な材料で成形することがで
きる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
１ないし図４を参照して説明する。この実施の形態は、
商品としてはファクシミリ装置を対象とし、このファク
シミリ装置を梱包する際に保持するファクシミリ装置の
一方の側部を嵌合保持する緩衝装置に適用したものであ
る。図１は緩衝装置とファクシミリ装置を示す斜視図、
図２は緩衝装置を示す斜視図、図３はファクシミリ装置
の側部と緩衝装置を示す図１のＺ−Ｚ線に沿う断面図、
図４はファクシミリ装置の側部を緩衝装置が保持した状
態を示す断面図である。

【００１６】商品の一例であるファクシミリ装置は前述
した従来技術の説明と同じ符号１０１を用いて示してい
る。このファクシミリ装置１０１は、平面が左右に長い
矩形を平たい直方体をなしており、その一方の側部（例
えば図示右側の側部）１０１ａには図３および図４に示
すように上面部と側面部とが交差する角部１０１ｂ、側
面部の高さ方向中間部の角部１０１ｃおよび側面部と下
面部が交差する角部１０１ｄが夫々存在する。

【００１７】この実施の形態では、緩衝装置１１でファ
クシミリ装置１０１の右側部の側部１０１ａを外側から
嵌合保持し、さらにファクシミリ装置１０１と緩衝装置
１１を図示しない段ボール箱の内部に収納して梱包す
る。

【００１８】緩衝装置１１について説明する。この緩衝
装置１１は全体が古紙材料により成形した板材からなる
ものである、緩衝装置１１はファクシミリ装置１０１の
側部１０１ａを外側から嵌合して保持する凹部１２と、
この凹部１２の周囲を囲み梱包容器である図示しない段
ボール箱と接してファクシミリ装置１０１を段ボール箱
から離して保持する保持部１３とを備えている。

【００１９】凹部１２はファクシミリ装置１０１の側部
１０１ａと嵌合するためにファクシミリ装置１０１の側
部１０１ａにおける奥行き寸法に対応した長さと高さ寸
法に対応した高さを有する四角形をなしている。凹部１
２はファクシミリ装置１０１の側部１０１ａに面する側
が開口され、内部には側部１０１ａを嵌合して保持する
ために空間が形成されている。すなわち、凹部１２は、
開口部と平行に位置する垂直な底面部１２ａと、この底
面部１２ａの縁から開口部の縁に向けて外側へ向けて広
がる傾斜をもった側面部１２ｂとでファクシミリ装置１
０１の側部１０１ａを嵌合する空間を形成している。

【００２０】ここで、凹部１２は、ファクシミリ装置１
０１の側部１０１ａを嵌合した時に、例えば側部１０１
ａにおける角部１０１ｂが側面部１２ｂの上部分のＡ点
を突き破って凹部の外側へ突き出てしまい、側部１０１
ａにおける角部１０１ｃが底面部１２ａのＢ点を突き破
って凹部の外側へ突き出てしまい、さらに角部１０１ｄ
が側面部１２ｂの下部分のＣ点をを突き破って凹部の外
側へ突き出てしまうように、底面部２ａの寸法と側面部
２ｂの寸法、傾斜角度が設定されている。すなわち、凹
部１２はファクシミリ装置１０１の側部１０１ａを嵌合
する上で小さめの空間部となるように寸法が設定されて
いる。なお、側面部１２ｂが底面部１２８ａの縁から開
口部の縁に向けて外側へ向けて広がる傾斜をなしている
のは、凹部１２をファクシミリ装置１０１に嵌合した時
にファクシミリ装置１０１の製品外径寸法の誤差を吸収
し、且つファクシミリ装置１０１に押された側面部１２
ｂが反発して側部１０１ａに対して弾性力を作用させる
ためである。

【００２１】また、図３に示すように緩衝装置１１の凹
部１２における側面部１２ｂの上部分のＡ点にはファク
シミリ装置１０１の側部１０１ａにおける角部１０１ｂ
が係合する孔部１４ａが、底面部１２ａのＢ点には側部
１０１ａにおける角部１０１ｃが係合する孔部１４ｂ
が、側面部１２ｂの下部分のＣ点には角部１０１ｄが係
合する孔部１４ｃが夫々形成されている。この凹部１２
に形成された孔部１４ａ、１４ｂおよび１４ｃの夫々の
周縁部は、この孔部に係合したファクシミリ装置１０１
の側部１０１ａにおける角部１０１ｂ、１０１ｃおよび
１０１ｄを弾性的に押えるようになっている。すなわ
ち、孔部１４ａ、１４ｂおよび１４ｃの周縁部は、孔部
に係合した角部１０１ｂ、１０１ｃおよび１０１ｄに押
されて凹部外側へ向けて押し広げられ弾性的にたわみ、
その反動により各角部１０１ｂ、１０１ｃおよび１０１
ｄを弾性的に押えるようになっている。すなわち、この
ような作用をなすように各孔部の大きさ、位置などの条
件を設定する。

【００２２】凹部１２に形成する孔部１２の形状、位置
および数は商品の側部の形状に対応して商品の側部を適
切に嵌合保持できるように設定する。この実施の形態で
も孔部は他に形成することもでき、例えば孔部１４ｄの
ように底面部１２ａと側面部１２ｂとに交叉して形成す
ることも可能である。

【００２３】また、保持部１３は、梱包装置である段ボ
ール箱と接してファクシミリ装置１０１を段ボール箱の
表面（内面）から離して保持するとともに、外部から凹
部１２に加わる衝撃を緩衝する機能を有するもので，こ
の機能を果たすように例えば凹部１２の開口部の周縁部
から連続して凹部１２の外側周囲を囲む塀のような形状
にして形成されている。

【００２４】そして、この緩衝装置１１はファクシミリ
装置１０１の右側の側部１０１ａに嵌合してファクシミ
リ装置１０１を保持する。なお、ファクシミリ装置１０
１の左側の側部１０１ａは本発明と同じ緩衝装置１１、
または異なる緩衝装置を嵌合する。

【００２５】緩衝装置１１でファクシミリ装置１０１の
側部１０１ａを保持する場合について説明する。緩衝装
置１１の凹部１２をその開口部からファクシミリ装置１
０１の側部１０１ａに嵌合してファクシミリ装置１０１
の中央部に向けて移動させると、側部１０１ａが凹部１
２の内部に入って行き側部１０１ａに存在する各角部１
０１ｂ、１０１ｃおよび１０１ｄが凹部１２における底
面部１２ａおよび側面部１２ｂに形成された各孔部１４
ａ、１４ｂおよび１４ｃに達する。さらに、緩衝装置１
１を移動すると、側部１０１ａの各角部１０１ｂ、１０
１ｃおよび１０１ｄが対応する凹部１２の各孔部１４
ａ、１４ｂおよび１４ｃに係合して凹部１２の外側へ突
き出る。ここで、側部１０１の各角部１０１ｂ、１０１
ｃおよび１０１ｄが凹部１２の各孔部１４ａ、１４ｂお
よび１４ｃに係合して凹部外側へ移動する場合に、各角
部１０１ｂ、１０１ｃおよび１０１ｄが各孔部１４ａ、
１４ｂおよび１４ｃの周縁部（凹部１２を形成する古紙
材料からなる板材）を押圧して凹部外側へ向けて押し広
げるように弾性的にたわませる。そうすると各孔部１４
ａ、１４ｂおよび１４ｃの周縁部（凹部１２を形成する
古紙材料からなる板材）はその反動により、各孔部１４
ａ、１４ｂおよび１４ｃに係合している各角部１０１
ｂ、１０１ｃおよび１０１ｄに周囲に接触してを弾性的
に押える。これによりファクシミリ装置１０１の側部１
０１ａの各角部１０１ｂ、１０１ｃおよび１０１ｄは凹
部１２にポイント的に接触するのではなく夫々周囲を凹
部１２を形作る板材に包まれて保持される。

【００２６】従って、緩衝装置１１の凹部１２をファク
シミリ装置１０１の側部１０１ａに嵌合した時に、凹部
１２が側部１０１ａの各角部１０１ｂ、１０１ｃおよび
１０１の全てを各孔部１４ａ、１４ｂおよび１４ｃで係
合して充分な弾性力で押圧して保持する。このため、緩
衝装置１１の凹部１２はファクシミリ装置１０１の側部
１０１ａをがたつきなく均一に安定して保持でき、ファ
クシミリ装置１０１を梱包して輸送する時に外部から加
わる振動により緩衝装置１１の凹部１２とファクシミリ
装置１０１の側部１０１ａとが擦れて側部１０１ａを傷
つけることがない。

【００２７】そして、この緩衝装置１１は古紙を再生し
た材料により形成しているので、環境に与える影響が小
さく経済的な材料で形成することができる利点を有して
いる。しかも、古紙により成形された緩衝装置１１は寸
法精度が悪く弾性も充分でないが、前述した本発明の構
成を採用することによりこの問題を克服してファクシミ
リ装置１０１を安定して確実に保持できる。

【００２８】なお、本発明は前述した実施の形態に限定
されず、種々変形して実施することができる、例えば前
述した実施の形態では梱包する商品をファクシミリ装置
１０１としているが、これに限定されず他の広い範囲の
商品を梱包するために使用する緩衝装置を対象にでき
る。また、前述した実施の形態では緩衝装置は商品の両
側部の側部を嵌合保持する形式のものであるが、商品の
上部および下部の側部に嵌合する形式など、その形式や
数は限定されない。また、前述した実施の形態では緩衝
装置の全体を古紙材料により成形しているが、本発明で
は少なくとも凹部を古紙材料などの板材によりに形成す
れば良く、保持部は例えば発砲スチロールなどの他の材
料で形成することも可能である、

【００２９】

【発明の効果】請求項１の発明の商品梱包用緩衝装置に
よれば、緩衝装置の凹部を商品の側部に嵌合すると、商
品の側部に存在する角部が凹部に形成した孔部から凹部
の外側へ突き出て、孔部の周縁部が商品の角部を弾性的
に押えるために、商品の側部をポイント的ではなくて包
み込むように保持することができ、商品の側部を均一に
且つ確実に接触して安定して保持できる。

【００３０】請求項２の発明によれば、緩衝装置の凹部
を環境に与える影響が小さく古紙材料により経済的に成
形することができる。特に古紙材料により成形した緩衝
装置は弾性が小さく寸法精度に限界あるために請求項１
の発明の構成を適用すると緩衝装置として大変優れた効
果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態における緩衝装置とファ
クシミリ装置を示す斜視図。

【図２】同実施の形態における緩衝装置を示す斜視図。

【図３】同実施の形態におけるファクシミリ装置の側部
と緩衝装置を示す断面図。

【図４】同実施の形態におけるファクシミリ装置の側部
を緩衝装置が保持した状態を示す断面図。

【図５】従来の一形態におけるファクシミリ装置の側部
を保持する緩衝装置を示す斜視図。

【図６】同従来の形態におけるファクシミリ装置の側部
と緩衝装置を示す断面図。

【図７】同従来の形態におけるファクシミリ装置の側部
を緩衝装置が保持した状態を示す断面図。

【符号の説明】

１１…緩衝装置、 １２…凹部、 １３…保持部、 １４ａ…孔部、 １４ｂ…孔部、 １４ｃ…孔部、 １０１…ファクシミリ装置（商品）、 １０１ａ…側部、 １０１ｂ…角部、 １０１ｃ…角部、 １０１ｄ…角部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品の側部を保持する緩衝装置におい
   て、前記商品の側部を外側から嵌合する板材からなる凹
   部と、この凹部の周囲を囲み梱包容器と接して前記商品
   を前記梱包容器から離して保持する保持部とを備え、 前記凹部は前記側部を嵌合した状態において前記商品の
   側部に存在する角部が前記凹部の外側へ突き出る大きさ
   であり、且つ前記凹部には前記商品の側部における角部
   が係合する孔部が形成され、この孔部の周縁部はこの孔
   部に係合した前記商品の角部を弾性的に押えることを特
   徴とする商品梱包用緩衝装置。
2. 【請求項２】 前記凹部を成形する板材は古紙成形材料
   であることを特徴とする請求項１に記載の商品梱包用緩
   衝装置。