JP2000280347A - 合成樹脂製部材の摩擦接合方法 - Google Patents

合成樹脂製部材の摩擦接合方法

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JP2000280347A
JP2000280347A JP8904899A JP8904899A JP2000280347A JP 2000280347 A JP2000280347 A JP 2000280347A JP 8904899 A JP8904899 A JP 8904899A JP 8904899 A JP8904899 A JP 8904899A JP 2000280347 A JP2000280347 A JP 2000280347A
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Ryosuke Ito
良輔 伊藤
Koji Harada
浩次 原田
Takashi Oguchi
貴士 小口
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない実験データーの蓄積であっても、いろい
ろな径や肉厚が異なる被接合部材同士を確実に接合する
ことができる摩擦接合方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】合成樹脂製の2つの被接合部材を突き合わ
せ、一方の被接合部材を接合面に直交する軸を中心に回
転させて接合面同士を摩擦させる溶融工程と、前記溶融
工程終了後、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向
に移動させて、所定の圧力を保持しながら圧接する接合
工程とを含む合成樹脂製部材の摩擦接合方法において、
予め一つのある径の被接合部材同士の接合に適した溶融
工程時の接合面の単位面積当たりにかかる圧力と、前記
接合面における一方の被接合部材と他方の被接合部材と
の相対周速度を求め、これを基準圧力および基準周速度
とし、他の径の被接合部材同士を摩擦接合する際に、前
記基準圧力および基準周速度と一致させるように溶融工
程を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製部材の
摩擦接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、被接合部材としての管と管と
の接合等、合成樹脂製の2つの被接合部材を接合する方
法として、2つの被接合部材の接合面同士を突き合わ
せ、この突き合わせた接合面同士を、少なくとも一方の
被接合部材を回転させることにより摩擦させて両接合面
およびその近傍を摩擦熱によって溶融状態にする溶融工
程と、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対
移動させて、溶融状態になった両接合面およびその近傍
を所定の圧力を保持しながら圧接する接合工程とを備え
た摩擦接合方法が知られている。
【0003】上記摩擦接合方法としては、例えば特開昭
51−16375号公報で提案されているように、溶融
工程において、両接合面およびその近傍が溶融し始める
までの接合面間の接触圧力よりも、前記両接合面および
その近傍が溶融した後の接合面間の接触圧力を小さくす
るようにしている。
【0004】また、本発明者等は、溶融工程が、一方の
被接合部材を一定速度で回転させた状態で、この被接合
部材の接合面を他方の被接合部材の接合面に、これら接
合面同士が磨耗現象を起こす圧力より小さく、すべりを
起こす圧力より大きい圧力で突き合わせて、この接合面
を昇温・溶融させる昇温溶融工程と、この昇温溶融工程
により接合面を溶融させた後、昇温溶融工程時に接合面
にかかる圧力(以下、「面圧」という。)から剪断発熱
が保持できるとともに急激な接合面の温度上昇が起こら
ない程度の圧力まで圧力を低下させた圧力状態で接合面
同士の摩擦を継続し、溶融層を拡大する溶融層拡大工程
とを備えており、接合工程が、前記昇温溶融工程もしく
は前記溶融層拡大工程で溶融層内に発生したボイドまた
は摩擦によって低分子化された樹脂分を接合面から外側
に押し出し可能な圧力まで圧力を上げて接合面同士を所
定の面圧を保持しながら圧接する第一接合工程を備え、
さらに前記接合工程において、第一接合工程終了後、接
合面において溶融した樹脂が充分に固化に至っていない
場合に、この溶融した樹脂が固化するまで、保圧の意味
で接合面同士間の押圧力を第一接合工程の面圧より漸減
させた面圧で圧力を付与する第二接合工程を備えている
摩擦接合方法を先に提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来よ
り提案されている摩擦接合方法、および本発明者等が提
案した摩擦接合方法により、たとえば、管形状をした被
接合部材(管母材)同士を接合させて接合管を得た場
合、得られた接合菅の強度は、管母材同等の接合強度を
得ることが可能となっている。しかし、これらの方法で
は、被接合部材の口径がある一定の場合に限られてお
り、被接合部材の口径が変化した場合には、従来と同じ
条件では管母材同等の接合強度を得ることができないと
いう問題があった。
【0006】すなわち、上述したような摩擦接合方法で
は、被接合部材の口径ごとに、それぞれ接合条件を求め
る必要があった。この接合条件を求めるには、理論的な
特定方法が確率されていないため、実験データーを蓄積
していくしか方法がなく、多くの時間と労力を必要とす
るという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、上記問題を鑑みて成さ
れ、少ない実験データーの蓄積であっても、いろいろな
径や肉厚が異なる被接合部材同士を確実に接合すること
ができる摩擦接合方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1(以下、「本発明1」という。)
における合成樹脂製部材の摩擦接合方法は、合成樹脂製
の2つの被接合部材を、その接合面同士を突き合わせ、
少なくとも一方の被接合部材を接合面に直交する軸を中
心に回転させて接合面同士を摩擦させ、両接合面および
その近傍を摩擦熱によって溶融状態にする溶融工程と、
前記溶融工程終了後、一方の被接合部材を他方の被接合
部材方向に相対移動させて、溶融状態になった両接合面
およびその近傍を所定の圧力を保持しながら圧接する接
合工程とを含む合成樹脂製部材の摩擦接合方法におい
て、予め一つのある径の被接合部材同士の接合に適した
溶融工程時の接合面の単位面積当たりにかかる圧力と、
前記接合面における一方の被接合部材と他方の被接合部
材との相対周速度を求め、これを基準圧力および基準周
速度とし、他の径の被接合部材同士を摩擦接合する際
に、前記基準圧力および基準周速度と一致させるように
溶融工程を行うことを特徴とする。
【0009】上記構成において、被接合部材となる合成
樹脂としては、熱可塑性の樹脂であれば、特に限定され
ないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリ塩化ビニル、架橋ポリエチレン、架橋ポリ
プロピレンなどが挙げられる。また、被接合部材の形態
は、例えば、管、管継手等の管形状をした形態が挙げら
れるが、摩擦接合を行うことが可能な限り特に限定され
ない。また、周速度とは、たとえば、被接合部材が管形
状をしている場合、管の内径と外径との中間位置におけ
る周速度をいい、被接合部材が棒形状をしている場合、
回転軸と外径との中間部分における周速度をいう。
【0010】また、本発明の合成樹脂製部材の摩擦接合
方法としては、溶融工程が、一方の被接合部材を一定速
度で回転させた状態で、接合面が磨耗現象を起こす圧力
より小さく、すべりを起こす圧力より大きい圧力で、前
記接合面を他方の被接合部材の接合面に突き合わせて、
この接合面を昇温・溶融させる昇温溶融工程と、この昇
温溶融工程により接合面が溶融した後、昇温溶融工程時
の面圧から、剪断発熱が保持できるとともに急激な接合
面の温度上昇が起こらない程度の圧力まで面圧を低下さ
せた圧力状態で接合面同士の摩擦を継続し、溶融層を拡
大していく溶融層拡大工程とを備えているとともに、接
合工程が、前記昇温溶融工程もしくは前記溶融層拡大工
程で溶融層内に発生したボイドまたは摩擦によって低分
子化された樹脂分を接合面から外側に押し出し可能な圧
力まで圧力を上げて接合面同士を所定の面圧を保持しな
がら圧接する第一接合工程を備えているようにすると、
接合部材の母材、すなわち被接合部材と同等の接合部強
度を得ることができる点で好ましい。
【0011】さらに、本発明の合成樹脂製部材の摩擦接
合方法としては、上述した第一接合工程終了後、接合部
で樹脂が溶融状態のまま、すなわち、固化に到っていな
い場合、溶融樹脂のその後の冷却に伴いヒケが発生して
接合部の強度を低下させる恐れがあるので、溶融樹脂が
固化するまで、保圧の意味で低圧ながら圧力を付与させ
ることが好ましい。
【0012】また、本発明の請求項2(以下、「本発明
2」という。)における合成樹脂製部材の摩擦接合方法
は、管形状をした合成樹脂製の2つの被接合部材を、そ
の接合面同士を突き合わせ、少なくとも一方の被接合部
材を接合面に直交する軸を中心に回転させて接合面同士
を摩擦させ、両接合面およびその近傍を摩擦熱によって
溶融状態にする溶融工程と、前記溶融工程終了後、一方
の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させ
て、溶融状態になった両接合面およびその近傍を所定の
圧力を保持しながら圧接する接合工程とを含む合成樹脂
製部材の摩擦接合方法において、予め一つのある肉厚を
した被接合部材同士の接合に適した溶融工程時の両接合
面およびその近傍に形成される軸方向の溶融幅を求め、
これを基準溶融幅とし、他の肉厚の被接合部材同士を摩
擦接合するとき、前記被接合部材の肉厚が基準溶融幅を
求めた被接合部材の肉厚よりも大きければ、溶融幅が基
準溶融幅よりも大きくなるように、前記被接合部材の肉
厚が基準溶融幅を求めた被接合部材の肉厚よりも小さけ
れば、溶融幅が基準溶融幅よりも小さくなるように溶融
工程を行うことを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項3(以下、「本発明
3」という。)における合成樹脂製部材の摩擦接合方法
は、本発明1の構成に加えて、被接合部材が管形状をし
ており、予め一つのある肉厚をした被接合部材同士の接
合に適した溶融工程時の両接合面およびその近傍に形成
される軸方向の溶融幅を求め、これを基準溶融幅とし、
他の肉厚の被接合部材同士を摩擦接合するとき、基準溶
融幅を求めた被接合部材の肉厚よりも被接合部材の肉厚
が大きくなれば、基準溶融幅よりも溶融幅を大きくし、
基準溶融幅を求めた被接合部材の肉厚よりも被接合部材
の肉厚が小さくなれば、基準溶融幅よりも溶融幅を小さ
くするように溶融工程を行う構成をしている。
【0014】また、本発明の請求項4(以下、「本発明
4」という。)における合成樹脂製部材の摩擦接合方法
は、本発明2または本発明3の構成に加えて、予め一つ
のある肉厚をした被接合部材同士の接合に適した接合工
程時の被接合部材同士の相対移動量を求め、これを基準
相対移動量とし、他の肉厚の被接合部材同士を摩擦接合
するとき、基準相対移動量を求めた被接合部材の肉厚よ
りも被接合部材の肉厚が大きくなれば、基準相対移動量
よりも相対移動量を大きくし、基準相対移動量を求めた
被接合部材の肉厚よりも被接合部材の肉厚が小さくなれ
ば、基準相対移動量よりも相対移動量を小さくするよう
に接合工程を行う構成をしている。
【0015】本発明2または本発明3における、軸方向
の溶融幅は、被接合部材の種類によって異なるが、例え
ば、被接合部材が、同一樹脂からなる管形状をした部材
である場合は、通常管の肉厚の増加に伴い溶融幅を広
く、管の肉厚の減少に伴い溶融幅を狭くするようになっ
ている。すなわち、軸方向の溶融幅を変えることで、接
合面の溶融層内に発生したボイドまたは摩擦によって低
分子化された樹脂を確実に除くとともに、接合に必要な
溶融樹脂を接合面に残すように調節することができる。
【0016】また、接合工程における被接合部材の相対
移動量は、被接合部材の種類によって異なるが、例え
ば、被接合部材が、同一樹脂からなる管形状をした部材
の場合は、通常管の肉厚の増加に伴い相対移動量を大き
く、管肉厚の減少に伴い相対移動量を小さくするように
なっている。すなわち、被接合部材の肉厚に応じて相対
移動量を変えることで、溶融層内に発生したボイドまた
は摩擦によって低分子化された樹脂を、接合面から外側
に完全に押し出し、かつ接合に必要な溶融樹脂を接合面
に残すことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をその実施の形態
を表す図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明
にかかる摩擦接合方法を行う摩擦接合装置の一実施形態
を示した側面図である。図1に示したように、摩擦接合
装置(以下、「装置」とのみ記す。)1は、摩擦力付与
手段2と、支持手段3と、ビード形状矯正手段4と、レ
ーザー変位計5と、ロードセル6と、コンピューター7
とを備えており、被接合部材としての合成樹脂製管(以
下、「樹脂管」とのみ記す。)A1と樹脂管A2とを摩
擦接合させるようになっている。
【0018】すなわち、摩擦力付与手段2は、モーター
21と、タイミングベルト22とを備えており、後述す
る回転チャック30を回転させて、この回転チャック3
0に把持された樹脂管A1を回転させることで摩擦力を
付与するようになっている。支持手段3は、樹脂管A1
を固定した状態で支持する固定支持部3Aと、樹脂管A
2をその中心軸方向に移動可能に支持する可動支持部3
Bとを備えている。
【0019】固定支持部3Aは、樹脂管A1を回転可能
に把持する回転チャック30と、この回転チャック30
を回転自在に支持する支柱部20とを備えている。回転
チャック30は、装置1の所定の場所に支柱部20によ
って支持されており、タイミングベルト22を介して伝
達されたモーター21の駆動力によって回転すること
で、把持固定した樹脂管A1をその接合面の中心軸を中
心として、任意の回転速度で回転させるようになってい
る。
【0020】可動支持部3Bは、クランプ31と、スラ
イドテーブル32と、レール33と、スライドテーブル
移動用エアシリンダー(以下、「第一エアシリンダー」
と記す。)34と、電/空レギュレーター35とを備え
ている。クランプ31は、樹脂管A2の接合面と回転チ
ャック30に把持された樹脂管A1の接合面とが対面し
合うように、樹脂管A2を固定できるようになってお
り、スライドテーブル32上に取り付けられている。
【0021】スライドテーブル32は、前述したように
クランプ31とともに、治具移動用エアシリンダー(以
下、「第二エアシリンダー」と記す。)41が取り付け
られるエアシリンダー取り付け部321が設けられてい
る。また、スライドテーブル32は、エアシリンダー取
り付け部321で第一エアシリンダー34のシリンダー
ロッドと繋がっており、この第一エアシリンダー34の
シリンダーロッドの進退に合わせてレール33上を進退
するようにレール33上に載置されている。
【0022】第一エアシリンダー34は、図示していな
いがコンプレッサーから送られてきたエアーを電/空レ
ギュレーター35により制御して押圧力を調整すること
ができるようになっており、電/空レギュレーター35
は、コンピューター7によってエアー量を制御すること
ができるようになっている。すなわち、可動支持部3B
は、第一エアシリンダー34が電/空レギュレーター3
5に制御され送られてくるエアーにより、伸び縮みする
ことによって、クランプ31が固定支持部3A方向に進
退するようになっている。
【0023】ビード形状矯正手段4は、第二エアシリン
ダー41と、樹脂管A1と樹脂管A2との接合時に発生
するビードを管の内側から整えるための内面治具42
と、外側から整えるための外面治具43とを備えてい
る。第二エアシリンダー41は、そのシリンダーロッド
の先端に内面治具42が取り付けられており、樹脂管A
1と樹脂管A2との接合部の内側に内面治具42が臨む
ように内面治具42を移動させるようになっている。
【0024】外面治具43はリングを半分に分割したも
のをボルトで締めることにより、樹脂管A1と樹脂管A
2の外側に直接取り付けられている。レーザー変位計5
は、スライドテーブル32の移動量や移動速度を測定す
るとともに、この結果をコンピューター7へ伝えるよう
になっている。ロードセル6は、エアシリンダー取り付
け部321と、第一エアシリンダー34のシリンダーロ
ッド先端との間に設けられており、樹脂管A1と樹脂管
A2との接合時の両接合面間にかかる圧力を測定すると
ともに、この結果をコンピューター7へ伝えるようにな
っている。
【0025】装置1は上述したように、回転させた樹脂
管A1に樹脂管A2を押し当てて摩擦を発生させるの
で、エネルギーのロスが少なく短時間で樹脂管A1と樹
脂管A2との接合面を溶融させることができるようにな
っている。なお、装置1は、本発明の合成樹脂製部材の
摩擦接合方法を説明するための例示に過ぎなく、別の形
態をしている摩擦接合装置を用いて良いことは言うまで
もない。
【0026】次に、本発明にかかる摩擦接合方法を説明
する。 〔準備段階〕 .所定の口径をした樹脂管として、樹脂管A1および
樹脂管A2を用意する。 .樹脂管A1は、装置1の回転チャック30に把持さ
せ、樹脂管A2は、クランプ31に固定させる。なお、
このとき、樹脂管A1と樹脂管A2との接合面に臨む位
置にビード形状矯正手段を設置する。
【0027】〔溶融工程(昇温溶融工程)〕 .回転チャック30により樹脂管A1を所定の周速度
で回転させ、この数秒後に第一エアシリンダー34によ
りクランプ31に固定されている樹脂管A2を樹脂管A
1に押し付ける。なお、このとき、最も好ましい接合管
を得るための回転チャック30の回転数、すなわち樹脂
管A1の周速度を基準周速度として求めておき(基準値
A)、樹脂管A2を樹脂管A1に押し付ける時の面圧を
基準圧力として求めておき(基準値B)、口径の異なる
樹脂管同士を摩擦接合するときの基準設定値とするよう
にする。
【0028】〔溶融工程(溶融層拡大工程)〕 .の工程により、樹脂管A1と樹脂管A2との接合
面およびその近傍が溶融し始めると、回転チャック30
の回転数はそのままで、第一エアシリンダー34の圧力
を下げて接合面にかかる圧力を小さくした状態で、溶融
した部分の軸方向における溶融幅を拡大していく。な
お、このとき溶融幅は、溶融工程を行う時間すなわち樹
脂管A1が回転開始してから回転を止めるまでの回転時
間が長ければ溶融幅も大きくなり、回転時間が短ければ
溶融幅も小さくなる。すなわち、溶融幅は、回転時間に
依存するため、この回転時間を基準溶融幅を表す指標と
して求めておき(基準値C)、肉厚の異なる樹脂管同士
を摩擦接合するときの基準設定値とするようにする。
【0029】〔接合工程(第一接合工程)〕 .溶融層が所定の厚みとなるまで、接合面およびその
近傍が溶融された状態となると、回転チャック30を停
止させるとともに、クランプ31を稼働させる第一エア
シリンダー34の圧力を再び上げて、樹脂管A2を樹脂
管A1に押し付けるようにする。なお、このとき、最も
好ましい接合管を得るための樹脂管A2を樹脂管A1に
押し付ける圧力値を基準圧力として求めておき(基準値
D)、クランプ31の移動量、すなわち樹脂管A2の樹
脂管A1方向に移動する移動量を基準相対移動量として
求めて(基準値E)、肉厚の異なる樹脂管同士を摩擦接
合するときの基準設定値とするようにする。
【0030】.工程により、樹脂管A2を樹脂管A
1方向に所定量移動させた時点で、樹脂管A2を樹脂管
A1に押し付ける圧力値を弱め、この状態で所定時間保
持することで樹脂管A1と樹脂管A2との接合管を得
る。なお、得られた接合管は、JIS K 6774
「ガス用ポリエチレン管」付属書2に基づきクリープ性
能を求め、実公称応力50kgf/cm2 にて破断繰り
返し数を求めるとともに、この破断繰り返し数が母材同
等の80000回以上あるものを良品の接合管とする。
【0031】上記方法において、樹脂管A1および樹脂
管A2として、たとえば、呼び径100A(外径114
±0.35mm、肉厚10.4+1.3mm)の高密度
ポリエチレン管を用いた場合において、良品の接合管を
得るための基準値を経験的に求めたところ、以下のよう
になった。
【0032】基準値Aが、5.424m/秒。 基準値Bが、樹脂管A1の回転開始から2秒後〜5秒後
で0.25MPa 樹脂管A1の回転開始から5秒後〜8秒後で0.088
MPa 樹脂管A1の回転開始から8秒後〜21.5秒後で0.
039MPa 基準値Cが、21.5秒 基準値Dが、0.49MPa 基準値Eが、1.5mm
【0033】そして、本発明の合成樹脂製部材の摩擦接
合方法では、上記のように予め求めた基準値A〜基準値
Eの基準設定値に基づいて、被接合部材の口径や肉厚が
変わっても、以下のようにして接合する。すなわち、上
記樹脂管A1や樹脂管A2と異なる口径をした樹脂管同
士を摩擦接合するときは、この樹脂管の樹脂材料が同じ
で有るかぎり、樹脂管の口径の大きさに関わらず、基準
値Aと一致する周速度および基準値Bと一致する圧力
で、上記摩擦接合を行うようにする。
【0034】このように、ある口径をしている被接合部
材中の接合面にかかる単位面積あたりの圧力、一方の被
接合部材の接合面と他方の被接合部材の接合面との相対
周速度は、被接合部材の口径が変わっても、変える必要
がない。すなわち、摩擦接合において接合強度を管部材
同等まで高めるためには、接合面の樹脂の分子鎖が熱拡
散により相互に進入し、十分絡み合うことで連続的な接
合部を形成する。よって、摩擦接合においては、絡み合
いを十分起こさせるための熱量を加えることが必要であ
る。
【0035】このことから、摩擦接合において接合強度
を管部材同等まで高めるための必要な熱量は、同一樹脂
では同じであるので、接合部材の口径が変化した場合で
も、単位面積当たりの熱量は同等でよい。したがって、
回転条件としては、接合部材の口径に関わらず、回転さ
せる被接合部材の周速度、接合面にかかる圧力を基準設
定値と一致させるようにするのである。
【0036】また、上記樹脂管A1や樹脂管A2と異な
る肉厚をしている樹脂管同士を摩擦接合するときは、基
準値Cで求められた値に基づいて、樹脂管の肉厚が厚い
ときには、基準値Cの値よりも摩擦時間を延長、すなわ
ち溶融幅を大きくとるようにして、樹脂管の肉厚が薄い
ときには、基準値Cの値よりも摩擦時間を短縮、すなわ
ち溶融幅を小さくとるようにする。
【0037】すなわち、接合面にボイドや低分子化した
樹脂などの強度低下要因が残ると、管本体部分と比べて
接合部分の強度が低下するため、摩擦終了後の押し付け
段階において、これらを確実に接合面外へ排除すること
が必要である。そのためには押し付け段階における押し
流し量が重要で、この押し流し量が不足すると、特に管
の肉厚中央付近に残された強度低下要因が接合面に残る
場合がある。つまり、図2に示したように、接合部材の
肉厚が厚い場合には、押し付け段階での押し流し幅も厚
くなり、接合部材の肉厚が薄い場合には、押し付け段階
での押し流し幅も薄くなる。
【0038】さらに、樹脂管A1や樹脂管A2と異なる
肉厚をしている樹脂管同士を摩擦接合するとき、基準値
Eで求められた値に基づいて、樹脂管の肉厚に比例させ
て増減させるようにする。すなわち、たとえば、樹脂管
の肉厚が樹脂管A1の1.5倍あるとすると基準値Eの
値を1.5倍するようにして、樹脂管の肉厚が樹脂管A
1の0.7倍あるとすると基準値Eの値を0.7倍する
ようにする。これは上述したように、樹脂管の肉厚に比
例して押し流し幅が増減するからである。
【0039】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
【0040】(前提条件の設定)被接合部材として高密
度ポリエチレン管(積水化学工業社製エスロンハイパー
PE、呼び径100A( 外径114 ±0.35mm、肉厚10.4
+1.3mm)、長さ400mm)である樹脂管(以下、
「PE管」という。)A1およびPE管A2を用いた。
【0041】PE管A1は、図1に示すような装置1の
回転チャック30に把持させ、PE管A2は、クランプ
31に固定した。また、PE管A1とPE管A2との接
合面に臨む位置にビード形状矯正手段4を設置した。ビ
ード形状矯正手段4における内面治具42は、両PE管
A1およびA2の内管部分に設置し、外面治具43は、
両PE管A1およびA2の外管部分に設置した。
【0042】〔昇温溶融工程〕PE管A1およびPE管
A2の接合面を突き合わせた後、回転チャック30を周
速5.424m/秒にセットして回転を開始した。そし
て、2秒後に第一エアシリンダー34の圧力を上げてス
ライドテーブル32を移動させ、クランプ31に固定さ
れているPE管A2を回転チャック30に把持された状
態で回転しているPE管A1に押し付けた。この時、押
し付けにかかる圧力(圧接圧)としては、ロードセル6
にかかる荷重をPE管A1またはPE管A2の断面積で
除した値が0.25MPaの面圧となるようにした。そ
して、5秒後に第一エアシリンダー34の圧力を下げて
接合面にかかる圧力を0.088MPaに下げた。
【0043】〔溶融層拡大工程〕昇温溶融工程終了か
ら、さらに3秒後に第一エアシリンダー34の圧力を
0.039MPaにまで下げた後、回転開始から通算2
1.5秒後までその状態を保った。このとき、PE管A
1およびPE管A2の接合面は、完全に溶融状態となっ
た。
【0044】〔第一接合工程〕溶融層拡大工程終了後、
すなわち回転開始から21.5秒後に回転チャック30
を停止させるとともに、クランプ31を稼働させる第一
エアシリンダー34の圧力を再び上げて、PE管A1と
PE管A2との接合面にかかる圧力が0.49MPaを
保持するように、PE管A2をPE管A1に押し付け、
クランプ31のPE管A2方向への移動量が1.5mm
となるまでスライドテーブル32を移動させた。
【0045】クランプ31のPE管A2方向への移動量
が1.5mmとなった時点で、PE管A1とPE管A2
との接合面にかかる圧力を0.098MPaに落とした
後、70秒間保持してPE管A1およびPE管A2を接
合した接合管を得た。なお、得られた接合管のクリープ
性能は、JIS K 6774「ガス用ポリエチレン
管」付属書2に基づき評価を行い、実公称応力50kg
f/cm2 にて破断繰り返し数を求めるとともに、この
破断繰り返し数が母材同等の80000回以上あるもの
を良品の接合管とした。
【0046】上述した摩擦接合において設定された各条
件は、発明者等が最適の接合管を得るための条件として
知得したものである。そこで、上記各条件に基づいて、
異なった口径、および異なった肉厚をしたPE管の摩擦
接合を以下の実施例1〜実施例3および、比較例1〜比
較例3に示すように行った。
【0047】(実施例1)前提条件と同様の手順で高密
度ポリエチレン管(積水化学工業社製エスロンハイパー
PE、呼び径75A( 外径89±0.3 mm 、肉厚8.1+1.
1 mm )、長さ400mm)であるPE管同士の接合
を行った。摩擦接合を行う際の条件として、昇温溶融工
程および溶融層拡大工程における、回転チャック30の
周速度およびPE管同士の圧接圧の値は、上述した前提
条件と同じ値となるようにした。
【0048】ただし、本実施例の高密度ポリエチレン管
の肉厚が、前提条件のPE管A1およびPE管A2の肉
厚よりも薄くなっているため、溶融層拡大工程終了まで
の時間を回転開始から通算21.5秒から、通算21秒
に減少させた。また、第一接合工程において、前提条件
でクランプ31のPE管A2方向へ1.5mm移動させ
ていた移動量を、前提条件に用いた管の肉厚と本実施例
に用いた管の肉厚との割合に応じて減少させて1.2m
mとした。
【0049】以上の条件における摩擦接合によって得ら
れた接合管の、クリープ性能は、JIS K 6774
「ガス用ポリエチレン管」付属書2に基づき評価を行
い、実公称応力50kgf/cm2 にて破断繰り返し数
を求めたところ、破断繰り返し数が母材同等の8000
0回以上あり、十分な接合強度を有した接合管であっ
た。
【0050】(実施例2)前提条件と同様の手順で高密
度ポリエチレン管(積水化学工業社製エスロンハイパー
PE、呼び径150A( 外径165 ±0.5 mm 、肉厚1
5.0+1.7mm)、長さ400mm)であるPE管同士の
接合を行った。摩擦接合を行う際の条件として、昇温溶
融工程および溶融層拡大工程における、回転チャック3
0の周速度およびPE管同士の圧接圧の値は、上述した
前提条件と同じ値となるようにした。
【0051】ただし、本実施例の高密度ポリエチレン管
の肉厚が、前提条件のPE管A1およびPE管A2の肉
厚よりも厚くなっているため、溶融層拡大工程終了まで
の時間を回転開始から通算21.5秒から、通算23秒
に増加させた。また、第一接合工程において、前提条件
でクランプ31のPE管A2方向へ1.5mm移動させ
ていた移動量を、前提条件に用いた管の肉厚と本実施例
に用いた管の肉厚との割合に応じて増加させて2.2m
mとした。
【0052】以上の条件における摩擦接合によって得ら
れた接合管の、クリープ性能は、JIS K 6774
「ガス用ポリエチレン管」付属書2に基づき評価を行
い、実公称応力50kgf/cm2 にて破断繰り返し数
を求めたところ、破断繰り返し数が母材同等の8000
0回以上あり、十分な接合強度を有した接合管であっ
た。
【0053】(実施例3)前提条件と同様の手順で高密
度ポリエチレン管(積水化学工業社製エスロンハイパー
PE、呼び径200A( 外径216 ±0.65mm、肉厚19.7
+2.2mm)、長さ400mm)であるPE管同士の接合
を行った。摩擦接合を行う際の条件として、昇温溶融工
程および溶融層拡大工程における、回転チャック30の
周速度およびPE管同士の圧接圧の値は、上述した前提
条件と同じ値となるようにした。
【0054】ただし、本実施例の高密度ポリエチレン管
の肉厚が、前提条件のPE管A1およびPE管A2の肉
厚よりも厚くなっているため、溶融層拡大工程終了まで
の時間を回転開始から通算21.5秒から、通算26秒
に増加させた。また、第一接合工程において、前提条件
でクランプ31のPE管A2方向へ1.5mm移動させ
ていた移動量を、前提条件に用いた管の肉厚と本実施例
に用いた管の肉厚との割合に応じて増加させて2.8m
mとした。
【0055】以上の条件における摩擦接合によって得ら
れた接合管の、クリープ性能は、JIS K 6774
「ガス用ポリエチレン管」付属書2に基づき評価を行
い、実公称応力50kgf/cm2 にて破断繰り返し数
を求めたところ、破断繰り返し数が母材同等の8000
0回以上あり、十分な接合強度を有した接合管であっ
た。
【0056】(比較例1)前提条件と同様の手順で高密
度ポリエチレン管(積水化学工業社製エスロンハイパー
PE、呼び径75A( 外径89±0.3 mm 、肉厚8.1+1.
1 mm )、長さ400mm)であるPE管同士の接合
を行った。摩擦接合を行う際の条件として、昇温溶融工
程および溶融層拡大工程における、回転チャック30の
周速度を6.542m/秒に変更し、PE管同士の圧接
圧の値は、上述した前提条件と同じ値となるようにし
た。
【0057】また、本実施例の高密度ポリエチレン管の
肉厚が、前提条件のPE管A1およびPE管A2の肉厚
よりも薄くなっているため、溶融層拡大工程終了までの
時間を回転開始から通算21.5秒から、通算21秒に
減少させた。また、第一接合工程において、前提条件で
クランプ31のPE管A2方向へ1.5mm移動させて
いた移動量を、前提条件に用いた管の肉厚と本実施例に
用いた管の肉厚との割合に応じて減少させて1.2mm
とした。
【0058】以上の条件における摩擦接合を行った際、
溶融層拡大工程において、PE管同士の接合部分で樹脂
が劣化し、煙が発生しているのが確認された。得られた
接合管の、クリープ性能は、JIS K 6774「ガ
ス用ポリエチレン管」付属書2に基づき評価を行い、実
公称応力50kgf/cm2 にて破断繰り返し数を求め
たところ、破断繰り返し数が40000回であり、接合
強度は元のPE管よりも低下していた。
【0059】(比較例2)前提条件と同様の手順で高密
度ポリエチレン管(積水化学工業社製エスロンハイパー
PE、呼び径75A( 外径89±0.3 mm 、肉厚8.1+1.
1 mm )、長さ400mm)であるPE管同士の接合
を行った。摩擦接合を行う際の条件として、昇温溶融工
程および溶融層拡大工程における、回転チャック30の
周速度は、上述した前提条件と同じ値としたが、PE管
同士の圧接圧の値は、摩擦開始から2秒後に0.15M
Paとし、5秒後に0.039MPaまで下げ、8秒後
に0.010MPaまで下げた後、回転開始から通算2
1秒までその状態を保った。
【0060】また、第一接合工程において、前提条件で
クランプ31のPE管A2方向へ1.5mm移動させて
いた移動量を、前提条件に用いた管の肉厚と本実施例に
用いた管の肉厚との割合に応じて減少させて1.2mm
とした。以上の条件における摩擦接合で得られた接合管
の、クリープ性能は、JISK 6774「ガス用ポリ
エチレン管」付属書2に基づき評価を行い、実公称応力
50kgf/cm2 にて破断繰り返し数を求めたとこ
ろ、破断繰り返し数が30000回であり、接合強度は
元のPE管よりも低下していた。
【0061】(比較例3)前提条件と同様の手順で高密
度ポリエチレン管(積水化学工業社製エスロンハイパー
PE、呼び径150A( 外径165 ±0.5 mm 、肉厚1
5.0+1.7mm)、長さ400mm)であるPE管同士の
接合を行った。摩擦接合を行う際の条件として、昇温溶
融工程および溶融層拡大工程における、回転チャック3
0の周速度およびPE管同士の圧接圧の値は、上述した
前提条件と同じ値となるようにした。
【0062】また、溶融層拡大工程終了までの時間も、
上述した前提条件と同じ値である回転開始から通算2
1.5秒とした。さらに、第一接合工程においても、上
述した前提条件と同じようにクランプ31をPE管A2
方向へ1.5mm移動させた。以上の条件における摩擦
接合によって得られた接合管の、クリープ性能は、JI
S K 6774「ガス用ポリエチレン管」付属書2に
基づき評価を行い、実公称応力50kgf/cm2 にて
破断繰り返し数を求めたところ、破断繰り返し数が40
000回であり、接合強度は元のPE管よりも低下して
いた。また、このとき、接合部分を超音波顕微鏡で観察
したところ、ボイドの存在が確認された。
【0063】
【発明の効果】本発明の請求項1にかかる合成樹脂製部
材の摩擦接合方法によれば、回転摩擦接合を行う際に、
ある一つの径の溶融条件、すなわち被接合部材同士の接
合面にかかる圧力および被接合部材の接合部分における
相対周速度を求めるだけで、他の任意の径(口径)をし
た被接合部材同士を好適な接合条件で摩擦接合すること
ができる。
【0064】また、本発明の請求項2にかかる合成樹脂
製部材の摩擦接合方法によれば、管形状をしている被接
合部材の接合部分の一つのある肉厚についての溶融条件
を求めるだけで、他の任意の肉厚をした被接合部材同士
を好適な接合条件で摩擦接合することができる。
【0065】また、本発明の請求項3にかかる合成樹脂
製部材の摩擦接合方法によれば、請求項1の効果に加え
て、管形状をしている被接合部材の接合部分の一つのあ
る肉厚についての溶融条件を求めるだけで、他の任意の
肉厚をした被接合部材同士を好適な接合条件で摩擦接合
することができる。また、本発明の請求項4にかかる合
成樹脂製部材の摩擦接合方法によれば、被接合部材の肉
厚に応じて、溶融された領域に残るボイドや低分子化し
た樹脂を接合面外に完全に排除するため、高強度の接合
管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための装置を示す側面
図である。
【図2】管形状をした合成樹脂製部材の接合部分の溶融
される領域幅の説明図である。
【符号の説明】
1 接合装置 2 摩擦力付与手段 3 支持手段 5 レーザー変位計(相対移動量測定手段、相
対移動速度測定手段) 6 ロードセル(圧力測定手段) A1 高密度ポリエチレン管(被接合部材) A2 高密度ポリエチレン管(被接合部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F211 AA05 AC00 AG08 AH81 AP02 AP07 AR02 AR08 TA01 TC01 TC11 TN21 TQ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂製の2つの被接合部材を、その接
    合面同士を突き合わせ、少なくとも一方の被接合部材を
    接合面に直交する軸を中心に回転させて接合面同士を摩
    擦させ、両接合面およびその近傍を摩擦熱によって溶融
    状態にする溶融工程と、前記溶融工程終了後、一方の被
    接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させて、溶
    融状態になった両接合面およびその近傍を所定の圧力を
    保持しながら圧接する接合工程とを含む合成樹脂製部材
    の摩擦接合方法において、予め一つのある径の被接合部
    材同士の接合に適した溶融工程時の接合面の単位面積当
    たりにかかる圧力と、前記接合面における一方の被接合
    部材と他方の被接合部材との相対周速度を求め、これを
    基準圧力および基準周速度とし、他の径の被接合部材同
    士を摩擦接合する際に、前記基準圧力および基準周速度
    と一致させるように溶融工程を行うことを特徴とする合
    成樹脂製部材の摩擦接合方法。
  2. 【請求項2】管形状をした合成樹脂製の2つの被接合部
    材を、その接合面同士を突き合わせ、少なくとも一方の
    被接合部材を接合面に直交する軸を中心に回転させて接
    合面同士を摩擦させ、両接合面およびその近傍を摩擦熱
    によって溶融状態にする溶融工程と、前記溶融工程終了
    後、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移
    動させて、溶融状態になった両接合面およびその近傍を
    所定の圧力を保持しながら圧接する接合工程とを含む合
    成樹脂製部材の摩擦接合方法において、予め一つのある
    肉厚をした被接合部材同士の接合に適した溶融工程時の
    両接合面およびその近傍に形成される軸方向の溶融幅を
    求め、これを基準溶融幅とし、他の肉厚の被接合部材同
    士を摩擦接合するとき、前記被接合部材の肉厚が基準溶
    融幅を求めた被接合部材の肉厚よりも大きければ、溶融
    幅が基準溶融幅よりも大きくなるように、前記被接合部
    材の肉厚が基準溶融幅を求めた被接合部材の肉厚よりも
    小さければ、溶融幅が基準溶融幅よりも小さくなるよう
    に溶融工程を行うことを特徴とする合成樹脂製部材の摩
    擦接合方法。
  3. 【請求項3】被接合部材が管形状をしており、予め一つ
    のある肉厚をした被接合部材同士の接合に適した溶融工
    程時の両接合面およびその近傍に形成される軸方向の溶
    融幅を求め、これを基準溶融幅とし、他の肉厚の被接合
    部材同士を摩擦接合するとき、基準溶融幅を求めた被接
    合部材の肉厚よりも被接合部材の肉厚が大きくなれば、
    基準溶融幅よりも溶融幅を大きくし、基準溶融幅を求め
    た被接合部材の肉厚よりも被接合部材の肉厚が小さくな
    れば、基準溶融幅よりも溶融幅を小さくするように溶融
    工程を行う請求項1に記載の合成樹脂製部材の摩擦接合
    方法。
  4. 【請求項4】予め一つのある肉厚をした被接合部材同士
    の接合に適した接合工程時の被接合部材同士の相対移動
    量を求め、これを基準相対移動量とし、他の肉厚の被接
    合部材同士を摩擦接合するとき、基準相対移動量を求め
    た被接合部材の肉厚よりも被接合部材の肉厚が大きくな
    れば、基準相対移動量よりも相対移動量を大きくし、基
    準相対移動量を求めた被接合部材の肉厚よりも被接合部
    材の肉厚が小さくなれば、基準相対移動量よりも相対移
    動量を小さくするように接合工程を行う請求項2または
    請求項3に記載の合成樹脂製部材の摩擦接合方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008542069A (ja) * 2005-06-01 2008-11-27 エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー プラスチック材料で形成した第1部品を第2部品に接合する方法、接合要素及び装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008542069A (ja) * 2005-06-01 2008-11-27 エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー プラスチック材料で形成した第1部品を第2部品に接合する方法、接合要素及び装置
JP4907648B2 (ja) * 2005-06-01 2012-04-04 エアバス オペレーションズ ゲーエムベーハー プラスチック材料で形成した第1部品を第2部品に接合する方法、接合要素及び装置

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