JP2000278053A - バイアス回路 - Google Patents

バイアス回路

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JP2000278053A
JP2000278053A JP11076112A JP7611299A JP2000278053A JP 2000278053 A JP2000278053 A JP 2000278053A JP 11076112 A JP11076112 A JP 11076112A JP 7611299 A JP7611299 A JP 7611299A JP 2000278053 A JP2000278053 A JP 2000278053A
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Takeshi Yamamoto
剛 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CMOSICにおいて、電流源でバイアスさ
れる回路に電源電圧の依存性の無い本質的な温度補償が
可能となる回路技術を得る。 【解決手段】 バイアス回路31のトランジスタM1,
M2と差動回路32のトランジスタM5,M6の温度係
数が打ち消し合い、バイアス回路31の抵抗R3と差動
回路側の抵抗R4,R5の温度係数が打ち消し合い、差
動回路32のトランジスタM7は、これとカレントミラ
ーをなすバイアス回路側31のトランジスタM1とで温
度係数を打ち消す。差動回路32の利得は、差動回路側
とバイアス回路側の抵抗値の比とトランジスタのゲート
サイズの比だけで正確に決まるため、これらの抵抗値や
トランジスタのサイズが変動しても抵抗比やトランジス
タのサイズ比が変わらない限りは、利得は変動しない。
また、バイアス回路31の本質部分には電源電圧を参照
している箇所はないため電源電圧の依存性もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CMOS半導体
集積回路においてアナログ回路のバイアス電流を供給す
るためのバイアス回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル機器の増大とデジタル信
号処理技術の進歩によって、デジタル信号処理に適した
CMOS集積回路が半導体市場の大部分を占めるように
なってきている。しかし、映像や音声を扱う用途におい
ては、デジタル信号処理の入出力部にA/D、D/A変
換やその前後のフィルタ処理のためのアナログ回路が必
要であるし、クロック発生のための発振器などにアナロ
グ回路が必要である。このようなアナログ回路をCMO
Sのデジタル回路と同一チップ上に安価に形成するため
にはCMOSで構成することが望ましい。
【0003】アナログ回路においてのバイアス回路は、
基本性能を左右する重要な回路である。特にデジタル回
路に混載するアナログ回路に必要なバイアス回路は、デ
ジタル回路で発生し電源ラインなどを介して混入してく
るパルスノイズの影響を受けないように電源電圧に依存
しないことが必要である。また、高精度を要求される回
路では、温度依存性がなくなるようにバイアス回路に温
度補償の機能を持たせることも多い。このように高精度
のアナログ回路では、電源電圧と温度の依存性が無いよ
うなバイアス回路が求められる。
【0004】アナログ回路の基本は差動回路であり、バ
イアス回路によってバイアス電流を供給する。このよう
なバイアス回路の最も基本的な回路を図8に示す。この
回路は、電源Vccと接地GND間に抵抗R13とドレ
イン・ゲート接続のMOSトランジスタM13を直列に
置き、トランジスタM13とカレントミラーをなすMO
SトランジスタM14で折り返して、これをバイアス電
流Ibとするものである。トランジスタM13とM14
が同一サイズのトランジスタであり、トランジスタM1
3のゲート・ソース電圧をVgsとすると、バイアス電
流Ibは、 Ib=(Vcc−Vgs)/R13 … (1) と表わすことができる。
【0005】この式からも明らかなように、バイアス電
流Ibは電源Vccに依存する上、ゲート・ソース電圧V
gsは温度により変動するためバイアス電流Ibの供給
を受ける差動回路の温度係数を打ち消すことはできな
い。
【0006】バイポーラでは、電源電圧の依存性が無く
温度補償の可能な代表的バイアス回路として「バンドギ
ャップ回路」がある。これに使われているダイオードを
ドレイン・ゲート接続のMOSトランジスタに置き換え
た回路が特開平9−62391号公報に提案されてい
る。この回路を図9に示す。この回路での出力は、図の
Voにて基準電圧として取り出すことになっており、そ
の電圧は上記文献中に記載されている(3)式で表わさ
れるとしている。この回路でMOSトランジスタM1と
M2を同じ形状に選び(W1=W2=W,L1=L2=
L)、抵抗R1とR3の抵抗値を同じにし(R1=R
3)、パラメータK(K=(W/L)R3)を700k
Ω以上に設定すれば、R2/R3を適当に選ぶことによ
り出力電圧の温度係数が最小になるとしている。また、
前述の公報の(3)式からも明らかなように電源電圧の
依存性は無い。このように電源依存性がないことと温度
補償が可能であるという上述の2つの必要要件は満たし
ている。
【0007】ところが、図10に示す差動回路に代表さ
れるような信号処理回路では、電流源でバイアスするこ
とが多い。そして温度補償を必要とする多くの場合、図
10の回路の入力(IN+とIN−間の電圧)に対する
出力(OUT+とOUT−間の電圧)の利得である。実
際に図9の回路を用いて、図10の差動回路の利得を温
度にかかわらず一定にしようとする場合、図9の回路の
出力電圧Voを図10の電流源トランジスタM7へどの
ように供給すれば良いかという問題が残る。
【0008】このような適用法に関しては、上記文献で
は何も述べられていないため考慮が必要である。一例と
して出力電圧Voをそのままソース接地のトランジスタ
のゲート端子に加え、ドレインより電流を供給するとい
う方法がある。しかしこの場合、仮に出力電圧Voの温
度係数をなくすことができても、これを受ける電流源ト
ランジスタM7のゲート・ソース間電圧Vgsや差動ト
ランジスタM5とM6のトランスコンダクタンスgm値
が温度係数を持っているため、そのままでは温度係数を
なくすことはできない。
【0009】電流源トランジスタのドレイン電流特性や
差動トランジスタのgmの温度係数を全て打ち消すよう
な温度係数を、出力電圧Voに持たせることは理屈の上
では可能であるかもしれない。しかし、出力電圧Voの
温度係数は簡単な式であらわすことができない上、所望
の電流値・所望の利得となる条件の下で更にトータルで
温度係数を打ち消すように合わせ込まなければ成らない
ため制約条件が多く、その設計は著しく複雑なものとな
ってしまう。
【0010】また、仮にこのような複雑な合わせ込みに
よって温度補償を行なうことができても、それはトラン
ジスタの各種パラメータが所定の値でできた場合の一点
補償でしかないため、半導体製造上の各種パラメータの
変動要因によって関係パラメータが変動すれば温度補償
が大きく変動しその補償精度が劣化しやすい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の回路技術では電流源でバイアスする差動回路において
温度補償を行なうことが困難であり、合わせ込みによっ
て実現できたとしてもその補償精度は半導体製造上の各
種パラメータの変動要因によって劣化しやすいという問
題を持っていた。このため簡単で本質的な温度補償が可
能となる回路技術が求められていた。
【0012】この発明の目的は、CMOSICにおいて
電流源でバイアスされる回路に電源電圧の依存性が無
く、本質的な温度補償が可能となる回路技術を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明に係るバイアス回路として、演算増幅器と、前
記演算増幅器の出力端子および非反転入力端子との間に
接続した第1の抵抗と、前記演算増幅器の非反転入力端
子および第1の基準電位との間に接続したドレイン・ゲ
ート接続の第1の電界効果トランジスタと、前記演算増
幅器の出力端子および反転入力端子との間に接続した第
2の抵抗と、前記演算増幅器の反転入力端子および第1
の基準電位との間に直列に接続した第3の抵抗およびド
レイン・ゲート接続の第2の電界効果トランジスタとか
ら成り、前記第1の電界効果トランジスタのゲート長L
1に対するゲート幅W1の比をW1/L1とし、前記第
2の電界効果トランジスタのゲート長L2に対するゲー
ト幅W2の比をW2/L2とし、前記第1の抵抗の抵抗
値をR1とし、前記第2の抵抗の抵抗値をR2としたと
きに、 R1(W1/L1)<R2(W2/L2) という関係を有し、前記第1の電界効果トランジスタの
ドレイン端子または前記第2の電界効果トランジスタの
ドレイン端子のいずれかを出力端子としてバイアス回路
を構成する。
【0014】また、演算増幅器と、前記演算増幅器の出
力端子および非反転入力端子との間に直列に接続した第
1の抵抗およびドレイン・ゲート接続の第3の電界効果
トランジスタと、前記演算増幅器の非反転入力端子およ
び第1の基準電位との間に接続したドレイン・ゲート接
続の第1の電界効果トランジスタと、前記演算増幅器の
出力端子および反転入力端子との間に接続したドレイン
・ゲート接続の第4の電界効果トランジスタと、前記演
算増幅器の反転入力端子および第1の基準電位との間に
直列に接続した第3の抵抗およびドレイン・ゲート接続
の第2の電界効果トランジスタとから成り、前記第1の
電界効果トランジスタのゲート長L1に対するゲート幅
W1の比をW1/L1とし、前記第2の電界効果トラン
ジスタのゲート長L2に対するゲート幅W2の比をW2
/L2とし、前記第3の電界効果トランジスタのゲート
長L3に対するゲート幅W3の比をW3/L3とし、前
記第4の電界効果トランジスタのゲート長L4に対する
ゲート幅W4の比をW4/L4としたときに、 (W2/L2)(W3/L3)>(W1/L1)(W4
/L4) という関係を有し、前記第1の電界効果トランジスタの
ドレイン端子または前記第2の電界効果トランジスタの
ドレイン端子のいずれかを出力端子としてバイアス回路
を構成する。
【0015】上記した各バイアス回路を適用する代表的
な回路としては、ソース同士を接続して差動回路を構成
する第5および第6の電界効果トランジスタと、そのソ
ース接続点にドレインを接続し、そのソースを前記第1
の基準電位に接続して、前記差動回路にバイアス電流を
供給する第7の電界効果トランジスタと、前記第5また
は第6の電界効果トランジスタのドレインに接続した少
なくとも1本の負荷抵抗とからなる差動回路であり、前
記第7の電界効果トランジスタのゲートに前記出力端子
を接続してバイアス電圧を供給してなる。
【0016】これにより、バイアス回路側の第1、第2
の電界効果トランジスタと差動回路側の第5、第6の電
界効果トランジスタの温度係数が打ち消し合い、バイア
ス回路側の第3の抵抗と差動回路側の第4、第5の抵抗
の温度係数が打ち消し合い、差動回路側の第7の電界効
果トランジスタは、これとカレントミラーをなすバイア
ス回路側の第1の電界効果トランジスタとで温度係数を
打ち消す。
【0017】このようにして、差動回路の利得は、差動
回路側とバイアス回路側の抵抗値の比とトランジスタの
ゲートサイズの比だけで正確に決まるため、これらの抵
抗値やトランジスタのサイズが変動しても抵抗比やトラ
ンジスタのサイズ比が変わらない限りは、利得は変動し
ない。また、バイアス回路の本質部分には電源電圧を参
照している箇所はないため電源電圧の依存性もない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、こ
の発明によるバイアス回路の第1の実施の形態について
説明するための回路図である。この回路はオペアンプO
PとNMOSトランジスタM1,M2と抵抗R1〜R3
で構成するものであり、構成要素とその接続は、図9に
示した従来回路と全く同じである。この実施の形態と図
9と異なるのは、出力点がオペアンプOPの出力ではな
くNMOSトランジスタM1またはM2のドレイン端子
とし、M1とM2のトランジスタを同一サイズと限定し
ない、パラメータK(K=(W/L)R3)を700k
Ω以上に限定しない、その代りにトランジタM1のゲー
ト長に対するゲート幅の比をW1/L1とし、トランジ
スタM2のゲート長に対するゲート幅の比をW2/L2
とすると、R1(W1/L1)<R2(W2/L2)と
いう関係を持つという限定を設けている点である。
【0019】まず、図1の回路においてトランジスタM
1を流れる電流をI1とし、トランジスタM2を流れる
電流をI2とすると、これらの電流値はMOSトランジ
スタの飽和領域におけるゲート・ソース電圧に対するド
レイン電流の記述式によって次のように表わされる。
【0020】 I1=(K1/2)(Vgs1−Vth)2 … (2) I2=(K2/2)(Vgs2−Vth)2 … (3) ただし、Vgs1はトランジスタM1のゲート・ソース
電圧、Vgs2はトランジスタM2のゲート・ソース電
圧である。Vthはトランジスタのしきい値電圧で製造
パラメータで決まる定数であり、同一チップ上の同種の
トランジスタならばほぼ同じ値を取る。K1はトランジ
スタM1のKファクタでゲート長に対するゲート幅の比
W1/L1と酸化膜圧などの製造パラメータで決まる定
数Koとの積(W1/L1)Koで表わされる。K2は
トランジスタM2のKファクタでゲート長に対するゲー
ト幅の比W2/L2とKoとの積(W2/L2)Koで
表わされる。Koは同一チップ上に形成されるすべての
同種のトランジスタで一定の値である。
【0021】ここで、オペアンプOPのオープンループ
ゲインが十分に高く、負帰還がかかって正常に動作して
いる場合、入力端子間はほぼ同電位になる。従って、 Vgs1=Vgs2+R3I2 … (4) という関係になる。そこで式(2)、(3)よりトラン
ジスタM1のゲート・ソース電圧Vgs1を電流I1
で、トランジスタM2のゲート・ソース電圧Vgs2を
電流I2でそれぞれ表わし、これを(4)式に代入し、
次式を得る。
【0022】
【数1】 また、オペアンプOPの入力端子間が同電位ということ
より、 I1R1=I2R2 … (6) も成り立つ。(5)式と(6)式は、電流I1とI2以
外は全て回路定数なので連立してI1とI2について解
くことができる。そこでK1とK2の比を1:nである
とし、抵抗R1とR2との比をm:1であると仮定し、 K2=nK1=nK、R2=R1/m=R/m と置き、これを(5)式と(6)式に代入して、電流I
1とI2について解くと、
【数2】 となる。これらの式の電流I1,I2を回路の電流出力
と考えた場合、電源Vccを含む項が無いため、電源電
圧の依存性が無いことは明らかである。また、mとnは
素子の物理形状で決まる比なので温度による変動はな
く、温度変動に関係するのはKファクタと抵抗値Rだけ
である。この電流を取り出して差動回路のバイアス電流
とすれば差動回路自身が持っている利得の温度変動を完
全にキャンセルすることができる。
【0023】この原理については後述の実施の形態で示
すが、差動回路に限らずほとんどのCMOS回路での温
度変動を抑える方向に働くため、回路全体のバイアス電
流供給源として広く用いることができる。
【0024】電流I1またはI2を電流として取り出す
ためには、図3のトランジスタM7で示したように、ト
ランジスタM1またはM2とカレントミラーを構成する
ようにして取り出す。このためにトランジスタM1とM
2のドレインゲート端子を、このバイアス回路32の出
力電圧とする。トランジスタM1とM2のソースがGN
Dになっているため、受け側のトランジスタのゲートに
接続するだけで、容易にカレントミラー回路による電流
の折り返しを実現できるので都合が良い。
【0025】なお、バイアス回路が正常に動作して
(7)式と(8)式のような電流を出力できるためには
(7)式と(8)式における1−(m/n)1/2 が負の
値にならないような条件が必要である。これが負の値に
なるということはオペアンプが正帰還動作することに相
当し、VoがVccかGNDに張り付いて動作停止して
しまうことを意味する。
【0026】従って、このような状態に陥らないように
するためには、 m<n、すなわちR1K1<R2K2 となっていることが必要である。つまり、 R1(W1/L1)<R2(W2/L2) … (9) という条件を満たしていることが最低限必要な条件とな
る。
【0027】以上は、M1とM2をNMOSトランジス
タで構成する例を示したが、これはNMOSをPMOS
に置き換え、電源Vccと接地GNDを入れ換えて図2
のように構成することにより、全く同じ機能の回路をP
MOSトランジスタで実現することができる。図2にお
いて、図1の回路で同じ素子に相当する素子に付した符
号は、図1の場合と全く同じにして対応を容易にしてい
る。回路動作は図1の回路と全く同じであり、トランジ
スタM1またはM2のドレイン・ゲート電圧を、これと
カレントミラーを構成する素子のゲートに供給すること
により、バイアスの対象となる回路に電流を供給する。
【0028】図3は、抵抗R4とR5を負荷としトラン
ジスタM5とM6とで構成する差動回路32に、実際に
図1に示したバイアス回路31を適用して、差動回路3
2の電流源の発生に用いた例である。
【0029】電流源トランジスタM7をバイアス回路3
1側のトランジスタM1とカレントミラー構成になるよ
うにして構成している。この回路において、トランジス
タM1とM7の電流比を1:1とすると、M7が供給す
る電流は上記(7)式で表わされる。一方、トランジス
タM5とM6とで構成する差動回路32としてのトラン
スコンダクタンスgmと利得Aは、M5とM6のKファ
クタをKaとし、抵抗R4とR5の抵抗値をRaとし
て、それぞれ
【数3】 となる。従って、(7)式で表わされるバイアス電流I
1を(31)式に代入してアンプの利得を求めると、次
式で表わされるような結果が得られる。
【0030】
【数4】 この式の中でmとnは、素子形状の比を表わすもので温
度変動のない定数である。(Ra/R3)はバイアス回
路31側の抵抗と差動回路側の抵抗の比であり、同じ種
類の抵抗であれば温度変動はない。(2Ka/K)はバ
イアス回路31側のKファクタと差動回路側のKファク
タの比であり、Kファクタそのものは温度変動を持つ
が、その比は主にゲートのW/L比によって決まるので
温度変動はほとんどない。
【0031】このように(12)式は素子の物理形状で
決まる素子パラメータの比だけで記述されているので、
この比をどのように設定しようとも差動回路32の利得
は温度変動を受けない。つまり、温度補償のための制約
を一切受けること無く、完全に独立して利得を設定する
ことができる。しかも同じ種類のパラメータで温度変化
を相殺しているので、パラメータがどのようにばらつい
ても補償精度が劣化するということが無い。これらの利
点は従来技術では得られなかったものであり、図3の回
路は高い精度で本質的な温度補償が可能となっている。
【0032】図4は、図3の回路に対しバイアス回路3
1の出力の取り出し方を変えた変形例である。差動回路
に電流源を供給しているトランジスタM7がカレントミ
ラーを構成する相手が新たなトランジスタのM8である
点だけが異なっているだけで動作は図3の回路とほとん
ど同じである。トランジスタM8はバイアス電圧の発生
源であるM1とM2の電流を集めて加算し、この加算電
流値に応じた電圧をゲートソース間に発生させてM7と
のカレントミラーで電流を供給するものである。効果も
図1の実施の形態の場合と同じである。
【0033】図5は、図1の実施の形態の変形例であ
る。CMOSプロセスにおいても、PNジャンクション
を利用してダイオードを作り込むことができる。図5は
図1の回路に対してオペアンプの非反転入力端子とトラ
ンジスタM1間にダイオードD1を挿入し、オペアンプ
の反転入力端子と抵抗R3間にダイオードD2を挿入し
たものである。このようにすれば、出力で取り出すこと
ができる電流にダイオードの温度係数分だけ温度変化を
加えることができる。これはバイアス電流を受ける対象
の回路側が必ずしも差動回路ばかりとは限らず、図1の
回路とは異なる温度係数を要求する場合があるので、合
わせ込みによる設定を可能にするためにダイオードを付
加したものである。
【0034】図6はやはり図1の実施の形態の実際の回
路で必要な素子について記載したものである。図1の回
路において、オペアンプOPの出力から入力端子に戻る
負帰還動作によって決まる動作点は、上記にて動作解析
した動作点の他に、全てのノードが0Vになる擬似安定
点がある。これはバイポーラのバンドギャップでも同じ
事情があり、バイポーラ回路ではかならずスタートアッ
プ回路を設けてこの擬似安定点に落ち込むことを防いで
いる。
【0035】この回路は図1の回路に対し、電源Vcc
とオペアンプOPの出力端子に抵抗R4を追加しただけ
の回路であり、この抵抗がスタートアップのための抵抗
である。電源ON時にこのバイアス回路31が正常に立
ち上がらず、全ノードがGND付近まで落ち込んでいる
場合、オペアンプの出力端子も接地GND付近にある。
このため、抵抗R4を通して電源Vccからこのノード
へ電流が流れ込む。このようなケースでは、オペアンプ
OPの出力インピーダンスは高くなっているため、この
ノードの電圧は引き上げられる。こうしてある程度上昇
したところでオペアンプOPが動作し始め、出力端子か
ら入力端子への負帰還動作によって、前記動作解析のよ
うな動作点で安定化する。
【0036】次に、図7の回路図を用い、この発明の第
2の実施の形態について説明する。この実施の形態は、
オペアンプOPとNMOSトランジスタM1〜M4と抵
抗R1、R2で構成するものであり、図1の実施の形態
における抵抗R1をR1とドレインゲート接続のトラン
ジスタM3の直列接続に置き換え、抵抗R2をドレイン
ゲート接続のトランジスタM4に置き換えた構成になっ
ている。
【0037】まず、図7の回路においてトランジスタM
1を流れる電流をI1とし、トランジスタM2を流れる
電流をI2とすると、図1の回路の場合と同様にI1と
I2は、前述の(2)式と(3)式で表わすことができ
る。オペアンプのオープンループゲインが十分に高く、
負帰還がかかって正常に動作している場合、オペアンプ
の入力端子間はほぼ同電位になる。従って、 Vgs1=Vgs2+R3I2 …(13) Vgs4=Vgs3+R1I1 …(14) という関係になり、これにゲート・ソース間電圧Vgs
が(2)式と(3)式のように表わされることを考慮す
ると、
【数5】 を得る。ここで、(15)式と(16)式の右辺はとも
に正にならなければならないので、このためには、 K1K4<K2K3 でなければならない。(15)式と(16)式は、電流
I1とI2以外は全て回路定数なので連立して電流I1
とI2について解くことができる。簡単のため、R1I
1=R3I2とすると、
【数6】 となる。これを用いて(15)式と(16)式をそれぞ
れ電流I1とI2について解くと、
【数7】 となる。
【0038】このようにして得た電流を、図3に示した
ような差動回路に供給する場合、トランジスタM5とM
6とで構成する差動回路アンプとしてのトランスコンダ
クタンスgmと利得Aは、トランジスタM5とM6のK
ファクタをKaとし、抵抗R4とR5の抵抗値をRaと
すると、それぞれ次式のようになる。
【0039】
【数8】 となる。従って、(18)式で表わされるバイアス電流
I1 を(21)式に代入してアンプの利得を求めると、
次式で表わされるような結果が得られる。
【0040】
【数9】 この式も図3の回路例と同じように抵抗比とKファクタ
比だけで記述され、素子形状の比だけでアンプの利得が
決まるので温度変動はほとんどない。従って、この回路
も完全な温度補償を維持したまま自由に利得設定ができ
るという利点を持っている。
【0041】
【発明の効果】以上記載したように、この発明に係るバ
イアス回路は、CMOSによる差動回路などの電流源用
として使い、電源電圧に依存せずに差動回路の利得の温
度変動を補償するバイアス電流を得ることができる。こ
の場合の差動回路のゲインは抵抗とMOSトランジスタ
のKファクタ比だけでアンプの利得が決まり、温度補償
精度を高く維持したまま自由な利得設定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図2】電源と接地を入れ換えた図1の変形例について
説明するための回路図。
【図3】図1のバイアス回路の適用例について説明する
ための回路図。
【図4】図3に対し、バイアス回路の出力の取り出し方
を変えた場合の適用例について説明するための回路図。
【図5】図1の変形例について説明するための回路図。
【図6】図1を実際の回路で使用する場合に必要となる
素子も示した回路図。
【図7】この発明の第2の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図8】従来の基本的なCMOSバイアス回路について
説明するための回路図。
【図9】従来のバンドギャップを用いたCMOS構成に
よるバイアス回路について説明するための回路図。
【図10】従来のCMOS構成による差動回路について
説明するための回路図。
【符号の説明】 31…バイアス回路、32…差動回路、OP…オペアン
プ、M1〜M7…MOSトランジスタ、R1〜R5…抵
抗、D1,D2…ダイオード、Vcc…電源、GND…
接地。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J066 AA01 AA12 AA59 CA02 CA04 FA05 FA07 FA10 HA10 HA19 HA25 KA02 KA06 KA09 KA12 KA47 MA11 MA21 ND22 ND24 PD02 TA01 5J090 AA01 AA12 AA59 CA02 CA04 CN02 CN04 FA05 FA07 FA10 FN01 FN05 FN06 FN07 HA10 HA19 HA25 HN07 KA01 KA02 KA06 KA09 KA12 KA47 MA11 MA21 TA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演算増幅器と、 前記演算増幅器の出力端子および非反転入力端子との間
    に接続した第1の抵抗と、 前記演算増幅器の非反転入力端子および第1の基準電位
    との間に接続したドレイン・ゲート接続の第1の電界効
    果トランジスタと、 前記演算増幅器の出力端子および反転入力端子との間に
    接続した第2の抵抗と、 前記演算増幅器の反転入力端子および第1の基準電位と
    の間に直列に接続した第3の抵抗およびドレイン・ゲー
    ト接続の第2の電界効果トランジスタとから成り、 前記第1の電界効果トランジスタのゲート長L1に対す
    るゲート幅W1の比をW1/L1とし、前記第2の電界
    効果トランジスタのゲート長L2に対するゲート幅W2
    の比をW2/L2とし、前記第1の抵抗の抵抗値をR1
    とし、前記第2の抵抗の抵抗値をR2としたときに、 R1(W1/L1)<R2(W2/L2) という関係を有し、 前記第1の電界効果トランジスタのドレイン端子または
    前記第2の電界効果トランジスタのドレイン端子のいず
    れかを出力端子することを特徴とするバイアス回路。
  2. 【請求項2】 演算増幅器と、 前記演算増幅器の出力端子および非反転入力端子との間
    に直列に接続した第1の抵抗およびドレイン・ゲート接
    続の第3の電界効果トランジスタと、 前記演算増幅器の非反転入力端子および第1の基準電位
    との間に接続したドレイン・ゲート接続の第1の電界効
    果トランジスタと、 前記演算増幅器の出力端子および反転入力端子との間に
    接続したドレイン・ゲート接続の第4の電界効果トラン
    ジスタと、 前記演算増幅器の反転入力端子および第1の基準電位と
    の間に直列に接続した第3の抵抗およびドレイン・ゲー
    ト接続の第2の電界効果トランジスタとから成り、 前記第1の電界効果トランジスタのゲート長L1に対す
    るゲート幅W1の比をW1/L1とし、前記第2の電界
    効果トランジスタのゲート長L2に対するゲート幅W2
    の比をW2/L2とし、前記第3の電界効果トランジス
    タのゲート長L3に対するゲート幅W3の比をW3/L
    3とし、前記第4の電界効果トランジスタのゲート長L
    4に対するゲート幅W4の比をW4/L4としたとき
    に、 (W2/L2)(W3/L3)>(W1/L1)(W4
    /L4) という関係を有し、 前記第1の電界効果トランジスタのドレイン端子または
    前記第2の電界効果トランジスタのドレイン端子のいず
    れかを出力端子することを特徴とするバイアス回路。
  3. 【請求項3】 ソース同士を接続して差動回路を構成す
    る第5および第6の電界効果トランジスタと、そのソー
    ス接続点にドレインを接続しソースを前記第1の基準電
    位に接続して前記差動回路にバイアス電流を供給する第
    7の電界効果トランジスタと、前記第5または第6の電
    界効果トランジスタのドレインに接続した少なくとも1
    本の負荷抵抗とから成る回路に対し、前記第7の電界効
    果トランジスタのゲートに前記出力端子を接続してバイ
    アス電圧を供給することを特徴とする請求項1または2
    に記載のバイアス回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の電界効果トランジスタのソー
    スおよび前記第2の電界効果トランジスタのソースの接
    続点にドレインおよびゲートを接続し、前記第1の基準
    電位にソースを接続した第8の電界効果トランジスタを
    配置し、前記第8の電界効果トランジスタのドレイン端
    子を出力端子とすることを特徴とする請求項1または2
    に記載のバイアス回路。
  5. 【請求項5】 前記演算増幅器の非反転入力端子から前
    記第1の基準電位に至る経路の途中に順方向に第1のダ
    イオードを挿入し、前記演算増幅器の反転入力端子から
    前記第1の基準電位に至る経路の途中に順方向に第2の
    ダイオードを挿入したことを特徴とする請求項1に記載
    のバイアス回路。
  6. 【請求項6】 前記演算増幅器の出力端子および電源と
    の間にスタートアップ用の第4の抵抗を接続したことを
    特徴とする請求項1または2に記載のバイアス回路。
  7. 【請求項7】 前記第1の抵抗の抵抗値をR1とし、前
    記第3の抵抗の抵抗値をR3としたときに、 R3/R1=(W3/L3)/(W2/L2) =(W1/L1)/(W4/L4) という関係を有することを特徴とする請求項2に記載の
    バイアス回路。
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