JP2000277825A - 圧電素子 - Google Patents

圧電素子

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JP2000277825A
JP2000277825A JP11078582A JP7858299A JP2000277825A JP 2000277825 A JP2000277825 A JP 2000277825A JP 11078582 A JP11078582 A JP 11078582A JP 7858299 A JP7858299 A JP 7858299A JP 2000277825 A JP2000277825 A JP 2000277825A
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piezoelectric
piezoelectric element
sensor
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crystal thin
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JP11078582A
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Inventor
Akio Sato
明生 佐藤
Akimasa Katayama
晶雅 片山
Shingo Hibino
真吾 日比野
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電性の指標となる圧電定数と、柔軟性の指標
となる曲げ剛性を、特定の範囲内に限定することによ
り、センサ等の電子部品として使用可能なレベルの圧電
素子を提供する。 【解決手段】可撓性基板15の両面に圧電結晶薄膜16
が形成され、この圧電結晶薄膜16に電極層20が取り
付けられた圧電素子21であって、圧電定数が0.1〜
20pC/N、曲げ剛性が1.0×10-2〜1.0×1
3 N・mmに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性基板の片面
もしくは両面に圧電結晶薄膜が形成され、その上に電極
が取り付けられた圧電素子に関し、特に、センサ,アク
チュエータ,ブザー等の電子部品に用いるのに最適な圧
電素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、圧電素子を用いた圧力センサ、力
センサ、荷重センサ、アクチュエータ、ブザー等の開発
が進み、民生用電子機器,家電・住設用電子機器,セキ
ュリティ機器,健康器具,オートメーションファクト
リ,自動車,事務機器等、様々な用途に用いることが検
討され、一部使用されている。
【0003】上記圧電素子に用いられる圧電結晶薄膜の
製造方法としては、スパッタリング法,イオンプレーテ
ィング法,レーザーアブレージョン法,CVD法,MO
CVD法,アルコキシドを用いたゾル−ゲル法,水熱合
成法等が知られている。特に、上記水熱合成法によれ
ば、可撓性基板に圧電結晶薄膜を形成することが容易
で、圧電性能と柔軟性を兼ね備えた圧電素子を製造する
ことができ、好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記圧
電素子をセンサ等の電子部品に用いた場合、圧電素子の
電気的,物理的特性によっては、センサ等としての性能
を充分に発揮できない場合があり、使用の幅が制限され
ることがある。このため、圧電素子の圧電特性や柔軟性
を、予め充分に吟味することにより、センサ等への使用
に支障のない圧電素子を提供することが強く望まれてい
る。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、圧電性の指標となる圧電定数と、柔軟性の指標
となる曲げ剛性を、特定の範囲内に限定することによ
り、センサ等の電子部品として使用可能なレベルの圧電
素子を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のセンサは、可撓性基板の片面もしくは両面
に圧電結晶薄膜が形成され、この圧電結晶薄膜に電極が
取り付けられた圧電素子であって、圧電定数が0.1〜
20pC/N、曲げ剛性が1.0×10-2〜1.0×1
3 N・mmに設定されているという構成をとる。
【0007】すなわち、本発明の圧電素子は、可撓性基
板上に圧電結晶薄膜を形成し、その上に電極を取り付け
たものであって、特に、圧電定数と曲げ剛性が所定の範
囲内になるようにしたものであるため、センサ等の電子
部品に用いることにより、優れた特性を発揮することが
できる。例えば、圧力センサや力センサに用いた場合、
感知面が柔軟で、対象物品の表面を損傷せず、しかも圧
力変化に対し優れた感度と応答性を備えたセンサを提供
することができる。また、薄型で嵩張らない形状に設定
することができるとともに、安価で経済的であるという
利点を有する。
【0008】そして、本発明において、上記圧電結晶薄
膜として鉛を含有する複合酸化物薄膜を用いた圧電素
子、あるいは上記圧電結晶薄膜を水熱合成で形成した圧
電素子は、とりわけ優れた出力性能を備えている。
【0009】しかも、上記圧電結晶薄膜を水熱合成で形
成した圧電素子のなかでも特に、上記圧電結晶薄膜が、
水熱合成時に、鉛直方向に3〜50Hzの振動をかけな
がら形成された圧電素子は、例えばセンサやアクチュエ
ータ,ブザー等の製品に用いた場合、非常に優れた出力
性能を示す。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0011】図1は、本発明の一実施の形態を示してい
る。すなわち、この圧電素子21は可撓性基板15と、
その両面に、水熱合成によって形成された圧電結晶薄膜
16と、さらにその上に取り付けられた電極層20とを
備えている。
【0012】上記圧電素子21は、水熱合成法等、どの
ようにして得られるものであってもよいが、その圧電定
数が0.1〜20pC/N、曲げ剛性が1.0×10-2
〜1.0×103 N・mmとなるよう設定されたもので
なければならない。
【0013】上記圧電定数は、つぎのようにして求めら
れるものである。すなわち、まず、図2(a),(b)
および図3に示すように、電極層20′が形成された圧
電素子21を、固定具40で支受し、図3において矢印
で示すように、片持ちの先端部中央(Pで示す)に荷重
をかける。そして、上記点Pから1.5mmだけ内側の
測定点Qの変位量をレーザー変位計で測定するととも
に、片側の圧電結晶薄膜からの出力電圧をA/D変換器
で測定する。このようにして得られた測定値(=出力電
圧ピーク値と変位量の比、10回測定して最小二乗法に
より算出)と、図2(a),(b)に示す構成上のファ
クターを用い、下記の式(1)によって算出することが
できる。
【0014】
【数1】 圧電定数(d31)=4L3 CV/〔3btEd(L2 2−L1 2)〕…(1) V:出力電圧 d:変位量 C:インピーダンス *インピーダンスアナライザーにより、片側の圧電結晶
薄膜部分の周波数100Hzにおけるインピーダンスを
測定。 E:ヤング率 *JIS Z2241に従って測定後、弾性領域の応力
−歪みの傾きから算出。 L,b,t,L1 ,L2 :図2(a),(b)に示す。
【0015】また、上記曲げ剛性は、上記測定値等を用
いて下記の式(2)によって求めることができる。
【0016】
【数2】 曲げ剛性(D)=Et3 /〔12(1−υ2 )〕…(2) E,t:式(1)と同じ υ:ポアソン比(=0.3)
【0017】上記特性を備えた圧電素子21を得るに
は、水熱合成法によって可撓性基板15表面に圧電結晶
薄膜16を形成することが好適である。
【0018】上記可撓性基板15としては、可撓性を備
え、水熱合成時の加熱加圧条件に耐えうるものが好適で
あり、通常、金属製の、薄板,箔,フィルム等が用いら
れる。上記金属の例としては、ステンレス,鉄,アルミ
ニウム,チタン,鉛等の金属、またはこれらの金属を含
む合金があげられる。ただし、可撓性基板15上に形成
される圧電結晶薄膜16を可撓性基板15と強固に接合
させるには、上記可撓性基板15の最表面にチタン成分
が含有されていることが好ましい。そこで、可撓性基板
15として、チタン製のものを用いるか、チタン製以外
のものである場合には、その表面に、チタン成分を析出
させるか塗布する等の手段を講じることが好ましい。
【0019】なお、上記可撓性基板15の厚みは、2〜
200μm、なかでも5〜150μmに設定することが
好適である。すなわち、厚みが2μm未満では、水熱合
成法で圧電結晶薄膜16を得る場合に、上記可撓性基板
15が水熱合成中に変形するおそれがあり、逆に厚みが
200μmを超えると、柔軟性が乏しくなり、例えばセ
ンサやアクチュエータ等に用いた場合に大きな出力が得
られなくなるおそれがあるからである。
【0020】また、圧電結晶薄膜16の組成は、圧電特
性を備えるものであれば、どのようなものであっても差
し支えないが、上記水熱合成によって得るのに適した組
成に設定することが好適である。このような組成として
は、ペロブスカイト(ABO 3 )構造の複合酸化物があ
げられる。そして、上記Aサイトとしては、通常、P
b、Ba、Ca、Sr、LaおよびBiから選択される
少なくとも1種の元素があげられ、上記Bサイトとして
は、Ti単独か、Zr、Zn、Ni、Mg、Co、W、
Nb、Sb、TaおよびFeから選択される少なくとも
1種の元素とTiとの複合物があげられる。このような
複合酸化物の例としては、Pb(Zr,Ti)O3 、P
bTiO3 、BaTiO3 、SrTiO3 、(Pb,L
a)(Zr,Ti)O3 等があげられ、特にPbを含有
する圧電結晶薄膜16が好適である。
【0021】水熱合成は、通常、上記組成を構成しうる
金属元素を含む金属塩の水溶液をアルカリ性に調整して
なる水溶液と、可撓性基板15とを、オートクレーブに
装入し加圧下で加熱することにより行う。これにより、
可撓性基板15の表裏面に、圧電結晶薄膜16が形成さ
れる(バイモルフ型)。なお、ユニモルフ型を得る場合
には、可撓性基板15の片面を耐熱,耐アルカリ性のレ
ジスト材で被覆して水熱合成を行うか、あるいは可撓性
基板15の表裏面に形成された圧電結晶薄膜16の片面
を削り落とすようにする。
【0022】このようにして得られる圧電結晶薄膜16
の厚みは、通常、0.5〜100μm、特に1〜30μ
mに設定することが好適である。すなわち、厚みが0.
5μm未満では、例えばセンサやアクチュエータ等に用
いた場合に充分な出力が得られにくく、逆に100μm
を超えるとせっかく可撓性基板15を用いているにもか
かわらず、柔軟性が乏しくなり出力が小さくなるおそれ
があるからである。
【0023】なお、上記水熱合成は、特開平4−342
489号公報に開示されているように、結晶核生成と結
晶成長の2段階に分けて行うようにしてもよいし、ある
いは、特開平9−217178号公報,特開平9−27
8436号公報に開示されているように、1段階のみで
合成を行ってもよい。また、特開平9−278436号
公報に開示されているように、上記オートクレーブを、
鉛直方向に振動させながら行うようにしてもよい。この
場合、例えば図4に示すように、加熱手段(図示せず)
と攪拌手段11を備えた耐熱容器(オイルバス等)12
内に、オートクレーブ10を、支受手段13,14によ
って上下可動に支受し、鉛直方向に1Hz以上、特に3
〜50Hzの振動をかけながら水熱合成を行うようにす
ることが好適である。
【0024】さらに、上記水熱合成によって得られた可
撓性基板15−圧電結晶薄膜16の積層体表面を封孔処
理してもよい(特願平8−277826号)。上記封孔
処理は、(a)樹脂、セラミック等の絶縁材料を用いて
圧電結晶薄膜16の多孔質部分およびピンホールを絶縁
物で埋める方法、(b)上記積層体を高温酸化性雰囲気
下に置き、圧電結晶薄膜16による被覆がされていない
か、あるいは被覆が不充分なピンホール部分に絶縁性酸
化物皮膜を形成する方法、のいずれかの方法により行う
ことができる。この封孔処理により、得られる圧電素子
21の性能を向上させることができる。
【0025】上記封孔処理に使用する絶縁材料またはそ
の前駆材料は、有機系、無機系のいずれでもよい。有機
系材料としては、例えばポリ塩化ビニル,ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリカーボネー
ト,ポリアミド,ポリイミド,エポキシ樹脂,フェノー
ル樹脂,尿素樹脂,アクリル樹脂,ポリアセタール,ポ
リサルフォン,液晶ポリマー,PEEK(ポリエーテル
エーテルケトン)等があげられる。また、無機系材料と
しては、例えばアルミナ,ジルコニア,シリカ,チタニ
ア等の材料をベースにしたセラミックコーティング材
料、金属アルコキシドやポリシラザン等のセラミック前
駆体等があげられる。
【0026】このようにして、可撓性基板15の両面
(もしくは片面)に圧電結晶薄膜16を形成したのち、
その両面(もしくは片面)に、圧電結晶薄膜16より一
まわり小さく電極層20を形成することにより、図1に
示す圧電素子21を得ることができる。
【0027】上記電極層20の形成は、Al、Ni、P
t、Au、Ag、Cu等の導電材料を、上記圧電結晶薄
膜16の表面に堆積させるか、これを被覆することによ
って行われる。その方法は、特に限定するものではな
く、例えば導電ペーストの塗布、無電解メッキ法、スパ
ッタリング法、化学蒸着法等を用いることができる。そ
して、上記電極層20の厚みは、通常、1μm以下、特
に0.1μm以下に設定することが好適である。
【0028】このようにして得られた圧電素子21は、
その圧電定数および曲げ剛性が特定の範囲内に設定され
たものであるため、圧力センサ,力センサ,荷重センサ
等に用いた場合、低荷重でも必ずしも増幅器を必要とし
ない10mV以上の出力レベルを有し、しかも感知面が
柔軟で対象物品の表面を損傷しないだけでなく、圧力変
化に対し優れた感度と応答性を有するセンサとなる。そ
して、非常に薄くて嵩張らない形状に設定することがで
き、また簡単な構成であることから安価で経済的であ
る、という利点を有している。
【0029】したがって、上記圧電素子21は、圧力セ
ンサ等以外に、風速センサ,流量センサ,超音波セン
サ,加速度センサ(カーナビ等で利用される振動ジャイ
ロ、HDD,自動車や金庫の盗難防止装置等で利用され
る衝撃センサ等)等のセンサ類や、精密位置決め,スキ
ャナ,バーコードリーダ,インクジェット式記録ヘッド
等に用いられるアクチュエータ類等に、好適に用いられ
る。また、フィルタ,発振子,共振子等の通信制御用途
や、圧電スピーカ,圧電ブザー等の音響関連用途、超音
波振動子,着火素子等の動力関連用途、圧電トランス、
アクチュエータとセンサを兼ねたアクティブコントロー
ル用途等に、適宜用いることができる。
【0030】なお、上記圧電素子21の表裏面を、電極
フィルム、保護フィルムの順でラミネートすることもで
きる。これにより、圧電素子21が繰り返し応力を受け
ても、可撓性基板15と圧電結晶薄膜16とが剥離せ
ず、長期にわたって良好に使用することができる。
【0031】また、上記の例では、圧電素子21を、バ
イモルフ型によって構成しているが、これに限らず、ユ
ニモルフ型であっても差し支えない。そして、ユニモル
フ型の場合は、金属基板(チタン基板等)を裏面電極と
して利用することができ、その場合は圧電結晶薄膜16
の表面のみに電極層20を形成すれば足りる。
【0032】そして、上記圧電素子21の形成方法は、
水熱合成法に限らず、どのような方法によっても差し支
えないが、1μm以上の均一な圧電結晶膜を形成するに
は、上記の例のように、特開平9−217178号公報
および特開平9−278436号公報に開示されている
ような水熱合成法を用いることが最適である。そして、
なかでも、水熱合成時に、オートクレーブ10への鉛直
方向の振動を、3〜50Hzの範囲内でかけ、金属塩
(例えば硝酸鉛、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化チタ
ン)およびアルカリ(例えば水酸化カリウム)の混合水
溶液中の各々の濃度を下記のように設定することが、圧
電定数0.1〜20pC/N、曲げ剛性1.0×10-2
〜1.0×103 N・mmの特性を示す圧電素子21を
得る上で、特に好適である。
【0033】 〔水熱合成時の金属塩、アルカリの好適濃度〕 硝酸鉛 0.1 〜1.0mol/リットル オキシ塩化ジルコニウム 0.05〜2.0mol/リットル 四塩化チタン 0 〜0.5mol/リットル 水酸化カリウム 2.5 〜8.0mol/リットル
【0034】すなわち、硝酸鉛が上記範囲を下回ると、
圧電素子21の圧電定数が小さくなり、例えばセンサや
アクチュエータ等に用いた場合の出力が小さくなる傾向
がみられ、逆に、上記範囲を超えても、圧電素子21の
圧電定数は大きくならず、逆に、材料コストが高くな
る,副生成物が多くなり後工程の洗浄工程に負担がかか
る,等のデメリットが大きくなる傾向がみられる。
【0035】また、オキシ塩化ジルコニウムが上記範囲
を下回ると、上記の場合と同様、圧電素子21の圧電定
数が小さくなり、例えばセンサやアクチュエータ等に用
いた場合の出力が小さくなる傾向がみられ、逆に、上記
範囲を超えても、圧電素子21の圧電定数は大きくなら
ず、逆に、材料コストが高くなる,副生成物が多くなり
後工程の洗浄工程に負担がかかる,等のデメリットが大
きくなる傾向がみられる。
【0036】さらに、水酸化カリウムが上記範囲を外れ
る場合も、上記と同様の傾向がみられる。
【0037】なお、四塩化チタンは、可撓性基板から充
分にチタンが溶出する場合は必ずしも用いる必要はない
が、チタンの溶出量が不足する場合には、0.5mol
/リットルを超えない範囲で配合することが好ましい。
すなわち、四塩化チタンをそれ以上多くしても、圧電素
子21の圧電定数は大きくならず、逆に、材料コストが
高くなる,副生成物が多くなり後工程の洗浄工程に負担
がかかる,等のデメリットが大きくなる傾向がみられる
からである。
【0038】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0039】
【実施例1〜11】硝酸鉛、オキシ塩化ジルコニウムお
よび水酸化カリウムを、後記の表1〜表3に示す割合で
水に溶解した溶液360ミリリットルを、テフロン内張
りオートクレーブ容器内に入れた。また、チタン箔を、
所定形状に切断し、洗浄,乾燥したのち、上記オートク
レーブ内に装入して密閉した。そして、オイルバス中
で、加圧下、約150℃で約48時間、鉛直方向に、表
1〜表3に示す振動を加えて水熱合成処理を行うことに
より、チタン箔の両面に、所定厚みでチタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)の結晶層を形成した。そして、RFスパ
ッタリング法により、上記PZT層の表面に、厚み10
nmの白金電極層を形成して、圧電素子を得た。
【0040】そして、上記圧電素子を用いた製品例とし
て、センサを想定し、センサ特性をつぎのようにして評
価した。
【0041】すなわち、まず、これらの実施例品を、図
2および図3に示す場合と同様に、固定具40によって
片持ち梁構造に支受し、支受された側と反対側の端縁部
(図3においてPで示す位置)に、5cm上方から直径
10.0mmの鋼球を落下させることにより衝撃荷重を
加え、A/D変換器により出力電圧を測定した(測定値
は10回の平均値)。そして、センサ特性については、
ピーク出力電圧が10mV以上の圧電素子を、低荷重で
も高出力であるとして、○と判定した。また、その他の
基準(材料コスト、副生成物の量等)についても判定
し、その両方が○の場合のみ、総合判定を○とした。こ
れらの結果を、下記の表1〜表3に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【実施例12〜15】用いる可撓性基板として、下記の
表4に示すとおり厚みの異なるチタン基板を用いた。そ
れ以外は、上記実施例4と同様にして、目的とする圧電
素子を得た。これらについても、上記と同様、センサの
形にして出力電圧を測定し、センサ特性を評価した。こ
れらの結果を、下記の表4に併せて示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【実施例16〜18】水熱合成に用いる水溶液に、四塩
化チタンを、下記の表5に示す割合で配合するようにし
た。それ以外は、上記実施例4と同様にして、目的とす
る圧電素子を得た。これらについても、上記と同様、セ
ンサの形にして出力電圧を測定し、センサ特性を評価し
た。これらの結果を、下記の表5に併せて示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【比較例1〜4】水熱合成に用いる水溶液の組成、条件
等を、下記の表6に示すように変えた。それ以外は、上
記実施例1〜12に準じて、比較例となる圧電素子を得
た。これらについて、上記と同様、センサの形にして出
力電圧を測定し、センサ特性を評価した。これらの結果
を、下記の表6に併せて示す。
【0050】
【表6】
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧電素子は、可
撓性基板と圧電結晶薄膜および電極からなり、しかも上
記圧電素子が、圧電定数0.1〜20pC/N、曲げ剛
性1.0×10-2〜1.0×103 N・mmの特性を備
えているため、例えば圧力センサ,力センサ等に用いる
と、感知面が柔軟で対象物品の表面を損傷しないだけで
なく、圧力変化に対し優れた感度と応答性を発揮する。
そして、薄型で嵩張らない形状に設定することができる
とともに、安価で経済的であるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】(a),(b)は圧電素子の出力電圧測定法の
説明図である。
【図3】圧電素子の出力電圧測定法の説明図である。
【図4】上記実施例の圧電素子の製法の説明図である。
【符号の説明】
15 可撓性基板 16 圧電結晶薄膜 20 電極 21 圧電素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月24日(1999.6.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】
【比較例1〜】水熱合成に用いる水溶液の組成、条件
等を、下記の表6に示すように変えた。それ以外は、上
記実施例1〜12に準じて、比較例となる圧電素子を得
た。これらについて、上記と同様、センサの形にして出
力電圧を測定し、センサ特性を評価した。これらの結果
を、下記の表6に併せて示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【表6】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性基板の片面もしくは両面に圧電結
    晶薄膜が形成され、この圧電結晶薄膜に電極が取り付け
    られた圧電素子であって、圧電定数が0.1〜20pC
    /N、曲げ剛性が1.0×10-2〜1.0×103 N・
    mmに設定されていることを特徴とする圧電素子。
  2. 【請求項2】 上記圧電結晶薄膜が鉛を含有する複合酸
    化物薄膜である請求項1記載の圧電素子。
  3. 【請求項3】 上記圧電結晶薄膜が水熱合成によって形
    成されたものである請求項1または2に記載の圧電素
    子。
  4. 【請求項4】 上記圧電結晶薄膜が、水熱合成時に、鉛
    直方向に3〜50Hzの振動をかけながら形成されたも
    のである請求項3記載の圧電素子。
JP11078582A 1999-03-23 1999-03-23 圧電素子 Pending JP2000277825A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002374670A (ja) * 2001-06-14 2002-12-26 Nippon Pachinko Buhin Kk イオン発生装置用回路モジュール
JP2004514855A (ja) * 2000-12-01 2004-05-20 ビオメリオークス エス.ア. 電気作動ポリマまたは形状記憶材料によって作動する弁、かかる弁を含む装置と、その使用法
JPWO2015137251A1 (ja) * 2014-03-10 2017-04-06 積水化学工業株式会社 圧電センサ

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