JP2001007419A - アクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ

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JP2001007419A
JP2001007419A JP11178589A JP17858999A JP2001007419A JP 2001007419 A JP2001007419 A JP 2001007419A JP 11178589 A JP11178589 A JP 11178589A JP 17858999 A JP17858999 A JP 17858999A JP 2001007419 A JP2001007419 A JP 2001007419A
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actuator
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JP11178589A
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Akimasa Katayama
晶雅 片山
Akio Sato
明生 佐藤
Shingo Hibino
真吾 日比野
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】全体が柔軟で、低電圧であっても、大きな変位
を得ることができ、電磁波(特に可視光)や流体の流れ
の向き等を大きく走査することのできる、安価で経済的
なアクチュエータを提供する。 【解決手段】可撓性基板15の両面に圧電結晶薄膜16
が形成され、この圧電結晶薄膜16に電極層20が形成
された圧電素子21を備え、上記圧電素子21の圧電定
数が0.1〜20pC/N、曲げ剛性が1.0×10-2
〜1.0×103N・mmに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧の印加によっ
て変位を生じるアクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電圧の印加によって変位を生じる
アクチュエータを用いて、比較的質量の小さい物質を変
位させたり、電磁波(特に可視光)、気体、液体等の流
れを大きく走査することが検討され、一部使用されてい
る。
【0003】上記アクチュエータとしては、焼結PZT
(チタン鉛ジルコン酸鉛)からなる積層型アクチュエー
タ、同じく焼結PZTからなるバイモルフ型アクチュエ
ータ、モノモルフ型アクチュエータ、あるいは有機膜で
あるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)からなるアクチ
ュエータ等があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記焼
結PZTからなる積層型アクチュエータは、変位が小さ
いという問題がある。また、焼結PZTからなるバイモ
ルフ型,モノモルフ型のアクチュエータは、上記積層型
と比べると変位を大きくすることができるが、高電圧が
必要で、数ボルトの低電圧では10μm程度の小さな変
位しか得られないという問題がある。そして、これらに
用いる焼結PZTは、製造工程が複雑で、製造日数が2
週間もかかるため、高価で経済的でないという問題や、
薄型化が難しいという問題もある。さらに、PVDFか
らなるアクチュエータは、量産でき製造コストが安い半
面、圧電性能が劣るという問題がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、低電圧であっても、大きな変位を得ることがで
き、電磁波(特に可視光)や流体の流れの向き等を大き
く走査することのできる、安価で経済的なアクチュエー
タの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のアクチュエータは、可撓性基板の片面もし
くは両面に圧電結晶薄膜が形成され、この圧電結晶薄膜
に電極が取り付けられた圧電素子を備え、上記圧電素子
の圧電定数が0.1〜20pC/N、曲げ剛性が1.0
×10-2〜1.0×103 N・mmに設定されていると
いう構成をとる。
【0007】すなわち、本発明のアクチュエータは、圧
電素子として、可撓性基板上に圧電結晶薄膜を形成した
ものを用い、上記圧電素子の圧電定数と曲げ剛性が所定
の範囲内になるようにしたものであるため、低電圧であ
っても、大きな変位を得ることができ、電磁波(特に可
視光)や流体の流れの向き等を大きく走査することがで
きる。そして、安価に得ることができる。また、薄型で
嵩張らない形状に設定することができるため、どのよう
なスペースへの取り付けにも対応することができるとい
う利点を有している。
【0008】そして、本発明において、上記圧電結晶薄
膜として鉛を含有する複合酸化物薄膜を用いたアクチュ
エータ、あるいは上記圧電結晶薄膜を水熱合成で形成し
たアクチュエータは、とりわけ優れた性能を備えてい
る。
【0009】しかも、上記圧電結晶薄膜を水熱合成で形
成したアクチュエータのなかでも特に、上記圧電結晶薄
膜が、水熱合成時に、鉛直方向に3〜50Hzの振動を
かけながら形成されたアクチュエータは、非常に優れた
性能を備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を説
明する。
【0011】本発明のアクチュエータは、可撓性基板の
片面もしくは両面に圧電結晶薄膜が形成され、この圧電
結晶薄膜に電極が取り付けられた圧電素子を備えた構成
になっている。
【0012】上記圧電素子は、水熱合成法等、どのよう
にして得られるものであってもよいが、その圧電定数が
0.1〜20pC/N、曲げ剛性が1.0×10-2
1.0×103 N・mmとなるよう設定されたものでな
ければならない。
【0013】上記圧電定数は、つぎのようにして求めら
れるものである。すなわち、まず、図1(a),(b)
および図2に示すように、電極層20′が形成された圧
電素子21を、固定具40で支受し、図2において矢印
で示すように、片持ちの先端部中央(Pで示す)に荷重
をかける。そして、上記点Pから1.5mmだけ内側の
測定点Qの変位量をレーザー変位計で測定するととも
に、片側の圧電結晶薄膜からの出力電圧をA/D変換器
で測定する。このようにして得られた測定値(=出力電
圧ピーク値と変位量の比、10回測定して最小二乗法に
より算出)と、図1(a),(b)に示す構成上のファ
クターを用い、下記の式(1)によって算出することが
できる。
【0014】
【数1】
【0015】また、上記曲げ剛性は、上記測定値等を用
いて下記の式(2)によって求めることができる。
【0016】
【数2】
【0017】上記特性を備えた圧電素子21を得るに
は、水熱合成法によって可撓性基板表面に圧電結晶薄膜
を形成することが好適である。
【0018】上記可撓性基板としては、可撓性を備え、
水熱合成時の加熱加圧条件に耐えうるものが好適であ
り、通常、金属製の、薄板,箔,フィルム等が用いられ
る。上記金属の例としては、ステンレス,鉄,アルミニ
ウム,チタン,鉛等の金属、またはこれらの金属を含む
合金があげられる。ただし、可撓性基板上に形成される
圧電結晶薄膜を基板と強固に接合させるには、上記可撓
性基板の最表面にチタン成分が含有されていることが好
ましい。そこで、可撓性基板として、チタン製のものを
用いるか、チタン製以外のものである場合には、その表
面に、チタン成分を析出させるか塗布する等の手段を講
じることが好ましい。
【0019】なお、上記可撓性基板の厚みは、2〜20
0μm、なかでも5〜100μmに設定することが好適
である。すなわち、厚みが2μm未満では、水熱合成法
で圧電結晶薄膜を得る場合に、上記可撓性基板が水熱合
成中に変形するおそれがあり、逆に厚みが200μmを
超えると柔軟性が乏しくなり、低電圧で大きな変位が得
られにくくなるからである。
【0020】また、圧電結晶薄膜の組成は、圧電特性を
備えるものであれば、どのようなものであっても差し支
えないが、上記水熱合成によって得るのに適した組成に
設定することが好適である。このような組成としては、
ペロブスカイト(ABO3 )構造の複合酸化物があげら
れる。そして、上記Aサイトとしては、通常、Pb、B
a、Ca、Sr、LaおよびBiから選択される少なく
とも1種の元素があげられ、上記Bサイトとしては、T
i単独か、Zr、Zn、Ni、Mg、Co、W、Nb、
Sb、TaおよびFeから選択される少なくとも1種の
元素とTiとの複合物があげられる。このような複合酸
化物の例としては、Pb(Zr,Ti)O3 、PbTi
3 、BaTiO3 、SrTiO3 、(Pb,La)
(Zr,Ti)O3 等があげられ、特にPbを含有する
圧電結晶薄膜が好適である。
【0021】水熱合成は、通常、上記組成を構成しうる
金属元素を含む金属塩の水溶液をアルカリ性に調整して
なる水溶液と、可撓性基板とを、オートクレーブに装入
し加圧下で加熱することにより行う。これにより、可撓
性基板の表裏面に、圧電結晶薄膜が形成される(バイモ
ルフ型)。なお、ユニモルフ型を得る場合には、可撓性
基板の片面を耐熱,耐アルカリ性のレジスト材で被覆し
て水熱合成を行うか、あるいは可撓性基板の表裏面に形
成された圧電結晶薄膜の片面を削り落とすようにする。
【0022】このようにして得られる圧電結晶薄膜の厚
みは、通常、0.5〜100μm、特に1〜30μmに
設定することが好適である。すなわち、厚みが0.5μ
m未満では充分な出力変位が得られにくく、逆に100
μmを超えるとせっかく可撓性基板を用いているにもか
かわらず、アクチュエータの柔軟性が乏しくなるおそれ
があるからである。
【0023】なお、上記水熱合成は、特開平4−342
489号公報に開示されているように、結晶核生成と結
晶成長の2段階に分けて行うようにしてもよいし、ある
いは、特開平9−217178号公報,特開平9−27
8436号公報に開示されているように、1段階のみで
合成を行ってもよい。また、特開平9−278436号
公報に開示されているように、上記オートクレーブを、
鉛直方向に振動させながら行うようにしてもよい。この
場合、例えば図3に示すように、加熱手段(図示せず)
と攪拌手段11を備えた耐熱容器(オイルバス等)12
内に、オートクレーブ10を、支受手段13,14によ
って上下可動に支受し、鉛直方向に1Hz以上、特に3
〜50Hzの振動をかけながら水熱合成を行うようにす
ることが好適である。
【0024】さらに、上記水熱合成によって得られた可
撓性基板−圧電結晶薄膜積層体の表面を封孔処理しても
よい(特願平8−277826号)。上記封孔処理は、
(a)樹脂、セラミック等の絶縁材料を用いて圧電結晶
薄膜の多孔質部分およびピンホールを絶縁物で埋める方
法、(b)上記積層体を高温酸化性雰囲気下に置き、薄
膜による被覆がされていないか、あるいは被覆が不充分
なピンホール部分に絶縁性酸化物皮膜を形成する方法、
のいずれかの方法により行うことができる。この封孔処
理により、得られる圧電素子の性能を向上させることが
できる。
【0025】上記封孔処理に使用する絶縁材料またはそ
の前駆材料は、有機系、無機系のいずれでもよい。有機
系材料としては、例えばポリ塩化ビニル,ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリカーボネー
ト,ポリアミド,ポリイミド,エポキシ樹脂,フェノー
ル樹脂,尿素樹脂,アクリル樹脂,ポリアセタール,ポ
リサルフォン,液晶ポリマー,PEEK(ポリエーテル
エーテルケトン)等があげられる。また、無機系材料と
しては、例えばアルミナ,ジルコニア,シリカ,チタニ
ア等の材料をベースにしたセラミックコーティング材
料、金属アルコキシドやポリシラザン等のセラミック前
駆体等があげられる。
【0026】このようにして、可撓性基板両面(もしく
は片面)に圧電結晶薄膜を形成したのち、例えば図4に
示すように、その両面(もしくは片面)に、圧電結晶薄
膜16より一まわり小さく電極層20を形成することに
より、圧電素子21を得ることができる。15は可撓性
基板である。
【0027】上記電極層20の形成は、Al、Ni、P
t、Au、Ag、Cu等の導電材料を、上記圧電結晶薄
膜16の表面に堆積させるか、これを被覆することによ
って行われる。その方法は、特に限定するものではな
く、例えば導電ペーストの塗布、無電解メッキ法、スパ
ッタリング法、化学蒸着法等を用いることができる。そ
して、上記電極層20の厚みは、通常、1μm以下、特
に0.1μm以下に設定することが好適である。
【0028】このようにして得られたアクチュエータ
は、圧電素子21が、可撓性基板15と、水熱合成によ
って形成された圧電結晶薄膜16と、電極層20とから
なり(図4参照)、その圧電定数および曲げ剛性が特定
の範囲内に設定されたものであるため、全体が柔軟で、
低電荷の印加であっても大きな変位が得られ、優れた感
度と応答性を発揮する。したがって、精密位置決め,ス
キャナ,バーコードリーダ,インクジェット記録ヘッド
等に用いることができる。特に、共振モードを利用する
ことにより、より大きな変位を得ることができる。そし
て、非常に薄くて嵩張らない形状に設定することがで
き、また簡単な構成であることから安価で経済的であ
る、という利点を有している。さらに、圧電素子21の
形状をL字状等に変化させることや、先端部に重りを付
与することで、一次方向の変位だけでなく、二次方向
(ねじれ方向)に変位させることができ、よりきめ細か
い方向制御を行うことができる。
【0029】なお、上記の例では、圧電素子21を、バ
イモルフ型によって構成しているが、これに限らず、ユ
ニモルフ型であっても差し支えない。そして、ユニモル
フ型の場合は、金属基板(チタン基板等)を裏面電極と
して利用することができ、その場合は圧電結晶薄膜16
の表面のみに電極層20を形成すれば足りる。
【0030】そして、上記圧電素子21の形成方法は、
水熱合成法に限らず、どのような方法によっても差し支
えないが、1μm以上の均一な圧電結晶膜16を形成す
るには、上記の例のように、特開平9−217178号
公報および特開平9−278436号公報に開示されて
いるような水熱合成法を用いることが最適である。そし
て、なかでも、水熱合成時に、オートクレーブ10への
鉛直方向の振動を、3〜50Hzの範囲内でかけ、金属
塩(例えば硝酸鉛、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化チ
タン)およびアルカリ(例えば水酸化カリウム)の混合
水溶液中の各々の濃度を下記のように設定することが、
圧電定数0.1〜20pC/N、曲げ剛性1.0×10
-2〜1.0×103 N・mmの特性を示す圧電素子21
を得る上で、特に好適である。
【0031】 〔水熱合成時の金属塩、アルカリの好適濃度〕 硝酸鉛 0.1 〜1.0mol/リットル オキシ塩化ジルコニウム 0.05〜2.0mol/リットル 四塩化チタン 0 〜0.5mol/リットル 水酸化カリウム 2.5 〜8.0mol/リットル
【0032】すなわち、硝酸鉛が上記範囲を下回ると、
圧電素子21の圧電定数が小さくなるため、アクチュエ
ータとしての出力が小さくなる傾向がみられ、逆に、上
記範囲を超えても、圧電素子21の圧電定数は大きくな
らず、逆に、材料コストが高くなる,副生成物が多くな
り後工程の洗浄工程に負担がかかる,等のデメリットが
大きくなる傾向がみられる。
【0033】また、オキシ塩化ジルコニウムが上記範囲
を下回ると、上記の場合と同様、圧電素子21の圧電定
数が小さくなり、アクチュエータとしての出力が小さく
なる傾向がみられ、逆に、上記範囲を超えても、圧電素
子21の圧電定数は大きくならず、逆に、材料コストが
高くなる,副生成物が多くなり後工程の洗浄工程に負担
がかかる,等のデメリットが大きくなる傾向がみられ
る。
【0034】さらに、水酸化カリウムが上記範囲を外れ
る場合も、上記と同様の傾向がみられる。
【0035】なお、四塩化チタンは、可撓性基板15か
ら充分にチタンが溶出する場合は必ずしも用いる必要は
ないが、チタンの溶出量が不足する場合には、0.5m
ol/リットルを超えない範囲で配合することが好まし
い。すなわち、四塩化チタンをそれ以上多くしても、圧
電素子21の圧電定数は大きくならず、逆に、材料コス
トが高くなる,副生成物が多くなり後工程の洗浄工程に
負担がかかる,等のデメリットが大きくなる傾向がみら
れるからである。
【0036】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0037】
【実施例1〜17】硝酸鉛、オキシ塩化ジルコニウム、
水酸化カリウム、四塩化チタンを、後記の表1〜表5に
示す割合で水に溶解した溶液360ミリリットルを、テ
フロン(登録商標)内張りオートクレーブ容器内に入れ
た。また、所定厚みのチタン箔(チタン基板)を所定形
状に切断し、洗浄,乾燥したのち、上記オートクレーブ
内に装入して密閉した。そして、オイルバス中で、加圧
下、約150℃で約48時間、鉛直方向に、表1〜表5
に示す振動を加えて水熱合成処理を行うことにより、チ
タン箔の両面に、所定厚みでチタン酸ジルコン酸鉛(P
ZT)の結晶層を形成した。そして、RFスパッタリン
グ法により、上記PZT層の表面に、厚み10nmの白
金電極層20を形成して、圧電素子21を得た。この圧
電素子21の形状寸法を、図5(a),(b)に示す。
【0038】そして、上記圧電素子21を、図6に示す
ように、固定具50によって片持ち梁構造に支受し、そ
の解放部分の長さが10mmとなるようにした。そし
て、図7に示すように、上記圧電素子21の端部に取り
付けられた金属端子51を利用して、支受部根元側で、
交流電源周波数特性解析機52を接続するとともに、支
受部と反対側の端縁部の変位を、レーザ変位計53で測
定できるよう設定した。なお、上記変位の測定点Xを、
平面図である図8に示す。そして、上記交流電源周波数
特性解析機52によって1Vを印加した場合の共振周波
数における出力変位と、その周波数による走査角度とを
測定した。
【0039】なお、上記走査角度の測定は、つぎのよう
にして行った。すなわち、まず、図9に示すように、圧
電素子21の先端部に、光反射用のアルミニウム蒸着フ
ィルム54を取り付け、このフィルム面に対し45°の
角度で光源55から光を照射し、その反射光による光投
影点Yを、スクリーン56上に映すようにした。そし
て、圧電素子21に対し変位を与えた場合の、光投影点
が最下位置となる位置Y′(図10参照)と、光投影点
が最上位置となる位置Y″(図11参照)を測定し、二
つの光路がなす角度θを、「走査角度」とした。ただ
し、走査角度算出の都合上、図12に示すように、変位
を与えない状態の光路と、最上位置となる光路とがなす
角度θ′を求め、これを2倍して走査角度θとした。
【0040】これらの測定結果を、下記の表1〜表5に
示す。また、100μm変位させるのに必要な電圧を測
定し、その必要電圧が10.5V以下のものを、アクチ
ュエータとしての特性に優れるとして、○と判定した。
また、その他の基準(材料コスト、副生成物の量等)に
ついても判定し、その両方が○の場合のみ、総合判定を
○とした。これらの結果を、下記の表1〜表5に併せて
示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【比較例1〜3】水熱合成に用いる条件等を、下記の表
6に示すとおり変えて比較例となるアクチュエータを得
た。これらについて、上記と同様にして出力変位を測定
し、アクチュエータとしての特性等を評価した。これら
の結果を、下記の表6に併せて示す。
【0047】
【表6】
【0048】
【比較例4,5】下記の表7に示す積層構造の焼結品
(比較例4)およびPVDF品(比較例5)を準備し、
上記と同様にして出力変位を測定してアクチュエータと
しての特性等を評価した。これらの結果を、下記の表7
に併せて示す。
【0049】
【表7】
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明のアクチュエータ
は、圧電素子が、可撓性基板と圧電結晶薄膜からなり、
しかも上記圧電素子が、圧電定数0.1〜20pC/
N、曲げ剛性1.0×10-2〜1.0×103 N・mm
の特性を備えているため、全体が柔軟で、低電荷の印加
であっても大きな変位を生じ、優れた感度と応答性を発
揮する。そして、非常に薄くて嵩張らない形状に設定す
ることができ、また簡単な構成であることから安価で経
済的である、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は圧電素子の出力電圧測定法の
説明図である。
【図2】圧電素子の出力電圧測定法の説明図である。
【図3】本発明に用いる圧電素子の製法の説明図であ
る。
【図4】本発明に用いる圧電素子の説明図である。
【図5】(a)は実施例で得られた圧電素子の平面図、
(b)はその正面図である。
【図6】上記実施例の出力変位を測定する方法の説明図
である。
【図7】上記実施例の出力変位を測定する方法の説明図
である。
【図8】上記実施例の出力変位を測定する方法の説明図
である。
【図9】上記実施例の走査角度を測定する方法の説明図
である。
【図10】上記実施例の走査角度を測定する方法の説明
図である。
【図11】上記実施例の走査角度を測定する方法の説明
図である。
【図12】上記実施例の走査角度を測定する方法の説明
図である。
【符号の説明】
15 可撓性基板 16 圧電結晶薄膜 20 電極層 21 圧電素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性基板の片面もしくは両面に圧電結
    晶薄膜が形成され、この圧電結晶薄膜に電極が取り付け
    られた圧電素子を備え、上記圧電素子の圧電定数が0.
    1〜20pC/N、曲げ剛性が1.0×10-2〜1.0
    ×103 N・mmに設定されていることを特徴とするア
    クチュエータ。
  2. 【請求項2】 上記圧電結晶薄膜が鉛を含有する複合酸
    化物薄膜である請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 上記圧電結晶薄膜が水熱合成によって形
    成されたものである請求項1または2記載のアクチュエ
    ータ。
  4. 【請求項4】 上記圧電結晶薄膜が、水熱合成時に、鉛
    直方向に3〜50Hzの振動をかけながら形成されたも
    のである請求項3記載のアクチュエータ。
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