JP2000276081A - Ledアレー駆動装置および画像形成装置 - Google Patents

Ledアレー駆動装置および画像形成装置

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JP2000276081A
JP2000276081A JP8230299A JP8230299A JP2000276081A JP 2000276081 A JP2000276081 A JP 2000276081A JP 8230299 A JP8230299 A JP 8230299A JP 8230299 A JP8230299 A JP 8230299A JP 2000276081 A JP2000276081 A JP 2000276081A
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thyristor
transfer
gate
light emitting
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Mitsuo Shiraishi
光生 白石
Toshiyuki Sekiya
利幸 関谷
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの制御信号にしたがって転送用サイ
リスタを順次発光状態として発光サイリスタも順次発光
状態とするLEDアレー駆動装置および画像形成装置に
関し、転送動作の安定化とコスト・ダウンを図ること。 【解決手段】 1ビット目の転送用サイリスタのゲート
・カソード間電位を転送開始後のT1までの所定時間、
所定値以下とするように転送クロックΦ1(B)および
スタート・パルスΦS(A)を付与して1ビット目の転
送用サイリスタをオフさせておく。1ビット目の発光用
サイリスタのゲート電位をスタート・パルスΦSのみに
よって供給し、所定時間T1中に1ビット目の発光用サ
イリスタをオンさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はLEDアレー駆動装
置および画像形成装置に関し、特に、外部からの制御信
号にしたがって転送用サイリスタを順次発光状態とする
につれて発光サイリスタも順次発光状態とするための駆
動信号を発生させるLEDアレー駆動装置および当該L
EDアレー駆動装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、SLED(自己走査型LEDアレ
ー:以後SLEDと呼ぶ)は特開平1−238962号
公報,特開平2−208067号公報,特開平2−21
2170号公報,特開平3−20457号公報,特開平
3−194978号公報,特開平4−5872号公報,
特開平4−23367号公報,特開平4−296579
号公報,特開平5−84971号公報、及びジャパン・
ハード・コピー’91(A−17)における駆動回路を
集積した光プリンタ用発光素子アレーの提案,電子情報
通信学会誌(90.3.5)におけるPNPNサイリス
タ構造を用いた自己走査型発光素子(SLED)の提案
等で紹介されており,記録用発光素子として注目されて
いる。
【0003】図5は従来のSLEDの基本構成の一例を
示す回路図、図6はこのSLEDを制御するための従来
のコントロール信号及び駆動タイミングのタイミング・
チャートであり、全素子を点灯する例を示す。両図を参
照し、上記SLEDの動作について説明する。
【0004】図5において、VGAはSLED50の電
源であり、スタート・パルスΦSに対してカスケードに
接続されている各ダイオードD1〜D5の両端に、抵抗
R1〜R5を介して接続されている。各抵抗の値は50
kΩ〜100kΩである。各ダイオードD1〜D5は順
方向降下電圧Vfが1.4Vであり、シリコン・ダイオ
ード2個をシリーズに接続したものを表す。
【0005】SLED50は、図5に示すように転送用
の転送サイリスタST1〜ST5をアレー状に配列した
ものと、発光用の発光サイリスタSL1〜SL5をアレ
ー状に配列したものからなる。転送用、発光用それぞれ
のサイリスタのゲートは各段において共通接続され、1
段目の共通ゲートはスタート・パルスΦSの入力部に接
続される。2段目の共通ゲートはスタート・パルスΦS
の端子にアノードを接続されたダイオードD1のカソー
ドに接続されて、3段目の共通ゲートは次のダイオード
D2のカソードに接続されて、と言うように構成されて
いる。
【0006】次に、図6のタイミング・チャートにした
がい転送及び発光について説明する。
【0007】転送は、スタート・パルスΦSを0Vから
5Vに変化させることにより開始する。スタート・パル
スΦSが5Vになることにより、Va=5V、Vb=
3.7V(ダイオードの順方向電圧降下を1.3Vとす
る)、Vc=2.4V、Vd=1.1V、さらにVe以
降は0Vとなり、転送サイリスタST1とST2のゲー
ト電位は0Vからそれぞれ5V、3.7Vに変化する。
【0008】この状態においてシフト・パルスΦ1を5
Vから0Vに変化させることにより、転送サイリスタS
T1の各端電位は、アノード:5V、カソード=0V、
ゲート=3.7Vとなり、サイリスタのオン条件が満足
されて転送サイリスタST1はオンする。この状態でス
タート・パルスΦSを0Vに変化させても、サイリスタ
ST1がオンしているためVa≒5Vとなる。この理由
は、スタート・パルスΦSは抵抗(図示せず)を介して
パルスが印加されており、サイリスタはオンするとアノ
ード・ゲート間電位がほぼ等しくなるためである。
【0009】このため、スタート・パルスΦSを0Vに
変化させても1段目のサイリスタのオン条件が保持され
1番目の転送動作が完了する。この状態で発光サイリス
タ用の駆動信号であるΦIを5Vから0Vに変化させる
と転送サイリスタがオンした条件と同じになるため、発
光サイリスタSL1がオンして1段目のLED(発光サ
イリスタSL1)が点灯することになる。1段目のLE
Dは、ΦIを5Vに戻すことにより発光サイリスタのア
ノード・カソード間電位差が無くなり、サイリスタの最
低保持電流を流せなくなるためにオフする。
【0010】次に、ST1からST2にサイリスタのオ
ン条件を転送する場合について説明する。発光サイリス
タSL1がオフしてもΦ1が0Vに維持されているので
転送サイリスタST1はオンしたままなので、転送サイ
リスタST1のゲート電位はVa≒5Vであり、Vb=
3.7Vである。
【0011】この状態において、偶数番目の転送サイリ
スタの駆動信号であるシフト・パルスΦ2を5Vから0
Vに変化させることにより、転送サイリスタST2の各
端電位がアノード:5V、カソード:0V、ゲート:
3.7Vとなることで、転送サイリスタST2はオンす
る。そして、転送サイリスタST2がオンした後でΦ1
を0Vから5Vに変化させることにより、転送サイリス
タST1は発光サイリスタSL1がオフしたのと同様に
オフする。このようにして、転送サイリスタのオンはS
T1からST2に遷移する。そして、ΦIを5Vから0
Vに変化させることで、発光サイリスタSL2がオンし
て発光する。
【0012】以下、同様にして発光するサイリスタが後
段へと遷移するが、ここでは画像データが常時オンの全
素子点灯の例を説明した。画像データがオフの場合に
は、上記遷移にかかわらずサイリスタは発光しないこと
はもちろんである。
【0013】なお、転送サイリスタがオンしている段の
発光サイリスタのみ発光できる理由は、転送サイリスタ
がオンしていない場合、オンしているサイリスタの隣の
サイリスタを除いてゲート電位が0Vであるためサイリ
スタのオン条件を満足しないからである。すなわち、隣
のサイリスタについても発光サイリスタがオンすること
によりΦI電位は3.4V(発光サイリスタの順方向電
圧降下分)となるため、隣のサイリスタは、ゲート・カ
ソード間の電位差がないためにオンすることができな
い。
【0014】上述した様に従来は、スタート・パルスΦ
Sとして5Vを与えた時に、奇数番目(1ビット目)の
転送サイリスタの駆動信号であるΦ1を5Vから0Vへ
と変化させることにより、1ビット目の転送サイリスタ
をオンさせ、発光サイリスタのゲート電位を5Vに保持
し、そして発光サイリスタの駆動信号ΦIを5Vから0
Vへと変化させることにより、発光サイリスタを発光さ
せていた。
【0015】また、上記構成のSLEDをアレー状に複
数チップ並べた従来のSLEDヘッドにおいては、図7
に示すように、SLED1チップ毎にドライバICを1
個設け、個別にSLEDを駆動する駆動形態が採られて
いた。図7は、6個のSLEDチップ71〜76に6個
のドライバIC81〜86を用いる例を示し、各ドライ
バIC81〜86から対応するSLEDチップ71〜7
6に対し、ΦS、Φ1、Φ2、ΦI、およびVga(V
GAの電圧)が図示の配線を通じて供給される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記SL
EDは、SLEDを形成する半導体ウエハーの製造条件
により、その特徴である転送サイリスタのゲート電位を
順次転送する際の転送速度が変化する。このため、高速
に転送及び発光動作をさせた場合に転送サイリスタのゲ
ート電位の転送が遅れ、発光させようとしている発光サ
イリスタが点灯せずに、その他の発光サイリスタのうち
最もゲート電位が高くなっているビットの発光サイリス
タが点灯するという現象が起こり、発光動作の転送が不
安定になる課題がある。
【0017】特に、1ビット目の発光時においては、1
ビット目以外の転送サイリスタのゲート電位は転送速度
が速いために完全に0Vになっていない状態になり易
い。上記ゲート電位が0Vになりきらない状態でスター
ト・パルスΦSを5Vとして1ビット目の転送サイリス
タをオンした場合、1ビット目の転送サイリスタのゲー
ト電位よりも別のビットの転送サイリスタのゲート電位
が高い時は、1ビット目の転送サイリスタがオンせず
に、別のゲート電位が高い転送サイリスタがオンするこ
とになる。そして、1ビット目の発光サイリスタをオン
させる目的で発光サイリスタの駆動信号ΦIを0Vに変
化させると、上記別のゲート電位が高い転送サイリスタ
がオンしたビットの発光サイリスタが発光することにな
り、およそ1ビットほど、順次発光ビットを転送するこ
とができなくなる。
【0018】また、図7のように、従来のSLED1チ
ップに対し1個のドライバICを用いる個別駆動形態で
は、コストが高くなる課題があった。
【0019】そこで、1個のドライバICのΦS出力を
用いて複数、例えばn個のSLEDチップを共通駆動
(同時駆動)する共通駆動形態とすれば、ドライバIC
の数を容易に低減することができる。しかしながら、こ
の駆動形態にした場合は、1ビット目のサイリスタSL
1,ST1の共通ゲートに接続されるΦS−VGA間の
抵抗R1を並列にn個接続することになり、ドライバI
CのΦS出力から見たΦS−VGA間の総インピーダン
スが1/nと小さくなってしまう。このため、供給する
ΦS電位が1.5V以下に低下してしまい、1ビット目
のサイリスタをオンさせることができない場合も生じ
る。
【0020】また、1ビット目の転送サイリスタおよび
発光サイリスタをオンさせない場合には、さらに、3.
4V以下に低下するだけでも2ビット目の転送サイリス
タをオンさせることができなくなり、転送不良を引き起
こす原因になってしまう。
【0021】このため、従来においては、1ビット目の
転送サイリスタをオンさせない駆動方法を用いる場合は
ドライバICとSLEDチップを一対一の関係で個別駆
動により使用し、また、コスト重視のためにドライバI
C1個で複数のSLEDチップを共通駆動(同時駆動)
する場合には、1ビット目の転送サイリスタをオンさせ
る駆動方法をとっていた。
【0022】そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなさ
れたものであって、確実に1ビット目の発光サイリスタ
をオンさせることで1ビット目からの発光ビットの転送
動作を安定にし、かつ1個のドライバICで複数チップ
のスタート・パルスΦSを駆動することでドライバIC
数を低減することのできるLEDアレー駆動装置および
当該LEDアレー駆動装置を用いて画像形成を行う画像
形成装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに請求項1の発明は、制御パルスを各カソードに入力
されるアレー状配列の複数ビットの転送用サイリスタ
と、前記転送用サイリスタの各ビットのものとゲートを
共通に接続されたアレー状配列の複数ビットの発光用サ
イリスタとからなる自己走査型LEDアレーを備え、前
記制御パルスにより前記各ビットの転送用サイリスタを
順次発光状態とし、前記共通ゲートに付与するスタート
・パルスの電位に応じて当該発光状態とされた転送用サ
イリスタに対応する前記発光用サイリスタを発光状態と
するLEDアレー駆動装置において、1ビット目の転送
用サイリスタのゲート・カソード間電位を転送開始後の
所定時間、所定値以下とするように前記制御パルスおよ
び前記スタート・パルスを付与して前記1ビット目の転
送用サイリスタをオフさせておくオフ手段と、1ビット
目の発光用サイリスタのゲート電位を前記スタート・パ
ルスのみによって供給し、前記所定時間中に前記1ビッ
ト目の発光用サイリスタをオンさせるオン手段とを備え
るLEDアレー駆動装置を提供する。
【0024】また、請求項2の発明は、請求項1におい
て、前記自己走査型LEDアレーは前記転送用サイリス
タの各ビットのゲート間に接続される複数ビットのダイ
オードを備え、1ビット目のダイオードと1ビット目の
転送用サイリスタのゲートの接続部と電源端間のインピ
ーダンスが所定値以下とならないように制限され、前記
自己走査型LEDアレーを複数接続し、前記接続部に前
記スタート・パルスを付与して共通に駆動する駆動手段
とを備えるLEDアレー駆動装置を提供する。
【0025】また、請求項3の発明は、請求項2におい
て、前記自己走査型LEDアレーは、前記複数ビットの
ダイオードのnビット目と(n+1)ビット目の接続部
と前記電源端の間にインピーダンス素子を接続し、1ビ
ット目のダイオードと1ビット目の転送用サイリスタの
ゲートの前記接続部にはインピーダンス素子を接続しな
いLEDアレー駆動装置を提供する。
【0026】上記の課題を解決するために請求項4の発
明は、制御パルスを各カソードに入力されるアレー状配
列の複数ビットの転送用サイリスタと前記転送用サイリ
スタの各ビットのものとゲートを共通に接続されたアレ
ー状配列の複数ビットの発光用サイリスタとからなる自
己走査型LEDアレーを備え、前記制御パルスにより前
記各ビットの転送用サイリスタを順次発光状態とし、前
記共通ゲートに付与するスタート・パルスの電位に応じ
て当該発光状態とされた転送用サイリスタに対応する前
記発光用サイリスタを発光状態とするLEDアレー駆動
装置と、前記LEDアレー駆動装置により前記発光用サ
イリスタを発光状態として潜像を形成する回転感光体
と、前記潜像を現像して記録媒体に可視像を形成する像
形成手段とを備えた画像形成装置において、1ビット目
の転送用サイリスタのゲート・カソード間電位を転送開
始後の所定時間、所定値以下とするように前記制御パル
スおよび前記スタート・パルスを付与して前記1ビット
目の転送用サイリスタをオフさせておくオフ手段と、1
ビット目の発光用サイリスタのゲート電位を前記スター
ト・パルスのみによって供給し、前記所定時間中に前記
1ビット目の発光用サイリスタをオンさせるオン手段と
を備える画像形成装置を提供する。
【0027】また、請求項5の発明は、請求項4におい
て、前記自己走査型LEDアレーは前記転送用サイリス
タの各ビットのゲート間に接続される複数ビットのダイ
オードを備え、1ビット目のダイオードと1ビット目の
転送用サイリスタのゲートの接続部と電源端間のインピ
ーダンスが所定値以下とならないように制限され、前記
自己走査型LEDアレーを複数接続し、前記接続部に前
記スタート・パルスを付与して共通に駆動する駆動手段
とを備える画像形成装置を提供する。
【0028】また、請求項6の発明は、請求項5におい
て、前記自己走査型LEDアレーは、前記複数ビットの
ダイオードのnビット目と(n+1)ビット目の接続部
と前記電源端の間にインピーダンス素子を接続し、1ビ
ット目のダイオードと1ビット目の転送用サイリスタの
ゲートの前記接続部にはインピーダンス素子を接続しな
い画像形成装置を提供する。
【0029】
【作用】上記構成によれば、転送開始後の所定時間、1
ビット目の転送サイリスタをオフさせておきオンさせな
い代わりに、スタート・パルスを付与する時間を従来の
1ビット目の転送サイリスタのオン時間終了時まで長く
することになる。また、1ビット目のダイオードと1ビ
ット目の転送用サイリスタのゲートの接続部と電源端間
のインピーダンスが所定値以下とならないように制限さ
れた自己走査型LEDアレーを複数接続し、インピーダ
ンスに左右されることなく、スタート・パルスを付与し
て複数の自己走査型LEDアレーを共通に駆動すること
になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0031】(第1の実施の形態)図1は本発明に係る
SLEDアレー駆動装置の第1の実施の形態の全体的ブ
ロック構成図である。
【0032】図1において、SLEDアレー駆動装置は
画像データ出力部11とSLED制御部13とを有して
いる。画像データ出力部11は電子写真記録方式により
記録媒体に永久可視像を形成するための画像データを出
力するものであり、本実施の形態のSLEDアレー駆動
装置を電子写真記録方式プリンタ装置に用い、SLED
ヘッド・アレー14の各SLEDを画像データに応じ発
光させることで、帯電器により一様に帯電された感光ド
ラム(図示せず)に潜像を形成することができる。当該
形成した潜像はトナー現像器(図示せず)によって可視
像化され、当該トナー像は中間転写体(図示せず)に一
旦転写され、そして搬送手段(図示せず)により搬送さ
れる記録媒体に転写されて定着器(図示せず)により定
着され、画像出力される。
【0033】SLED制御部13はSLED制御回路1
2を含んで構成され、このSLED制御回路12によ
り、画像データを読み出すためのREADクロックを画
像データ出力部11へ出力し、画像データ出力部11か
ら読み出した画像データを入力し、SLEDアレイ駆動
信号10を発生させる。SLEDアレイ駆動信号10は
直流電源BとGND,転送クロックΦ1、Φ2、スター
ト・パルスΦS、および画像データΦDからなり、これ
ら駆動信号をSLED駆動回路15で電力増幅してSL
EDヘッド・アレー14の各SLEDに供給すること
で、当該SLED中の転送サイリスタと発光サイリスタ
を順次発光状態とし、これにより感光ドラムを画像デー
タに応じて露光する。
【0034】ここで、複数のSLED駆動回路15は図
7中の複数のドライバICにあたり、SLEDヘッド・
アレー14は図7中の複数のSLEDチップにあたる。
つまり、本実施の形態では個別駆動形態をとっている。
また、各SLEDは図5のものと同一構成である。
【0035】図2は本実施の形態を最も良く表すタイミ
ング・チャートであり、図7中のSLEDアレイ駆動信
号10の各波形を表している。すなわち、図2(A)は
スタート・パルスΦS、図2(B)および(C)はSL
ED駆動回路15(ドライバIC)の出力における転送
クロックΦ1およびΦ2、図2(D)はSLED駆動回
路15の出力における発光サイリスタ駆動クロックΦ
I、図2(E)はSLED駆動回路15内でシリアル変
換された画像データ(ΦD)、図2(F)はSLED駆
動回路15の出力における発光サイリスタ駆動クロック
ΦIの各波形を示す。発光サイリスタ駆動クロックΦI
は発光クロックにより生成される。
【0036】個別駆動形態による本実施の形態において
は、1ビット目の転送サイリスタをオンさせない代わり
に、転送開始直後のスタート・パルスΦSの5Vの印加
時間を従来よりも長くした。図2(A)および(B)に
おいて破線の波形は従来の駆動タイミング、実線は本実
施の形態における駆動タイミングを示しており、従来の
1ビット目の転送サイリスタのオン時間終了時であった
T1までスタート・パルスΦSの5V印加時間を長くし
た。当該延長したスタート・パルスΦSにより、SLE
Dヘッド・アレー14中のSLEDの1ビット目の発光
サイリスタのゲート電位を供給し、5Vに保持してお
く。
【0037】このようにして1ビット目の転送サイリス
タをオンさせないことにより、1ビット目以外の、未だ
ゲート電位が完全に0Vになっていない他の転送サイリ
スタをオンさせることがなくなり、また1ビット目以外
の転送サイリスタのゲート電位が0Vになるまでの時間
を確保することができる。
【0038】1ビット目の転送サイリスタのゲート電位
は与えられているスタート・パルスΦSの5Vを保持し
ているので、このスタート・パルスΦSの5Vによって
発光サイリスタの1ビット目のゲート電位を供給するこ
とで、確実に1ビット目の発光サイリスタをオンさせる
ことができる。したがって、1ビット目から後段への発
光ビットの転送動作を安定に行うことができる。
【0039】上記した本発明第1の実施の形態によれ
ば、電子写真記録方式により記録媒体に永久可視像を形
成するための記録用発光素子として用いられるLEDア
レー(SLED)における駆動装置において、SLED
の特徴である1ビット目からnビット目までアレー状に
並べられた画像形成するための発光サイリスタを、1ビ
ット目から確実に順次発光させるために、発光サイリス
タのゲート電位を供給する転送サイリスタの1ビットの
転送サイリスタを駆動させず、1ビット目の発光サイリ
スタのゲート電位を外部からのスタート・パルスによっ
てのみ供給することによって、確実に1ビット目から発
光サイリスタを順次駆動(点灯)させることができる効
果がある。
【0040】(第2の実施の形態)上記実施の形態は個
別駆動形態の実施例を挙げたものであるが、次に共通駆
動形態による実施例を挙げて説明する。
【0041】共通駆動形態による本実施の形態の構成
は、図1中のSLEDヘッド・アレー14と複数のSL
ED駆動回路15からなる部分を改良したものであり、
図3にその要部の駆動形態を示す。図3において、複数
のSLEDチップ31〜36が図1中のSLEDヘッド
・アレー14にあたり、1個のドライバIC30が図1
中の複数のSLED駆動回路15にあたる。
【0042】なお、図4は図3の共通駆動形態による要
部回路の等価回路図である。
【0043】図4において、ドライバIC40はドライ
バIC30にあたり、それぞれSLEDチップ31〜3
6にあたる複数のSLED50aはSLED50と類似
構成であり、本実施の形態ではΦS出力からみたインピ
ーダンス調整のために取り除いた1ビット目のΦS−V
GA間抵抗R1の有無のみにおいて、両SLEDは相違
している。
【0044】図3に戻って説明すると、ドライバIC3
0の駆動信号としては図2に図示した波形のものを用い
るが、ドライバIC30を通じてスタート・パルスΦS
(図2(A))を各SLEDチップ31〜36に並列に
入力し、すべてのSLEDチップの共通電極としてVG
A(Vga)を並列接続する。各SLEDチップ31〜
36には、ドライバIC30からΦ1、Φ2、およびΦ
Iが図示の配線を通じてそれぞれ供給される。
【0045】上記図3の共通駆動形態とした場合、ドラ
イバIC30のΦS出力に対してΦS−VGA間抵抗R
1があると、各SLEDチップ31〜36(50a)の
1ビット目の抵抗R1を並列にn個接続することと同じ
になる。このため、ΦS出力に対するΦS−VGA間イ
ンピーダンスがR1/nの大きさとなって、ΦS電位が
1.5V以下に低下すると、1ビット目の発光サイリス
タをオンさせることができなくなる。さらに、1ビット
目の発光サイリスタをオンさせない場合には、ΦS電位
が3.4V以下に低下すると2ビット目の転送サイリス
タをオンさせることができなくなり、1ビット目の転送
サイリスタをオンさせないために逆に転送不良を引き起
こす。
【0046】そこで、図4等価回路図における本実施の
形態のSLEDチップ50aの様に1ビット目のΦS−
VGA間抵抗R1を削除(オープン)したものを複数用
いることにより、ΦS出力に対するΦS−VGA間イン
ピーダンスはSLEDチップ50aが何個並列接続され
ても1ビット目の発光サイリスタをオンできないほどに
は小さくなることがなくなる。この様に、スタート・パ
ルスΦSのハイ・レベルを5Vに保持することが可能と
なり、1個のドライバICからのΦS出力を複数のSL
EDチップに並列に入力して確実な転送動作を行うこと
ができ、かつ、ドライバ数を低減することができる。
【0047】図2のタイミングを採用し、かつ1ビット
目のサイリスタのゲートに接続したΦS−VGA間抵抗
を削除した図4の共通駆動(同時駆動)形態とした本実
施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果の他
に、1個のドライバICから出力されるスタート・パル
スΦSで複数チップを同時に駆動することでドライバI
Cの数を低減することで装置をコスト・ダウンできる効
果がある。
【0048】
【発明の効果】以上説明した通り本発明に係るLEDア
レー駆動装置および画像形成装置によれば、転送開始後
の所定時間、1ビット目の転送サイリスタをオフさせて
おきオンさせない代わりに、スタート・パルスを付与す
る時間を従来の1ビット目の転送サイリスタのオン時間
終了時まで長くすることになり、このスタート・パルス
により1ビット目の発光サイリスタのゲート電位を供給
し、保持することで、確実に1ビット目の発光サイリス
タをオンさせ、これにより、1ビット目からの発光ビッ
トの転送動作も安定にすることができる効果がある。ま
た、上記駆動方法によりSLEDを駆動させる場合にお
いて、1ビット目のダイオードと1ビット目の転送用サ
イリスタのゲートの接続部と電源端間のインピーダンス
が所定値以下とならないように制限された自己走査型L
EDアレーを複数接続し、インピーダンスに左右される
ことなく、スタート・パルスを付与して複数の自己走査
型LEDアレーを共通に駆動することになるため、ドラ
イバICの数を低減し、コスト・ダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るSLEDアレー駆動装置の第1の
実施の形態の全体的ブロック構成図である。
【図2】本発明に係るSLEDアレー駆動装置の第1の
実施の形態を最も良く表すコントロール信号及び駆動タ
イミングのタイミング・チャートである。
【図3】本発明に係るSLEDアレー駆動装置の第2の
実施の形態のSLEDヘッドの共通駆動形態による基本
構成の一例を示す回路図である。
【図4】図3の等価回路を示す回路図である。
【図5】従来のSLEDの基本構成の一例を示す回路図
である。
【図6】従来のSLEDを制御するためのコントロール
信号及び駆動タイミングのタイミング・チャートであ
る。
【図7】従来のSLEDヘッドの個別駆動形態による基
本構成の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
11 画像データ出力部 12 SLED制御回路 13 SLED制御部 14 SLEDヘッド・アレー 15 SLED駆動回路 30,40 ドライバIC 31〜36,50a SLEDチップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御パルスを各カソードに入力されるア
    レー状配列の複数ビットの転送用サイリスタと、前記転
    送用サイリスタの各ビットのものとゲートを共通に接続
    されたアレー状配列の複数ビットの発光用サイリスタと
    からなる自己走査型LEDアレーを備え、前記制御パル
    スにより前記各ビットの転送用サイリスタを順次発光状
    態とし、前記共通ゲートに付与するスタート・パルスの
    電位に応じて当該発光状態とされた転送用サイリスタに
    対応する前記発光用サイリスタを発光状態とするLED
    アレー駆動装置において、 1ビット目の転送用サイリスタのゲート・カソード間電
    位を転送開始後の所定時間、所定値以下とするように前
    記制御パルスおよび前記スタート・パルスを付与して前
    記1ビット目の転送用サイリスタをオフさせておくオフ
    手段と、 1ビット目の発光用サイリスタのゲート電位を前記スタ
    ート・パルスのみによって供給し、前記所定時間中に前
    記1ビット目の発光用サイリスタをオンさせるオン手段
    とを備えることを特徴とするLEDアレー駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記自己走査型LEDアレーは前記転送用サイリスタの
    各ビットのゲート間に接続される複数ビットのダイオー
    ドを備え、1ビット目のダイオードと1ビット目の転送
    用サイリスタのゲートの接続部と電源端間のインピーダ
    ンスが所定値以下とならないように制限され、 前記自己走査型LEDアレーを複数接続し、前記接続部
    に前記スタート・パルスを付与して共通に駆動する駆動
    手段とを備えることを特徴とするLEDアレー駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記自己走査型LEDアレーは、前記複数ビットのダイ
    オードのnビット目と(n+1)ビット目の接続部と前
    記電源端の間にインピーダンス素子を接続し、1ビット
    目のダイオードと1ビット目の転送用サイリスタのゲー
    トの前記接続部にはインピーダンス素子を接続しないこ
    とを特徴とするLEDアレー駆動装置。
  4. 【請求項4】 制御パルスを各カソードに入力されるア
    レー状配列の複数ビットの転送用サイリスタと前記転送
    用サイリスタの各ビットのものとゲートを共通に接続さ
    れたアレー状配列の複数ビットの発光用サイリスタとか
    らなる自己走査型LEDアレーを備え、前記制御パルス
    により前記各ビットの転送用サイリスタを順次発光状態
    とし、前記共通ゲートに付与するスタート・パルスの電
    位に応じて当該発光状態とされた転送用サイリスタに対
    応する前記発光用サイリスタを発光状態とするLEDア
    レー駆動装置と、前記LEDアレー駆動装置により前記
    発光用サイリスタを発光状態として潜像を形成する回転
    感光体と、前記潜像を現像して記録媒体に可視像を形成
    する像形成手段とを備えた画像形成装置において、 1ビット目の転送用サイリスタのゲート・カソード間電
    位を転送開始後の所定時間、所定値以下とするように前
    記制御パルスおよび前記スタート・パルスを付与して前
    記1ビット目の転送用サイリスタをオフさせておくオフ
    手段と、 1ビット目の発光用サイリスタのゲート電位を前記パル
    スのみによって供給し、前記所定時間中に前記1ビット
    目の発光用サイリスタをオンさせるオン手段とを備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記自己走査型LEDアレーは前記転送用サイリスタの
    各ビットのゲート間に接続される複数ビットのダイオー
    ドを備え、1ビット目のダイオードと1ビット目の転送
    用サイリスタのゲートの接続部と電源端間のインピーダ
    ンスが所定値以下とならないように制限され、 前記自己走査型LEDアレーを複数接続し、前記接続部
    に前記スタート・パルスを付与して共通に駆動する駆動
    手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記自己走査型LEDアレーは、前記複数ビットのダイ
    オードのnビット目と(n+1)ビット目の接続部と前
    記電源端の間にインピーダンス素子を接続し、1ビット
    目のダイオードと1ビット目の転送用サイリスタのゲー
    トの前記接続部にはインピーダンス素子を接続しないこ
    とを特徴とする画像形成装置。
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