JP2000275692A - 半導体量子ドットを用いた波長変換素子 - Google Patents

半導体量子ドットを用いた波長変換素子

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JP2000275692A
JP2000275692A JP11080801A JP8080199A JP2000275692A JP 2000275692 A JP2000275692 A JP 2000275692A JP 11080801 A JP11080801 A JP 11080801A JP 8080199 A JP8080199 A JP 8080199A JP 2000275692 A JP2000275692 A JP 2000275692A
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well layer
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Naoto Horiguchi
直人 堀口
Naoki Yokoyama
直樹 横山
Yoshiaki Nakada
義昭 中田
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Fujitsu Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体量子ドットを用いた波長変換素子に関
し、SN比の低下を防止するとともに、変換効率を高め
る。 【解決手段】 半導体量子井戸層4と、所謂タイプIIの
半導体量子ドット2とをバリア層3を介して積層させ、
半導体量子ドット2に電子または正孔の内の一方を電気
的に注入するとともに、半導体量子井戸層4に電子また
は正孔の内の他方を電気的に注入し、入射赤外線7によ
って半導体量子ドット2に注入したキャリアを励起し、
励起されたキャリアを半導体量子井戸層4へ移動させて
再結合させることによって、入射赤外線7よりエネルギ
ーの高い変換光8を放出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体量子ドットを
用いた波長変換素子に関するものであり、特に、タイプ
IIの量子ドットとタイプIの量子井戸とを積層させるこ
とによって変換効率を高めた半導体量子ドットを用いた
波長変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、10μm帯近傍の遠中赤外線を検
知する赤外線ディテクターとしては、Cd組成比が0.
2近傍、例えば、Cd組成比が0.22のHgCdTe
層に形成したpn接合ダイオードをフォトダイオードと
したものを用い、このフォトダイオードを一次元アレイ
状或いは二次元アレイ状に配置すると共に、読出回路と
の電気的なコンタクトをとるために、赤外線フォトダイ
オードアレイ基板及びSi信号処理回路基板を、双方に
形成したIn等の金属のバンプで貼り合わせた赤外線検
知装置が知られている。
【0003】しかし、この様なHgCdTe系赤外線デ
ィテクターの場合には、結晶性の良好な大面積基板の入
手が困難であるため多センサ素子からなる大型の赤外線
検知アレイを構成することが困難であるという問題があ
り、且つ、特殊な基板やプロセスも必要となるため、製
造コストが非常に高くなるという問題がある。
【0004】そこで、近年、この様な問題を解決するも
のとして、結晶性の良好な大面積基板の入手が容易であ
るGaAs系半導体を用い、且つ、多重量子井戸におけ
るサブバンド間の遷移による光吸収を利用することによ
り10μm帯近傍の遠中赤外線の検知を可能にした量子
井戸型光センサが注目を集めている。
【0005】この様な量子井戸型光センサにおいては、
サブバンド間の遷移による光吸収を利用しているので、
多重量子井戸構造の組成或いは層厚を変えることによっ
て検出波長を自由に変えることができ、したがって、検
出波長の自由度の高い大口径ディテクターアレイを比較
的安価に作製することが可能になる。
【0006】しかし、この様なGaAs系半導体を用い
た量子井戸型光センサにおいても、信号処理用の外部回
路をCMOS(相補型MOS)で作製してボンディング
するか、或いは、GaAs基板上に信号処理回路をモノ
リシックに形成しなければならないという問題がある。
【0007】この様な外部回路の問題を回避するため
に、遠中赤外線を近赤外線に変換する波長変換素子を用
い、この波長変換素子と従来から存在し非常に安価なC
CD若しくはCMOSイメージセンサ等を組み合わせて
二次元ディテクターアレイを構成することがLiu等に
よって提案されている(必要ならば、H.C.Liue
t al.,Electron.Lett.,Vol.
33,p.379,1997参照)ので、この様な波長
変換素子を用いた二次元赤外線検出装置を図8を参照し
て説明する。
【0008】図8参照 図8は、従来の波長変換素子を用いた赤外線検出装置の
概略的構成図であり、量子井戸型光センサと発光ダイオ
ードとを積層させた波長変換素子61とCCD或いはC
MOSイメージセンサ等のSi固体撮像素子62とを組
み合わせて構成する。
【0009】検知対象となる遠中赤外線イメージ63か
らの遠中赤外線64を波長変換素子61の量子井戸型光
センサ部において吸収することによって遠中赤外線イメ
ージ65として検知し、この検知した信号に基づいて波
長変換素子61の発光ダイオード部において遠中赤外線
64を近赤外線66に波長変換する。この波長変換され
た近赤外線66をSi固体撮像素子62において近赤外
線イメージ67として検知するものである。
【0010】しかし、波長変換素子61を構成する量子
井戸型光センサは、垂直入射した赤外線に対して感度を
持たないため、入射赤外線を量子井戸に対してほぼ平行
にするための特殊な光学系を用いたり、或いは、入射表
面に回折格子を設ける等の工夫が必要になり、波長変換
素子の構成が複雑化すると共に、製造コストが増加する
という問題がある。
【0011】この様な量子井戸型光センサを備えた波長
変換素子の問題を解決するために、電子や正孔などのキ
ャリアを3方向から狭い領域に閉じ込める3次元閉込量
子井戸構造である量子ドット(QD:Quantum
Dot)を用いることが提案されている(必要ならば、
M.Sopanen et al.,Appl.Phy
s.Lett.,Vol.65,p.1662,199
5参照)ので、この様な量子ドットを用いた波長変換素
子を図9を参照して説明する。
【0012】図9(a)参照 図9(a)は、量子ドットを用いた波長変換素子の概略
的断面図であり、n型GaAs基板(図示せず)上に設
けたn型Al0.2 Ga0.8 As層71及びAl 0.6 Ga
0.4 Asバリア層72を介してInAs層を成長させる
ことによって、InAs量子ドット73を形成する。
【0013】なお、この場合のInAs量子ドット73
が形成される過程は、所謂Stranski−Kras
tanov(ストランスキー−クラスタノフ)モード
(例えば、特願平7−217466号参照)であり、I
nAs層の成長開始当初はInAs成長層が格子不整合
に基づく弾性限界を越えないので2次元的に成長が行わ
れ、InAs濡れ層(wetting layer)が
成長する。そして、成長を続けると、InAs濡れ層の
厚さが弾性限界を越えた時点で、InAs濡れ層の表面
に量子ドットを形成するための成長核となるオングスト
ロームオーダーの3次元核が離散的に形成され、さら
に、成長を続けると、3次元核を成長核としてInAs
量子ドット73が形成されるものである。
【0014】次いで、InAs量子ドット73を覆うよ
うに薄いAl0.6 Ga0.4 Asバリア層74を成長させ
たのち、量子井戸層を形成するためのGaAs層75、
p型Al0.2 Ga0.8 As層77、p型GaAsコンタ
クト層(図示せず)を順次成長させることによって波長
変換素子の基本的構成が完成する。
【0015】この場合、GaAs層75には薄いAl
0.6 Ga0.4 Asバリア層74を介してInAs量子ド
ット73の歪が伝搬してGaAs層75内に横方向の閉
じ込め構造が形成されてInAs量子ドット73に対応
するGaAs歪量子ドット76が形成される。なお、こ
のGaAs歪量子ドット76には、歪によって77Kに
おいて0.1〜0.2eV程度のポテンシャルバリアが
形成される。
【0016】図9(b)参照 図9(b)は、この様な量子ドットを用いた波長変換素
子の動作原理の説明図であり、まず、波長変換素子を順
バイアスすることによって、InAs量子ドット73の
伝導帯側の第1量子準位、即ち、基底準位80に電子8
5を注入するとともに、GaAs歪量子ドット76の価
電子帯側の基底準位84に正孔86を注入する。
【0017】この様な状態の波長変換素子に波長がhν
の遠中赤外線78を入射させると、InAs量子ドット
73の伝導帯側の基底準位80にある電子85が第1励
起準位81に励起され、励起された電子85はAl0.6
Ga0.4 Asバリア層74をトンネルすることによって
エネルギーの低いGaAs歪量子ドット76の伝導帯側
の基底準位83に緩和し、次いで、緩和した電子85は
正孔86と再結合することによって、基底準位83と基
底準位84とのエネルギー差に対応する波長hν′の近
赤外変換光79が放出されることになる。
【0018】この様な量子ドットを用いた波長変換素子
においては、量子ドット間のトンネル注入を用いている
ので、キャリアの横方向の拡散がなく、非常に高い空間
分解能が得られることになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構造で
は、InAs量子ドット73における伝導帯側の基底準
位80及び価電子帯側の基底準位82が、それぞれGa
As歪量子ドット76における伝導帯側の基底準位83
及び価電子帯側の基底準位84に比べてエネルギー的に
低いために、赤外線の入射が無い状態においても発光が
生じ、SN比を悪くするという問題がある。
【0020】即ち、初期状態においてGaAs歪量子ド
ット76の価電子帯側の基底準位84に電気的に注入さ
れた正孔57がトンネルによってInAs量子ドット7
3の価電子帯側の基底準位82に緩和し、InAs量子
ドット73において再結合して基底準位80と基底準位
82とのエネルギー差に対応する波長の近赤外線を放出
するという問題がある。
【0021】したがって、本発明は、SN比の低下を防
止するとともに、変換効率を高めることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1
(a)は、電気的注入型の波長変換素子の概略的断面図
であり、また、図1(b)は光学的注入型の波長変換素
子の概略的断面図である。 図1(a)参照 (1)本発明は、半導体量子ドットを用いた波長変換素
子において、半導体量子井戸層4と、伝導帯側の基底準
位が半導体量子井戸層4の伝導帯側の基底準位よりエネ
ルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基底準位が半導体
量子井戸層4の価電子帯側の基底準位よりエネルギー的
に低い半導体量子ドット2とをバリア層3を介して積層
させ、半導体量子ドット2に電子または正孔の内の一方
を電気的に注入するとともに、半導体量子井戸層4に電
子または正孔の内の他方を電気的に注入し、入射赤外線
7によって半導体量子ドット2に注入したキャリアを励
起し、励起されたキャリアを半導体量子井戸層4へ移動
させて再結合させることによって、入射赤外線7よりエ
ネルギーの高い変換光8を放出することを特徴とする。
【0023】この様に、再結合発光領域となる半導体量
子井戸層4に対して、伝導帯側の基底準位が半導体量子
井戸層4の伝導帯側の基底準位よりエネルギー的に高
く、且つ、価電子帯側の基底準位が半導体量子井戸層4
の価電子帯側の基底準位よりエネルギー的に低い半導体
量子ドット2、即ち、半導体量子井戸層4をタイプIと
した場合、タイプIIの半導体量子ドット2を赤外線検知
部として設けることによって、赤外線の入射が無い場合
の再結合発光を防止することができ、SN比を向上する
ことができる。また、この場合、発光領域として半導体
量子井戸層4を用いているので、再結合時間が半導体量
子ドット2を用いた場合に比べて短くなり、半導体量子
井戸層4に緩和したキャリアが有効に再結合し、変換効
率が高まる。なお、電気的注入は、一導電型半導体層1
及び逆導電型半導体層6から行う。
【0024】(2)また、本発明は、半導体量子ドット
を用いた波長変換素子において、半導体量子井戸層4
と、伝導帯側の基底準位が半導体量子井戸層4の伝導帯
側の基底準位よりエネルギー的に高く、且つ、価電子帯
側の基底準位が半導体量子井戸層4の価電子帯側の基底
準位よりエネルギー的に低い半導体量子ドット2とをバ
リア層3を介して積層させるとともに、半導体量子井戸
層4内には半導体量子ドット2からの歪が伝搬して作ら
れる歪量子ドット5を有し、半導体量子ドット2に電子
または正孔の内の一方を電気的に注入するとともに、歪
量子ドット5に電子または正孔の内の他方を電気的に注
入し、入射赤外線7によって半導体量子ドット2に注入
したキャリアを励起し、励起されたキャリアを歪量子ド
ット5へ移動させて再結合させることによって、入射赤
外線7よりエネルギーの高い変換光8を放出することを
特徴とする。
【0025】この様に、半導体量子井戸層4内に半導体
量子ドット2からの歪が伝搬して作られる歪量子ドット
5を有することによって、キャリアの横方向拡散が抑え
られるため、空間分解能が半導体量子井戸層4を用いた
場合に比べて高まる。但し、再結合時間が長くなるの
で、歪量子ドット5側に緩和したキャリアが再び半導体
量子ドット2側に戻る可能性が高くなり、変換効率が若
干低下することになる。
【0026】(3)また、本発明は、半導体量子ドット
を用いた波長変換素子において、第1の半導体量子ドッ
トと、伝導帯側の基底準位が第1の半導体量子ドットの
伝導帯側の基底準位よりエネルギー的に高く、且つ、価
電子帯側の基底準位が第1の半導体量子ドットの価電子
帯側の基底準位よりエネルギー的に低い第2の半導体量
子ドット2とをバリア層3を介して積層させ、第2の半
導体量子ドット2に電子または正孔の内の一方を電気的
に注入するとともに、第1の半導体量子ドットに電子ま
たは正孔の内の他方を電気的に注入し、入射赤外線7に
よって第2の半導体量子ドット2に注入したキャリアを
励起し、励起されたキャリアを第1の半導体量子ドット
へ移動させて再結合させることによって、入射赤外線7
よりエネルギーの高い変換光8を放出することを特徴と
する。
【0027】この様に、発光領域を第1の半導体量子ド
ットとすることによって、ポテンシャルバリアが更に高
くなるので空間分解能が飛躍的に高めることができると
ともに、比較的に高い温度まで高空間分解能を維持する
ことができる。但し、再結合時間がさらに長くなるの
で、第1の半導体量子ドット側に緩和したキャリアが再
び第2の半導体量子ドット2側に戻る可能性がさらに高
くなり、変換効率が低下することになる。
【0028】図1(b)参照 (4)また、本発明は、半導体量子ドットを用いた波長
変換素子において、半導体量子井戸層4と、伝導帯側の
基底準位が半導体量子井戸層4の伝導帯側の基底準位よ
りエネルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基底準位が
半導体量子井戸層4の価電子帯側の基底準位よりエネル
ギー的に低い半導体量子ドット2とをバリア層3を介し
て積層させ、半導体量子ドット2に電子または正孔の内
の一方を光学的に注入するとともに、半導体量子井戸層
4に電子または正孔の内の他方を光学的に注入し、入射
赤外線7によって半導体量子ドット2に注入したキャリ
アを励起し、励起されたキャリアを半導体量子井戸層4
へ移動させて再結合させることによって、入射赤外線7
よりエネルギーの高い変換光8を放出することを特徴と
する。
【0029】(5)また、本発明は、半導体量子ドット
を用いた波長変換素子において、半導体量子井戸層4
と、伝導帯側の基底準位が半導体量子井戸層4の伝導帯
側の基底準位よりエネルギー的に高く、且つ、価電子帯
側の基底準位が半導体量子井戸層4の価電子帯側の基底
準位よりエネルギー的に低い半導体量子ドット2とをバ
リア層3を介して積層させるとともに、半導体量子井戸
層4内には半導体量子ドット2からの歪が伝搬して作ら
れる歪量子ドット5を有し、半導体量子ドット2に電子
または正孔の内の一方を光学的に注入するとともに、歪
量子ドット5に電子または正孔の内の他方を光学的に注
入し、入射赤外線7によって半導体量子ドット2に注入
したキャリアを励起し、励起されたキャリアを歪量子ド
ット5へ移動させて再結合させることによって、入射赤
外線7よりエネルギーの高い変換光8を放出することを
特徴とする。
【0030】(6)また、本発明は、半導体量子ドット
を用いた波長変換素子において、第1の半導体量子ドッ
トと、伝導帯側の基底準位が第1の半導体量子ドットの
伝導帯側の基底準位よりエネルギー的に高く、且つ、価
電子帯側の基底準位が第1の半導体量子ドットの価電子
帯側の基底準位よりエネルギー的に低い第2の半導体量
子ドット2とをバリア層3を介して積層させ、第2の半
導体量子ドット2に電子または正孔の内の一方を光学的
に注入するとともに、第1の半導体量子ドットに電子ま
たは正孔の内の他方を光学的に注入し、入射赤外線7に
よって第2の半導体量子ドット2に注入したキャリアを
励起し、励起されたキャリアを第1の半導体量子ドット
へ移動させて再結合させることによって、入射赤外線7
よりエネルギーの高い変換光8を放出することを特徴と
する。
【0031】この様に、キャリアの注入手段として光学
的注入、即ち、赤外線による励起を用いることによっ
て、電気的注入の場合に必須であったp型層及びn型
層、即ち、一導電型半導体層1及び逆導電型半導体層6
の形成が不要になる。また、光学的注入の場合、p型層
及びn型層の形成が不要になるので、タイプIIの半導体
量子ドット2と半導体量子井戸層4或いはタイプIの半
導体量子ドットの積層構造を複数層繰り返して多重化す
ることが可能になり、それによって、入射赤外線7の吸
収が大きくなるので変換効率を高めることが可能にな
る。なお、第1の半導体量子ドットに電子または正孔の
内の他方の注入は、第2の量子ドット2からのキャリア
の緩和によって注入されることになる。
【0032】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の第1の実施の形
態を図2乃至図4を参照して説明するが、まず、図2を
参照して本発明の第1の実施の形態の製造工程を説明す
る。 図2(a)参照 まず、n型GaAs基板11上に、MOVPE法(有機
金属気相成長法)により、基板温度を、例えば、620
℃とした状態で、厚さが100〜300nm、例えば、
100nmで、不純物濃度が0.5×1018〜1×10
18cm-3、例えば、1.0×1018cm-3で、Al組成
比が0.2〜0.4、例えば、0.30のn型AlGa
As層12、厚さが5〜10nm、例えば、7nmのノ
ン・ドープのGaAs層13、及び、厚さが2〜5n
m、例えば、5nmで、Al組成比が0.6〜1.0、
例えば、0.60のノン・ドープのAlGaAsバリア
層14を順次堆積させる。
【0033】図2(b)参照 次いで、基板温度を、例えば、510℃とした状態で薄
いGaSb層を成長させるが、この場合、AlGaAs
バリア層14とGaSb層との格子不整合に起因して、
上述のStranski−Krastanovモードの
自己形成によってGaSb量子ドット15が形成され
る。
【0034】また、この時、GaSb量子ドット15の
歪が薄いAlGaAsバリア層14を介してGaAs層
13に伝搬し、GaAs層13にGaSb量子ドット1
5に対応した歪量子ドット16が形成される。
【0035】図2(c)参照 次いで、基板温度を、例えば、510℃とした状態で厚
さが2〜10nm、例えば、10nmで、Al組成比が
0.6〜1.0、例えば、0.60のノン・ドープのA
lGaAsバリア層17を成長させたのち、基板温度
を、例えば、再び620℃に上昇させ、厚さが100〜
300nm、例えば、100nmで、不純物濃度が0.
5×1018〜1×1018cm-3、例えば、1.0×10
18cm-3で、Al組成比が0.2〜0.4、例えば、
0.30のp型AlGaAs層18、及び、厚さが、例
えば、5nmのp型GaAsコンタクト層19を順次堆
積させる。
【0036】図2(d)参照 最後に、n型GaAs基板11の裏面及びp型GaAs
コンタクト層19の表面に、それぞれ厚さが2〜5n
m、例えば、2nmのTi層20,21を形成したの
ち、それぞれ厚さが2〜5nm、例えば、3nmのAu
層22,23を形成してn側電極及びp側電極とするこ
とによって波長変換素子の基本構造が完成する。
【0037】次に、図3及び図4を参照して、この第1
の実施の形態の波長変換素子の動作原理を説明する。 図3(a)参照 まず、波長変換素子を順方向バイアスすることによっ
て、歪量子ドット16にはn型AlGaAs層12から
電子29を注入することによって、注入された電子29
が歪量子ドット16の伝導帯側の基底準位24を占める
ことになる。一方、GaSb量子ドット15にはp型A
lGaAs層18から正孔30が注入され、注入された
正孔30はGaSb量子ドット15の価電子帯側の基底
準位27を占めることになる。
【0038】図3(b)参照 この様な状態において、GaSb量子ドット15の価電
子帯側の基底準位27と第1励起準位28のエネルギー
差に等しいエネルギーの波長hνの遠中赤外線31が入
射すると、基底準位27の正孔30が励起されて第1励
起準位28へ遷移する。
【0039】図4(c)参照 励起された正孔30は第1励起準位28よりエネルギー
の低い歪量子ドット16の価電子帯側の基底準位25
に、AlGaAsバリア層14をトンネルして緩和す
る。
【0040】図4(d)参照 トンネルによって歪量子ドット16側に緩和した正孔3
0は、歪量子ドット16内において電子29と再結合す
ることによって、基底準位24と基底準位25のエネル
ギー差に対応したエネルギーの波長hν′の近赤外線を
変換光32として放出する。
【0041】この場合、GaSb量子ドット15は、歪
量子ドット16に対して、伝導帯側の基底準位が歪量子
ドット16の伝導帯側の基底準位よりエネルギー的に高
く、且つ、価電子帯側の基底準位が歪量子ドット16の
価電子帯側の基底準位よりエネルギー的に低い所謂タイ
プIIの量子ドットとなるので、赤外線が入射しない場合
には、注入された正孔30が歪量子ドット16の基底準
位25に緩和することがなく、或いは、注入された電子
29がGaSb量子ドット15の基底準位26に緩和す
ることがないので、不都合な再結合発光が生ずることが
なくなる。
【0042】また、この第1の実施の形態においては、
GaAs層13内に歪量子ドット16が形成されている
ので、横方向のキャリアの拡散が抑制されて空間分解能
が高くなる。
【0043】次に、図5乃至図7を参照して、キャリア
を光学的に注入する本発明の第2の実施の形態を説明す
るが、まず、図5を参照して本発明の第2の実施の形態
の製造工程を説明する。 図5(a)参照 まず、GaAs基板41上に、MOVPE法により、基
板温度を、例えば、620℃とした状態で、厚さが、例
えば、100nmでノン・ドープのGaAsバッファ層
42、及び、厚さが2〜5nm、例えば、5nmで、A
l組成比が0.3〜1.0、例えば、0.30のノン・
ドープのAlGaAsバリア層43を成長させたのち、
基板温度を、例えば、510℃とした状態で薄いGaS
b層を成長させることによって、Stranski−K
rastanovモードの自己形成によってGaSb量
子ドット44が形成される。
【0044】図5(b)参照 次いで、基板温度を、例えば、510℃とした状態で厚
さが3〜7nm、例えば、5nmで、Al組成比が0.
3〜1.0、例えば、0.30のノン・ドープのAlG
aAsバリア層45、及び、厚さが5〜10nm、例え
ば、7nmのノン・ドープのGaAs層46を順次堆積
させる。この時、GaSb量子ドット44の歪が薄いA
lGaAsバリア層45を介してGaAs層46に伝搬
し、GaAs層46内にGaSb量子ドット44に対応
した歪量子ドット47が形成される。
【0045】図5(c)参照 次いで、このAlGaAsバリア層43乃至GaAs層
46の成長工程を、10〜50回、例えば、50回繰り
返すことによって、多重構造を形成する。
【0046】図5(d)参照 次いで、基板温度を、例えば、再び620℃に上昇さ
せ、厚さが50〜100nm、例えば、50nmで、A
l組成比が0.3〜1.0、例えば、0.30でノン・
ドープのAlGaAsバリア層48、及び、厚さが、例
えば、5nmでノン・ドープのGaAs層49を順次堆
積させることによって、光学的キャリア注入による波長
変換素子の基本構造が完成する。
【0047】次に、図6及び図7を参照して、本発明の
第2の実施の形態の波長変換素子の動作原理を説明す
る。 図6(a)参照 まず、GaSb量子ドット44の伝導帯側の基底準位5
2と価電子帯側の基底準位53のエネルギー差に対応し
たエネルギーの波長hνの励起赤外線55を入射させる
ことによって、GaSb量子ドット44内に正孔56及
び電子57からなる電子−正孔対を発生させる。
【0048】図6(b)参照 このGaSb量子ドット44の伝導帯側の基底準位52
は、歪量子ドット47の伝導帯側の基底準位50よりエ
ネルギー的に高いので、対創生した電子57はAlGa
Asバリア層43,45をトンネルして隣接する歪量子
ドット47の伝導帯側の基底準位50に緩和する。
【0049】図6(c)参照 この様な状態において、GaSb量子ドット44の価電
子帯側の基底準位53と第1励起準位54のエネルギー
差に等しいエネルギーの波長hν′の遠中赤外線58が
入射すると、基底準位53の正孔56が励起されて第1
励起準位54へ遷移する。
【0050】図7(d)参照 このGaSb量子ドット44の価電子帯側の第1励起準
位54は、歪量子ドット47の価電子帯側の基底準位5
1よりエネルギー的に高いので、励起された正孔56は
AlGaAsバリア層43,45をトンネルして隣接す
る歪量子ドット47の価電子帯側の基底準位51に緩和
する。
【0051】図7(e)参照 トンネルによって歪量子ドット47側に緩和した正孔5
6は、歪量子ドット47内において電子57と再結合す
ることによって、基底準位50及び基底準位51のエネ
ルギー差に対応したエネルギーの波長hν″の近赤外線
を変換光59として放出する。
【0052】この場合も、GaSb量子ドット44は、
歪量子ドット47に対して、所謂タイプIIの量子ドット
となるので、検出対象となる赤外線が入射しない場合
に、対創生された正孔56が歪量子ドット47の基底準
位51に緩和することがなく、或いは、対創生されて歪
量子ドット47側に緩和した電子57が再びGaSb量
子ドット44側に遷移することがないので、不都合な再
結合発光が生ずることがなくなる。
【0053】また、この第2の実施の形態においても、
GaAs層46内に歪量子ドット47が形成されている
ので、横方向のキャリアの拡散が抑制され、それによっ
て、空間分解能を高くすることができる。
【0054】また、この第2の実施の形態においては光
学的注入を用いているので、全ての層をノン・ドープ層
で形成することができるとともに、キャリアを注入する
ための比較的厚いp型層或いはn型層を必要とせず、し
たがって、多重化が可能になるので、変換効率を高める
ことが可能になる。
【0055】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られる
ものではなく、各種の変更が可能である。例えば、上記
の第1及び第2の実施の形態の説明においては、再結合
発光領域を歪量子ドットで構成しているが、半導体量子
井戸層によって構成しても良いものである。
【0056】この様に半導体量子井戸層によって構成す
る場合、第1の実施の形態においてはAlGaAsバリ
ア層14を5〜10nmと厚くすれば良く、また、第2
の実施の形態においてはAlGaAsバリア層45を1
0nm程度とすれば良く、この様にバリア層を厚くする
ことによってGaSb量子ドットの歪の伝搬を低減する
ことができ、それによって、GaAs層13,46には
歪量子ドットが形成さず、キャリアを1次元的に閉じ込
める半導体量子井戸層となる。
【0057】この様に、半導体量子井戸層を用いた場合
には、半導体量子ドットの場合に比べて再結合時間が短
くなるので、半導体量子井戸層に緩和したキャリアが有
効に再結合し、変換効率が高くなるというメリットがあ
る。但し、半導体量子井戸層においては横方向の閉じ込
め機構がないので、キャリアの横方向拡散が生じ、再結
合する位置が励起された位置と異なるために空間分解能
が悪くなるという欠点がある。
【0058】また、再結合発光領域としては、純粋な半
導体量子ドットを用いても良く、その場合には、GaA
s層13,46を成長させる代わりに薄いInAs層を
成長させれば良く、GaSbの場合と同様にInAs層
とAlGaAsバリア層の格子不整合に起因して、St
ranski−Krastanovモードの自己形成に
よってInAs量子ドットが形成されることになる。
【0059】この様にInAs量子ドット等の半導体量
子ドットを用いた場合には、歪量子ドットに比べてキャ
リアの閉じ込め効果が大きくなるので、キャリアの横方
向拡散が抑制され、空間分解能が飛躍的に向上するとと
もに、比較的高い温度まで高空間分解能が維持される。
但し、この場合には、半導体量子ドットにおける再結合
時間が長いので、半導体量子ドット側に緩和した正孔
が、エネルギー的に低いGaSb量子ドットの価電子帯
側の基底準位に遷移する可能性があるため、変換効率が
低下することになる。
【0060】また、上記の第1及び第2の実施の形態に
おいては、再結合発光領域をGaAs/AlGaAs系
量子井戸或いは量子ドットで構成しているが、ウエル層
或いは量子ドットは純粋にGaAsである必要はなく、
Si固体撮像素子の感度が高い波長領域のエネルギーに
相当する量子準位間のエネルギー差を有するAlGaA
s或いはInGaAs等を用いても良いものである。な
お、量子準位の位置はバリア層の組成、及び、バリア層
或いはウエル層の層厚にも依存する。
【0061】また、上記の第1及び第2の実施の形態に
おいては、量子ドットをGaSbによって構成している
が、GaSbに限られるものではなく、再結合発光領域
を構成する量子井戸或いは量子ドットに対して所謂タイ
プIIの量子ドットを構成する材料であれば良く、例え
ば、Al組成比の小さなAlGaSb、In組成比の小
さなInGaSb、或いは、As組成比の小さなGaA
sSb等を用いても良いものであり、検出対象となる赤
外線の波長に応じて任意に設定すれば良い。
【0062】また、上記の第1の実施の形態において
は、n側に歪量子ドットを設けるとともに、p側にGa
Sb量子ドットを設け、歪量子ドットに電子を注入し、
GaSb量子ドットに正孔を注入しているが、導電型を
反転させてp側に歪量子ドットを設けるとともに、n側
にGaSb量子ドットを設けても良い。この場合、歪量
子ドットには正孔が注入され、GaSb量子ドットには
電子が注入されることになる。
【0063】また、上記の第1の実施の形態において
は、n型GaAs基板に直接n側電極を設けているが、
n型GaAs基板における変換光の吸収損失を防止する
ために、n型GaAs基板を薄層化したり、或いは、完
全に、除去しても良いものである。
【0064】また、上記の第1の実施の形態において
は、n側電極及びp側電極を介して赤外線の入射・放出
を行っているが、電極における吸収損失・反射損失を低
減するために、n側電極及びp側電極をメッシュ状に設
けても良いものであり、或いは、n型GaAs基板の側
面に設けても良いものである。
【0065】また、上記の第2の実施の形態において
も、GaAs基板における吸収損失を低減するためにG
aAs基板を除去しても良いものである。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、所謂タイプIIの量子ド
ットとタイプIの量子ドット或いは量子井戸層を積層し
て波長変換素子を構成しているので、赤外線の入射がな
い場合に再結合発光が生ずることがなく、したがって、
SN比を向上することができると共に変換効率を高める
ことができ、それによって、検出波長の自由度の大きい
大口径ディテクターアレイを安価に提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の製造工程の説明図
である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の波長変換素子の動
作原理の説明図(1)である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の波長変換素子の動
作原理の説明図(2)である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の製造工程の説明図
である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の波長変換素子の動
作原理の説明図(1)である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の波長変換素子の動
作原理の説明図(2)である。
【図8】従来の波長変換素子を用いた赤外線検出装置の
概略的構成図である。
【図9】従来の量子ドットを用いた波長変換素子の説明
図である。
【符号の説明】
1 一導電型半導体層 2 半導体量子ドット 3 バリア層 4 半導体量子井戸層 5 歪量子ドット 6 逆導電型半導体層 7 入射赤外線 8 変換光 9 バリア層 10 バリア層 11 n型GaAs基板 12 n型AlGaAs層 13 GaAs層 14 AlGaAsバリア層 15 GaSb量子ドット 16 歪量子ドット 17 AlGaAsバリア層 18 p型AlGaAs層 19 p型GaAsコンタクト層 20 Ti層 21 Ti層 22 Au層 23 Au層 24 基底準位 25 基底準位 26 基底準位 27 基底準位 28 第1励起準位 29 電子 30 正孔 31 遠中赤外線 32 変換光 41 GaAs基板 42 GaAsバッファ層 43 AlGaAsバリア層 44 GaSb量子ドット 45 AlGaAsバリア層 46 GaAs層 47 歪量子ドット 48 AlGaAsバリア層 49 GaAs層 50 基底準位 51 基底準位 52 基底準位 53 基底準位 54 第1励起準位 55 励起赤外線 56 正孔 57 電子 58 遠中赤外線 59 変換光 61 波長変換素子 62 Si固体撮像素子 63 遠中赤外線イメージ 64 遠中赤外線 65 遠中赤外線イメージ 66 近赤外線 67 近赤外線イメージ 71 n型Al0.2 Ga0.8 As層 72 Al0.6 Ga0.4 Asバリア層 73 InAs量子ドット 74 Al0.6 Ga0.4 Asバリア層 75 GaAs層 76 GaAs歪量子ドット 77 p型Al0.2 Ga0.8 As層 78 遠中赤外線 79 近赤外変換光 80 基底準位 81 第1励起準位 82 基底準位 83 基底準位 84 基底準位 85 電子 86 正孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 義昭 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AB12 CA13 CA22 FA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体量子井戸層と、伝導帯側の基底準
    位が前記半導体量子井戸層の伝導帯側の基底準位よりエ
    ネルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基底準位が前記
    半導体量子井戸層の価電子帯側の基底準位よりエネルギ
    ー的に低い半導体量子ドットとをバリア層を介して積層
    させ、前記半導体量子ドットに電子または正孔の内の一
    方を電気的に注入するとともに、前記半導体量子井戸層
    に電子または正孔の内の他方を電気的に注入し、入射赤
    外線によって前記半導体量子ドットに注入したキャリア
    を励起し、励起されたキャリアを前記半導体量子井戸層
    へ移動させて再結合させることによって、前記入射赤外
    線よりエネルギーの高い変換光を放出することを特徴と
    する半導体量子ドットを用いた波長変換素子。
  2. 【請求項2】 半導体量子井戸層と、伝導帯側の基底準
    位が前記半導体量子井戸層の伝導帯側の基底準位よりエ
    ネルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基底準位が前記
    半導体量子井戸層の価電子帯側の基底準位よりエネルギ
    ー的に低い半導体量子ドットとをバリア層を介して積層
    させるとともに、前記半導体量子井戸層内には前記半導
    体量子ドットからの歪が伝搬して作られる歪量子ドット
    を有し、前記半導体量子ドットに電子または正孔の内の
    一方を電気的に注入するとともに、前記歪量子ドットに
    電子または正孔の内の他方を電気的に注入し、入射赤外
    線によって前記半導体量子ドットに注入したキャリアを
    励起し、励起されたキャリアを前記歪量子ドットへ移動
    させて再結合させることによって、前記入射赤外線より
    エネルギーの高い変換光を放出することを特徴とする半
    導体量子ドットを用いた波長変換素子。
  3. 【請求項3】 第1の半導体量子ドットと、伝導帯側の
    基底準位が前記第1の半導体量子ドットの伝導帯側の基
    底準位よりエネルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基
    底準位が前記第1の半導体量子ドットの価電子帯側の基
    底準位よりエネルギー的に低い第2の半導体量子ドット
    とをバリア層を介して積層させ、前記第2の半導体量子
    ドットに電子または正孔の内の一方を電気的に注入する
    とともに、前記第1の半導体量子ドットに電子または正
    孔の内の他方を電気的に注入し、入射赤外線によって前
    記第2の半導体量子ドットに注入したキャリアを励起
    し、励起されたキャリアを前記第1の半導体量子ドット
    へ移動させて再結合させることによって、前記入射赤外
    線よりエネルギーの高い変換光を放出することを特徴と
    する半導体量子ドットを用いた波長変換素子。
  4. 【請求項4】 半導体量子井戸層と、伝導帯側の基底準
    位が前記半導体量子井戸層の伝導帯側の基底準位よりエ
    ネルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基底準位が前記
    半導体量子井戸層の価電子帯側の基底準位よりエネルギ
    ー的に低い半導体量子ドットとをバリア層を介して積層
    させ、前記半導体量子ドットに電子または正孔の内の一
    方を光学的に注入するとともに、前記半導体量子井戸層
    に電子または正孔の内の他方を光学的に注入し、入射赤
    外線によって前記半導体量子ドットに注入したキャリア
    を励起し、励起されたキャリアを前記半導体量子井戸層
    へ移動させて再結合させることによって、前記入射赤外
    線よりエネルギーの高い変換光を放出することを特徴と
    する半導体量子ドットを用いた波長変換素子。
  5. 【請求項5】 半導体量子井戸層と、伝導帯側の基底準
    位が前記半導体量子井戸層の伝導帯側の基底準位よりエ
    ネルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基底準位が前記
    半導体量子井戸層の価電子帯側の基底準位よりエネルギ
    ー的に低い半導体量子ドットとをバリア層を介して積層
    させるとともに、前記半導体量子井戸層内には前記半導
    体量子ドットからの歪が伝搬して作られる歪量子ドット
    を有し、前記半導体量子ドットに電子または正孔の内の
    一方を光学的に注入するとともに、前記歪量子ドットに
    電子または正孔の内の他方を光学的に注入し、入射赤外
    線によって前記半導体量子ドットに注入したキャリアを
    励起し、励起されたキャリアを前記歪量子ドットへ移動
    させて再結合させることによって、前記入射赤外線より
    エネルギーの高い変換光を放出することを特徴とする半
    導体量子ドットを用いた波長変換素子。
  6. 【請求項6】 第1の半導体量子ドットと、伝導帯側の
    基底準位が前記第1の半導体量子ドットの伝導帯側の基
    底準位よりエネルギー的に高く、且つ、価電子帯側の基
    底準位が前記第1の半導体量子ドットの価電子帯側の基
    底準位よりエネルギー的に低い第2の半導体量子ドット
    とをバリア層を介して積層させ、前記第2の半導体量子
    ドットに電子または正孔の内の一方を光学的に注入する
    とともに、前記第1の半導体量子ドットに電子または正
    孔の内の他方を光学的に注入し、入射赤外線によって前
    記第2の半導体量子ドットに注入したキャリアを励起
    し、励起されたキャリアを前記第1の半導体量子ドット
    へ移動させて再結合させることによって、前記入射赤外
    線よりエネルギーの高い変換光を放出することを特徴と
    する半導体量子ドットを用いた波長変換素子。
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