JP2000272135A - インクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッドの製造方法及びインクジェット記録装置

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JP2000272135A
JP2000272135A JP8361999A JP8361999A JP2000272135A JP 2000272135 A JP2000272135 A JP 2000272135A JP 8361999 A JP8361999 A JP 8361999A JP 8361999 A JP8361999 A JP 8361999A JP 2000272135 A JP2000272135 A JP 2000272135A
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ink jet
jet recording
recording head
nozzle
ink
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Toru Yamane
徹 山根
Seiichiro Karita
誠一郎 刈田
Junji Yasuda
淳司 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録ヘッドの生産性を向上さ
せる。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッドの液流路7
は、それぞれ流路幅の異なる第1のストレート部21及
び第2のストレート部22を有する。第1のストレート
部21を切断し、オリフィス面9を形成することで、第
1のストレート部21の流路幅からなる開口面積の吐出
口20が形成される。一方、第2のストレート部22を
切断し、オリフィス面9を形成することで、第1のスト
レート部21よりも開口面積の大きい吐出口20が形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な吐出口であ
るオリフィスからインクを吐出し、記録紙等、被記録材
に記録を行なうインクジェット記録ヘッド、該インクジ
ェット記録の製造方法及びインクジェット記録装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録技術は、安価にフル
カラーの記録を可能にする技術として特に注目されてい
る技術であり、印字を高速化するための多ノズル化、高
精細化のための小液滴化の要望は強い。特に近年はオフ
ィスプリンタのカラー化も進み、様々な大きさの液滴を
吐出させるインクジェット記録ヘッド、インクジェット
記録装置が普及している。
【0003】微細な吐出口であるオリフィスから記録液
であるインクを小液滴として吐出し記録紙等に記録を行
なうインクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッ
ドは、一般的に、ヒータボードと呼ばれる吐出エネルギ
発生素子を有する基板と、インクの流路であるノズルや
液室を形成するノズル層(液流路形成層)を積層した積
層構造を有する。
【0004】ノズル層の製作には、まず、ガラスや金属
等の板材の表面に切削やエッチング等によって液流路等
を溝加工し、この溝加工を施した板材を上述の基板に位
置合わせしたうえで貼り合わせる方法や、あるいは、基
板上に公知のリソグラフィ等によって液流路や液室の形
状を有するレジストパターンを設け、これを覆うように
樹脂層を塗布し、次いでレジストパターンを溶出させる
ことによって液流路等を形成する方法等があるが、前者
のガラスや金属の板材を溝加工する方法は切削によって
液流路の内壁が荒れたり、エッチング率がばらついて液
流路の流路抵抗が不均一になる傾向があり、製品の歩留
りが低い。
【0005】一方、後者の基板にレジストパターンを設
けてこれを樹脂層によって覆い、次いでレジストパター
ンを溶出する方法は、液流路の形状が均一で量産性にも
すぐれており、加えて、製造工程において液流路にゴミ
等が侵入するおそれもないため、インクジェット記録ヘ
ッドの製造コストを大幅に低減し、かつ、より一層の高
性能化や高速化さらにはマルチノズル化等にも容易に対
応できるものとして大きく期待されている。
【0006】図5(a)〜図5(e)は従来のインクジ
ェット記録ヘッドの製造工程の一例を示す図である。
【0007】まず、図5(a)に示すように、吐出エネ
ルギ発生素子101aを有する基板101上に、ノズル
や液室の形状を有するレジストパターン102を製作
し、その上に、図5(b)に示すように、活性エネルギ
線硬化性樹脂層103を積層する。続いて図5(c)に
示すように、ガラス等の活性エネルギ線を透過する材料
によって天板104を製作して活性エネルギ線硬化性樹
脂層103に重ねる。天板104には、インク供給口1
04aと後述する液室106の上半部を構成する凹所1
04bとが形成されており、凹所104bの内壁面には
活性エネルギ線を遮断する遮光膜であるマスキングが設
けられている。
【0008】続いて、図5(d)に示すように、天板1
04の外側から活性エネルギ線Lを照射して活性エネル
ギ線硬化性樹脂層103を硬化させる。このとき、図5
(d)中に斜線で示すように天板104のマスキングを
施すことにより活性エネルギ線Lの一部分が遮光され
る。その結果、マスキングの下に位置する活性エネルギ
線硬化性樹脂層103の不要部分は未硬化の状態で残さ
れる。
【0009】次に、基板101、活性エネルギ線硬化性
樹脂層103、天板104からなる吐出口のオリフィス
面の形状を整えるためにオリフィス面の研削を行う。
【0010】最後に、図5(e)に示すように天板10
4のインク供給口104aから溶剤を導入してレジスト
パターン102と活性エネルギ線硬化性樹脂層103の
未硬化の不要部分を溶出し、ノズル105と液室106
を備えたインクジェット記録ヘッドが完成する。このよ
うにインクジェット記録ヘッドの製造工程の最後にノズ
ル105や液室106を空洞化するものであるため、こ
れらにゴミ等が侵入するおそれがない。
【0011】ところがこのようにノズル105を活性エ
ネルギ線硬化樹脂層103によって製作する方法は、ノ
ズル105の材質を大幅に制約するものであり、このよ
うな材料の制約は、インクジェット記録ヘッドの耐イン
ク性等を向上させたり、あるいはインクジェット記録ヘ
ッドを低価格化するうえで大きな障害となる。加えて、
インクジェット記録ヘッドの印字を高速化するには液室
106を大容量化することが要求されるが、液室106
の高さを高くするために活性エネルギ線硬化樹脂層10
3を厚くすると、これをパターニングする際に、液室1
06の形状を設計通りに形成するのが困難であり、ま
た、露光時間が長くなって新たなトラブルを発生するお
それがある。
【0012】そこで、吐出エネルギ発生素子を有する基
板上に液流路や液室の形状を有する第1のレジストパタ
ーンを設け、さらにその上に、液室を高くするための第
2のレジストパターンを重ねたうえで天板を載置し、天
板と基板の間に形成された空間部に樹脂を注入してこれ
を硬化させ、最後に第1及び第2のレジストパターンを
溶出する方法が開発された。
【0013】図6(a)〜図6(f)に別の従来のイン
クジェット記録ヘッドの製造方法の工程、すなわち、第
1、第2のレジストパターンを重ねたうえで樹脂を注入
するいわゆる注型法によってインクジェット記録ヘッド
を製造する工程を説明する図を示す。なお、図6(a)
〜図6(f)に示す方法は、同時に2個のインクジェッ
ト記録ヘッドを製造する方法を示したものである。
【0014】まず、図6(a)に示すように、インクジ
ェット記録ヘッド2個分の吐出エネルギ発生素子(不図
示)を有する基板201の上に、公知の感光性ドライフ
ィルム等を用いて液流路パターン部分202aと後述す
る液室222の下半部パターン部分202bからなる第
1のレジストパターン202を設け、その上に、図6
(b)に示すように、公知の印刷法等によって液室22
2の上半部の形状を有する第2のレジストパターン20
3を積層する。さらに、図6(c)に示すように、予め
インク供給口204a等の開口を形成した天板204を
載置し、該天板204と基板201の間に形成される空
間部V0に、図6(d)に示すように、樹脂205を注
入してこれを硬化させてインクジェット記録ヘッド2個
取りの積層体A0を得る。続いて、図6(e)に示すよ
うに、積層体A0を中央で切断し、吐出口面の形状を整
えるための研削を行う。
【0015】最後に、第1及び第2のレジストパターン
202、203を溶剤によって溶出すると、図6(f)
に示すように空洞化された液流路221と液室222を
有するノズル層220が形成される。
【0016】この方法を採用すれば、第2のレジストパ
ターン203の厚さを厚くすることによって液室222
の高さを必要なだけ高くすることができる。また、液室
222の形状は第2のレジストパターン203の形状通
りであり、露光によってパターニングする場合のような
トラブルを発生するおそれはない。
【0017】次に、図6(a)〜(e)で示した製造方
法により製造されたインクジェット記録ヘッドの斜視透
視図を図7(a)に、また、ノズル部の上面断面図を図
7(b)にそれぞれ示す。
【0018】このような方法で形成されたインクジェッ
ト記録ヘッドは、上記のように、オリフィス面209の
形状を整えるために切断及び研削工程が入る。通常、こ
の切断、研削工程で得られるインクジェット記録ヘッド
のオリフィス面209は図7(b)に示すY方向に±1
0[μm]程度の公差を有する。このため、吐出口209
a付近の液流路37に切断位置公差よりも長いストレー
ト部31を設けることで、切断位置がばらついても必ず
ストレート部31で切断されることとなり、吐出口の面
積がばらつくことを防止している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような図5〜図7に示した従来のノズル形状、製造工程
では、インク吐出量の異なるインクジェット記録ヘッド
を作ろうとした場合、インク吐出量ごとに異なる種類の
レジストパターンあるいは液流路パターンを形成する必
要があった。そのため、吐出量の異なる複数種類のイン
クジェット記録ヘッドを作るには、異なるレジストパタ
ーンあるいは液流路パターンを形成するためのマスクや
生産ラインを複数種類用意する必要があり、煩雑であ
る、といった問題点があった。
【0020】そこで、本発明はノズル径の異なる、複数
種類のインクジェット記録ヘッドの生産性を向上させる
インクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッ
ドの製造方法及びインクジェット記録装置を提供するこ
とを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のインクジェット記録ヘッドは、吐出口からイン
クを吐出させるためのノズルと、前記ノズル内のインク
を吐出させるためのエネルギを発生するエネルギ発生手
段とを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
ノズルは、それぞれ幅が異なる複数のストレート部を有
し、前記吐出口は、前記複数のストレート部のいずれか
の途中で前記ノズルを切断することで形成されたもので
ある。
【0022】上記の通り構成された本発明のインクジェ
ット記録ヘッドは、ノズルの幅が各ストレート部で異な
るため、任意のストレート部を切断することで、切断さ
れたストレート部に応じた開口面積を有する吐出口が形
成される。
【0023】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法は、インクを吐出させるためのエネルギを発
生するエネルギ発生手段が設けられた基板上に、それぞ
れ幅が異なる複数のストレート部を有するノズルを形成
する工程と、前記ノズルを前記複数のストレート部のい
ずれかの途中で切断し、インクを吐出する吐出口を形成
する工程とを含む。
【0024】上記の通り、本発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法は、それぞれ幅が異なる複数のストレ
ート部を有するノズルを形成し、そして、このノズルを
複数のストレート部のいずれかの途中で切断することで
吐出口を形成するため、ストレート部の幅に応じた開口
面積の吐出口を形成することができる。
【0025】また、ノズルを形成する工程は、基板上に
感光性樹脂を配設する工程と、感光性樹脂を露光及び現
像して感光性樹脂でノズルのパターンを形成する工程
と、パターンが形成された基板上に前記ノズルを構成す
る材料を積層する工程と、パターンを除去する工程とを
含むものであってもよい。
【0026】また、本発明のインクジェット記録装置
は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、インクを吐出
し、前記被記録媒体に記録を行う、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドを保持し、かつ、被記録媒体の搬送方向
に対して交差する方向に往復移動する保持手段とを有す
るものであってもよいし、また、本発明のインクジェッ
ト記録装置は、被記録媒体を搬送する搬送手段と、イン
クを吐出し、被記録媒体に記録を行う、本発明のインク
ジェット記録ヘッドの製造方法により製造されたインク
ジェット記録ヘッドを保持し、かつ、被記録媒体の搬送
方向に対して交差する方向に往復移動する保持手段とを
有するものであってもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0028】図1(a)〜図1(g)は本発明の一実施
形態であるインクジェット記録ヘッド70を製造する工
程を説明する図である。
【0029】まず、図1(a)に示すように、2個分の
インクジェット記録ヘッド70(図1(f)参照)の吐
出エネルギ発生素子(不図示)を有する基板1の上に、
液流路の形状を有する液流路パターン部分2aと液室の
下半部の形状を有する液室パターン部分2bとからなる
第1のレジストパターン2を形成する。
【0030】第1のレジストパターン2を製作する方法
は、以下に示すものの中から適宜選択する。 (1)感光性ドライフィルムを用いていわゆるドライフ
ィルムの画像形成プロセスに従って第1のレジストパタ
ーン2を形成する。 (2)基板1上に所望の厚さの溶剤可溶性ポリマ層およ
ぴフォトレジスト層を順に積層し、フォトレジスト層の
パターン形成後、溶剤可溶性ポリマ層を選択的に除去す
る。 (3)樹脂を印刷する。
【0031】(1)の方法における感光性ドライフィル
ムとしては、ポジ型、あるいはネガ型を用いることがで
きる。例えばポジ型ドライフィルムであれば、活性エネ
ルギ線照射によって現像液に可溶化するポジ型ドライフ
ィルムが適しており、またネガ型ドライフィルムであれ
ば、光重合型であるが塩化メチレンあるいは強アルカリ
で溶解あるいは剥離除去し得るネガ型ドライフィルムが
適している。
【0032】ポジ型ドライフィルムとしては、具体的に
は、例えば「OZATEC R255」(商品名、ヘキ
ストジャパン(株))等、またネガ型ドライフィルムと
しては、「OZATEC Tシリーズ」(商品名、ヘキ
ストジャパン(株))、「PHOTECシリーズ」(商
品名、日立化成工業(株))、「RISTON」(商品
名、デュ・ポン.ド・ネモアース・Co)等が用いられ
る。
【0033】もちろん、これらの市販材料のみならず、
ポジティブに作用する樹脂組成物、例えばナフキノンジ
アド誘導体とノボラック型フェノール樹脂を主体とする
樹脂組成物、PMER−AR900(東京応化工業
(株))、及びネガティブに作用する樹脂組成物、例え
ばアクリルエステルを反応基とするアクリルオリゴマー
と熱可塑性高分子化合物及び増感剤を主体とする組成
物、あるいはポリチオールとポリエン化合物及び増感剤
とから成る組成物等を用いることができる。
【0034】(2)の方法における溶剤可溶性ポリマと
しては、それを溶解する溶剤が存在し、コーティングに
よって被膜を形成し得る高分子化合物であればいずれで
もよい。ここで用いるフォトレジスト層としては、典型
的にはノボラック型フェノール樹脂とナフトキノンジア
ジドからなるポジ型液状フォトレジスト、ポリビニルシ
ンナメートから成るネガ型液状フォトレジスト、環化ゴ
ムとビスアジドから成るネガ型液状フォトレジスト、ネ
ガ型感光性ドライフィルム、熱硬化型及び紫外線硬化型
のインキ等が挙げられる。
【0035】(3)の印刷法に用いる材料としては、例
えば蒸発乾燥型、熱硬化型あるいは紫外線硬化型等のそ
れぞれの乾燥方式で用いられている平板インキ、スクリ
ーンインキならびに転写型の樹脂等が用いられる。
【0036】以上に挙げた材料群の中で、加工精度や除
去の容易性あるいは件業性等の面からみて、(1)の感
光性ドライフィルムを用いる方法が好ましく、その中で
もポジ型ドライフィルムを用いるのが特に好ましい。す
なわち、ポジ型感光性材料は、例えば解像度がネガ型の
感光性材料よりも優れており、レリーフパターンが垂直
かつ平滑な側壁面を持ち、また、テーパ型ないし逆テー
パ型の断面形状が容易につくれるという多くの長所を持
ち、液流路を形づくる上で最適である。
【0037】また、レリーフパターンを現像液や有機溶
剤で溶解除去できる等の長所も有しており、本発明にお
けるレジストパターン形成材料として好適である。特
に、例えば先に挙げたナフキノンジアジドとノボラック
型フェノール樹脂を用いたポジ型感光性材料では、弱ア
ルカリ水溶液あるいはアルコールで完全溶解できるの
で、吐出エネルギ発生素子に損傷を何ら与えることがな
く、かつ後工程での除去もきわめて速やかである。この
ようなポジ型感光性材料の中でも、ドライフィルム状の
ものは、10〜100μmの厚膜のものが得られる点
で、最も好ましい材料である。
【0038】次に、図1(b)に示すように、第1のレ
ジストパターン2の上に液室の上半部の形状を有する液
室パターン部分である第2のレジストパターン3を積層
する。
【0039】第2のレジストパターン3は、第1のレジ
ストパターン2の液室パターン部分2b上に積層され、
第2のレジストパターン3の厚さに第1のレジストパタ
ーン2の液室パターン部分2bの厚さを加えたものが各
インクジェット記録ヘッドの液室の必要高さに一致する
ように構成されている。
【0040】第2のレジストパターン3の形成方法は、
以下に示すものの中から適宜選択する。 (1)フッ素置換されたアクリル樹脂、トリフロロクロ
ロポリマポリフッ化ビニル等のフッ素系樹脂を印刷す
る。 (2)上記のフッ素系樹脂を一般に市販されているアク
リル系やエポキシ系の各種印刷剤に一部添加したものを
印刷する。 (3)例えばシリコーンシーラント、シリコーングリス
等のシリコーン系樹脂やオイルを印刷する。 (4)上記のシリコーン系樹脂やオイルをディスペンサ
等の方法により所望の部分のみディスペンスする。
【0041】上記の方法のなかで、第2のレジストパタ
ーン3を溶出するときの除去性や液室の形状に形成しや
すい等の観点からは、(2)の方法が好ましい。
【0042】例えば、アクリル系印刷剤MA−830
(大日本インキ製)にビスフェノールAF型樹脂(セン
トラルガラス製)を0.1%から25.0%程度、添加
したものをスクリーン印刷すると、樹脂6a(図1
(e)参照)に対して極めて良好なレジストパターンを
得ることができる。
【0043】また、フッ素系樹脂KP801(信越化学
製)をMF−6に(セントラルガラス製)に溶解させた
のち、MA−830に添加する方法でもよい。
【0044】なお、KP801をMF−6に溶解させた
ものはKP801Mとして信越化学(株)より市販され
ている。
【0045】次いで、図1(c)に示すように、第2の
レジストパターン3上に予めインク供給口4aを形成し
た天板4が位置合わせして載置される。
【0046】このように第2のレジストパターン3上に
天板4を載置したとき、天板4の反りやうねり等、ある
いは第2のレジストパターン3の厚さの不均一部や第2
のレジストパターン3の上面の凹凸のためにわずかな隙
間5が生じる。
【0047】続いて、図1(d)に示すように、基板1
と天板4の間の空間部V1に樹脂6aが注入される。こ
れは、図1(e)に別の断面で示すように、天板4の両
側縁に配設された樹脂供給口4bを用いて行なわれる。
樹脂6aは毛管現象によって空間部V1すべてに充填さ
れ、図1(d)に示すようなノズル層6を形成する。樹
脂6aを硬化させたのち、図1(f)に示すように、ダ
イシングソー等の公知の方法によって各インクジェット
記録ヘッド70に切り離す。次いで、図1(g)に示す
ように、第1のレジストパターン2及び第2のレジスト
パターン3をアルカリ水溶液や有機溶剤等の溶剤である
除去液により除去する。
【0048】第1のレジストパターン2及び第2のレジ
ストパターン3を除去すると、第1のレジストパターン
2の液流路パターン部分2aを除去することで空洞化さ
れた液流路7と、第1のレジストパターン2の液室パタ
ーン部分2bと第2のレジストパターン3を除去するこ
とで空洞化された液室8を有するノズル層6が形成され
る。液室8は、第1のレジストパターンの液室パターン
部分2bの厚さと第2のレジストパターン3の厚さを加
えたものに等しい高さを有し、天板4のインク供給口4
aに開口する。
【0049】次に、図2にインクジェット記録ヘッド7
0の製造過程におけるレジストパターン2cの一例を示
す。
【0050】本発明のインクジェット記録ヘッド70の
レジストパターンは、インクの吐出口20付近に、第1
のストレート部21と、第1のストレート部21よりも
流路幅の広い第2のストレート部22とが形成されてい
る。
【0051】X−X’線及びY−Y’線は、オリフィス
面9(図3参照)を形成するための第1のストレート部
21あるいは第2のストレート部22の切断位置を示し
ている。すなわち、X−X’線で切断した場合には吐出
口20の開口面積は、Y−Y’線で切断した場合の吐出
口20の開口面積よりも小さくなる。
【0052】次に、図3(a)〜図3(d)に2個取り
のインクジェット記録ヘッド70をダイシングソー等に
よって各インクジェット記録ヘッド70に切り離し、オ
リフィス面9を研削して形成されたインクジェット記録
ヘッド70を示す。
【0053】図3(a)は、図2中のX−X’線上で切
断し、オリフィス面を研削したインクジェット記録ヘッ
ド70の斜視透視図であり、図3(b)は図3(a)の
上面透視図である。
【0054】また、図3(c)は、図2中のY−Y’線
上で切断し、オリフィス面9を研削したインクジェット
記録ヘッド70の斜視透視図であり、図3(d)は図3
(c)の上面透視図である。
【0055】上述のように本発明のインクジェット記録
ヘッド70は、レジストパターン2cの形状を、第1の
ストレート部21及び第2のストレート部22を有する
形状としたものである。そして、X−X’線あるいはY
−Y’線のいずれかで切断することにより、吐出口20
の開口面積を変え、吐出量の異なるインクジェット記録
ヘッド70を作成することができるようにしたものであ
る。
【0056】例えば、X−X’線上で切断した場合、オ
リフィス9aの面積は小さくなり、吐出量の小さなイン
クジェット記録ヘッド70を作成することができる。
【0057】一方、Y−Y’線上で切断した場合、オリ
フィス9aの面積は大きくなり、吐出量の大きなインク
ジェット記録ヘッド70を作成することができる。
【0058】ここでは、幅の異なるレジストパターンの
ストレート部を2箇所設けた例を示したが、このストレ
ート部を3箇所以上としても良い。
【0059】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
70は、レジストパターン2cが液流路となるインクジ
ェット記録ヘッド70の製造方法により製作される例を
挙げて示したが、製造方法はこれに限定されるものでは
ない。
【0060】以上、本発明によれば、吐出口の面積の異
なるインクジェット記録ヘッド70のオリフィス面9の
形成を、オリフィス面9の形成の前工程までは、従来の
生産ラインと全く同じ生産ラインで生産することがで
き、インク吐出量の異なるヘッドごとにノズルのパター
ンを形成するといった煩雑さを解決することができた。
【0061】次に、上述したインクジェット記録ヘッド
70が搭載されるインクジェット記録装置について説明
する。
【0062】図4は、インクジェット記録ヘッド70を
用いた、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態
の概略斜視図である。
【0063】本体フレーム551には、螺旋溝553の
刻まれたリードスクリュー552が回転自在に軸支され
ている。リードスクリュー552は、駆動モータ559
の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギア560、561を
介して回転駆動される。さらに、本体フレーム551に
は、キャリッジ555を摺動自在に案内する案内レール
554が固定されている。キャリッジ555には、螺旋
溝553に係合するピン(不図示)が設けられており、
駆動モータ559の回転によりリードスクリュー552
を回転させることで、キャリッジ555が図示矢印a、
b方向に往復移動できるようになっている。紙押え板5
72は、キャリッジ555の移動方向にわたって、被記
録媒体590をプラテンローラ573に対して押圧す
る。
【0064】キャリッジ555には、インクジェット記
録ヘッドカートリッジ580が搭載される。インクジェ
ット記録ヘッドカートリッジ580は、上述したインク
ジェット記録ヘッド70をインクタンクと一体化したも
のである。また、このインクジェット記録ヘッドカート
リッジ580は、キャリッジ555に設けられている位
置決め手段及び電気的接点によってキャリッジ555に
固定支持されるとともに、キャリッジ555に対して着
脱可能に設けられている。
【0065】フォトカプラ557、558は、キャリッ
ジ555のレバー556のこの域での存在を確認して駆
動モータ559の回転方向の逆転等を行うためのホーム
ポジション検知手段を構成する。インクジェット記録ヘ
ッド70の前面(吐出口20が形成された面)をキャッ
プするキャップ部材567は、支持部材562によって
支持され、さらに吸引手段566を備え、キャップ内開
口568を介してインクジェット記録ヘッド70の吸引
回復を行う。本体支持板564には支持板565が取り
付けられており、この支持板565に摺動自在に支持さ
れたクリーニングブレード563は、図示しない駆動手
段によって前後方向に移動される。クリーニングブレー
ド563の形態は図示するものに限られず、公知のもの
が適用できることはいうまでもない。レバー570は、
インクジェット記録ヘッド70の吸引回復動作を開始す
るためのもので、キャリッジ555と当接するカム57
1の移動に伴って移動し、駆動モータ559から駆動力
がギアやラッチ切換え等の公知の伝達手段によって移動
制御される。
【0066】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復の各処理は、キャリッジ555がホームポジショ
ン側領域に移動したときにリードスクリュー552の作
用によって、それぞれの対応位置で行われるようになっ
ている。周知のタイミングで所望の動作を行うようにす
れば、本例にはいずれも適用できる。
【0067】以上説明したインクジェット記録装置にお
いては、搭載したインクジェット記録ヘッド70の電気
熱変換体を駆動するための記録信号をインクジェット記
録ヘッド70に与える記録信号供給手段を有し、インク
ジェット記録装置の動作を司る制御部を備えている。
【0068】本発明のインクジェット記録装置は、上述
したインクジェット記録ヘッド70を搭載しているので
インクの吐出が安定し、その結果、画像品位の劣化が少
ない記録装置を達成することができる。なお、本発明の
インクジェット記録装置ではキャリッジ555にインク
ジェット記録ヘッドカートリッジ580が着脱可能に搭
載される例を示したが、これに限らず、インクジェット
記録ヘッド70をキャリッジ555に一体化し、インク
タンクのみを着脱可能に搭載する構成としてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、幅
の異なる各ストレート部のうちから、任意のストレート
部を選択して切断することでストレート部の幅に応じた
開口面積の吐出口を有するインクジェット記録ヘッドと
することができる。このため、吐出口の面積の異なるイ
ンクジェット記録ヘッドを、ノズルの切断、研削の前工
程までを従来の生産ラインと全く同じ生産ラインで生産
することができることとなり、インク吐出量の異なるヘ
ッドごとにノズルのパターンを形成するといった煩雑さ
を解消でき、よって、インクジェット記録ヘッドの生産
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるインクジェット記録
ヘッドの製造方法の各工程を説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態であるインクジェット記録
ヘッドのレジストパターンの一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態である小吐出量用及び大吐
出量用のインクジェット記録ヘッドを説明する図であ
る。
【図4】本発明の一実施形態であるインクジェット記録
装置の外観斜視図である。
【図5】従来のインクジェット記録ヘッドの製造方法の
各工程を説明する図である。
【図6】別の従来のインクジェット記録ヘッドの製造方
法の各工程を説明する図である。
【図7】別の従来のインクジェット記録ヘッドの製造方
法により製造されたインクジェット記録ヘッドを説明す
る図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1のレジストパターン 2a、2b 液流路パターン部分 2c レジストパターン 3 第2のレジストパターン 4 天板 4a インク供給口 4b 樹脂供給口 5 隙間 6 ノズル層 6a 樹脂 7 液流路 8 液室 9 オリフィス面 20 吐出口 21 第1のストレート部 22 第2のストレート部 70 インクジェット記録ヘッド 551 本体フレーム 552 リードスクリュー 553 螺旋溝 554 案内レール 555 キャリッジ 556 レバー 557、558 フォトカプラ 559 駆動モータ 560、561 駆動力伝達ギア 562 支持部材 563 クリーニングブレード 564 本体支持板 565 支持板 566 吸引手段 567 キャップ部材 568 キャップ内開口 571 カム 572 紙押え板 573 プラテンローラ 580 インクジェット記録ヘッドカートリッジ 590 被記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 淳司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA24 FA03 FA11 HA16 HA17 HA20 HA21 2C057 AF93 AG12 AG46 AN02 AP12 AP22 AP33 AP47 AQ04 BA05 BA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口からインクを吐出させるためのノ
    ズルと、前記ノズル内のインクを吐出させるためのエネ
    ルギを発生するエネルギ発生手段とを有するインクジェ
    ット記録ヘッドにおいて、 前記ノズルは、それぞれ幅が異なる複数のストレート部
    を有し、前記吐出口は、前記複数のストレート部のいず
    れかの途中で前記ノズルを切断することで形成されたも
    のであることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 インクを吐出させるためのエネルギを発
    生するエネルギ発生手段が設けられた基板上に、それぞ
    れ幅が異なる複数のストレート部を有するノズルを形成
    する工程と、 前記ノズルを前記複数のストレート部のいずれかの途中
    で切断し、インクを吐出する吐出口を形成する工程とを
    含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ノズルを形成する工程は、 前記基板上に感光性樹脂を配設する工程と、 前記感光性樹脂を露光及び現像して前記感光性樹脂でノ
    ズルのパターンを形成する工程と、 前記パターンが形成された基板上に前記ノズルを構成す
    る材料を積層する工程と、 前記パターンを除去する工程とを含む請求項2に記載の
    インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 被記録媒体を搬送する搬送手段と、イン
    クを吐出し、前記被記録媒体に記録を行う請求項1に記
    載のインクジェット記録ヘッドを保持し、かつ、前記被
    記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に往復移動す
    る保持手段とを有することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  5. 【請求項5】 被記録媒体を搬送する搬送手段と、イン
    クを吐出し、前記被記録媒体に記録を行う、請求項2ま
    たは3に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法に
    より製造されたインクジェット記録ヘッドを保持し、か
    つ、前記被記録媒体の搬送方向に対して交差する方向に
    往復移動する保持手段とを有することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
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