JP2000270777A - 冷凍下でもソフトな組織、食感を有する冷菓 - Google Patents
冷凍下でもソフトな組織、食感を有する冷菓Info
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- JP2000270777A JP2000270777A JP11076897A JP7689799A JP2000270777A JP 2000270777 A JP2000270777 A JP 2000270777A JP 11076897 A JP11076897 A JP 11076897A JP 7689799 A JP7689799 A JP 7689799A JP 2000270777 A JP2000270777 A JP 2000270777A
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- frozen dessert
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 冷菓において特定の乳化剤を用いることによ
り、高いORを有し、かつ最適な気泡径および形状を有
する、ホイップ感の強い冷菓を提供すること。 【解決手段】 オーバーラン(OR)が130〜200
であり、円相当径(H値)が0〜40(ただし0を除
く)であり、かつ形状係数が100〜220である、冷
菓。
り、高いORを有し、かつ最適な気泡径および形状を有
する、ホイップ感の強い冷菓を提供すること。 【解決手段】 オーバーラン(OR)が130〜200
であり、円相当径(H値)が0〜40(ただし0を除
く)であり、かつ形状係数が100〜220である、冷
菓。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チルド(冷蔵)の
ホイップクリームと同様の組織および食感を有する、新
規な冷菓に関する。
ホイップクリームと同様の組織および食感を有する、新
規な冷菓に関する。
【0002】
【従来の技術】アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓な
どの冷菓およびホイップクリームなどにおける空気の含
有率は、「オーバーラン(OR)」によって表すことが
できる。ORは、含有する空気の体積と原材料の体積と
の比を百分率で示した値である。
どの冷菓およびホイップクリームなどにおける空気の含
有率は、「オーバーラン(OR)」によって表すことが
できる。ORは、含有する空気の体積と原材料の体積と
の比を百分率で示した値である。
【0003】チルドのホイップクリームは、ORが10
0前後であって、ホイップ様のふわふわとした食感(ホ
イップ感)を有する。これは、チルドのホイップクリー
ムの組織が、比較的均一な気泡のみを含んで構成されて
いるためである。
0前後であって、ホイップ様のふわふわとした食感(ホ
イップ感)を有する。これは、チルドのホイップクリー
ムの組織が、比較的均一な気泡のみを含んで構成されて
いるためである。
【0004】他方、所定の手順で10〜150%のOR
を付与することにより、冷菓に直径の大きい気泡を含ま
せて口溶けをよくする工夫が知られている(例えば、特
許第2846537号公報を参照)。
を付与することにより、冷菓に直径の大きい気泡を含ま
せて口溶けをよくする工夫が知られている(例えば、特
許第2846537号公報を参照)。
【0005】しかし、従来の技術では、ORを100以
上に上昇させると、冷菓において気泡径が大きくなると
ともに気泡の形状を安定に維持することが困難となる。
すなわち、ORを100以上に上昇させると、気泡は徐
々に楕円状に変化し、最終的にはつぶれる。つぶれた部
分は、他の気泡間の間隙となり、これが氷晶の生成を促
す。従って、従来の冷菓では、ORを高くすると、その
組織中で氷晶が形成しやすくなり、このような状態で生
成した氷晶の存在が、十分なホイップ感を与えることを
妨げていたと考えられる。
上に上昇させると、冷菓において気泡径が大きくなると
ともに気泡の形状を安定に維持することが困難となる。
すなわち、ORを100以上に上昇させると、気泡は徐
々に楕円状に変化し、最終的にはつぶれる。つぶれた部
分は、他の気泡間の間隙となり、これが氷晶の生成を促
す。従って、従来の冷菓では、ORを高くすると、その
組織中で氷晶が形成しやすくなり、このような状態で生
成した氷晶の存在が、十分なホイップ感を与えることを
妨げていたと考えられる。
【0006】上述の特許第2846537号公報は、冷
菓のORを高くすることを記載しているが、冷菓の組織
中で氷晶の生成を抑えることにより良好なホイップ感を
与えることについては言及していない。
菓のORを高くすることを記載しているが、冷菓の組織
中で氷晶の生成を抑えることにより良好なホイップ感を
与えることについては言及していない。
【0007】このように、従来、冷菓において、冷凍下
で、チルドのホイップクリームと同様の食感を有するも
のが得られた例は、知られていなかった。
で、チルドのホイップクリームと同様の食感を有するも
のが得られた例は、知られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】冷凍下での氷晶の生成
を抑えるには、均一な形状の気泡を冷菓の組織内で安定
して維持させることが有効であるという知見が得られて
いる。従って、ホイップ感を有する冷菓を得るために、
ORが上記のような高い範囲内にあっても、気泡径およ
び形状を安定に維持させて氷晶の生成を抑えられること
が望まれる。
を抑えるには、均一な形状の気泡を冷菓の組織内で安定
して維持させることが有効であるという知見が得られて
いる。従って、ホイップ感を有する冷菓を得るために、
ORが上記のような高い範囲内にあっても、気泡径およ
び形状を安定に維持させて氷晶の生成を抑えられること
が望まれる。
【0009】すなわち、本発明の目的は、高いORと共
に、好適な気泡径および形状を有し、良好なホイップ感
を与える冷菓を提供することである。
に、好適な気泡径および形状を有し、良好なホイップ感
を与える冷菓を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、冷菓にお
いて特定の乳化剤を用いたとき、ORが高い範囲内にあ
っても、気泡径および形状を好適な範囲内にコントロー
ルできることを見いだした。その結果、冷菓中の気泡径
および気泡の形状を特定の係数でとらえて好適な条件範
囲を設定することが、良好なホイップ感を有する冷菓を
得るための指針となるという新規な知見を得た。本発明
は、これらの知見に基づいて完成された。
いて特定の乳化剤を用いたとき、ORが高い範囲内にあ
っても、気泡径および形状を好適な範囲内にコントロー
ルできることを見いだした。その結果、冷菓中の気泡径
および気泡の形状を特定の係数でとらえて好適な条件範
囲を設定することが、良好なホイップ感を有する冷菓を
得るための指針となるという新規な知見を得た。本発明
は、これらの知見に基づいて完成された。
【0011】本発明は、オーバーラン(OR)が130
〜200であり、円相当径(H値)が0〜40(ただし
0を除く)であり、かつ形状係数が100〜220であ
る、冷菓に関する。
〜200であり、円相当径(H値)が0〜40(ただし
0を除く)であり、かつ形状係数が100〜220であ
る、冷菓に関する。
【0012】好適な実施態様では、上記冷菓において、
上記H値が0〜30(ただし0を除く)である。
上記H値が0〜30(ただし0を除く)である。
【0013】好適な実施態様では、上記冷菓は、ヨウ素
価が20〜50であるグリセリン脂肪酸エステルを乳化
剤として含有する。
価が20〜50であるグリセリン脂肪酸エステルを乳化
剤として含有する。
【0014】上記グリセリン脂肪酸エステルは、不飽和
脂肪酸のモノグリセリドであり得る。
脂肪酸のモノグリセリドであり得る。
【0015】上記冷菓は、ゼラチン60重量部〜80重
量部、ローカストビーンガム20重量部〜10重量部、
グァーガム15重量部〜9重量部、およびカラギナン5
重量部〜1重量部を組み合わせた安定剤を、上記冷菓1
00重量部当たり0.4重量部〜0.8重量部含有し得
る。
量部、ローカストビーンガム20重量部〜10重量部、
グァーガム15重量部〜9重量部、およびカラギナン5
重量部〜1重量部を組み合わせた安定剤を、上記冷菓1
00重量部当たり0.4重量部〜0.8重量部含有し得
る。
【0016】本発明はまた、冷菓原料混合物が、0〜4
0(ただし、0を除く)のH値および100〜220の
形状係数を有するように、130〜200のORを付与
する工程を包含する、冷菓の製造方法に関する。
0(ただし、0を除く)のH値および100〜220の
形状係数を有するように、130〜200のORを付与
する工程を包含する、冷菓の製造方法に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において、冷菓中の気泡の
特性は、以下の係数で表される。 (1)OR 冷菓がホイップ感を有するために最適なORの範囲は、
130〜200であり得る。ORが、この範囲内にある
場合、気泡数および気泡径と氷晶数および氷晶径とのバ
ランスにおいて、気泡が氷晶よりも優位になる。その結
果、ORの上昇とともに冷菓のホイップ感が強くなる。
一方、ORが200を越えると、気泡径が大きくなり、
かつ気泡形状がいびつになる。そのため、冷菓の充実感
がなくなりホイップ感は弱くなる。 (2)円相当径HEYWOD値(以下、H値と略する) 電子顕微鏡写真から測定された気泡の面積値をもとに、
気泡を球円とみなした時の断面の直径である(単位:μ
m)。H値が大きくなるほど、気泡は不安定になる。従
って、H値は、小さいほうが好ましい。 (3)形状係数 気泡の形状係数は、次式で定義される: 形状係数={(絶対最大長)2/図形の面積}×{π/
4}×100 気泡の断面形状が正円の場合、図形の絶対最大長が円の
直径に相当するので、上記式において、形状係数は10
0となる。気泡がいびつな形となるにつれて、形状係数
は100から離れて大きくなる。従って、気泡の形状係
数は、100に近い値であることが好ましい。
特性は、以下の係数で表される。 (1)OR 冷菓がホイップ感を有するために最適なORの範囲は、
130〜200であり得る。ORが、この範囲内にある
場合、気泡数および気泡径と氷晶数および氷晶径とのバ
ランスにおいて、気泡が氷晶よりも優位になる。その結
果、ORの上昇とともに冷菓のホイップ感が強くなる。
一方、ORが200を越えると、気泡径が大きくなり、
かつ気泡形状がいびつになる。そのため、冷菓の充実感
がなくなりホイップ感は弱くなる。 (2)円相当径HEYWOD値(以下、H値と略する) 電子顕微鏡写真から測定された気泡の面積値をもとに、
気泡を球円とみなした時の断面の直径である(単位:μ
m)。H値が大きくなるほど、気泡は不安定になる。従
って、H値は、小さいほうが好ましい。 (3)形状係数 気泡の形状係数は、次式で定義される: 形状係数={(絶対最大長)2/図形の面積}×{π/
4}×100 気泡の断面形状が正円の場合、図形の絶対最大長が円の
直径に相当するので、上記式において、形状係数は10
0となる。気泡がいびつな形となるにつれて、形状係数
は100から離れて大きくなる。従って、気泡の形状係
数は、100に近い値であることが好ましい。
【0018】ORを高くしたとき、冷菓のH値が小さ
く、かつ形状係数が100に近くなるほど、気泡径が小
さい気泡が、数多くぎっしりと詰まって冷菓中に整列す
る。この場合、冷菓中の気泡間の間隙が狭くなるので、
氷晶が大きく成長しにくい。このような組織を有する冷
菓は、冷凍下で、ホイップ的な食感を与える。
く、かつ形状係数が100に近くなるほど、気泡径が小
さい気泡が、数多くぎっしりと詰まって冷菓中に整列す
る。この場合、冷菓中の気泡間の間隙が狭くなるので、
氷晶が大きく成長しにくい。このような組織を有する冷
菓は、冷凍下で、ホイップ的な食感を与える。
【0019】他方、高いORのもとで、冷菓のH値が大
きく、かつ形状係数が100より大きくなるほど、気泡
径が大きくなり、気泡がつぶれやすくなるので、気泡数
が少なくなる。このような冷菓では、気泡間の間隙が大
きくなるので、氷晶が大きく成長しやすい。従って、こ
のような組織を有する冷菓の食感は、ホイップ感が少な
く、従来のアイスクリーム的なものになる。
きく、かつ形状係数が100より大きくなるほど、気泡
径が大きくなり、気泡がつぶれやすくなるので、気泡数
が少なくなる。このような冷菓では、気泡間の間隙が大
きくなるので、氷晶が大きく成長しやすい。従って、こ
のような組織を有する冷菓の食感は、ホイップ感が少な
く、従来のアイスクリーム的なものになる。
【0020】以下に、H値および形状係数と得られた冷
菓の性質との関係を詳細に説明する。
菓の性質との関係を詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の好適な冷菓の実施態様に
ついて、H値および形状係数との関係を用いて図示した
ものである。ここで、ORは、130〜200の範囲内
である。以下に、各領域について詳細に説明する。
ついて、H値および形状係数との関係を用いて図示した
ものである。ここで、ORは、130〜200の範囲内
である。以下に、各領域について詳細に説明する。
【0022】領域(1):H値が30以下で、かつ形状
係数が180以下の領域。この領域では、冷菓中の気泡
は小さく、かつ球円に近い形状に保たれている。
係数が180以下の領域。この領域では、冷菓中の気泡
は小さく、かつ球円に近い形状に保たれている。
【0023】領域(2):H値が30以下で、かつ形状
係数が180を超え220以下の領域。冷菓は小さい気
泡を有する。気泡の球円形状は崩れているが、気泡は維
持されている。
係数が180を超え220以下の領域。冷菓は小さい気
泡を有する。気泡の球円形状は崩れているが、気泡は維
持されている。
【0024】領域(3):H値が30を超え40以下
で、かつ形状係数が180以下の領域。冷菓は大きい気
泡を有する。気泡は球円に近い形状に保たれている。
で、かつ形状係数が180以下の領域。冷菓は大きい気
泡を有する。気泡は球円に近い形状に保たれている。
【0025】領域(4):H値が30を超え40以下
で、かつ形状係数が180を超え220以下の領域。冷
菓はさらに大きい気泡を有する。気泡の球円形状が崩れ
ているが、気泡は維持されている。
で、かつ形状係数が180を超え220以下の領域。冷
菓はさらに大きい気泡を有する。気泡の球円形状が崩れ
ているが、気泡は維持されている。
【0026】本発明の冷菓は、H値および形状係数が
(1)の領域内にある場合に、球円に最も近い形状でか
つ最も小さい気泡が数多く詰まった構造を有する。この
場合、冷菓は最も良好なホイップ感を有する。次いで、
本発明の冷菓は、領域(2)、(3)、(4)の順に、
良好なホイップ感を有する。
(1)の領域内にある場合に、球円に最も近い形状でか
つ最も小さい気泡が数多く詰まった構造を有する。この
場合、冷菓は最も良好なホイップ感を有する。次いで、
本発明の冷菓は、領域(2)、(3)、(4)の順に、
良好なホイップ感を有する。
【0027】以下は、図1において好ましくない領域の
例示である。
例示である。
【0028】領域(5):H値が40を越える領域。冷
菓は、形状が崩れた気泡を有する。この領域にある冷菓
は、良好なホイップ感を有さない。
菓は、形状が崩れた気泡を有する。この領域にある冷菓
は、良好なホイップ感を有さない。
【0029】従って、本発明の好適な実施態様では、O
Rが130〜200の条件下で、H値が40以下であ
り、かつ形状係数が220以下である場合、食感および
組織が良好となる。
Rが130〜200の条件下で、H値が40以下であ
り、かつ形状係数が220以下である場合、食感および
組織が良好となる。
【0030】本発明のさらに好適な実施態様では、OR
が130〜200の条件下で、H値が40以下であり、
かつ形状係数が180以下である。
が130〜200の条件下で、H値が40以下であり、
かつ形状係数が180以下である。
【0031】本発明のなおさらに好適な実施態様では、
ORが130〜200の条件下で、H値が30以下であ
り、かつ形状係数が220以下である。
ORが130〜200の条件下で、H値が30以下であ
り、かつ形状係数が220以下である。
【0032】本発明の最も好適な実施態様では、ORが
130〜200の条件下で、H値が30以下であり、か
つ形状係数が180以下である。
130〜200の条件下で、H値が30以下であり、か
つ形状係数が180以下である。
【0033】上記の特性を有する本発明の冷菓を製造す
るために好適に用い得る乳化剤は、適切な範囲のヨウ素
価を有する脂肪酸エステルである。脂肪酸エステルの例
としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステルなどが挙げられる。好ましくは、グ
リセリン脂肪酸エステルであり、とりわけポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを含むグリセリン脂肪酸エステルであ
る。脂肪酸エステルのヨウ素価は、代表的には20〜5
0、より好適には25〜45、最も好適には30〜40
である。
るために好適に用い得る乳化剤は、適切な範囲のヨウ素
価を有する脂肪酸エステルである。脂肪酸エステルの例
としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステルなどが挙げられる。好ましくは、グ
リセリン脂肪酸エステルであり、とりわけポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを含むグリセリン脂肪酸エステルであ
る。脂肪酸エステルのヨウ素価は、代表的には20〜5
0、より好適には25〜45、最も好適には30〜40
である。
【0034】従って、脂肪酸エステルを構成する脂肪酸
は、その脂肪酸エステルのヨウ素価が上記範囲内の値と
なるように、14個〜22個の炭素原子、好適には16
個および18個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖
の飽和脂肪酸、ならびに14個〜22個の炭素原子、好
適には16個および18個の炭素原子を有する、直鎖ま
たは分枝鎖の不飽和脂肪酸からなる群から、1種または
2種以上の組み合わせが選択される。14個〜22個の
炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪酸の例と
しては、パルミチン酸(C15H31COOH)、ヘプタデ
カン酸(C16H 33COOH)、ステアリン酸(C17H35
COOH)、ノナデカン酸(C18H37COOH)、アラ
キン酸(C19H39COOH)、およびベヘン酸(C21H
43COOH)などが挙げられる。14個〜22個の炭素
原子を有する直鎖または分枝鎖の不飽和脂肪酸の例とし
ては、オレイン酸(C17H33COOH)、リノール酸
(C 17H31COOH)、リノレン酸(C17H29COO
H)、およびアラキドン酸(C 19H31COOH)、エル
カ酸(C21H41COOH)などが挙げられる。
は、その脂肪酸エステルのヨウ素価が上記範囲内の値と
なるように、14個〜22個の炭素原子、好適には16
個および18個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖
の飽和脂肪酸、ならびに14個〜22個の炭素原子、好
適には16個および18個の炭素原子を有する、直鎖ま
たは分枝鎖の不飽和脂肪酸からなる群から、1種または
2種以上の組み合わせが選択される。14個〜22個の
炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和脂肪酸の例と
しては、パルミチン酸(C15H31COOH)、ヘプタデ
カン酸(C16H 33COOH)、ステアリン酸(C17H35
COOH)、ノナデカン酸(C18H37COOH)、アラ
キン酸(C19H39COOH)、およびベヘン酸(C21H
43COOH)などが挙げられる。14個〜22個の炭素
原子を有する直鎖または分枝鎖の不飽和脂肪酸の例とし
ては、オレイン酸(C17H33COOH)、リノール酸
(C 17H31COOH)、リノレン酸(C17H29COO
H)、およびアラキドン酸(C 19H31COOH)、エル
カ酸(C21H41COOH)などが挙げられる。
【0035】従来の冷菓では、ORが100以上、特に
130以上に上昇すると、冷菓中の気泡が大きくなると
ともに形状が崩れ、いびつな形状に変化し始め、H値は
容易に40を超える。しかし、上記の乳化剤は、冷菓に
用いられたとき、気泡を維持する保持力が強い。そのた
め、冷菓中の気泡がつぶれにくく、出来るだけ気泡を球
円状の形態に保とうとする。このためH値は40以下
に、そして形状係数は220以下に保たれ得る。もっと
も、これらの値も、ORが200を越えると保持するこ
とが難しくなる。
130以上に上昇すると、冷菓中の気泡が大きくなると
ともに形状が崩れ、いびつな形状に変化し始め、H値は
容易に40を超える。しかし、上記の乳化剤は、冷菓に
用いられたとき、気泡を維持する保持力が強い。そのた
め、冷菓中の気泡がつぶれにくく、出来るだけ気泡を球
円状の形態に保とうとする。このためH値は40以下
に、そして形状係数は220以下に保たれ得る。もっと
も、これらの値も、ORが200を越えると保持するこ
とが難しくなる。
【0036】以下の実施例は、本発明を例示するための
ものであり、本発明を限定するものではない。
ものであり、本発明を限定するものではない。
【0037】
【実施例】(乳化剤)実施例において冷菓に用いられた
乳化剤の主成分は、グリセリン脂肪酸エステルであっ
た。このグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリド
を主成分とし、好ましくはポリグリセリドを一部含む。
このグリセリン脂肪酸エステルのモノグリセリン部分の
脂肪酸組成は、以下の通りであった: パルミチン酸 19.7% ステアリン酸 62.0% オレイン酸 18.3% この乳化剤のヨウ素価は、39.7であった。
乳化剤の主成分は、グリセリン脂肪酸エステルであっ
た。このグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリド
を主成分とし、好ましくはポリグリセリドを一部含む。
このグリセリン脂肪酸エステルのモノグリセリン部分の
脂肪酸組成は、以下の通りであった: パルミチン酸 19.7% ステアリン酸 62.0% オレイン酸 18.3% この乳化剤のヨウ素価は、39.7であった。
【0038】上記乳化剤および従来の乳化剤(グリセリ
ン脂肪酸エステル、ヨウ素価3)をそれぞれ用いて、以
下の方法により、種々の冷菓を製造し評価した。
ン脂肪酸エステル、ヨウ素価3)をそれぞれ用いて、以
下の方法により、種々の冷菓を製造し評価した。
【0039】(官能検査)冷菓関連研究所パネル10名
にて、製造された実施例および比較例の冷菓を、組織お
よび風味について比較した。
にて、製造された実施例および比較例の冷菓を、組織お
よび風味について比較した。
【0040】(実施例1)アイスクリーム 生クリーム15重量%;脱脂濃縮乳12重量%;全脂練
乳20重量%;グラニュ糖2重量%;水飴6重量%;乳
化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.
35重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガ
ム15重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナ
ン5重量%からなる総合安定剤を0.6重量%;ならび
に香料0.2重量%の組成を有するミックスに加水して
100重量%のアイスクリームミックスとした。次い
で、このミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃にて
18時間エージングに供した。このアイスクリームミッ
クスをアイスクリームフリーザーにてOR170、フリ
ーザー出口温度が−5.0℃にてフリージングした。得
られたアイスクリームは、冷凍下でも非常にソフトであ
りかつスプーンささりが良好であった。
乳20重量%;グラニュ糖2重量%;水飴6重量%;乳
化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.
35重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガ
ム15重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナ
ン5重量%からなる総合安定剤を0.6重量%;ならび
に香料0.2重量%の組成を有するミックスに加水して
100重量%のアイスクリームミックスとした。次い
で、このミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃にて
18時間エージングに供した。このアイスクリームミッ
クスをアイスクリームフリーザーにてOR170、フリ
ーザー出口温度が−5.0℃にてフリージングした。得
られたアイスクリームは、冷凍下でも非常にソフトであ
りかつスプーンささりが良好であった。
【0041】(比較例1)アイスクリーム 乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価3)0.
35重量%を用いたこと以外は、実施例1の方法と同様
の方法で、アイスクリームを製造した。
35重量%を用いたこと以外は、実施例1の方法と同様
の方法で、アイスクリームを製造した。
【0042】実施例1および比較例1のアイスクリーム
を比較した官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例1:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例1:ホイップ感に乏しい、従来のアイスクリーム
のような組織。きめが荒く、氷晶を含んでいる。やや固
く、充実感がなく、かつ口融けが悪い。 (風味) 実施例1:乳味感が強く濃厚感があり風味のバランスが
良い。 比較例1:乳味感がやや弱く濃厚感に欠け風味のバラン
スが悪い。
を比較した官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例1:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例1:ホイップ感に乏しい、従来のアイスクリーム
のような組織。きめが荒く、氷晶を含んでいる。やや固
く、充実感がなく、かつ口融けが悪い。 (風味) 実施例1:乳味感が強く濃厚感があり風味のバランスが
良い。 比較例1:乳味感がやや弱く濃厚感に欠け風味のバラン
スが悪い。
【0043】(実施例2)ラクトアイス 脱脂粉乳5重量%;ヤシ硬化油10重量%;グラニュ糖
10重量%;異性化糖5重量%;水飴10重量%;乳化
剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.3
5重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガム
15重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナン
5重量%からなる総合安定剤を0.6重量%;ならびに
香料0.2重量%の組成を有するミックスに加水して、
100重量%のラクトアイスミックスとした。次いで、
このミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃にて18
時間エージングに供した。このラクトアイスミックスを
アイスクリームフリーザーにてOR150、フリーザー
出口温度が−5.6℃にてフリージングした。得られた
ラクトアイスは、冷凍下でも非常にソフトでありかつス
プーンささりが良好であった。
10重量%;異性化糖5重量%;水飴10重量%;乳化
剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.3
5重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガム
15重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナン
5重量%からなる総合安定剤を0.6重量%;ならびに
香料0.2重量%の組成を有するミックスに加水して、
100重量%のラクトアイスミックスとした。次いで、
このミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃にて18
時間エージングに供した。このラクトアイスミックスを
アイスクリームフリーザーにてOR150、フリーザー
出口温度が−5.6℃にてフリージングした。得られた
ラクトアイスは、冷凍下でも非常にソフトでありかつス
プーンささりが良好であった。
【0044】(比較例2)ラクトアイス 乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価3)0.
35重量%を用いたこと以外は、実施例2の方法と同様
の方法で、ラクトアイスを製造した。
35重量%を用いたこと以外は、実施例2の方法と同様
の方法で、ラクトアイスを製造した。
【0045】実施例2および比較例2のラクトアイスを
比較した官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例2:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例2:ホイップ感に乏しい、従来のラクトアイスの
ような組織。きめが荒く、氷晶を含んでいる。やや固
く、充実感がなく、かつ口融けが悪い。 (風味) 実施例2:濃厚感があり風味のバランスが良い。 比較例2:濃厚感に欠け風味のバランスが悪い。
比較した官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例2:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例2:ホイップ感に乏しい、従来のラクトアイスの
ような組織。きめが荒く、氷晶を含んでいる。やや固
く、充実感がなく、かつ口融けが悪い。 (風味) 実施例2:濃厚感があり風味のバランスが良い。 比較例2:濃厚感に欠け風味のバランスが悪い。
【0046】(実施例3)氷菓 脱脂粉乳2.5重量%;ヤシ硬化油2重量%;グラニュ
糖4重量%;異性化糖5重量%;水飴8重量%;乳化剤
(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.45
重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガム1
5重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナン5
重量%からなる総合安定剤を0.8重量%;濃縮グレー
プ果汁(6倍)10重量%;クエン酸0.5%重量%;
ならびに香料0.2重量%の組成を有するミックスに加
水して100重量%の氷菓ミックスとした。次いで、こ
のミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃18時間エ
ージングに供した。この氷菓ミックスをアイスクリーム
フリーザーにてOR130、フリーザー出口温度が−
4.6℃にてフリージングした。得られた氷菓は、ホイ
ップ感を有し、冷凍下でも非常にソフトでありかつスプ
ーンささりが良好であった。さらに、この氷菓は、果汁
感があり風味が良好であった。
糖4重量%;異性化糖5重量%;水飴8重量%;乳化剤
(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.45
重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガム1
5重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナン5
重量%からなる総合安定剤を0.8重量%;濃縮グレー
プ果汁(6倍)10重量%;クエン酸0.5%重量%;
ならびに香料0.2重量%の組成を有するミックスに加
水して100重量%の氷菓ミックスとした。次いで、こ
のミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃18時間エ
ージングに供した。この氷菓ミックスをアイスクリーム
フリーザーにてOR130、フリーザー出口温度が−
4.6℃にてフリージングした。得られた氷菓は、ホイ
ップ感を有し、冷凍下でも非常にソフトでありかつスプ
ーンささりが良好であった。さらに、この氷菓は、果汁
感があり風味が良好であった。
【0047】(比較例3)氷菓 乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価3)0.
45重量%を用いたこと以外は、実施例3の方法と同様
の方法で、氷菓を製造した。
45重量%を用いたこと以外は、実施例3の方法と同様
の方法で、氷菓を製造した。
【0048】実施例3および比較例3の氷菓を比較した
官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例3:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例3:きめが荒く、氷晶を含んでいる、従来のシャ
ーベットのような組織。やや固く、充実感がなく、かつ
口融けが悪い。 (風味) 実施例3:果汁感が強く濃厚感もあり風味のバランスが
良い。 比較例3:果汁感がやや弱くやや濃厚感にも欠け風味の
バランスが悪い。
官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例3:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例3:きめが荒く、氷晶を含んでいる、従来のシャ
ーベットのような組織。やや固く、充実感がなく、かつ
口融けが悪い。 (風味) 実施例3:果汁感が強く濃厚感もあり風味のバランスが
良い。 比較例3:果汁感がやや弱くやや濃厚感にも欠け風味の
バランスが悪い。
【0049】(実施例4)醗酵乳 濃縮乳15重量%;脱脂粉乳7重量%;ヤシ硬化油5重
量%;水飴6重量%;全糖ブドウ糖5重量%;粉末水飴
8重量%;ソルビトール2重量%;乳化剤(グリセリン
脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.35重量%;ゼラ
チン70重量%、ローカストビーンガム15重量%、グ
ァーガム10重量%、およびカラギナン5重量%からな
る総合安定剤を0.65重量%;醗酵乳ベース20重量
%;酸味料0.5重量%;ならびに香料0.2重量%の
組成を有するミックスに加水して100重量%のアイス
クリームミックスとした。次いで、このミックスを、定
法にて殺菌、冷却後、6℃にて18時間エージングに供
した。このアイスクリームミックスをアイスクリームフ
リーザーにてOR170、フリーザー出口温度が−5.
0℃にてフリージングした。得られたアイスクリーム
は、冷凍下でも非常にソフトでありかつスプーンささり
が良好であった。
量%;水飴6重量%;全糖ブドウ糖5重量%;粉末水飴
8重量%;ソルビトール2重量%;乳化剤(グリセリン
脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.35重量%;ゼラ
チン70重量%、ローカストビーンガム15重量%、グ
ァーガム10重量%、およびカラギナン5重量%からな
る総合安定剤を0.65重量%;醗酵乳ベース20重量
%;酸味料0.5重量%;ならびに香料0.2重量%の
組成を有するミックスに加水して100重量%のアイス
クリームミックスとした。次いで、このミックスを、定
法にて殺菌、冷却後、6℃にて18時間エージングに供
した。このアイスクリームミックスをアイスクリームフ
リーザーにてOR170、フリーザー出口温度が−5.
0℃にてフリージングした。得られたアイスクリーム
は、冷凍下でも非常にソフトでありかつスプーンささり
が良好であった。
【0050】(比較例4)醗酵乳 乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価3)0.
35重量%を用いたこと以外は、実施例4の方法と同様
の方法で、氷菓を製造した。
35重量%を用いたこと以外は、実施例4の方法と同様
の方法で、氷菓を製造した。
【0051】実施例4および比較例4の氷菓を比較した
官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例4:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例4:きめが荒く、氷晶を含んでいる、従来のアイ
スクリームのような組織。やや固く、充実感がなく、か
つ口融けが悪い。 (風味) 実施例4:ヨーグルト感が強く濃厚感もあり風味のバラ
ンスが良い。 比較例4:ヨーグルト感がやや弱くやや濃厚感にも欠け
風味のバランスが悪い。
官能検査は、以下の通りであった: (組織) 実施例4:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 比較例4:きめが荒く、氷晶を含んでいる、従来のアイ
スクリームのような組織。やや固く、充実感がなく、か
つ口融けが悪い。 (風味) 実施例4:ヨーグルト感が強く濃厚感もあり風味のバラ
ンスが良い。 比較例4:ヨーグルト感がやや弱くやや濃厚感にも欠け
風味のバランスが悪い。
【0052】以下の実施例では、安定剤を変化させた場
合の、冷菓の製造および評価を示す。
合の、冷菓の製造および評価を示す。
【0053】(実施例5)アイスクリーム 生クリーム15重量%;脱脂濃縮乳12重量%;全脂練
乳20重量%;グラニュ糖2重量%;水飴6重量%;乳
化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.
35重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガ
ム15重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナ
ン5重量%からなる総合安定剤を0.6重量%;ならび
に香料0.2重量%の組成を有するミックスに加水し
て、100重量%のアイスクリームミックスとした。次
いで、このミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃に
て18時間エージングに供した。このアイスクリームミ
ックスをアイスクリームフリーザーにてOR170、フ
リーザー出口温度が−5.0℃にてフリージングした。
得られたアイスクリームは、ホイップ感を有し、冷凍下
でも非常にソフトでありかつスプーンささりが良好であ
った。
乳20重量%;グラニュ糖2重量%;水飴6重量%;乳
化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ヨウ素価40)0.
35重量%;ゼラチン70重量%、ローカストビーンガ
ム15重量%、グァーガム10重量%、およびカラギナ
ン5重量%からなる総合安定剤を0.6重量%;ならび
に香料0.2重量%の組成を有するミックスに加水し
て、100重量%のアイスクリームミックスとした。次
いで、このミックスを、定法にて殺菌、冷却後、6℃に
て18時間エージングに供した。このアイスクリームミ
ックスをアイスクリームフリーザーにてOR170、フ
リーザー出口温度が−5.0℃にてフリージングした。
得られたアイスクリームは、ホイップ感を有し、冷凍下
でも非常にソフトでありかつスプーンささりが良好であ
った。
【0054】(実施例6)アイスクリーム ゼラチン30重量%、ローカストビーンガム40重量
%、グァーガム20重量%、およびカラギナン10重量
%からなる総合安定剤を0.6重量%用いたこと以外
は、実施例5と同様の方法で、アイスクリームを製造し
た。
%、グァーガム20重量%、およびカラギナン10重量
%からなる総合安定剤を0.6重量%用いたこと以外
は、実施例5と同様の方法で、アイスクリームを製造し
た。
【0055】実施例5および6を比較したアイスクリー
ムの官能検査の結果は、以下のようであった: (組織) 実施例5:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 実施例6:ホイップ感に欠け、ややきめが荒い。充実感
にやや欠ける。 (風味) 実施例5:乳味感が強く濃厚感があり風味のバランスが
良い。 実施例6:乳味感、濃厚感にやや欠け風味のバランスも
やや悪い。
ムの官能検査の結果は、以下のようであった: (組織) 実施例5:ホイップ感を有する、きめ細かい滑らかな組
織。ソフトであり、充実感があり、かつ口融けが良い。 実施例6:ホイップ感に欠け、ややきめが荒い。充実感
にやや欠ける。 (風味) 実施例5:乳味感が強く濃厚感があり風味のバランスが
良い。 実施例6:乳味感、濃厚感にやや欠け風味のバランスも
やや悪い。
【0056】(実施例7)実施例1および比較例1に記
載された冷菓の組織を、ORが100の場合および17
0の場合のそれぞれについて、電子顕微鏡で観察した。
電子顕微鏡写真を図2から図5に示す。図2および図3
により示されるように、従来の乳化剤を用いた比較例1
の冷菓の製造においては、ORを100から170に上
昇させたとき、気泡は大きくなり、かつ形状が崩れてい
る。さらに、気泡間に生じる間隙が大きい。一方、図4
および図5に示されるように、本発明に用いられる乳化
剤を含む実施例1の冷菓の製造においては、ORを10
0から170に上昇させても、気泡は小さくかつその形
状が維持されている。さらに、気泡間の間隙は狭い。以
上より、気泡径および形状と、冷菓の組織および風味と
の関係が示された。
載された冷菓の組織を、ORが100の場合および17
0の場合のそれぞれについて、電子顕微鏡で観察した。
電子顕微鏡写真を図2から図5に示す。図2および図3
により示されるように、従来の乳化剤を用いた比較例1
の冷菓の製造においては、ORを100から170に上
昇させたとき、気泡は大きくなり、かつ形状が崩れてい
る。さらに、気泡間に生じる間隙が大きい。一方、図4
および図5に示されるように、本発明に用いられる乳化
剤を含む実施例1の冷菓の製造においては、ORを10
0から170に上昇させても、気泡は小さくかつその形
状が維持されている。さらに、気泡間の間隙は狭い。以
上より、気泡径および形状と、冷菓の組織および風味と
の関係が示された。
【0057】(実施例8)冷菓のORと、H値および形
状係数との関係をさらに検討するために、種々のORを
有するアイスクリームおよびラクトアイスについて、電
子顕微鏡による画像解析を行った。以下において、「ア
イスクリーム配合」は実施例1および比較例1と同様の
アイスクリームであり、「ラクトアイス配合」は実施例
2および比較例2と同様のラクトアイスであり、「醗酵
乳」は実施例4および比較例4と同様の醗酵乳である。
状係数との関係をさらに検討するために、種々のORを
有するアイスクリームおよびラクトアイスについて、電
子顕微鏡による画像解析を行った。以下において、「ア
イスクリーム配合」は実施例1および比較例1と同様の
アイスクリームであり、「ラクトアイス配合」は実施例
2および比較例2と同様のラクトアイスであり、「醗酵
乳」は実施例4および比較例4と同様の醗酵乳である。
【0058】以下の表1−Aおよび1−Bは、本発明の
冷菓および従来技術による冷菓についてのH値および形
状係数を示す。
冷菓および従来技術による冷菓についてのH値および形
状係数を示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1−Aから明らかなように、本発明の冷
菓については、ORを100→130→170と上昇さ
せても、H値は40を超えなかった。ORを170まで
上昇させた場合でも、H値は30.4に抑えられた。さ
らに、表1−Bから明らかなように、本発明の冷菓は、
いずれも220以下の形状係数を有した。従って、本発
明の冷菓では、H値と形状係数との両方が適切にコント
ロールされていることがわかった。
菓については、ORを100→130→170と上昇さ
せても、H値は40を超えなかった。ORを170まで
上昇させた場合でも、H値は30.4に抑えられた。さ
らに、表1−Bから明らかなように、本発明の冷菓は、
いずれも220以下の形状係数を有した。従って、本発
明の冷菓では、H値と形状係数との両方が適切にコント
ロールされていることがわかった。
【0061】一方、従来の乳化剤を用いた冷菓では、形
状係数はいずれも220以下に抑えられているものの、
ORを170まで上昇させた場合、H値は40を超え、
44.7まで上昇した。従って、従来の冷菓では、H値
と形状係数との両方を適切にコントロールすることはで
きなかった。
状係数はいずれも220以下に抑えられているものの、
ORを170まで上昇させた場合、H値は40を超え、
44.7まで上昇した。従って、従来の冷菓では、H値
と形状係数との両方を適切にコントロールすることはで
きなかった。
【0062】(実施例9)本発明の冷菓(アイスクリー
ム、ラクトアイス、および醗酵乳)において、種々のO
R条件下(100〜200の範囲内)における、気泡の
面積、H値、および形状係数を、電子顕微鏡写真の分析
により算出した。
ム、ラクトアイス、および醗酵乳)において、種々のO
R条件下(100〜200の範囲内)における、気泡の
面積、H値、および形状係数を、電子顕微鏡写真の分析
により算出した。
【0063】
【表2】
【0064】表2から明らかなように、本発明の冷菓
は、いずれのOR条件下においても、40より小さいH
値および220より小さい形状係数を有した。このよう
な結果は、油脂の種類にかかわらず、同様に得られた。
は、いずれのOR条件下においても、40より小さいH
値および220より小さい形状係数を有した。このよう
な結果は、油脂の種類にかかわらず、同様に得られた。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、オーバ
ーラン(OR)、円相当径(H値)、および形状係数が
適切にコントロールされた結果、良好な食感を示す冷菓
が提供される。
ーラン(OR)、円相当径(H値)、および形状係数が
適切にコントロールされた結果、良好な食感を示す冷菓
が提供される。
【図1】本発明の冷菓の実施態様を、H値および形状係
数との関係を用いて図示したものである。
数との関係を用いて図示したものである。
【図2】(a)、(b)、および(c)は、それぞれ、
ORが100の場合における、従来の冷菓(比較例1)
についての電子顕微鏡写真である。
ORが100の場合における、従来の冷菓(比較例1)
についての電子顕微鏡写真である。
【図3】(a)、(b)、および(c)は、それぞれ、
ORが170の場合における、従来の冷菓(比較例1)
についての電子顕微鏡写真である。
ORが170の場合における、従来の冷菓(比較例1)
についての電子顕微鏡写真である。
【図4】(a)、(b)、および(c)は、それぞれ、
ORが100の場合における、本発明の冷菓(実施例
1)についての電子顕微鏡写真である。
ORが100の場合における、本発明の冷菓(実施例
1)についての電子顕微鏡写真である。
【図5】(a)、(b)、および(c)は、それぞれ、
ORが170の場合における、本発明の冷菓(実施例
1)についての電子顕微鏡写真である。
ORが170の場合における、本発明の冷菓(実施例
1)についての電子顕微鏡写真である。
Claims (6)
- 【請求項1】 オーバーラン(OR)が130〜200
であり、円相当径(H値)が0〜40(ただし0を除
く)であり、かつ形状係数が100〜220である、冷
菓。 - 【請求項2】 前記H値が0〜30(ただし0を除く)
である、請求項1に記載の冷菓。 - 【請求項3】 ヨウ素価が20〜50であるグリセリン
脂肪酸エステルを乳化剤として含有する、請求項1に記
載の冷菓。 - 【請求項4】 前記グリセリン脂肪酸エステルが、不飽
和脂肪酸のモノグリセリドである、請求項3に記載の冷
菓。 - 【請求項5】 ゼラチン60重量部〜80重量部、ロー
カストビーンガム20重量部〜10重量部、グァーガム
15重量部〜9重量部、およびカラギナン5重量部〜1
重量部を組み合わせた安定剤を、前記冷菓100重量部
当たり0.4重量部〜0.8重量部含有する、請求項3
または4のいずれかに記載の冷菓。 - 【請求項6】 冷菓原料混合物が、0〜40(ただし、
0を除く)のH値および100〜220の形状係数を有
するように、130〜200のORを付与する工程を包
含する、冷菓の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11076897A JP2000270777A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 冷凍下でもソフトな組織、食感を有する冷菓 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11076897A JP2000270777A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 冷凍下でもソフトな組織、食感を有する冷菓 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000270777A true JP2000270777A (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=13618456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11076897A Pending JP2000270777A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 冷凍下でもソフトな組織、食感を有する冷菓 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000270777A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004261058A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Mitsukan Group Honsha:Kk | 混合気泡入り食品 |
WO2005029972A1 (en) * | 2003-10-02 | 2005-04-07 | Campina, B.V. | Ice cream having improved stability |
JP2007274922A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Ezaki Glico Co Ltd | 保存性の良好な冷菓の製造方法 |
JP2017216883A (ja) * | 2016-06-03 | 2017-12-14 | 江崎グリコ株式会社 | 被覆アイスクリーム類及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-03-19 JP JP11076897A patent/JP2000270777A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004261058A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Mitsukan Group Honsha:Kk | 混合気泡入り食品 |
WO2005029972A1 (en) * | 2003-10-02 | 2005-04-07 | Campina, B.V. | Ice cream having improved stability |
WO2005029973A1 (en) * | 2003-10-02 | 2005-04-07 | Campina, B.V. | Ice cream having improved stability |
JP2007274922A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Ezaki Glico Co Ltd | 保存性の良好な冷菓の製造方法 |
JP2017216883A (ja) * | 2016-06-03 | 2017-12-14 | 江崎グリコ株式会社 | 被覆アイスクリーム類及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040701 |