JP2000269785A - ディジタルフィルタ、復調回路、およびそれを用いた無線端末装置 - Google Patents

ディジタルフィルタ、復調回路、およびそれを用いた無線端末装置

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JP2000269785A
JP2000269785A JP11071267A JP7126799A JP2000269785A JP 2000269785 A JP2000269785 A JP 2000269785A JP 11071267 A JP11071267 A JP 11071267A JP 7126799 A JP7126799 A JP 7126799A JP 2000269785 A JP2000269785 A JP 2000269785A
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Japan
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filter
signal
digital
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decimator
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JP11071267A
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English (en)
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Katsuhiro Furukawa
且洋 古川
Yoichiro Kobayashi
洋一郎 小林
Taiji Kondo
泰二 近藤
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Hitachi Ltd
Renesas Eastern Japan Semiconductor Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Tohbu Semiconductor Ltd
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ADCから出力までのハード量を最小とする
ことができるディジタルフィルタ、復調回路、およびそ
れを用いた無線端末装置を提供する。 【解決手段】 RF部、ベースバンドアナログ部、ベー
スバンド信号処理部、ベースバンドソフト部などから構
成されるGSM無線端末装置であって、ベースバンドア
ナログ部の復調回路にはマルチレートフィルタ17,1
8が設けられ、プレフィルタの次数とRCの時定数が大
きくなること、全体のハード量が多くなることの理由か
ら、FIRフィルタ(1)17a,18a−1/12デ
シメータ(1)17b,18b−FIRフィルタ(2)
17c,18c−1/2デシメータ(2)17d,18
dの接続において、フィルタ処理後に速度変換を実行す
る設計1の手法がとられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタルフィル
タ技術に関し、特にGSM(Global System forMobile
communication)システム用復調側ディジタルフィルタ
の設計において、AD変換器(ADC:Analog-to-Digi
tal Converter )から出力までのハード量が最小となる
ハード構成に好適なディジタルフィルタ、復調回路、お
よびそれを用いた無線端末装置に適用して有効な技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、本発明者が検討した技術とし
て、GSMシステムは、世界に先駆けて欧州のディジタ
ル移動体通信用として800MHz帯で標準化され、後
に英国の新規オペレータが中心になって1.9GHz帯の
システムとして開発が進み、近年では全世界のディジタ
ル移動体通信システムの35%強のシェアを有するデフ
ァクトスタンダードであると考えられる。
【0003】このGSMシステム用の復調側FIR(Fi
nite Impulse Response )フィルタは288−tapで
構成し、デシメータの後に接続される技術などが考えら
れる。このような復調側FIRフィルタは、隣接チャネ
ル信号を抑圧し、かつ位相特性は直線位相特性であるこ
とが要求される。
【0004】なお、このようなGSMシステム用の復調
側FIRフィルタに関する技術としては、たとえば平成
7年3月30日、丸善株式会社発行の「ディジタル信号
処理の基礎」に記載される技術などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なGSMシステム用の復調側FIRフィルタにおいて
は、288−tapで構成され、デシメータの後に接続
されるために、最低、288個のレジスタと加減算器が
必要となり、ハード的に大きくなることが考えられる。
【0006】そこで、本発明の目的は、FIRフィルタ
とデシメータとの接続関係に着目し、FIRフィルタを
デシメータの前に設けることで、ADCから出力までの
ハード構成におけるハード量を最小とすることができる
ディジタルフィルタ、復調回路、およびそれを用いた無
線端末装置を提供するものである。
【0007】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
次のとおりである。
【0009】すなわち、本発明によるディジタルフィル
タは、入力されるディジタル信号レートから所定の信号
レートへ変換するマルチレートフィルタからなるもので
あり、1段または複数段に縦続接続され、たとえば第1
のFIRフィルタの配置をADCの直後に配置し、この
第1のFIRフィルタの後に動作周波数変換用の第1の
デシメータを配置し、さらにこの第1のデシメータの直
後に第2のFIRフィルタを配置し、この第2のFIR
フィルタの後にデータ転送速度になる第2のデシメータ
を配置するものである。
【0010】この構成において、特に、1)ADCの直
後にフィルタを配置することにより、ディジタルフィル
タのハード量を低減する、2)復調に要求される隣接チ
ャネル信号抑圧と直線位相特性を有する伝達関数を第
1、第2のFIRフィルタの従属構成で実現する、3)
このような伝達関数設計により、ADCのプレフィルタ
に対する減衰特性をサンプリング周波数の漏れノイズ低
減の役割とすることができ、プレフィルタの有すべき総
RCの時定数を小さくする、4)位相直線特性を有する
FIRフィルタの実現手法を提供する、ようにしたもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1は本発明の一実施の形態であるGSM
無線端末装置を示す概略ブロック図、図2は本実施の形
態のGSM無線端末装置において、復調回路を示すブロ
ック図、図3は復調回路のレベル配分を示す説明図、図
4(a),(b) は復調回路の信号処理を示す説明図、図5
(a) 〜(d) はFIRフィルタの基本概念を示す説明図、
図6はFIRフィルタを示す構成図、図7はデータ速度
変換過程での情報量を示す説明図、図8(a),(b) はハー
ド設計の比較を示すブロック図、図9(a),(b) はハード
量比較を示す説明図、図10および図11は設計結果と
しての伝達関数の係数と周波数特性を示す説明図であ
る。
【0013】まず、図1により、本実施の形態のGSM
無線端末装置の概略ブロック構成を説明する。
【0014】本実施の形態のGSM無線端末装置は、た
とえばアンテナに接続されるRF(Radio Frequency )
部1と、このRF部1に接続されるベースバンドアナロ
グ部2と、このベースバンドアナログ部2に接続される
ベースバンド信号処理部3と、このベースバンド信号処
理部3のベースバンドソフト部4などから構成され、ベ
ースバンドアナログ部2にはRF部1を制御するための
RF制御回路5、本発明の特徴となる、受信のための復
調回路6、送信のための変調回路7、スピーカ、マイク
などに接続されるアナログ前処理回路8などが設けられ
ている。
【0015】復調回路6は、たとえば図2に示すよう
に、一対の、差動変換回路11,12、プレフィルタ1
3,14、ADC15,16およびマルチレートフィル
タ17,18と、オフセットキャンセル19と、RSS
I20などから構成され、プレフィルタ13,14から
マルチレートフィルタ17,18までの信号処理、特に
GSM無線端末装置に適したマルチレートフィルタ1
7,18の伝達関数の設計手法が特徴となっている。
【0016】この復調回路6においては、RF部1から
差動信号となったI信号とIB信号、Q信号とQB信号
がそれぞれ差動変換回路11,12に入力され、この差
動変換回路11,12で振幅が2倍のI信号、Q信号と
なる。プレフィルタ13,14では、I/Q信号からA
DC15,16のナイキスト周波数以下の信号を透過
し、ADC15,16はこのI/Q信号をディジタル変
換する。マルチレートフィルタ17,18は、このディ
ジタル信号からGMSKベースバンド変調信号のみを透
過する。つまり、復調処理の前処理を実行するのが、こ
の復調回路6の役割である。
【0017】GSM無線端末装置のシステムが高速移動
通信システムであり、PHSシステムは低速移動通信シ
ステムである点が最大の相違点である。この相違が、ア
ンテナ入力信号の状態に大きく影響し、I/Q信号、I
B/QB信号からGMSKベースバンド変調信号を抽出
するマルチレートフィルタ17,18の役割を異なるも
のとしている。
【0018】PHSシステムでのベースバンド復調回路
は、ADC15,16とマルチレートフィルタ17,1
8を必要としない完全ディジタル位相検波で、位相復調
回路を実現できる。これは、ベースバンド入力信号に隣
接チャネル信号がほとんど混入しない状態にRF部1で
処理することができる電波状態のためである。GSM無
線端末装置のシステムでのベースバンド入力信号には隣
接チャネル信号が混入しており、その信号レベルが自チ
ャネルの信号レベルより大きくなる状態も存在する。こ
の隣接チャネル信号を十分に減衰させ、かつ位相歪みを
GMSKベースバンド変調信号に与えない処理をマルチ
レートフィルタ17,18で実現する必要がある。この
復調回路6での前処理がGSM無線端末装置のシステム
とPHSシステムの相違である。
【0019】RSSI20は(I^2+Q^2)演算に
より、受信信号レベルを算出し、RF部1でのAGCコ
ントロール制御信号を出力する。この(I^2+Q^
2)演算式における“^”は累乗を示す。
【0020】次に、図3、図4により、復調回路6のレ
ベル配分と信号処理を説明する。
【0021】図3のレベル配分は、下記の背景から決定
している。RF部1の出力信号には、ベースバンド基準
レベルに対しノイズとなる隣接チャネル信号の最大レベ
ルはαdBとなる場合がある。これに対し、GMSK変
調信号の最小レベルは、基準レベルに対しγdBに達す
る。
【0022】ベースバンドアナログ部2は、プレフィル
タ13,14とADC15,16があり、ここで発生す
るオフセットをキャンセルしたI/Q信号を出力しなけ
れば、正確な位相情報を算出できない。このオフセット
キャンセル19はマルチレートフィルタ17,18の出
力でオフセットを算出し、ディジタル的に減算すること
で実現している。このオフセットキャンセル19のため
に、全体のダイナミックレンジに対し、βdBの調整範
囲を設定している。
【0023】GMSK変調の理論C/N特性からビット
エラー率10^(−6)点における劣化をある値以内に
抑えるためには、信号対ノイズ比をηdB以上確保する
必要がある。
【0024】以上のレベル配分とLSI化に対するマー
ジンとしてσdBを配分する設計として、ADC15,
16のノイズレベルは、隣接チャネル信号の過負荷も含
めれば(α+β+γ+η+σ)dBを実現する設計とし
ている。
【0025】本実施の形態においては、1)サンプリン
グ周波数6.5MHz、2)2次ΔΣ方式、3)量子化3
ビット、に設定している。
【0026】図4(a) より、復調回路6の信号処理は、
サンプリング周波数6.5MHzのディジタルデータから
0.270MHzのデータに変換される。このデータ速度
変換の過程で、図4(b) に示すように、第1隣接チャネ
ル以上の妨害波信号を除去することがマルチレートフィ
ルタ17,18によるフィルタ処理の役割である。速度
変換とフィルタ処理を同時に実行する上で注意すること
は、処理過程でノイズをベースバンド帯域へ折り返さな
いようにマルチレートフィルタ17,18の周波数特性
を設計することにある。また、復調回路6のマルチレー
トフィルタ17,18は、変調回路7と同様、ベースバ
ンド帯域の信号に対して位相歪みを最小にすることが求
められる。
【0027】すなわち、復調回路6用のマルチレートフ
ィルタ17,18への要求機能と特長は、1)速度変
換、2)隣接チャネル信号の減衰、3)ノイズ折り返し
除去、4)最小位相歪み、にまとめることができる。
【0028】次に、図5により、マルチレートフィルタ
17,18を構成するFIRフィルタの基本設計におい
て、前記したFIRフィルタを実現するにあたり、理想
LPF特性を考察する。
【0029】理想LPF特性の時間領域への変換結果
は、sin(x)/xを包絡線とする原点に対称な関数
である。この原点に対称な特性が、伝達関数で位相特性
歪みを最小にできる特長を有する。位相特性歪みを最小
にするとは、自由空間と同等の位相特性、すなわち直線
位相FIRフィルタを実現することを意味する。この特
長をFIRフィルタの伝達関数F(z)で表現すると式
(1)〜(5)となる。
【0030】 F(z)=Σf(n)z^(−n) 式(1) ただし、Σ:n=0〜(N−1)の加算を意味する。
【0031】式(1)の係数h(n)に対して、下記の
4通りの場合に、直線位相FIRフィルタを実現でき
る。
【0032】 ケース1;Nが奇数であり、偶対称f(n)=f(N−n−1) 式(2) ケース2;Nが偶数であり、偶対称f(n)=f(N−n−1) 式(3) ケース3;Nが奇数であり、奇対称f(n)=−f(N−n−1) 式(4) ケース4;Nが偶数であり、奇対称f(n)=−f(N−n−1) 式(5) 理想LPFの時間軸波形は、図5(b) に示すように式
(6)で表現される。
【0033】 f(t)=(ωc/π)×sin(ωct)/(ωct) 式(6) このf(t)を離散時間表現したものがf(n)であ
り、式(2)〜(5)に一致させることは時間軸上で
(N−1)/2シフトすることで実現できる。このf
(n)は、フーリエ変換係数に一致する。
【0034】ここで、FIRフィルタの速度変換の最終
サンプリング角周波数ωsを基準に、FIRフィルタの
入力周波数がm倍の帯域とした場合、離散化されたf
(n)、すなわちフーリエ変換係数Cnは式(7)とな
る。
【0035】 ωc=ωs/m=2πfs/m、t=nT Cn(m)=2(fs/m)×sin((2πfs/m)nT) /〔(2πfs/m)nT〕 C0(m)=2(fs/m)で正規化して Cn(m)=sin(2πn/m)/(2πn/m) 式(7) ただし、n:整数≧0、m:整数≧2、fsT=1であ
る。
【0036】本実施の形態の直線位相FIRフィルタの
設計では、係数個数を奇数とするケース1を適用する。
【0037】次に、図6、図7により、FIRフィルタ
の最適化設計手法を説明する。
【0038】図6の直線位相FIRフィルタの機能図で
具体的なハード化には、係数の有限語長化が必要であ
る。図6において、直線位相FIRフィルタは、入力を
遅延する複数の遅延器21、これらの遅延された信号を
乗算する複数の乗算器22、乗算器の出力を加算する加
算器23からなる機能構成で表すことができる。
【0039】この有限語長を検討する場合、FIRフィ
ルタの入出力での情報量を考慮することで、係数の有限
語長最適化に関し、簡便な手法を提供可能となる。この
手法は、DSPのプログラミング最適化にも適用可能と
考える。
【0040】情報量として、ここでは次にように定義す
る。
【0041】 情報量(bit)≧データ(bit)+ind2(伝送(転送)速度 /基準速度) 式(8) なお、ind2とは、2^m=[a]となるmを示す関
数である。[ ]:ガウス記号である。
【0042】 ind2(x)=[log2(x)] 式(9) とも記述できる。
【0043】式(8)を復調回路6に適用した場合が図
7である。マルチレートフィルタ17,18のフィルタ
処理(演算)による情報量の増加がないと考えた場合、
ADC15,16の出力の情報量は保存され、マルチレ
ートフィルタ17,18のフィルタ出力に発生する。A
DC15,16は6.5MHz毎に3bit、速度変換後
に0.270MHzのデータとなる。従って、マルチレー
トフィルタ17,18のデータ語長をqbitとすれ
ば、次の関係式を満足しなければならない。
【0044】 ADC情報量=3+ind2[6.5×10^6/0.27×10^6] 式(10) フィルタ出力情報量=q+ind2[0.27×10^6/0.27 ×10^6] 式(11) ADC情報量=フィルタ出力情報量 式(12) これより、フィルタ出力qは、フィルタ処理によるビッ
ト増加がなければ、速度変換により有効7ビットとな
る。実際のマルチレートフィルタ17,18では、係数
とデータの積和演算があり、乗算処理で係数分のデータ
語長の増加、加減算処理の処理回数によるデータ語長の
増加を考慮する必要がある。
【0045】係数語長は、マルチレートフィルタ17,
18のサンプリング周波数ωsとマルチレートフィルタ
17,18のカットオフ周波数ωcにより決定され、式
(13)で記述される。
【0046】 フィルタ係数語長≧ind2[2ωs/ωc]+1(符号ビット) 式(13) 前記図5に示すように、(2ωs/ωc)の比がmの場
合、式(14)として表現される。
【0047】 フィルタ係数語長≧ind2[m]+1(符号ビット) 式(14) この関係式は、Z平面での単位円2π(=ωs)に対
し、ωcの角周波数を表現するビット精度として必要な
係数語長として解釈できる。
【0048】加算回路Nによるビット数の増加は、2変
数の加算で発生する桁上がり1の起こる期待値が何ビッ
トで表現されるかを意味する式で記述でき、式(15)
となる。
【0049】 加算回路による増加情報量≧ind2(N/2) =[log2(N/2)]=[log2(Σ(ap))] 式(15) ここで、Σ:1〜Nまでの加算、p:キャリア発生確率
(1/2)、a:キャリア発生時の期待値(1)であ
る。
【0050】乗算によるデータ語長の増加は、乗算係数
mのビット長分であり、式(16)となる。
【0051】 加算回路による増加情報量≧乗算係数ビット数 式(16) 以上の検討結果を基に、フィルタ出力でのデータ語長、
すなわち情報量は次のように表現できる。
【0052】 フィルタ出力情報量≧入力ビット数+係数ビット数+ind2[N/2] 式(17) 従って、マルチレートフィルタ17,18の内部演算精
度を確保するために、式(17)のデータ語長をとり、
出力で必要な有効ビットに処理する。これにより、フィ
ルタ処理による情報の欠損を防止し、かつハードの最適
化設計が可能となる。
【0053】フィルタ処理での速度変換は、6.5MHz
から0.270MHzの1/24倍になる。この24分周
を実行する方法は、整数の因数分解と全く同様であり、
24=2×2×2×3の組み合わせの通りである。その
一例として、1/12分周後に1/2分周する例が図8
である。
【0054】図8のマルチレートフィルタ17,18の
設計1と設計2の相違は、速度変換とフィルタ処理順序
の違いである。実LSIでは、FIRフィルタ(1)1
7a,18a−1/12デシメータ(1)17b,18
b−FIRフィルタ(2)17c,18c−1/2デシ
メータ(2)17d,18dの接続において、フィルタ
処理後に速度変換を実行する設計1の手法をとってい
る。これには、2つの理由がある。第1の理由は、速度
変換を前段で実行するためには、ADC15,16によ
る変換前のプレフィルタ13,14で速度変換後の1/
2周波数以上の帯域ノイズなどの信号を減衰させておく
ことが前提となる。このためには、プレフィルタ13,
14の次数とRCの時定数も大きくなり、延いては、プ
レフィルタ13,14の面積の増加の原因となる。第2
の理由は、分周後にフィルタ処理する場合は、全体のハ
ード量として多くなるためである。
【0055】これらのハード量比較を図9に示す。図9
(a) は有効ビットの推移、図9(b)は必要レジスタ数の
比較をそれぞれ示す。FIR1はFIRフィルタ(1)
17a,18a、decm1はデシメータ(1)17
b,18b、FIR2はFIRフィルタ(2)17c,
18c、decm2はデシメータ(2)17d,18d
にそれぞれ対応する。たとえば、図9(b) に示すよう
に、設計2のFIRフィルタ(1)17a,18aは4
13個、FIRフィルタ(2)17c,18cは918
個必要であるのに対して、設計1のFIRフィルタ
(1)17a,18aでは177個、FIRフィルタ
(2)17c,18cでは867個で構成することがで
きる。以上のような設計手法に基づいた設計結果として
の伝達関数の係数と周波数特性が図10、図11に示す
ようになる。
【0056】従って、本実施の形態によれば、マルチレ
ートフィルタの総ゲート規模を低減し、かつアナログ部
の総RC量を低減することができる。以上によるチップ
サイズの低減効果、低消費電力化が期待できる。この結
果、低消費電力化によるGSM無線端末装置の通話時間
/待機時間の延長が期待できる。これは以下のような理
由から可能となる。
【0057】1.ベースバンドアナログ部2の総RC量
低減の理由 前提:復調回路6の前処理に必要な内容、1)ADC1
5,16のサンプリングの信号折り返し防止、2)サン
プリング周波数の漏れノイズ防止、3)隣接チャネル信
号の抑圧、4)変調信号の正確な再生(位相歪み追加の
低減)、これらの処理をプレフィルタ13,14+AD
C15,16+マルチレートフィルタ17,18で実現
する。
【0058】設計配分:1)マルチレートフィルタ1
7,18で隣接チャネル信号を抑圧する、2)隣接チャ
ネル信号はADC15,16のナイキスト周波数より低
い周波数であるので、マルチレートフィルタ17,18
でナイキスト周波数までの信号を除去するフィルタ特性
を実現する、3)前提1),3)はマルチレートフィル
タ17,18で実現されるため、前提2)を実現するプ
レフィルタ13,14の周波数特性を設計すればよい。
【0059】結果:これはプレフィルタ13,14のカ
ットオフ周波数を高くすることを意味し、RCの総量を
小さくできる。
【0060】2.マルチレートフィルタ17,18のハ
ード量低減の理由 前提:信号の情報量=ディジタルデータ(ビット数)×
データ転送速度はADC15,16で決まってしまう。
この信号情報量はフィルタ処理により、内部の演算語長
が有限の場合は劣化することもある。
【0061】設計配分:1)ADC15,16のディジ
タルデータ出力を直接、FIRフィルタ(1)17a,
18aの入力とし、フィルタ処理を施す、2)フィルタ
処理後のデータを速度変換する、3)その後、全体周波
数特性の調整をFIRフィルタ(2)17c,18cで
実行する、4)無線系のベースバンドデータ速度に速度
変換する。
【0062】結果:信号の情報量=ディジタルデータ
(ビット数)×データ転送速度の関係から、FIRフィ
ルタ(1)17a,18aの入力=ADC15,16の
出力bitであり、速度変換後のデータよりも小さい。
従って、その分だけFIRフィルタのデータ保持用レジ
スタを小さくできる。これは、各レジスタに対する加減
算器も小さくなり、結果的にハード量が低減できる。さ
らに、ハード量を低減する方法として、入出力のクロッ
クは2系統必要となるが、レベル調整を別途実施するこ
とを考慮すれば、デシメータによるデシメーションはF
IRフィルタからの出力の取り出し処理により実現する
方法を含めることができる。
【0063】以上、本発明者によってなされた発明をそ
の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前
記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0064】たとえば、伝達関数として、周波数特性f
(t)=f(−t)の特徴を持つものであれば、前記式
(6)の矩形パルス窓関数の他に、余弦降下波(cosine
rolloff pulse)窓関数、ガウス波形窓関数などの例を
挙げることができる。
【0065】この余弦降下波窓関数は、 f(t)=hT〔cos(παft)/(1−(2πf
t)^2)〕×〔sin(πft)/(πft)〕 f=fs/m、t=nT Cn(m)=hT〔cos(πα(fs/m)nT)/
(1−(2π(fs/m)nT)^2)〕×〔sin
(π(fs/m)nT)/(π(fs/m)nT)〕 C0(m)=hTで正規化して、fsT=1 Cn(m)=〔cos(παn/m)/(1−(2π
(n/m))^2)〕×〔sin(π(n/m))/
(π(n/m))〕 ただし、n:整数≧0、m:整数≧2、fsT=1であ
る。
【0066】また、ガウス波形窓関数は、 f(t)=π^(0.5)h(ηfc)/(2(ln
(2))^(0.5))×exp〔−{πηft/(2
(ln(2))^(0.5))}^(2)〕 fc=fs/m、t=nT、Tfs=1 C0(m)=π^(0.5)h(ηfs/m)/(2(l
n(2))^(0.5))で正規化して、 Cn(m)=exp〔−{πη(n/m)/(2(ln
(2))^(0.5))}^(2)〕 ただし、n:整数≧0、m:整数≧2、fsT=1であ
る。
【0067】また、さらなるハード量削減方法として、
FIRフィルタ(1)+(1/n)デシメータ(1)、
またはFIRフィルタ(2)+(1/m)デシメータ
(2)、[n×m=24]のそれぞれのフィルタの実現
において、同時実現する方法も含めることができる。す
なわち、FIRフィルタ(1)+(1/n)デシメータ
(1)、またはFIRフィルタ(2)+(1/m)デシ
メータ(2)の有効出力は、入力データに対し1/n
(1/m)回になっており、この間、論理を多重使用す
ることが可能なためである。
【0068】また、本実施の形態のマルチレートフィル
タのハード量低減と低消費電力化は、電池動作を必須と
するGSMシステム、GSM無線端末装置に有効である
が、さらに電池動作を必須とする他の機器にも適用する
ことができる。
【0069】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0070】本発明によれば、ディジタルフィルタの総
ゲート規模の低減、アナログ部の総RC量の低減が可能
となる。以上によるチップサイズの低減効果、低消費電
力化が期待できる。この結果、低消費電力化によるGS
M無線端末装置の通話時間/待機時間の延長が期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるGSM無線端末装
置を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態のGSM無線端末装置に
おいて、復調回路を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態のGSM無線端末装置に
おいて、復調回路のレベル配分を示す説明図である。
【図4】(a),(b) は本発明の一実施の形態のGSM無線
端末装置において、復調回路の信号処理を示す説明図で
ある。
【図5】(a) 〜(d) は本発明の一実施の形態のGSM無
線端末装置において、FIRフィルタの基本概念を示す
説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態のGSM無線端末装置に
おいて、FIRフィルタを示す構成図である。
【図7】本発明の一実施の形態のGSM無線端末装置に
おいて、データ速度変換過程での情報量を示す説明図で
ある。
【図8】(a),(b) は本発明の一実施の形態のGSM無線
端末装置において、ハード設計の比較を示すブロック図
である。
【図9】(a),(b) は本発明の一実施の形態のGSM無線
端末装置において、ハード量比較を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態のGSM無線端末装置
において、設計結果としての伝達関数の係数を示す説明
図である。
【図11】本発明の一実施の形態のGSM無線端末装置
において、設計結果としての周波数特性を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 RF部 2 ベースバンドアナログ部 3 ベースバンド信号処理部 4 ベースバンドソフト部 5 RF制御回路 6 復調回路 7 変調回路 8 アナログ前処理回路 11,12 差動変換回路 13,14 プレフィルタ 15,16 ADC 17,18 マルチレートフィルタ 17a,18a FIRフィルタ(1) 17b,18b デシメータ(1) 17c,18c FIRフィルタ(2) 17d,18d デシメータ(2) 19 オフセットキャンセル 20 RSSI 21 遅延器 22 乗算器 23 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 洋一郎 東京都青梅市新町六丁目16番地の3 株式 会社日立製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 近藤 泰二 埼玉県入間郡毛呂山町大字旭台15番地 日 立東部セミコンダクタ株式会社内 Fターム(参考) 5K004 AA05 FA25 FG02 FH01 FH06 5K061 AA01 AA13 BB12 JJ24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されるディジタル信号レートから所
    定の信号レートへ変換するマルチレートフィルタからな
    ることを特徴とするディジタルフィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のディジタルフィルタであ
    って、前記マルチレートフィルタは、入力されるディジ
    タル信号から所定の信号のみを透過するFIRフィルタ
    と、このFIRフィルタに接続され、透過された信号を
    所定の信号に変換するデシメータとを含むことを特徴と
    するディジタルフィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のディジタルフィルタであ
    って、前記FIRフィルタおよび前記デシメータは複数
    段に縦続接続され、所定の信号のみの透過および所定の
    信号への変換を繰り返すことを特徴とするディジタルフ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のディジタルフィ
    ルタであって、前記デシメータによる変換は、レベル調
    整を別途実施する場合には前記FIRフィルタからの出
    力の取り出し処理により実現することを特徴とするディ
    ジタルフィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項2、3または4記載のディジタル
    フィルタであって、前記FIRフィルタは、周波数特性
    f(t)=f(−t)=(ωc/π)×sin(ωc
    t)/(ωct)が成り立つように設計されることを特
    徴とするディジタルフィルタ。
  6. 【請求項6】 請求項2、3または4記載のディジタル
    フィルタであって、前記FIRフィルタは、フーリエ変
    換係数C0(m)で正規化し、Cn(m)=sin(2
    πn/m)/(2πn/m)、ただしn:整数≧0、
    m:整数≧2、が成り立つように設計されることを特徴
    とするディジタルフィルタ。
  7. 【請求項7】 請求項2、3または4記載のディジタル
    フィルタであって、前記FIRフィルタは、フィルタ係
    数語長≧ind2[2ωs/ωc]+1(符号ビット)
    が成り立つように設計されることを特徴とするディジタ
    ルフィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のディジタルフィルタであ
    って、前記FIRフィルタおよび前記デシメータは2段
    からなり、ディジタル信号から所定の信号のみを透過す
    る第1のFIRフィルタと、この第1のFIRフィルタ
    に接続され、動作周波数に変換する第1のデシメータ
    と、この第1のデシメータに接続され、変換された信号
    から所定の信号のみを透過する第2のFIRフィルタ
    と、この第2のFIRフィルタに接続され、データ転送
    速度に変換する第2のデシメータとを含み、前記第1の
    FIRフィルタに入力されるディジタル信号を6.5MH
    z、前記第2のデシメータから出力されるディジタル信
    号を0.270MHzとし、前記第1のデシメータにより
    1/12分周した後に前記第2のデシメータにより1/
    2分周することを特徴とするディジタルフィルタ。
  9. 【請求項9】 入力されるI/Q信号からナイキスト周
    波数以下の信号を透過するプレフィルタと、このプレフ
    ィルタから出力されるI/Q信号をディジタル変換する
    AD変換器と、このAD変換器から出力されるディジタ
    ル信号からベースバンド変調信号のみを透過するディジ
    タルフィルタとを有し、前記ディジタルフィルタは、入
    力されるディジタル信号レートから所定の信号レートへ
    変換するマルチレートフィルタからなることを特徴とす
    る復調回路。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7ま
    たは8記載のディジタルフィルタ、あるいは請求項9記
    載の復調回路を用いたことを特徴とする無線端末装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003049316A1 (fr) * 2001-12-06 2003-06-12 Linkair Communications,Inc. Filtre numerique a reponse impulsionnelle limitee
US8311158B2 (en) 2009-01-28 2012-11-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Receiver circuit, reception method, and communication system
US9673780B2 (en) 2012-06-08 2017-06-06 Nec Corporation Multi-stage filter processing device and method

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