JP2000269089A - 固体電解コンデンサ - Google Patents
固体電解コンデンサInfo
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Abstract
セパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子
を構成し、該コンデンサ素子内に導電性ポリマー層を形
成した固体電解コンデンサにおいて、導電性ポリマー層
を形成した直後に比べて、エージング処理後、更には高
温負荷試験後の静電容量が低下する、或いはESRが増
大するという問題を解決する。 【解決手段】 陰極箔に、陽極箔側の化成皮膜に比べて
薄い化成皮膜を形成する。
Description
た陽極箔と対向陰極箔とをセパレータを介して巻回する
ことによりコンデンサ素子を構成し、該コンデンサ素子
内に導電性ポリマー層を形成した固体電解コンデンサに
関する。
用されるコンデンサにも、高周波領域における低ESR
化、小型大容量化が求められるようになってきている。
ここでESRとは、等価直列抵抗を意味する。
て、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリ
アニリン等の導電性ポリマーを陰極材として用いた固体
電解コンデンサに注目が寄せられている。
において、陽極化成箔と対向陰極箔とをセパレータを介
して巻き取った巻回型のコンデンサ素子内に、導電性ポ
リマー層を形成する技術を開示した。その技術によれ
ば、酸化重合により導電性ポリマーとなるモノマーと酸
化剤とを含む化学重合液を準備し、該化学重合液に巻回
型のコンデンサ素子を浸漬することにより、陽極化成箔
及び対向陰極箔に密着した導電性ポリマー層が形成され
る。
等の弁作用金属からなる箔に化成処理(電解酸化処理)
を施して、化成皮膜(誘電体皮膜)を形成したものであ
る。一方、前記陰極箔の材料としてもアルミニウムを用
いることが多いが、この場合は、化成皮膜を形成しな
い。
サ素子は、有底筒状の外装ケースに収納され、該ケース
の開口部をゴムパッキング、エポキシ樹脂等により密封
した後、周知のエージング処理を施して、コンデンサ完
成品となる。
従来技術に従って製造した固体電解コンデンサにおいて
は、導電性ポリマー層を形成した直後に比べて、エージ
ング処理後の静電容量が低下したり、ESRが増大した
りすることがあった。更に、このような諸特性の劣化
は、信頼性確認のための高温負荷試験等を行うと、ます
ます顕著になる傾向があった。
向陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素
子内に導電性ポリマー層を形成した固体電解コンデンサ
において、上述の如き問題点を解決するものである。
ンデンサは、化成皮膜を形成した陽極箔と対向陰極箔と
をセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素
子を構成し、該コンデンサ素子内に導電性ポリマー層を
形成した固体電解コンデンサにおいて、前記陰極箔に、
前記陽極箔側の化成皮膜に比べて薄い化成皮膜を形成し
たことを特徴とするものである。
極箔側にまで化成皮膜を形成すると、その分だけ静電容
量が小さくなることが懸念されるが、上記本発明の構成
によれば、陰極箔側に対する導電性ポリマー層の密着性
が陽極箔側に対する密着性と同レベルにまで向上し、エ
ージング処理等を施したコンデンサ完成品としての静電
容量は却って大きくなり、ESRも小さくなる。更に、
高温負荷試験等による静電容量の低下やESRの増大も
抑制される。
電解コンデンサを製造するには、まず、図1に示すよう
な巻回型のコンデンサ素子7を準備する。
対向陰極箔2とを、セパレータ3を介して巻き取ること
により構成される。陽極箔化成1及び対向陰極箔2から
は、陽極リードボス61及び陰極リードボス62を介し
て、陽極リード端子51及び陰極リード線52がそれぞ
れ引き出されている。4は巻き止めテープである。
金属からなる箔に、粗面化のためのエッチング処理を施
した後、化成皮膜(誘電体皮膜)を形成したものであ
る。
としてもアルミニウムを用い、その表面に、陽極箔の化
成皮膜に比べて薄い化成皮膜を形成する。
れも基材となる金属箔をリン酸等の水溶液に浸漬し、化
成処理(電解酸化処理)を施すことにより形成される。
る。陽極箔の化成電圧は、所望の定格電圧や定格静電容
量に応じて、数V〜数十Vに設定される。陰極箔の化成
電圧は、あまりに薄い化成皮膜では本発明に特有の導電
性ポリマー層との密着性向上の作用効果が得られなくな
ることを考慮しつつ、あまりに厚い化成皮膜を形成する
と該化成皮膜そのものによる静電容量の低下を招くこと
も考慮して、0.2V〜2Vに設定される。
なるモノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフ
ェン:34wt%と、酸化剤としてのパラトルエンスル
ホン酸鉄(III):33wt%と、希釈剤としてのn−
ブチルアルコール:33wt%とを含有する化学重合液
を準備する。
合液に浸漬した後、200℃で5分間熱処理することに
より、コンデンサ素子内に3,4−エチレンジオキシチ
オフェンのポリマー層を形成する。
子7のリードボス部にゴムパッキング9を装着して有底
筒状のアルミニウム製外装ケース8に収納し、その開口
部に横絞り加工及びカール加工を施し、エージング処理
を行って、所望の固体電解コンデンサが完成する。
0μFを狙ったアルミニウム巻回型のコンデンサ素子を
用い、上記実施形態に従って陰極箔にも化成皮膜を形成
した実施例1〜4と、陰極箔に化成皮膜を形成しない従
来例の固体電解コンデンサについて、定格電圧を印加し
ながら105℃で1000時間保持するという高温負荷
試験を行った。高温負荷試験の前後における諸特性の測
定結果を表1に示す。
においても、コンデンサ完成品の外形は、φ8.0mm
×L6.3mmに仕上げた。又、表1におけるCは12
0Hzでの静電容量、tanδは120Hzでの損失角
の正接、ESRは100kHzでの等価直列抵抗、LC
は定格電圧を印加して60秒後の漏れ電流を意味してお
り、各特性値は、試料数各20個についての平均であ
る。
においては、従来例に比べて、高温負荷試験前の静電容
量が大きく、tanδが小さく、ESRが小さく、LC
が小さくなっており、高温負荷試験よる静電容量の低下
やESRの増大も抑制されている。
ー層形成の出発物質として3,4−エチレンジオキシチ
オフェンを用いたが、その代わりに、ピロール、チオフ
ェン、フラン、アニリン及びそれらの誘導体等、酸化重
合により導電性ポリマーとなる各種モノマーを用いても
よい。
の陰極箔側にも薄い化成皮膜を形成したことにより、陰
極箔側に対する導電性ポリマー層の密着性が陽極箔側に
対する密着性と同レベルにまで向上し、エージング処理
後、更には高温負荷試験後の静電容量の低下やESRの
増大が抑制される。
子の分解斜視図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 化成皮膜を形成した陽極箔と対向陰極箔
とをセパレータを介して巻回することによりコンデンサ
素子を構成し、該コンデンサ素子内に導電性ポリマー層
を形成した固体電解コンデンサにおいて、 前記陰極箔に、前記陽極箔側の化成皮膜に比べて薄い化
成皮膜を形成したことを特徴とする固体電解コンデン
サ。 - 【請求項2】 前記陰極箔側の化成皮膜は、0.2V〜
2Vの化成電圧にて化成処理を施すことにより形成され
たものであることを特徴とする請求項1記載の固体電解
コンデンサ。 - 【請求項3】 前記陽極箔及び陰極箔の基材は、アルミ
ニウムからなり、前記導電性ポリマー層は、チオフェン
又はその誘導体に酸化剤を作用させることにより形成し
たものであることを特徴とする請求項1記載の固体電解
コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06871699A JP3548040B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 固体電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06871699A JP3548040B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 固体電解コンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000269089A true JP2000269089A (ja) | 2000-09-29 |
JP3548040B2 JP3548040B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=13381806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06871699A Expired - Lifetime JP3548040B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 固体電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3548040B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002299173A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-11 | Nippon Chemicon Corp | 固体電解コンデンサ及びその製造方法 |
CN114551109A (zh) * | 2022-03-03 | 2022-05-27 | 深圳市柏瑞凯电子科技股份有限公司 | 一种超薄耐高温固态电容器的制造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01319924A (ja) * | 1988-06-22 | 1989-12-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電解コンデンサ用アルミニウム陰極箔の製造方法 |
JPH1154380A (ja) * | 1997-07-31 | 1999-02-26 | Nippon Chemicon Corp | 固体電解コンデンサ |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP06871699A patent/JP3548040B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01319924A (ja) * | 1988-06-22 | 1989-12-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電解コンデンサ用アルミニウム陰極箔の製造方法 |
JPH1154380A (ja) * | 1997-07-31 | 1999-02-26 | Nippon Chemicon Corp | 固体電解コンデンサ |
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JP2002299173A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-11 | Nippon Chemicon Corp | 固体電解コンデンサ及びその製造方法 |
CN114551109A (zh) * | 2022-03-03 | 2022-05-27 | 深圳市柏瑞凯电子科技股份有限公司 | 一种超薄耐高温固态电容器的制造方法 |
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---|---|
JP3548040B2 (ja) | 2004-07-28 |
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