JP2000267007A - 防振機能を有したズームレンズ - Google Patents

防振機能を有したズームレンズ

Info

Publication number
JP2000267007A
JP2000267007A JP6981899A JP6981899A JP2000267007A JP 2000267007 A JP2000267007 A JP 2000267007A JP 6981899 A JP6981899 A JP 6981899A JP 6981899 A JP6981899 A JP 6981899A JP 2000267007 A JP2000267007 A JP 2000267007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
lens group
zoom
refractive power
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6981899A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Ito
良紀 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6981899A priority Critical patent/JP2000267007A/ja
Priority to US09/524,572 priority patent/US6327099B1/en
Publication of JP2000267007A publication Critical patent/JP2000267007A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ズームレンズが振動したときの撮影画像のブレ
を光学的に補正して静止画像を得るようにした防振機能
を有したズームレンズを得ること。 【解決手段】物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ
群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レン
ズ群、そして負の屈折力の第4レンズ群を有し、広角端
から望遠端へのズーミングに際し、第2レンズ群と第3
レンズ群の間隔が増大し、第3レンズ群と第4レンズ群
の間隔が滅少するズームレンズであって、前記第1レン
ズ群は、物体側より順に、正の屈折力の第1aレンズ
群、負の屈折力の第1bレンズ群を有し、前記第1bレ
ンズ群を光軸に対し垂直方向に移動させて該ズームレン
ズが振動したときの像ぶれを補正し、望遠端における全
系の焦点距離ft,第1bレンズ群の焦点距離f1b,
第1レンズ群の焦点距離f1を適切に設定したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩写真カメラ、
ビデオカメラ、そして電子スチルカメラ等に好適な防振
機能を有したズームレンズに関し、更に詳しくは、光学
系の一部のレンズ群、あるいは、レンズ群の一部を光軸
に対し垂直方向へ移動させてズームレンズが振動(傾
動)したときの画像ぶれ(像ぶれ)を高い光学性能を有
しつつ、良好に補正したバックフォーカスの比較的短
い、コンパクトで高変倍のズームレンズに好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、撮影光学系を構成するレンズ
群、もしくはレンズ群の一部を光軸と垂直方向に変位さ
せて像ぶれを補正した光学系(以下、光学防振方式)が
種々提案されている。
【0003】一般に、このような光学防振方式では、比
較的簡易な構成の駆動機構で、できるだけ小さな重量の
光学素子を、できるだけ少ない駆動量で駆動し、できる
だけ広範囲の防振角にわたって防振時の光学性能を良好
に維持できることが重要な条件となる。
【0004】また、近年開発が盛んな高変倍のズームレ
ンズでは、特に望遠端で大きな手ぶれが発生しやすい故
に、防振機能が重要視されており、前述の条件と高変倍
の両立を試みた防振機能を有したズームレンズも種々提
案されている。
【0005】ここで、光学防振方式には、レンズ群もし
くはレンズ群の一部を光軸に対し垂直な方向に変位させ
るシフト防振方式や、レンズ群もしくはレンズ群の一部
を光軸に対して垂直な回転軸の回りで回転させるティル
ト防振方式、あるいは、シリコンオイル等の比較的透明
な液体を透明部材ではさみ込んだ部材を撮影光学系の近
傍あるいは内部に設け、透明部材を光軸に対して傾け
て、プリズム作用にょり防振を行うバリアングルプリズ
ム方式等があり、ズームレンズへ応用した例も種々知ら
れている。
【0006】このような光学防振方式の中で、特にシフ
ト防振方式は、比較的任意の位置に回転軸を選べるティ
ルト防振方式よりは収差補正の自由度の点でやや自由度
が小さいものの、レンズの駆動機構が比較的シンプルで
あり、又、バリアングル防振方式に比べても防振時の色
収差の補正自由度が大きい等の利点があり、比較的簡易
な構成で比較的高い光学性能が得られる為、広く採用さ
れている。
【0007】このようなシフト防振方式を採用した防振
ズームレンズが、特開平6−265827号公報、特開
平7−318865号公報、特開平8−82769号公
報等で提案されている。
【0008】特開平6−265827号公報では、物体
側より順に、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の
第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群の3つのレン
ズ群から成り、広角端から望遠端へのズーミングに際し
て第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が増大し、第2レ
ンズ群と第3レンズ群の間隔が減少するように構成し、
第2レンズ群を前群と後群に分け、後群でシフト防振さ
せる構成のズームレンズを開示している。
【0009】特開平7−318865号公報は、物体側
より順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第
2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の
第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群から成り、広
角端から望遠端へのズーミングに際して第1レンズ群と
第2レンズ群の間隔が増大し、第2レンズ群と第3レン
ズ群の間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群の間
隔が増大し、第4レンズ群と第5レンズ群の間隔が減少
するように、少なくとも第1レンズ群および第5レンズ
群を物体側へ移動するように構成し、第4レンズ群でシ
フト防振させるズームレンズを開示している。
【0010】特開平8−82769号公報では、物体側
より順に、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第
2レンズ群、絞り、負の屈折力の第3レンズ群からな
り、広角端から望遠端へのズーミングに際して第1レン
ズ群と第2レンズ群の間隔が増大し、第2レンズ群と第
3レンズ群の間隔が減少するように構成し、第2レンズ
群でシフト防振させるズームレンズを開示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−26582
7号公報で開示しているズームレンズは、ズーム比が約
2.6倍と低倍率であり、このままの構成でズーム比5
倍程度の高倍率化を図ろうとすると、防振時の収差と、
基準状態の収差が劣化してくる。
【0012】また、防振レンズ群の構成枚数が多い為に
レンズ重量が比較的大きく、高倍化に伴う防振時の諸収
差を補正しようとすると、レンズ構成枚数が増加し、防
振時のレンズ駆動負荷が増大してくる。
【0013】特開平7−318865号公報で開示して
いるズームレンズは、ズーム比が約3.3倍とやや倍率
が高く、防振レンズ群のレンズ構成も比較的シンプルで
はあるものの、防振時の収差劣化がある。
【0014】特開平8−82769号公報で開示してい
るズームレンズは、特に実施例2のズーム比が約3.9
倍と比較的高倍率で、比較的広範囲の防振角にわたって
防振時の収差が比較的良好に補正されている。しかしな
がら、防振レンズ群のレンズ構成枚数が多く、防振時の
レンズ駆動負荷が大きい。そして、ズーム比5倍程度を
得ようとすると、レンズ構成枚数が増大してレンズ系が
大型化し、シンプルかつコンパ クトを維持したままで
基準状態と防振時の収差補正を両立させることが難し
い。
【0015】本発明は、高変倍比であるにもかかわら
ず、基準状態と防振状態の双方で良好に収差補正され
た、簡易なレンズ構成のコンパクトな防振機能を有した
ズームレンズの提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の防振機
能を有したズームレンズは、物体側より順に、負の屈折
力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈
折力の第3レンズ群、そして負の屈折力の第4レンズ群
を有し、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第2
レンズ群と第3レンズ群の間隔が増大し、第3レンズ群
と第4レンズ群の間隔が滅少するズームレンズであっ
て、前記第1レンズ群は、物体側より順に、正の屈折力
の第1aレンズ群、負の屈折力の第1bレンズ群を有
し、前記第1bレンズ群を光軸に対し垂直方向に移動さ
せて該ズームレンズが振動したときの像ぶれを補正し、 ft:望遠端における全系の焦点距離 f1b:第1bレンズ群の焦点距離 f1:第1レンズ群の焦点距離 としたとき、 −0.9<f1b/ft<−0.4 ‥‥‥(1) −150<f1/ft<0 ‥‥‥(2) なる条件を満足することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るシフト防振
方式において、撮影の対象となる被写体の、手ぶれによ
る像移動(像ブレ)を補正した様子を説明した、手ぶれ
補正の原理図である。
【0018】図1中、図1(A)は、手ぶれが発生する
前の被写体(O)と撮影レンズ(L)による像(I)の
基準状態の結像関係を表わしている。この状態での結像
面IP上の像Iが撮影者が撮影しようとしている予定結
像位置であり、図1(B)で手ぶれが発生すると像
(I)は像(I′)へ移動してしまい、図1(C)で像
(I′)をもとの予定結像位置Iに来るように防振レン
ズ(S)を光軸と直交方向にシフトさせ補正を行ってい
る。
【0019】撮影レンズLは簡単の為にレンズ群F,防
振レンズS,そしてレンズ群Rより成っている場合を示
している。
【0020】以下、この原理図を用いて、基準状態と防
振状態の結像性能について説明する。まず、手ぶれ補正
の原理上言えることは、手ぶれ発生前の基準状態を表わ
す図1(A)と手ぶれ補正後の防振状態を表わす図1
(C)において、防振レンズ(S)を光束の射出後のレ
ンズ群(R)を通過して結像面IPに至るまでの光線の
通過経路は補正の前後でほぼ変ることはなく、防振レン
ズ(S)と、それよりも被写体側のレンズ群(F)を通
過する光線経路のみが変化しているということである。
【0021】つまり、防振時の光学性能の変化(以下、
防振収差成分という)は、防振レンズ(S)と、レンズ
群(F)でのそれぞれの光線経路が変化することによっ
て生じ、防振レンズ(S)よりも後のレンズ群(R)
は、防振収差成分の発生に寄与していないということに
なる。
【0022】従って、防振収差成分の発生を抑えること
を収差係数の次元で論じるならば、前述の理由により、
通常の物体側基準で表記された偏心収差係数を、像側を
基準とした偏心収差係数(以下、防振収差係数という)
に表記し直し、防振収差係数の要素である収差係数、つ
まり、防振レンズ(S)とレンズ群(F)のそれぞれの
収差係数の分担値を、防振収差係数がゼロあるいは許容
範囲内となるよう適切に設定することが必要で、更にズ
ームレンズでは各焦点距離毎に所望の防振収差係数が満
足されるよう、防振レンズ(S)とレンズ群(F)の収
差係数をズームレンズの連立解として設定する必要があ
る。
【0023】しかしながら、仮に各焦点距離毎の防振収
差成分の発生が抑えられたとしても、その時の防振レン
ズ(S)とレンズ群(F)の収差係数は、必ずしも基準
状態で良好な結像性能を得るための値となっているとは
限らない。
【0024】よって、基準状態の全系収差係数を満足す
るような部分系収差係数であることも必要で、以上述べ
たように、様々な連立関係を満足させなければならない
ことになる。
【0025】次に、収差係数の連立関係について、光学
系における固有係数と特性行列(山路敬三著『ズームレ
ンズの光学設計に関する研究』(キヤノン研究報告N
o.3))に分解し、もう少し詳しく述べる。
【0026】ズーム位置のうち第j位置における部分系
の第iレンズ群のn次領域の収差係数をベクトル表記し
てSijn 、固有係数をS0in 、特性行列をAijn とする
と、収差係数、固有係数及び特性行列には次の関係が成
り立つ。
【0027】即ち、 Sjn = S0in ・Aijn (n=1,3,5…) であり、合成系(全系)については、レンズ群総数をN
とすると、
【0028】
【数1】 が成り立つ。
【0029】ここで、固有係数は屈折力の絶対値を1と
し、前側主平面に瞳を一致させて、近軸光線の入射高を
1、入射傾角を0、近軸主光線の入射高を0、入射傾角
を−1として計算された収差係数の組であり、その部分
系の曲率半径、屈折率、厚さ及び空気間隔等いわゆるレ
ンズ形状のみに依存するのに対し、特性行列は、レンズ
形状に全く依存しない。
【0030】つまり、焦点距離、物点位置、絞り位置、
光線通過状態等を表すマトリクスの合成マトリクスであ
り、ある形状を持った部分系のいわば使用状態を表し、
それはいわゆるパワー配置のみに依存する。
【0031】従って、防振レンズ群(S)を第Kレンズ
群とすると、各焦点距離毎の防振収差の発生を抑えつ
つ、同時に基準状態での結像性能を良好に補正するとい
うことは、防振レンズ群(S)とレンズ群(F)を構成
する各レンズ群それぞれの固有係数S0in (i=1.
…,K)とそれぞれの特性行列Aijn (i=1.…,
K)を適切に設定して、その1次変換から得られた動作
特性である収差係数Sijn (i=1.…,K)を、所望
の防振収差係数が満足されるようにすると同時に、この
収差係数と後続のレンズ群(R)を構成する各レンズ群
それぞれの固有係数S 0in (i=K+1,…,N)とそ
れぞれの特性行列Aijn (i=K+1,…,N)の1次
変換から得られた動作特性である収差係数、Sijn (i
=K+1,…,N)とをキャンセルさせ、各焦点距離毎
に所望の全系収差係数Sjnを得ることに他ならない。
【0032】本発明はこのように、光学系を固有係数と
特性行列に分解し、それぞれを分析することにより、ズ
ーム比5倍と高変倍比であるにもかかわらず、基準状態
と防振状態の双方で良好に収差補正された、簡易なレン
ズ構成のコンパクトな防振機能を有するズームレンズを
得ることに成功した。
【0033】次に本発明の具体的なレンズ構成について
説明する。
【0034】図2,図9,図16,図23は本発明の後
述する数値実施例1〜4のレンズ断面図である。図中、
(A)は広角端、(B)は中間,(C)は望遠端のズー
ム位置を示している。
【0035】図中L1は負の屈折力の第1群、L2は正
の屈折力の第2群、L3は正の屈折力の第3群、L4は
負の屈折力の第4群である。第1群L1は正の屈折力の
第1a群L1aと負の屈折力の第1b群L1bの2つの
レンズ群を有している。SPは絞りで、第2群と第3群
の間に配置している。IPは像面である。
【0036】本実施形態において、広角端から望遠端へ
のズーミングは、矢印に示す如く、第1レンズ群と第2
レンズ群の間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群
との間隔が増大し、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔
が減少するように各レンズ群を物体側へ移動させてい
る。
【0037】そして第1レンズ群を、物体側より順に、
正の屈折力の第1aレンズ群La1と、負の屈折力の第
1bレンズ群L1bを有するようにして、第1bレンズ
群L1bを光軸に対し垂直方向に移動させて像ぶれを補
正している。第3レンズ群を光軸方向に移動させてフォ
ーカスを行う、リヤーフォーカス方式を用いている。
【0038】そして ft:望遠端における全系の焦点距離 f1b:第1bレンズ群の焦点距離 f1:第1レンズ群の焦点距離 としたとき、 −0.9<f1b/ft<−0.4 ‥‥‥(1) −150<f1/ft<0 ‥‥‥(2) の条件式を満足させることによって防振前後の光学性能
を良好に維持している。
【0039】以下、条件式(1),(2)について説明
する。条件式(1)は望遠端における全系と第1bレン
ズ群の焦点距離の比に関し、条件式(2)は第1レンズ
群の焦点距離に関するもので、特に防振収差成分の発生
の大きい望遠端において、第1レンズ群と第1bレンズ
群のパワー配置(特性行列)を規定し、主に防振収差成
分の発生を抑えつつ、基準状態の結像性能を良好に保つ
為のものである。
【0040】条件式(1)及び条件式(2)の上限値を
越えても下限値を超えても、望遠端を始め、各焦点距離
毎の防振コマ収差、防振非点収差を始めとする防振収差
成分の発生と基準状態での球面収差、コマ収差を始めと
する各収差を連立させて良好とすることが、後続するレ
ンズ群のパワー配置(特性行列)を変えても困難となっ
てくる。
【0041】また、特に条件式(2)の上限値を超えて
第1レンズ群の屈折力が強まると、その結果、第1bレ
ンズ群及び第2レンズ群のパワーも強まり、防振時の第
1bレンズ群の駆動量が減少するものの、その時の連立
解としての各固有係数の値が第1aレンズ群、第1bレ
ンズ群、第2レンズ群とも、シンプルなレンズ構成のま
までは満足されず、レンズ系が大型化してくるので良く
ない。
【0042】更に好ましくは、条件式(1)及び条件式
(2)の数値範囲を次のようにするのがよく、これによ
り防振時と基準状態で更に良好な性能が得られる。即
ち、 −0.8 <flb/ft<−0.5 ‥‥‥(1a) −130 <fl/ft <−0.5 ‥‥‥(2a) とすることである。
【0043】本発明の防振機能を有したズームレンズは
以上のような条件を満足することにより実現されるが、
更に良好な光学性能を達成する為には、以下の条件のう
ち少なくとも1つを満足することが望ましい。
【0044】(ア−1)前記第1bレンズ群は、1枚の
負レンズと、1枚の正レンズより構成されることであ
る。
【0045】(ア−2)前記第1bレンズ群中の、1枚
の負レンズと、1枚の正レンズは、 νN:第1bレンズ群中の負レンズの材質のアッベ数 νP:第1bレンズ群中の負レンズの材質のアッベ数 nN:第1bレンズ群中の負レンズの材質のd線に対す
る屈折率 np:第1bレンズ群中の正レンズの材質のd線に対す
る屈折率 としたとき、 νN>νP ‥‥‥(3) nN>nP ‥‥‥(4) の条件式を満足することである。
【0046】条件式(3),(4)を満足させることに
より、主に防振色収差の発生を抑えることができ、それ
と同時に第2レンズ群全体として基準状態の分担値とし
て要求される、1次領の固有係数も満足でき良好な結像
性能を得ている。
【0047】(ア−3)前記第1aレンズ群は、 f1a:第1aレンズ群の焦点距離 としたとき −0.99<flb/f1a< 0 ‥‥‥(5) の条件式を満足することである。
【0048】条件式(5)の下限を越えて第1bレンズ
群の焦点距離が短くなると一定防振角に対する第1bレ
ンズ群の駆動量が小さくなるので、駆動制御が困難とな
ってくる。
【0049】条件式(5)の上限を越えて第1bレンズ
群の焦点距離が長くなりすぎると一定防振角に対する第
1bレンズ群の駆動量が大きくなるので、防振収差の補
正が困難となる。
【0050】尚、更に好ましくは条件式(5)は −0.97<f1b/f1a<−0.01 ‥‥‥(5a) とするのが良い。
【0051】(ア−4)前記ズームレンズは fw:広角端における全系の焦点距離 T1b:防振機能を最大補正角に相当する量だけ第1b
レンズ群をシフトさせたときの基準状態からのシフト量
としたとき 3.5<ft/fw<6.5 ‥‥‥(6) 0.005<T1b/fw<0.05 ‥‥‥(7) 0.001<T1b/ft<0.01 ‥‥‥(8) の条件を満足することである。
【0052】条件式(6)の上限を越えて望遠端におけ
る焦点距離が長くなりすぎると全長が増大しカメラが大
型化してくる。
【0053】又、下限値を越えて望遠端における焦点距
離が短くなり過ぎると、防振機能を付加している価値が
薄れてきてしまう。
【0054】条件式(7),(8)式は広角端、望遠端
の最大防振角におけるシフト量を適切に設定し、良好な
る防振性能を確保する為の条件で、上限又は下限を越え
ると良好なる防振収差を得ることが困難になる。
【0055】尚、更に好ましくは条件式(6)〜(8)
は 4<ft/fw<5 ‥‥‥(6a) 0.007<T2a/fw<0.02 ‥‥‥(7a) 0.001<T2a/ft<0.005 ‥‥‥(8a) とするのが良い。
【0056】(ア−5)第1aレンズ群を両レンズ面が
凸面の正レンズと両レンズ面が凹面の負レンズより構成
することである。
【0057】(ア−6)第1bレンズ群を物体側に比べ
て像面側に強い屈折力のレンズ面を有する負レンズと、
像面側に比べて物体側に強い屈折力のレンズ面を有する
正レンズ又は両レンズ面が凹面の負レンズと正レンズよ
り構成することである。
【0058】(ア−7)第2レンズ群を物体側に凸面を
向けたメニスカス状の負レンズと像面側に比べ物体側に
強い屈折力のレンズ面を有する両レンズ面が凸面の正レ
ンズより構成することである。
【0059】(ア−8)第3レンズ群を像面側に凸面を
向けたメニスカス状の負レンズと、物体側に比べ像面側
に強い屈折力のレンズ面を有する両レンズ面が凸面の2
つの正レンズより構成することである。
【0060】(ア−9)第3レンズ群の最も像面側のレ
ンズ面を非球面とすることである。
【0061】(ア−10)第4レンズ群を両レンズ面が
凹面の負レンズと、両レンズ面が凸面の正レンズ、そし
て物体側に凹面を向けた負レンズより構成することであ
る。
【0062】次に本発明の数値実施例を示す。数値実施
例においてRiは物体側より順に第i番目のレンズ面の
曲率半径、Diは物体側より順に第i番目のレンズ厚又
は空気間隔、Niとνiは各々物体側より順に第i番目
のレンズのガラスの屈折率とアッベ数である。
【0063】又、前述の各条件式と数値実施例における
諸数値との関係を表−1に示す。非球面形状は光軸方向
にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正と
し、Rを近軸曲率半径、K,B,C,D,Eを各々非球
面係数としたとき
【0064】
【数2】 なる式で表している。又「e−0X」は「×10-X」を
意味している。また前述の各条件式と数値実施例におけ
る諸数値との関係を表−1に示す。
【0065】
【外1】
【0066】
【外2】
【0067】
【外3】
【0068】
【外4】
【0069】
【表1】 次に数値実施例1〜4のズームレンズを備えた撮影装置
の実施例について図30を用いて説明する。
【0070】図30(A)は撮影装置の正面図、図30
(B)は側部断面図である。図中、10は撮影装置本体
(筐体)、11は数値実施例1〜4のいずれかのズーム
レンズを用いた撮影光学系、12はファインダー光学
系、13は感光面としてのフィルムである。
【0071】このように数値実施例1〜4のズームレン
ズを撮影装置の撮影光学系に適用することでコンパクト
で高性能の撮影装置が実現できる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高変倍比であるにもかかわらず、基準状態と防振状態の
双方で良好に収差補正された、簡易なレンズ構成のコン
パクトな防振機能を有したズームレンズを達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るズームレンズの防振作用の原理説
明図
【図2】本発明の数値実施例1のレンズ断面図
【図3】本発明の数値実施例1の広角端の基準状態の収
差図
【図4】本発明の数値実施例1の広角端0.2°防振状
態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図5】本発明の数値実施例1の中間基準状態
【図6】本発明の数値実施例1の中間0.2°防振状態
の像高0mmと±12mmの横収差図
【図7】本発明の数値実施例1の望遠端基準状態
【図8】本発明の数値実施例1の望遠端0.2°防振状
態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図9】本発明の数値実施例2のレンズ断面図
【図10】本発明の数値実施例2の広角端の基準状態の
収差図
【図11】本発明の数値実施例2の広角端0.2°防振
状態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図12】本発明の数値実施例2の中間基準状態
【図13】本発明の数値実施例2の中間0.2°防振状
態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図14】本発明の数値実施例2の望遠端基準状態
【図15】本発明の数値実施例2の望遠端0.2°防振
状態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図16】本発明の数値実施例3のレンズ断面図
【図17】本発明の数値実施例3の広角端の基準状態の
収差図
【図18】本発明の数値実施例3の広角端0.2°防振
状態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図19】本発明の数値実施例3の中間基準状態
【図20】本発明の数値実施例3の中間0.2°防振状
態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図21】本発明の数値実施例3の望遠端基準状態
【図22】本発明の数値実施例3の望遠端0.2°防振
状態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図23】本発明の数値実施例4のレンズ断面図
【図24】本発明の数値実施例4の広角端の基準状態の
収差図
【図25】本発明の数値実施例4の広角端0.2°防振
状態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図26】本発明の数値実施例4の中間基準状態
【図27】本発明の数値実施例4の中間0.2°防振状
態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図28】本発明の数値実施例4の望遠端基準状態
【図29】本発明の数値実施例4の望遠端0.2°防振
状態の像高0mmと±12mmの横収差図
【図30】本発明のズームレンズを有する撮影装置の概
略構成図
【符号の説明】
L1 第1群 L1a 第1a群 L1b 第1b群 L2 第2群 L3 第3群 L4 第4群 S 防振レンズ群 F,R レンズ群 SP 絞り IP 像面 d d線 g g線 M メリディオナル像面 S サジタル像面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側より順に、負の屈折力の第1レン
    ズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レ
    ンズ群、そして負の屈折力の第4レンズ群を有し、広角
    端から望遠端へのズーミングに際し、第2レンズ群と第
    3レンズ群の間隔が増大し、第3レンズ群と第4レンズ
    群の間隔が滅少するズームレンズであって、前記第1レ
    ンズ群は、物体側より順に、正の屈折力の第1aレンズ
    群、負の屈折力の第1bレンズ群を有し、前記第1bレ
    ンズ群を光軸に対し垂直方向に移動させて該ズームレン
    ズが振動したときの像ぶれを補正し、 ft:望遠端における全系の焦点距離 f1b:第1bレンズ群の焦点距離 f1:第1レンズ群の焦点距離 としたとき、 −0.9<f1b/ft<−0.4 −150<f1/ft<0 なる条件を満足することを特徴とする防振機能を有した
    ズームレンズ。
  2. 【請求項2】 前記第1bレンズ群は、1枚の負レンズ
    と、1枚の正レンズより構成されることを特徴とする請
    求項1の防振機能を有したズームレンズ。
  3. 【請求項3】 前記第1bレンズ群中の、1枚の負レン
    ズと、1枚の正レンズは、 νN:第1bレンズ群中の負レンズの材質のアッベ数 νP:第1bレンズ群中の負レンズの材質のアッベ数 nN:第1bレンズ群中の負レンズの材質のd線に対す
    る屈折率 np:第1bレンズ群中の正レンズの材質のd線に対す
    る屈折率 としたとき、 νN>νP nN>nP なる条件を満足することを特徹とする請求項2の防振機
    能を有したズームレンズ。
  4. 【請求項4】 前記第1aレンズ群は、 f1a:第1aレンズ群の焦点距離 としたとき −0.99<flb/f1a< 0 なる条件を満足することを特徴とする請求項1,2又は
    3の防振機能を有したズームレンズ。
  5. 【請求項5】 前記ズームレンズは fw:広角端における全系の焦点距離 T1b:防振機能を最大補正角に相当する量だけ第1b
    レンズ群をシフトさせたときの基準状態からのシフト量 としたとき 3.5<ft/fw<6.5 0.005<T1b/fw<0.05 0.001<T1b/ft<0.01 なる条件を満足することを特徴とする請求項1,2,3
    又は4の防振機能を有したズームレンズ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項の防振機
    能を有したズームレンズを有することを特徴とする撮影
    装置。
JP6981899A 1999-03-16 1999-03-16 防振機能を有したズームレンズ Pending JP2000267007A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6981899A JP2000267007A (ja) 1999-03-16 1999-03-16 防振機能を有したズームレンズ
US09/524,572 US6327099B1 (en) 1999-03-16 2000-03-13 Zoom lens and optical device having the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6981899A JP2000267007A (ja) 1999-03-16 1999-03-16 防振機能を有したズームレンズ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000267007A true JP2000267007A (ja) 2000-09-29

Family

ID=13413732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6981899A Pending JP2000267007A (ja) 1999-03-16 1999-03-16 防振機能を有したズームレンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000267007A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019168496A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019168496A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP7182886B2 (ja) 2018-03-22 2022-12-05 キヤノン株式会社 ズームレンズ及びそれを有する撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5292756B2 (ja) ズームレンズと、これを有する光学装置
JP3524482B2 (ja) ズームレンズ及びそれを用いた光学機器
JP4630423B2 (ja) ズームレンズ及びそれを用いた光学機器
JP3072815B2 (ja) 変倍光学系
JPH11119092A (ja) 防振機能を有したインナーフォーカス式の光学系
JP3486532B2 (ja) 振動補償機能を有したズームレンズ及びそれを有するカメラ
JP2009086535A (ja) ズームレンズと、これを有する光学装置
JP2836142B2 (ja) ズームレンズ
JP5565650B2 (ja) 変倍光学系、及び、この変倍光学系を備えた光学機器
JPH10197786A (ja) 防振機能を有した光学系
US5828490A (en) Image position correcting optical system
JP2605326B2 (ja) 防振機能を有した変倍光学系
JPH11258504A (ja) 防振ズームレンズ
JP3880125B2 (ja) 振動補償機能を有するズームレンズ
JP4323584B2 (ja) 防振機能を有した変倍光学系
JPH07318865A (ja) 防振機能を有するズームレンズ
JP2002006217A (ja) 防振機能を有したズームレンズ及びそれを用いた光学機器
JP2002098894A (ja) ズームレンズ及びそれを有した光学機器
JPH11174326A (ja) 防振機能を有した光学系
JPH10161024A (ja) 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ
JPH09218346A (ja) 光学系
JPH06289298A (ja) 防振機能を備えたズームレンズ
JP2001356270A (ja) 防振機能を有した変倍光学系及びそれを用いた光学機器
JPH10260356A (ja) 防振機能を有した変倍光学系
JP4630451B2 (ja) ズームレンズ及びそれを用いた光学機器