JP2000265856A - ハイブリッド燃焼器 - Google Patents

ハイブリッド燃焼器

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JP2000265856A JP11064974A JP6497499A JP2000265856A JP 2000265856 A JP2000265856 A JP 2000265856A JP 11064974 A JP11064974 A JP 11064974A JP 6497499 A JP6497499 A JP 6497499A JP 2000265856 A JP2000265856 A JP 2000265856A
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敬三 塚越
Masanori Fujioka
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

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  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
  • Spray-Type Burners (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気冷却を行うガスタービンを備えるCCプ
ラントにおいて、ボトミング系(ボイラ、蒸気タービン
等のシステム)が稼動していない時でも空気冷却を用い
たガスタービンの単独運転が可能なガスタービンのハイ
ブリッド燃焼器を提供することを課題とする。 【解決手段】 燃焼器・尾筒を内壁と外壁の二重壁構造
で構成して同内壁と外壁との間の空間に冷却媒体通路を
設け、同燃焼器・尾筒の上部に同燃焼器・尾筒の内部と
前記冷却媒体通路とを連通するフィルム冷却穴を設け、
前記内壁と外壁との間の空間を塞ぐ切替えリングを前記
内壁と外壁の上流側端部に取付けてなり、前記切替えリ
ングは前記空間内へ延在し前記フィルム冷却穴を閉塞す
る環状突起部材を有するものと有しないものとが選択的
に取付けられたこと特徴とするハイブリッド燃焼器、
等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1500℃級ガス
タービンの燃焼器において、蒸気冷却から空気冷却、又
空気冷却から蒸気冷却へと相互に切り替える事を可能に
したハイブリッド燃焼器および蒸気冷却と空気冷却を併
用する事を可能にしたハイブリッド燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】1500℃級ガスタービンの燃焼器は、
高いタービン入口温度にも係わらず低NOX 化を実現す
る為、蒸気冷却システムを採用している。図5に蒸気冷
却式ガスタービン燃焼器の縦断面図を示す。蒸気冷却式
ガスタービン燃焼器は、ノズル部1と燃焼器・尾筒2の
部分から構成され、ノズル部1は、ガスタービンの燃兼
車室ケーシング3にボルトにより取付けられており燃焼
器・尾筒2は内部サポート4で固定されている。ここで
燃焼器・尾筒2とは、ガスタービン燃焼器のノズル部1
の下流側の、燃焼ゾーンと尾筒部とを合わせて称するも
のとし、後述の本発明のガスタービンのハイブリッド燃
焼器の説明においても同様とする。
【0003】燃料5は、パイロットノズル6、予混合ノ
ズル7から導かれ、事前に燃焼用空気8を予混合(プレ
ミックス)されて、燃焼器・尾筒2中央部の燃焼ゾーン
9で燃焼する。この時燃焼温度は1500℃前後に制御
されて、窒素酸化物(以下「NOX 」という)の生成を
抑制している。
【0004】燃焼器・尾筒2の内部のメタル温度を許容
値以下(800℃以下)に冷却する方式として、空気冷
却方式と蒸気冷却方式とがあるが、1500℃級ガスタ
ービンの場合、高いタービン入口温度を維持し、又高い
熱伝達を促進する為に燃焼器・尾筒部冷却媒体として冷
却蒸気20が使用されている。
【0005】燃焼器・尾筒2壁面を冷却する為に、図示
しない排ガスボイラ(以下、「HRSG」という)から
冷却蒸気20が供給され、壁面を冷却し加熱された蒸気
は図示しない蒸気タービンへと戻り、閉ループを構成し
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】今日、1500℃級ガ
スタービンは、コンバインドサイクルプラント(以下
「CCプラント」という)の主機として位置付けられて
いる。このCCプラントにおいて、運開迄の期間は2年
前後かかり、電力需要の逼迫している発展途上国におい
ては、ガスタービンの単独先行運開により電力を供給可
能とするシステムが求められていた。
【0007】また、蒸気冷却システムを採用している従
来のCCプラントにおいては、起動から最大負荷迄の
間、常に一定量の冷却蒸気20が必要となるが、ボトミ
ング系(ボイラ、蒸気タービン等のシステム)をメンテ
テンスしている時などにガスタービン単独運転の要求が
ある場合は、CCプラントのボトミング系が利用できな
い為、単独運転専用の蒸気冷却システムが必要となり、
CCプラントの起動時に、CCプラントのボトミング系
が利用できない場合は、蒸気冷却用の補助ボイラ等の付
帯設備が必要となった。
【0008】その結果、補助ボイラ、コンデンサ、復水
ポンプ等の付帯設備を単独運転用として新たに追加設置
する必要がありCCプラント全体としての経済性が低下
したり、単独運転のニーズが有るにも係わらず、実現出
来ないと言う問題点があった。
【0009】本発明は、蒸気冷却を行うガスタービンを
備えるCCプラントにおいて、ボトミング系(ボイラ、
蒸気タービン等のシステム)が稼動していない時でも空
気冷却を用いたガスタービンの単独運転が可能なガスタ
ービンのハイブリッド燃焼器を提供することを課題とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は上記の課
題を解決するためになされたものであって、請求項1の
発明は、燃焼器・尾筒を内壁と外壁の二重壁構造で構成
して同内壁と外壁との間の空間に冷却媒体通路を設け、
同燃焼器・尾筒の上部に同燃焼器・尾筒の内部と前記冷
却媒体通路とを連通するフィルム冷却穴を設け、前記内
壁と外壁との間の空間を塞ぐ切替えリングを前記内壁と
外壁の上流側端部に取付けてなり、前記切替えリングは
前記空間内へ延在し前記フィルム冷却穴を閉塞する環状
突起部材を有するものと有しないものとが選択的に取付
けられたこと特徴とするハイブリッド燃焼器を提供する
ものである。
【0011】すなわち請求項1の発明によれば、フィル
ム冷却穴を閉塞する環状突起部材を有する切替えリング
を取付け、冷媒体を燃焼器内へ放出せず冷却媒体通路か
らの対流冷却を行うことと、フィルム冷却穴を閉塞する
環状突起部材を有しない切替えリングを取付け、冷却媒
体通路からの対流冷却とフィルム冷却穴から燃焼器内へ
送り込まれる冷却媒体によるフィルム冷却を共に行うこ
ととを、切り換えることができる。
【0012】(2)また、請求項2の発明は、請求項1
に記載のハイブリッド燃焼器において、前記冷却媒体通
路は、冷却器とコンプレッサを経由した冷却空気の供給
源と、冷却蒸気の供給源とに選択的に連通するものであ
ることを特徴とするハイブリッド燃焼器を提供するもの
である。
【0013】すなわち請求項2の発明によれば、請求項
1の発明の作用に加え、フィルム冷却穴を閉塞する環状
突起部材を有する切替えリングを取付け、冷却蒸気を冷
却媒体通路に送り込み蒸気を燃焼器内へ放出せず蒸気冷
却を行うことと、フィルム冷却穴を閉塞する環状突起部
材を有しない切替えリングを取付け、冷却器とコンプレ
ッサを経由した加圧冷却空気により冷却媒体通路からの
対流冷却とフィルム冷却穴から燃焼器内へ送り込まれる
加圧冷却空気によるフィルム冷却を共に行うこととを、
切り換えることができる。
【0014】(3)請求項3の発明は、燃焼器・尾筒を
内壁と外壁の二重壁構造で構成して同内壁と外壁との間
の空間に冷却蒸気通路を設け、同内壁と外壁とを貫通し
て同内壁の内側と同外壁の外側を連通し且つ前記冷却蒸
気通路とは連通しないフィルム冷却穴を群または個別に
互い違いに配置して設けてなることを特徴とするハイブ
リッド燃焼器を提供するものである。
【0015】すなわち請求項3の発明によれば、燃焼器
と尾筒の外側の車室空気が互い違いに配置されたフィル
ム冷却穴から燃焼器内へ送り込まれれ、冷却空気として
フィルムを行うので、一定負荷までのガスタービンの単
独運転または起動運転では冷却蒸気無しの空気冷却方式
で運転でき、一定負荷以上の高負荷運転では冷却蒸気通
路に蒸気を送り込み蒸気冷却方式を併用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1および図2にもとづき、本発
明の実施の第1形態にかかるガスタービンのハイブリッ
ド燃焼器を説明する。なお、前記した従来のものと同一
部分については、図1,図2においても同一の符号を付
して示し、相互の関連を明確にして本実施の形態の理解
を容易にするとともに、説明を省略する。このことは後
述の他の実施の形態においても同様である。
【0017】図1はハイブリッド燃焼器の要部説明図、
図2は、図1中A部の詳細断面説明図であり、図2
(a)は蒸気冷却時、図2(b)は空気冷却時のもので
ある。
【0018】本実施の第1形態のハイブリッド燃焼器
は、蒸気冷却方式と、空気冷却方式とを切替える事を可
能にしたものである。空気冷却時にはガスタービン車室
11より冷却空気10が抽気され、冷却器12で冷却さ
れた後、外部コンプレッサ13により昇圧され、切換弁
14bを経由して、燃焼器・尾筒2の内壁2aと外壁2
bとの間に設けられた対流冷却通路15に導かれる。
【0019】この冷却空気10により燃焼器・尾筒2を
内面から冷却し、冷却空気10は切換弁16bを経由し
てガスタービン車室11に戻る。一方、燃焼器・尾筒2
上部の内壁2aに設けられたフィルム冷却穴17から冷
却空気10の一部を噴出することにより、燃焼ゾーン9
から燃焼器・尾筒2の内壁2aに受ける燃焼熱負荷によ
る金属表面温度上昇を内壁2aの金属の内周面、外周面
の両方から冷却する事により許容温度以下に抑える構造
となっている。
【0020】この場合、燃焼器・尾筒2の上端には、図
2(b)に示すように、空気冷却用の切換リング18b
が燃焼器・尾筒2の内壁2aと外壁2bとの間の空間の
対流冷却通路15の端部を塞ぐように取付けボルト19
で取付けられている。
【0021】空気冷却用の切換リング18bには下側に
環状突起18b’が内壁と外壁2bとの間の空間に延在
するように設けられ、内壁2aの外周面と当接している
が突起高さLbは、フィルム冷却穴17を塞がない範囲
としている。したがって冷却空気10はフィルム冷却穴
17を通って噴出し燃焼器・尾筒2の内壁の内周面をフ
ィルム冷却できる。
【0022】逆に空気冷却方式から蒸気冷却方式に切替
える場合は、図2(a)に示す様に、蒸気冷却用の切換
リング18aを空気冷却用の切換リング18bに代えて
取付ける。
【0023】蒸気冷却用の切換リング18aの環状突起
18a’の突起高さLaはフィルム冷却穴18の全てを
塞ぐものに設定されており、対流冷却通路15と燃焼器
・尾筒2内部とは完全に仕切られる。
【0024】ここにおいて、切換弁14b,16bを閉
じ、切換弁14a,16aを開き、CCプラントのHR
SG21から切換弁14aを介して冷却蒸気20を導入
し、対流冷却通路15を通して燃焼器・尾筒2を冷却し
た後切換弁16aを介して図示しない蒸気タービンへ戻
す。冷却蒸気は燃焼器・尾筒2内へ流入することなく、
通常の蒸気冷却方式ガスタービンと同じく閉ループを構
成することができる。
【0025】このように、切換リング18a,18bに
2種類のものを準備することにより、フィルム冷却穴1
7をその運用モードにより塞いだり開放させたりして、
空気冷却方式と蒸気冷却方式の切替構造となっている。
なお、この切換リング18a,18bはボルト穴19’
が設けてあって燃焼器・尾筒2の上端部に取付けボルト
19により強固に取付けられており差し込み構造となっ
ている為、冷却蒸気20、冷却空気10のどちらの冷却
媒体においても外部と完全にシールする事が可能であ
る。
【0026】以上述べた本発明の実施の第1形態は、蒸
気冷却・空気冷却切替式のハイブリッド燃焼器となって
おり、蒸気冷却方式から空気冷却方式に切替える場合、
予め外部コンプレッサ13を設置し、ガスタービン車室
11空気を抽気して一旦冷却器12で冷却しこの外部コ
ンプレッサ13に冷却空気10を導き昇圧する。
【0027】昇圧された冷却空気10は、従来の蒸気冷
却通路である対流冷却通路15に導入され、対流冷却に
より燃焼器・尾筒2内面を冷却し、一部はガスタービン
車室11へと戻る。他の一部は、燃焼器・尾筒2上部内
面に開いたフィルム冷却穴17から冷却空気10を噴出
し燃焼器・尾筒2の内壁2aの内周面を強烈に冷却す
る。
【0028】一方空気冷却方式から蒸気冷却方式に切替
える場合、燃焼器・尾筒2上部から切換リング18aを
挿入し、このフィルム冷却穴17を塞ぎ切換弁14aに
よりHRSG21より冷却蒸気20を対流冷却通路15
に導入し燃焼器・尾筒2内面を冷却する。
【0029】冷却媒体が蒸気であれば空気の場合に較べ
熱伝達率が10倍程度高く、対流冷却のみで必要冷却熱
負荷を吸収する事ができる。一方、前述の空気の場合
は、対流冷却とフィルム冷却を組み合せて必要冷却負荷
を吸収するものである。
【0030】すなわち、冷却器12、外部コンプレッサ
13を設置するだけで、ガスタービン単独運転、CC運
転の両方を可能にし、追加付帯設備を極端に減らす事が
出来る。又、図5で示したノズル部1を一旦燃焼器・尾
筒2から取外し、図1,図2に示す切換リング18a又
は18bを取付ける事により、簡単に単独運転モードと
CC運転モードを切り替える事が可能で、切替えに要す
るガスタービンの停止期間が数日になり、停止期間を大
幅に短縮する事ができる為、大きな経済効果が得られ
る。
【0031】次に図3,図4にもとづき実施の第2形態
に係るガスタービンのハイブリッド燃焼器を説明する。
図3はハイブリッド燃焼器の要部説明図、図4は図3中
B部の詳細断面説明図である。
【0032】本実施の第2形態のハイブリッド燃焼器
は、蒸気冷却方式と空気冷却方式とを併用することがで
きるものである。冷却蒸気20は、HRSG21より供
給され、冷却蒸気入口22に導かれる。その後冷却蒸気
通路24を通り燃焼器の上・下流に流れ、燃焼器・尾筒
2全体を均一に冷却した後冷却蒸気出口23から図示し
ない蒸気タービンへと回収される。
【0033】一方、冷却空気としては車室空気10’が
用いられ、車室からフィルム冷却穴27群を通り燃焼器
・尾筒2の内壁2aの内周面を冷却し、金属表面温度の
上昇を許容温度以下に抑える構造となっている。
【0034】又、フィルム冷却穴27群は、上流から下
流に向って交互となるように千鳥配列とし、冷却蒸気通
路24部分のの内壁面も含め燃焼器・尾筒2の内壁2a
の内周面を均一に冷却する事を前提とした冷却穴27配
置としている。なお、フィルム冷却穴27は群としてで
なく個々に交互となるように千鳥配列で設けてもよい。
【0035】図4に示すように、燃焼器・尾筒2の外壁
2b、すなわち外側シエルは、プレス等により曲げ加工
され、内壁2a、すなわち内側シエルに拡散接合又は溶
接接合等により接合されている。フィルム冷却穴27は
レーザ加工等により内壁2aの下流方向へ向けて斜めに
明けられ、外壁2b、内壁2aを貫通し且つ冷却蒸気通
路とは連通しない構造となっており、外壁2bの外側の
車室空気10’の一部をフィルム冷却用の冷却空気とし
て使用する事が可能である。
【0036】以上述べた本発明の実施の第2形態は、蒸
気冷却・空気冷却併用式のハイブリッド燃焼器となって
おり、フィルム冷却穴27から車室空気10’が内壁2
aの内周面に沿うように流入し、上流側と下流側のフィ
ルム冷却穴群12は互いに千鳥配列としているので、上
流側のフィルム冷却空気が下流側蒸気冷却通路13の内
壁2a面迄をカバーする様に強烈に冷却する。
【0037】高負荷領域では、蒸気冷却も併用すること
とし、冷却蒸気入口22から冷却蒸気20から冷却蒸気
通路24に導入され、空気冷却と蒸気冷却が同時に行わ
れる。
【0038】したがって、ハイブリッド燃焼器の冷却空
気量は、従来の空気冷却のみを行う燃焼器に較べ大幅に
低減する事が可能であり、高い燃焼温度を維持し高効
率、低NOX 化を達成することができる。
【0039】また、ガスタービンの起動途中は、フィム
ル冷却空気が燃焼器・尾筒2の内側を常時冷却する為、
冷却蒸気用の補助ボイラを設置する必要が無い。すなわ
ち、冷却蒸気20の供給は、高負荷領域に限定される
為、起動からある負荷帯迄の冷却蒸気供給用として補助
ボイラを置く必要はなく、ボトミング系の自缶蒸気で冷
却蒸気20を賄える為、経済効果は大きい。又ガスター
ビン単独運転の要求に対してもある負荷帯迄であれば追
加付帯設備(補助ボイラ、コンデンサ、復水ポンプ等)
無しに運用する事が可能であり、その経済効果は大き
い。
【0040】以上本発明の実施の形態を説明したが、上
記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲
内でその具体的構造に種々の変更を加えてもよいことは
言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】(1)以上、請求項1の発明によれば、
ハイブリッド燃焼器を、燃焼器・尾筒を内壁と外壁の二
重壁構造で構成して同内壁と外壁との間の空間に冷却媒
体通路を設け、同燃焼器・尾筒の上部に同燃焼器・尾筒
の内部と前記冷却媒体通路とを連通するフィルム冷却穴
を設け、前記内壁と外壁との間の空間を塞ぐ切替えリン
グを前記内壁と外壁の上流側端部に取付けてなり、前記
切替えリングは前記空間内へ延在し前記フィルム冷却穴
を閉塞する環状突起部材を有するものと有しないものと
が選択的に取付けられたように構成したので、冷却媒体
を燃焼器内へ放出せず冷却媒体の通路からの対流冷却を
行うことと、冷却媒体通路からの対流冷却とフィルム冷
却穴から燃焼器内へ送り込まれる冷却媒体によるフィル
ム冷却を共に行うこととを、切り換えることができるた
め、通常は燃焼器内へ冷却蒸気の放出を行わず、対流冷
却を行う蒸気冷却方式を採用し、ガスタービン単独運転
の場合はフィルム冷却も行うように切り換え、空気冷却
でも対流冷却とフィルム冷却とを共に行って、蒸気冷却
と同等の冷却効果が得られるものである。
【0042】このため、蒸気冷却方式のガスタービンに
よるCCプラントでのHRSG等ボトミング系のメンテ
ナンス時等のガスタービン単独運転への切り換えが、冷
却蒸気用の補助ボイラ等なしで可能かつ容易となり、ま
たガスタービン単独先行運開のニーズにも容易に対応で
きる。また、ガスタービン単独運転のための付帯設備は
大幅に軽減されるものである。
【0043】(2)また、請求項2の発明によれば、ハ
イブリッド燃焼器を、請求項1に記載のハイブリッド燃
焼器において、前記冷却媒体通路は、冷却器とコンプレ
ッサを経由した冷却空気の供給源と、冷却蒸気の供給源
とに選択的に連通するものであるように構成したので、
請求項1の発明の効果に加え、冷却蒸気を冷却媒体通路
に送り込み蒸気を燃焼器内へ放出せず蒸気冷却を行うこ
とと、冷却器とコンプレッサを経由しより低温の加圧冷
却空気により冷却媒体通路からの対流冷却と加圧冷却空
気によるフィルム冷却を共に行うこととができるため、
蒸気冷却時の効率が確保されると共に、ガスタービン単
独運転時には補助ボイラ等の大きな付帯設備なしで冷却
効果が高い空気冷却でガスタービン単独運転が確保でき
る。
【0044】(3)請求項3の発明によれば、ハイブリ
ッド燃焼器を、燃焼器・尾筒を内壁と外壁の二重壁構造
で構成して同内壁と外壁との間の空間に冷却蒸気通路を
設け、同内壁と外壁とを貫通して同内壁の内側と同外壁
の外側を連通し且つ前記冷却蒸気通路とは連通しないフ
ィルム冷却穴を群または個別に互い違いに配置して設け
てなるように構成したので、燃焼器と尾筒の外側の車室
空気が互い違いに配置されたフィルム冷却穴から燃焼器
内へ送り込まれれ、冷却空気としてフィルムを行うこと
により燃焼炉内の下流側までを広くカバーして冷却する
ため、一定負荷までのガスタービンの単独運転または起
動運転では冷却蒸気なしで空気冷却方式で運転でき、一
定負荷以上の高負荷運転では冷却蒸気の通路に蒸気を送
り込み蒸気冷却方式を併用して効果的な冷却をおこなう
ことができる。
【0045】このため、空気冷却のみを行うガスタービ
ン燃焼器に比べ燃焼器に放出される冷却空気量が低減し
高い燃焼効率と低NOxが達成で、また、ガスタービン
の起動時は空気冷却によることができ、ある程度までの
ガスタービン単独運転の要求に対しても空気冷却で運転
できるので、補助ボイラ等の附帯設備を不要とすること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るハイブリッド燃
焼器の要部説明図である。
【図2】図1中A部の詳細断面説明図である。
【図3】本発明の実施の第2形態に係るハイブリッド燃
焼器の要部説明図である。
【図4】図3中B部の詳細断面説明図である。
【図5】従来の蒸気冷却式ガスタービン燃焼器の縦断面
図である。
【符号の説明】
1 ノズル部 2 燃焼器・尾筒 9 燃焼ゾーン 10 冷却空気 10’ 車室空気 11 ガスタービン車室 12 冷却器 13 外部コンプレッサ 14a,14b 切換弁 15 対流冷却通路 16a,16b 切換弁 17 フィルム冷却孔 18a,18b 切換リング 18a’,18b’ 環状突起 19 取付ボルト 20 冷却蒸気 21 HRSG 22 冷却蒸気入口 23 冷却蒸気出口 24 冷却蒸気通路 27 フィルム冷却穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G081 BA02 BA11 BB00 BC06 BC07 BD00 DA23 3K052 AA06 AA08 AB04 AB14 GA06 GA08 GB04 GC01 GC05 GE01 KA01 KA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼器・尾筒を内壁と外壁の二重壁構造
    で構成して同内壁と外壁との間の空間に冷却媒体通路を
    設け、同燃焼器・尾筒の上部に同燃焼器・尾筒の内部と
    前記冷却媒体通路とを連通するフィルム冷却穴を設け、
    前記内壁と外壁との間の空間を塞ぐ切替えリングを前記
    内壁と外壁の上流側端部に取付けてなり、前記切替えリ
    ングは前記空間内へ延在し前記フィルム冷却穴を閉塞す
    る環状突起部材を有するものと有しないものとが選択的
    に取付けられたことを特徴とするハイブリッド燃焼器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のハイブリッド燃焼器に
    おいて、前記冷却媒体通路は、冷却器とコンプレッサを
    経由した冷却空気の供給源と、冷却蒸気の供給源とに選
    択的に連通するものであることを特徴とするハイブリッ
    ド燃焼器。
  3. 【請求項3】 燃焼器・尾筒を内壁と外壁の二重壁構造
    で構成して同内壁と外壁との間の空間に冷却蒸気通路を
    設け、同内壁と外壁とを貫通して同内壁の内側と同外壁
    の外側を連通し且つ前記冷却蒸気通路とは連通しないフ
    ィルム冷却穴を群または個別に互い違いに配置して設け
    てなることを特徴とするハイブリッド燃焼器。
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