JP2000264899A - ステロイド外用剤 - Google Patents

ステロイド外用剤

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JP2000264899A
JP2000264899A JP2000004764A JP2000004764A JP2000264899A JP 2000264899 A JP2000264899 A JP 2000264899A JP 2000004764 A JP2000004764 A JP 2000004764A JP 2000004764 A JP2000004764 A JP 2000004764A JP 2000264899 A JP2000264899 A JP 2000264899A
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ointment
steroid
mass
castor oil
hydrogenated castor
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JP2000004764A
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English (en)
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Toru Nakamura
亨 中村
Yukiko Fujimaru
由紀子 藤丸
Shigeo Tanaka
重男 田中
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Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解性および乳化安定性に優れるステロイド
化合物を有効成分とする外用剤および軟膏剤を提供す
る。 【解決手段】 式(I)で表される21−アルコキシ
ステロイド化合物、プロピレンカーボネートおよびポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油とを含有するステロイド外
用剤である。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4個のアルキル基またはメチ
ルチオメチル基を示し、R2は、炭素数2〜7個のアル
カノイル基を示し、波線は、α配位またはβ配位である
ことを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定構造の21−
アルコキシステロイド化合物を有効成分とするステロイ
ド外用剤に関し、より詳細には、基剤中での分散性およ
び乳化安定性に優れる21−アルコキシステロイド外用
剤に関する。また、本発明は該ステロイド外用剤を含有
する軟膏剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、炎症性皮膚疾患、喘息アレルギー疾患、リウマチ
性疾患の予防、治療、処置などを目的に、副腎皮質ホル
モン剤としての各種コルチコステロイドが使用されてい
る。このようなステロイドは、目的とする疾患に応じた
各種の開発がなされており、例えば、特開平3−680
39号公報には、局所投与に際して強力な抗炎症作用を
有するステロイド化合物である21−アルコキシステロ
イド化合物が開示されている。
【0003】一方、ステロイド化合物の局所投与方法と
しては、軟膏剤、水性ゲル剤、ローション剤、クリーム
剤、パウダー、スプレー、テープ剤などがある。ここ
に、油脂性基剤を用いるステロイド外用剤は、皮膚が湿
潤、乾燥している場合に多用され、基剤に白色ワセリン
等を用いるために皮膚に対する刺激が少ない利点があ
る。また、乳剤性基剤が用いられるクリームは病巣が皮
膚に湿潤している場合に多用され、外観が美しく可洗性
である利点もある。しかしながらこれらステロイド外用
剤の選択は、上記安全性や疾患部位の性状等に加え、有
効成分が最も有効にその薬理作用を奏しかつ長期にわた
り安定であることが、薬効および保存性の観点から必要
とされる。
【0004】例えば、低級アルコールは揮発性に優れる
ため、使用後に基剤中に配合された低級アルコールが揮
散すると有効成分が結晶となって析出し、薬効成分の経
皮吸収が妨げられるおそれがある。その一方、経皮吸収
剤の配合によって薬効成分の経皮吸収を向上させようと
すると、多量の経皮吸収促進剤の添加が必要となり、経
皮吸収促進剤の皮膚に対する刺激性などの安全性面から
問題がある。一般に、高い薬効を得るには有効成分を基
剤に溶解することが好ましいが、基剤からの有効成分の
放出性を確保するためには薬剤放出性に影響を与えない
程度の溶解性が求められ、即ち、基剤中の薬剤放出性と
溶解性とのバランスが必要となる。
【0005】ここに21−アルコキシステロイド化合物
は、臨床上各種の皮膚疾患、例えば急性湿疹、慢性湿
疹、脂漏性湿疹、アトピー性皮膚炎、小児湿疹、接触皮
膚炎、尋常性乾癬等の治療に用いることができる。かか
る用途に使用するには、外用塗布剤とすることが好まし
く、軟膏剤、液剤、乳剤等とすることが好ましい。
【0006】しかしながら、21−アルコキシステロイ
ド化合物は難溶性であるため、その薬理作用を有効に奏
するために溶解型とすることは困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、21−アル
コキシステロイド化合物と各種の軟膏基剤について鋭意
研究を重ねた結果、プロピレンカーボネートに界面活性
剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を配合したと
ころ、極めて溶解性および薬剤放出性に優れる軟膏剤が
得られることを見いだし、本発明を完成させたのであ
る。
【0008】即ち、本発明は下記(1)〜(8)を提供
するものである。
【0009】(1) 式(I)で表される21−アルコ
キシステロイド化合物、プロピレンカーボネートおよび
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とを含有するステロイ
ド外用剤。
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1は炭素数1〜4個のアルキル
基またはメチルチオメチル基を示し、R2は、炭素数2
〜7個のアルカノイル基を示し、波線は、α配位または
β配位であることを示す。) (2) 該ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、オキシ
エチレン単位を10〜60繰り返すものであることを特
徴とする上記(1)記載のステロイド外用剤。
【0012】(3) 該21−アルコキシステロイド化
合物の含有量が0.01〜1質量%であることを特徴と
する上記(1)または(2)記載のステロイド外用剤。
【0013】(4) 該プロピレンカーボネートを1〜
5質量%、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.
01〜3質量%含有することを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のステロイド外用剤。
【0014】(5) 上記(1)〜(4)記載のステロ
イド外用剤を含有するステロイド軟膏剤。
【0015】(6) 下記式(I)で表される21−ア
ルコキシステロイド化合物を温度40〜100℃のプロ
ピレンカーボネートを含有する液体基剤に溶解し、次い
でポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と共に溶解した固体
基剤を含有する軟膏基剤に混合して得られるステロイド
軟膏剤。
【0016】
【化5】
【0017】(7) 該21−アルコキシステロイド化
合物の含有量が軟膏剤中に0.01〜1質量%、前記プ
ロピレンカーボネートが軟膏剤中に1〜5質量%、およ
び前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が軟膏剤中に
0.01〜3質量%であることを特徴とする上記(6)
記載のステロイド軟膏剤。
【0018】(8) 該21−アルコキシステロイド化
合物が、式(II)で表されるアメロメタゾンであるこ
とを特徴とする上記(7)記載のステロイド軟膏剤。
【0019】
【化6】
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、難溶性の21−アルコ
キシステロイド化合物を溶解型とすることにより、配合
量が少なくても優れた局所抗炎症作用が得られるステロ
イド軟膏剤である。かかる難溶性の化合物の溶解剤とし
て各種の基剤を検討した結果、プロピレンカーボネート
が極めて優れた溶解剤となり得ること、および軟膏基剤
中での乳化安定性の観点から各種界面活性剤を検討した
結果、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を界面活性剤と
して配合すると、優れた乳化安定性が得られることを見
いだしたものである。しかも両者の配合により乳化安定
性に優れるばかりでなく、速やかな薬効の発揮、および
持続した薬効が得られることが判明したのである。この
様なことは単に軟膏基剤を配合するのみでは得られない
優れた効果である。しかも、軟膏基剤に配合した化合物
量が少なくても十分な局所抗炎症効果が得れるため、配
合量を少なくすることができるのである。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0021】(1)21−アルコキシステロイド化合物 本発明の21−アルコキシステロイド化合物は、上記式
(I)で表される化合物である。式(I)において、R
1のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
プロピル基等がある。R2のアルカノイル基としては、
直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を有するアルカノイ
ル基、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基など
がある。R 2としては、特に炭素数2〜4個のアルカノ
イル基が好ましい。本発明で使用する21−アルコキシ
ステロイド化合物としては、R2がアセチル基、プロピ
オニル基またはブチリル基である化合物が好ましい。近
縁のステロイド化合物であるベータメサゾン21−メト
キシド、ベータメサゾン17−バレレート等に比して、
特に優れた局所抗炎症作用を有するからである。特には
上記(II)で示される、R1がメチル基であり、R2
アセチル基である化合物(以下、この化合物を「アメロ
メタゾン」という。)が好ましい。血管収縮作用が、穏
和でかつ長期に持続できること、および希釈軟膏剤を調
製した場合にも優れた血管収縮作用を奏するからであ
る。
【0022】なお、上記21−アルコキシステロイド化
合物の製造方法については特に制限はないが、例えば、
特公平3−68039号公報に記載の方法で製造するこ
とができる。
【0023】(2)軟膏基剤 本発明のステロイド外用剤およびステロイド軟膏剤に使
用しうる軟膏基剤としては、液体基剤成分、固体基剤成
分を使用することができる。
【0024】(a)液体基剤成分 本明細書では、液体基剤成分とは常温で液体の基剤をい
う。本発明では、軟膏基剤成分として液体基剤成分を使
用することができ、例えばプロピレンカーボネートがあ
る。本発明では、特にプロピレンカーボネートを使用す
ることが特徴である。プロピレンカーボネートによれ
ば、難溶性の21−アルコキシステロイド化合物を容易
に溶解型にすることができるからである。しかも軟膏基
剤として皮膚に対する刺激性が少ない点でも優れてい
る。更に、プロピレンカーボネートを21−アルコキシ
ステロイド化合物の軟膏基剤として使用すると、基剤か
らの21−アルコキシステロイド化合物の放出に優れ、
局所抗炎症剤の軟膏基剤として極めて優れているからで
ある。
【0025】本発明では、軟膏基剤成分としてプロピレ
ンカーボネートを配合することを必須の要件とするが、
軟膏の特性を失わない限り他の液体基剤の1種または2
種以上を配合してもよい。これらの組み合わせの中で
も、プロピレングリコールとプロピレンカーボネートと
の組み合わせが好ましく、更に流動パラフィンを配合し
たものも好ましい。プロピレングリコールはプロピレン
カーボネートとの親和性に優れる他、保湿効果を有する
からである。 (b)固体基剤成分 本明細書において固体基剤成分とは、常温で固体の基剤
をいう。
【0026】本発明で使用できる固体基剤としては、常
温で固体であれば特に制限はない。例えば、固形トリグ
リセライド、固形脂肪酸エステル、固形炭化水素などを
使用することができる。固体基剤としてのトリグリセラ
イドとしては、カカオ脂、パーム脂、パーム核油、モク
ロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、硬化油、硬化ヒマシ油、ラ
ノリン脂肪酸トリグリセライド等が挙げられる。固体基
剤としての脂肪酸エステルは、ミツロウ、カルナウバロ
ウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、硬質ラノリン、
カンデリラロウ、セレシン等が挙げられる。固体基剤と
しての炭化水素は、白色ワセリン、黄色ワセリン、パラ
フィン、固形パラフィン、オゾケライト、セレシン、マ
イクロクリスタリンワックス、ポリエチレン粉末等が挙
げられるが、医薬用ステロイド外用剤や化粧料に用いら
れるものであれば問題ない。本発明では、これら固体基
剤を上記液体基剤と共に配合する。本発明では固体基剤
として白色ワセリン、固形パラフィン、セレシンを使用
することが好ましい。
【0027】(c)界面活性剤 本発明のステロイド軟膏剤は、界面活性剤としてポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油を含有することを特徴とす
る。プロピレンカーボネートとの親和性に特に優れるか
らである。このため、難溶性の21−アルコキシステロ
イド化合物を溶解したプロピレンカーボネート液を固体
基剤と混合した場合にも、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油が極めて優れた乳化作用を奏し、極めて優れた乳化
安定性を有するステロイド軟膏剤を得ることができるか
らである。本発明では、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油の中でも、オキシエチレン単位を10〜60繰り返す
ものが好ましく、特にはオキシエチレン単位を20〜5
0特には20繰り返すものである。この範囲で特に優れ
た乳化安定性を得ることができ、ステロイド軟膏剤から
の有効成分21−アルコキシステロイド化合物の放出が
極めて効率的に行われるからである。即ち、かかるポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油を使用することにより、2
1−アルコキシステロイドの速やかかつ持続的な薬効の
発揮が期待できるのである。
【0028】本発明では、界面活性剤としてポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油の他に、他の界面活性剤の1種ま
たは2種以上を併用することもできる。例えば、非イオ
ン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等がある。ま
た、アニオン系界面活性剤としては、直鎖または分岐鎖
のアルキルベンゼンスルホン酸塩、直鎖または分岐鎖の
アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル基
またはアルケニル基を有するアルキルまたはアルケニル
硫酸塩、アルキル基またはアルケニル基を含有するリン
酸モノマーまたはジエステル型界面活性剤等がある。更
に、両性イオン界面活性剤としては、アルキル基、アル
ケニル基またはアシル基を有するイミダゾリン系両性界
面活性剤、カルボベタイン系、アミドベタイン系、スル
ホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドス
ルホベタイン系等の両性界面活性剤がある。
【0029】(3)ステロイド外用剤 本発明のステロイド外用剤は、上記式(I)で表される
21−アルコキシステロイド化合物、プロピレンカーボ
ネートおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とを含有
することを特徴とする。ステロイド外用剤を用いて得ら
れる剤型としては、軟膏剤、水性ゲル軟膏、ローション
剤、クリーム剤、パウダー、スプレー、テープ剤などが
あり、本発明ではこれらの中でも軟膏剤、ローション
剤、クリーム剤であることが好ましく、特に好ましくは
軟膏剤である。軟膏剤、ローション剤、クリーム剤のい
ずれにおいても、プロピレンカーボネートおよびポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油とを配合することにより難溶
性の21−アルコキシステロイド化合物が溶解型とする
ことができ、21−アルコキシステロイド化合物の薬理
作用を速やかに奏しかつ安定性に優れるステロイド外用
剤とすることができるからである。
【0030】(4)ステロイド軟膏剤 本発明では、上記ステロイド外用剤を用いて軟膏剤を調
製することができる。本発明のステロイド軟膏剤は、固
形基剤中にプロピレンカーボネート、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油とを含有することを特徴とし、前記プロ
ピレンカーボネートを該軟膏剤中に1〜5質量%含有す
ることが好ましく、より好ましくは1.5〜3.5質量
%である。また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は軟
膏剤中に0.01〜3質量%含有することが好ましく、
より好ましくは0.05〜2質量%である。両者がこの
範囲で存在すれば基剤中で21−アルコキシステロイド
化合物の優れた乳化安定性を確保することができるから
である。
【0031】また、21−アルコキシステロイド化合物
は軟膏剤中に0.01〜1質量%含有することが好まし
く、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。本
発明で使用する21−アルコキシステロイド化合物は、
化合物自体が優れた局所抗炎症作用を奏すると共に、プ
ロピレンカーボネート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油および固体軟膏基剤との組み合わせにより軟膏基剤か
らの放出が容易であり、上記範囲で極めて優れた局所抗
炎症作用が得られるからである。
【0032】このようなステイド軟膏の調製方法として
は、特に制限はないが、溶解型のステロイド軟膏剤とす
るには、上記式(I)で表される21−アルコキシステ
ロイド化合物を温度40〜100℃、より好ましくは温
度40〜80℃のプロピレンカーボネートを含有する液
体基剤に溶解し、次いでポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油と共に溶解した固体基剤を含有する軟膏基剤に混合す
ることが好ましい。この際、プロピレンカーボネートと
共に上記した他の液体基剤を1種以上混合してもよい。
このような液体基剤としてはプロピレングリコールが例
示できる。プロピレングリコールの使用量も特に制限は
無いが、添加する場合にはプロピレンカーボネート1質
量部に対して0.1〜20質量部、より好ましくは0.
5〜10質量部の範囲で混合することが好ましい。プロ
ピレングリコールの添加によって液体基剤の含有量を高
め、軟膏基剤の軟度を容易に調整することができるから
である。
【0033】本発明では、次いで得られた21−アルコ
キシステロイド化合物と少なくともプロピレンカーボネ
ートを含有する液体基剤との混合物を加温して溶解した
固形基剤と混合する。この際、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油を添加する。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
が乳化剤として作用し、溶解型の21−アルコキシステ
ロイド化合物を軟膏基剤中に容易に均一に乳化させるこ
とができるからである。
【0034】なお、難溶性の21−アルコキシステロイ
ド化合物を溶解型のステロイド軟膏剤とし得る点で、本
発明は、上記式(I)で表される21−アルコキシステ
ロイド化合物を温度40〜100℃のプロピレンカーボ
ネートを含有する液体基剤に溶解し、次いでポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油と共に溶解した固体基剤を含有す
る軟膏基剤に混合することを特徴とする、21−アルコ
キシステロイド化合物の溶解化方法ともいえるものであ
る。
【0035】上記調製方法によるステロイド軟膏剤とし
ては、前記21−アルコキシステロイド化合物の含有量
が軟膏剤中に0.01〜1質量%、前記プロピレンカー
ボネートが軟膏剤中に1〜5質量%、および前記ポリオ
キシエチレン硬化ヒマシ油が軟膏剤中に0.01〜3質
量%であることが好ましい。この範囲であれば、1日1
回から数回、適量を皮膚に塗布して使用する際に、経時
的に安定した局所抗炎症作用を奏することができるから
である。このような、21−アルコキシステロイド化合
物としては、上記式(II)で表されるアメロメタゾン
であることが好ましい。
【0036】本発明のステロイド軟膏剤は、前記成分に
加えて必要に応じて酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、
香料等を適宜配合することができる。また本発明のステ
ロイド軟膏剤には、抗生物質、抗ヒスタミン剤、殺菌
剤、ビタミン類を1つ以上組み合わせて配合してもよ
い。
【0037】本発明のステロイド軟膏剤は、上記基剤や
界面活性剤を通常の軟膏製造方法に即して配合、混和な
どすれば製造することができる。
【0038】本発明のステロイド軟膏剤は、1日1回か
ら数回、適量を皮膚に塗布して使用する。本発明のステ
ロイド軟膏剤は、経時的に安定した局所抗炎症作用を奏
するため、使用部位を問わず使用することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0040】(実施例1)下記表1に示す配合量でアメ
ロメタゾンをプロピレンカーボネート、ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油等を配合し、軟膏剤を調製した。ま
ず、アメロメタゾンを予めプロピレングリコールおよび
プロピレンカーボネート混液に温度60〜80℃で加温
溶解させ、約80℃にて溶解した白色ワセリン、流動パ
ラフィン中にポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油
とともに添加した。攪拌しながら約32℃まで基剤を徐
々に冷却し、試料を得た。(処方1)
【0041】
【表1】
【0042】(実施例2)実施例1のポリオキシエチレ
ン(20)硬化ヒマシ油の配合量を0.025gとし、
同様の製法にて軟膏剤を得た。(処方2) (実施例3)実施例1のポリオキシエチレン(20)硬
化ヒマシ油の配合量を0.1gとし、同様の製法にて軟
膏剤を得た。(処方3) (実施例4)実施例1のポリオキシエチレン(20)硬
化ヒマシ油をポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油
に変え、同様の製法にて軟膏剤を得た(処方4)。
【0043】(実施例5)実施例4のポリオキシエチレ
ン(60)硬化ヒマシ油の配合量を0.1gとし同様の
製法にて軟膏剤を得た(処方5)。
【0044】(比較例1)実施例1のポリオキシエチレ
ン(20)硬化ヒマシ油をポリグリセリン脂肪酸エステ
ルに変え、同様の製法にて軟膏剤を得た(処方6)。
【0045】(比較例2)実施例1のポリオキシエチレ
ン(20)硬化ヒマシ油をポリエチレングリコール脂肪
酸エステルに変え、同様の製法にて軟膏剤を得た(処方
7)。
【0046】(試験例1:乳化安定性試験)下記表2に
示す配合量でアメロメタゾンをプロピレンカーボネー
ト、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とを配合した乳液
を調製した。まず、アメロメタゾンをプロピレングリコ
ール・プロピレンカーボネート(2:3)混液に予め溶
解させた。次に、流動パラフィンとポリオキシエチレン
(20)硬化ヒマシ油を加温混合後、プロピレングリコ
ール・プロピレンカーボネート混液(混合比2:3)を
添加し、十分に撹拌して試料を得た。これを試験溶液1
とする。これをミキサーにて一定時間撹拌し、均一な乳
化エマルションを得た後、室温にて放置した。30分、
60分および1日後の分離の程度は、分離量を試験管中
で経時的に肉眼観察した。なお、試験管中の検体量は1
0mlとした。結果を表3に示す。
【0047】また、上記と同様にして表2に示す配合割
合で試験溶液2から比較試験溶液1〜5を調製し、乳化
安定性について試験を行った。結果を表3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】(試験例2:効力試験)実施例1〜5、お
よび比較例1、2の軟膏剤における21−アルコキシス
テロイド化合物の効力を血管収縮作用にて評価した。健
常男性20名の前腕内側に上記軟膏剤を約4時間塗布
し、試料除去後の血管収縮作用を蒼白化現象として評価
判定した。
【0051】尚、判定基準は全く無反応を(−)、わず
かな蒼白化を(±)、蒼白化を(+)、著しい蒼白化を
(++)とし、−:0点、±:1点、+:2点、++:
3点としてスコア化した。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】(1)本発明では、プロピレンカーボネ
ートを溶解基剤として用いることにより、難溶性の21
−アルコキシステロイド化合物を溶解型とすることがで
きた。この場合において、界面活性剤としてポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油を配合することにより、極めて優
れた乳化安定性が得られた。
【0054】(2)乳化安定性はポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油の種類によって異なり、乳化安定性試験1と
2との比較から、特にポリオキシエチレン(20)硬化
ヒマシ油を配合する場合が、プロピレンカーボネートに
対し最も優れた乳化安定性を発揮することが判明した。
【0055】(3)表4の結果から、21−アルコキシ
ステロイド、たとえばアメロメタゾンの配合量を同一に
した場合にも、界面活性剤の種類により薬効に差が生じ
た。しかしながら、本発明のステロイド軟膏剤は界面活
性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使用する
ため、使用直後から優れた血管収縮作用を奏すると共
に、試料塗布後12時間程度まで安定した薬効を奏する
ことが判明した。これにより、1日に1ないし2回の塗
布でも十分な薬効が得られることが判明した。
【0056】(4) 表4から、ポキシエチレン硬化ヒ
マシ油の中でもポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ
油を0.025〜0.05質量%配合したものが血管収
縮作用が高いことが判明した。即ち、アメロメタゾンの
溶解剤としてプロピレンカーボネートを、また、乳化剤
としてポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油を配合
することによって乳化安定性の良い、かつ効力の高いス
テロイド軟膏剤を得ることができることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 17/00 // C07J 31/00 C07J 31/00 (72)発明者 田中 重男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA08 BB31 CC04 DD09M DD38A DD39F DD47A EE51A 4C086 AA01 AA02 DA10 MA63 NA03 ZA89 ZB13 4C091 AA02 BB03 BB05 CC01 DD01 EE07 FF01 GG01 HH03 JJ03 KK12 LL01 MM03 NN04 PA03 PA09 PB02 QQ01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で表される21−アルコキシス
    テロイド化合物、プロピレンカーボネートおよびポリオ
    キシエチレン硬化ヒマシ油とを含有するステロイド外用
    剤。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4個のアルキル基またはメチ
    ルチオメチル基を示し、R2は、炭素数2〜7個のアル
    カノイル基を示し、波線は、α配位またはβ配位である
    ことを示す。)
  2. 【請求項2】 該ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、
    オキシエチレン単位を10〜60繰り返すものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のステロイド外用剤。
  3. 【請求項3】 該21−アルコキシステロイド化合物の
    含有量が0.01〜1質量%であることを特徴とする請
    求項1または2記載のステロイド外用剤。
  4. 【請求項4】 該プロピレンカーボネートを1〜5質量
    %、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.01〜
    3質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のステロイド外用剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載のステロイド外用剤を
    含有するステロイド軟膏剤。
  6. 【請求項6】 下記式(I)で表される21−アルコキ
    システロイド化合物を温度40〜100℃のプロピレン
    カーボネートを含有する液体基剤に溶解し、次いでポリ
    オキシエチレン硬化ヒマシ油と共に溶解した固体基剤を
    含有する軟膏基剤に混合して得られるステロイド軟膏
    剤。 【化2】
  7. 【請求項7】 該21−アルコキシステロイド化合物の
    含有量が軟膏剤中に0.01〜1質量%、前記プロピレ
    ンカーボネートが軟膏剤中に1〜5質量%、および前記
    ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が軟膏剤中に0.01
    〜3質量%であることを特徴とする請求項6記載の軟膏
    剤。
  8. 【請求項8】 該21−アルコキシステロイド化合物
    が、式(II)で表されるアメロメタゾンであることを
    特徴とする請求項7記載の軟膏剤。 【化3】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101093999B1 (ko) * 2003-04-28 2011-12-15 바이엘 파마 악티엔게젤샤프트 활성 성분의 경피 투여를 위한 히드로겔 형태의 제약조성물

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