JP2000264838A - イブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤 - Google Patents

イブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤

Info

Publication number
JP2000264838A
JP2000264838A JP11070284A JP7028499A JP2000264838A JP 2000264838 A JP2000264838 A JP 2000264838A JP 11070284 A JP11070284 A JP 11070284A JP 7028499 A JP7028499 A JP 7028499A JP 2000264838 A JP2000264838 A JP 2000264838A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ibuprofen
powder
glycyrrhizic acid
salt
processed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11070284A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Yamada
弘明 山田
Koji Shima
宏治 島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP11070284A priority Critical patent/JP2000264838A/ja
Publication of JP2000264838A publication Critical patent/JP2000264838A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティングや加熱処理等の煩雑な技術を用
いることなく、イブプロフェン粉末の水中での分散性を
著しく向上させるとともに、イブプロフェンを服用した
ときの咽頭刺激性を低減させるイブプロフェン加工粉末
を提供することを目的とする。 【解決手段】 イブプロフェン粉末の表面に、グリチル
リチン酸又はその塩が付着又は被覆されてなる咽頭刺激
性が改善されたイブプロフェン加工粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イブプロフェン加
工粉末及びこれを含有する固形製剤に関し、より詳細に
は、懸濁時に分散状態が良好でかつ咽頭刺激が低減され
たイブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】イブプ
ロフェン、すなわち2−(4−イソブチルフェニル)プ
ロピオン酸は、非ステロイド型抗炎症剤であり、解熱鎮
痛作用、消炎作用を有し、特に一般用かぜ薬、解熱鎮痛
薬に広く配合されている。イブプロフェンは、エタノー
ル、無水エタノール、アセトン、エーテル又はクロロホ
ルムに溶けやすいが、水にはほとんど溶けないため、近
年の需要に対応させるため水性製剤とするには、例え
ば、特開平1−258618号公報等に記載されている
ように十分な界面活性剤、分散剤を使用して懸濁剤とし
なければならない。つまり、界面活性剤等により、イブ
プロフェンの濡れ性を向上させ、溶解性を増加させるこ
とが必要となる。
【0003】しかし、イブプロフェン自体、強い刺激感
を有していることに加え、液剤で服用した場合には、溶
解したイブプロフェンが口中・咽頭へさらに強い刺激感
を与え、服用を困難とさせる。
【0004】近年、特に一般用のかぜ薬・解熱鎮痛薬の
分野では、用時水に溶解して服用する製剤が、効果発現
が速やかであること、胃腸障害が少ないこと等の理由か
ら広く使用されはじめているが、上記のような理由か
ら、イブプロフェンを含有したかぜ薬や解熱鎮痛薬とし
て、水性製剤、特に用時懸濁して用いる製剤のように患
者自身が手軽にかき混ぜることで容易に分散が可能な懸
濁剤は、未だ一般に使用されていない。
【0005】イブプロフェンの苦味・刺激の低減に関す
る従来技術としては、特開平1−258618号公報及
び特開平2−286615号公報に、懸濁剤の形態にお
いて、味覚マスキング剤としてシュークロース及びソル
ビトールを利用した技術が提案されている。しかし、こ
れらの製剤においても、咽頭刺激が残り、なお満足でき
るほどではない。
【0006】また、服用時の刺激感、苦味を除去又は低
減するために、特開平8−333246号公報にイブプ
ロフェンとメントールを配合した懸濁液剤が、特開平8
−333265号公報にイブプロフェン、カフェイン及
び生薬エキスを配合した懸濁液剤が開示されている。し
かし、これらはすべて加熱処理を必要とする液剤であ
り、製造上煩雑である上、用時懸濁するような固形製剤
に加工することは不可能である。特開平10−2980
86号公報にはイブプロフェン等のフェニルプロピオン
酸系の薬剤の風味を改善するためにシャゼンソウ及びカ
ンゾウを同時配合する製剤が提案されている。
【0007】一方、グリチルリチン酸及びその塩は、非
糖質の高甘味に属する甘味料として広く使用されてお
り、食品分野において苦みをマスキングする効果がある
といわれている。また、天然の界面活性剤としても知ら
れており、その抗炎症作用から医薬品・化粧品にも配合
され、一般用医薬品承認基準においても胃腸薬、点眼
薬、鼻炎用点鼻薬、鼻炎用内服薬に配合可能とされてい
る。例えば、特開平10−25255号公報において、
難溶性薬物1重量部に対し0.5〜20重量部のグリチ
ルリチン酸を溶剤に溶解させた後、溶剤を留去すること
により得られる固形製剤が提案されているが、ここでの
グリチルリチン酸は、難溶性薬剤の溶解性を改善するた
めに用いられており、このような方法により得られた固
形製剤はイブプロフェンの咽頭刺激を低減する効果が全
く認められない。従って、イブプロフェンの分散性が良
好でかつ服用時にイブプロフェンの咽頭刺激が低減され
た製剤の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
事情に鑑み鋭意研究した結果、イブプロフェン粉末とグ
リチルリチン酸又はその塩とを、イブプロフェン粉末を
実質的に溶解させないがグリチルリチン酸又はその塩を
完全に又は一部溶解させた状態で練合し、乾燥すること
により得られるイブプロフェン加工粉末は、イブプロフ
ェン自体の水分散性が良好となるのみならず、さらに得
られたイブプロフェン加工粉末を使用して水性製剤とし
たときに咽頭刺激性を著しく低減できることを見出し、
本発明の完成に到った。本発明のイブプロフェン加工粉
末は、上記のように咽頭刺激性が低減されているが、こ
れは、イブプロフェン粉末の表面にグリチルリチン酸又
はその塩が付着又は被覆した結果、服用時におけるイブ
プロフェンの咽頭粘膜に対する刺激を緩和したものと考
えられる。また、本発明のイブプロフェン加工粉末は、
上記のように水分散性が良好となるが、これは、イブプ
ロフェンの表面に存在するグリチルリチン酸又はその塩
の作用で、水への親和性が増加されたものと考えられ
る。
【0009】本発明によれば、イブプロフェン粉末の表
面に、グリチルリチン酸又はその塩が付着又は被覆され
てなる咽頭刺激性が改善されたイブプロフェン加工粉末
が提供される。
【0010】また、本発明によれば、上記イブプロフェ
ン加工粉末を有効成分として含有する固形製剤が提供さ
れる。
【0011】さらに、本発明によれば、イブプロフェン
粉末とグリチルリチン酸又はその塩とを、前記イブプロ
フェン粉末を実質的に溶解させないが前記グリチルリチ
ン酸又はその塩を完全に又は一部溶解させた状態で練合
し、乾燥することからなる上記イブプロフェン加工粉末
の製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明におけるイブプロフェンと
は、日本薬局方に収載されている薬物であり、2−(4
−イソブチルフェニル)プロピオン酸を意味する。イブ
プロフェンは、通常、結晶性の粉末状であり、本発明に
おいては、その平均粒径は10〜200μm程度のもの
が挙げられる。
【0013】本発明に使用されるグリチルリチン酸及び
その塩としては、医薬の分野で使用することができるも
のであれば特に限定されず、α型又はβ型のグリチルリ
チン酸の純品、あるいはその塩が挙げられる。グリチル
リチン酸の塩の場合には、水溶性の塩が好ましい。具体
的には、グリチルリチン酸;グリチルリチン酸二カリウ
ム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸
三ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グ
リチルリチン酸二アンモニウム等が挙げられる。また、
本発明において使用されるグリチルリチン酸又はその塩
は、生薬エキスの形態であってもよい。例えば、カンゾ
ウエキス、葛根湯エキス、桂枝湯エキス、柴胡桂枝湯エ
キス、小柴胡湯エキス、小青竜湯エキス、麦門冬湯エキ
ス、麻黄湯エキス等が挙げられる。なお、グリチルリチ
ン酸又はその塩は単独で使用してもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0014】本発明におけるイブプロフェン加工粉末
は、イブプロフェン粉末の表面に、グリチルリチン酸又
はその塩が付着されてなるか、被覆されてなる。この場
合の付着及び被覆は、グリチルリチン酸又はその塩が、
イブプロフェン粉末の表面の一部にのみ付着していても
よいし、実質的に隙間なく付着することにより完全に被
覆していてもよい。
【0015】イブプロフェン加工粉末において、イブプ
ロフェン粉末に対するグリチルリチン酸又はその塩の使
用割合は、イブプロフェン1重量部に対してグリチルリ
チン酸又はその塩が0.02〜0.5重量部程度である
ことが好ましく、0.05〜0.4重量部程度であるこ
とがより好ましい。グリチルリチン酸又はその塩の使用
割合が0.02重量部を下回るとイブプロフェンの分散
性と咽頭刺激の低減の効果が低下し、また、0.5重量
部を上回ると、服用時にイブプロフェンが溶解し、咽頭
刺激が増大するため好ましくない。
【0016】また、本発明においては、イブプロフェン
加工粉末は、イブプロフェンを有効成分として含有する
固形製剤として用いることができる。この場合の固形製
剤としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤、カプ
セル剤、チュアブル剤、発泡剤、ドライシロップ剤等が
挙げられる。なかでも、顆粒剤、細粒剤、散剤、及びド
ライシロップ剤とすることが好ましい。これらの固形製
剤は、常法に従って製剤化することができる。
【0017】なお、本発明における固形製剤は、その製
剤形態に応じて、賦形剤(乳糖、コーンスターチ、ショ
糖、ブドウ糖、果糖、マンニトール、結晶セルロース、
軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム等)、結合剤
(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラ
チン、ポリビニルポリピロリドン、アルファー化デンプ
ン、メチルセルロース、プルラン、デキストリン、アラ
ビアゴム等)、崩壊剤(カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デ
ンプン類、クロスリンクドカルボキシメチルセルロース
ナトリウム、クロスリンクドポリビニルポリピロリドン
等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、硬化ヒマシ油、タルク、ショ糖脂肪酸エ
ステル、ラウリル硫酸ナトリウム等)などを、単独で又
は2種以上を組み合わせて適宜添加されていてもよい。
また、これらの他、必要に応じて界面活性剤、溶解補助
剤、緩衝剤、保存剤、香料、色素、矯味剤、矯臭剤、甘
味料(エリスリトール、トレハロース、マルチトール、
キシリトール等の糖アルコール類等)等を本発明の効果
を損なわない範囲で添加されていてもよい。
【0018】本発明の固形製剤を発泡剤の形態にする場
合には、発泡成分として炭酸塩及び酸を含有することが
好ましい。ここで炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、重炭酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸リチウ
ム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、セスキ炭
酸アンモニウム等のアルカリ金属およびアンモニウムの
炭酸塩物質及びそれらの混合物が挙げられる。また、酸
としては、例えばクエン酸、フマル酸、アジピン酸、り
んご酸、酒石酸等及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】また、本発明の固形製剤においては、上記
成分の他、アセトアミノフェン、アスピリン、アスピリ
ンアルミニウム、フェナセチン、エテンザミド、サリチ
ルアミド、ラクチルフェネチジン、イソプロピルアンチ
ピリン等の解熱鎮痛成分、ジフェンヒドラミン、マレイ
ン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミ
ン、塩酸プロメタジン、塩酸トンジルアミン、塩酸イソ
チペンジル等の抗ヒスタミン成分、臭化水素デキストロ
メトルファン、リン酸ジヒドロコデイン等の鎮咳成分、
グヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、塩
酸ノスカビン等の去痰成分、塩化リゾチーム、ブロメラ
イン、塩酸ブロムヘキシン等の消炎成分、アスコルビン
酸類、チアミン類、リボフラビン類等のビタミン、カフ
ェイン類、セネガ、サイコ、カッコン、キョウニン、ハ
ンゲ、ショウキョウ、ゴミシ、ニンジン等の生薬等を所
望により配合してもよい。
【0020】本発明のイブプロフェン加工粉末を製造す
るには、イブプロフェン粉末とグリチルリチン酸又はそ
の塩とを、イブプロフェン粉末を実質的に溶解させない
がグリチルリチン酸又はその塩を完全に又は一部溶解さ
せた状態で練合する。
【0021】このような練合は、通常、イブプロフェン
粉末を全く又はほとんど溶解させないか、イブプロフェ
ン粉末の表面を少しは溶解するが、その程度は表面をぬ
らす程度であるものであって、かつ、グリチルリチン酸
又はその塩を完全に又は一部溶解させるような溶剤の存
在下で行うことができる。具体的には、イブプロフェン
粉末とグリチルリチン酸又はその塩を混合し、イブプロ
フェン粉末を実質的に溶解させないがグリチルリチン酸
又はその塩を完全に又は一部溶解させるような適当な種
類及び量の溶剤を加えて練合する方法、イブプロフェン
粉末に、イブプロフェン粉末を実質的に溶解させないよ
うな適当なグリチルリチン酸又はその塩の水溶液を添加
して練合する方法等が挙げられる。
【0022】ここで使用することができる溶剤は、医薬
の製造過程で使用できる溶剤であれば特に限定されるも
のではなく、例えば、水又は水と有機溶媒との混合溶剤
が挙げられる。有機溶媒としては、エタノール、アセト
ン、エーテル又はクロロホルム等が挙げられる。混合溶
剤における水と有機溶媒との混合比は、特に限定される
ものではなく、例えば、1:0〜1:3(v/v)であ
り、好ましくは1:0〜1:2(v/v)である。好ま
しい溶剤としては、水又は水とエタノールとの混合溶剤
であり、水:エタノールが1:0〜1:2(v/v)の
溶剤がより好ましい。なお、溶剤は、その種類によりイ
ブプロフェン及びグリチルリチン酸又はその塩の溶解性
が異なるため、その種類に応じて、イブプロフェンを実
質的に溶解しないがグリチルリチン酸又はその塩を完全
に又は一部溶解するような量で使用することが必要であ
る。例えば、イブプロフェンは上記有機溶媒には溶けや
すいが、水にはほとんど溶けないため、上記有機溶媒の
割合が多くなるにしたがって、使用量は少なくすること
が好ましい。具体的には、イブプロフェン1重量部に対
して0.03〜20重量部程度、好ましくは0.05〜
10重量部程度の範囲内で調整することができる。
【0023】また、本発明における練合とは、固体と少
量の液体とを固体を溶かさない半固形状態で均一に混合
すること、いわゆる練り合わせて均質化する操作のこと
を意味する。練合状態は、通常、固体、液体及び空気間
の関係より決定される(医薬品の開発−製剤の単位操作
と機械−、廣川書店発行、第11巻、22−23(19
89))。練合の充填域は、押し出し造粒、噴霧造粉、
攪拌造粒等の造粒操作が可能な充填域であれば特に限定
されるものではなく、固体の配合成分により適宜設定す
ることができる。例えば、固体及び空気が連続で液体が
不連続であるpendular域から、空気がなく固体が不連続
で液体が連続するslurry域までが挙げられる。練合物中
の液分(練合時に使用する溶剤と固体がもっている付着
水との総量)としては、固体1重量部に対して0.03
〜1重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜0.
2重量部である。練合は公知の方法、例えばプラネタリ
ーミキサー等の容器交換型混合機、スクリュー型混合機
等の容器固定混合機、真空混合造粒機、高速混合撹拌造
粒機等により行うことができる。
【0024】また、本発明の別の観点によれば、イブプ
ロフェン加工粉末を製造する方法として、上記の他、イ
ブプロフェン粉末を、グリチルリチン酸又はその塩の水
溶液に浸漬する方法、グリチルリチン酸又はその塩の水
溶液を、イブプロフェン粉末に噴霧する方法等であって
もよい。なお、これらの方法に使用されるグリチルリチ
ン酸又はその塩の水溶液は、最終的に得られるイブプロ
フェン加工粉末において、上記のような割合でグリチル
リチン酸又はその塩がイブプロフェン粉末に対して使用
されることとなるように、グリチルリチン酸又はその塩
を所望の濃度に調製して使用することができる。また、
イブプロフェン粉末の水溶液への浸漬又は噴霧は、当該
分野で公知の方法にしたがって行うことができる。
【0025】さらに、本発明においては、練合したイブ
プロフェン及びグリチルリチン酸又はその塩を乾燥す
る。この際の乾燥は、公知の乾燥方法、具体的には、通
風式棚乾燥機、流動層乾燥機、真空乾燥機等を用いて行
うことができる。
【0026】なお、本発明のイブプロフェン加工粉末を
有効成分として含有する固形製剤を製造する際には、上
記した賦形剤等の添加剤は、イブプロフェン粉末とグリ
チルリチン酸又はその塩とを練合する前、練合中、乾燥
工程中、乾燥後のどの段階で添加してもよい。
【0027】以下に、本発明の固形製剤について、実施
例及び試験例を挙げて具体的に説明する。なお、表1〜
3において、Pen はPendular域を、F-I はFunicular 域
-Iを、F-IIはFunicular 域-II を、Cap はCapillary 域
を、Slu はSlurry域を示す。また、表1〜3に示す分散
性及び咽頭刺激性の評価の結果は、次の基準に従った。
【0028】 分散性 ◎:均一に分散する ○:分散するが、一部結晶が認められる △:一部の結晶に凝集が認められる ×:結晶が凝集する 咽頭刺激性 大:刺激がきつく、痛みを感じる 中:刺激を感じる 小:刺激をほとんど感じない なし:刺激を全く感じない
【0029】 実施例1 イブプロフェン粉末(平均粒径50μm) 10.0g グリチルリチン酸二カリウム 5.0g 上記両成分を混合した後、水4mlを加えて乳鉢で練合
した。このときイブプロフェンは水にほとんど溶けず、
練合状態はFunicular 域-II 〜Capillary 域を示した。
この練合物をほぐし、50℃で2時間乾燥することによ
りイブプロフェン加工粉末を得た。このイブプロフェン
加工粉末0.225g(イブプロフェンとして150m
g)を服用したとき、咽頭刺激はほとんど認められなか
った。
【0030】 実施例2 イブプロフェン粉末(平均粒径50μm) 15.0g グリチルリチン酸二カリウム 1.5g 上記両成分を混合した後、水4mlを加えて乳鉢で練合
した。このときイブプロフェンは水にほとんど溶けず、
練合状態はFunicular 域-II 〜Capillary 域を示した。
この練合物に精製白糖58.5gを加え、さらに撹拌し
た後、手でほぐし、50℃で2時間乾燥することにより
イブプロフェン加工粉末を得た。
【0031】 実施例3 イブプロフェン粉末(平均粒径50μm) 10.0g グリチルリチン酸二カリウム 0.5g 上記両成分を混合した後、水4mlを加えて乳鉢で練合
した。このときイブプロフェンは水にほとんど溶けず、
練合状態はFunicular 域-II 〜Capillary 域を示した。
この練合物に精製白糖39.5gを加え、さらに撹拌し
た後、手でほぐし、50℃で2時間乾燥することにより
イブプロフェン加工粉末を得た。
【0032】 実施例4 イブプロフェン粉末(平均粒径50μm) 10.0g カンゾウ軟エキス 10.0g(グリチルリチン酸として1.74g) 上記両成分を混合した後、水10mlを加えて乳鉢で練
合した。このときイブプロフェンは水にほとんど溶け
ず、練合状態はCapillary 域〜Slurry域を示した。この
練合物に精製白糖230.0gを加え、さらに撹拌した
後、手でほぐし、50℃で2時間乾燥することによりイ
ブプロフェン加工粉末を得た。
【0033】比較例1 イブプロフェン粉末 10.0g グリチルリチン酸二カリウム 1.5g 特開平10−25255号公報記載の製造方法に従い、
上記両成分を秤量し、50%エタノール50mLに完全
に溶解した後、ロータリーエバポレーターにて溶剤を留
去した。残留物を減圧乾燥し、イブプロフェン含有固形
製剤を得た。この固形製剤0.3g(イブプロフェンと
して150mg)を服用したとき、激しい咽頭刺激が認
められた。
【0034】試験例1:練合状態の変化によるイブプロ
フェンの水分散性及び咽頭刺激性について 実施例1〜4及び比較例1で得られた粉末又は固形製剤
をイブプロフェンとして150mg相当量を量り、水5
0mlを加えて20秒間撹拌した後のイブプロフェンの
水分散性を目視により観察するとともに、咽頭刺激性を
官能的に試験した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から、分散性は実施例1〜4及び比較
例1ともに良好であったが、咽頭刺激性に関しては実施
例1〜4では刺激をほとんど感じないのに対し、比較例
1では痛いを感じるほど刺激がきついのが分かる。
【0037】 実施例5 イブプロフェン粉末(平均粒径50μm) 75.0g グリチルリチン酸二カリウム 7.5g 無水クエン酸 100.0g アスパルテーム 15.0g 精製白糖(粉砕品) 292.5g エリスリトール 260.0g 上記各成分を混合し、撹拌造粒機(バーチカルグラニュ
レーター、パウレック社)に投入し、撹拌しながら水2
5mlを加えて練合した。このときイブプロフェンは水
にほとんど溶解せず、練合状態はFunicular 域-I〜Funi
cular 域-II を示した。その後、吸気温度60℃で乾燥
し、造粒物を得た。得られた造粒物を30号篩(目開
き:500ミクロン)の篩で整粒し、細粒剤を得た。
【0038】 実施例6 イブプロフェン粉末(平均粒径50μm) 75.0g グリチルリチン酸二カリウム 7.5g マレイン酸クロルフェニラミン 0.83g リン酸ジヒドロコデイン 4.0g dl−塩酸メチルエフェドリン 10.0g 無水カフェイン 12.5g 無水クエン酸 100.0g アスコルビン酸 83.0g アスパルテーム 15.0g 精製白糖(粉砕品) 182.0g エリスリトール 260.0g 上記各成分を混合し、撹拌造粒機(バーチカルグラニュ
レーター、パウレック社)に投入し、撹拌しながら水1
50mlを加えて練合した。このときイブプロフェンは
水にほとんど溶解せず、練合状態はFunicular 域-II 〜
Capillary 域を示した。得られた練合物を押し出し造粒
機(エックペレッター、不二パウダル社、スクリーン径
0.5mmΦ、厚み0.5mm)で押し出し造粒した
後、40℃で通風乾燥し、顆粒剤を得た。
【0039】比較例2 実施例5の処方からグリチルリチン酸二カリウムを除い
て同様の操作を行い、顆粒剤を調製した。
【0040】比較例3 実施例5の成分を溶剤なしで混合し、散剤を得た。
【0041】試験例2:イブプロフェンの水分散性及び
咽頭刺激性について 実施例5、比較例2及び比較例3で得られた製剤をイブ
プロフェンとして150mg相当量を量り、水50ml
を加えて20秒間撹拌した後のイブプロフェンの水分散
性を目視により観察するとともに、咽頭刺激性を官能的
に試験した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】 表2から、グリチルリチン酸二カリウムを加えて、練合
することにより、分散性が向上し、咽頭刺激性が低減さ
れていることが分かった。
【0043】試験例3:練合液の量について 表3の処方欄に示したように、練合液の量を変化させる
ことにより、得られた固形製剤500mgを水50ml
に加えて20秒間撹拌した後の分散性を目視により観察
するとともに、その分散液を服用したときの咽頭刺激性
を官能的に試験した。
【0044】
【表3】 表3から、練合状態がPendular域〜Slurry域のものが、
分散性及び咽頭刺激性の両面で好ましいことが分かっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、イブプロフェン粉末の
表面に、グリチルリチン酸又はその塩が付着又は被覆さ
れることにより、イブプロフェンの水中での分散性を著
しく向上させることができるとともに、イブプロフェン
を服用したときの咽頭刺激性を低減させるイブプロフェ
ン加工粉末を提供することが可能となった。また、イブ
プロフェン粉末とグリチルリチン酸又はその塩とを、イ
ブプロフェン粉末を実質的に溶解させないがグリチルリ
チン酸又はその塩を完全に又は一部溶解させた状態で練
合し、乾燥することにより、コーティングや加熱処理等
の煩雑な技術を用いることなく、上記したような水中で
の分散性が向上し、咽頭刺激性が低減したイブプロフェ
ン加工粉末及び固形製剤を製造することが可能となっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA29 AA31 BB01 CC05 DD38 DD43 DD59 DD60 DD67 DD69F DD69W EE41 EE58 FF16 FF56 FF67 4C206 AA01 AA02 DA24 KA01 MA02 MA05 MA28 MA54 MA72 NA06 NA08 ZA07 ZA08 ZB11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イブプロフェン粉末の表面に、グリチル
    リチン酸又はその塩が付着又は被覆されてなる咽頭刺激
    性が改善されたイブプロフェン加工粉末。
  2. 【請求項2】 グリチルリチン酸又はその塩が、イブプ
    ロフェン粉末1重量部に対して0.02〜0.5重量部
    使用されてなる請求項1記載のイブプロフェン加工粉
    末。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のイブプロフェン
    加工粉末を有効成分として含有する固形製剤。
  4. 【請求項4】 固形製剤が、用時懸濁型製剤である請求
    項3に記載の固形製剤。
  5. 【請求項5】 イブプロフェン粉末とグリチルリチン酸
    又はその塩とを、前記イブプロフェン粉末を実質的に溶
    解させないが前記グリチルリチン酸又はその塩を完全に
    又は一部溶解させた状態で練合し、乾燥することからな
    る請求項1記載のイブプロフェン加工粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 グリチルリチン酸又はその塩を、イブプ
    ロフェン粉末1重量部に対して0.02〜0.5重量部
    の割合で使用する請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 練合を、水又は水とエタノールとの混合
    物の溶剤の存在下で行う請求項5又は6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 溶剤が、水:エタノール=1:0〜1:
    2(v/v)である請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 練合を、イブプロフェン粉末1重量部に
    対して0.03〜20重量部の溶剤の存在下で行う請求
    項5〜8のいずれか1つに記載の方法。
JP11070284A 1999-03-16 1999-03-16 イブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤 Withdrawn JP2000264838A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11070284A JP2000264838A (ja) 1999-03-16 1999-03-16 イブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11070284A JP2000264838A (ja) 1999-03-16 1999-03-16 イブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000264838A true JP2000264838A (ja) 2000-09-26

Family

ID=13427041

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11070284A Withdrawn JP2000264838A (ja) 1999-03-16 1999-03-16 イブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000264838A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018117249A1 (ja) * 2016-12-22 2018-06-28 エスエス製薬株式会社 経口イブプロフェン製剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018117249A1 (ja) * 2016-12-22 2018-06-28 エスエス製薬株式会社 経口イブプロフェン製剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5202856B2 (ja) トシル酸トスフロキサシンを含有する粒状固形製剤
JPH0742226B2 (ja) 治療用発泡組成物
JPH0753662B2 (ja) 薬剤学的製剤及びその製造方法
WO2005037254A1 (ja) 口腔内速崩壊性錠剤
JP2012519729A (ja) 高度に圧密可能かつ耐久性のある直接圧縮賦形剤および賦形剤系
WO2008018371A1 (fr) Comprimé à désagrégation orale ayant un goût amer masqué et son procédé de production
JP5566408B2 (ja) ドライシロップ剤
SG184950A1 (en) Fexofenadine-based composition and preparation process therefor
WO2005055989A1 (ja) 薬物含有粒子および該粒子を含む固形製剤
JP2007197357A (ja) 乾式直打速崩壊性錠剤
WO2003043638A1 (en) Coated particulate cefuroxime axetil compositions
JP2007517011A (ja) 経口デリバリーのための多粒子製剤
WO2003103713A1 (ja) 速崩壊性錠剤及びその製造方法
CN112972405A (zh) 一种他达拉非冻干口腔崩解片及其制备方法
JP2705787B2 (ja) 苦味改善易服用性h▲2▼ブロッカー固形製剤
JP2007131561A (ja) 経口固形製剤及びその製造法
WO2006109737A1 (ja) 苦味が低減されたプランルカスト水和物を含有する製剤
JPH11130674A (ja) ビタミン含有組成物
JP3899522B2 (ja) 苦味が低減されたプランルカスト水和物を含有する製剤
JP4358920B2 (ja) エリスリトール含有球形顆粒剤及びその製造方法
JP2003512330A (ja) シクレソニド含有水性医薬組成物
JP2000264838A (ja) イブプロフェン加工粉末及びこれを含有する固形製剤
JP2008094751A (ja) プランルカスト水和物含有医薬組成物
CN104490790B (zh) 头孢呋辛酯固体分散体包衣组合物及其制备方法
JP2005060309A (ja) 不快な味を低減した口腔内崩壊錠剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060315

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090713