JP2000264337A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 物品運搬保管装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 物品が載置されるパレットと、該パレットに載置された物品を、当該パレットに対して位置決めするための位置決め手段とを具備する物品運搬保管装置。
【請求項2】 前記位置決め手段は、物品の下部を前記パレットに対して位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の物品運搬保管装置。
【請求項3】 前記位置決め手段は、前記パレットに載置された物品を該パレットに対して水平方向に大きくずれ動くことを防止する係合部を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品運搬保管装置。
【請求項4】前記係合部は、物品の下部の足部と係合することを特徴とする請求項3に記載の物品運搬保管装置。
【請求項5】 前記パレットに載置された物品を取り囲むように該パレットに着脱可能に取り付けられる複数の支柱を具備する請求項1乃至4のいずれかに記載の物品運搬保管装置。
【請求項6】 前記パレットの裏側に他の物品運搬保管装置の支柱の上部を着脱可能に連結する連結部を有することを特徴とする請求項5に記載の物品運搬保管装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気製品などの工業製品、その部品、建築材料、家具又はその他の各種物品を運搬し、又はこれを保管するために用いられる物品運搬保管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
物品運搬保管装置のパレット上に物品を載せて運搬し、又はこれを保管する際、その物品がパレットに対して大きくずれ動いてしまうとすれば、物品を安定した状態で運搬し、又はこれを保管することはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安定した状態で物品を運搬し、又はこれを保管しておくことのできる物品運搬保管装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、物品が載置されるパレットと、該パレットに載置された物品を、当該パレットに対して位置決めするための位置決め手段とを具備する物品運搬保管装置を提案する(請求項1)。
【0005】
また、上記請求項1に記載の物品運搬保管装置において、前記位置決め手段は、物品の下部を前記パレットに対して位置決めするように構成されていると有利である(請求項2)。
【0006】
さらに、上記請求項1又は2に記載の物品運搬保管装置において、前記位置決め手段は、前記パレットに載置された物品を該パレットに対して水平方向に大きくずれ動くことを防止する係合部を具備すると有利である(請求項3)。
【0007】
また、上記請求項3に記載の物品運搬保管装置において、前記係合部は、物品の下部の足部と係合するように構成すると有利である(請求項4)。
【0008】
さらに、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の物品運搬保管装置において、前記パレットに載置された物品を取り囲むように該パレットに着脱可能に取り付けられる複数の支柱を具備していると有利である(請求項5)。
【0009】
また、上記請求項5に記載の物品運搬保管装置において、前記パレットの裏側に他の物品運搬保管装置の支柱の上部を着脱可能に連結する連結部を有していると有利である(請求項6)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る物品運搬保管装置の一例を示す斜視図であり、ここに示した物品運搬保管装置は、例えば複写機より成る物品1が載置されるパレット2を具備する。このパレット2は、互いに平行に延びる中空部材より成る2本の脚部4と、その両脚部4に架け渡された状態で各脚部4に固定された2つの台座部材3と、同じく両脚部4に固定された2つの補強部材3Aとを有していて、その台座部材3の上面が、物品1を載せる物品載置面5となっている。かかるパレット2は、スチールなどの金属板より成るが、木材、或いは硬質の樹脂などの剛性の大なる材料によってパレットを構成することもできる。台座部材3及び補強部材3Aと、脚部4とを溶接や接着剤などによって固着してもよいが、これらを容易に分解できるように図示していないねじなどによって固定することもできる。また矩形の平板材の下面に適数の脚部を固定して成るパレットや、その他の形態のパレットを使用することもでき、さらに、平面形態が四角形であるパレット以外の各種形態のパレットを用いることもできる。
【0012】
パレット2の物品載置面5上に載せられた物品1は、後述する位置決め手段によってパレット2に対して位置決めされ、同じく後述する固定手段によってパレット2上に取外し可能に固定される。
【0013】
また、物品運搬保管装置は、複数の支柱、図1に示した例では4本の支柱を有し、これらの支柱6は、図2に示す如く、パレット2の四隅に、当該パレット2の物品載置面5に対してほぼ垂直に立上った状態で、該パレット2に着脱可能に取付けられる。パレット2上に四角形を仮想したとき、その四角形の各コーナ部のパレット部分に各支柱6がそれぞれ着脱可能に立設されるのである。支柱6は、金属、樹脂又は木材などによって構成されるが、図示した例では、各支柱6が図3及び図4にも示すように中空な金属製のパイプより成る。また、パレット2の物品載置面5の側の四隅に、例えば脚部4ないしは補強部材3Aに固定されたピンより成る突部7が突設され、その各突部7に、各支柱6の下部が嵌着される。このように、複数の支柱6は、パレット2の物品載置面5に載置された物品1を取り囲むように、パレット2に着脱可能に取付けられる。本例の各支柱6は、パレット2に対して手操作で容易に着脱できるように取付けられる。
【0014】
また物品運搬保管装置は、互いに隣り合う2本の支柱間の間隔を調整可能に、その2本の支柱同士をそれぞれ連結する連結手段を具備する。本例の連結手段は、各支柱6にそれぞれその長手方向に沿って取付けられた第1及び第2の継手8,9と、互いに隣り合って位置する2本の支柱6をそれぞれ互いに連結する一対の連結部材、すなわち第1及び第2の連結部材14,15とを有している。各第1及び第2の連結部材14,15は、パレット2の各辺、すなわち互いに直交する第1乃至第4の辺10,11,12,13において、それぞれ互いに隣り合って取付けられる2本の支柱6をそれぞれ連結する。また、図2からも判るように、4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第2の継手9は、第1の継手8よりも下方に位置し、同じく4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第1及び第2の連結部材14,15は、それぞれ互いにクロスして位置する。
【0015】
第1及び第2の継手8,9は、図3及び図4に示すように、例えば、金属、合成樹脂又はゴムなどを成形した筒状体から成り、その中心孔27,127に各支柱6が嵌合している。また、これらの継手8,9には2個ずつの舌片16,18が突設され、その各舌片16,18に第1及び第2の連結部材14,15の各端部が、それぞれピン17,19を介して回動可能に連結されている。第1及び第2の連結部材14,15は、例えば、木材、硬質樹脂又は金属などの剛体から成り、棒状ないしは細板状に形成されている。
【0016】
ここで、上述した4本の支柱6を識別する必要のあるときは、図1に示すように、これらをそれぞれ第1の支柱6A、第2の支柱6B、第3の支柱6C及び第4の支柱6Dと称し、同様に、その各支柱6A乃至6Dに取付けられた各第1及び第2の継手8,9に、それぞれ8A,9A;8B,9B;8C,9C;8D,9Dの符号を付してこれらを識別する。同じく、第1及び第2の支柱6A,6B、第2及び第3の支柱6B,6C、第3及び第4の支柱6C,6D、第4及び第1の支柱6D,6Aのそれぞれを互いに連結する第1及び第2の連結部材に、14A,15A;14B,15B;14C,15C;14D,15Dの符号をそれぞれ付してこれらを識別する。これは、後述する実施形態例においても同様とする。
【0017】
第1及び第2の連結部材14,15は、継手に対し、次のように揺動自在に連結されている。
【0018】
すなわち、図1及び図2から判るように、パレット2の第1の辺10において互いに隣り合って取付けられる第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第1の連結部材14Aは、その長手方向一端側が一方の支柱である第1の支柱6Aに取付けられた第1の継手8Aに前述のピンを介して回動可能に連結され、かつその長手方向他端側は、他方の支柱である第2の支柱6Bに取付けられた第2の継手9Bにピンを介して回動可能に連結されている。また第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第2の連結部材15Aは、その長手方向一端側が、他方の支柱である第2の支柱6Bに取付けられた第1の継手8Bにピンを介して回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が一方の支柱である第1の支柱6Aに取付けられた第2の継手9Aにピンを介して回動可能に連結されている。これらの関係は、パレット2の第1の辺10の隣りの第2の辺11において互いに隣り合って取付けられる第2の支柱6B及び第3の支柱6C間に設けられた第1及び第2の連結部材14B,15B、第2の辺11の隣りの第3の辺12において互いに隣り合って取付けられる第3及び第4の支柱6C,6D間に設けられた第1及び第2の連結部材14C,15C、さらには第3の辺12の隣りの第4の辺13において互いに隣り合って取付けられる第4及び第1の支柱6D,6A間に設けられた第1及び第2の連結部材14D,15Dにおいても全く同様である。
【0019】
このように、図1乃至図4に示した物品運搬保管装置においては、各第1の連結部材14は、その長手方向一端側が、パレット2の各辺10,11,12,13において互いに隣り合って位置する2本の支柱6のうちの一方の支柱6に取付けられた第1の継手8に回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が、互いに隣り合って位置する2本の支柱6のうちの他方の支柱6に取付けられた第2の継手9に回動可能に連結され、各第2の連結部材15は、その長手方向一端側が、上述の他方の支柱6に取付けられた第1の継手8に回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が、上述の一方の支柱6に取付られた第2の継手9に回動可能に連結されている。このように、各支柱6は、第1及び第2の連結部材14,15を支える支柱としての機能を果す。
【0020】
また、第1及び第2の連結部材14,15のそれぞれに、上述の如く連結された第1及び第2の継手8,9は、その少なくとも一方が、これらの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に自由に移動できるように移動可能に組付けられている。図示した例では、各第2の継手9が、各支柱6の下部に位置し、図4に示すようにねじ20又は溶接などによって各支柱6にそれぞれ固定され、しかも各第1の継手8は、各支柱6に対してその長手方向に摺動自在に嵌合している。第1の継手8を支柱6に対し固定し、第2の継手9を支柱6に対して摺動自在に嵌合し、或いは第1及び第2の継手8,9を共に支柱6に対して摺動自在に嵌合してもよい。
【0021】
図1に示したパレット2は、運搬すべき物品1の大きさに対応した各種サイズのものが予め用意されている。物品1を運搬するときは、その物品1の大きさに適したパレット2を選択し、その上面の物品載置面5上に物品1を載せる。このとき、選択したパレット2のサイズに応じて、その突部7の間の間隔D1,D2が異なるが、その間隔D1,D2に合致するように、パレット2に取付ける前の支柱6の間の間隔を次のように自由に調整することができる。
【0022】
すなわち、パレット2に取付ける前の支柱6のうちの互いに隣り合う2本の支柱6A,6Bと6C,6Dを図1に矢印Aで示す如く、互いに離間する向きに押圧すると、各第1の継手8が各支柱6に対して下方に摺動し、第1及び第2の支柱6A,6Bの間の間隔と、第3及び第4の支柱6C,6Dの間の間隔が拡げられる。このとき、同時に第1及び第4の支柱6A,6Dと、第2及び第3の支柱6B,6Cは矢印Bで示すように互いに離間する向きに移動して、これらの支柱間の間隔も拡げられる。
【0023】
逆に、各支柱6を矢印A,Bと反対の側に加圧すれば、各第1の継手8が支柱6に沿って上方に移動するので、互いに隣り合う支柱間の間隔が狭められる。このように図1に示した例では、パレット2の各辺10,11,12,13に互いに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その各間隔が互いに連動して調整される。すなわち、2本の支柱同士をそれぞれ連結する前述の連結手段は、互いに隣り合って位置する2本の支柱間の間隔が、全て同じ割合で変化するように、当該間隔を互いに連動して調整するように構成されているのである。
【0024】
上述のようにして、選択したパレット2の突部7の間の間隔D1,D2に合せて、隣り合う各支柱6の間の間隔を調整した後、物品1の載置されたパレット2の各突部7に各支柱6の下部を嵌着する。その際、各支柱6の下部に固定された各第2の継手9の中心孔を各突部7に嵌着することにより、4本の支柱6をパレット2の四隅に着脱可能に取付けるように構成してもよく、またパレットの四隅に取付孔を形成し、その各取付孔に各支柱の下部を嵌着することにより、各支柱6をパレット2に着脱可能に取付けてもよい。
【0025】
上述のように、突部7の間の間隔D1,D2が異なるパレット2を複数用意しておくことによって、そのいずれのパレット2にも、間隔を調整した支柱6を取付けることができる。
【0026】
また、第1及び第2の連結部材14,15を互いに連結せずにフリー状態にしておいてもよいが、図示した例では、互いに対をなした第1及び第2の連結部材14,15の中間部が、枢ピン21によって、互いに自由に回動できるように連結されており、これによって各支柱6の間の間隔を調整するとき、第1及び第2の連結部材14,15をスムーズに作動させ、各支柱間の間隔調整作業を円滑に行うことができる。これは、後に説明する実施形態例においても同じである。
【0027】
第1及び第2の継手8,9を共に各支柱6に対してその長手方向に摺動可能に嵌合しても、上述した支柱間の間隔調整作業を行うことができるが、そのいずれか一方の継手、例えば図1に示した例のように第2の継手9を支柱6に対して固定し、他方の継手8を支柱6に対して摺動可能に組付けると、支柱間の間隔調整作業時に第1及び第2の連結部材14,15を円滑に作動させることができ、楽にその作業を行うことが可能となる。
【0028】
上述のように支柱6をパレット2に組付けることによって、図2に示す如く組立てられた物品運搬保管装置30を構成できる。このとき、4本の支柱6と、第1及び第2の連結部材14,15によって囲まれた収容空間に物品載置面5上に載せられた物品1(図2には示さず)が収容され、この状態で、例えば図示していないフォークリフトのフォークをパレット2の下側に差し込み、フォークを上昇させることにより物品運搬保管装置30を持ち上げて物品1を運搬できる。また、物品1を搭載したままの物品運搬保管装置をトラックや船舶又は鉄道車輌に移し、これを輸送することができる。また、物品運搬保管装置30に収容した物品1を倉庫などに保管することもできる。このように、物品1を運搬し、又はこれを保管するとき、物品1はその四方を第1及び第2の連結部材14,15によって取り囲まれているので、その物品1を保護することができる。4本の支柱6をパレット2から取外せば、物品1を容易にパレット2上から下ろすことができる。
【0029】
一方、パレット2は、その物品載置面5とは反対の裏側に、他の物品運搬保管装置の支柱の上部を着脱可能に連結する連結部を有しており、図1に示した例では、脚部4の一部を破断して示すように、パレット2の各脚部4の4個所に係合孔22より成る連結部が形成されている。
【0030】
かかる構成により、図2に示すように、物品(図2には示さず)を搭載した物品運搬保管装置を上下に複数個安定した状態で積み重ねることができる。すなわち、図1に示すように物品運搬保管装置の各支柱6の上部に、先端が尖ったキャップ23を脱着可能に嵌合しておき、その物品運搬保管装置30を図2に示すように例えば倉庫内に載置する。そして、その物品運搬保管装置30の上方に、当該物品運搬保管装置30と全く同じく構成された他の物品運搬保管装置30Aを例えばフォークリフトによって持ち上げて載置する。このとき、下方の物品運搬保管装置30の4本の支柱6の上部に嵌着したキャップ23(図1)を、上方の物品運搬保管装置30Aのパレットに形成された係合孔22(図1)にそれぞれ嵌着する。これにより、複数の物品運搬保管装置30,30Aを互いに上下に位置決めして積み重ねることができ、倉庫内のスペースを有効に利用して、物品1を保管しておくことができる。また、複数の物品運搬保管装置を上下に重ねた状態で、これらを一緒に運搬することもできる。
【0031】
各支柱6の上部に嵌着するキャップ23は、各支柱6を係合孔22に係合させやすくするものであり、かかるキャップ23を用いずに、直に各支柱6の先端を係合孔22に係合するように構成してもよい。その際、各支柱6の先端をキャップ23と同様に先細り状に形成すれば、その各支柱6を容易に係合孔22に係合させることができる。
【0032】
また、物品運搬保管装置の非使用時には、そのパレット2から4本の支柱6を抜き取り、その各支柱6を互いに接近する向きに近づけると、第1及び第2の連結部材14,15が畳まれ、これらの全体を図5に示すようにコンパクトに折り畳むことができ、これを極めて小さなスペースに格納することができる。このように、複数の支柱6と、前述の連結手段を構成する連結部材14,15は、その複数の支柱6をパレット2から外した状態で折り畳み自在な支柱ユニット32を構成している。
【0033】
一方、支柱6を取り除かれたパレット2は、図6に示すように上下に重ねて格納することができる。このとき、パレット2に突設された突部7を、その上方のパレット2の係合孔22(図1)にそれぞれ嵌合することによって、各パレット2を正しく上下に位置決めして積み重ねておくことができる。このように、支柱ユニット32とパレット2を何度も使用することができ、従来のダンボールなどから成る物品運搬保管装置のように、運搬先で廃棄しなければならぬものをなくし、或いは少なくすることができる。
【0034】
上述のように、図1乃至図6に示した物品運搬保管装置によれば、運搬し、又は保管すべき物品1の大きさが実質的にいかなるときも、これに応じたパレット2を選択し、その突部7の間隔D1,D2に対応させて支柱6の間隔を調整することにより、その物品を容易に運搬し、ないしは保管することができる。
【0035】
図7乃至図12に示した実施形態例の物品運搬保管装置も、例えば複写機などの物品1(図8及び図12参照)が載置されるパレット2と、そのパレット2の物品載置面5に載置された物品を取り囲むように該パレット2に着脱可能に取付けられる複数の支柱6と、互いに隣り合う2本の支柱間の間隔を調整可能に、当該2本の支柱同士をそれぞれ連結する連結手段とを具備している。この例においても、パレット2の四隅に、当該パレット2の物品載置面5に対してほぼ垂直に立上った状態で、該パレット2に着脱可能に取付けられる第1乃至第4の4本の支柱6A,6B,6C,6Dを有していて、パレット2上に四角形を仮想したとき、その四角形の各コーナ部に各支柱6がそれぞれ着脱可能に立設される。図7の例においても、中空パイプより成る各支柱6の下部を、パレット2の四隅に突設された各突部7に嵌合することによって、各支柱6を手操作で容易にパレット2に取付け、又は取外すことができるように構成されている。また、図7に示したパレット2の構成は、図1に示したパレット2と変りはない。
【0036】
図7に示した例では、2本の支柱6同士をそれぞれ連結する連結手段が、第1及び第2の連結部材14,15と、第1及び第2の継手8,9のほかに、第3の継手26を有している。この第3の継手26についても、その個々の継手に対して符号26A,26B,26C,26Dを付して、そのそれぞれを識別する。以下、その連結手段の詳細を明らかにする。
【0037】
上述のように、図7に示した物品運搬保管装置の連結手段は、第1乃至第4の各支柱6A乃至6Dにそれぞれその長手方向に沿って取付けられた第1乃至第3の継手8,9,26を有しており、しかも図1の物品運搬保管装置の連結手段と同様に、支柱6がパレット2に取付けられたとき、そのパレット2の各辺10乃至13において互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱6A,6B、第2及び第3の支柱6B,6C、第3及び第4の支柱6C,6D、並びに第4及び第1の支柱6D,6Aのそれぞれを互いに連結する一対の連結部材、すなわち第1及び第2の連結部材14,15を具備している。
【0038】
また、4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第2及び第3の継手9,26は、第1の継手8よりも下方に位置し、かつ第2の継手9は第3の継手26よりも下方に位置していて、第1乃至第4の支柱6A乃至6Dがパレット2に取付けられた状態で、各一対の連結部材、すなわち各第1及び第2の連結部材14,15は、それぞれ互いにクロスした状態で位置する。
【0039】
さらに、各第1及び第2の連結部材14,15の長手方向各端部は、図3及び図4に示した場合と同様に、ピンを介して各継手に次のように自由に揺動自在に連結されている。
【0040】
第1乃至第4の支柱6A乃至6Dがパレット2に取付けられた状態で、パレット2の第1の辺10において互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第1及び第2の連結部材14A,15Aの各長手方向一端側が、第1及び第2の支柱6A,6Bにそれぞれ取付けられた第1の継手8A,8Bにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第2及び第1の支柱6B,6Aにそれぞれ取付けられた第2の継手9B,9Aにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0041】
同様に、パレット2の第1の辺10の隣りの第2の辺11において互いに隣り合って位置する第2及び第3の支柱6B,6C間に設けられた第1及び第2の連結部材14B,15Bの各長手方向一端側が、第2及び第3の支柱6B,6Cにそれぞれ取付けられた第1の継手8B,8Cにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第3及び第2の支柱6C,6Bにそれぞれ取付けられた第3の継手26C,26Bにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0042】
さらに、パレット2の第2の辺11の隣りの第3の辺12において互いに隣り合って位置する第3及び第4の支柱6C,6D間に設けられた第1及び第2の連結部材14C,15Cの各長手方向一端側が、第3及び第4の支柱6C,6Dにそれぞれ取付けられた第1の継手8C,8Dにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第4及び第3の支柱6D,6Cにそれぞれ取付けられた第2の継手9D,9Cにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0043】
また、パレット2の第3の辺12の隣りの第4の辺13において互いに隣り合って位置する第4及び第1の支柱6D,6A間に設けられた第1及び第2の連結部材14D,15Dの各長手方向一端側が、第4及び第1の支柱6D,6Aにそれぞれ取付けられた第1の継手8D,8Aにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第1及び第4の支柱6A,6Dにそれぞれ取付けられた第3の継手26A,26Dにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0044】
上述のように、互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材と、その第1及び第2の支柱に対向して位置する第3及び第4の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材の各長手方向一端側が、第1及び第2の支柱と第3及び第4の支柱にそれぞれ取付けられた第1の継手にそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第1及び第2の支柱と第3及び第4の支柱にそれぞれ取付けられた第2の継手にそれぞれ回動可能に連結され、また互いに隣り合って位置する第2及び第3の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材と、その第2及び第3の支柱に対向して位置する第4及び第1の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材の各長手方向一端側が、第2及び第3の支柱と第4及び第1の支柱にそれぞれ取付けられた第1の継手にそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第2及び第3の支柱と第4及び第1の支柱にそれぞれ取付けられた第3の継手にそれぞれ回動可能に連結されている。
【0045】
上述の如く第1及び第2の連結部材14,15のそれぞれに連結された第1乃至第3の継手8,9,26のうちの少なくとも第2及び第3の継手9,26は、これらの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に自由に移動できるように、移動可能に組付けられている。図示した例では、各支柱6の上部に位置する各第1の継手8が各支柱6に、例えば圧入又はねじ、或いは溶接などによって固定され、第2及び第3の継手9,26が支柱6に対してその長手方向に摺動自在に嵌合している。第1の継手8も、これの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に摺動自在に取付けるようにしてもよい。
【0046】
図7に示した物品運搬保管装置によって物品を運搬するときも、その物品の大きさに合ったパレット2を選択し、図12に示すように、そのパレット2の上に物品1を載置し、後述するように、その物品1をパレット2に位置決めし、ないしは取外し可能に固定する。一方、選択したパレット2の突部7の間の間隔D1,D2に合うように、パレット2に取付ける前の各支柱6の間の間隔を次のように調整する。
【0047】
すなわち、パレット2の第1の辺10と、これに対向する第3の辺12のそれぞれに互いに隣り合って取付けられる第1及び第2の2本の支柱6A,6Bと、第3及び第4の2本の支柱6C,6Dを図7に矢印Aで示す方向、又はこれと逆の方向に押圧する。すると、これらの支柱に取付けられた第2の継手9が各支柱6に沿って上方又は下方に摺動する。これによって、第1及び第2の2本の支柱6A,6Bの間の間隔と、他の第3及び第4の2本の支柱6C,6Dの間の間隔が同じ割合で変化する。その際、この例では、支柱6A,6B;6C,6Dの間隔を調整しただけでは、第2の支柱6Bと第3の支柱6Cの間隔、及び第4の支柱6Dと第1の支柱6Aの間隔は変化しない。
【0048】
これらの間隔を調整するときは、第2及び第3の支柱6B,6Cと、第4及び第1の支柱6D,6Aを図7に矢印Bで示す方向、又はこれと逆の方向に押圧する。これによって、各支柱に嵌合した第3の継手26がその各支柱6に沿って上下又は下方に移動し、第2及び第3の支柱6B,6Cの間の間隔と、第4及び第1の支柱6D,6Aの間の間隔が同じ割合で変化する。
【0049】
上述のように、この例の物品運搬保管装置においては、パレット2の一辺と、これに対向する一辺のそれぞれに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その間隔が互いに連動して調整され、しかもパレット2の互いに対向する他の2辺のそれぞれに互いに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その間隔が互いに連動して調整される。すなわち、2本の支柱同士をそれぞれ連結する前述の連結手段が、互いに隣り合って位置する2本の支柱6間の間隔と、その2本の支柱6に対向し、かつ互いに隣り合って位置する他の2本の支柱6間の間隔とが同じ割合で変化するように、当該間隔を互いに連動して調整するように構成されている。これにより、各支柱間の間隔の調整を、図1に示した例の場合よりも一層自由に調整することができる。間隔を調整した支柱6を、物品1が載せられたパレット2に、前述のようにして取付ける。
【0050】
このように間隔が調整される支柱6を取付けることのできる突部7の間の間隔D1,D2を有するパレット2を予め用意しておくことにより、そのいずれのパレット2にも、間隔調整後の支柱6を取り付けることができる。
【0051】
上述のようにして、先に説明した実施形態例の場合と全く同様にして、パレット2の物品載置面5上に載せた物品を運搬し、又はこれを保管することができる。また図7に示した物品運搬保管装置も、図8に示すように上下に積み重ねることができ、その際、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2の物品載置面5とは反対側の裏面の側に形成された4個の係合孔22(図7)のそれぞれに、下側の物品運搬保管装置30の各支柱6の上部を直接、又はこれに取付けられたキャップ(図示せず)を介して嵌合する。このとき、図8に示すように、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2を、下側の物品運搬保管装置30の第1の継手8によって支持するように構成することもできる。このようにして、物品運搬保管装置30,30Aを上下に積み重ね、物品を小さなスペースに保管し、又は運搬することができる。パレット2から4本の支柱6を取外すことにより、パレット2上の物品を楽に床面などに下ろすことができる。
【0052】
しかも、図7に示した物品運搬保管装置の場合も、図1に示した物品運搬保管装置と同様に、支柱6をパレット2から抜き出せば、その支柱6と第1及び第2の連結部材14,15を図9に示すようにコンパクトに折り畳むことができる。すなわち、図7に示した物品運搬保管装置においても、複数の支柱6と、前述の連結手段を構成する連結部材14,15とが、その支柱6をパレット2から外した状態で折り畳み自在な支柱ユニット32Aを構成している。
【0053】
支柱ユニット32Aを折り畳むときは、図10に鎖線で示すように、支柱6を手で掴み、支柱6を近づけて図11に示すようにその支柱ユニット32Aを折り畳むことができる。図1に示した支柱ユニット32も同様にして折り畳むことができる。なお、図10及び図11に符号18Aで示すものは、各継手8に連結部材14,15を連結するための舌片であり、これらは、図3に示した各舌片16に相当するものである。
【0054】
また図7は、パレット2の上に物品を載せ、その物品をパレット2に着脱可能に固定し、次いで支柱ユニット32Aをパレット2の上方から下げて支柱6の下部をパレット2の突部7に嵌合して、その支柱ユニット32Aをパレット2に取付け、又はその支柱ユニット32Aを上方に持ち上げてパレット2から外すときの様子を示しており、図1乃至図6に示した物品運搬保管装置も、この方法で支柱ユニット32をパレット2に着脱することができる。
【0055】
一方、図12は図7に示した支柱ユニット32Aの第3の継手26を上方にスライドさせ、第1及び第2の連結部材14B,15Bと、これに対向する第1及び第2の連結部材14D,15Dを上方に持ち上げ、第2の継手9を下方にスライドさせて他の第1及び第2の連結部材14A,15Aと14C,15Cのそれぞれを折り畳み、その支柱ユニット32Aを水平方向に移動させ、該支柱ユニット32Aをパレット2に取付け、又は取外す使用方法を示している。この方法によると、支柱ユニット32Aを上下に動かす必要がないため、その作業を大変楽に行うことができ、しかも支柱6を物品1から大きく離して、その支柱ユニット32Aを水平方向に移動させるので、支柱6や第1及び第2の連結部材14,15を物品に接触させずに、パレット2に対する支柱ユニット32Aの取付けと取外しを行うことができ、物品1に傷を付けることなく作業を遂行することができる。
【0056】
図7に示したパレット2も、これから支柱ユニット32Aを取外すことにより、図6に示したように、積み重ねることができる。また、上述の物品運搬保管装置においても、パレット2は、その物品載置面5とは反対側に、他の物品運搬保管装置の上部が着脱可能に連結される連結部を有しているので、複数の物品運搬保管装置を容易に上下に積み重ねることができる。
【0057】
以上、物品運搬保管装置の基本構成に関する各実施形態例を説明したが、かかる物品運搬保管装置のパレット2上に物品を載せて運搬し、又はこれを保管する際、その物品1がパレット2に対して大きくずれ動いてしまうとすれば、物品1を安定状態で運搬し、又は保管することはできない。
【0058】
そこで、図1乃至図12に関連して先に説明した物品運搬保管装置は、パレット2に載置された物品を、該パレット2に対して位置決めするための位置決め手段と、同じくパレット2に載置された物品を、該パレット2に対して取外し可能に固定するための固定手段の少なくとも一方を具備している。ここで、上記位置決め手段によって、物品1をパレット2に対して位置決めするとは、パレット2を水平面上に置き、そのパレット2に物品1を載置したとき、当該物品1がパレット2に対して水平方向に実質的にずれ動くことがないが、物品1を上方に持ち上げれば、その物品1をパレット2から外せるように、物品1をパレット2に対して位置決めして係止させることを意味し、上記固定手段によって、物品1をパレット2に対して固定するとは、パレット2上に載置した物品が、パレット2に対して、水平方向にもまた上方にも実質的にずれ動かないように、物品1をパレット2に固定することを意味する。以下に、この位置決め手段と固定手段の具体的構成例を明らかにする。
【0059】
図13は上述の位置決め手段の一例を示しており、ここに例示した位置決め手段は、パレット2の台座部材3に形成された貫通孔33より成る4つの係合部によって構成されている。一方、物品1の一例である複写機の底板34には、複写機を床面などに載置したとき、その床面に接触する4つの足部43が設けられている。物品1をパレット2の物品載置面5上に載せるとき、各足部43を、パレット2に形成された4つの貫通孔33のそれぞれに嵌合する。これにより、物品1はパレット2に対して正しく位置決めされ、物品の運搬中に、その物品1がパレット2に対して水平方向に大きくずれ動く不具合を阻止できる。貫通孔33の代りに凹溝より成る係合部をパレット2に形成し、これに物品1の足部43をそれぞれ嵌合して、物品1をパレット2に対して位置決めしてもよく、また足部43以外の物品1の突起をパレット2の係合部に嵌合するように構成してもよい。このように、本例の位置決め手段は、物品1の下部をパレット2に対して位置決めするように構成され、しかもこの位置決め手段は、パレット2に載置された物品1を該パレット2に対して水平方向に大きくずれ動くことを防止する係合部を具備し、該係合部は、物品1の下部の足部43と係合するように構成されている。
【0060】
物品1の足部43をパレット2の係合部に係合させて、物品1を位置決めできるように構成すると、その物品1をユーザの下に運搬し、ユーザがそれまで使用していた古い物品を引き取って持ち帰るような場合に特に有効である。例えば複写機を物品運搬保管装置によってユーザのところに運搬し、これを物品運搬保管装置から下ろした後、古い複写機をパレット2上に載せるが、このときも、その古い複写機の足部をパレット2の係合部に係合させて複写機をパレット2に対して位置決めすることができる。
【0061】
図14及び図15に示す位置決め手段は、パレット2の台座部材3に一体に突設された複数の位置決めピン44より成り、パレット2上に載置された物品1の底部、図の例では複写機の底板34に形成された孔45が位置決めピン44にそれぞれ嵌合し、これによって物品1がパレット2に対して正しく位置決めされる。
【0062】
また図14及び図15に示したパレット2の台座部材3には、めねじの切られた複数のねじ孔46が形成され、一方、パレット2上に載せられた物品1の底部、この例では底板34に複数の孔45Aが形成されている。パレット2上に物品1を載せたとき、これらの孔45Aが上記ねじ孔46にそれぞれ整合し、その孔45Aにボルト47を挿入し、そのボルト47を各ねじ孔46に螺着する。このようにしてボルト47を締付けることにより、物品1はパレット2に対して固定される。ボルト47を外すことによって、パレット2に対する物品1の固定を解除することができる。このように、ねじ孔46とボルト47は、物品1をパレット2に対して取外し可能に固定するための固定手段を構成しており、かかる固定手段を設けることにより、物品1を物品運搬保管装置に搭載して運搬するとき、物品運搬保管装置が揺れ動いたり、これに衝撃が加えられても、物品1をパレット2に対して不動に固定しておくことができる。
【0063】
なお、物品1の一例である複写機は、図1に示すように、その前方に引き出し可能な給紙カセット48を有しているが、その給紙カセット48を抜き出して、図15に示すように孔45Aを外部に露出させ、その孔45Aにボルト47を挿入する。
【0064】
図14及び図15に示した位置決めピン44を設ける代りに、そのパレット部分にねじ孔46と同様なねじ孔を形成し、合計で4個のねじ孔を形成し、これらにボルトをねじ込んで、物品1をパレット2に対して位置決めし、かつ固定するように構成してもよいが、このようにすると、物品1をパレット2に載置したとき、多数のボルトをねじ孔に螺着する必要があり、その作業が煩雑なものとなる。これに対し、図14及び図15に示した例のように、位置決めピン44により物品1を位置決めし、ねじ孔46及びボルト47によって物品1をパレット2に固定するように構成すると、ボルト47の数を少なくでき、そのねじ込み作業と、その取外し作業を簡素化できる。このように、パレット2に載置された物品1を、該パレット2に対して位置決めするための位置決め手段と、パレット2に載置された物品1を、パレット2に対して取外し可能に固定するための固定手段を共に物品運搬保管装置に設けると、パレット2への物品1の取付け及び取外し作業を簡素化することができる。
【0065】
また、図14及び図15に示した例では、2本の位置決めピン44を設け、かつ2本のボルト47をねじ止めするように構成したが、位置決めピン44の数よりもボルト47の数を少なくし、例えば3本の位置決めピン44と、1本のボルト47を用いるようにすると、パレット2への物品1の取付け及び取外し作業をより一層簡素化できる。位置決め手段によりパレット2に対して物品1を位置決るする個所の数よりも、固定手段によりパレット2に対して物品1を固定する個所の数を少なくするのである。
【0066】
また、パレット2に多数のねじ孔46を形成しておき、物品1の重量に応じて、使用するねじ孔46の数を選択できるようにしてもよい。例えば物品1の重量が大なるときは、全てのねじ孔46にボルト47をそれぞれねじ込んてその物品1をパレット2に強固に固定し、逆に物品1が軽量なものであるときは、一部のねじ孔46にだけ、ボルト47をねじ込んで物品1をパレット2に固定するのである。その際、各ねじ孔46の径を変えておき、重量の大なる物品1を運搬するときは、大きな径のねじ孔46に、これに見合った径のボルト47をねじ込み、逆に軽量な物品1の場合には小径のねじ孔46に、これに見合った径のボルト47をねじ込むようにしてもよい。これによって物品1をパレット2に対して適切な結合力で固定でき、軽量な物品1をパレット2に固定し、又はその固定を解除するときの作業を簡素化できる。
【0067】
図14及び図15に示した例では、位置決めピン44がパレット2の台座部材3に直に固定されている。これに対し、図16に示した例では、前述の位置決め手段を構成する一対の位置決めピン44Aが、取付部材49に固定され、その取付部材49がねじ50によってパレット2の台座部材3に固定されている。各位置決めピン44Aは、図15に示した位置決めピン44と全く同様にして物品1の孔45に嵌合し、物品1をパレット2に対して位置決めするように構成されている。
【0068】
上述のように、前述の位置決め手段が、パレット2に載置された物品1を該パレット2に対して位置決めするための位置決めピン44Aを有し、その位置決めピン44Aが、パレット2に取付けられる取付部材49に固定されている。この構成では、位置決めピン44Aを取付部材49を介してパレット2に固定するので、物品1を物品運搬保管装置に搭載して運搬するとき、物品運搬保管装置や物品1に大きな外力が加えられると、位置決めピン44Aと、取付部材49に大きな応力が発生するが、パレット2には大きな応力は発生しない。このため、取付部材49の方が破損し、又は永久変形しても、パレット自体が破損し又は永久変形することを防止できる。取付部材49の変形によりエネルギを吸収するので、パレット2の永久変形を防止できるのである。パレット自体が破損又は永久変形し、そのパレット全体を廃棄処分するとすれば、大きな経済的なロスを生じるが、取付部材49が破損したり永久変形して、これを新たなものと交換するのであれば、取付部材49はパレット2に比べて小型で、かつ低コストで製造できるので、経済的な損失を最小限に抑えることができる。
【0069】
図17に示す物品運搬保管装置においては、その固定手段がナット51より成る固定部材と、これに螺着されるボルト54とを有し、このナット51も、取付部材49Aに固着されている。ナット51の中心孔に対応する取付部材49Aの部分には貫通孔が形成され、パレット2の台座部材3にも図示していない孔が形成され、そのパレット2に載置された物品1に形成された孔45Aが、パレット2に形成された上記孔に整合する。この状態で、取付部材49Aを台座部材3の下方からその下面に当て(図20参照)、ナット51の中心孔と、上述のパレット2の孔及び物品1の孔45Aを整合させ、これらの孔にボルト54を挿入し、かつこれをナット51に螺着して、ボルト54を締付ける。
【0070】
図18に示すように、取付部材49Aにボルト52より成る固定部材を固着し、そのボルト52を、パレット2の孔とこれに整合した物品1の孔45Aにパレット2の下方から挿入し、そのボルト52にナット53を螺着して締付けてもよい。
【0071】
上述のように、図17及び図18に示した物品運搬保管装置においては、前述の固定手段が、パレット2に載置された物品1をパレット2に対して固定するための固定部材、すなわちナット51又はボルト52を有し、その固定部材が、パレット2に取付けられる取付部材49Aに固定されている。かかる構成により、図16に示した例の場合と同様に、物品運搬保管装置や物品1に大きな外力が加わったとき、パレット2ではなく、取付部材49Aを永久変形又は破損させることができ、これによって経済的損失を最小限に抑えることができる。
【0072】
また図19及び図20に示すように、取付部材49Aに位置決め用の複数のピン49Bを突設し、取付部材49を台座部材3の下面に当てるとき、そのピン49Bを台座部材3に形成された位置決め用の孔55に嵌合するように構成することもできる。図には示していないが、パレット2の側に位置決め用のピンを突設し、このピンに、取付部材49Aに形成した位置決め用の孔を嵌合して取付部材49Aを位置決めしてもよい。このように、パレット2に対する取付部材49Aの位置決め手段を設けることによって、取付部材49を容易にパレット2に対して正しく位置決めすることができる。
【0073】
上記構成は、ナット51の代りに、図18に示した如くボルト52を用いたときも適用でき、さらには図16に示した取付部材49にも適用できる。
【0074】
また、図16乃至図20に示した取付部材49,49Aを、パレット2に対して位置調整可能に取付けるようにすると、パレット2に対する位置決めピン44Aや、ナット51又はボルト52の相対位置を変えることができ、孔45,45Aの位置が互いに異なる各種の物品1をパレット2に対して位置決めし、又は固定することができる。例えば、図16に示すように、台座部材3に多数のねじ孔56を形成しておき、物品1の孔45(図15)の位置に合わせて適切なねじ孔56を選択し、そのねじ孔56にねじ50を締付けて取付部材49をパレット2に固定するのである。図17乃至図20に示した取付部材49Aも同様にして、パレット2に対する取付け位置を選択して取付けることができる。
【0075】
図21は、図14に示したパレット2上に載置した物品1を破線で示す斜視図であるが、物品1をパレット2の上に載せるとき、通常は位置決めピン44やねじ孔46は、物品1の下にくるので、作業者はこれらを目視することはできず、物品の載置作業が困難となるおそれがある。
【0076】
そこで、パレット2に対する物品1の載置位置の基準となるマーカM1をパレット2に設けると、物品の載置作業を極めて容易に行うことが可能となる。例えば、図21に示すようにパレット2の台座部材3上に、各物品1のサイズに合せた実線と破線のマーカM1をそれぞれ形成しておき、物品1をパレット2上に載せるとき、その物品1のサイズに合ったマーカM1にその物品1の縁を合せる。図21では実線のマーカに物品1の縁を合せた状態を示している。このようにすれば、簡単に物品1をパレット2上に正しく載せ、位置決めピン44を物品1の孔45に自動的に嵌合させ、かつパレット2のねじ孔46と物品1の孔45Aを自動的に整合させることができる。
【0077】
また、マーカM1をパレット2に直に形成する代りに、図21に示すように、プレート、シート、或いはフィルムなどのマーカ部材57にマーカM1を形成し、これをパレット2に貼着するなどして固定するようにしてもよい。
【0078】
また、物品1をパレット2上に人手によらず、ロボットによって自動的に載置する場合には、上述のマーカM1を図示していないセンサにより検知し、その検知情報に基づいてロボットを作動させ、物品1を正しくパレット2上に載せるように構成することもできる。
【0079】
上述したマーカM1に関連する構成は、先に説明した全ての構成に適用できるものである。
【0080】
ここで、パレット2の台座部材3を両脚部4の一定の個所に不動に固定することもできるが、台座部材3を脚部4に対して位置調整可能に固定すると、台座部材3上に各種サイズの物品1を載置することが可能となる。
【0081】
図22及び図23はその具体例を示しており、ここに示したパレット2の基本構成は図1及び図7に示したパレット2と変りはないが、次の点で相違する。
【0082】
図22及び図23に示したパレット2の台座部材3以外のパレット部分をパレット本体38と称することにすると、パレット2が、そのパレット本体38と、該パレット本体38に対して調整可能に固定される台座部材3とを有している。この例では、各脚部4の上壁35に、その長手方向に延びる長孔39がそれぞれ形成され、図23に明示するように、各台座部材3のフランジ部40の4個所に形成された貫通孔に、長孔39の長手方向に移動可能に挿通されたボルト41が挿入され、その各ボルト41にナット42が螺着されている。各ボルト41は、その頭部41Aが脚部4の内部に位置し、かつ当該頭部41Aが長孔39の幅よりも大きく形成されている。
【0083】
ここで、上述の各ナット42を緩めると、台座部材3を、パレット本体38に対して図22に矢印で示した方向に移動させることができる。台座部材3を所望する位置、例えば図22に破線で示した位置にもたらした後、ナット42を締付ければ、その台座部材3をその位置でパレット本体38に対して固定することができる。
【0084】
この構成によれば、物品載置面5上に載せる物品のサイズに合せて、パレット本体38に対する台座部材3の位置を調整でき、各種大きさの物品を効率よく、その物品載置面5上に載せることができる。
【0085】
また、物品1の大きさに合せて、容易にかつ正確に台座部材3の位置を決めることができるように、その位置を示すマーカM2を、例えば脚部4に形成しておくこともできる。図に示した例では、破線と一点鎖線と実線のマーカM2が脚部4に形成され、物品1のサイズが大きいときは、台座部材3を例えば実線の位置に合せて位置決めして、これを脚部4に固定する。逆に物品1が小型なものであるときは、台座部材3を例えば破線の位置に合せて位置決めすればよい。この場合も、図21に示した例と同じく、マーカ部材にマーカM2を形成し、これをパレット2に固定してもよい。
【0086】
上述のように、パレット本体38に対して位置調整可能に固定される台座部材3をパレット本体38に対して固定するときの位置決め基準となるマーカM2をパレット本体38に設けることにより、パレット本体38に対して台座部材3を容易に位置決めすることができる。図22及び図23に例示した位置調整可能な台座部材3とマーカM2の構成も、先に説明したいずれの構成にも適用できるものである。
【0087】
ところで、先に物品運搬保管装置の位置決め手段と固定手段の具体例を多数説明したが、その位置決め手段は、物品1の側に設けられた足部43や孔45などの物品側位置決め手段と協働して、物品1をパレット2に対して位置決めするものである。同様に、固定手段も、孔45Aなどの物品側固定手段と協働して物品1をパレット2に固定する用をなす。すなわち、先に例示した各物品運搬保管装置により運搬される物品1は、前述の位置決め手段と協働してパレット2に対する物品1の位置決めを行う物品側位置決め手段と、前述の固定手段と協働してパレット2に対する物品1の固定を行う物品側固定手段の少なくとも一方を有するものである。
【0088】
ここで、図13に例示した物品1においては、上述のように、物品側位置決め手段が、パレット2に設けられた位置決め手段を構成する係合部(図13においては貫通孔33)に係合可能な物品下部の足部43より成る。このような足部43は、複写機などの工業製品に元々設けられるものであり、かかる足部43を物品側位置決め手段として用いれば、その物品をパレット2に対して位置決めするための専用の物品側位置決め手段を設けずにすみ、製品のコスト上昇を抑えることができる。
【0089】
その際、物品1が、複写機、プリンタ、ファクシミリ、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの電気製品や、その他の工業製品である場合、互いに異なる少なくとも2機種の工業製品における互いに対応する足部間の間隔がそれぞれほぼ等しく設定されていると、その異なる機種の工業製品のそれぞれを同一形態のパレット2に位置決めして運搬できる利点が得られる。
【0090】
図24及び図25は、この構成を具体的に説明する図である。図24に示す複写機より成る物品1は、図25に示す複写機よりも大型であるとし、両複写機の機種は相違しているものとする。これらの複写機の底板34には、それぞれ4個ずつの足部43が設けられている。その際、図24に示した大型複写機の互いに隣り合う足部間の各間隔L,Wは、図25に示した小型複写機の互いに隣り合う足部間の各間隔L1,W1とそれぞれ等しくなっている(L=L1,W=W1)。このように、互いに異なる機種の複写機における互いに対応する足部間の間隔L,L1とW,W1がそれぞれ等しく設定されている。このため、いずれの複写機も貫通孔33の間の間隔が一定のパレット2に位置決めして載置し、これを安定状態で運搬することができる。機種が異なる毎に、貫通孔33の間の間隔を、その機種に合せて設定したパレットを用意する必要はなく、パレットの製造コストを低減でき、しかも複写機などの工業製品のコストも下げることも可能となる。
【0091】
図26に示した複写機にも、図15に示した複写機と同様に複写機本体内の底板に孔45Aが形成され、その孔45にボルト47を通し、そのボルトをパレット2に形成されたねじ孔(図26には示さず)にねじ込んで複写機より成る物品1をパレット2に固定するように構成されている。孔45Aは、物品側固定手段の一例を構成している。その際、図15に示した例では、孔45Aが複写機の手前側に形成されているので、前述のように給紙カセット48(図1)を引き抜くことによって、複写機の手前側からここに手を差し入れて、孔45Aにボルト47を容易に差し込み、これをねじ孔46にねじ込む作業を行うことができる。ところが、図26に示した孔45Aは複写機本体内の奥側に位置しているので、複写機手前側から手を差し入れて、その孔45Aにボルト47を挿入し、これをねじ孔に螺着することはできない。複写機の後部外装カバー65ん取外せば、ボルト47をねじ込むことができるが、複写機を運搬する毎に、後部外装カバー65を外すのは大変煩しい。
【0092】
そこで、図26及び図27に示す例では、複写機の後部外装カバー65に開口66が形成され、この開口66にカバー67が開閉可能に取付けられ、そのカバー67の内側に物品側固定手段を構成する孔45Aが配置されている。通常は、カバー65は図26に示すように閉位置を占め、開口66は閉じられている。複写機をパレット2に固定するとき、そのカバー67を図27に示すように複写機本体から取外し、開口66を開放する。このようにすればその開口66の近くに孔45Aが位置しているので、その孔45Aにボルト47を通し、これをパレット2のねじ孔にねじ込むことができる。この作業を終えた後、再びカバー67を閉じ、開口66を閉鎖する。同様な作業によって、ボルト47を取外すことができる。このような構成は、物品が複写機以外のものから成るとき適用できるものである。
【0093】
上述のように、図28及び図29に示した例では、物品側固定手段の一例である孔45Aが、その物品本体内であって、該物品本体の開口66に開閉可能に取付けられたカバー67の内側に配置されている。かかる構成により、カバー65を開くことにより、その孔45Aの個所に容易に手を近づけることができる。
【0094】
ところで、上述したところからも判るように、図15、図17、図18、図26及び図27に示した孔45,45Aは、物品側位置決め手段と、物品側固定手段の一例をそれぞれ構成しているが、かかる孔45,45Aを、専ら物品をパレット2に対して位置決めし、又は固定するための孔として、物品1に形成してもよい。これに対し、このような孔45,45Aとして、パレット2への物品1の固定以外の用途にも用いられる孔を利用すれば、その物品の製造コストを低減できる。
【0095】
図28及び図29は、複写機を製造するときの様子を示す説明図であり、その製造ラインのコンベア58上に治具プレート59が載せられ、その治具プレート59には、2本の位置決め用のピン60が突設されている。そして、この治具プレート59上に複写機の底板34が載せられ、このとき底板34に形成された位置決め孔68に治具プレート59のピン60が嵌合し、底板34が治具プレート59に対して位置決めされる。この底板34に対して、複写機の他の構成要素が組付けられる。
【0096】
上述のように、複写機の製造時に用いられる位置決め孔68を、図15、図17、図18、図26及び図27などに示した位置決め用の孔45又は固定用の孔45Aとして用いるのである。このようにすれば、パレット2に対する物品1の位置決め、又は固定のための専用の孔を物品1に形成しなくともよく、その製造コストを低減できる。
【0097】
また、図30及び図31は複写機より成る物品1と、その下部に接続されて使用される給紙トレイ装置61を示しており、この給紙トレイ装置61には、ねじ孔62が形成され、複写機の方には取付孔63が形成されている。かかる複写機と給紙トレイ装置61をユーザの下で使用するときは、これらを図30に示すように上下に重ね、取付孔63にねじ64を差し込むと共に、このねじ64をねじ孔62にねじ込んで、複写機と給紙トレイ装置61を結合する。
【0098】
上述の如き複写機より成る物品1をパレット2に対して位置決めするとき、上述の取付孔63を、例えば図15に示した孔45として利用し、ここに位置決めピン44を嵌合させる。また、図30に示した複写機より物品1をパレット2に固定するとき、その取付孔63を、例えば図15に示した孔45Aとして利用し、ここにボルト47を挿通し、そのボルト47をパレット2のねじ孔46にねじ込み固定するのである。その際、図31に示したねじ64を、複写機をパレット2に固定するためのボルト47として利用すれば、そのねじの利用効率を高めることができる。また、複写機より成る物品1をパレット2に固定するときの固定強度を高める必要のあるときは、ねじ64とこれが挿通される取付孔63及びねじ孔62の径を、物品1へのパレット2の固定に必要とされる固定強度が得られるように、大きく形成しておけばよい。
【0099】
上述のように、物品側位置決め手段が、パレット2への物品の位置決め以外の用途にも用いられる孔63より成り、同じく物品側固定手段が、パレット2への物品の固定以外の用途にも用いられる孔63より成ると、物品の製造コストの上昇を抑えることができる利点が得られる。この構成も、前述の各構成、特に図26及び図27に示したカバー67に関連する構成に適用できるものである。
【0100】
以上、本発明の多数の実施形態例を説明したが、その各例の構成を適宜組み合せて物品運搬保管装置又はこれにより運搬される物品を構成することもできる。また、本発明は、先に例示した物品以外の各種物品、例えば自動車、そのエンジンなどの部品、家具、建築材料など、実質的にいかなるものの物品運搬保管装置にも適用できるものである。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、パレットに載せた物品をそのパレットに対して位置決めできるので、安定した状態で物品を運搬し、又はこれを保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
物品運搬保管装置の一例を示す斜視図である。
【図2】
図1に示した物品運搬保管装置を組立てて、これを上下に積み重ねたときの様子を示す斜視図である。
【図3】
図1に示した第1の継手とこれに連結された連結部材の拡大斜視図である。
【図4】
図1に示した第2の継手から支柱を分離して示した分解斜視図である。
【図5】
図1に示した支柱ユニットを折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図6】
図1に示したパレットを上下に積み重ねて格納した様子を示す斜視図である。
【図7】
図1とは異なる物品運搬保管装置の実施形態例を示す斜視図である。
【図8】
物品運搬保管装置上を上下に積み重ねたときの斜視図である。
【図9】
図7に示した支柱ユニットを折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図10】
支柱ユニットを折り畳むときの様子を示す斜視図である。
【図11】
折り畳んだ支柱ユニットを示す斜視図である。
【図12】
支柱ユニットをパレットに着脱するときの様子を示す斜視図である。
【図13】
複写機の足部をパレットの貫通孔に嵌合させるときの様子を示す斜視図である。
【図14】
位置決めピンとねじ孔を有するパレットの斜視図である。
【図15】
図14に示したパレットに複写機より成る物品を取付けたときの様子を示す斜視図である。
【図16】
位置決めピンを取付部材に固定した例を示す斜視図である。
【図17】
ナットを取付部材に固定した例を示す斜視図である。
【図18】
ボルトを取付部材に固定した例を示す斜視図である。
【図19】
取付部材に位置決め用のピンを設けた例を示す斜視図である。
【図20】
図19に示した取付部材をパレットに当てたときの状態を示す斜視図である。
【図21】
図14に示したパレットに複写機を取付けたときの様子を示し、その複写機をを破線で表わした図である。
【図22】
台座部材をパレット本体に位置調整可能に固定する例を示す斜視図である。
【図23】
図22の部分拡大図である。
【図24】
大型複写機とパレットの関係を示す斜視図である。
【図25】
小型複写機とパレットの関係を示す斜視図である。
【図26】
複写機の奥側にカバーを設けた例を示す斜視図である。
【図27】
図26に示したカバーを開いたときの様子を示す斜視図である。
【図28】
コンベア上の治具プレートと複写機の底板を示す斜視図である。
【図29】
治具プレート上に底板をセットしたときの状態を示す斜視図である。
【図30】
複写機と給紙トレイ装置を示す斜視図である。
【図31】
図30に示した複写機と給紙トレイ装置を上下に重ねたときの様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 物品
2 パレット
6 支柱
6A 支柱
6B 支柱
6C 支柱
6D 支柱
30 物品運搬保管装置
30A 物品運搬保管装置
43 足部
【発明の名称】 物品運搬保管装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 物品が載置されるパレットと、該パレットに載置された物品を、当該パレットに対して位置決めするための位置決め手段とを具備する物品運搬保管装置。
【請求項2】 前記位置決め手段は、物品の下部を前記パレットに対して位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の物品運搬保管装置。
【請求項3】 前記位置決め手段は、前記パレットに載置された物品を該パレットに対して水平方向に大きくずれ動くことを防止する係合部を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品運搬保管装置。
【請求項4】前記係合部は、物品の下部の足部と係合することを特徴とする請求項3に記載の物品運搬保管装置。
【請求項5】 前記パレットに載置された物品を取り囲むように該パレットに着脱可能に取り付けられる複数の支柱を具備する請求項1乃至4のいずれかに記載の物品運搬保管装置。
【請求項6】 前記パレットの裏側に他の物品運搬保管装置の支柱の上部を着脱可能に連結する連結部を有することを特徴とする請求項5に記載の物品運搬保管装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気製品などの工業製品、その部品、建築材料、家具又はその他の各種物品を運搬し、又はこれを保管するために用いられる物品運搬保管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
物品運搬保管装置のパレット上に物品を載せて運搬し、又はこれを保管する際、その物品がパレットに対して大きくずれ動いてしまうとすれば、物品を安定した状態で運搬し、又はこれを保管することはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安定した状態で物品を運搬し、又はこれを保管しておくことのできる物品運搬保管装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、物品が載置されるパレットと、該パレットに載置された物品を、当該パレットに対して位置決めするための位置決め手段とを具備する物品運搬保管装置を提案する(請求項1)。
【0005】
また、上記請求項1に記載の物品運搬保管装置において、前記位置決め手段は、物品の下部を前記パレットに対して位置決めするように構成されていると有利である(請求項2)。
【0006】
さらに、上記請求項1又は2に記載の物品運搬保管装置において、前記位置決め手段は、前記パレットに載置された物品を該パレットに対して水平方向に大きくずれ動くことを防止する係合部を具備すると有利である(請求項3)。
【0007】
また、上記請求項3に記載の物品運搬保管装置において、前記係合部は、物品の下部の足部と係合するように構成すると有利である(請求項4)。
【0008】
さらに、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の物品運搬保管装置において、前記パレットに載置された物品を取り囲むように該パレットに着脱可能に取り付けられる複数の支柱を具備していると有利である(請求項5)。
【0009】
また、上記請求項5に記載の物品運搬保管装置において、前記パレットの裏側に他の物品運搬保管装置の支柱の上部を着脱可能に連結する連結部を有していると有利である(請求項6)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る物品運搬保管装置の一例を示す斜視図であり、ここに示した物品運搬保管装置は、例えば複写機より成る物品1が載置されるパレット2を具備する。このパレット2は、互いに平行に延びる中空部材より成る2本の脚部4と、その両脚部4に架け渡された状態で各脚部4に固定された2つの台座部材3と、同じく両脚部4に固定された2つの補強部材3Aとを有していて、その台座部材3の上面が、物品1を載せる物品載置面5となっている。かかるパレット2は、スチールなどの金属板より成るが、木材、或いは硬質の樹脂などの剛性の大なる材料によってパレットを構成することもできる。台座部材3及び補強部材3Aと、脚部4とを溶接や接着剤などによって固着してもよいが、これらを容易に分解できるように図示していないねじなどによって固定することもできる。また矩形の平板材の下面に適数の脚部を固定して成るパレットや、その他の形態のパレットを使用することもでき、さらに、平面形態が四角形であるパレット以外の各種形態のパレットを用いることもできる。
【0012】
パレット2の物品載置面5上に載せられた物品1は、後述する位置決め手段によってパレット2に対して位置決めされ、同じく後述する固定手段によってパレット2上に取外し可能に固定される。
【0013】
また、物品運搬保管装置は、複数の支柱、図1に示した例では4本の支柱を有し、これらの支柱6は、図2に示す如く、パレット2の四隅に、当該パレット2の物品載置面5に対してほぼ垂直に立上った状態で、該パレット2に着脱可能に取付けられる。パレット2上に四角形を仮想したとき、その四角形の各コーナ部のパレット部分に各支柱6がそれぞれ着脱可能に立設されるのである。支柱6は、金属、樹脂又は木材などによって構成されるが、図示した例では、各支柱6が図3及び図4にも示すように中空な金属製のパイプより成る。また、パレット2の物品載置面5の側の四隅に、例えば脚部4ないしは補強部材3Aに固定されたピンより成る突部7が突設され、その各突部7に、各支柱6の下部が嵌着される。このように、複数の支柱6は、パレット2の物品載置面5に載置された物品1を取り囲むように、パレット2に着脱可能に取付けられる。本例の各支柱6は、パレット2に対して手操作で容易に着脱できるように取付けられる。
【0014】
また物品運搬保管装置は、互いに隣り合う2本の支柱間の間隔を調整可能に、その2本の支柱同士をそれぞれ連結する連結手段を具備する。本例の連結手段は、各支柱6にそれぞれその長手方向に沿って取付けられた第1及び第2の継手8,9と、互いに隣り合って位置する2本の支柱6をそれぞれ互いに連結する一対の連結部材、すなわち第1及び第2の連結部材14,15とを有している。各第1及び第2の連結部材14,15は、パレット2の各辺、すなわち互いに直交する第1乃至第4の辺10,11,12,13において、それぞれ互いに隣り合って取付けられる2本の支柱6をそれぞれ連結する。また、図2からも判るように、4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第2の継手9は、第1の継手8よりも下方に位置し、同じく4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第1及び第2の連結部材14,15は、それぞれ互いにクロスして位置する。
【0015】
第1及び第2の継手8,9は、図3及び図4に示すように、例えば、金属、合成樹脂又はゴムなどを成形した筒状体から成り、その中心孔27,127に各支柱6が嵌合している。また、これらの継手8,9には2個ずつの舌片16,18が突設され、その各舌片16,18に第1及び第2の連結部材14,15の各端部が、それぞれピン17,19を介して回動可能に連結されている。第1及び第2の連結部材14,15は、例えば、木材、硬質樹脂又は金属などの剛体から成り、棒状ないしは細板状に形成されている。
【0016】
ここで、上述した4本の支柱6を識別する必要のあるときは、図1に示すように、これらをそれぞれ第1の支柱6A、第2の支柱6B、第3の支柱6C及び第4の支柱6Dと称し、同様に、その各支柱6A乃至6Dに取付けられた各第1及び第2の継手8,9に、それぞれ8A,9A;8B,9B;8C,9C;8D,9Dの符号を付してこれらを識別する。同じく、第1及び第2の支柱6A,6B、第2及び第3の支柱6B,6C、第3及び第4の支柱6C,6D、第4及び第1の支柱6D,6Aのそれぞれを互いに連結する第1及び第2の連結部材に、14A,15A;14B,15B;14C,15C;14D,15Dの符号をそれぞれ付してこれらを識別する。これは、後述する実施形態例においても同様とする。
【0017】
第1及び第2の連結部材14,15は、継手に対し、次のように揺動自在に連結されている。
【0018】
すなわち、図1及び図2から判るように、パレット2の第1の辺10において互いに隣り合って取付けられる第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第1の連結部材14Aは、その長手方向一端側が一方の支柱である第1の支柱6Aに取付けられた第1の継手8Aに前述のピンを介して回動可能に連結され、かつその長手方向他端側は、他方の支柱である第2の支柱6Bに取付けられた第2の継手9Bにピンを介して回動可能に連結されている。また第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第2の連結部材15Aは、その長手方向一端側が、他方の支柱である第2の支柱6Bに取付けられた第1の継手8Bにピンを介して回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が一方の支柱である第1の支柱6Aに取付けられた第2の継手9Aにピンを介して回動可能に連結されている。これらの関係は、パレット2の第1の辺10の隣りの第2の辺11において互いに隣り合って取付けられる第2の支柱6B及び第3の支柱6C間に設けられた第1及び第2の連結部材14B,15B、第2の辺11の隣りの第3の辺12において互いに隣り合って取付けられる第3及び第4の支柱6C,6D間に設けられた第1及び第2の連結部材14C,15C、さらには第3の辺12の隣りの第4の辺13において互いに隣り合って取付けられる第4及び第1の支柱6D,6A間に設けられた第1及び第2の連結部材14D,15Dにおいても全く同様である。
【0019】
このように、図1乃至図4に示した物品運搬保管装置においては、各第1の連結部材14は、その長手方向一端側が、パレット2の各辺10,11,12,13において互いに隣り合って位置する2本の支柱6のうちの一方の支柱6に取付けられた第1の継手8に回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が、互いに隣り合って位置する2本の支柱6のうちの他方の支柱6に取付けられた第2の継手9に回動可能に連結され、各第2の連結部材15は、その長手方向一端側が、上述の他方の支柱6に取付けられた第1の継手8に回動可能に連結され、かつその長手方向他端側が、上述の一方の支柱6に取付られた第2の継手9に回動可能に連結されている。このように、各支柱6は、第1及び第2の連結部材14,15を支える支柱としての機能を果す。
【0020】
また、第1及び第2の連結部材14,15のそれぞれに、上述の如く連結された第1及び第2の継手8,9は、その少なくとも一方が、これらの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に自由に移動できるように移動可能に組付けられている。図示した例では、各第2の継手9が、各支柱6の下部に位置し、図4に示すようにねじ20又は溶接などによって各支柱6にそれぞれ固定され、しかも各第1の継手8は、各支柱6に対してその長手方向に摺動自在に嵌合している。第1の継手8を支柱6に対し固定し、第2の継手9を支柱6に対して摺動自在に嵌合し、或いは第1及び第2の継手8,9を共に支柱6に対して摺動自在に嵌合してもよい。
【0021】
図1に示したパレット2は、運搬すべき物品1の大きさに対応した各種サイズのものが予め用意されている。物品1を運搬するときは、その物品1の大きさに適したパレット2を選択し、その上面の物品載置面5上に物品1を載せる。このとき、選択したパレット2のサイズに応じて、その突部7の間の間隔D1,D2が異なるが、その間隔D1,D2に合致するように、パレット2に取付ける前の支柱6の間の間隔を次のように自由に調整することができる。
【0022】
すなわち、パレット2に取付ける前の支柱6のうちの互いに隣り合う2本の支柱6A,6Bと6C,6Dを図1に矢印Aで示す如く、互いに離間する向きに押圧すると、各第1の継手8が各支柱6に対して下方に摺動し、第1及び第2の支柱6A,6Bの間の間隔と、第3及び第4の支柱6C,6Dの間の間隔が拡げられる。このとき、同時に第1及び第4の支柱6A,6Dと、第2及び第3の支柱6B,6Cは矢印Bで示すように互いに離間する向きに移動して、これらの支柱間の間隔も拡げられる。
【0023】
逆に、各支柱6を矢印A,Bと反対の側に加圧すれば、各第1の継手8が支柱6に沿って上方に移動するので、互いに隣り合う支柱間の間隔が狭められる。このように図1に示した例では、パレット2の各辺10,11,12,13に互いに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その各間隔が互いに連動して調整される。すなわち、2本の支柱同士をそれぞれ連結する前述の連結手段は、互いに隣り合って位置する2本の支柱間の間隔が、全て同じ割合で変化するように、当該間隔を互いに連動して調整するように構成されているのである。
【0024】
上述のようにして、選択したパレット2の突部7の間の間隔D1,D2に合せて、隣り合う各支柱6の間の間隔を調整した後、物品1の載置されたパレット2の各突部7に各支柱6の下部を嵌着する。その際、各支柱6の下部に固定された各第2の継手9の中心孔を各突部7に嵌着することにより、4本の支柱6をパレット2の四隅に着脱可能に取付けるように構成してもよく、またパレットの四隅に取付孔を形成し、その各取付孔に各支柱の下部を嵌着することにより、各支柱6をパレット2に着脱可能に取付けてもよい。
【0025】
上述のように、突部7の間の間隔D1,D2が異なるパレット2を複数用意しておくことによって、そのいずれのパレット2にも、間隔を調整した支柱6を取付けることができる。
【0026】
また、第1及び第2の連結部材14,15を互いに連結せずにフリー状態にしておいてもよいが、図示した例では、互いに対をなした第1及び第2の連結部材14,15の中間部が、枢ピン21によって、互いに自由に回動できるように連結されており、これによって各支柱6の間の間隔を調整するとき、第1及び第2の連結部材14,15をスムーズに作動させ、各支柱間の間隔調整作業を円滑に行うことができる。これは、後に説明する実施形態例においても同じである。
【0027】
第1及び第2の継手8,9を共に各支柱6に対してその長手方向に摺動可能に嵌合しても、上述した支柱間の間隔調整作業を行うことができるが、そのいずれか一方の継手、例えば図1に示した例のように第2の継手9を支柱6に対して固定し、他方の継手8を支柱6に対して摺動可能に組付けると、支柱間の間隔調整作業時に第1及び第2の連結部材14,15を円滑に作動させることができ、楽にその作業を行うことが可能となる。
【0028】
上述のように支柱6をパレット2に組付けることによって、図2に示す如く組立てられた物品運搬保管装置30を構成できる。このとき、4本の支柱6と、第1及び第2の連結部材14,15によって囲まれた収容空間に物品載置面5上に載せられた物品1(図2には示さず)が収容され、この状態で、例えば図示していないフォークリフトのフォークをパレット2の下側に差し込み、フォークを上昇させることにより物品運搬保管装置30を持ち上げて物品1を運搬できる。また、物品1を搭載したままの物品運搬保管装置をトラックや船舶又は鉄道車輌に移し、これを輸送することができる。また、物品運搬保管装置30に収容した物品1を倉庫などに保管することもできる。このように、物品1を運搬し、又はこれを保管するとき、物品1はその四方を第1及び第2の連結部材14,15によって取り囲まれているので、その物品1を保護することができる。4本の支柱6をパレット2から取外せば、物品1を容易にパレット2上から下ろすことができる。
【0029】
一方、パレット2は、その物品載置面5とは反対の裏側に、他の物品運搬保管装置の支柱の上部を着脱可能に連結する連結部を有しており、図1に示した例では、脚部4の一部を破断して示すように、パレット2の各脚部4の4個所に係合孔22より成る連結部が形成されている。
【0030】
かかる構成により、図2に示すように、物品(図2には示さず)を搭載した物品運搬保管装置を上下に複数個安定した状態で積み重ねることができる。すなわち、図1に示すように物品運搬保管装置の各支柱6の上部に、先端が尖ったキャップ23を脱着可能に嵌合しておき、その物品運搬保管装置30を図2に示すように例えば倉庫内に載置する。そして、その物品運搬保管装置30の上方に、当該物品運搬保管装置30と全く同じく構成された他の物品運搬保管装置30Aを例えばフォークリフトによって持ち上げて載置する。このとき、下方の物品運搬保管装置30の4本の支柱6の上部に嵌着したキャップ23(図1)を、上方の物品運搬保管装置30Aのパレットに形成された係合孔22(図1)にそれぞれ嵌着する。これにより、複数の物品運搬保管装置30,30Aを互いに上下に位置決めして積み重ねることができ、倉庫内のスペースを有効に利用して、物品1を保管しておくことができる。また、複数の物品運搬保管装置を上下に重ねた状態で、これらを一緒に運搬することもできる。
【0031】
各支柱6の上部に嵌着するキャップ23は、各支柱6を係合孔22に係合させやすくするものであり、かかるキャップ23を用いずに、直に各支柱6の先端を係合孔22に係合するように構成してもよい。その際、各支柱6の先端をキャップ23と同様に先細り状に形成すれば、その各支柱6を容易に係合孔22に係合させることができる。
【0032】
また、物品運搬保管装置の非使用時には、そのパレット2から4本の支柱6を抜き取り、その各支柱6を互いに接近する向きに近づけると、第1及び第2の連結部材14,15が畳まれ、これらの全体を図5に示すようにコンパクトに折り畳むことができ、これを極めて小さなスペースに格納することができる。このように、複数の支柱6と、前述の連結手段を構成する連結部材14,15は、その複数の支柱6をパレット2から外した状態で折り畳み自在な支柱ユニット32を構成している。
【0033】
一方、支柱6を取り除かれたパレット2は、図6に示すように上下に重ねて格納することができる。このとき、パレット2に突設された突部7を、その上方のパレット2の係合孔22(図1)にそれぞれ嵌合することによって、各パレット2を正しく上下に位置決めして積み重ねておくことができる。このように、支柱ユニット32とパレット2を何度も使用することができ、従来のダンボールなどから成る物品運搬保管装置のように、運搬先で廃棄しなければならぬものをなくし、或いは少なくすることができる。
【0034】
上述のように、図1乃至図6に示した物品運搬保管装置によれば、運搬し、又は保管すべき物品1の大きさが実質的にいかなるときも、これに応じたパレット2を選択し、その突部7の間隔D1,D2に対応させて支柱6の間隔を調整することにより、その物品を容易に運搬し、ないしは保管することができる。
【0035】
図7乃至図12に示した実施形態例の物品運搬保管装置も、例えば複写機などの物品1(図8及び図12参照)が載置されるパレット2と、そのパレット2の物品載置面5に載置された物品を取り囲むように該パレット2に着脱可能に取付けられる複数の支柱6と、互いに隣り合う2本の支柱間の間隔を調整可能に、当該2本の支柱同士をそれぞれ連結する連結手段とを具備している。この例においても、パレット2の四隅に、当該パレット2の物品載置面5に対してほぼ垂直に立上った状態で、該パレット2に着脱可能に取付けられる第1乃至第4の4本の支柱6A,6B,6C,6Dを有していて、パレット2上に四角形を仮想したとき、その四角形の各コーナ部に各支柱6がそれぞれ着脱可能に立設される。図7の例においても、中空パイプより成る各支柱6の下部を、パレット2の四隅に突設された各突部7に嵌合することによって、各支柱6を手操作で容易にパレット2に取付け、又は取外すことができるように構成されている。また、図7に示したパレット2の構成は、図1に示したパレット2と変りはない。
【0036】
図7に示した例では、2本の支柱6同士をそれぞれ連結する連結手段が、第1及び第2の連結部材14,15と、第1及び第2の継手8,9のほかに、第3の継手26を有している。この第3の継手26についても、その個々の継手に対して符号26A,26B,26C,26Dを付して、そのそれぞれを識別する。以下、その連結手段の詳細を明らかにする。
【0037】
上述のように、図7に示した物品運搬保管装置の連結手段は、第1乃至第4の各支柱6A乃至6Dにそれぞれその長手方向に沿って取付けられた第1乃至第3の継手8,9,26を有しており、しかも図1の物品運搬保管装置の連結手段と同様に、支柱6がパレット2に取付けられたとき、そのパレット2の各辺10乃至13において互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱6A,6B、第2及び第3の支柱6B,6C、第3及び第4の支柱6C,6D、並びに第4及び第1の支柱6D,6Aのそれぞれを互いに連結する一対の連結部材、すなわち第1及び第2の連結部材14,15を具備している。
【0038】
また、4本の支柱6がパレット2に取付けられた状態で、第2及び第3の継手9,26は、第1の継手8よりも下方に位置し、かつ第2の継手9は第3の継手26よりも下方に位置していて、第1乃至第4の支柱6A乃至6Dがパレット2に取付けられた状態で、各一対の連結部材、すなわち各第1及び第2の連結部材14,15は、それぞれ互いにクロスした状態で位置する。
【0039】
さらに、各第1及び第2の連結部材14,15の長手方向各端部は、図3及び図4に示した場合と同様に、ピンを介して各継手に次のように自由に揺動自在に連結されている。
【0040】
第1乃至第4の支柱6A乃至6Dがパレット2に取付けられた状態で、パレット2の第1の辺10において互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱6A,6B間に設けられた第1及び第2の連結部材14A,15Aの各長手方向一端側が、第1及び第2の支柱6A,6Bにそれぞれ取付けられた第1の継手8A,8Bにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第2及び第1の支柱6B,6Aにそれぞれ取付けられた第2の継手9B,9Aにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0041】
同様に、パレット2の第1の辺10の隣りの第2の辺11において互いに隣り合って位置する第2及び第3の支柱6B,6C間に設けられた第1及び第2の連結部材14B,15Bの各長手方向一端側が、第2及び第3の支柱6B,6Cにそれぞれ取付けられた第1の継手8B,8Cにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第3及び第2の支柱6C,6Bにそれぞれ取付けられた第3の継手26C,26Bにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0042】
さらに、パレット2の第2の辺11の隣りの第3の辺12において互いに隣り合って位置する第3及び第4の支柱6C,6D間に設けられた第1及び第2の連結部材14C,15Cの各長手方向一端側が、第3及び第4の支柱6C,6Dにそれぞれ取付けられた第1の継手8C,8Dにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第4及び第3の支柱6D,6Cにそれぞれ取付けられた第2の継手9D,9Cにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0043】
また、パレット2の第3の辺12の隣りの第4の辺13において互いに隣り合って位置する第4及び第1の支柱6D,6A間に設けられた第1及び第2の連結部材14D,15Dの各長手方向一端側が、第4及び第1の支柱6D,6Aにそれぞれ取付けられた第1の継手8D,8Aにそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第1及び第4の支柱6A,6Dにそれぞれ取付けられた第3の継手26A,26Dにそれぞれ回動可能に連結されている。
【0044】
上述のように、互いに隣り合って位置する第1及び第2の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材と、その第1及び第2の支柱に対向して位置する第3及び第4の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材の各長手方向一端側が、第1及び第2の支柱と第3及び第4の支柱にそれぞれ取付けられた第1の継手にそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第1及び第2の支柱と第3及び第4の支柱にそれぞれ取付けられた第2の継手にそれぞれ回動可能に連結され、また互いに隣り合って位置する第2及び第3の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材と、その第2及び第3の支柱に対向して位置する第4及び第1の支柱間に設けられた第1及び第2の連結部材の各長手方向一端側が、第2及び第3の支柱と第4及び第1の支柱にそれぞれ取付けられた第1の継手にそれぞれ回動可能に連結され、かつその各長手方向他端側が、第2及び第3の支柱と第4及び第1の支柱にそれぞれ取付けられた第3の継手にそれぞれ回動可能に連結されている。
【0045】
上述の如く第1及び第2の連結部材14,15のそれぞれに連結された第1乃至第3の継手8,9,26のうちの少なくとも第2及び第3の継手9,26は、これらの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に自由に移動できるように、移動可能に組付けられている。図示した例では、各支柱6の上部に位置する各第1の継手8が各支柱6に、例えば圧入又はねじ、或いは溶接などによって固定され、第2及び第3の継手9,26が支柱6に対してその長手方向に摺動自在に嵌合している。第1の継手8も、これの取付けられた各支柱6に対して、その長手方向に摺動自在に取付けるようにしてもよい。
【0046】
図7に示した物品運搬保管装置によって物品を運搬するときも、その物品の大きさに合ったパレット2を選択し、図12に示すように、そのパレット2の上に物品1を載置し、後述するように、その物品1をパレット2に位置決めし、ないしは取外し可能に固定する。一方、選択したパレット2の突部7の間の間隔D1,D2に合うように、パレット2に取付ける前の各支柱6の間の間隔を次のように調整する。
【0047】
すなわち、パレット2の第1の辺10と、これに対向する第3の辺12のそれぞれに互いに隣り合って取付けられる第1及び第2の2本の支柱6A,6Bと、第3及び第4の2本の支柱6C,6Dを図7に矢印Aで示す方向、又はこれと逆の方向に押圧する。すると、これらの支柱に取付けられた第2の継手9が各支柱6に沿って上方又は下方に摺動する。これによって、第1及び第2の2本の支柱6A,6Bの間の間隔と、他の第3及び第4の2本の支柱6C,6Dの間の間隔が同じ割合で変化する。その際、この例では、支柱6A,6B;6C,6Dの間隔を調整しただけでは、第2の支柱6Bと第3の支柱6Cの間隔、及び第4の支柱6Dと第1の支柱6Aの間隔は変化しない。
【0048】
これらの間隔を調整するときは、第2及び第3の支柱6B,6Cと、第4及び第1の支柱6D,6Aを図7に矢印Bで示す方向、又はこれと逆の方向に押圧する。これによって、各支柱に嵌合した第3の継手26がその各支柱6に沿って上下又は下方に移動し、第2及び第3の支柱6B,6Cの間の間隔と、第4及び第1の支柱6D,6Aの間の間隔が同じ割合で変化する。
【0049】
上述のように、この例の物品運搬保管装置においては、パレット2の一辺と、これに対向する一辺のそれぞれに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その間隔が互いに連動して調整され、しかもパレット2の互いに対向する他の2辺のそれぞれに互いに隣り合って取付けられる2本の支柱間の間隔が同じ割合で変化するように、その間隔が互いに連動して調整される。すなわち、2本の支柱同士をそれぞれ連結する前述の連結手段が、互いに隣り合って位置する2本の支柱6間の間隔と、その2本の支柱6に対向し、かつ互いに隣り合って位置する他の2本の支柱6間の間隔とが同じ割合で変化するように、当該間隔を互いに連動して調整するように構成されている。これにより、各支柱間の間隔の調整を、図1に示した例の場合よりも一層自由に調整することができる。間隔を調整した支柱6を、物品1が載せられたパレット2に、前述のようにして取付ける。
【0050】
このように間隔が調整される支柱6を取付けることのできる突部7の間の間隔D1,D2を有するパレット2を予め用意しておくことにより、そのいずれのパレット2にも、間隔調整後の支柱6を取り付けることができる。
【0051】
上述のようにして、先に説明した実施形態例の場合と全く同様にして、パレット2の物品載置面5上に載せた物品を運搬し、又はこれを保管することができる。また図7に示した物品運搬保管装置も、図8に示すように上下に積み重ねることができ、その際、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2の物品載置面5とは反対側の裏面の側に形成された4個の係合孔22(図7)のそれぞれに、下側の物品運搬保管装置30の各支柱6の上部を直接、又はこれに取付けられたキャップ(図示せず)を介して嵌合する。このとき、図8に示すように、上側の物品運搬保管装置30Aのパレット2を、下側の物品運搬保管装置30の第1の継手8によって支持するように構成することもできる。このようにして、物品運搬保管装置30,30Aを上下に積み重ね、物品を小さなスペースに保管し、又は運搬することができる。パレット2から4本の支柱6を取外すことにより、パレット2上の物品を楽に床面などに下ろすことができる。
【0052】
しかも、図7に示した物品運搬保管装置の場合も、図1に示した物品運搬保管装置と同様に、支柱6をパレット2から抜き出せば、その支柱6と第1及び第2の連結部材14,15を図9に示すようにコンパクトに折り畳むことができる。すなわち、図7に示した物品運搬保管装置においても、複数の支柱6と、前述の連結手段を構成する連結部材14,15とが、その支柱6をパレット2から外した状態で折り畳み自在な支柱ユニット32Aを構成している。
【0053】
支柱ユニット32Aを折り畳むときは、図10に鎖線で示すように、支柱6を手で掴み、支柱6を近づけて図11に示すようにその支柱ユニット32Aを折り畳むことができる。図1に示した支柱ユニット32も同様にして折り畳むことができる。なお、図10及び図11に符号18Aで示すものは、各継手8に連結部材14,15を連結するための舌片であり、これらは、図3に示した各舌片16に相当するものである。
【0054】
また図7は、パレット2の上に物品を載せ、その物品をパレット2に着脱可能に固定し、次いで支柱ユニット32Aをパレット2の上方から下げて支柱6の下部をパレット2の突部7に嵌合して、その支柱ユニット32Aをパレット2に取付け、又はその支柱ユニット32Aを上方に持ち上げてパレット2から外すときの様子を示しており、図1乃至図6に示した物品運搬保管装置も、この方法で支柱ユニット32をパレット2に着脱することができる。
【0055】
一方、図12は図7に示した支柱ユニット32Aの第3の継手26を上方にスライドさせ、第1及び第2の連結部材14B,15Bと、これに対向する第1及び第2の連結部材14D,15Dを上方に持ち上げ、第2の継手9を下方にスライドさせて他の第1及び第2の連結部材14A,15Aと14C,15Cのそれぞれを折り畳み、その支柱ユニット32Aを水平方向に移動させ、該支柱ユニット32Aをパレット2に取付け、又は取外す使用方法を示している。この方法によると、支柱ユニット32Aを上下に動かす必要がないため、その作業を大変楽に行うことができ、しかも支柱6を物品1から大きく離して、その支柱ユニット32Aを水平方向に移動させるので、支柱6や第1及び第2の連結部材14,15を物品に接触させずに、パレット2に対する支柱ユニット32Aの取付けと取外しを行うことができ、物品1に傷を付けることなく作業を遂行することができる。
【0056】
図7に示したパレット2も、これから支柱ユニット32Aを取外すことにより、図6に示したように、積み重ねることができる。また、上述の物品運搬保管装置においても、パレット2は、その物品載置面5とは反対側に、他の物品運搬保管装置の上部が着脱可能に連結される連結部を有しているので、複数の物品運搬保管装置を容易に上下に積み重ねることができる。
【0057】
以上、物品運搬保管装置の基本構成に関する各実施形態例を説明したが、かかる物品運搬保管装置のパレット2上に物品を載せて運搬し、又はこれを保管する際、その物品1がパレット2に対して大きくずれ動いてしまうとすれば、物品1を安定状態で運搬し、又は保管することはできない。
【0058】
そこで、図1乃至図12に関連して先に説明した物品運搬保管装置は、パレット2に載置された物品を、該パレット2に対して位置決めするための位置決め手段と、同じくパレット2に載置された物品を、該パレット2に対して取外し可能に固定するための固定手段の少なくとも一方を具備している。ここで、上記位置決め手段によって、物品1をパレット2に対して位置決めするとは、パレット2を水平面上に置き、そのパレット2に物品1を載置したとき、当該物品1がパレット2に対して水平方向に実質的にずれ動くことがないが、物品1を上方に持ち上げれば、その物品1をパレット2から外せるように、物品1をパレット2に対して位置決めして係止させることを意味し、上記固定手段によって、物品1をパレット2に対して固定するとは、パレット2上に載置した物品が、パレット2に対して、水平方向にもまた上方にも実質的にずれ動かないように、物品1をパレット2に固定することを意味する。以下に、この位置決め手段と固定手段の具体的構成例を明らかにする。
【0059】
図13は上述の位置決め手段の一例を示しており、ここに例示した位置決め手段は、パレット2の台座部材3に形成された貫通孔33より成る4つの係合部によって構成されている。一方、物品1の一例である複写機の底板34には、複写機を床面などに載置したとき、その床面に接触する4つの足部43が設けられている。物品1をパレット2の物品載置面5上に載せるとき、各足部43を、パレット2に形成された4つの貫通孔33のそれぞれに嵌合する。これにより、物品1はパレット2に対して正しく位置決めされ、物品の運搬中に、その物品1がパレット2に対して水平方向に大きくずれ動く不具合を阻止できる。貫通孔33の代りに凹溝より成る係合部をパレット2に形成し、これに物品1の足部43をそれぞれ嵌合して、物品1をパレット2に対して位置決めしてもよく、また足部43以外の物品1の突起をパレット2の係合部に嵌合するように構成してもよい。このように、本例の位置決め手段は、物品1の下部をパレット2に対して位置決めするように構成され、しかもこの位置決め手段は、パレット2に載置された物品1を該パレット2に対して水平方向に大きくずれ動くことを防止する係合部を具備し、該係合部は、物品1の下部の足部43と係合するように構成されている。
【0060】
物品1の足部43をパレット2の係合部に係合させて、物品1を位置決めできるように構成すると、その物品1をユーザの下に運搬し、ユーザがそれまで使用していた古い物品を引き取って持ち帰るような場合に特に有効である。例えば複写機を物品運搬保管装置によってユーザのところに運搬し、これを物品運搬保管装置から下ろした後、古い複写機をパレット2上に載せるが、このときも、その古い複写機の足部をパレット2の係合部に係合させて複写機をパレット2に対して位置決めすることができる。
【0061】
図14及び図15に示す位置決め手段は、パレット2の台座部材3に一体に突設された複数の位置決めピン44より成り、パレット2上に載置された物品1の底部、図の例では複写機の底板34に形成された孔45が位置決めピン44にそれぞれ嵌合し、これによって物品1がパレット2に対して正しく位置決めされる。
【0062】
また図14及び図15に示したパレット2の台座部材3には、めねじの切られた複数のねじ孔46が形成され、一方、パレット2上に載せられた物品1の底部、この例では底板34に複数の孔45Aが形成されている。パレット2上に物品1を載せたとき、これらの孔45Aが上記ねじ孔46にそれぞれ整合し、その孔45Aにボルト47を挿入し、そのボルト47を各ねじ孔46に螺着する。このようにしてボルト47を締付けることにより、物品1はパレット2に対して固定される。ボルト47を外すことによって、パレット2に対する物品1の固定を解除することができる。このように、ねじ孔46とボルト47は、物品1をパレット2に対して取外し可能に固定するための固定手段を構成しており、かかる固定手段を設けることにより、物品1を物品運搬保管装置に搭載して運搬するとき、物品運搬保管装置が揺れ動いたり、これに衝撃が加えられても、物品1をパレット2に対して不動に固定しておくことができる。
【0063】
なお、物品1の一例である複写機は、図1に示すように、その前方に引き出し可能な給紙カセット48を有しているが、その給紙カセット48を抜き出して、図15に示すように孔45Aを外部に露出させ、その孔45Aにボルト47を挿入する。
【0064】
図14及び図15に示した位置決めピン44を設ける代りに、そのパレット部分にねじ孔46と同様なねじ孔を形成し、合計で4個のねじ孔を形成し、これらにボルトをねじ込んで、物品1をパレット2に対して位置決めし、かつ固定するように構成してもよいが、このようにすると、物品1をパレット2に載置したとき、多数のボルトをねじ孔に螺着する必要があり、その作業が煩雑なものとなる。これに対し、図14及び図15に示した例のように、位置決めピン44により物品1を位置決めし、ねじ孔46及びボルト47によって物品1をパレット2に固定するように構成すると、ボルト47の数を少なくでき、そのねじ込み作業と、その取外し作業を簡素化できる。このように、パレット2に載置された物品1を、該パレット2に対して位置決めするための位置決め手段と、パレット2に載置された物品1を、パレット2に対して取外し可能に固定するための固定手段を共に物品運搬保管装置に設けると、パレット2への物品1の取付け及び取外し作業を簡素化することができる。
【0065】
また、図14及び図15に示した例では、2本の位置決めピン44を設け、かつ2本のボルト47をねじ止めするように構成したが、位置決めピン44の数よりもボルト47の数を少なくし、例えば3本の位置決めピン44と、1本のボルト47を用いるようにすると、パレット2への物品1の取付け及び取外し作業をより一層簡素化できる。位置決め手段によりパレット2に対して物品1を位置決るする個所の数よりも、固定手段によりパレット2に対して物品1を固定する個所の数を少なくするのである。
【0066】
また、パレット2に多数のねじ孔46を形成しておき、物品1の重量に応じて、使用するねじ孔46の数を選択できるようにしてもよい。例えば物品1の重量が大なるときは、全てのねじ孔46にボルト47をそれぞれねじ込んてその物品1をパレット2に強固に固定し、逆に物品1が軽量なものであるときは、一部のねじ孔46にだけ、ボルト47をねじ込んで物品1をパレット2に固定するのである。その際、各ねじ孔46の径を変えておき、重量の大なる物品1を運搬するときは、大きな径のねじ孔46に、これに見合った径のボルト47をねじ込み、逆に軽量な物品1の場合には小径のねじ孔46に、これに見合った径のボルト47をねじ込むようにしてもよい。これによって物品1をパレット2に対して適切な結合力で固定でき、軽量な物品1をパレット2に固定し、又はその固定を解除するときの作業を簡素化できる。
【0067】
図14及び図15に示した例では、位置決めピン44がパレット2の台座部材3に直に固定されている。これに対し、図16に示した例では、前述の位置決め手段を構成する一対の位置決めピン44Aが、取付部材49に固定され、その取付部材49がねじ50によってパレット2の台座部材3に固定されている。各位置決めピン44Aは、図15に示した位置決めピン44と全く同様にして物品1の孔45に嵌合し、物品1をパレット2に対して位置決めするように構成されている。
【0068】
上述のように、前述の位置決め手段が、パレット2に載置された物品1を該パレット2に対して位置決めするための位置決めピン44Aを有し、その位置決めピン44Aが、パレット2に取付けられる取付部材49に固定されている。この構成では、位置決めピン44Aを取付部材49を介してパレット2に固定するので、物品1を物品運搬保管装置に搭載して運搬するとき、物品運搬保管装置や物品1に大きな外力が加えられると、位置決めピン44Aと、取付部材49に大きな応力が発生するが、パレット2には大きな応力は発生しない。このため、取付部材49の方が破損し、又は永久変形しても、パレット自体が破損し又は永久変形することを防止できる。取付部材49の変形によりエネルギを吸収するので、パレット2の永久変形を防止できるのである。パレット自体が破損又は永久変形し、そのパレット全体を廃棄処分するとすれば、大きな経済的なロスを生じるが、取付部材49が破損したり永久変形して、これを新たなものと交換するのであれば、取付部材49はパレット2に比べて小型で、かつ低コストで製造できるので、経済的な損失を最小限に抑えることができる。
【0069】
図17に示す物品運搬保管装置においては、その固定手段がナット51より成る固定部材と、これに螺着されるボルト54とを有し、このナット51も、取付部材49Aに固着されている。ナット51の中心孔に対応する取付部材49Aの部分には貫通孔が形成され、パレット2の台座部材3にも図示していない孔が形成され、そのパレット2に載置された物品1に形成された孔45Aが、パレット2に形成された上記孔に整合する。この状態で、取付部材49Aを台座部材3の下方からその下面に当て(図20参照)、ナット51の中心孔と、上述のパレット2の孔及び物品1の孔45Aを整合させ、これらの孔にボルト54を挿入し、かつこれをナット51に螺着して、ボルト54を締付ける。
【0070】
図18に示すように、取付部材49Aにボルト52より成る固定部材を固着し、そのボルト52を、パレット2の孔とこれに整合した物品1の孔45Aにパレット2の下方から挿入し、そのボルト52にナット53を螺着して締付けてもよい。
【0071】
上述のように、図17及び図18に示した物品運搬保管装置においては、前述の固定手段が、パレット2に載置された物品1をパレット2に対して固定するための固定部材、すなわちナット51又はボルト52を有し、その固定部材が、パレット2に取付けられる取付部材49Aに固定されている。かかる構成により、図16に示した例の場合と同様に、物品運搬保管装置や物品1に大きな外力が加わったとき、パレット2ではなく、取付部材49Aを永久変形又は破損させることができ、これによって経済的損失を最小限に抑えることができる。
【0072】
また図19及び図20に示すように、取付部材49Aに位置決め用の複数のピン49Bを突設し、取付部材49を台座部材3の下面に当てるとき、そのピン49Bを台座部材3に形成された位置決め用の孔55に嵌合するように構成することもできる。図には示していないが、パレット2の側に位置決め用のピンを突設し、このピンに、取付部材49Aに形成した位置決め用の孔を嵌合して取付部材49Aを位置決めしてもよい。このように、パレット2に対する取付部材49Aの位置決め手段を設けることによって、取付部材49を容易にパレット2に対して正しく位置決めすることができる。
【0073】
上記構成は、ナット51の代りに、図18に示した如くボルト52を用いたときも適用でき、さらには図16に示した取付部材49にも適用できる。
【0074】
また、図16乃至図20に示した取付部材49,49Aを、パレット2に対して位置調整可能に取付けるようにすると、パレット2に対する位置決めピン44Aや、ナット51又はボルト52の相対位置を変えることができ、孔45,45Aの位置が互いに異なる各種の物品1をパレット2に対して位置決めし、又は固定することができる。例えば、図16に示すように、台座部材3に多数のねじ孔56を形成しておき、物品1の孔45(図15)の位置に合わせて適切なねじ孔56を選択し、そのねじ孔56にねじ50を締付けて取付部材49をパレット2に固定するのである。図17乃至図20に示した取付部材49Aも同様にして、パレット2に対する取付け位置を選択して取付けることができる。
【0075】
図21は、図14に示したパレット2上に載置した物品1を破線で示す斜視図であるが、物品1をパレット2の上に載せるとき、通常は位置決めピン44やねじ孔46は、物品1の下にくるので、作業者はこれらを目視することはできず、物品の載置作業が困難となるおそれがある。
【0076】
そこで、パレット2に対する物品1の載置位置の基準となるマーカM1をパレット2に設けると、物品の載置作業を極めて容易に行うことが可能となる。例えば、図21に示すようにパレット2の台座部材3上に、各物品1のサイズに合せた実線と破線のマーカM1をそれぞれ形成しておき、物品1をパレット2上に載せるとき、その物品1のサイズに合ったマーカM1にその物品1の縁を合せる。図21では実線のマーカに物品1の縁を合せた状態を示している。このようにすれば、簡単に物品1をパレット2上に正しく載せ、位置決めピン44を物品1の孔45に自動的に嵌合させ、かつパレット2のねじ孔46と物品1の孔45Aを自動的に整合させることができる。
【0077】
また、マーカM1をパレット2に直に形成する代りに、図21に示すように、プレート、シート、或いはフィルムなどのマーカ部材57にマーカM1を形成し、これをパレット2に貼着するなどして固定するようにしてもよい。
【0078】
また、物品1をパレット2上に人手によらず、ロボットによって自動的に載置する場合には、上述のマーカM1を図示していないセンサにより検知し、その検知情報に基づいてロボットを作動させ、物品1を正しくパレット2上に載せるように構成することもできる。
【0079】
上述したマーカM1に関連する構成は、先に説明した全ての構成に適用できるものである。
【0080】
ここで、パレット2の台座部材3を両脚部4の一定の個所に不動に固定することもできるが、台座部材3を脚部4に対して位置調整可能に固定すると、台座部材3上に各種サイズの物品1を載置することが可能となる。
【0081】
図22及び図23はその具体例を示しており、ここに示したパレット2の基本構成は図1及び図7に示したパレット2と変りはないが、次の点で相違する。
【0082】
図22及び図23に示したパレット2の台座部材3以外のパレット部分をパレット本体38と称することにすると、パレット2が、そのパレット本体38と、該パレット本体38に対して調整可能に固定される台座部材3とを有している。この例では、各脚部4の上壁35に、その長手方向に延びる長孔39がそれぞれ形成され、図23に明示するように、各台座部材3のフランジ部40の4個所に形成された貫通孔に、長孔39の長手方向に移動可能に挿通されたボルト41が挿入され、その各ボルト41にナット42が螺着されている。各ボルト41は、その頭部41Aが脚部4の内部に位置し、かつ当該頭部41Aが長孔39の幅よりも大きく形成されている。
【0083】
ここで、上述の各ナット42を緩めると、台座部材3を、パレット本体38に対して図22に矢印で示した方向に移動させることができる。台座部材3を所望する位置、例えば図22に破線で示した位置にもたらした後、ナット42を締付ければ、その台座部材3をその位置でパレット本体38に対して固定することができる。
【0084】
この構成によれば、物品載置面5上に載せる物品のサイズに合せて、パレット本体38に対する台座部材3の位置を調整でき、各種大きさの物品を効率よく、その物品載置面5上に載せることができる。
【0085】
また、物品1の大きさに合せて、容易にかつ正確に台座部材3の位置を決めることができるように、その位置を示すマーカM2を、例えば脚部4に形成しておくこともできる。図に示した例では、破線と一点鎖線と実線のマーカM2が脚部4に形成され、物品1のサイズが大きいときは、台座部材3を例えば実線の位置に合せて位置決めして、これを脚部4に固定する。逆に物品1が小型なものであるときは、台座部材3を例えば破線の位置に合せて位置決めすればよい。この場合も、図21に示した例と同じく、マーカ部材にマーカM2を形成し、これをパレット2に固定してもよい。
【0086】
上述のように、パレット本体38に対して位置調整可能に固定される台座部材3をパレット本体38に対して固定するときの位置決め基準となるマーカM2をパレット本体38に設けることにより、パレット本体38に対して台座部材3を容易に位置決めすることができる。図22及び図23に例示した位置調整可能な台座部材3とマーカM2の構成も、先に説明したいずれの構成にも適用できるものである。
【0087】
ところで、先に物品運搬保管装置の位置決め手段と固定手段の具体例を多数説明したが、その位置決め手段は、物品1の側に設けられた足部43や孔45などの物品側位置決め手段と協働して、物品1をパレット2に対して位置決めするものである。同様に、固定手段も、孔45Aなどの物品側固定手段と協働して物品1をパレット2に固定する用をなす。すなわち、先に例示した各物品運搬保管装置により運搬される物品1は、前述の位置決め手段と協働してパレット2に対する物品1の位置決めを行う物品側位置決め手段と、前述の固定手段と協働してパレット2に対する物品1の固定を行う物品側固定手段の少なくとも一方を有するものである。
【0088】
ここで、図13に例示した物品1においては、上述のように、物品側位置決め手段が、パレット2に設けられた位置決め手段を構成する係合部(図13においては貫通孔33)に係合可能な物品下部の足部43より成る。このような足部43は、複写機などの工業製品に元々設けられるものであり、かかる足部43を物品側位置決め手段として用いれば、その物品をパレット2に対して位置決めするための専用の物品側位置決め手段を設けずにすみ、製品のコスト上昇を抑えることができる。
【0089】
その際、物品1が、複写機、プリンタ、ファクシミリ、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの電気製品や、その他の工業製品である場合、互いに異なる少なくとも2機種の工業製品における互いに対応する足部間の間隔がそれぞれほぼ等しく設定されていると、その異なる機種の工業製品のそれぞれを同一形態のパレット2に位置決めして運搬できる利点が得られる。
【0090】
図24及び図25は、この構成を具体的に説明する図である。図24に示す複写機より成る物品1は、図25に示す複写機よりも大型であるとし、両複写機の機種は相違しているものとする。これらの複写機の底板34には、それぞれ4個ずつの足部43が設けられている。その際、図24に示した大型複写機の互いに隣り合う足部間の各間隔L,Wは、図25に示した小型複写機の互いに隣り合う足部間の各間隔L1,W1とそれぞれ等しくなっている(L=L1,W=W1)。このように、互いに異なる機種の複写機における互いに対応する足部間の間隔L,L1とW,W1がそれぞれ等しく設定されている。このため、いずれの複写機も貫通孔33の間の間隔が一定のパレット2に位置決めして載置し、これを安定状態で運搬することができる。機種が異なる毎に、貫通孔33の間の間隔を、その機種に合せて設定したパレットを用意する必要はなく、パレットの製造コストを低減でき、しかも複写機などの工業製品のコストも下げることも可能となる。
【0091】
図26に示した複写機にも、図15に示した複写機と同様に複写機本体内の底板に孔45Aが形成され、その孔45にボルト47を通し、そのボルトをパレット2に形成されたねじ孔(図26には示さず)にねじ込んで複写機より成る物品1をパレット2に固定するように構成されている。孔45Aは、物品側固定手段の一例を構成している。その際、図15に示した例では、孔45Aが複写機の手前側に形成されているので、前述のように給紙カセット48(図1)を引き抜くことによって、複写機の手前側からここに手を差し入れて、孔45Aにボルト47を容易に差し込み、これをねじ孔46にねじ込む作業を行うことができる。ところが、図26に示した孔45Aは複写機本体内の奥側に位置しているので、複写機手前側から手を差し入れて、その孔45Aにボルト47を挿入し、これをねじ孔に螺着することはできない。複写機の後部外装カバー65ん取外せば、ボルト47をねじ込むことができるが、複写機を運搬する毎に、後部外装カバー65を外すのは大変煩しい。
【0092】
そこで、図26及び図27に示す例では、複写機の後部外装カバー65に開口66が形成され、この開口66にカバー67が開閉可能に取付けられ、そのカバー67の内側に物品側固定手段を構成する孔45Aが配置されている。通常は、カバー65は図26に示すように閉位置を占め、開口66は閉じられている。複写機をパレット2に固定するとき、そのカバー67を図27に示すように複写機本体から取外し、開口66を開放する。このようにすればその開口66の近くに孔45Aが位置しているので、その孔45Aにボルト47を通し、これをパレット2のねじ孔にねじ込むことができる。この作業を終えた後、再びカバー67を閉じ、開口66を閉鎖する。同様な作業によって、ボルト47を取外すことができる。このような構成は、物品が複写機以外のものから成るとき適用できるものである。
【0093】
上述のように、図28及び図29に示した例では、物品側固定手段の一例である孔45Aが、その物品本体内であって、該物品本体の開口66に開閉可能に取付けられたカバー67の内側に配置されている。かかる構成により、カバー65を開くことにより、その孔45Aの個所に容易に手を近づけることができる。
【0094】
ところで、上述したところからも判るように、図15、図17、図18、図26及び図27に示した孔45,45Aは、物品側位置決め手段と、物品側固定手段の一例をそれぞれ構成しているが、かかる孔45,45Aを、専ら物品をパレット2に対して位置決めし、又は固定するための孔として、物品1に形成してもよい。これに対し、このような孔45,45Aとして、パレット2への物品1の固定以外の用途にも用いられる孔を利用すれば、その物品の製造コストを低減できる。
【0095】
図28及び図29は、複写機を製造するときの様子を示す説明図であり、その製造ラインのコンベア58上に治具プレート59が載せられ、その治具プレート59には、2本の位置決め用のピン60が突設されている。そして、この治具プレート59上に複写機の底板34が載せられ、このとき底板34に形成された位置決め孔68に治具プレート59のピン60が嵌合し、底板34が治具プレート59に対して位置決めされる。この底板34に対して、複写機の他の構成要素が組付けられる。
【0096】
上述のように、複写機の製造時に用いられる位置決め孔68を、図15、図17、図18、図26及び図27などに示した位置決め用の孔45又は固定用の孔45Aとして用いるのである。このようにすれば、パレット2に対する物品1の位置決め、又は固定のための専用の孔を物品1に形成しなくともよく、その製造コストを低減できる。
【0097】
また、図30及び図31は複写機より成る物品1と、その下部に接続されて使用される給紙トレイ装置61を示しており、この給紙トレイ装置61には、ねじ孔62が形成され、複写機の方には取付孔63が形成されている。かかる複写機と給紙トレイ装置61をユーザの下で使用するときは、これらを図30に示すように上下に重ね、取付孔63にねじ64を差し込むと共に、このねじ64をねじ孔62にねじ込んで、複写機と給紙トレイ装置61を結合する。
【0098】
上述の如き複写機より成る物品1をパレット2に対して位置決めするとき、上述の取付孔63を、例えば図15に示した孔45として利用し、ここに位置決めピン44を嵌合させる。また、図30に示した複写機より物品1をパレット2に固定するとき、その取付孔63を、例えば図15に示した孔45Aとして利用し、ここにボルト47を挿通し、そのボルト47をパレット2のねじ孔46にねじ込み固定するのである。その際、図31に示したねじ64を、複写機をパレット2に固定するためのボルト47として利用すれば、そのねじの利用効率を高めることができる。また、複写機より成る物品1をパレット2に固定するときの固定強度を高める必要のあるときは、ねじ64とこれが挿通される取付孔63及びねじ孔62の径を、物品1へのパレット2の固定に必要とされる固定強度が得られるように、大きく形成しておけばよい。
【0099】
上述のように、物品側位置決め手段が、パレット2への物品の位置決め以外の用途にも用いられる孔63より成り、同じく物品側固定手段が、パレット2への物品の固定以外の用途にも用いられる孔63より成ると、物品の製造コストの上昇を抑えることができる利点が得られる。この構成も、前述の各構成、特に図26及び図27に示したカバー67に関連する構成に適用できるものである。
【0100】
以上、本発明の多数の実施形態例を説明したが、その各例の構成を適宜組み合せて物品運搬保管装置又はこれにより運搬される物品を構成することもできる。また、本発明は、先に例示した物品以外の各種物品、例えば自動車、そのエンジンなどの部品、家具、建築材料など、実質的にいかなるものの物品運搬保管装置にも適用できるものである。
【0101】
【発明の効果】
本発明によれば、パレットに載せた物品をそのパレットに対して位置決めできるので、安定した状態で物品を運搬し、又はこれを保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
物品運搬保管装置の一例を示す斜視図である。
【図2】
図1に示した物品運搬保管装置を組立てて、これを上下に積み重ねたときの様子を示す斜視図である。
【図3】
図1に示した第1の継手とこれに連結された連結部材の拡大斜視図である。
【図4】
図1に示した第2の継手から支柱を分離して示した分解斜視図である。
【図5】
図1に示した支柱ユニットを折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図6】
図1に示したパレットを上下に積み重ねて格納した様子を示す斜視図である。
【図7】
図1とは異なる物品運搬保管装置の実施形態例を示す斜視図である。
【図8】
物品運搬保管装置上を上下に積み重ねたときの斜視図である。
【図9】
図7に示した支柱ユニットを折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図10】
支柱ユニットを折り畳むときの様子を示す斜視図である。
【図11】
折り畳んだ支柱ユニットを示す斜視図である。
【図12】
支柱ユニットをパレットに着脱するときの様子を示す斜視図である。
【図13】
複写機の足部をパレットの貫通孔に嵌合させるときの様子を示す斜視図である。
【図14】
位置決めピンとねじ孔を有するパレットの斜視図である。
【図15】
図14に示したパレットに複写機より成る物品を取付けたときの様子を示す斜視図である。
【図16】
位置決めピンを取付部材に固定した例を示す斜視図である。
【図17】
ナットを取付部材に固定した例を示す斜視図である。
【図18】
ボルトを取付部材に固定した例を示す斜視図である。
【図19】
取付部材に位置決め用のピンを設けた例を示す斜視図である。
【図20】
図19に示した取付部材をパレットに当てたときの状態を示す斜視図である。
【図21】
図14に示したパレットに複写機を取付けたときの様子を示し、その複写機をを破線で表わした図である。
【図22】
台座部材をパレット本体に位置調整可能に固定する例を示す斜視図である。
【図23】
図22の部分拡大図である。
【図24】
大型複写機とパレットの関係を示す斜視図である。
【図25】
小型複写機とパレットの関係を示す斜視図である。
【図26】
複写機の奥側にカバーを設けた例を示す斜視図である。
【図27】
図26に示したカバーを開いたときの様子を示す斜視図である。
【図28】
コンベア上の治具プレートと複写機の底板を示す斜視図である。
【図29】
治具プレート上に底板をセットしたときの状態を示す斜視図である。
【図30】
複写機と給紙トレイ装置を示す斜視図である。
【図31】
図30に示した複写機と給紙トレイ装置を上下に重ねたときの様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 物品
2 パレット
6 支柱
6A 支柱
6B 支柱
6C 支柱
6D 支柱
30 物品運搬保管装置
30A 物品運搬保管装置
43 足部
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