JP2000263449A - 気孔発生型レジノイド砥石 - Google Patents
気孔発生型レジノイド砥石Info
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- JP2000263449A JP2000263449A JP11073858A JP7385899A JP2000263449A JP 2000263449 A JP2000263449 A JP 2000263449A JP 11073858 A JP11073858 A JP 11073858A JP 7385899 A JP7385899 A JP 7385899A JP 2000263449 A JP2000263449 A JP 2000263449A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 シリコンウエハなど金属イオンによって汚染
されやすい被研削材に対しても高能率研削が可能な気孔
発生型レジノイド砥石を提供する。 【解決手段】 研削時に砥材層中の水溶性固形物が研削
液に溶出して気孔を発生する気孔発生型レジノイド砥石
の水溶性固形物として、融点160℃以上、pH4〜8
の範囲にある、スクロース、乳糖、アルブチン、水溶性
セルロースなどの金属イオンを発生しない水溶性有機固
形物を用いる。
されやすい被研削材に対しても高能率研削が可能な気孔
発生型レジノイド砥石を提供する。 【解決手段】 研削時に砥材層中の水溶性固形物が研削
液に溶出して気孔を発生する気孔発生型レジノイド砥石
の水溶性固形物として、融点160℃以上、pH4〜8
の範囲にある、スクロース、乳糖、アルブチン、水溶性
セルロースなどの金属イオンを発生しない水溶性有機固
形物を用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削時に気孔を発
生するタイプの気孔発生型レジノイド砥石に関する。
生するタイプの気孔発生型レジノイド砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】研削砥石において砥材層中の気孔は、研
削加工中に発生した切粉を気孔内に一時捕捉し、砥石作
業面が被加工物から離れるときに放出することにより砥
石の目詰まりを防止して砥石の切れ味を向上させ、ま
た、研削加工中に発生する多量の研削熱を放散させると
いう作用があり、難削材の研削加工のように目詰まりが
生じやすく、研削焼けの生じやすい加工に用いられる砥
石には、気孔率を高めた砥石が用いられている。
削加工中に発生した切粉を気孔内に一時捕捉し、砥石作
業面が被加工物から離れるときに放出することにより砥
石の目詰まりを防止して砥石の切れ味を向上させ、ま
た、研削加工中に発生する多量の研削熱を放散させると
いう作用があり、難削材の研削加工のように目詰まりが
生じやすく、研削焼けの生じやすい加工に用いられる砥
石には、気孔率を高めた砥石が用いられている。
【0003】一方、上記のような研削焼けが生じやすい
難削材の研削加工においては、気孔率を高めることが望
まれるだけでなく、研削加工時の発熱量を低減させるた
めに、被加工物に柔らかく作用するレジノイド砥石が用
いられる。このレジノイド砥石は、砥粒と粉末樹脂を混
合し加圧成形する方法、あるいは、液状樹脂中に砥粒を
分散させた流動性混合物を所定の型内に流し込んで硬化
させる方法で製造される。後者の製造法の場合、液状樹
脂が砥粒間の隙間に入り込んで組織が全体的に緻密化す
るために高い気孔率が得られないという問題がある。
難削材の研削加工においては、気孔率を高めることが望
まれるだけでなく、研削加工時の発熱量を低減させるた
めに、被加工物に柔らかく作用するレジノイド砥石が用
いられる。このレジノイド砥石は、砥粒と粉末樹脂を混
合し加圧成形する方法、あるいは、液状樹脂中に砥粒を
分散させた流動性混合物を所定の型内に流し込んで硬化
させる方法で製造される。後者の製造法の場合、液状樹
脂が砥粒間の隙間に入り込んで組織が全体的に緻密化す
るために高い気孔率が得られないという問題がある。
【0004】そこで、液状樹脂を用いた多孔質レジノイ
ド砥石を製造する方法として、無機化合物や樹脂などか
らなる中空の気孔材、あるいは軟質な造粒フィラーや発
泡スチレンビーズのような気孔形成材を流動性混合物中
に混合して気孔を形成する方法がとられている。
ド砥石を製造する方法として、無機化合物や樹脂などか
らなる中空の気孔材、あるいは軟質な造粒フィラーや発
泡スチレンビーズのような気孔形成材を流動性混合物中
に混合して気孔を形成する方法がとられている。
【0005】さらに近年は、高能率研削用砥石として、
研削加工時に気孔を発生させる、いわゆる気孔発生型の
レジノイド砥石が用いられている。このレジノイド砥石
は、砥材層中に水溶性固形物を含有させ、研削時にこの
水溶性固形物が研削液に溶出して気孔を発生するもので
ある。
研削加工時に気孔を発生させる、いわゆる気孔発生型の
レジノイド砥石が用いられている。このレジノイド砥石
は、砥材層中に水溶性固形物を含有させ、研削時にこの
水溶性固形物が研削液に溶出して気孔を発生するもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の気孔
発生型のレジノイド砥石において、従来は気孔発生剤と
して、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウ
ムなどの無機塩がもっぱら用いられている。これらの無
機塩は、融点が300℃以上と高く、かつ重合反応に対
する安定性がよいという利点がある。
発生型のレジノイド砥石において、従来は気孔発生剤と
して、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウ
ムなどの無機塩がもっぱら用いられている。これらの無
機塩は、融点が300℃以上と高く、かつ重合反応に対
する安定性がよいという利点がある。
【0007】ところが上記の無機塩は、研削液中で電離
して金属イオンを発生させることから、被加工物によっ
ては使用に適さないことがある。たとえばシリコンウエ
ハの研削加工においては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸マグネシウムなどの無機塩から発生したナトリ
ウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンなど
の金属イオンはシリコンウエハの汚染要因となる。この
ため、最も高能率研削が望まれるシリコンウエハの研削
加工に気孔発生型レジノイド砥石が使用できないという
問題がある。
して金属イオンを発生させることから、被加工物によっ
ては使用に適さないことがある。たとえばシリコンウエ
ハの研削加工においては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸マグネシウムなどの無機塩から発生したナトリ
ウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオンなど
の金属イオンはシリコンウエハの汚染要因となる。この
ため、最も高能率研削が望まれるシリコンウエハの研削
加工に気孔発生型レジノイド砥石が使用できないという
問題がある。
【0008】本発明は、金属イオンを発生しない気孔発
生剤を用いることにより、シリコンウエハなど金属イオ
ンによって汚染されやすい被研削材に対しても高能率研
削が可能な気孔発生型レジノイド砥石を提供することを
目的とする。
生剤を用いることにより、シリコンウエハなど金属イオ
ンによって汚染されやすい被研削材に対しても高能率研
削が可能な気孔発生型レジノイド砥石を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、砥材層中に水
溶性固形物を含有し、研削時に水溶性固形物が研削液に
溶出して気孔を発生する気孔発生型レジノイド砥石であ
って、前記水溶性固形物として融点160℃以上、pH
4〜8で、金属イオンを発生しない水溶性有機固形物を
用いたことを特徴とする。
溶性固形物を含有し、研削時に水溶性固形物が研削液に
溶出して気孔を発生する気孔発生型レジノイド砥石であ
って、前記水溶性固形物として融点160℃以上、pH
4〜8で、金属イオンを発生しない水溶性有機固形物を
用いたことを特徴とする。
【0010】本発明の気孔発生型レジノイド砥石は、気
孔発生剤として金属イオンを発生しない水溶性有機固形
物を用いているので、研削加工中に水溶性有機固形物が
研削液に溶出して気孔を発生する際に、シリコンウエハ
などにとって有害である金属イオンを発生することがな
い。水溶性有機固形物が気孔を発生するメカニズムは水
溶性無機固形物の場合と同様であり、砥材層中に含有さ
れた水溶性有機固形物が研削液中に溶出することにより
砥材層の研削面に気孔が発生する。
孔発生剤として金属イオンを発生しない水溶性有機固形
物を用いているので、研削加工中に水溶性有機固形物が
研削液に溶出して気孔を発生する際に、シリコンウエハ
などにとって有害である金属イオンを発生することがな
い。水溶性有機固形物が気孔を発生するメカニズムは水
溶性無機固形物の場合と同様であり、砥材層中に含有さ
れた水溶性有機固形物が研削液中に溶出することにより
砥材層の研削面に気孔が発生する。
【0011】ここで、前記水溶性有機固形物は、融点が
160℃以上のものを用いる。通常、レジノイド砥石
は、粉末樹脂と硬化剤もしくはフィラ材を撹拌混合し、
これを砥粒と混合して金型に充填した後、160℃以上
の温度で加圧加熱硬化することによって製造される。水
溶性有機固形物の融点が160度未満であると、この加
圧加熱硬化過程において、水溶性有機固形物が溶融し
て、気孔発生剤の分散具合を不均一にしたり、樹脂と反
応して硬化を阻害したり、また気孔発生剤が分解するこ
とにより気孔剤としての機能を失う場合がある。したが
って、金属イオンを発生しない水溶性有機固形物であっ
ても、融点が160度未満であるマルトース、グルコー
ス、ガラクトース、マンノースなどは本発明における気
孔発生剤としては適さない。
160℃以上のものを用いる。通常、レジノイド砥石
は、粉末樹脂と硬化剤もしくはフィラ材を撹拌混合し、
これを砥粒と混合して金型に充填した後、160℃以上
の温度で加圧加熱硬化することによって製造される。水
溶性有機固形物の融点が160度未満であると、この加
圧加熱硬化過程において、水溶性有機固形物が溶融し
て、気孔発生剤の分散具合を不均一にしたり、樹脂と反
応して硬化を阻害したり、また気孔発生剤が分解するこ
とにより気孔剤としての機能を失う場合がある。したが
って、金属イオンを発生しない水溶性有機固形物であっ
ても、融点が160度未満であるマルトース、グルコー
ス、ガラクトース、マンノースなどは本発明における気
孔発生剤としては適さない。
【0012】また、前記水溶性有機固形物は、pHが4
〜8の範囲のものを用いる。pHが4未満の強酸性およ
びpHが8超の強アルカリ性であると、研削装置および
被研削材を腐食させ、作業環境を悪化させるだけでな
く、人体にも有害な作用を及ぼす。
〜8の範囲のものを用いる。pHが4未満の強酸性およ
びpHが8超の強アルカリ性であると、研削装置および
被研削材を腐食させ、作業環境を悪化させるだけでな
く、人体にも有害な作用を及ぼす。
【0013】上記の条件を満たす水溶性有機固形物とし
て、本発明において用いるのに最適な気孔発生剤として
は、スクロース、乳糖、アルブチン、水溶性セルロース
を挙げることができる。スクロースは、サトウキビやサ
トウダイコンから精製されるもので、融点185℃、p
Hは5.5〜7.0である。乳糖は、哺乳類の乳中に含
まれる糖で、融点は1水和物で202℃、pHは4〜6
である。アルブチンは、バラ科植物の葉から単離される
もので、融点198℃、pHは7.0〜7.5である。
水溶性セルロースは、糖骨格中の水酸基(−OH)が一
部エーテル化(−OR)されたものであり、このうち本
発明において使用できるものは、水溶性を有するメチル
セルロース類、ブチルセルロース類、ヒドロキシエチル
セルロース類などの水溶性セルロースである。これらの
水溶性セルロースは、200℃以上の耐熱性を有してお
り、pHは6〜8である。
て、本発明において用いるのに最適な気孔発生剤として
は、スクロース、乳糖、アルブチン、水溶性セルロース
を挙げることができる。スクロースは、サトウキビやサ
トウダイコンから精製されるもので、融点185℃、p
Hは5.5〜7.0である。乳糖は、哺乳類の乳中に含
まれる糖で、融点は1水和物で202℃、pHは4〜6
である。アルブチンは、バラ科植物の葉から単離される
もので、融点198℃、pHは7.0〜7.5である。
水溶性セルロースは、糖骨格中の水酸基(−OH)が一
部エーテル化(−OR)されたものであり、このうち本
発明において使用できるものは、水溶性を有するメチル
セルロース類、ブチルセルロース類、ヒドロキシエチル
セルロース類などの水溶性セルロースである。これらの
水溶性セルロースは、200℃以上の耐熱性を有してお
り、pHは6〜8である。
【0014】これらの水溶性有機固形物を、粉砕、分級
などにより粒度を#100〜#400の範囲に調整し、
砥粒、粉末樹脂と硬化剤、フィラ材からなるマトリック
ス中に5〜50体積%の範囲で含有させる。ここで前記
水溶性有機固形物の含有量は、5体積%未満であると気
孔発生剤としての効果が低く、50体積%を超えると砥
材層の成形時に粗密のむらが生じるので、上記の範囲が
望ましい。
などにより粒度を#100〜#400の範囲に調整し、
砥粒、粉末樹脂と硬化剤、フィラ材からなるマトリック
ス中に5〜50体積%の範囲で含有させる。ここで前記
水溶性有機固形物の含有量は、5体積%未満であると気
孔発生剤としての効果が低く、50体積%を超えると砥
材層の成形時に粗密のむらが生じるので、上記の範囲が
望ましい。
【0015】上記の粒度調整した水溶性有機固形物を、
砥粒、粉末樹脂と硬化剤、フィラ材と撹拌混合し、金型
に充填した後、圧力300kg/cm2 程度、温度16
0℃以上で加圧加熱硬化することによって砥材層を成形
する。この砥材層を台金に接着剤で張り付けて気孔発生
型レジノイド砥石を製造する。
砥粒、粉末樹脂と硬化剤、フィラ材と撹拌混合し、金型
に充填した後、圧力300kg/cm2 程度、温度16
0℃以上で加圧加熱硬化することによって砥材層を成形
する。この砥材層を台金に接着剤で張り付けて気孔発生
型レジノイド砥石を製造する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態のレジノ
イド砥石を示す斜視図、図2は図1の砥石の砥材層を模
式的に示す拡大断面図、図3は同砥石の使用態様を示す
図である。
イド砥石を示す斜視図、図2は図1の砥石の砥材層を模
式的に示す拡大断面図、図3は同砥石の使用態様を示す
図である。
【0017】本実施形態の砥石10は、シリコンウエハ
の研削加工用のレジノイド砥石であり、外径250mm
の台金11の先端に幅3mm、高さ5mmの砥材層12
を接着剤により固着したものである。この砥石10は図
示しない研削盤に取り付けられ、図3に示すように、回
転テーブル30上の被研削材31に砥材層12を押し付
け回転させながら、被研削材31の表面を研削するのに
使用される。
の研削加工用のレジノイド砥石であり、外径250mm
の台金11の先端に幅3mm、高さ5mmの砥材層12
を接着剤により固着したものである。この砥石10は図
示しない研削盤に取り付けられ、図3に示すように、回
転テーブル30上の被研削材31に砥材層12を押し付
け回転させながら、被研削材31の表面を研削するのに
使用される。
【0018】砥材層12には、ダイヤモンド砥粒21、
フェノール系樹脂22、その他図示しないフィラ材から
なるマトリックス中に、気孔発生剤としてのスクロース
23が均一に分散されている。スクロース23は、#1
00〜#400に粒度調整した粉末をマトリックス中に
約20体積%含有させたものである。
フェノール系樹脂22、その他図示しないフィラ材から
なるマトリックス中に、気孔発生剤としてのスクロース
23が均一に分散されている。スクロース23は、#1
00〜#400に粒度調整した粉末をマトリックス中に
約20体積%含有させたものである。
【0019】この砥石10は、気孔発生剤としての水溶
性有機固形物であるスクロース23を砥材層12に含有
することから、研削時にこのスクロース23が研削液に
溶出して気孔を発生し、高能率研削が可能となる。さら
に、このスクロース23は、従来の無機塩の場合のよう
に研削液中で電離して金属イオンを発生させることがな
いので、被研削材であるシリコンウエハを汚染すること
がない。
性有機固形物であるスクロース23を砥材層12に含有
することから、研削時にこのスクロース23が研削液に
溶出して気孔を発生し、高能率研削が可能となる。さら
に、このスクロース23は、従来の無機塩の場合のよう
に研削液中で電離して金属イオンを発生させることがな
いので、被研削材であるシリコンウエハを汚染すること
がない。
【0020】〔試験例1〕図1に示した砥石10と同じ
寸法形状で、気孔発生剤の種類と含有量を変えた本発明
品1〜6、気孔発生剤の含有量が5体積%未満の比較品
1〜3、および気孔発生剤なしの従来品を用いて研削試
験を行った。表1に砥石の仕様を、表2に研削結果を示
す。研削条件は以下の通りである。 使用機械:立軸ロータリー平面研削盤 被研削材:5インチ、シリコンウエハ 砥石周速度:2000m/min 切り込み:30μm/min 研削液:純水
寸法形状で、気孔発生剤の種類と含有量を変えた本発明
品1〜6、気孔発生剤の含有量が5体積%未満の比較品
1〜3、および気孔発生剤なしの従来品を用いて研削試
験を行った。表1に砥石の仕様を、表2に研削結果を示
す。研削条件は以下の通りである。 使用機械:立軸ロータリー平面研削盤 被研削材:5インチ、シリコンウエハ 砥石周速度:2000m/min 切り込み:30μm/min 研削液:純水
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表2からわかるように、気孔発生剤として
水溶性有機固形物を添加した本発明品1〜6および比較
品1〜3は従来品に比して、切れ味指標である回転駆動
電動機の所要電流が研削初期から低く推移し、良好な切
れ味を示した。とくに、水溶性有機固形物がマトリック
スの5体積%以上となるように添加した発明品1〜6
は、添加量が少ない比較品1〜3に比してさらに良好な
切れ味とドレッシングインターバルが得られた。
水溶性有機固形物を添加した本発明品1〜6および比較
品1〜3は従来品に比して、切れ味指標である回転駆動
電動機の所要電流が研削初期から低く推移し、良好な切
れ味を示した。とくに、水溶性有機固形物がマトリック
スの5体積%以上となるように添加した発明品1〜6
は、添加量が少ない比較品1〜3に比してさらに良好な
切れ味とドレッシングインターバルが得られた。
【0024】〔試験例2〕金属イオンを発生しない水溶
性有機固形物ではあるが融点が103℃であるマルトー
ス一水和物を気孔発生剤として用い、図1に示した砥石
10と同じ寸法の砥材層の成形を行った。その結果、マ
ルトースの融解が原因と考えられる“ふき”や、“砥材
層むら、”はがれ”が発生し、設計寸法(外径250m
m、幅3mm、高さ5mm)に対して一部高さが3mm
以下、幅が2mm以下の部分が数箇所存在し、目的形状
の砥石を得ることができなかった。
性有機固形物ではあるが融点が103℃であるマルトー
ス一水和物を気孔発生剤として用い、図1に示した砥石
10と同じ寸法の砥材層の成形を行った。その結果、マ
ルトースの融解が原因と考えられる“ふき”や、“砥材
層むら、”はがれ”が発生し、設計寸法(外径250m
m、幅3mm、高さ5mm)に対して一部高さが3mm
以下、幅が2mm以下の部分が数箇所存在し、目的形状
の砥石を得ることができなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。
ができる。
【0026】(1)研削加工中に金属イオンを発生する
ことのない水溶性有機固形物を気孔発生剤として用いる
ことにより、シリコンウエハなど金属イオンによって汚
染されやすい被研削材の研削にも適用することができ、
シリコンウエハなどの高能率研削が可能となる。
ことのない水溶性有機固形物を気孔発生剤として用いる
ことにより、シリコンウエハなど金属イオンによって汚
染されやすい被研削材の研削にも適用することができ、
シリコンウエハなどの高能率研削が可能となる。
【0027】(2)水溶性有機固形物として融点が16
0℃以上でpHが4〜8の範囲のものを用いることによ
り、レジノイド砥石の製造過程における加熱工程におい
て溶融することがなく、また、研削時に研削装置および
被研削材を腐食させたり作業環境を悪化させたりするこ
とがない砥石が得られる。
0℃以上でpHが4〜8の範囲のものを用いることによ
り、レジノイド砥石の製造過程における加熱工程におい
て溶融することがなく、また、研削時に研削装置および
被研削材を腐食させたり作業環境を悪化させたりするこ
とがない砥石が得られる。
【図1】 本発明の実施形態のレジノイド砥石を示す斜
視図である。
視図である。
【図2】 図1の砥石の砥材層を模式的に示す拡大断面
図である。
図である。
【図3】 図1の砥石の使用態様を示す図である。
【符号の説明】 10 砥石 11 台金 12 砥材層 21 ダイヤモンド砥粒 22 フェノール系樹脂 23 スクロース 30 回転テーブル 31 被研削材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月4日(2000.2.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
Claims (2)
- 【請求項1】 砥材層中に水溶性固形物を含有し、研削
時に水溶性固形物が研削液に溶出して気孔を発生する気
孔発生型レジノイド砥石であって、前記水溶性固形物と
して融点160℃以上、pH4〜8で、金属イオンを発
生しない水溶性有機固形物を用いたことを特徴とする気
孔発生型レジノイド砥石。 - 【請求項2】 前記水溶性有機固形物がスクロース、乳
糖、アルブチン、水溶性セルロースのいずれかである請
求項1記載の気孔発生型レジノイド砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11073858A JP2000263449A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 気孔発生型レジノイド砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11073858A JP2000263449A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 気孔発生型レジノイド砥石 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000263449A true JP2000263449A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13530293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11073858A Pending JP2000263449A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | 気孔発生型レジノイド砥石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000263449A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005070618A1 (ja) * | 2004-01-23 | 2005-08-04 | Bando Chemical Industries, Ltd. | 研磨方法および該研磨方法に用いる研磨フィルム |
CN108890402A (zh) * | 2018-06-12 | 2018-11-27 | 上海江南轧辊有限公司 | 砂轮磨削冷却工艺 |
CN111347354A (zh) * | 2020-04-14 | 2020-06-30 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | 一种碳化硅晶体减薄用砂轮、制备方法及其应用 |
-
1999
- 1999-03-18 JP JP11073858A patent/JP2000263449A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005070618A1 (ja) * | 2004-01-23 | 2005-08-04 | Bando Chemical Industries, Ltd. | 研磨方法および該研磨方法に用いる研磨フィルム |
CN108890402A (zh) * | 2018-06-12 | 2018-11-27 | 上海江南轧辊有限公司 | 砂轮磨削冷却工艺 |
CN111347354A (zh) * | 2020-04-14 | 2020-06-30 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | 一种碳化硅晶体减薄用砂轮、制备方法及其应用 |
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