JP2000263321A - 丸鋸切断機 - Google Patents

丸鋸切断機

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JP2000263321A JP6823899A JP6823899A JP2000263321A JP 2000263321 A JP2000263321 A JP 2000263321A JP 6823899 A JP6823899 A JP 6823899A JP 6823899 A JP6823899 A JP 6823899A JP 2000263321 A JP2000263321 A JP 2000263321A
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cutting
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D47/00Sawing machines or sawing devices working with circular saw blades, characterised only by constructional features of particular parts
    • B23D47/12Sawing machines or sawing devices working with circular saw blades, characterised only by constructional features of particular parts of drives for circular saw blades

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削中の丸鋸のびびり振動を除去して、切削
精度を高めると共に丸鋸の寿命を高め、騒音の発生を安
価に抑制する。 【解決手段】 丸鋸切断機の主軸26に固定した主軸歯
車29と輪を組んで噛み合って同時に回転する3個以上
奇数個の中間歯車33を配設することにより拘束噛合い
歯車列を構成し、中間歯車の1つに電動モータ45の回
転を入力伝達すると共に、中間歯車の少なくとも1個を
移動可能とし、移動可能な中間歯車の少なくとも1つに
荷重を作用させることにより拘束噛合い歯車列のバック
ラッシを除去するものであり、丸鋸の外径をD(mm)、
回転数をN(rpm)、接線方向の分力である一刃当りの
切削力をF(kgf)としたとき、主軸からバックラッシ
を除去した状態で連動する各軸の主軸を含めた主軸換算
慣性モーメントの和J(kgf・m・sec2 )が、J≧F×
(D/2)/[1000×250×(N/60)2 ]を
満足するものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、丸鋸切断機に係
り、特に金属被削材の切断において発生するびびり振動
を防止する丸鋸切断機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の丸鋸切断機は、低速度、
高トルクで丸鋸を回転させるために、電動モータの回転
を、プーリ及び、ギアボックス内に設けた歯車機構を介
して減速させて主軸に伝達し、主軸のギアボックスから
突出した一端に丸鋸を取り付け、主軸を低速高トルクで
回転させることにより金属被削材の切断を行っている。
この丸鋸切断機は、上記のように回転伝達部分に歯車機
構を用いているため、歯車のバックラッシがある。その
ため、丸鋸による1カット毎の切り始め時と、切り終り
時において、切削関与歯数Ziが0〜1.0の範囲で
は、鋸歯が被削材に食い込むときと抜き出るときに、歯
車のバックラッシ分の回転変動が起きる。また、Ziが
大きい場合にも、本体送り方向の自励振動である再生び
びりおよび主軸の回転変動を伴った連成びびりを発生す
る場合がある。このような歯車の回転変動により、丸鋸
にびびり振動が発生し、その切削精度を悪くすると共
に、刃先の損傷、欠損等により丸鋸の寿命を低下させ、
さらに振動騒音により作業環境を悪化させていた。
【0003】かかる歯車の回転変動を防止する丸鋸切断
機として、例えば実公昭62−28334号公報に示す
ように、丸鋸の両側に押え片を設け、一方の押え片に油
圧シリンダを作動させて、切削を開始する前から摩擦力
を作用させることにより、動力系のバックラッシを除去
しながら切削を開始して、途中からタイマにより摩擦力
を解除させるものが知られている。また、他の丸鋸切断
機は、実公平7−48339号公報に示すように、丸鋸
を取り付ける主軸に、歯車を介して制御軸を直結し、制
御軸にブレーキ装置を設けている。この丸鋸切断機は、
丸鋸による切削開始から切削終了までの間、ブレーキ力
を電磁比例弁によって電気的に制御しながら、駆動系の
歯車のバックラッシを抑制して、切削中の丸鋸のびびり
振動を除去するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記丸鋸切断
機の場合、いずれも切断の始めと終わりに、駆動系へブ
レーキ力を作用させて、歯車のバックラッシを強制的に
除去しようとするものであり、切削動力をロスさせなが
ら切削を行うようになっている。そのため、機械構造が
複雑になると共に、電気制御構成も必要であるため、機
械が高価になると共に、保守の手間が煩雑になるという
問題がある。
【0005】本発明は、上記問題を解決しようとするも
ので、切削中の丸鋸のびびり振動を除去して切削精度を
高めると共に丸鋸の寿命を高め、かつ騒音の発生を安価
に抑制できる丸鋸切断機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に上記請求項1の発明の構成上の特徴は、電動モータの
回転を主軸に伝達し、主軸の一端に取り付けられた丸鋸
により切削を行う丸鋸切断機において、主軸に固定した
主軸歯車と輪を組んで噛み合って同時に回転する3個以
上奇数個の中間歯車を配設することにより拘束噛合い歯
車列を構成し、中間歯車の1つに電動モータの回転を入
力伝達すると共に、中間歯車の少なくとも1個を移動可
能とし、移動可能な中間歯車の少なくとも1つに荷重を
作用させることにより拘束噛合い歯車列のバックラッシ
を除去するものであり、丸鋸の外径をD(mm)、回転数
をN(rpm)、接線方向の分力である一刃当りの切削力
をF(kgf)としたとき、主軸からバックラッシを除去
した状態で連動する各軸の主軸を含めた主軸換算慣性モ
ーメントの和J(kgf・m・sec2 )が、J≧F×(D/
2)/[1000×250×(N/60)2 ]を満足す
るものとしたことにある。
【0007】上記のように構成した請求項1の発明にお
いては、拘束噛合い歯車列を構成する中間歯車の少なく
とも1つの歯車の軸に必要かつ十分な慣性モーメントを
有するフライホイールを取り付け、移動可能な中間歯車
に荷重を作用させることにより、拘束噛合い歯車列を構
成する各歯車のバックラッシが除去され、各回転軸の主
軸を含めた主軸換算慣性モーメントの和J(kgf・m・se
c2 )がF×(D/2)/[1000×250×(N/
60)2 ]以上にされる。
【0008】上記のように、丸鋸駆動系のバックラッシ
をなくし、主軸換算慣性モーメントの和Jを大きくする
ことにより、回転変動が発生し易い丸鋸切断機による被
削材の切り始めと切り終わり部分の切削関与歯数Ziが
1.0以下の領域において、回転変動を抑えることがで
きる。すなわち、断続的な切削抵抗により主軸に掛かる
切削力Fに対して主軸の回転変動は微小となり、それに
対して切断機の機械本体の振動減衰の方が大きくなるの
で、切削中のびびり振動の発生が抑制され、切断面の精
度と刃物寿命を大幅に向上させることができる。また、
切削関与歯数Ziが大きいときに発生する再生びびり振
動または連成びびり振動に対しても、慣性モーメントを
大きくすることにより、その発生を抑制することができ
る。
【0009】上記主軸換算慣性モーメントJの根拠につ
いて説明する。慣性モーメントJ(kgf・m・sec2 )に
ついては、よく知られているように下記数1が成り立
つ。
【0010】
【数1】 T=J×dω/dt
【0011】ただし、T(kgf・m)はトルクであり、ω
=2π・(N/60)(rad/sec)は回転の角速度であ
り、dω/dt(rad/sec2 )は角加速度である。鋸刃
が、被削材を切削するときの一刃当りの最大の力をF
(kgf)とすると、変動トルクTは、数2のようにな
る。
【0012】
【数2】 T=F×(D/2)/1000
【0013】ただし、D(mm)は丸鋸の外直径である。
このトルク変動によって主軸の回転数が上記角加速度d
ω/dtで変動する。上記数1、数2を用いて関係要因
を無次元化すると下記数3のようになる。
【0014】
【数3】 K=F×(D/2)/[1000×J×(N
/60)2
【0015】ただし、Kは定数である。上記数3におい
て、定数Kを適正な値とすることにより、下記数4が得
られる。
【0016】
【数4】 J≧F×(D/2)/[1000×K×(N
/60)2
【0017】すなわち、定数Kとして適正な値を決定す
ることにより、慣性モーメントJが数4を満たすように
させることができ、その場合には、切削力による歯車の
回転変動が生じない。ここで、種々の切断試験を行った
結果、K=250以上であり、かつ慣性モーメントが数
4の関係にあれば、切削による歯車の回転変動は無くな
ることが明らかになっている。本願では、限界値として
K=250を採用する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1〜図3は、同実施形態に係
るスイング式の丸鋸切断機を一部破断正面図、断面図
(図1のII−II線方向)及び断面図(図1のIII−III
線方向)により示したものである。この丸鋸切断機は、
箱状の機台11を設けており、機台11は、右下位置に
て支持台12により回動可能に支持されている。機台1
1の上部には箱形のギアボックス20が載置固定されて
いる。ギアボックス20は、前側壁20a、後側壁20
b,右側壁20c、左側壁20d、上面壁20e及び底
面壁20fによって囲まれた中空形状であり、内部は潤
滑油が充填された作動室Rになっている(以後、左右方
向については、機台11の正面から視た方向とする)。
後側壁20bは、図2に示すように、その内部に、左端
から略中間位置間に延びた空間部Sを設けており、この
部分は、空間部Sを挟んで、前壁部20b1と後壁部2
0b2になっている。
【0019】ギアボックス20の中央左寄り位置には、
後側壁20bの前壁部20b1と後壁部20b2を前後
方向に貫通した貫通孔21a,21b が形成されてお
り、また、前側壁20aの背面部には貫通孔21a,2
1bの延長位置に取付孔21cが設けられている。そし
て、貫通孔21a,21b及び取付孔21cには、駆動
軸22が挿通されており、貫通孔21a及び取付孔21
cにベアリングを介して回転可能かつ軸方向に移動不能
に支持されている。駆動軸22は、一端が後側壁20b
から外部に突出しており、突出部分にはプーリ24が固
定されており、また作動室R 内の部分には駆動軸歯車
23が固定されている。
【0020】ギアボックス20の右側壁20c近傍位置
には、前後方向に前側壁20aを貫通する貫通孔25a
と、後側壁20bの前面側に取付孔25bが形成されて
いる。貫通孔25a及び取付孔25bには、主軸26が
ベアリングを介して回転可能かつ軸方向に移動不能に支
持されている。主軸26は、一端が前側壁20aから前
方にわずかに突出しており、突出部分にはフランジ28
に挟まれて丸鋸27が固定されている。また、主軸26
の、作動室R内の部分には、主軸歯車29が固定されて
いる。
【0021】ギアボックス20内における上記駆動軸2
2及び主軸26の中間位置には前後方向に、前側壁20
aを貫通する貫通孔31aと、後側壁20bの前壁部2
0b1を貫通する貫通孔31bが形成されている。貫通
孔31a,31bには、中間軸32がベアリングによっ
て回転可能かつ軸方向に移動不能に支持されている。中
間軸32には、中間歯車33が固定されている。中間歯
車33は、上記駆動軸歯車23及び主軸歯車29にそれ
ぞれ噛み合わされており、駆動軸22から主軸26への
動力伝達に用いられる。
【0022】ギアボックス20における上記駆動軸22
の左下位置には前後方向に、図3に示すように、前側壁
20aを貫通する貫通孔34aと、後側壁20bの前壁
部20b1を貫通する貫通孔34bが形成されている。
貫通孔34a,34bには、支持軸35がベアリングに
よって回転可能かつ軸方向に移動不能に支持されてい
る。そして、支持軸35には、図1に示すように、スイ
ングアーム36が固定されている。スイングアーム36
は、正面視で略L字形状であり、L字の垂直部36aと
水平部36bの交叉部分が支持軸35に固定されてい
る。
【0023】スイングアーム36の垂直部36a上端
は、左側壁20dの上下略中間位置に貫通して設けた油
圧シリンダ37の先端に連結されており、油圧シリンダ
37の駆動により支持軸35を中心として回動可能にさ
れている。スイングアーム36の水平部36bは、図3
に示すように、その前後方向の中間部分が右端側から切
りかかれた凹部36cになっており、水平部36bの右
端位置に支持軸38が回転可能にかつ軸方向に移動不能
に支持されている。この支持軸38には、凹部36c位
置に中間歯車39が固定されており、上記駆動軸歯車2
3及び主軸歯車29に噛合わせ可能に配設されている。
該駆動軸歯車23は、中間歯車の1つであり、中間歯車
39と、駆動軸歯車23、主軸歯車29及び中間歯車3
3が輪を組んで同時に噛合い回転する拘束噛合い歯車列
を構成している。そして、この中間歯車39は、拘束噛
合い歯車列のバックラッシを除去するために使用され
る。すなわち、油圧シリンダ37の駆動により支持軸3
5を中心として回動するスイングアーム36の角度によ
り、中間歯車39の駆動軸歯車23及び主軸歯車29へ
の噛み合い深さがコントロールされるようになってい
る。
【0024】本実施形態に示した回転方向(図示、矢印
方向)では、スイングアーム36の回動により、中間歯
車39の軸心を他の歯車から離れる方向にずらすことで
歯同士を強制的に接触させ、歯車列全体のバックラッシ
をゼロにすると共に、びびり振動を抑制するために必要
な与圧力を歯車に作用させるようにした。さらに、油圧
回路中に設けた圧力調整弁(図示しない)により与圧力
の調整が容易にでき、また、切り替え弁により与圧力を
必要時のみ作動させるようにした。これにより、無駄な
動力消費や歯車の磨耗を抑えることができ、また、機械
の長期の使用により歯車の磨耗が進行した場合でもバッ
クラッシをゼロに維持することができる。また、歯車に
偏心や歯車形状誤差があっても、油圧シリンダの伸縮で
吸収されるので、歯面や軸受に過大な荷重が作用するこ
とがない。さらに、高精度な歯車を使用することも不要
なので、切断機を安価に製造することができる。なお、
回転方向が逆の場合は、中間歯車39の移動方向は、他
の歯車により接近する方向にずらすことにより、歯車列
全体のバックラッシをゼロにすることもできる。
【0025】ギアボックス20の上面壁20eには、取
付部41が設けられており、丸鋸切断機の右方にて他所
に固定された油圧シリンダ(図示しない)のロッドの先
端が固定される。この油圧シリンダのロッドの伸縮によ
りギアボックス20が押されて、支持台12を中心とし
て回動するようにされている。また、ギアボックス20
の右側壁20cの下端近傍位置には、被削材43を取り
付けるための切断台42が配設されている。また、ギア
ボックス20の上面壁20eの前端右側には、加速度セ
ンサ44が取り付けられており、丸鋸27付近のギアボ
ックス20の送り方向の加速度を検出するようになって
いる。
【0026】機台11の左側下部には、電動モータ45
が取り付けられている。電動モータ45の背面側に突出
した軸にはプーリ46が固定されており、プーリ46及
び上記プーリ24にはベルト47が巻装されている。こ
れにより、電動モータ45の回転が、駆動軸22、中間
軸32を経て主軸26に減速して伝達され、丸鋸27を
回転させるようになっている。そして、ギアボックス2
0内には、潤滑油が充填されており、作動室R内を循環
するようになっている。
【0027】(1)切断試験 つぎに、駆動軸22に取り付けたプーリ24の慣性モー
メントを3種類に変化(プーリにフライホイールを追加
することにより行う)させて、丸鋸27で被削材43を
切断する際の、切り始めのびびり振動抑制効果について
試験した。ここで、油圧シリンダ37によって中間歯車
39に作用させる荷重は150kgfとした。変化させた
プーリ24(P1〜P3)の慣性モーメントを下記表1
に示す。
【0028】
【表1】
【0029】また、プーリ24以外の部分である共通部
品の主軸換算慣性モーメントを下記表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】上記各プーリ(P1〜P3)と共通部品の
組み合わせから求められる全主軸換算慣性モーメントJ
sは、下記表3のようになる。
【0032】
【表3】
【0033】(2)試験方法 丸鋸の外径Dはφ280mm、厚さT2.0mm、台金の厚
さt1.7mm、刃数60の丸鋸を、径φ106mmのフラ
ンジで主軸26に固定した。被削材は、径φ60mmのク
ロムモリブデン鋼SCM440Hで、硬さがHRC=30である。ま
た、切断条件としては、回転数N≦130rpmでは、一
刃当りの送りをSz =0.08mm/刃一定とし、それ以
上の回転数では、丸鋸送り速度f=624mm/min一定と
した。本発明を実施した際の切始めにびびり振動が発生
しない最低の回転数Ncrを実測すると共に、上記数4
(K=250)により算出した計算Ncrについて、下記
表4に示す。ただし、実測では、回転数10rpm飛びに
びびり振動の有無を観測したが、びびりの振幅は大きく
なかったので、切始めにびびり振動が発生したか否か
は、ペンレコーダに記録した加速度の実効値の立ち上が
りの勾配から判断した。なお、歯車のバックラッシ分の
回転変動を伴ったびびり振動以外に、鋸刃が被削材に食
い込む時の打撃振動(バックラッシ分の回転変動を伴わ
ない)等の他の機械的な振動は、鋸回転中に常に発生し
ている。
【0034】
【表4】
【0035】(3)試験結果 上記結果から、実測値Ncrは、慣性モーメントが小さい
ときは計算値Ncrに対してわずかに小さい値になった
が、慣性モーメントが大きくなると計算値Ncrとほぼ同
等になり、数4による解析結果がおおむね正しいことが
確認された。さらに、丸鋸の回転数Nと振動の最大加速
度(G-rms)との関係について、プーリP3の例を図
4、図5に示す。加速度が大きいほど、機械本体の振動
レベルが大きいことを示すものである。図4は、中間歯
車39に油圧シリンダ37による荷重FGを作用させな
い場合を示すものである(FG=0)。ただし、中間歯
車39とスイングアーム36の自重による荷重は作用し
ている。また、図5は、中間歯車39に油圧シリンダ3
7による荷重FG=150kgfを作用させた場合を示すも
のである。
【0036】図5から明らかなように、中間歯車39に
荷重を作用させてバックラッシを除去した場合、慣性モ
ーメントの増加による効果とあいまって、最低回転数以
上の回転数で切始め時のびびり振動を除去すると共に切
始め以外(切削関与刃数Ziが1を越える切断の中間)
での、特に低周波数域での再生や連成といったびびり振
動の除去にも非常に効果があることがわかる。ただし、
図1からもわかるように、中間歯車39は、荷重を作用
させなくても、重力の影響で多少荷重が作用しているこ
とと、ギアボックス20の作用室Rに満たした潤滑油の
粘性作用によって、図4に示すように切始めの振動抑制
効果が生じている。また、駆動軸22は主軸26より回
転数が高いので、主軸26に直結する方式よりプーリ2
4に取り付けるフライホイールの直径を小さくでき、か
つフライホイールは主軸26上にないので、ホイールと
被削材との干渉が回避できるほか、機械重量を低減でき
る効果も得られる。
【0037】なお、上記実施形態において、鋸刃の歯形
が特殊であり刃によって切削力Fが変動する場合は、そ
の最大値を用いる。また、実際の設計時においては、切
削力Fの値を鋸刃の寿命時で考えている。さらに、鋸径
が変化する場合には、外径Dの値として最大鋸径を用い
る。また、中間歯車のいずれが駆動軸歯車となってもよ
く、いずれの中間歯車軸にフライホイールを装着しても
よい。また、中間歯車が5個以上を有する拘束噛合い歯
車列であってもよい。但し、7個以上では、取付けスペ
ース、コスト等の問題で実際的ではない。
【0038】なお、本発明においては、主軸換算慣性モ
ーメントJについては、数4に示すとおりであり、慣性
モーメントは大きいほどびびり振動防止には効果的であ
るが、慣性モーメントを大きくするためにフライホイー
ルを重くする等を行うと、切断機の剛性を上げる必要が
生じ、切断機の重量が大きくなりすぎる場合がある。従
って、慣性モーメントを大きくし過ぎないためには、上
記数4に従うと共に下記数5の条件を付加することが望
ましい。各軸の主軸換算慣性モーメントの計算には、軸
自体をはじめ、プーリ、歯車、電動モータ等をも当然考
慮する。
【0039】
【数5】 J≦3{F×(D/2)/[1000×25
0×(N/60)2]}
【0040】なお、モータ軸から駆動軸への動力をベル
トで伝える形式は、ベルトが弾性的であることから実質
的にバックラッシを有する状態と考えられる。また、丸
鋸切断機の具体的構成については、上記したものに限る
ものではなく、さらに本発明は上記スイング式のものに
限らずスライド式の丸鋸切断機に対しても同様に適用で
きる。
【0041】
【発明の効果】本発明においては、拘束噛合い歯車列を
構成し、移動可能な中間歯車に荷重を作用させることに
より、駆動系のバックラッシを完全になくすことがで
き、主軸にフライホイールを直結した場合と同等の振動
抑制効果が得られ、振動や騒音を安価に低減することが
できる。かかる振動や騒音の低下により、作業環境の悪
化を防止できる。また、回転数の高い中間軸にフライホ
イールを装着することで、主軸に直結する方式よりフラ
イホイールの直径を小さくでき、かつフライホイールは
主軸上にないので、ホイールと被削材との干渉が回避で
きるほか、機械重量を低減できる効果も得られる。
【0042】また、油圧シリンダ回路に設けた圧力調整
弁で簡単に与圧力を調整することができ、さらに、切替
え弁で切削時のみ与圧力を与え、空転時には与圧力を止
めることで、無駄な動力消費や歯車の磨耗を抑えること
ができる。さらに、長時間の使用により、歯車の磨耗が
進行した場合でもバックラッシをゼロに維持することが
できる。また、歯車に偏心や歯車形状誤差があっても、
油圧シリンダの伸縮で吸収されるので、歯面や軸受に過
大な荷重が作用することがない。また、高精度な歯車を
使用することも不要なので、切断機を安価に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるスイング式丸鋸切断
機を示す一部破断正面図である。
【図2】図1に示すII-II線方向の断面図である。
【図3】図1に示すIII-III線方向の断面図である。
【図4】同丸鋸切断機(プーリP3)の中間歯車に油圧
シリンダによる荷重を作用させない場合の、丸鋸の回転
数Nと機械本体の振動の最大加速度(G-rms)との関係
を示すグラフである。
【図5】同丸鋸切断機(プーリP3)の中間歯車に油圧
シリンダによる荷重を作用させた場合の、丸鋸の回転数
Nと機械本体の振動の最大加速度(G-rms)との関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
11…機台、12…支持台、20…ギアボックス、22
…駆動軸、23…駆動軸歯車、24…プーリ、26…主
軸、27…丸鋸、29…主軸歯車、32…中間軸、33
…中間歯車、35…支持軸、36…スイングアーム、3
7…油圧シリンダ、38…支持軸、39…中間歯車、4
1…取付部、42…切断台、43…被削材、45…電動
モータ、46…プーリ、47…ベルト。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータの回転を主軸に伝達し、該主
    軸の一端に取り付けられた丸鋸により切削を行う丸鋸切
    断機において、 前記主軸に固定した主軸歯車と輪を組んで噛み合って同
    時に回転する3個以上奇数個の中間歯車を配設すること
    により拘束噛合い歯車列を構成し、該中間歯車の1つに
    電動モータの回転を入力伝達すると共に、該中間歯車の
    少なくとも1個を移動可能とし、該移動可能な中間歯車
    の少なくとも1つに荷重を作用させることにより該拘束
    噛合い歯車列のバックラッシを除去するものであり、 前記丸鋸の外径をD(mm)、回転数をN(rpm)、接線
    方向の分力である一刃当りの切削力をF(kgf)とした
    とき、前記主軸からバックラッシを除去した状態で連動
    する各軸の該主軸を含めた主軸換算慣性モーメントの和
    J(kgf・m・sec2 )が、J≧F×(D/2)/[10
    00×250×(N/60)2 ]を満足するものとした
    ことを特徴とする丸鋸切断機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007145447A1 (en) * 2006-06-12 2007-12-21 Chal Woo Sin Gear box for cutting machine
JP2008207271A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Hitachi Koki Co Ltd 電動工具
JP2013503762A (ja) * 2009-09-02 2013-02-04 ハスクバーナ・アーベー 建設切断作業用のソー

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