JP2009030676A - 遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 キャリアの偏芯を抑制してアンバランス加振力を低減し、ユニットの振動レベルを小さく抑えることができる遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造を提供する。
【解決手段】 動力伝達経路上に配置され、サンギア2、リングギア3、ピニオン4、およびこのピニオン4を支持するキャリア5を回転要素として有する遊星歯車機構1において、サンギア2、リングギア3およびピニオン4をヘリカルギアで構成し、動力伝達時に発生するスラスト力Fthを軸心方向のラジアル力に変換し、このラジアル力をキャリア5に伝えるセンタリング機構(テーパニードルベアリング10)を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 動力伝達経路上に配置され、サンギア2、リングギア3、ピニオン4、およびこのピニオン4を支持するキャリア5を回転要素として有する遊星歯車機構1において、サンギア2、リングギア3およびピニオン4をヘリカルギアで構成し、動力伝達時に発生するスラスト力Fthを軸心方向のラジアル力に変換し、このラジアル力をキャリア5に伝えるセンタリング機構(テーパニードルベアリング10)を設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、キャリアの偏芯回転に伴うユニットの振動を低減する遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造の技術分野に属する。
従来、遊星歯車機構では、キャリアの位置決めはリングギアおよびサンギアで行われているため、キャリアはギアのバックラッシュで決まる偏芯量に応じて偏芯回転する(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−336587号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、ギアのバックラッシュで決まるキャリアの偏芯量とキャリア重量との積で決まるアンバランス加振力によって、ユニットの振動レベルが高くなり、音振性能の悪化を伴うという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされてもので、その目的とするところは、キャリアの偏芯を抑制してアンバランス加振力を低減し、ユニットの振動レベルを小さく抑えることができる遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
動力伝達経路上に配置され、サンギア、リングギア、ピニオン、および、このピニオンを支持するキャリアを回転要素として有する遊星歯車機構において、
前記サンギア、前記リングギアおよび前記ピニオンをヘリカルギアで構成し、
動力伝達時に発生するスラスト力を軸心方向のラジアル力に変換し、このラジアル力を前記キャリアに伝えるセンタリング機構を設けたことを特徴とする。
動力伝達経路上に配置され、サンギア、リングギア、ピニオン、および、このピニオンを支持するキャリアを回転要素として有する遊星歯車機構において、
前記サンギア、前記リングギアおよび前記ピニオンをヘリカルギアで構成し、
動力伝達時に発生するスラスト力を軸心方向のラジアル力に変換し、このラジアル力を前記キャリアに伝えるセンタリング機構を設けたことを特徴とする。
本発明の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造では、ヘリカルギアにより各回転要素間に発生するスラスト力が、軸心方向のラジアル力に変換されてキャリアに伝達される。すなわち、ヘリカルギアのスラスト力を利用してキャリアをセンタリングする力を発生させ、キャリアの偏芯量を低減しようとするものである。
この結果、キャリアの偏芯を抑制してアンバランス加振力が低減され、ユニットの振動レベルを小さく抑えることができるため、音振性能の向上を図ることができる。
この結果、キャリアの偏芯を抑制してアンバランス加振力が低減され、ユニットの振動レベルを小さく抑えることができるため、音振性能の向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造を適用した遊星歯車機構の縦断面図である。
実施例1の遊星歯車機構1は、例えば、車両の変速装置内に設けられている。この遊星歯車機構1は、回転要素として、サンギア2、リングギア3、ピニオン4、および、ピニオン4を支持するキャリア5を有している。各ギア2,3,4は、ヘリカルギアで構成されている。
図1は、実施例1の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造を適用した遊星歯車機構の縦断面図である。
実施例1の遊星歯車機構1は、例えば、車両の変速装置内に設けられている。この遊星歯車機構1は、回転要素として、サンギア2、リングギア3、ピニオン4、および、ピニオン4を支持するキャリア5を有している。各ギア2,3,4は、ヘリカルギアで構成されている。
サンギア2は、変速機ケース側部材6に対しニードルベアリング7を介して回動可能に支持され、図外の出力軸と連結されている。リングギア3は、変速機ケース側部材6の内部に配置された入力軸8と連結されている。入力軸8と変速機ケース側部材6との間には、ラジアル方向の力のみを受けるラジアルニードルベアリング9を介して回動可能に支持されている。
リングギア3の縦壁3aとキャリア5との間には、キャリア5の偏芯を抑制するセンタリング機構として、テーパニードルベアリング10が配置されている。このテーパニードルベアリング10の軸方向は、リングギア3の軸線方向に対し直交する線に対して角度θを有している。また、サンギア2とキャリア5との間には、スラスト方向の力のみを受けるスラストニードルベアリング11が配置されている。
実施例1の遊星歯車機構1において、入力軸8からリングギア3に入力されたトルクは、ピニオン4を介してサンギア2へと伝達され、図外の出力軸から出力される。ここで、ヘリカルギアの歯面は、リングギア3にトルクが入力されたとき、図1の左方向にキャリア5を押すスラスト力が作用するように設定されている。
すなわち、リングギア3にトルク(インプットトルク)が入力されると、ヘリカルギアの作用により、サンギア2とリングギア3には、キャリア5を挟み込むスラスト力が発生する。このスラスト力の一部は、テーパニードルベアリング10によってキャリア5を軸心方向にセンタリングさせるラジアル力として作用する。このラジアル力により、アンバランス加振力の原因となるキャリア5の偏芯量を低減させることが可能となる。
次に、テーパニードルベアリングの角度θおよびギア緒元の設定方法について説明する。
キャリア5をセンタリングするための角度θは、軸方向のスラスト力Fthとアンバランス加振力Fu/bにより決まる。
キャリア5をセンタリングするための角度θは、軸方向のスラスト力Fthとアンバランス加振力Fu/bにより決まる。
キャリア5の偏芯量を低減させるためには、スラスト力Fthの分力のうちキャリア5をセンタリングする力が、アンバランス加振力Fu/bよりも大きくなる必要があり、その条件として以下の関係が成り立つ(図2参照)。
Fth×sinθ>Fu/b×cosθ
したがって、
tanθ>Fu/b/Fth …(1)
Fth×sinθ>Fu/b×cosθ
したがって、
tanθ>Fu/b/Fth …(1)
図3に示すように、リングギア3のピッチ円に掛かる回転方向の力をFR/Gとし、ヘリカルギアのねじれ角をβ(図4)、圧力角をα(図5)としたとき、軸方向のスラスト力Fthは、
Fth=FR/G×cosβ×sinβ×cosα
=FR/G×1/2sin2β×cosα
となる。
Fth=FR/G×cosβ×sinβ×cosα
=FR/G×1/2sin2β×cosα
となる。
ここで、リングギア3に入力されるインプットトルクをTin、リングギア3のピッチ円半径をdpとしたとき、
FR/G=Tin/dp
であるため、軸方向のスラスト力Fthは、以下の式となる。
Fth=(Tin/2dp)×sin2β×cosα …(2)
FR/G=Tin/dp
であるため、軸方向のスラスト力Fthは、以下の式となる。
Fth=(Tin/2dp)×sin2β×cosα …(2)
また、キャリア5のアンバランス加振力Fu/bは、キャリア重量M、偏芯量rおよび角加速度ωを用い、以下の式で求める。
Fu/b=Mrω2 …(3)
ここで、Mrはアンバランス量である。
Fu/b=Mrω2 …(3)
ここで、Mrはアンバランス量である。
リングギア3へのインプットトルクTinと、キャリア5の角加速度ωは、エンジン回転や変速段等、車両の走行状態に応じて変化する値であるが、Tinとωの取り得る値の範囲は、エンジンや変速装置の緒元から実験等によりあらかじめ検出可能である。よって、よって、Tinとωを変化させたとき、式(1),(2),(3)が常に成立するように角度θ、圧力角αおよびねじれ角βを設定することにより、全ての速度領域で常にキャリア5の偏芯量を低減させることができ、センタリング効果をより高めることができる。
[キャリアの偏芯回転について]
遊星歯車機構において、キャリアに固定されるピニオンは、リングギアとサンギアとにより位置決めされているため、キャリアの偏芯量は、ギアのバックラッシュから定義される。そして、動力伝達時には、図6に示すように、キャリアがリングギアに対して偏芯回転することで、キャリアの偏芯量とキャリア重量との積で決まるアンバランス加振力が発生し、ユニットの振動レベルが大きくなるという問題があった。
遊星歯車機構において、キャリアに固定されるピニオンは、リングギアとサンギアとにより位置決めされているため、キャリアの偏芯量は、ギアのバックラッシュから定義される。そして、動力伝達時には、図6に示すように、キャリアがリングギアに対して偏芯回転することで、キャリアの偏芯量とキャリア重量との積で決まるアンバランス加振力が発生し、ユニットの振動レベルが大きくなるという問題があった。
一方、キャリアの偏芯量は、ギアのバックラッシュを小さくすることで抑制可能であるが、バックラッシュは本来、歯形の加工誤差や組み立て誤差による摩耗や焼き付き等の不具合を防ぐために適正な値が設定されているため、バックラッシュを適正値よりも小さくした場合、歯当たりの悪化や高い加工精度要求に伴うコストアップが生じるため、現実的な解決策ではない。
[センタリング作用]
これに対し、実施例1の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造では、遊星歯車機構の各回転要素をヘリカルギアで構成し、テーパニードルベアリング10により、アンバランス加振力の原因となる偏芯を伴うキャリア5が、トルク付加時にセンタリングされる力が働く構造とした。
これに対し、実施例1の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造では、遊星歯車機構の各回転要素をヘリカルギアで構成し、テーパニードルベアリング10により、アンバランス加振力の原因となる偏芯を伴うキャリア5が、トルク付加時にセンタリングされる力が働く構造とした。
すなわち、トルク付加時には、リングギア3とサンギア2とでキャリア5を挟み込む力が発生するため、テーパニードルベアリング10でキャリア5がリングギア3に押し付けられることにより、キャリア5をセンタリングする効果を得ることができる。
このとき、図7に示すように、スラスト力Fthのテーパニードルベアリング10の軸方向成分Fth×sinθは、キャリア5のアンバランス加振力Fu/bのテーパニードルベアリング10の軸方向成分Fu/b×cosθよりも大きくなるように、インプットトルクTin、キャリア重量M、遊星歯車機構の緒元に応じて角度θ、圧力角α、ねじれ角βが規定されているため、全ての速度領域において、センタリング効果をより高めることができる。
図8は、実施例1の偏芯量低減作用を示す図であり、従来の遊星歯車機構において、リングギアとケース間のガタを50μm、キャリアの偏芯量をバックラッシュ最大で200μmとした場合、250μmのガタ量が発生していた。
これに対し、実施例1では、バックラッシュを従来と同一とした場合であっても、テーパニードルベアリング10のセンタリング機能によって、キャリアの偏芯量が50μmまで低減されるため、従来と比較して、ガタ量を100μmまで低減させることができる。この結果、偏芯量とキャリア重量とで決まるアンバランス加振力を8db程度低減させることが可能となった。
次に、効果を説明する。
実施例1の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
実施例1の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 動力伝達経路上に配置され、サンギア2、リングギア3、ピニオン4、および、ピニオン4を支持するキャリア5を回転要素として有する遊星歯車機構1において、サンギア2、リングギア3およびピニオン4をヘリカルギアで構成し、動力伝達時に発生するスラスト力Fthを軸心方向のラジアル力に変換し、このラジアル力をキャリア5に伝えるセンタリング機構(テーパニードルベアリング10)を設けた。これにより、キャリア5の偏芯が抑制され、アンバランス加振力Fu/bが低減されるため、ユニットの振動レベルを小さく抑えることができ、音振性能の向上を図ることができる。
(2) センタリング機構を、リングギア3と前記キャリア5との間に介装されたテーパニードルベアリング10としたため、センタリング機構を安価に構成することができる。
(3) ラジアル力がキャリア5に作用するアンバランス加振力Fu/bよりも大きくなるように、キャリア5の軸直交方向に対するテーパニードルベアリング10の軸方向角度θおよび各回転要素の緒元を設定した。これにより、キャリア5のセンタリング効果をより高めることができる。
(4) リングギア3を入力軸8、サンギアを出力軸と連結し、キャリア重量をM、偏芯量をr、リングギア3のピッチ円半径をdp、リングギア3へのインプットトルクがTin、かつキャリア5の角加速度がωのときのスラスト力をFth、キャリア5のアンバランス加振力をFu/bとしたとき、下記の3式、
tanθ>Fu/b/Fth …(1)
Fth=(Tin/2dp)×sin2β×cosα …(2)
Fu/b=Mrω2 …(3)
を満足するように、テーパベアリングの軸方向角度θ、ヘリカルギアの圧力角αおよびねじれ角βを設定した。これにより、キャリア5のセンタリング効果をより高めることができる。
tanθ>Fu/b/Fth …(1)
Fth=(Tin/2dp)×sin2β×cosα …(2)
Fu/b=Mrω2 …(3)
を満足するように、テーパベアリングの軸方向角度θ、ヘリカルギアの圧力角αおよびねじれ角βを設定した。これにより、キャリア5のセンタリング効果をより高めることができる。
実施例2は、テーパニードルベアリングをサンギアとキャリアとの間に介装した例である。
すなわち、実施例2の遊星歯車機構21では、図9に示すように、サンギア2の縦壁2aとピニオン4を支持するキャリア5との間に、テーパニードルベアリング12が介装されている。このテーパニードルベアリング12の角度θおよびヘリカルギアの圧力角α、ねじれ角βは、実施例1と同様の方法で設定されている。
また、リングギア3とキャリア5との間には、スラスト方向の力のみを受けるスラストベアリング13が介装されている。
すなわち、実施例2の遊星歯車機構21では、図9に示すように、サンギア2の縦壁2aとピニオン4を支持するキャリア5との間に、テーパニードルベアリング12が介装されている。このテーパニードルベアリング12の角度θおよびヘリカルギアの圧力角α、ねじれ角βは、実施例1と同様の方法で設定されている。
また、リングギア3とキャリア5との間には、スラスト方向の力のみを受けるスラストベアリング13が介装されている。
次に、作用を説明すると、実施例2では、動力伝達時、サンギア2とピニオン4との間に、ピニオン4がサンギア2側へ引き込まれるスラスト力が発生する。このスラスト力によりテーパニードルベアリング12でキャリア5がサンギア2にセンタリングされる力が働き、アンバランス加振力の原因となるキャリア偏芯量を低減させることが可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例2の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例1と効果(1),(3),(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
実施例2の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例1と効果(1),(3),(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
(5) センタリング機構を、サンギア2とキャリア5との間に介装されたテーパニードルベアリング12としたため、センタリング機構を安価に構成することができる。
実施例3は、テーパローラベアリングをリングギアとキャリアとの間に介装した例である。
すなわち、実施例3の遊星歯車機構31では、図10に示すように、リングギア3の縦壁3aとキャリア5との間にテーパローラベアリング14が介装されている。このテーパローラベアリング14の角度θおよびヘリカルギアの圧力角α、ねじれ角βは、実施例1と同様の方法で設定されている。
すなわち、実施例3の遊星歯車機構31では、図10に示すように、リングギア3の縦壁3aとキャリア5との間にテーパローラベアリング14が介装されている。このテーパローラベアリング14の角度θおよびヘリカルギアの圧力角α、ねじれ角βは、実施例1と同様の方法で設定されている。
よって、実施例3の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例1と同様に、遊星歯車機構31のヘリカルギアにより発生するスラスト力を受け、キャリア5がリングギア3にセンタリングされるため、アンバランス加振力の原因となるキャリア偏芯量を低減させることが可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例3の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例1と効果(1),(3),(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
実施例3の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例1と効果(1),(3),(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
(6) センタリング機構を、リングギア3とキャリア5との間に介装されたテーパローラベアリング14としたため、省スペースで大きな負荷容量と高剛性とを得ることができ、より高出力の駆動源を搭載した車両の変速装置に適用することができる。
実施例4は、テーパローラベアリングをサンギアとキャリアとの間に介装した例である。
すなわち、実施例4の遊星歯車機構41では、図11に示すように、サンギア2の縦壁2aとキャリア5との間にテーパローラベアリング15が介装されている。このテーパローラベアリング15の角度θおよびヘリカルギアの圧力角α、ねじれ角βは、実施例1と同様の方法で設定されている。
すなわち、実施例4の遊星歯車機構41では、図11に示すように、サンギア2の縦壁2aとキャリア5との間にテーパローラベアリング15が介装されている。このテーパローラベアリング15の角度θおよびヘリカルギアの圧力角α、ねじれ角βは、実施例1と同様の方法で設定されている。
よって、実施例4の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例2と同様に、遊星歯車機構41のヘリカルギアにより発生するスラスト力を受け、キャリア5がサンギア2にセンタリングされるため、アンバランス加振力の原因となるキャリア偏芯量を低減させることが可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例4の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例1と効果(1),(3),(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
実施例4の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造にあっては、実施例1と効果(1),(3),(4)に加え、以下の効果を得ることができる。
(7) センタリング機構を、サンギア2とキャリア5との間に介装されたテーパローラベアリング15としたため、省スペースで大きな負荷容量と高剛性とを得ることができ、より高出力の駆動源を搭載した車両の変速装置に適用することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1〜4に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、センタリング機構としてテーパニードルベアリングまたはテーパローラベアリングを用いた例を示したが、ヘリカルギアにより発生するスラスト力を軸心方向のラジアル力に変換してキャリアをセンタリング可能であれば、ベアリングの種類および形状は、任意のものを用いることができる。
1 遊星歯車機構
2 サンギア
2a 縦壁
3 リングギア
3a 縦壁
4 ピニオン
5 キャリア
6 変速機ケース側部材
7 ニードルベアリング
8 入力軸
9 ラジアルニードルベアリング
10 テーパニードルベアリング
11 スラストニードルベアリング
12 テーパニードルベアリング
13 スラストベアリング
14 テーパローラベアリング
15 テーパローラベアリング
2 サンギア
2a 縦壁
3 リングギア
3a 縦壁
4 ピニオン
5 キャリア
6 変速機ケース側部材
7 ニードルベアリング
8 入力軸
9 ラジアルニードルベアリング
10 テーパニードルベアリング
11 スラストニードルベアリング
12 テーパニードルベアリング
13 スラストベアリング
14 テーパローラベアリング
15 テーパローラベアリング
Claims (5)
- 動力伝達経路上に配置され、サンギア、リングギア、ピニオン、および、このピニオンを支持するキャリアを回転要素として有する遊星歯車機構において、
前記サンギア、前記リングギアおよび前記ピニオンをヘリカルギアで構成し、
動力伝達時に発生するスラスト力を軸心方向のラジアル力に変換し、このラジアル力を前記キャリアに伝えるセンタリング機構を設けたことを特徴とする遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造。 - 請求項1に記載の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造において、
前記センタリング機構を、前記リングギアと前記キャリアとの間に介装されたテーパベアリングとしたことを特徴とする遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造。 - 請求項1に記載の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造において、
前記センタリング機構を、前記サンギアと前記キャリアとの間に介装されたテーパベアリングとしたことを特徴とする遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造。 - 請求項2または請求項3に記載の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造において、
前記ラジアル力がキャリアに作用するアンバランス加振力よりも大きくなるように、キャリアの軸直交方向に対する前記テーパベアリングの軸方向角度および各回転要素の緒元を設定したことを特徴とする遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造。 - 請求項4に記載の遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造において、
前記リングギアを入力軸、サンギアを出力軸と連結し、
前記キャリアの重量をM、偏芯量をr、リングギアのピッチ円半径をdp、リングギアへのインプットトルクがTin、かつキャリアの角加速度がωのときのスラスト力をFth、キャリアのアンバランス加振力をFu/bとしたとき、下記の3式、
tanθ>Fu/b/Fth …(1)
Fth=(Tin/2dp)×sin2β×cosα …(2)
Fu/b=Mrω2 …(3)
を満足するように、テーパベアリングの軸方向角度θ、ヘリカルギアの圧力角αおよびねじれ角βを設定したことを特徴とする遊星歯車機構のアンバランス加振力低減構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017145899A (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 本田技研工業株式会社 | 遊星歯車機構及び変速機 |
KR20180073395A (ko) * | 2016-12-22 | 2018-07-02 | 현대 파워텍 주식회사 | 유성기어장치 |
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- 2007-07-25 JP JP2007193530A patent/JP2009030676A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017145899A (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 本田技研工業株式会社 | 遊星歯車機構及び変速機 |
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US9878606B2 (en) | 2016-02-18 | 2018-01-30 | Honda Motor Co., Ltd. | Planetary gear mechanism and transmission |
KR20180073395A (ko) * | 2016-12-22 | 2018-07-02 | 현대 파워텍 주식회사 | 유성기어장치 |
KR101896371B1 (ko) * | 2016-12-22 | 2018-09-07 | 현대 파워텍 주식회사 | 유성기어장치 |
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