JP2000263130A - ダウンコイラピンチロールギャップ制御方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダウンコイラピンチロールのギャップ制御に
当たり、高精度なピンチロールギャップ制御ができるよ
うにする。 【解決手段】 薄物素材のロールギャップは上ロールチ
ョック３と昇降ビーム５の間に装着され板の実荷重を検
出する低定格のロードセル４で制御し、厚物素材のロー
ルギャップはシリンダ圧力検出器７で制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダウンコイラピン
チロールギャップ制御方法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ダウンコイラピンチロールギャップ制御
方法は、従来上ピンチロールのチョックを押し下げるシ
リンダの圧力を荷重に変換してピンチロールのギャップ
制御を行うものであった。しかし、シリンダ圧力のみで
は低荷重時に実際の板から受ける荷重を直接測ることが
できないため、高精度なピンチロールギャップ制御がで
きなかった。また、ロードセルによって実荷重を検出し
ても一般にミル用ロードセルは定格荷重の±０．５％の
リニアリティがあるため高精度の荷重検出は困難であっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はダウンコイラ
ピンチロールの荷重検出を低荷重と高荷重とを使い分け
ることによってピンチロールギャップの制御性を向上さ
せた技術を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、その技術手段は、ダウン
コイラピンチロールのギャップ制御に当たり、薄物素材
のロールギャップはロードセルで制御し、厚物素材のロ
ールギャップはシリンダ圧力検出器で制御することを特
徴とするダウンコイラピンチロールギャップ制御方法で
ある。本発明において薄物素材とは板厚１〜４ｍｍクラ
スを言い、厚物素材とは板厚１０〜３２ｍｍクラスを言
う。

【０００５】上記本発明方法を好適に実施をすることが
できる本発明の装置は、上ロールチョックと昇降ビーム
の間に装着され板の実荷重を検出する低定格のロードセ
ルと、シリンダ圧力検出器と、板厚に応じてロードセル
とシリンダ圧力検出器を切り替えてロールギャップを制
御するギャップ制御装置とを備えたことを特徴とするダ
ウンコイラピンチロールギャップ制御装置である。ここ
で低定格のロードセルとは、荷重が０〜２０トンの低荷
重高精度のロードセルをいう。本発明では、ロードセル
リニアリティの絶対値を小さくするため必要最低限の低
定格ロードセルを用いるのである。本発明では、高精度
の荷重制御が必要な薄物素材のロールギャップはロード
セルで制御し、高荷重の制御が必要な厚物素材のロール
ギャップはシリンダ圧力検出器で制御することによって
精度のよいギャップ調整が可能となる。

【０００６】

【発明の実施の形態】高い精度のギャップ調整を達成す
るためには、薄物素材では、０〜２０トンの低荷重高精
度の制御が必要であり、厚物素材では２０〜６０トンの
高荷重制御が必要である。本発明はこれを好適に達成す
ることができる。

【０００７】以下図面を参照して本発明の実施の形態を
説明する。図１は実施例の制御ブロック図である。上ピ
ンチロール１、下ピンチロール２は巻取部材（板）８を
上下から挟んで、図示省略したダウンコイラに誘導す
る。上ピンチロール１を圧下するロールチョック３は、
昇降ビーム５を介して油圧シリンダ６に結合されてい
る。ロールチョック３と昇降ビーム５との間にはロード
セル４が介装されている。このロードセルは、定格２０
トンクラスのものである。圧力検出器７は、シリンダ６
の圧力を検出する。

【０００８】板厚１１，板幅１２，熱間降伏応力１３等
のデータが荷重演算装置１４に入力されると、荷重判定
手段１５は、荷重の高低を判定し、低いとロードセル制
御を選択し、高いとシリンダ圧力制御を選定する。ギャ
ップ制御装置１８はその信号を受けて油圧シリンダ６を
制御する。

【０００９】薄物素材では定格２０トンクラスのロード
セルを用いて制御することにより、ロードセルのリニア
リティを０．１トンレベルに押さえることが可能とな
り、高精度荷重制御が実現できる。通常では５トン以下
程度の荷重が主となる。

【００１０】厚物素材ではシリンダ圧力検出器を用いて
制御することにより２０トン以上の高荷重制御が実現で
きる。

【００１１】これらの結果、同一設備で薄物素材と厚物
素材の両素材に対して精度のよいギャップ制御が可能と
なり、蛇行等によるコイルのテレスコもなく高品質で巻
取できるようになる。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、薄物素材では定格２０
トンクラスのロードセルを用いて制御することによりロ
ードセルのリニアリティを０．１トンレベルにすること
が可能となり、高精度荷重制御が実現でき、一方、厚物
素材ではシリンダ圧力検出器を用いて制御することによ
り２０トン以上の高荷重制御を実現することができる。
これらの結果、同一のダウンコイラピンチロール装置で
薄物素材と厚物素材の両素材に対して精度のよいギャッ
プ制御が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の制御ブロック図である。

【符号の説明】

１ 上ピンチロール ２ 下ピンチロール ３ ロールチョック ４ ロードセル ５ 昇降ビーム ６ シリンダ ７ 圧力検出器 ８ 巻取素材（板） １１ 板厚 １２ 板幅 １３ 熱間降伏応力 １４ 荷重演算装置 １５ 荷重判定手段 １６ ロードセル制御 １７ シリンダ圧力制御 １８ ギャップ制御装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダウンコイラピンチロールのギャップ制
   御に当たり、薄物素材のロールギャップはロードセルで
   制御し、厚物素材のロールギャップはシリンダ圧力検出
   器で制御することを特徴とするダウンコイラピンチロー
   ルギャップ制御方法。
2. 【請求項２】 上ロールチョックと昇降ビームの間に装
   着され板の実荷重を検出する低定格のロードセルと、シ
   リンダ圧力検出器と、板厚に応じてロードセルとシリン
   ダ圧力検出器を切り替えてロールギャップを制御するギ
   ャップ制御装置とを備えたことを特徴とするダウンコイ
   ラピンチロールギャップ制御装置。