JP2000263067A - カートリッジ - Google Patents

カートリッジ

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JP2000263067A
JP2000263067A JP11034754A JP3475499A JP2000263067A JP 2000263067 A JP2000263067 A JP 2000263067A JP 11034754 A JP11034754 A JP 11034754A JP 3475499 A JP3475499 A JP 3475499A JP 2000263067 A JP2000263067 A JP 2000263067A
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Japan
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water
cartridge
medicine
drug
ion exchange
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JP11034754A
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English (en)
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Yuji Tsukita
祐二 槻田
Hironori Hatono
広典 鳩野
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で実用性に優れ、常に複数の機能を有す
る肌に優しい水またはお湯を安全に生成することができ
る、水の改質用の薬剤徐放カートリッジを提供する。 【解決手段】 出水要求に基づいて所定量の水またはお
湯を吐出する吐水装置に送水するための配管途中に付設
された、前記水またはお湯の性質を変化させるために設
けられた薬剤徐放カートリッジにおいて、前記薬剤徐放
カートリッジ内部には複数の薬剤充填室が備えられ、前
記薬剤充填室中には複数種の薬剤がそれぞれ各薬剤充填
室に分離されて充填され、前記薬剤充填室には薬剤徐放
口が設けられており、水の吐出時には前記複数種の薬剤
がそれぞれ前記薬剤徐放口から水中に放出され、前記薬
剤徐放カートリッジは交換可能であるか、または前記複
数種の薬剤が補充可能な構造であることとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出水要求に基づいて所
定量の水を吐出する吐水装置に送水するための配管途中
に付設された水またはお湯の性質を変化させるためのカ
ートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水道水の水質汚染に対する不安が
増してきており、ミネラルウォーターの売れ行きは年々
増加し、また水道水を浄化するための浄水器も急速に普
及しており、全国の四分の一の世帯が何らかの浄水器を
備えていると言われている。
【0003】現在上市されている浄水器は、粒状または
繊維状活性炭と、中空糸状膜を組み合わせたものが主流
である。活性炭によって水道水中の残留塩素やその他の
有害物質などを除去し、中空糸状膜によって細かい鉄錆
やその他の不要な物質、雑菌などを除去し、浄化された
水となって使用に供される。
【0004】上述のように、主に飲料水の用途で使用さ
れるものもあるが、近年、その他の用途の水、すなわち
例えば浴室で用いるシャワー水においても、浄化された
きれいな水で洗顔、洗髪したい、というニーズが増加し
てきている。
【0005】そういったニーズに応えるべく最近では、
シャワーの水を何らかの手段によって浄化・改質するた
めの装置が提案されている。その中で、水またはお湯の
中に有用な薬剤を添加するものとして、例えば特開平6
−296902では、シャワーに供給する水またはお湯
に対してビタミンC等の薬剤を溶解・徐放する装置を提
案しており、これは遊離残留塩素を除去して人体に優し
い水またはお湯を使用できるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の装置では
問題がある。すなわち、特開平6−296902では、
肌・髪などの人体に優しい水にするための薬剤としては
一種類しか添加できないため、性質を変化させた水の性
能が限られてしまう。例えば水道水中の残留塩素を除去
するならビタミンCを添加するなど、単一の機能しか望
むことができないという問題があった。
【0007】特開平6−296902において複数種の
機能を水に付加すべく、薬剤を複数種用意した場合に
は、一つのカートリッジに複数種の粉末の薬剤を混合せ
ざるを得ないが、これは望ましいことではない。粉末の
薬剤同士を混合させ、水またはお湯を通水した場合には
それぞれの薬剤の飽和水溶液が生成されるが、この場合
それら飽和水溶液という濃度の高い物質が混合されるこ
とになるため、薬剤の劣化の進行の促進、または急激な
化学反応によりガス、熱等が大量に発生し、人間に危害
を及ぼす危険性があるためである。
【0008】本発明は、上記従来の技術を解決するもの
である。すなわち、複数の機能を有する水またはお湯を
生成することができ、高い濃度で薬剤が混合されないた
めに非常に安全な水の改質用のカートリッジを提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、出水要求に基づいて所定量の水を
吐出する吐水装置に送水するための配管途中に付設され
た水またはお湯の性質を変化させるためのカートリッジ
において、カートリッジ内部に複数種の薬剤があらかじ
め混合しないように充填されることとした。
【0010】出水要求に基づいて所定量の水を吐出する
吐水装置に送水するための配管途中に付設された水また
はお湯の性質を変化させるためのカートリッジにおい
て、カートリッジ内部に複数種の薬剤があらかじめ混合
しないように充填されることによって、利用者は複数の
機能を有する水またはお湯を利用することができる。
【0011】本発明の好ましい形態においては、出水要
求に基づいて所定量の水を吐出する吐水装置に送水する
ための配管途中に付設された水またはお湯の性質を変化
させるためのカートリッジにおいて、カートリッジ内部
に一種類または複数種の薬剤と、イオン交換反応を生じ
させるための物質が充填されることとした。
【0012】出水要求に基づいて所定量の水を吐出する
吐水装置に送水するための配管途中に付設された水また
はお湯の性質を変化させるためのカートリッジにおい
て、カートリッジ内部に一種類または複数種の薬剤と、
イオン交換反応を生じさせるための物質が充填されるこ
とによって、利用者は薬剤の効果はもとより、イオン交
換反応によって生じた水をも利用することができる。
【0013】すなわち、本発明のカートリッジに通水す
る場合、通常は水道水(水またはお湯)を流すことにな
るが、水道水中にはカルシウムイオン、マグネシウムイ
オンなどの陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオンなどの
陰イオンを多く含んでいる。よって、当該カートリッジ
の如くイオン交換反応を有する物質を充填しておくこと
によって、当該カートリッジに流す水道水中のイオン物
質の制御を行うことができるようになり、さらに薬剤の
効果も相まって、制御かつ改質された水を利用すること
ができ、大変幸便である。
【0014】本発明の好ましい態様においては、複数の
薬剤充填室が備えられ、前記薬剤充填室中には複数種の
薬剤がそれぞれ各薬剤充填室に分離されて充填されてい
ることである。
【0015】複数の薬剤充填室が備えられ、前記薬剤充
填室中には複数種の薬剤がそれぞれ各薬剤充填室に分離
されて充填されていることにより、粉末の薬剤同士は充
填時には混合されないため、複数種の薬剤の飽和水溶液
という濃度の高い物質が混合されず、薬剤の劣化の進行
の促進、または急激な化学反応によりガス、熱等が大量
に発生し、人間に危害を及ぼす危険性がなくなり、甚だ
幸便である。
【0016】本発明の好ましい形態においては、薬剤充
填室には薬剤徐放口が設けられており、水の吐出時には
前記複数種の薬剤がそれぞれ前記薬剤徐放口から水中に
放出されることである。
【0017】薬剤充填室には薬剤徐放口が設けられてお
り、水の吐出時には前記複数種の薬剤がそれぞれ前記薬
剤徐放口から水中に放出されることにより、原水に対し
て複数種の薬剤が適量だけ溶解した薬剤水溶液が水の吐
出時に生成されることになるため、利用者は複数の機能
を有する水またはお湯を簡単に利用することができる。
【0018】特に前記出水口から得られる水が洗顔や洗
髪といった用途に用いられる際には、例えば不快なカル
キ臭の原因となる水中の遊離残留塩素を除去し、かつ肌
に有用な保湿剤を添加したような水またはお湯を利用す
ることができ、つまり同時に複数の機能を有する水を利
用することができるため、甚だ幸便である。
【0019】本発明における薬剤はどのようなものであ
っても構わないが、人間にとって有用となる成分・材料
であることが望ましい。例えば家庭内で人間が浴びるシ
ャワーなどの用途であれば、入浴剤、芳香剤、肌の保湿
剤、収れん剤などの化粧水成分や美容液成分、育毛・養
毛などの髪の健康のための成分、肌・髪の洗浄剤、水道
水中の残留塩素除去剤等が考えられる。
【0020】同様に本発明における薬剤は、例えば不快
害虫駆除や雑菌繁殖抑制のための殺菌・制菌剤や消毒剤
であってもよいし、洗車や食器、浴槽などの洗浄のため
の界面活性剤であっても構わない。
【0021】さらに、本発明における薬剤の態は、固
体、液体、気体のいずれであっても構わないが、実用的
な取り扱いの面からは、固体粉末または液体が簡便で望
ましい。
【0022】本発明の好ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記カートリッジは交換可能であ
るか、または前記複数種の薬剤が補充可能な構造である
こととした。
【0023】前記カートリッジにおいて、前記カートリ
ッジが交換可能であるか、または前記複数種の薬剤が補
充可能な構造であることによって、使用によって薬剤が
消費しても新たな薬剤の入ったカートリッジを交換する
かあるいは薬剤を補充することによって、再び新たな薬
剤を使用することができるため、利用者はとぎれること
なく継続的に複数の機能を有する水またはお湯を利用で
きる。
【0024】本発明の好ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記複数の薬剤充填室は、一つの
薬剤容器にすべて含まれた構造であり、前記カートリッ
ジ交換時に当該薬剤容器と共に前記複数の薬剤充填室が
すべて同時に取り出し可能であることとした。
【0025】前記カートリッジにおいて、前記複数の薬
剤充填室が一つの薬剤容器にすべて含まれた構造であ
り、前記カートリッジ交換時に当該薬剤容器と共に前記
複数の薬剤充填室がすべて同時に取り出し可能とするこ
とによって、当該カートリッジの利用者の利便性が飛躍
的に高まる。
【0026】すなわち、薬剤が徐放されることによって
改質された水またはお湯を利用すると、薬剤が消費、減
少そして消失するために、カートリッジに対してカート
リッジの交換なり、あるいは薬剤の補充によって、改め
て薬剤の徐放が行われる状態を作り出す必要がある。こ
の時に複数の薬剤がそれぞれ充填されている薬剤充填室
が独立していると、当該カートリッジを交換あるいは薬
剤補充する人は、複数回数だけこれらの作業を行わねば
ならず、不便極まりない。
【0027】本発明のように複数の薬剤充填室が独立し
ておらず、一つの薬剤容器にすべて含まれた構造であれ
ば、同時に取り出すことができるために複数種の薬剤を
一度に交換・補充することができ、至極幸便である。
【0028】本発明の望ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記薬剤徐放口には多孔性膜が設
けられることとした。
【0029】前記カートリッジにおいて、前記薬剤徐放
口に多孔性膜が設けられることによって、カートリッジ
内部の薬剤の飽和水溶液が多孔性膜の小孔から少量ずつ
にじみだし徐放されるために、一度に大量の薬剤が吐出
して無駄になることがないため、薬剤の徐放が安定的に
かつ大変スムーズに行われ、非常に好ましい。
【0030】つまり、薬剤の徐放時に多孔性の膜を通じ
て薬剤を徐放させない場合には、出水要求に基づいて通
水した際に、水またはお湯への薬剤の徐放が適量でなか
ったり、定量的に行われなかったり、薬剤充填室中の薬
剤の量や通水流量に影響されて薬剤の徐放量が変化して
しまい、安定的な薬剤の徐放が行われないため、長期に
わたり使用するには不十分な性能のものであり、望まし
くない。前述の多孔質膜は多孔性のものであればどのよ
うなものであっても構わないが、孔を通じて水を通す必
要性があることから親水性材料、または表面を親水化処
理した材料が望ましい。また多孔質膜の膜面積、孔径、
膜厚、材質、孔密度などを適宜選択することによって、
薬剤の種類、流量等に応じて、薬剤の徐放量を所望の値
に調整し、得られる洗浄水中の薬剤濃度を所望の値に調
整できる。
【0031】本発明の望ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記薬剤充填室にはガス抜き機構
が設けられることとした。
【0032】前記カートリッジにおいて、前記薬剤充填
室にガス抜き機構が設けられることによって、初期通水
時や、あるいはカートリッジ使用期間中に、薬剤充填室
内に空気などのガスが貯留することがなく、結果として
薬剤の徐放が長期にわたって安定的に行われる。
【0033】これは、製造の都合上、初期通水前にはカ
ートリッジの前記薬剤充填室内には薬剤の他に、若干の
空気または他の充填ガスが存在することになるが、通水
直後には薬剤充填室内に水またはお湯が導入されるた
め、前記空気または他の充填ガスを薬剤充填室外に逃が
す必要があるためである。
【0034】また初期通水後においても、通水を続ける
ことによって、水中にもともと存在する微量の空気等の
ガスや、あるいは薬剤が水などと反応して生じたガス
が、前記薬剤充填室内に貯留してしまう。
【0035】そこで前記ガス抜き機構を薬剤充填室に設
けることによって、不必要である前記空気または他の充
填・貯留ガスはガス抜き機構を通じて薬剤充填室外に放
出される。そのため、薬剤充填室内に貯留したガスが、
出水要求に基づく通水時に薬剤充填室内にかかる圧力に
対してクッション効果となり、薬剤の徐放に悪影響を及
ぼすことがなくなり、大変望ましい。
【0036】本発明の望ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記ガス抜き機構には疎水性膜が
備えられていることとした。
【0037】前記カートリッジにおいて、前記ガス抜き
機構に疎水性膜が備えられていることによって、不必要
である空気または他の充填・貯留ガス抜きが非常にスム
ーズに行われ、幸便である。
【0038】すなわち、本発明におけるカートリッジは
実用的には水道水またはそのお湯を通水することになる
が、疎水性膜はガスのみを通過、放出させ、固体薬剤の
水溶液または薬剤溶液を通過させない機能を有し、いわ
ゆる脱気膜としての機能を存分に果たすことができるた
め、薬剤を無駄に消費することがなくなり、甚だ利便性
が高い。前述の疎水性膜は疎水性かつ多孔性のものであ
ればどのようなものであっても構わないが、水溶液は通
さず、孔を通じてガスだけを通す必要性があることから
孔径が小さく、疎水性または表面を疎水化処理した材料
が望ましい。望ましくは孔径は10μm以下がよい。ま
た例えば膜の材質は四フッ化エチレン、三フッ化エチレ
ン等が考えられる。さらに多孔質膜の膜面積、孔径、膜
厚、孔密度などを適宜選択することによって、流量やカ
ートリッジ内圧力等に応じて耐久性を維持しながらその
ガス通過特性を維持することができる。
【0039】本発明の望ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記疎水性膜は複数枚備えること
とした。
【0040】前記カートリッジにおいて、前記疎水性膜
が複数枚備えられることにより、疎水性膜の脱気膜とし
ての機能が飛躍的に高まるため、大変都合がよい。
【0041】すなわち、当該カートリッジへの初期通水
後には、薬剤充填室内に水またはお湯が入り、薬剤の水
溶液または薬剤溶液が充填した状態となるために、薬剤
充填室に設けられた疎水性膜の内側(薬剤充填室内側)
は常に薬剤の水溶液または薬剤溶液に接していることに
なる。
【0042】同時に薬剤充填室の外部は通水した水また
はお湯で満たされるため、薬剤充填室に設けられた疎水
性膜の外側は常に水またはお湯に接していることにな
る。
【0043】以上のように初期通水後には、疎水性膜は
その両面共に通水後は液体が接していることになるが、
これは疎水性膜にとって過酷な使用条件であり、疎水性
膜表面の疎水性能低下や、膜の孔の詰まりなどの劣化を
助長する。
【0044】そこで本発明のように疎水性膜を複数枚備
えることで、一枚の疎水性膜の片面のみに液体が接する
ことになるため、疎水性膜に対する負担が軽減され、疎
水性膜の劣化を生じにくくすることができることによ
り、上述のような疎水性膜の劣化による薬剤容器からの
薬剤徐放性能の低下を防止することができる。
【0045】本発明の望ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、複数枚備えられた前記疎水性膜は
並列に備えられ、当該複数枚並列に備えられた疎水性膜
の間には空気が存在することとした。
【0046】前記カートリッジにおいて、複数枚備えら
れた前記疎水性膜が並列に備えられ、当該複数枚並列に
備えられた疎水性膜の間に空気が存在することによっ
て、疎水性膜の片面のみが常に液体に触れている状態と
なるために、複数枚備えられた疎水性膜の脱気性能が向
上し、当該疎水性膜の寿命が長期化し、結果として薬剤
の徐放性能が安定化、長期化するため、大変望ましい。
【0047】本発明の好ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、当該カートリッジを通過させる水
またはお湯は、前記薬剤が徐放された後、前記イオン交
換反応を生じさせるための物質を通過させる流路と前記
イオン交換反応を生じさせるための物質を通過させない
流路とに分岐されて通水される構造とした。
【0048】当該カートリッジを通過させる水またはお
湯が、前記薬剤が徐放された後、前記イオン交換反応を
生じさせるための物質を通過させる流路と前記イオン交
換反応を生じさせるための物質を通過させない流路とに
分岐されて通水される構造とすることによって、薬剤が
徐放された水またはお湯の全量がその下流のイオン交換
物質に通じることなく、一部はバイパスを通ってそのま
ま出口へと流れ出ることになる。このことによって、得
られる改質された水またはお湯の性質に対して過剰なる
イオン交換反応を抑制することができるために、イオン
交換物質の寿命を長期化することができ、甚だ幸便であ
る。
【0049】本発明の好ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記イオン交換反応を生じさせる
ための物質は、イオン交換樹脂、ゼオライトのどちらか
一方あるいは両方である。
【0050】前記カートリッジにおいて、前記イオン交
換反応を生じさせるための物質が、イオン交換樹脂、ゼ
オライトのどちらか一方あるいは両方であることによっ
て、当該カートリッジを通過する際の水またはお湯のイ
オン交換反応が簡便に行うことができ、幸便である。
【0051】すなわち、当該カートリッジに通過させる
水道水中には前述の如く多くのイオン成分が含まれてお
り、イオン交換反応を生じるためには当該カートリッジ
中にイオン交換物質を充填しておけばよいが、イオン交
換物質にはイオン交換ができなくなる、いわゆる寿命が
あるため、イオン交換物質そのものは安価なものが望ま
れる。
【0052】同時に当該カートリッジ内に充填された前
記イオン交換物質によるイオン交換速度は当然ながら早
いことが望まれる。つまり空間速度SV(=通水速度/
イオン交換物質体積)を大きくしてもイオン交換能が高
いことが望まれる。
【0053】以上の条件を鑑みるに、イオン交換物質と
してはイオン交換樹脂、ゼオライトのどちらか一方ある
いは両方であることが望ましい。
【0054】本発明の好ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記カートリッジはその交換時
に、内部に備えられたイオン交換物質をも同時に取り出
し可能な構造であることとした。
【0055】前記カートリッジにおいて、前記カートリ
ッジがその交換時に、内部に備えられたイオン交換物質
をも同時に取り出し可能な構造であることによって、当
該カートリッジの利用者の利便性が飛躍的に高まる。
【0056】すなわち、前記イオン交換物質に水または
お湯を通過させた場合、上述の如くイオン交換反応を生
じるが、カートリッジ内に備えられたイオン交換物質に
は、イオン交換反応以前に水またはお湯に含まれていた
イオンが吸着されるため、当該イオン交換物質のイオン
交換反応の容量には限界がある。よって当該イオン交換
物質の交換または補充によって、新たにイオン交換反応
が生じる状態を作り出す必要性がある。この時にカート
リッジの交換時に一緒にイオン交換物質をも取り出すこ
とができると、カートリッジと共にイオン交換物質を交
換することができ、利用者はカートリッジ交換作業が一
度ですむことになり、甚だ幸便である。
【0057】本発明の好ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、カートリッジ内部に水またはお湯
から有害物質を除去する物質が充填される。
【0058】前記カートリッジにおいて、カートリッジ
内部に水またはお湯から有害物質を除去する物質が充填
されることによって、利用者は浄化された水またはお湯
を使用することができ、衛生上大変好ましい。
【0059】すなわち、原水であるお湯または水は主に
水道水であり、前述のように水質汚染に対する不安が高
まっている昨今では、水道水中に存在する有害物質つま
り鉄錆などの濁質成分、トリハロメタンなどの有機塩素
化合物、クリプトスポリジウムといった微生物、一般細
菌などを除去することは必須と言っても過言ではなく、
有害物質を除去することによって利用者は非常に清潔な
水を利用できる。
【0060】本発明の望ましい態様においては、前記カ
ートリッジにおいて、前記水またはお湯から有害物質を
除去する物質は、活性炭、濾過膜のどちらか一方あるい
は両方である。
【0061】前記カートリッジにおいて、前記水または
お湯から有害物質を除去する物質が、活性炭、濾過膜の
どちらか一方あるいは両方であることにより、利用者は
浄化レベルの高い水またはお湯を安価で利用することが
できる。
【0062】すなわち、活性炭では遊離残留塩素や有機
塩素化合物といった不要物質を除去し、また濾過膜では
濁質成分や雑菌といった不要物質を物理的に濾過するこ
とができるため、これらの物質を通過した水またはお湯
は浄化の度合いが高く、利用者にとって幸便である。
【0063】同時に、活性炭や濾過膜は現在では浄水器
等に広く利用されていることもあり、比較的安価であ
る。
【0064】以上のことから、当該カートリッジに充填
するための有害物質除去物質は、活性炭あるいは濾過膜
が幸便である。
【0065】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。
【0066】図1は本発明におけるカートリッジ本体の
一例の概略図である。何らかの形で固定されたカートリ
ッジ本体1に対して、原水である水道水2を通じた場
合、まずカートリッジ通水入口3に水道水2が導入され
る。導入された水道水2は原水分離治具4によって水路
が分けられ、導入された水道水2はここでは二つに分け
られて下流(図1では上側)に流れる。
【0067】カートリッジ本体1内部には図1の如く薬
剤カートリッジ5が二つ、それぞれ別種の薬剤6が充填
されて装填されており、それぞれの当該薬剤カートリッ
ジ5の上流側には徐放機能部として多孔膜である徐放膜
7が備えられている。
【0068】カートリッジ本体1内部に原水である水道
水2が分離されて導入されると、それぞれの徐放膜7の
一部に当たることになり、水道水2の一部は徐放膜7を
通過して薬剤カートリッジ5内部に浸入する水8とな
る。薬剤カートリッジ5内部に浸入した水8は薬剤カー
トリッジ5内部に充填された薬剤6またはその水溶液に
ある圧力をかけることになるため、薬剤6の一部は徐放
膜7の一部を通過し、徐放薬剤9となって、水道水中に
徐放されることになる。
【0069】上記の徐放挙動は薬剤カートリッジの数だ
けそれぞれ生じるため、図1の例のように薬剤カートリ
ッジ5が二つ存在する場合には、それぞれの薬剤が徐放
されるため、水道水中には二種類の薬剤が徐放されるこ
とになる。
【0070】薬剤が徐放された水道水10はさらに下流
へと流れ、イオン交換反応を生じさせるための物質11
が充填されたイオン交換カートリッジ12の通水入口1
3を通過し、イオン交換カートリッジ12内部へと浸入
する。浸入した水14は図1の如くイオン交換反応を生
じさせるための物質11の隙間を通過するが、その際に
水中のイオンとあらかじめイオン交換反応を生じさせる
ための物質11に存在するイオンとがイオン交換する。
例えばイオン交換反応を生じさせるための物質11とし
て官能基末端がナトリウム型の陽イオン交換樹脂を充填
した場合には、薬剤が徐放された水道水10中に含まれ
ているカルシウムイオン、マグネシウムイオンといった
陽イオンと、陽イオン交換樹脂に存在していたナトリウ
ムとがイオン交換し、カルシウムイオン、マグネシウム
イオンといった硬度成分の少ないいわゆる軟水が得られ
ることになる。
【0071】上記の如く改質された水15はさらに下流
へと流れ、カートリッジ通水出口16を通ってカートリ
ッジ本体1の外部へと流れ、使用に供せられる。
【0072】図2は、本発明におけるカートリッジの他
の一例の概略図で、図1と同様に薬剤徐放カートリッジ
本体1に対して水道水2を通水させる。ただし図2では
薬剤徐放カートリッジ本体1内部には薬剤充填室21が
二つ、それぞれ別種の薬剤6が充填されて装填されてお
り、それぞれの薬剤充填室21は共に薬剤容器22に装
填されている。当該薬剤容器22の上流側(図2では下
側)には薬剤徐放口として多孔膜である徐放膜7が備え
られている。
【0073】薬剤徐放カートリッジ本体1内部に原水で
ある水道水2が分離されて導入されると、それぞれの徐
放膜7の一部に当たることになり、水道水2の一部は徐
放膜7を通過して薬剤充填室21内部に浸入する水8と
なる。薬剤充填室21内部に浸入した水8は薬剤充填室
21内部に充填された薬剤6またはその水溶液にある圧
力をかけることになるため、薬剤6の一部は徐放膜7の
一部を通過し、徐放薬剤9となって、水道水中に徐放さ
れることになる。
【0074】このとき薬剤充填室21の下流側(図2で
は上側)にはガス抜き機構23が設けられており、当該
ガス抜き機構23には疎水性膜24が二枚並列に備えら
れ、二枚の疎水性膜24の間には空気が入っている。
【0075】初期通水前には当該薬剤徐放カートリッジ
製造の都合上、薬剤充填室21内には薬剤6の他に若干
の空気または他の充填ガスが存在することになるが、上
述のように通水後は薬剤充填室21内部に浸入する水8
が存在し、当該空気または他の充填ガスは、ガス抜き機
構23に備えられた疎水性膜24を通じて、薬剤充填室
21の外に押しだされる。押し出されたガス25は薬剤
が徐放された水道水10とともに薬剤容器22の系外へ
と流れ出る。
【0076】また初期通水前に存在する若干の空気また
は他の充填ガスが押し出される他に、通水を続けること
によりカートリッジ本体1内に導入された水道水2中に
微量含まれるガス成分やあるいは何らかの反応で薬剤充
填室21内に生じたガスが、ガス抜き機構23に備えら
れた疎水性膜24を通じて薬剤容器22の系外に放出さ
れる。この結果、上記の如く不必要に薬剤充填室21内
に存在するガスによる薬剤徐放の悪影響つまり薬剤徐放
の不安定さ、無駄が解消され大変望ましい。
【0077】図3は、本発明におけるカートリッジの他
の一例の概略図で、薬剤容器と共に薬剤充填室を交換す
る過程を示したものである。図3(a)に見られるカー
トリッジにおいて、通水につれて薬剤充填室21に充填
された薬剤6が消耗するため、何らかの形で新たに薬剤
を補充する必要があるが、この際図3(a)の如く薬剤
容器22と共に薬剤充填室21をすべて同時に着脱する
ことが可能であり、取り出した局面の構造を示したもの
が図3(b)である。このようにすることによって薬剤
6が消耗した後も新たに薬剤を利用できるため、利用者
はとぎれることなく薬剤を添加した機能水を利用でき
る。同時にこのとき複数の薬剤を補充することが大変容
易にでき、幸便である。
【0078】図4は、本発明におけるカートリッジの他
の一例の概略図で、図2と同様にそれぞれ別種の薬剤6
が薬剤充填室21に装填され、それぞれの薬剤充填室2
1は薬剤容器22に装填されている。当該薬剤容器22
の下流側(図4では上側)にはイオン交換反応を生じさ
せるための物質11が備えられているが、同時にバイパ
ス17も備わっている。また、ここではイオン交換カー
トリッジ通水入口13の他に、バイパスへの入口26も
備えられている。
【0079】薬剤徐放カートリッジ本体1内部に原水で
ある水道水2が導入されると、上述のような作用により
薬剤が徐放された水道水10が生成される。これが下流
側に進むと、イオン交換カートリッジ通水入口13を通
過してイオン交換カートリッジ内部へ浸入する水14と
なる水と、バイパスへの入口26を通過してバイパス1
7を通過する水18とに分離して流れる。
【0080】分岐されたそれぞれの水はカートリッジ本
体1の最下流において混合され、カートリッジ通水出口
16を通って外部へと流れ、使用に供せられる。
【0081】図4の如くバイパス18を介してイオン交
換を生じさせるための物質11を通過させない水を作る
ことにより、薬剤が徐放された水道水10のすべてがイ
オン交換される訳ではなくなるため、水道水2の性質に
よっては過剰ともなるイオン交換が行われずに済み、結
果としてイオン交換を生じさせるための物質11の長寿
命化が図れ、幸便である。
【0082】
【発明の効果】以上説明した如く本発明によって、複数
の機能を有する水またはお湯を、安全に提供するための
水の改質用カートリッジを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるカートリッジの一例の概略図
【図2】本発明におけるカートリッジの他の一例の概略
【図3】本発明におけるカートリッジの他の一例の概略
図(薬剤容器交換の図)
【図4】本発明におけるカートリッジの他の一例の概略
【符号の説明】
1 カートリッジ本体 2 水道水 3 カートリッジ通水入口 4 原水分離治具 5 薬剤カートリッジ 6 薬剤 7 徐放膜 8 薬剤カートリッジ内部に浸入した水 9 徐放薬剤 10 薬剤が徐放された水道水 11 イオン交換反応を生じさせるための物質 12 イオン交換カートリッジ 13 イオン交換カートリッジ通水入口 14 イオン交換カートリッジ内部へ浸入した水 15 改質された水 16 カートリッジ通水出口 17 バイパス 18 バイパスを通過する水 21 薬剤充填室 22 薬剤容器 23 ガス抜き機構 24 疎水性膜 25 押し出されたガス 26 バイパスへの入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/68 530 C02F 1/68 530L 540 540C A47K 3/28 A47K 3/22 B05B 1/18 B05B 1/18 C02F 1/42 C02F 1/42 A Fターム(参考) 2D032 FA11 4D025 AA02 AA03 AB19 BA08 BA13 BB02 BB04 BB07 DA02 DA03 DA05 DA08 DA10 4F033 AA09 BA04 CA04 DA01 EA01 LA00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出水要求に基づいて所定量の水を吐出す
    る吐水装置に送水するための配管途中に付設された水ま
    たはお湯の性質を変化させるためのカートリッジにおい
    て、カートリッジ内部に複数種の薬剤があらかじめ混合
    しないように充填されていることを特徴とするカートリ
    ッジ。
  2. 【請求項2】 出水要求に基づいて所定量の水を吐出す
    る吐水装置に送水するための配管途中に付設された水ま
    たはお湯の性質を変化させるためのカートリッジにおい
    て、カートリッジ内部に一種類または複数種の薬剤と、
    イオン交換反応を生じさせるための物質が充填されてい
    ることを特徴とするカートリッジ。
  3. 【請求項3】 請求項1、2いずれかに記載のカートリ
    ッジにおいて、前記カートリッジ内部には複数の薬剤充
    填室が備えられ、前記薬剤充填室中には複数種の薬剤が
    それぞれ各薬剤充填室に分離されて充填されていること
    を特徴とするカートリッジ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のカートリッジにおい
    て、前記薬剤充填室には薬剤徐放口が設けられており、
    水の吐出時には前記複数種の薬剤がそれぞれ前記薬剤徐
    放口から水中に放出されることを特徴とするカートリッ
    ジ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載のカートリ
    ッジにおいて、前記カートリッジは交換可能であるか、
    または前記複数種の薬剤が補充可能な構造であることを
    特徴とするカートリッジ。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5いずれかに記載のカートリ
    ッジにおいて、前記複数の薬剤充填室は、一つの薬剤容
    器にすべて含まれた構造であり、前記徐放カートリッジ
    交換時に前記薬剤容器と共に前記複数の薬剤充填室がす
    べて同時に取り出し可能であることを特徴とすることを
    特徴とするカートリッジ。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6いずれかに記載のカートリ
    ッジにおいて、前記薬剤徐放口には多孔性膜が設けられ
    ていることを特徴とするカートリッジ。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7いずれかに記載のカートリ
    ッジにおいて、前記薬剤充填室にはガス抜き機構が設け
    られていることを特徴とするカートリッジ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のカートリッジにおい
    て、前記ガス抜き機構には疎水性膜が備えられているこ
    とを特徴とするカートリッジ。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のカートリッジにおい
    て、前記疎水性膜は複数枚備えられていることを特徴と
    するカートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のカートリッジにお
    いて、複数枚備えられた前記疎水性膜は並列に備えら
    れ、当該複数枚並列に備えられた疎水性膜の間には空気
    が存在することを特徴とするカートリッジ。
  12. 【請求項12】 請求項2〜11いずれかに記載のカー
    トリッジにおいて、当該カートリッジを通過させる水ま
    たはお湯は、前記薬剤が徐放された後、前記イオン交換
    反応を生じさせるための物質を通過させる流路と前記イ
    オン交換反応を生じさせるための物質を通過させない流
    路とに分岐されて通水されることを特徴とするカートリ
    ッジ。
  13. 【請求項13】 請求項2〜12いずれかに記載のカー
    トリッジにおいて、前記イオン交換反応を生じさせるた
    めの物質は、イオン交換樹脂、ゼオライトのどちらか一
    方あるいは両方であることを特徴とするカートリッジ。
  14. 【請求項14】 請求項2〜13いずれかに記載のカー
    トリッジにおいて、前記カートリッジは、その交換時
    に、内部に備えられたイオン交換物質をも同時に取り出
    し可能な構造であることを特徴とするカートリッジ。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14いずれかに記載のカー
    トリッジにおいて、カートリッジ内部に水またはお湯か
    ら有害物質を除去する物質が充填されていることを特徴
    とするカートリッジ。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のカートリッジにお
    いて、前記水またはお湯から有害物質を除去する物質
    は、活性炭、濾過膜のどちらか一方あるいは両方である
    ことを特徴とするカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007007651A (ja) * 2005-02-23 2007-01-18 Kuritakku Kk 水質調整装置
JP2010240580A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Victory:Kk 液体噴射ノズルおよびシャワーヘッド

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