JP2000262377A - 病院用包布 - Google Patents

病院用包布

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 敷き布団等の下側寝具と掛け布団等の上側寝
具を簡単に、かつ迅速に一体に組み付けることができる
ので交換時の作業性が良い。上側寝具が捲れたり、片寄
ったりすることがないので使用上快適であるし、上側寝
具が患者を確実に包むので病状に悪影響を与えることな
く安心して使用することができる。 【解決手段】 包布本体1は長方形の包布生地を折返し
縁2から長手方向に折り返すことにより、下布部3と上
布部4に画成してある。包布本体1の幅方向両側に下布
部3と上布部4を重畳して目印縫い部5、5が設けてあ
る。下布部3と上布部4を重畳して包布本体1の幅方向
両側縁を縫着することにより、左右一対の側方開口部
6、6と、上側寝具挿入部8が設けてある。包布本体1
の長手方向他端側両角隅に直角三角形の下側受け部1
2、12が設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院で使用するマ
ットレスや敷布団等(以下、下側寝具と言う。)と、掛
け布団、毛布、タオルケット等(以下、上側寝具とい
う。)をカバーする包布に関し、特に下側寝具と上側寝
具を組み合わせた状態に保持して一体に使用することが
できるようにした病院用包布に関する。
【0002】
【従来の技術】病院用の寝具で肌に接触する敷布団や掛
け布団等は袋状の包布によってカバーしているが、近年
普及している掛け布団は薄くなって軽量であるし、毛布
やタオルケットも軽量であるため、これら掛け布団等は
包布の中で捲かれたり、片寄ったりしてしまうという問
題がある。また、薄手の掛け布団、毛布、タオルケット
は形態保持性がないため、これらの複数枚を袋状の一枚
の包布で包もうとしても位置ずれしたり捲れたりしてし
まい、その包み込み作業は極めて面倒であるし多大な時
間を浪費してしまうことになる。そこで、従来は掛け布
団、毛布、タオルケットは一枚毎に包布でカバーして使
用しているのが実状である。
【0003】また、病院のベットは一般のベットに比較
して幅が狭いために寝返りをした場合に上側寝具がベッ
トから簡単に落ちてしまうという欠点があり、患者の病
状に悪影響を与えるという問題もある。そこで、最近で
は四隅に紐通しを設け、紐で寝具と一体に締結するよう
にした包布が使用されている。また、側面に紐で閉める
ようにした挿入用開口を設けると共に、四隅に紐通し穴
を設け、掛け布団には四隅に紐通し穴に挿通する紐を取
り付けた構成にし、掛け布団全体を包むと共に中で掛け
布団がずれないように紐で締結するようにした包布も使
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、病院用の寝具
類で肌に接触するものは1週間に1回以上の洗濯が義務
付けられているので病院内での包布の交換作業は日常的
に大量に行うことになるが、従来の包布は掛け布団、毛
布、タオルケット毎に格別に使用することからその使用
枚数が大量であり、交換作業や洗濯作業が多大となっ
て、介護者、看護婦等にとって大きな負担になってい
る。また、従来の包布では紐の通し作業や締結作業に手
数が掛って面倒であり、毎日大量の包布の交換作業を行
う上では作業性が悪いことが致命的な欠点となってい
る。このため、作業性を向上できる包布が望まれてい
る。
【0005】本発明は上述した従来技術の諸欠点に鑑み
なされたもので、敷き布団等の下側寝具と掛け布団等の
上側寝具の両者を一体に保持することにより、上側寝具
がベッドから落ちたり、中で捲れたり、片寄ったりする
ことがないようにしたので使用上快適であり、また患者
を確実に包むことができるので病状に悪影響を与えるこ
となく安心であり、しかも1枚の包布に掛け布団とタオ
ルケット、毛布等を重ねた状態で簡単に、かつ迅速に一
体に組み付けることができるので、交換や洗濯の作業を
従来の2分の1以下にすることができる病院用包布を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために構成した請求項1に係る本発明の手段は、長方形
に裁断した包布生地を全長の約3分の1〜4分の1の位
置で長手方向一側に折り返すことにより、折返し縁
(2)を介して下布部(3)と上布部(4)に画成され
た包布本体(1)を形成し、前記折返し縁(2)に沿っ
て該包布本体(1)の幅方向両側縁側を前記下布部
(3)及び上布部(4)を重畳した状態で色糸を用いて
縫着することにより目印縫い部(5)を形成し、前記下
布部(3)と上布部(4)の幅方向両縁を重畳した状態
で該上布部(4)の先端(4A)から前記各目印縫い部
(5)の近傍まで縫着することにより、前記包布本体
(1)の左右両縁に開口する一対の側方開口部(6、
6)、及び該下布部(3)と上布部(4)の先端(4
A)との間に開口する上側寝具挿入部(7)を夫々形成
し、前記下布部(3)の長手方向他側の両角隅側(3
B、3B)を前記上布部(4)の反対側に直角三角形状
に折り返して直角角隅側を前記下布部(3)に縫着する
ことにより、下側寝具(A)の両角隅が挿入する三角形
袋状の下側受け部(12、12)を左右に形成したもの
からなる。
【0007】そして、前記包布本体(1)に、前記折返
し縁(2)から約10〜15cm離間した位置に下布部
(3)及び上布部(4)を重畳した状態で幅方向に伸長
するめくれ防止縫着部(10)を設けるとよい。
【0008】また、前記各下側受け部(12)は、前記
包布生地の経糸(イ)及び緯糸(ロ)を斜めに折り返し
た折曲げ縁(12A)、経糸(イ)と平行な側縁(12
B)及び緯糸(ロ)と平行な上縁(12C)により直角
三角形に形成するとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳述する。図において、1は包布本体を示す。
該包布本体1は縦約325cm、横約160cmの長方
形に裁断した包布生地を全長の約3分の1〜4分の1の
位置で長手方向他側に折り返すことにより、折返し縁2
を介して下布部3と上布部4に画成した形状からなって
いる。ここで、包布本体1は経糸イと緯糸ロが交差状に
編成してある布生地を裁断して形成したものである。
【0010】5、5は包布本体1の幅方向両端1A、1
A側に形成した一対の目印縫い部を示し、該目印縫い部
5、5は前記下布部3と上布部4を重畳した状態で前記
折返し縁2から約1cm内側の位置を折返し縁2に沿っ
て例えば赤色や茶色の色糸で約3〜5cmの長さに縫着
したものからなっている。この目印縫い部5、5は包布
を広げたり、畳んだりする作業時や、洗濯後のプレス工
程においてプレス機にセットする作業時に包布本体1の
角隅を容易に、また迅速に確認できるし、指先で摘み易
いので作業性の向上に極めて有効である。
【0011】6、6は包布本体1の幅方向両端1A、1
A側に形成した一対の側方開口部を示し、該各側方開口
部6は下布部3と上布部4の幅方向両縁を上布部4の先
端4Aから前記目印縫い部5の近傍に至る間に縫着部
7、7を設けることによって長さ約15cmの開口に形
成したものからなる。また、8は包布本体1に設けた上
側寝具挿入部を示し、該上側寝具挿入部8は前記縫着部
7、7を設けることにより下布部3と上布部4の先端4
Aとの間に開口しており、上側寝具挿入部8の開口縁に
沿って上布部4の先端4Aに彩色バイヤステープ9が設
けてある。
【0012】更に、10は包布本体1に設けためくれ防
止縫着部を示す。該めくれ防止縫着部10は折返し縁2
から約10〜15cm離間した位置で下布部3及び上布
部4を重畳した状態で幅方向に縫着することによって設
けてあり、使用中に上布部4が捲れてずり上がったりす
るのを防止すると共に、めくれ防止縫着部10から折返
し縁2までの帯状部分11が患者の肩を覆う肩当てとし
て機能するので保温上有効である。
【0013】他方、12、12は下側寝具の両角隅を挿
入するために包布本体1の長手方向他側1Bに設けた左
右一対の下側受け部を示す。該下側受け部12、12は
下布部3の長手方向他側の両直角角隅3Aを上布部4の
反対側に直角三角形状に折り返し、直角角隅3A側を下
布部3にJ字状の縫着部13で縫着することにより三角
形袋状に形成したものからなっている。ここで、各下側
受け部12は包布生地の経糸イ及び緯糸ロを斜めに折り
返した折曲げ縁12A、経糸イと平行な側縁12B及び
緯糸ロと平行な底縁12Cからなる三角形袋状をなして
いるので、下側寝具の両角隅を挿入した場合に折り曲げ
縁12Aは伸びた状態になるが、底縁12B及び側縁1
2Cは伸びることがないので、下側受け部12は下側寝
具の角隅を包んだ状態で確実に支持することができる
(図4参照)。また、左右一対の縫着部13、13の間
隔は、下側寝具Aを挿入できる長さに設定してある。
【0014】本実施の形態に係る病院用包布は上述の構
成からなるが、次にその使用方法について説明する。先
ず、敷き布団やマットレス等の下側寝具Aの上に既存の
シーツを敷く。その上に包布本体1を被せ、左右の下側
受け部12、12を下側寝具Aの長手方向他側の両角隅
にシーツと共に挿入して係止した状態にし、包布本体1
全体を長手方向一側即ち上側に引っ張ることにより下側
寝具A上に包布を張った状態に被せる。なお、図2にお
いてシーツは図形の煩雑を避けるために省略してある。
次に、上側寝具挿入部8に掛け布団等の上側寝具Bの長
手方向一側を差し込み、左右の側方開口部6、6から手
を入れて上側寝具Bの一側両角隅を上方に引上げる。こ
れにより、包布本体1と上側寝具Bは端部に至るまで緊
密に組み合わせた状態にする。
【0015】かくして、病院用包布は下側寝具Aを左右
両側の下側受け部12、12によって、上側寝具Bを上
側寝具挿入部8によって夫々支持するから、上側寝具B
がベッドからずり落ちたりすることがないし、患者が寝
返りをしても上側寝具Bが片寄りすることなく常に中央
に保持することができ、患者が寒い思いをする事態を防
止できる。しかも、病院用包布は左右両側の下側受け部
12、12で下側寝具Aに係止し、幅方向中央部分は係
止した状態にないから患者の足に対してゆとりがあり、
過度の圧迫感を与えて不快にさせることもない。
【0016】また、上布部4と下布部3を一体に縫着し
ためくれ防止縫着部10を設けてあるから、使用中に上
布部4が捲れてずり上がったりするのを防止することが
できるし、めくれ防止縫着部10から折返し縁2までの
帯状部分11が患者の肩を覆う肩当てとして機能するか
ら患者を寒さから保護することができる。更に、包布本
体1の下側、即ち患者の足側は下側寝具Aに下側受け部
12、12によって係止して支持されているから、足元
側から外気が侵入するのを防止することができ、保温性
に優れている。
【0017】なお、本発明の病院用包布を厚さのある掛
け布団に使用する場合には、掛け布団の下端角隅側は綿
等の中芯材を抜き、包布の下受け部12と同様の直角三
角形状の受け部を形成し、包布本体1の下受け部12と
重畳した状態で下側寝具の角隅に係合させればよい。
【0018】
【発明の効果】本発明は以上詳述した如く構成したか
ら、下記の諸効果を奏する。 (1)病院用包布によって下側寝具及び上側寝具を一体
に保持することができるから、使用中に上側寝具がずれ
たり、ベッドから落ちたりする事態を確実に防止するこ
とができ、患者の病状に悪影響を与えることがない。 (2)1枚の病院用包布に、掛け布団、毛布、タオルケ
ット等の上側寝具を重ねた状態で容易に収容することが
できるから、交換時の作業性が向上するし、包布の使用
枚数を従来の2分の1以下にすることができるから、交
換、洗濯、運搬等の作業量を大幅に低減することができ
ると共に、これら作業に要していた費用を低減できる。 (3)シーツを介して下側寝具と包布本体との間に患者
が身体を入れることにより包布本体は上側に引き上げら
れた状態になるから、両下側受け部は下側寝具の角隅に
より確実に係合することになり、使用中に包布本体が下
側寝具から外れることがなく、使用上の信頼性に優れて
いる。 (4)病院用包布の左右の下側受け部を下側寝具の角隅
に挿入し、上側寝具挿入部に上側寝具の長手方向一側を
挿入する作業だけで、下側寝具と上側寝具を一体に組み
合わせることができ、従来技術のように紐を締結する面
倒がないから短時間で作業を行うことができ極めて作業
性に優れている。 (5)包布本体の幅方向両側に目印縫い部を設けたか
ら、包布を広げたり、畳んだりする作業や、洗濯後のプ
レス工程においてプレス機にセットする作業時に包布本
体の角隅を容易に、かつ迅速に確認できると共に指先で
摘み易いので作業性が格段に向上する。 (6)上側寝具挿入部によって掛け布団等の上側寝具は
常に中央に保持されるから、保温性を保つことができる
し、就寝中にずり落ちるのを防止できる。 (7)包布本体にめくれ防止縫着部を設けたから、使用
中に上布部だけが引上げられて捲れ上がり、上側寝具が
外れてしまう事態を防止できるし、めくれ防止縫着部と
折返し縁との間の帯状部分が患者の肩を覆う肩当てとし
て機能するので、保温性に優れている。 (8)包布本体に設ける下側受け部は、包布生地の経糸
及び緯糸を斜めに折り返した折曲げ縁、経糸と平行な側
縁及び緯糸と平行な上縁により直角三角形に形成したか
ら、下側寝具の角隅に係合した場合に側縁と上縁は伸び
ないが折曲げ縁のみが伸長することにより下側寝具の角
隅を確実に保持するので、使用中に下側寝具から包布が
外れることがなく、使用上の信頼性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る病院用包布の外観斜
視図である。
【図2】病院用包布の裏面斜視図である。
【図3】下側受け部の拡大図である。
【図4】下側受け部に敷き布団の角隅を係合した状態の
説明図である。
【符号の説明】
1 包布本体 2 折返し縁 3 下布部 4 上布部 5 目印縫い部 6 側方開口部 8 上側寝具挿入部 10 めくれ防止縫着部 11 下側受け部 11A 折曲げ縁 11B 側縁 11C 上縁 A 下側寝具 B 上側寝具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長方形に裁断した包布生地を全長の約3
    分の1〜4分の1の位置で長手方向一側に折り返すこと
    により、折返し縁(2)を介して下布部(3)と上布部
    (4)に画成された包布本体(1)を形成し、前記折返
    し縁(2)に沿って該包布本体(1)の幅方向両側縁側
    を前記下布部(3)及び上布部(4)を重畳した状態で
    色糸を用いて縫着することにより目印縫い部(5、5)
    を形成し、前記下布部(3)と上布部(4)の幅方向両
    側縁を重畳した状態で該上布部(4)の先端(4A)か
    ら前記各目印縫い部(5)の近傍まで縫着することによ
    り、前記包布本体(1)の左右両縁に開口する一対の側
    方開口部(6、6)、及び該下布部(3)と上布部
    (4)の先端(4A)との間に開口する上側寝具挿入部
    (8)を夫々形成し、前記下布部(3)の長手方向他側
    両角隅を前記上布部(4)の反対側に直角三角形をなす
    ように折り返して直角角隅(3A、3A)側を前記下布
    部(3)に縫着することにより、下側寝具(A)の両角
    隅が挿入する三角形袋状の下側受け部(12、12)を
    左右に形成してなる病院用包布。
  2. 【請求項2】 前記包布本体(1)に、前記折返し縁
    (2)から約10〜15cm離間した位置に下布部
    (3)及び上布部(4)を重畳した状態で幅方向に伸長
    するめくれ防止縫着部(10)を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載の病院用包布。
  3. 【請求項3】 前記各下側受け部(12)は、前記包布
    生地の経糸(イ)及び緯糸(ロ)を斜めに折り返した折
    曲げ縁(12A)、経糸(イ)と平行な側縁(12B)
    及び緯糸(ロ)と平行な上縁(12C)によって直角三
    角形状に形成してあることを特徴とする請求項1記載の
    病院用包布。
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