JP2000262295A - 光学活性3−置換インドールの製造方法 - Google Patents

光学活性3−置換インドールの製造方法

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JP2000262295A
JP2000262295A JP7049099A JP7049099A JP2000262295A JP 2000262295 A JP2000262295 A JP 2000262295A JP 7049099 A JP7049099 A JP 7049099A JP 7049099 A JP7049099 A JP 7049099A JP 2000262295 A JP2000262295 A JP 2000262295A
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Shirou Kato
志朗 賀登
Hiroshi Harada
博史 原田
Akihito Fujii
昭仁 藤井
Souzaburo Ohashi
聡三郎 大橋
Kunio Isshiki
邦夫 一色
Takeo Yoshioka
武男 吉岡
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Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
Mercian Corp
Original Assignee
Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
Mercian Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学純度の高い3−置換ニトロアルキルイン
ドールの生還元的変換法に関する。 【解決手段】 3−置換(2−アルキル−2−ニトロビ
ニル)インドールからのサッカロミセス属(Saccharomy
ces)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyce
s)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、バチ
ルス属(Bacillus)、ストレプトミセス属(Streptomyc
es)およびグレオスポリウム属(Gloeosporium)に属す
る微生物からなる群より選ばれる少なくとも1種の微生
物の培養物を用いる、対応する3−置換(2−ニトロア
ルキル)インドールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物の微生
物を用いる生還元的変換法に関し、より具体的には微生
物を用いる高光学純度の3−置換インドールの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】インドール誘導体の中には、極めて興味
深い生物活性を有し、医薬として現に使用されている
か、あるいは医薬としての開発途上にある化合物も多く
存在する。このような誘導体としては、一般式
【0003】
【化5】 (AおよびBは、水素原子を含む1個以上の置換基であ
る)で表されるβアドレナリン受容体の各サブクラスに
作用する薬物が挙げられる(WO 96/16938、
J. Med. Chem., 25,670−679(1982)、
英国特許第861,428号明細書など)。これらの化
合物のインドール環の3位に結合する2−アミノプロパ
ン部分における2位の炭素は不斉中心であり、これに起
因する複数の立体異性体が存在しうるが、これらの化合
物は生物活性物質に共通して認められるように、特定の
異性体が生物活性上望ましい場合が多い。現に、WO
96/16938に記載されているβ3アドレナリン受
容体刺激作用を有する化合物は、前記部分の2位におけ
る立体配置がR−であることが好ましい。したがって、
前記2−アミノプロパン部分が2(R)の立体配置を有す
る前記インドール誘導体を提供しようとする場合、全工
程を化学的方法によると、一般的に最終化合物または前
記2−アミノプロパン部分を有する合成中間体を光学分
割に供する必要がある。
【0004】ところで、WO 96/16938には、
【0005】
【化6】 部分を対応するアミン化合物から形成し、
【0006】
【化7】 部分を対応するオキシラン化合物またはカルボン酸化合
物から形成する方法が提案されている。このような方法
に従う場合、目的に応じて前記アミン化合物として2R
−もしくは2S−体を使用すれば、最終化合物として所
望の光学異性体を得ることができるであろう。しかし、
かような2R−もしくは2S−体のいずれか一方に富む
アミン化合物を選択的に得る方法は知られていない。
【0007】一般的に、特定の光学異性体を提供するに
際し、微生物または酵素が成功裏に使用できる場合があ
る。例えば、特開昭59−132895号公報によれ
ば、2−ニトロ−1−フェニルアルケンにマイコバクテ
リウム属(Mycobacterium)またはノカルディア属(Noc
ardia)の菌体を作用させて、(S)−(+)−(2−
ニトロアルキル)ベンゼンを製造する方法が記載されて
いる。前記公報には、こうして得られた光学異性体であ
る(2−ニトロアルキル)ベンゼンは、有用な医薬を包
含する対応する(2−アミノ)ベンゼンの前駆体として
使用できることも記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ば、前記インドール誘導体を合成するためのアミン化合
物の前駆体となり得る、いずれかの光学異性体に富む3
−置換インドールの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記特開昭59−132
895号公報に記載されたベンゼン環を有する化合物と
は異なり、インドール環を有し、かつ3位の置換基とし
て2−アルキル−2−ニトロビニル基を有する化合物
を、特定の微生物と接触させることにより、対応する2
−ニトロアルキルインドールに生還元的に変換できるこ
とを、ここに見いだした。
【0010】したがって、本発明によれば、還元反応を
介する、式(I)
【0011】
【化8】 (式中、R1は低級アルキル基であり、R2は水素原子ま
たは低級アルキル基であり、R3およびR4は独立して、
水素原子または生還元的変換に悪影響を及ぼさない置換
基である)で表される3−置換インドールの製造方法で
あって、還元反応が、式(II)
【0012】
【化9】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、式(I)について
定義したものと同義である)で表される基質を該基質か
ら式(I)で表される3−置換インドールへの生還元性
変換能を有するサッカロミセス属(Saccharomyces)、
シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、コリ
ネバクテリウム属(Corynebacterium)、バチルス属(B
acillus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)およ
びグレオスポリウム属(Gloeosporium)に属する微生物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の微生物の培養
物と生還元的変換条件下で接触させることにより実施さ
れることを特徴とする方法が提供される。
【0013】本発明の方法によれば、式(I)で表され
る3−置換インドールの3位置換基に起因する立体配置
が少なくとも2(R)−70%eeである化合物が主とし
て提供される。こうして得られる化合物は、ニトロ基に
対するそれ自体既知の化学的還元法により、その光学純
度を実質的に保持したまま対応するアミノ化合物へ転化
できる。したがって、本発明方法により得られる化合物
は、WO 96/16938およびその他の公知刊行物
に記載されている医薬を初めとする各種医薬の原料また
はそれらの前駆体として有用である。
【0014】本明細書で使用されているところの「生還
元的変換」の語は、化学的還元に対立する概念であり、
生物、特に微生物を利用して基質を還元することを意味
する。より具体的には、このような還元には微生物が有
するレダクターゼ(またはオキシレダクターゼ)活性が
利用される。したがって、本発明にいう培養物は、前記
活性を有するものである限り、生存もしくは死んだ微生
物またはそれらから調製される菌体処理物をも包含す
る。また、かような微生物は、栄養培地で培養したとき
それらの対数増殖期にあるものまたは定常期にあるもの
のいずれに由来するものを利用してもよい。栄養培地
は、それぞれ使用する微生物に応じて、炭素源、窒素
源、微量金属、その他の栄養素を適切に含む公知の液体
培地を使用する。
【0015】本発明で使用される培養物は、サッカロミ
セス属、シゾサッカロミセス属、コリネバクテリウム
属、バチルス属、ストレプトミセス属およびグレオスポ
リウム属に属し、式(II)で表される基質を式(I)
で表される3−置換インドールへ変換しうるいずれかの
菌株またはそれらの2種以上の菌株に由来するものであ
ることができる。
【0016】これらの菌株の代表的なものとしては、サ
ッカロミセス セレビシア(Saccharomyces cerevisia
e)Y−426(FERM P−17104)、シゾサ
ッカロミセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)
Y−115(FERM P−17102)、コリネバク
テリウム アセトアシドフィラム(Corynebacterium ac
etoacidphilum)B−619(FERM P−1710
6)、バチルス セレウス(Bacillus cereus)B−1
062(FERM P−17210)、ストレプトミセ
ス パルブラス(Streptomyces parvulus)A−215
(FERM P−17101)、ストレプトミセス イ
ンディアンシス(Streptomyces indiaensis)A−83
5(FERM P−17105)およびグレオスポリウ
ム ムサラム(Gloeosprium musarum)FI−739
(FERM P−17103)、ならびにこれらの前記
生還元性変換能を有する突然変異菌株を挙げることがで
きる。上記FERM P−番号が付されている菌株は、
平成10年12月21日付および平成11年2月10日
付で工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託され、そ
れぞれ記載されている受託番号が付されている。以上の
各菌株は、本出願人の一人の保存培養物から選択された
か、あるいは土壌から分離されたものである。また、記
載した菌株の属および種名は、それぞれの菌学的性状か
ら、まとめて後述する文献を参照して同定した。具体的
には、細菌類については文献(1)および(2)、放線
菌については文献(3)〜(10)、酵母については文
献(11)をそれぞれ参照した。
【0017】本発明によれば、式(II)で表される基
質が前記菌株の培養物と生還元的変換条件下で接触され
る。かような条件下での接触は、生還元的変換能を有す
る前記菌株の培養物が、pH6.5〜7.5に調節された
水と混和可能な有機溶媒を含んでいてもよい水性媒質中
で式(II)の基質と温度25〜35℃において行われ
る。前述のとおり、培養物は増殖された菌株を含む培養
物それ自体、または培養物から単離された菌体もしく
は、例えば、該菌体のホモジネートであることができ
る。培養物それ自体(培養液)を使用する場合、基質の
溶解性を高めるために水と混和可能な有機溶媒を含めて
水性媒質を調製してもよい。単離された菌体等を使用す
る場合、使用する菌株の栄養培地および前記のような有
機溶媒を含めて水性媒質を調製してもよい。前記の「水
と混和可能な有機溶媒」としては、限定されるものでな
いが、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、等のアプロティック極性溶媒が
挙げられる。
【0018】以上のような媒質中での培養物と基質の接
触は、両者を含む媒質を、必要により振盪または撹拌す
ることにより行うことができる。接触させる最適な温度
および時間は、使用する培養物、基質によって左右され
るので限定されないが、一般的に、使用する微生物の生
育温度25〜35℃で12〜72時間である。いずれに
しても、当業者であれば、後述する実施例を参照に小実
験を行うことによって、最適条件を選定できる。
【0019】本明細書における式(II)で表される基
質および式(I)で表される化合物、ならびに「生還元
的変換に悪影響を及ぼさない置換基」を特定する上で、
「低級」なる用語を付した基は、その基が1〜4の炭素
原子を有することを意味する。「低級アルキル基」の具
体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチルなどが挙げられるが、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピルが好ましい。「ヒドロキシル基で置換
された低級アルキル基」の具体例としては、ヒドロキシ
メチル、2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。「低
級アルキルスルホニルアミノ基」の具体例としては、メ
チルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなどが
挙げられる。「モノもしくはジ低級アルキルアミノスル
ホニル基」の具体例としては、モノメチルアミノスルホ
ニル、ジメチルアミノスルホニル、モノエチルアミノス
ルホニル、ジエチルアミノスルホニルなどが挙げられ
る。「低級アルコキシカルボニル基」の具体例として
は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニルなどが挙げられ
る。「低級アルカノイル基」の具体例としては、アセチ
ル、プロピオニルなどが挙げられる。「モノもしくはジ
低級アルキルアミノカルボニル基」の具体例としては、
メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、
メチルエチルアミノカルボニルなどが挙げられる。「ハ
ロゲン原子」とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味
し、好ましくはフッ素、塩素、臭素であり、特にフッ
素、塩素が好適である。「低級アルコキシ基」の具体例
としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t
ert−ブトキシなどが挙げられる。「低級アルコキシ
カルボニル低級アルコキシ基」の具体例としては、メト
キシカルボニルメトキシ、1−メトキシカルボニルエト
キシ、2−メトキシカルボニルエトキシ、1−メトキシ
カルボニルプロポキシ、3−メトキシカルボニルプロポ
キシなどが挙げられる。「カルボキシ低級アルコキシ
基」の具体例としては、カルボキシメトキシ、1−カル
ボキシエトキシ、2−カルボキシエトキシ、1−カルボ
キシプロポキシ、3−カルボキシプロポキシなどが挙げ
られる。「フェニル低級アルコキシ基」の具体例として
は、ベンジルオキシ、フェネチルオキシなどが挙げられ
る。
【0020】式(I)および(II)におけるR3およ
びR4のうち、いずれか一方が水素原子であり、もう一
方がインドール環の7位に結合する式 −O(CH2)p
c(ここにおいて、Rcおよびpは上記の定義と同義で
ある)である化合物が、本発明方法において、効率よく
製造され、かつそのための基質となり得る。さらに、よ
り効率よく本発明方法が適用される化合物は、Rcがフ
ェニル基またはジ低級アルキルアミノカルボニル基
(例、ジエチルアミノカルボニル基)である場合の化合
物である。
【0021】なお、式(II)で表される化合物は、そ
れ自体既知のJ. Org. Chem., 25, 1548〜1558 (1961)等
に記載の方法に準じて製造できる。
【0022】こうして得られる式(I)で表される化合
物における3位の置換基中のニトロ基は、それ自体既知
のニトロ基からアミノ基への化学的還元法により、対応
するアミン化合物へ転化できる。例えば、式(I)で表
される化合物を、水素化アルミニウムリチウムによる還
元、パラジウムやニッケルを触媒とする水素添加反応ま
たは鉄−塩酸系の発生期水素による還元条件に付すれば
よい。
【0023】
【実施例】以下、代表例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1〜12:
【0024】
【化10】 [A:
【0025】
【化11】 (それぞれ、A−1基質およびA−1化合物という)ま
たは(CH3CH2)2NC(O)−(それぞれ、A−2基質
およびA−2化合物という)] (1) 培養液の調製 <酵母> サッカロミセス セレビシア Y−426
(FERM P−17104)(以下、Y−426とい
う)およびシゾサッカロミセス ポンベ Y−115
(FERM P−17102)(以下、Y−115とい
う)は、それぞれYM培地30mlを250mlマイヤ
ーに入れ滅菌し、スラント培地から1白金耳接種し、2
8℃で1日振とう培養した。これをpH 7に調整し、
変換反応に用いた。 <細菌> コリネバクテリウム アセトアシドフィラム
B−619(FERM
【0026】P−17106)(以下、B−619とい
う)およびバチルス セレウス B−1062(FER
M P−17210)(以下、B−1062という)
は、それぞれBHI培地で1日およびMRS培地で酵母
と同様にして培養し、pH 7に調整した後、変換反応
に用いた。 <放線菌> ストレプトミセス パルブラス A−21
5(FERM P−17101)(以下、A−215と
いう)およびストレプトミセス インディアンシス A
−835(FERM P−17105)(以下、A−8
35という)は、それぞれC培地で酵母と同様にして3
日培養し、pH 7に調整した後、変換反応に用いた。 <カビ> グレオスポリウム ムサラム FI−739
(FERM P−17103)(以下、FI−739と
いう)は、遠沈管中のFI培地2mlにスラント培地か
ら接種し、1日培養、全量を250mlマイヤー中の培
地30mlに移し、3日培養した。これをpH 7に調
整し、変換反応に用いた。
【0027】 培 地 組 成 YM培地: (%) グルコース 1.0 ポリペプトン 0.5 酵母エキス 0.3 麦芽エキス 0.3 (pH=5.5) BHI培地: (%) ブレインハートインフュージョン 3.7 MRS培地: (%) NZ CASE(カゼイン ペプトン) 1.0 麦芽エキス 1.0 酵母エキス 0.5 グルコース 2.0 Tween 80(商標) 0.1 K2HPO4 0.2 酢酸ナトリウム 0.5 クエン酸二アンモニウム 0.2 MgSO4・7H2O 0.2 MnSO4・H2O 0.005 (pH=6.0〜6.5) C培地: (%) ジャガイモ澱粉 2.0 グルコース 2.0 大豆ミール 2.0 酵母エキス 0.5 NaCl 0.25 CaCO3 0.32 FeSO4・7H2O 0.0005 MnSO4・4H2O 0.0005 ZnSO4 0.0005 (pH=7.4) FI培地: (%) ジャガイモ澱粉 2.0 大豆ミール 2.0 グルコース 1.0 KH2PO4 0.1 MgSO4・7H2O 0.05 アデカノールLG109(商標) 0.05 (2) 変換反応および検定 変換反応および検定 上記(1)からの各250mlマイヤー中のブロス30
mlから2mlを試験管に移し、A−1基質については
ジメチルホルムアミド(DMF)0.05ml、そして
A−2基質についてはジメチルスルホキシド(DMS
O)0.05mlにそれぞれ溶解した基質2mgを加
え、28℃で1昼夜振とうした。検定は、培養液を酢酸
ブチル0.5mlで抽出し、TLC分析およびHPLC
分析を行い、目的化合物の絶対配置と光学純度を調べ
た。使用微生物によって異なるが、以上の条件下での基
質から生成物への一般的な変換率は約30%前後にな
る。 TLC条件 薄 層:メルク(Merck)薄層クロマトグラフィー5715 展開系:ヘキサン/酢酸エチル/酢酸=20/10/1 検 出:UV HPLC条件 カラム:DAISEL CHIRALCEL OD 溶離液:基質A ヘキサン/イソプロパノール=10/90 基質D ヘキサン/イソプロパノール=50/50 流 速:0.4ml/分 温 度:室温 (3) 結果 実施例 菌 株 生 成 物 光学純度(R体) 1 Y−426 A−1化合物 89%ee 2 Y−115 A−1化合物 75%ee 3 B−619 A−1化合物 76%ee 4 B−1062 A−1化合物 77%ee 5 A−215 A−1化合物 72%ee 6 A−835 A−1化合物 72%ee 7 FI−739 A−1化合物 71%ee 8 Y−426 A−2化合物 20%ee 9 Y−115 A−2化合物 75%ee 10 B−619 A−2化合物 5%ee 11 A−215 A−2化合物 34%ee* 12 FI−739 A−2化合物 59%ee *S体 基質合成例1:7−ベンジルオキシ−3−(ニトロプロペニル)インドール
【0028】
【化12】 (1) DMF(500ml)を氷−食塩浴にて冷却
し、オキシ塩化リン(168ml,1.8mol)を1
時間かけ滴下した。7−ベンジルオキシインドール(3
35g,1.5mol)のDMF(600ml)を2時
間かけ滴下後、室温で3時間撹拌した。氷冷した3N
NaOH水溶液(2.25l,6.75mol)中に反応
液を注ぎ、100℃で0.5時間加熱した後、氷水に注
ぎ撹拌した。析出した固体を濾取し、水洗した後、これ
を乾燥することにより7−ベンジルオキシ−3−ホルミ
ルインドール(368g,98%)を淡黄白色結晶とし
て得た。 (2) 上記(1)の生成物(75.3g,0.3mo
l)、リン酸水素二アンモニウム(43.6g,0.33
mol)、ニトロエタン(150ml)、酢酸(180
ml)からなる混合物を3時間加熱還流した。反応液に
70%エタノール(200ml)を加えた後、氷冷下に
て0.5時間撹拌した。析出した固体を濾取し、これを
乾燥することにより標記化合物(46.3g,50%)
を黄色結晶として得た。 融点:148〜150℃(エタノールから晶析)1 H−NMRスペクトル(200MHz,DMSO−d6
δppm):2.48(3H,s)、5.31(2H,
s)、6.92(1H,d,J=8Hz)、7.11(1
H,t,J=8Hz)、7.28−7.49(4H,
m)、7.54−7.64(2H,m)、7.86(1
H,d,J=3Hz)、8.42(1H,s)、12.4
0(1H,s) 元素分析:C181623としての計算値:C,70.
12;H,5.23;N,9.09。実測値:C,69.
98;H,5.11;N,9.10。 基質合成例2:7−[3−(2−ニトロプロペニル)イ
ンドリール]オキシ酢酸ジエチルアミド
【0029】
【化13】 (1) 7−ヒドロキシインドール(13.3g,10
0mol)をアセトン(100ml)に溶解後、炭酸カ
リウム(16.6g,120mmol)、クロロ酢酸ジ
エチルアミド(16.5g,110mmol)およびヨ
ウ化カリウム(1.66g)を加え、3時間加熱還流し
た。反応後を氷冷後、不溶物を濾去し、溶媒を減圧留去
した。残渣にクロロホルム(200ml)及び水(10
0ml)を加え撹拌した後、クロロホルム層を分取、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残
渣にジイソプロピルエーテル(100ml)を加え析出
結晶を濾取し、7−インドリールオキシ酢酸ジエチルア
ミド(22g,90%)を白色結晶として得た。 (2) 7−ベンジルオキシインドリールに代えて、上
記で得られた7−インドールオキシ酢酸ジエチルアミド
を用いたこと以外、基質合成例1に記載したのと同様に
処理して標題の化合物を得た(収率24%)。 融点:147〜148℃(DMF−H2Oから晶析) 元素分析:C172134・0.25H2Oとしての計算
値:C,60.79;H,6.45;N,12.51。
【0030】 実測値:C,60.86;H,6.37;N,12.7
1。 引用文献の記述:本明細書で引用した文献を以下に列挙
する。 (1) Bergey′s Manual of Systematic Bacteriolog
y, vol.1, Williams and
【0031】Wilkins Co., Baltimore, 1984、 (2) Bergey′s Manual of Systematic Bacteriolog
y, vol.2, Williams andWilkins Co., Baltimore, 198
6、 (3) Bergey′s Manual of Systematic Bacteriolog
y, vol.4, Williams andWilkins Co., Baltimore, 198
9、 (4) Shirling, E. B. & D. Gottlieb;Cooperative
description of typecultures of Streptomyces. II S
pecies descriptions from first study.Int. J. Sys
t. Bacteriol. Vol.18, No.2, 69〜189, 1968、 (5) Shirling, E. B. & D. Gottlieb;Cooperative
description of typecultures of Streptomyces. III
Additional species descriptions from first study a
nd second studies、 (6) Int. J. Syst. Bacteriol. Vol.18, No.4, 279
〜392, 1968 (7) Shirling, E. B. & D. Gottlieb ; Cooperativ
e description of typecultures of Streptomyces. IV
Species descriptions from the second and third and
fourth studies、 (8) Int. J. Syst. Bacteriol. Vol.19, No.4, 391
〜512, 1969、 (9) Shirling, E. B. & D. Gottlieb;Cooperative
description of typecultures of Streptomyces. V Ad
ditional descriptions、 (10) Int. J. Syst. Bacteriol. Vol.22, No.4, 265
〜394, 1972、 (11) The Yeasts, third revised and enlarged edi
tion, Eisevier SciencePublishers B. V., Amsterdam,
1984
【0032】
【発明の効果】本発明方法によれば、各種医薬の合成中
間体として使用できる1−(一もしくは二置換インドー
ル−3−イル)−2−アミノアルカンの光学異性体の前
駆体となる対応する光学活性な2−ニトロ化合物が効率
よく製造できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 17/10 C12R 1:15) (C12P 17/10 C12R 1:085) (C12P 17/10 C12R 1:465) (72)発明者 藤井 昭仁 大阪府茨木市穂積台3番905号 (72)発明者 大橋 聡三郎 神奈川県横浜市南区永田東2−23−47− 203 (72)発明者 一色 邦夫 神奈川県座間市南栗原2−2−17 (72)発明者 吉岡 武男 神奈川県綾瀬市吉岡1782−10 Fターム(参考) 4B064 AE48 BB08 BB14 BB16 BB33 BB34 BC02 BH04 CA02 CA04 CA05 CA06 CB17 CC03 CD12 DA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元反応を介する、式(I) 【化1】 (式中、R1は低級アルキル基であり、R2は水素原子ま
    たは低級アルキル基であり、R3およびR4は独立して、
    水素原子または生還元的変換に悪影響を及ぼさない置換
    基である)で表される3−置換インドールの製造方法で
    あって、還元反応が、式(II) 【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、式(I)について
    定義したものと同義である)で表される基質を該基質か
    ら式(I)で表される3−置換インドールへの生還元性
    変換能を有するサッカロミセス属(Saccharomyces)、
    シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、コリ
    ネバクテリウム属(Corynebacterium)、バシルス属(B
    acillus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)およ
    びグレオスポリウム属(Gloeosporium)に属する微生物
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の微生物の培養
    物と生還元的変換条件下で接触させることにより実施さ
    れる、ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 生還元的変換に悪影響を及ぼさない置換
    基のいずれか一方が、ヒドロキシル基で置換されていて
    もよい低級アルキル基、フェニルスルホニルアミノ基、
    低級アルキルスルホニルアミノ基、モノもしくはジ低級
    アルキルアミノスルホニル基であるか、または (a) 式 −X−Raで表される基 (ここにおいて、XはO、SまたはNH、Raは水素原
    子または低級アルキル基であるが但し、XがSのとき、
    aは低級アルキル基である)、(b) 式 【化3】 で表される基(ここにおいて、Rbは水素原子、低級ア
    ルキル基、低級アルコキシカルボニル基またはカルボキ
    シル基、Rbbは低級アルコキシカルボニル基またはカル
    ボキシル基、mは0〜3の整数、nは0または1の整数
    である) (c) 式 −O(CH2)p−Rcで表される基、[ここに
    おいて、Rcは低級アルカノイル基、ヒドロキシル基、
    シアノ基、フェニル基、モノもしくはジ低級アルキルア
    ミノカルボニル基、または下記式 【化4】 (ここにおいて、RAは水素原子または低級アルキル基
    である)で表される基であり、pは1〜4の整数であ
    る]および(d) 式 −Y−(CH2)q−Rdで表され
    る基(ここにおいて、YはNHまたはS、Rdはカルボ
    キシル基または低級アルコキシカルボニル基、qは1〜
    4の整数である)からなる群より選ばれる基であるが、
    但し、もう一方が水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
    ル基で置換されていてもよい低級アルキル基、ヒドロキ
    シル基、低級アルコキシ基、または前記(b)もしくは
    (c)と同じ基を意味するか、あるいは両者が一緒にな
    ってメチレンジオキシ基を形成し、該メチレンジオキシ
    基はカルボキシル基または低級アルコキシカルボニル基
    で置換されていてもよい、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 R3およびR4の一方が水素原子であり、
    もう一方がインドール環の7位に結合する前記(c)の
    式 −O(CH2)p−Rc(ここにおいて、Rcおよびpは
    上記の定義と同義である)である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 式 −O(CH2)p−Rcにおける、Rc
    フェニル基またはジ低級アルキルアミノカルボニル基で
    あり、そしてpが1の整数である請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 培養物がサッカロミセス セレビシア
    (Saccharomyces cerevisiae)Y−426、シゾサッカ
    ロミセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)Y−
    115、コリネバクテリウム アセトアシドフィラム
    (Corynebacteriumacetoacidphilum)B−619、バチ
    ルス セレウス(Bacillus cereus)B−1062、ス
    トレプトミセス パルブラス(Streptomyces parvulu
    s)A−215、ストレプトミセス インディアンシス
    (Streptomyces indiaensis)A−835およびグレオ
    スポリウム ムサラム(Gloeosprium musarum)FI−
    739、ならびにこれらの前記生還元的変換能を有する
    突然変異菌株からなる群より選ばれる少なくとも1種の
    菌株を栄養培地で培養した培養物または該培養物に由来
    する菌体調製物である、請求項1〜4のいずれかに記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 生還元的変換条件が、水と混和可能な有
    機溶媒を含んでいてもよい水性媒質であって、pH6.
    5〜7.5および温度25〜35℃に調整された媒質で
    ある請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 製造される式(I)で表される3−置換
    インドールの3位置換基が、少なくとも2(R)−70%
    eeである請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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