JP2000261845A - 通信装置 - Google Patents

通信装置

Info

Publication number
JP2000261845A
JP2000261845A JP11062012A JP6201299A JP2000261845A JP 2000261845 A JP2000261845 A JP 2000261845A JP 11062012 A JP11062012 A JP 11062012A JP 6201299 A JP6201299 A JP 6201299A JP 2000261845 A JP2000261845 A JP 2000261845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base station
electric field
field strength
information
field intensity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11062012A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Hama
範夫 浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP11062012A priority Critical patent/JP2000261845A/ja
Publication of JP2000261845A publication Critical patent/JP2000261845A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】基地局と端末局とが通信を行いデータ情報を交
換する地上システムを端末の位置特定に使用する場合、
地上物体の伝搬損失を考慮する必要があった。 【解決手段】本発明は、各基地局からの電波が直進電波
かどうかを特定し、さらに地上物体をあらかじめ登録さ
れている地図情報から認識し、これにもとづき電波伝搬
損失係数と閉曲線(セル)を求め、端末表示手段に閉曲
線の重複する面として表し、端末の存在する位置エリア
を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基地局と端末局と
が通信を行うシステムのうち、互いに自局情報をやり取
りし、これを端末局の位置を知るのに利用するシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、例えば「電子技術」
1999年1月号にあるように、PHSシステムを利用
したものが上げられる。基地局は、これに接続される端
末局と間欠的に接続情報を交換しているが、その中に、
基地局と端末局のコードが含まれている。端末局は、普
段その場所で電界強度が大きい基地局と通話接続をする
が、端末局は移動するため、その他の基地局とも情報を
交換し、電界強度を観測している。
【0003】ある端末局の位置を知りたい場合、現在そ
の端末局が電界強度により選択した一つの接続情報を交
換する基地局のコードを知り、これからその基地局の位
置を知ることができる。PHSシステムでは、1つの基
地局が受け持つサービスエリア(マイクロセル)が10
0〜300m程度なので、これと交信する端末局はこの
範囲にいることが判明する。
【0004】また、位置を知るためのシステムとしてよ
く知られるものとして、GPS(Global Positioning S
ystem)がある。地球の周囲を複数の衛星が周回し、常
に衛星の位置を送信しているので、これを地上の受信機
が受信することにより、受信機の位置を知ることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のPHSシステム
やGPSを利用した方式では、位置を特定しようとする
端末局や受信機が計算して求めた位置の精度が悪く、1
00m程度の誤差が含まれてしまう。これは、PHSで
は前述のように基地局の周囲の電波の届く範囲のどこか
にあるという程度の精度である。
【0006】また、GPSでは、原理的には、図7にあ
るように、基地局50a,50b,50c(衛星)の位
置が決まっていて、かつ端末51との間に障害物がなけ
れば、電波伝搬時間を利用して端末51の距離が求めら
れる。
【0007】簡単に説明すれば、基地局50aから電波
が発射された時刻をデータとして送信すると、その電波
を受信した端末51はその時刻と基地局50aから発射
された時刻から電波伝搬時間Δtを求めることができ
る。電波伝搬速度Cは知られているので、距離D(53
a)は、
【0008】
【数1】
【0009】から求められる。これを、53b、53c
についても行い、3基地局があれば、場所が特定(測
位)できる。ただし、各基地局間の内部原子時計の精度
誤差があるので、実際に3次元で場所を特定するには4
基地局が必要である。
【0010】ただし、GPSシステムでは、位置特定の
ために衛星から送られる必要な情報にあらかじめ故意に
誤差が含められており、100m程度の誤差が生じてし
まう。近年のGPS信号を受信する機器では、これを改
善するために、DGPSと呼ばれる方式を利用すること
がある。これは、あらかじめ位置がわかっている地上の
受信局でGPS信号を受けて、故意に含まれる誤差を抽
出し、これを電話線やFM電波を使って利用者に送信
し、GPS利用者はその地点でのGPS信号を受信する
とともに、誤差補正信号を受信し、精度を向上させるも
のである。これにより数m程度の誤差で位置を特定する
ことが可能になった。
【0011】しかし、GPSが利用できない場所(上空
の視界がきかない場所、地下など)では、位置精度向上
はむずかしく、また最近の携帯情報機器の伸びにより、
街中でも自らの位置を精度よく知る機能を付加した機器
へのニーズが高まっている。そこで、PHSを使用した
測位システムか注目されている。
【0012】PHS基地局を使っての高精度の測位を行
う場合、電波伝搬時間を測定して求めるのは、基地局と
端末がほとんど離れていない(100m程度)ので、G
PSのような時間差を検出しての測位はほとんど不可能
である。そこで、電波の電界強度を測定して、局からの
距離を求めようとする考えがある。
【0013】自由空間の電波伝搬特性は、電波伝搬基礎
図表p145にもあるように、電波の発信源である基地
局から受信端末までの距離をr、信号波長をλ、空間伝
搬損失Γとすると、
【0014】
【数2】
【0015】から求められる。空間伝搬損失Γは、送信
電力Ptと受信電力Prの比としても表現できる。送信
電力Ptと電界強度Eとの関係は、p144、145よ
り求められ
【0016】
【数3】
【0017】これは、逆に受信端末において、ある基地
局の位置、出力と電界強度が複数の組みあわせで分かれ
ば、自身の位置を知ることができることを意味する。
【0018】図7においては、端末51は、基地局50
a,50b,50cと電界強度から求められた距離53
a,53b,53cから、自身の位置を知ることができ
る。
【0019】ところが、PHSを使用したシステムで
は、前述のような方法では位置を知ることが出来ない。
その理由は、各基地局と端末とは、必ずしも見通し位置
にあるとは限らないからである。
【0020】図8は、基地局50bと端末51の間に森
林55がある場合の例である。両者は森林のために、直
接見通せない場所にある。ここで、前記のような測位を
行った場合、端末51での電界強度は、
【0021】
【数4】
【0022】ただし、Mは森林による伝搬損失である。
これは、通過損失であるため、森林の厚さに比例した値
になる。
【0023】端末51は、基地局50bとの間は、自由
空間伝搬損失のみを考慮するので、電界が小さいのは距
離が長いためであるという計算に基づき、rの値は大き
くなり、53bと58bの和になる。最終的に、基地局
50a,50b,50cによって求められた結果54が
得られる。しかしこの結果は、端末51の位置とは一致
しないのである。森林55によって遮られた結果、電界
強度の同一値を結ぶとそれは円ではなく、曲線56のよ
うになる。
【0024】図9は、基地局60bと端末51の間にビ
ル65bがある場合の例である。PHSでは、1.9G
Hz帯を使用するので、ビルの後方ではほとんど遮蔽さ
れて電波が届かない。ここで、ビル65bの隣にビル6
5aがあったとする。基地局60bからの電波は、ビル
65aの壁に反射して端末51に到達した。ここで、端
末51は、基地局60bの電界強度を検出し、他の基地
局50a、50cの結果とともに、結果54を求めた。
しかし、端末51の位置とは一致しない。60bからの
電波の経路68bは図の通り直進してこなかったので伝
搬経路が63bのように長くなるためで、これを端末5
1は、知るよしもないのである。
【0025】以上のように、PHSを含む無線システム
を利用しての測位は、地上の障害物を検知しその損失を
知らなければ、誤差が非常に大きくなり特定の一点を決
定することは不可能である。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の通信装置は、基地局から送信される基地局
情報を受信する端末局が、前記情報に対応して送信する
端末局情報を基地局が受信して通信を確立するシステム
において、複数の前記基地局からの基地局情報を受信し
た前記端末局は、各基地局ごとの実測電界強度を計測し
記憶するとともに、あらかじめ定められた基準電界強度
に達しない基地局があった場合、この基地局の実測電界
強度情報を削除することを特徴とする。
【0027】また、前記基準電界強度に達した基地局の
サービスエリアを各基地局の出力と、電界が距離の2乗
に反比例する法則から求め、各基地局を中心とする円弧
として地図情報表示手段上に描き、これらの円弧が重複
する面を明示することを特徴とする。
【0028】また、前記重複する面内の任意の複数の点
において、各基地局からの推定電界強度を、電界が距離
の2乗に反比例する法則から求め、前記実測電界強度と
比較し、その差が一定以上あった場合の基地局の実測電
界強度情報を削除することを特徴とする。
【0029】また、請求項3において削除されなかった
各基地局により、請求項2に記載のごとく再び重複する
面を明示し、さらに、あらかじめ登録された特定の閉曲
線からなる図形と、前記重複する面とが重複する面を前
記地図情報表示手段上に表示することを特徴とする。
【0030】また、前記閉曲線は、各基地局のサービス
エリアをあらわす円弧内において各基地局の設置高度に
より推定した電波伝搬損失関数から新たに求められた円
弧であることを特徴とする。
【0031】また、前記電波伝搬損失関数は、距離の4
乗に反比例する関数であることを特徴とする。
【0032】また、前記閉曲線は、ビルの位置情報より
もとめられた、ビル街における街路にそったストリート
セル形状の閉曲線であることを特徴とする。
【0033】また、前記閉曲線は、立ち木や森林の位置
情報よりもとめられた、一定の減衰係数を表す閉曲線で
あることを特徴とする。
【0034】さらに、前記実測電界強度は、複数受信デ
ータの平均値であることを特徴とする通信装置が構成さ
れる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の通信装置に関
し、自由空間伝搬損失係数から求めた位置エリアを示
す。
【0036】図1において、あらかじめ地図情報データ
ベースにより登録され記憶されている地上物体がある。
ビル10〜19、森林6a、6b、池5、街路4a,4
b,4c、そして基地局1a〜1eである。PHSシス
テムを使用した場合、端末が受信できる電波の到達可能
な距離は、基地局から100m〜300mであるので、
都会では2街区程度になる。
【0037】端末3は、図1面上で実際に存在する位置
をあらわしているが、端末3上の視覚表示手段たとえば
ディスプレイや液晶画面には、端末3の位置は現れな
い。表示されるのは、円弧7a,7b,7cとそれらに
囲まれた面8だけである。
【0038】それぞれの円弧の中心に、基地局1a,1
b,1cがある。端末3は、それぞれの基地局からの電
波を受信し、実測電界強度を検出している。ここで得ら
れた値は基地局の選択に使われる。
【0039】円弧7a〜7cが表す意味は、それぞれの
基地局からの電波で端末が通信できるサービスエリアで
自由空間伝搬損失係数からのみ求めて得られる最遠の円
周である。よって、この段階では、地上には遮蔽物体が
存在せず、推定電界強度が距離の2乗に反比例する関数
として設定されている。これは、数式4でのΓがrの2
乗に比例していることからわかる。
【0040】これにより求められた囲まれた面8の中に
端末3の実際の位置が入っており、端末3は、面8のど
こかにあるということを端末3に表示できる。この段階
では、面8はまだ大きいが、初期のシステムである基地
局1局を使ったその局の周辺のどこかにあるという位置
検出システムに比べれば、位置の特定がされている。
【0041】実測電界強度特性は、マルチパスフェージ
ングのために、少し位置がずれると強急にレベルが低下
し、短区間でみると伝搬損失特性に従わない。そこで平
均化をする。
【0042】PHSシステムでは、発呼のために一つの
基地局と端末との間で一定の間隔で情報を交換してい
る。これには、基地局や端末を特定する情報が含まれ、
端末は、常に最適な基地局と情報交換をしている。も
し、端末が移動し今まで受信していた基地局の実測電界
強度が小さくなった場合、別の実測電界強度の強い基地
局と接続をする手続きをする。このとき、どこの基地局
がいいかどうかを決めるために、常に複数の基地局の実
測電界強度だけは検出しているので、これらの時系列デ
ータを利用する。これらの時間平均をとればその場所で
の実測平均電界強度が計算でき、マルチパスフェージン
グによる電界のヌルポイントが解消できる。その結果、
位置エリア特定のための実測電界強度の精度は高まる。
【0043】図2は、本発明の通信装置に関し、自由空
間の伝搬係数から求めた位置エリアに対し、一定の距離
以遠では距離の4乗に反比例する関数を使って補正した
場合の位置エリアを示す。
【0044】合わせて、図12に距離と伝搬損失を表し
た図を示す。図12によれば、距離の2乗に反比例する
グラフ80は、ある距離、これをブレークポイントと表
現するが、この地点に達すると4乗に反比例するように
グラフの傾きが変わる。グラフ81、82はそれを表す
が、基地局の高さによって異なり、地上基地局では30
m離れると、またビルの屋上基地局では、100〜20
0m離れるとこのポイントに達する。グラフ81は地上
基地局、グラフ82は屋上基地局の例である。
【0045】ここで、屋上の場合についてみると、初め
グラフ81により距離が計算されたとし、これをRa1
とする。ここで、グラフ82によって同じ伝搬損失Γ8
3となる距離をもとめるとRa2となる。これにより、
基地局からの電波の到達距離は補正されることになる。
図2において、円弧27a,27b,27cは、4乗に
反比例するグラフによって距離を補正したときの、それ
ぞれの基地局からの電波で端末が通信できるサービスエ
リアの最遠の円周である。これらにより囲まれた面28
は、面8よりも狭くなり、端末3の位置をより特定しや
すくなっている。
【0046】図3は、本発明の通信装置に関し、図2に
上げた補正に加え、地図情報のうち、街路とビルの位置
情報からもとめた閉曲線を使って補正した場合の位置エ
リアを示す。
【0047】前述のとおり、PHSの電波は、ビルの壁
に使われる鉄筋コンクリートを透過した場合、大きな損
失をうける。これは事実上透過できないレベルの損失と
なり、電波は必然的に街路に沿って伝達される。例えば
基地局1cの場合、街路4aと4bに面し、基地局1a
は、街路4aと4cに面する位置に設置されている。こ
の場合に、電波の到達できる範囲は、それぞれの街路に
沿って枝状の閉曲線となる。これは一般にストリートセ
ルと呼ばれる。
【0048】基地局1bの場合は、ビル16の屋上に設
置されており、送信アンテナの放射方向は、やや地上向
けに傾けられている。アンテナ高が高いため、基地局1
a,1cよりは、やや膨らんだストリートセルになる。
周辺のビルの高さを考慮することにより、枝状から、円
状に広がった閉曲線を設定する。
【0049】図10に閉曲線の例を示す。閉曲線76〜
78は、地図情報からその場で作られる。枝の幅は、街
路の幅に一定量、例えば2mといった量を加え形成す
る。また、枝の長さは、見通し距離で電波の到達する距
離にしておけばよい。このように閉曲線の作成ルールを
決めておけば、いちいち形状を地図の場所ごとに記憶す
る必要がない。
【0050】このようにしてつくられた閉曲線38a,
38b,38cが、図2の表示に対して加えられる。こ
れにより求められた、囲まれた面38は、面28に比較
してさらに狭まる。
【0051】図4は、本発明の通信装置に関し、図3に
上げた補正に加え、地図情報のうち、森林の位置情報か
らもとめた伝搬損失を使って閉曲線38a〜38cを補
正した場合の位置エリアを示す。
【0052】あわせて、図13に森林の伝搬損失を表し
た図を示す。図13によれば、森林が見通し内に無い場
合はグラフ84になるが、森林がある場合はグラフ85
に変化する。森林の厚さは地図情報から求められ、この
量に応じて伝搬損失Γを決める。図では、電波が到達す
る距離Rb1がRb2に減少することがわかる。
【0053】図11に、森林の影響を説明した図を示
す。基地局70aの発する電波は、見通しでは、円弧7
2aまで到達する。しかし、森林75a,75bのある
場所では、森林の厚さに応じた損失が加えられ、到達距
離は閉曲線73aのようになる。同様に、基地局70b
では、閉曲線73bのように変化する。
【0054】図3における、閉曲線38a〜38cは、
図11のように変形され、閉曲線48a,48b,48
cとなる。
【0055】囲まれた面48は、これまでに求められた
面8、28,38と閉曲線48a〜48cから求められ
た。面8に比較して1/10程度になり、端末3の位置
が20〜30m程度の誤差精度で求められる。
【0056】端末3への表示は、自身が存在すると予想
される位置を位置エリア48のように、面積で表示す
る。基地局1局のみで位置を特定する場合に比べ、より
狭い範囲で場所が特定できる。
【0057】図5に、本発明の通信装置に関し、当該地
域の地図情報に存在する基地局と電波の到達する範囲を
自由空間伝搬損失係数から求めて、円弧で表現した位置
エリアを示す。
【0058】ここでは、図1において、基地局として1
a,1b,1cを選択した理由を説明する。端末3は、
自身の地点で基地局1a〜1eから到来する電波を受信
できる可能性がある。しかし、基地局1eの電波は実測
電界強度が小さく、基準電界強度との比較によって実測
電界強度情報を削除された。
【0059】残る、基地局1a〜1dは、実測電界強度
は十分得られ、これらを使って位置エリアを特定できる
可能性がある。ここで、これらの基地局の円弧7a〜7
dについて、重複する面を求める。
【0060】その面内において、あらかじめ記憶された
地図情報から、任意のポイント21を設定する。例え
ば、街路上、森林内など、電波遮蔽物(例えばビル)に
囲まれない面内の複数のポイント21を設定する。
【0061】次に、各ポイント21において、推定電界
強度を計算する。これは、前述の数式3より求めること
ができる。
【0062】これらと、実際に端末3が受信した実測電
界強度を比較する。もし、推定値と実測値に大きな差が
なければ、端末3は直進電波を受信していると推定でき
る。逆に大きな差があった場合、空間伝搬損失が大き
く、何らかの障害物があると推定できるが、ここでは、
反射電波を受信している場合についての処置を行う。
【0063】図6に、本発明の通信装置に関し、各基地
局から電波が実際に到来する経路を示す。
【0064】端末3と基地局1dの位置関係は、地図情
報から見通しがきかないことがわかる。基地局1dはビ
ル17のかげになり直進電波は受信できない。それにも
かかわらず受信できたのは、ビル14に反射して到来す
る反射波を受信したからである。しかし、その実測電界
強度は伝搬経路2dが長いので弱いはずである。各ポイ
ント21での推定電界強度は、基地局1dからの見通し
距離と出力電力で計算されるので、各ポイントとも、ビ
ル17に反射して端末3までの行程よりは短く、したが
って推定電界強度の方が大きくなる。
【0065】実測電界強度と各ポイント21のすべての
推定電界強度を比較し、一定の差以上に実測と推定の差
が大きい場合は、反射波を受信したと認定する。一定値
は、例えば、3dB〜5dBとすれば、ほとんど直進波
を見分ける事ができる。
【0066】基地局1a〜1cからの電波は、伝搬経路
2a〜2cをみれば明らかなように、すべて直進波であ
るので、実測値と推定値に大きな差は出ない。
【0067】反射波を利用すると、図9で説明したよう
に、伝搬経路長に大きな誤差が生じるので、かえって位
置エリアを広げてしまう可能性があり、このような場合
は、これらの基地局の情報は採用しない方がよい結果が
得られる。
【0068】上記の推定では、森林が間に入り、実測値
と推定値の差が大きくなる場合も考えられるが、実測電
界強度が非常に弱ければ、基準電界強度との比較の段階
で該当基地局はキャンセルされるし、森林が間にあると
予想されるポイントでは数式4から求められる電界強度
を用いて推定してもよい。
【0069】本発明によれば、直進波のみを用いる方式
は、その間に存在する地上物体の損失を予想できるの
で、電界強度から距離を求めた場合に誤差が小さくなる
という利点を有する。
【0070】図14は、本発明の通信装置に関し、位置
エリア特定までのフローチャートを示した図である。
【0071】これまでに各図で説明してきた通りだが、
ステップS2では、実測電界強度Eをベクトル表現で表
している。これは、基地局が多数あることを示す。ま
た、ステップS6では、推定電界強度E'nもベクトル表
現とし、nは図5の各ポイント21の数を表す。
【0072】これまでの解説では、PHSシステムを応
用した場合について説明したが、同様の、比較的到達距
離が狭いデータ通信システム、たとえばMMAC、WL
ANシステムなどにも応用できることはいうまでもな
い。
【0073】
【発明の効果】本発明の通信装置においては、あらかじ
め記憶する地図情報上の地上物体から、伝搬損失を計算
し、この結果を直進電波の電界強度を補正するのに利用
し、複数の基地局から求めた閉曲線が重なる位置エリア
を表示することにより、自身が位置する場所を従来に比
較して、5〜10倍の精度で特定できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信装置に関し、自由空間伝搬損失係
数から求めた位置エリアを示す図である。
【図2】本発明の通信装置に関し、自由空間の伝搬係数
から求めた位置エリアに対し、一定の距離以遠では距離
の4乗に反比例する関数を使って補正した場合の位置エ
リアを示す図である。
【図3】本発明の通信装置に関し、図2に上げた補正に
加え、地図情報のうち、街路とビルの位置情報からもと
めた閉曲線を使って補正した場合の位置エリアを示す図
である。
【図4】本発明の通信装置に関し、図3に上げた補正に
加え、地図情報のうち、森林の位置情報からもとめた伝
搬損失を使って閉曲線38a〜38cを補正した場合の
位置エリアを示す図である。
【図5】本発明の通信装置に関し、当該地域の地図情報
に存在する基地局と電波の到達する範囲を自由空間伝搬
損失係数から求めて、円弧で表現した位置エリアを示す
図である。
【図6】本発明の通信装置に関し、各基地局から電波が
実際に到来する経路を示す図である。
【図7】基地局と端末の位置関係を示す図である。
【図8】基地局50bと端末51の間に森林53bがあ
る場合の図である。
【図9】基地局60bと端末51の間にビル65bがあ
る場合の図である。
【図10】閉曲線の例を示す図である。
【図11】森林の影響を説明した図である。
【図12】距離と伝搬損失を表した図である。
【図13】森林の伝搬損失を表した図である。
【図14】本発明の通信装置に関し、位置エリア特定ま
でのフローチャートを示した図である。
【符号の説明】
1a〜e 基地局 2a〜2d 伝搬経路 3 端末 4a〜c 街路 5 池 6a〜b 森林 7a〜c 円弧 8 囲まれた面 10〜19 ビル 21 ポイント 27a〜c 円弧 28 囲まれた面 37a〜c 閉曲線 38 囲まれた面 47a〜c 閉曲線 48 囲まれた面 50a〜c 基地局 51 端末 52a〜c 円弧 53a〜c 距離 54 結果 55 森林 56 曲線 57 円弧 58a〜c 距離 60b 基地局 63b 距離 65a〜b ビル 68b 電波の経路 70a 基地局 72a 円弧 72b 閉曲線 73a〜b 閉曲線 75a〜c 森林 76〜78 閉曲線 80〜82 グラフ 83 伝搬損失Γ 84〜85 グラフ 86 伝搬損失Γ S1〜S17 ステップ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基地局から送信される基地局情報を受信す
    る端末局が、前記情報に対応して送信する端末局情報を
    基地局が受信して通信を確立するシステムにおいて複数
    の前記基地局からの基地局情報を受信した前記端末局
    は、各基地局ごとの実測電界強度を計測し記憶するとと
    もに、あらかじめ定められた基準電界強度に達しない基
    地局があった場合、この基地局の実測電界強度情報を削
    除することを特徴とする通信装置。
  2. 【請求項2】前記基準電界強度に達した基地局のサービ
    スエリアを各基地局の出力と、電界が距離の2乗に反比
    例する法則から求め、各基地局を中心とする円弧として
    地図情報表示手段上に描き、これらの円弧が重複する面
    を明示することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 【請求項3】前記重複する面内の任意の複数の点におい
    て、各基地局からの推定電界強度を、電界が距離の2乗
    に反比例する法則から求め、前記実測電界強度と比較
    し、その差が一定以上あった場合の基地局の実測電界強
    度情報を削除することを特徴とする請求項2記載の通信
    装置。
  4. 【請求項4】請求項3において削除されなかった各基地
    局により、請求項2に記載のごとく再び重複する面を明
    示し、さらに、あらかじめ登録された特定の閉曲線から
    なる図形と、前記重複する面とが重複する面を前記地図
    情報表示手段上に表示することを特徴とする請求項3記
    載の通信装置。
  5. 【請求項5】前記閉曲線は、各基地局のサービスエリア
    をあらわす円弧内において各基地局の設置高度により推
    定した電波伝搬損失関数から新たに求められた円弧であ
    ることを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  6. 【請求項6】前記電波伝搬損失関数は、距離の4乗に反
    比例する関数であることを特徴とする請求項5記載の通
    信装置。
  7. 【請求項7】前記閉曲線は、ビルの位置情報よりもとめ
    られた、ビル街における街路にそったストリートセル形
    状の閉曲線であることを特徴とする請求項4記載の通信
    装置。
  8. 【請求項8】前記閉曲線は、立ち木や森林の位置情報よ
    りもとめられた、一定の減衰係数を表す閉曲線であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  9. 【請求項9】前記実測電界強度は、複数受信データの平
    均値であることを特徴とする請求項1または3記載の通
    信装置。
JP11062012A 1999-03-09 1999-03-09 通信装置 Withdrawn JP2000261845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11062012A JP2000261845A (ja) 1999-03-09 1999-03-09 通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11062012A JP2000261845A (ja) 1999-03-09 1999-03-09 通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000261845A true JP2000261845A (ja) 2000-09-22

Family

ID=13187828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11062012A Withdrawn JP2000261845A (ja) 1999-03-09 1999-03-09 通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000261845A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223593A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Mitsubishi Electric Corp 移動体検知システム
JP2012028985A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Nec Corp 携帯端末装置、アクセスポイント接続処理方法およびプログラム

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0244929A (ja) * 1988-08-05 1990-02-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 移動体位置検出方法
JPH0345030A (ja) * 1989-07-13 1991-02-26 Nippon Idou Tsushin Kk 移動局装置および移動通信システム
JPH1051840A (ja) * 1996-07-29 1998-02-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線移動局の位置検出方式
JPH1094040A (ja) * 1996-03-22 1998-04-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 移動体無線通信システムとその移動局の位置検出方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0244929A (ja) * 1988-08-05 1990-02-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 移動体位置検出方法
JPH0345030A (ja) * 1989-07-13 1991-02-26 Nippon Idou Tsushin Kk 移動局装置および移動通信システム
JPH1094040A (ja) * 1996-03-22 1998-04-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 移動体無線通信システムとその移動局の位置検出方法
JPH1051840A (ja) * 1996-07-29 1998-02-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線移動局の位置検出方式

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223593A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Mitsubishi Electric Corp 移動体検知システム
JP2012028985A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Nec Corp 携帯端末装置、アクセスポイント接続処理方法およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100876800B1 (ko) 이동 단말기의 위치 추정 장치 및 방법
EP1862814B1 (en) Method for selecting a positioning mode of a mobil terminal in a cellular system
US9609617B2 (en) Locating electromagnetic signal sources
US9151822B2 (en) Precise positioning using a distributed sensor network
US6289279B1 (en) Positioning system, method, and device for obtaining information about a current position
EP1693681A1 (en) Method and device for determining an initial position in a navigation system
KR100775858B1 (ko) 실내 무선 측위용 환경 분석 시스템 및 그 방법
EP1597841B1 (en) Method and system for monitoring mobile communication terminal position determination performance by using wireless communication network and a-gps
CN103238085B (zh) 利用卫星信号发生装置的室内位置测量系统及其方法
US11573335B2 (en) Method and apparatus for position estimation
US20100056180A1 (en) Method and device for determination of the position of a terminal in a mobile communication network
KR20010023704A (ko) 혼잡 지역에서의 가입자 위치 확인 시스템 및 방법
JP2003215228A (ja) 位置表示機能付き移動端末装置及び位置表示方法
US20120150434A1 (en) Method for providing location service and mobile terminal
EP4220233A1 (en) Method of estimating the position of a device
US7058411B2 (en) Wireless communication positioning method and system
KR100913715B1 (ko) 중계기를 식별하는 cdma 시간 의사위성을 위한 장치 및방법
KR20170130727A (ko) 위치 측정 시스템 및 방법
JP2001083229A (ja) 無線通信端末の位置特定方法
JP2000261845A (ja) 通信装置
US20040085242A1 (en) Synthetic Doppler system and method for locating cooperative transceivers
US11906646B2 (en) Method for estimating the over-the-air propagation delay of direct wave
US10863452B2 (en) Method and radio for setting the transmission power of a radio transmission
EP0524771A2 (en) D F method
JP2003244052A (ja) 通信システム及び通信方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050830

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050922