JP2003244052A - 通信システム及び通信方法 - Google Patents

通信システム及び通信方法

Info

Publication number
JP2003244052A
JP2003244052A JP2002045007A JP2002045007A JP2003244052A JP 2003244052 A JP2003244052 A JP 2003244052A JP 2002045007 A JP2002045007 A JP 2002045007A JP 2002045007 A JP2002045007 A JP 2002045007A JP 2003244052 A JP2003244052 A JP 2003244052A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication device
communication
frequency
predicted
current time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002045007A
Other languages
English (en)
Inventor
Shizuo Akiyama
鎮男 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2002045007A priority Critical patent/JP2003244052A/ja
Publication of JP2003244052A publication Critical patent/JP2003244052A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波の伝搬路の状態に最適な周波数で通信や
電波測定を行うことのできる通信システム及び通信方法
を提供する。 【解決手段】 第1通信装置10及び第2通信装置20
の少なくとも一方が移動可能な通信システムであって、
第1通信装置10は、この第1通信装置10の位置、前
記第2通信装置20の位置及び現在時刻を入力する入力
部11と、入力部11から入力された第1通信装置10
の位置、第2通信装置20の位置及び現在時刻に基づい
て、第2通信装置20との間の通信に使用可能な周波数
を予測する予測部12とを備え、予測部12で予測され
た周波数を用いて通信を行うように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信システム及び
通信方法に関し、特に短波帯より低い周波数帯の電波に
よる通信や電波監視を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、短波帯より低い周波数帯の電波
は、電離層及び地表での反射を繰り返すことにより見通
し外の伝搬が可能なため、中継を行うことなく遠距離通
信を行う場合に用いられている。また、このような電波
を測定することにより例えば違法電波を監視することも
行われている。
【0003】しかし、このような電波の伝搬特性は電離
層の状態に依存しており、場所、季節、時間帯、太陽活
動等の影響を受け通信可能な周波数帯が常に変化してい
る。これに対応するために、従来は、予め複数の周波数
を用意しておき、時間帯で周波数を切り換えながら通信
を行う手法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の手法を用い
れば、固定局間で1対1の通信を行う場合には、1日中
安定的に使用できる周波数を選択し、且つ送信パワーを
上げて通信を行うことにより、通信回線の確立を比較的
容易に行うことができるが、一方又は双方が移動局の場
合には、通信に使用する周波数の選択が非常に複雑にな
る。
【0005】また、広範囲にわたる地域の電波測定を単
一又は複数の、固定測定局又は移動測定局で行う場合に
おいて、各測定局がカバーできるエリアは時間の経過に
連れて変化する。そのため、測定局毎に、各時間帯で使
用する周波数帯の最適値を明確にしなければ効果的な測
定ができない。
【0006】また、超短波帯以上の周波数においては、
通常、見通し範囲の通信及び電波測定を行うが、季節的
に生じる電離層の異常伝搬による遠距離伝搬、山岳回折
のような地形の影響による見通し外伝搬、電離層や大気
による電波の散乱現象による見通し外伝搬のように遠距
離伝搬可能な状況が発生する。これらを効果的に利用す
るには、単に経験的に利用可能周波数を決めるのではな
く、論理的な手法によって利用可能周波数を決めること
が望まれている。
【0007】本発明は、上述した問題を解消し且つ上記
要望に応えるためになされたものであり、その課題は、
電波の伝搬路の状態に最適な周波数で通信や電波測定を
行うことのできる通信システム及び通信方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に係
る通信システムは、上記課題を達成するために、第1通
信装置及び第2通信装置の少なくとも一方が移動可能な
通信システムであって、前記第1通信装置は、該第1通
信装置の位置、前記第2通信装置の位置及び現在時刻を
入力する入力部と、前記入力部から入力された前記第1
通信装置の位置、第2通信装置の位置及び現在時刻に基
づいて、前記第2通信装置との間の通信に使用可能な周
波数を予測する予測部、とを備え、前記予測部で予測さ
れた周波数を用いて通信を行うことを特徴とする。この
場合、前記予測部は、複数の周波数の各周波数につい
て、前記第1通信装置が通信可能な範囲を算出し、算出
された前記通信可能な範囲に前記第2通信装置が位置す
る場合に、該周波数を前記使用可能な周波数とするよう
に構成できる。
【0009】この第1の態様に係る通信システムによれ
ば、予測部で予測された周波数を用いて通信を行うよう
に構成したので、電離層の状態に依存して電波の伝搬路
が常に変化しても、その電波の伝搬路の状態に最適な周
波数で通信や電波測定を行うことができる。
【0010】また、本発明の第2の態様に係る通信シス
テムは、上記課題を達成するために、第1通信装置及び
第2通信装置の少なくとも一方が移動可能な通信システ
ムであって、前記第1通信装置は、該第1通信装置の位
置、前記第2通信装置の位置及び現在時刻を入力する入
力部と、前記入力部から入力された前記第1通信装置の
位置、第2通信装置の位置及び現在時刻に基づいて、前
記第2通信装置との間で通信可能な範囲を周波数毎に予
測する予測部と、前記予測部で予測された前記通信可能
な範囲を周波数毎に出力する出力部、とを備え、前記出
力部から出力された情報に基づいて通信を行うことを特
徴とする。この場合、前記第1通信装置を移動局とし、
該移動局は、前記予測部で予測された前記通信可能な範
囲に移動した後に前記予測された周波数を用いて通信を
行うように構成できる。
【0011】この第2の態様に係る通信システムによれ
ば、予測部で予測された通信可能な範囲が周波数毎に出
力され、この出力された情報に基づいて通信を行うよう
に構成したので、第1通信装置は、自己の受信可能範囲
を知ることができる。従って、周波数を適宜選択するこ
とにより、また、第1通信装置が移動局である場合は好
適な位置に移動することにより、最適な状態で通信や電
波測定を行うことができる。
【0012】また、本発明の第3の態様に係る通信方法
は、第1通信装置及び第2通信装置の少なくとも一方が
移動可能な通信システムにおける通信方法であって、前
記第1通信装置は、該第1通信装置の位置、前記第2通
信装置の位置及び現在時刻を入力し、入力された前記第
1通信装置の位置、第2通信装置の位置及び現在時刻に
基づいて、前記第2通信装置との間の通信に使用可能な
周波数を予測し、予測された周波数を用いて通信を行う
ことを特徴とする。この場合、前記予測するステップ
は、複数の周波数の各周波数について、前記第1通信装
置が通信可能な範囲を算出し、算出された前記通信可能
な範囲に前記第2通信装置に位置する場合に、該周波数
を前記使用可能な周波数とするように構成できる。
【0013】更に、本発明の第4の態様に係る通信方法
は、第1通信装置及び第2通信装置の少なくとも一方が
移動可能な通信システムにおける通信方法であって、前
記第1通信装置は、該第1通信装置の位置、前記第2通
信装置の位置及び現在時刻を入力し、入力された前記第
1通信装置の位置、第2通信装置の位置及び現在時刻に
基づいて、前記第2通信装置との間で通信可能な範囲を
周波数毎に予測し、予測された前記通信可能な範囲を周
波数毎に出力し、出力された情報に基づいて通信を行う
ことを特徴とする。この場合、前記第1通信装置を移動
局とし、該移動局は、前記予測部で予測された前記通信
可能な範囲に移動した後に前記予測された周波数を用い
て通信を行うように構成できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0015】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態は、通信システムを構成する各局が電波の伝搬予
測を行うための予測部を備えている。
【0016】図1は本発明の第1の実施の形態に係る通
信システムを示す図である。この通信システムは、無線
通信を行う第1通信装置10、この第1通信装置10と
の間で無線通信を行う第2通信装置20及びこれらを結
ぶ電波伝搬路30から構成されている。電波伝搬路30
としては、短波帯より低い周波数帯の電波が使用され
る。第1通信装置10及び第2通信装置20の各々は、
所定位置に固定的に配置された固定局であってもよい
し、任意の場所に移動可能に構成された移動局であって
もよい。
【0017】第1通信装置10は、入力部11、予測部
12、出力部13、及びデータの送受信を行う送受信部
14を備えて構成されている。入力部11は、例えばキ
ーボード、マウス等から構成されており、ユーザが、自
己の位置、通信相手の位置及び現在時刻等を入力するた
めに使用される。この入力部11から入力されたデータ
は、予測部12に送られる。
【0018】この第1通信装置10は、図示しない全地
球測位システム(GPS:Global Positioning Syste
m)を備えており、自己の位置は、この全地球測位シス
テムから取得される。なお、固定局の場合は自己の位置
は明らかであるので、この全地球測位システムを設ける
必要はない。
【0019】予測部12は、例えばマイクロプロセッサ
から構成されている。この予測部12は、詳細は後述す
るが、最適周波数などの予測処理を実行する。この予測
部12による処理結果は出力部13に送られる。
【0020】出力部13は、例えばディスプレイ及びプ
リンタの少なくとも1つから構成されており、予測部1
2から送られてくる処理結果を出力する。送受信部14
は、予測部12で予測された最適周波数を用いて第2通
信装置20との間で通信を行う。
【0021】第2通信装置20の構成は、上述した第1
通信装置10の構成と同じであり、入力部11と同一構
成の入力部21、予測部12と同一構成の予測部22、
出力部13と同一構成の出力部23、及び送受信部14
と同一構成の送受信部24を備えて構成されている。こ
れら第1通信装置10及び第2通信装置20は、送信局
及び受信局として動作できるように構成されている。
【0022】以上の構成において、本発明の第1の実施
の形態に係る通信システムの動作を説明する。
【0023】まず、短波帯の電波の伝搬特性は、上述し
たように、電離層の状態に依存しており、場所、季節、
時間帯、太陽活動等の影響を受け通信可能な周波数帯、
つまり電波の伝搬特性が常に変化している。
【0024】今、図2に示すように、受信局A、受信局
B及び受信局Cというように3つの受信局が存在する場
合を考えると、各受信局が電波を受信できる受信対象範
囲は、或る時間帯における或る周波数では、図2(a)
に示すように、横長方向にオーバーラップして存在する
が、他の時間帯では、図2(b)に示すように、縦長方
向に殆どオーバーラップしない状態に変化する。従っ
て、各受信局は、時間帯によって受信対象範囲を変更し
なければならない。
【0025】この受信対象範囲は、所定点から送信され
た電波の減衰量を受信対象範囲を含む領域で測定してプ
ロットすることにより得ることができる。より具体的に
は、送信局の送信アンテナの利得及び受信局の受信アン
テナの利得を所定値として与え、受信感度を決定する
と、各地点での減衰量を求めることができるので、受信
対象範囲を予測することができる。
【0026】このような受信対象範囲、つまり電波の伝
搬特性を予測する手法は、例えば、Rec.ITU−R
PI533−4「HF PROPAGATION P
REDICTION METHOD」に開示されてい
る。この開示された手法では、電波の減衰量として空間
波電界強度が用いられる。
【0027】以下、空間波電界強度計算方法の概要を説
明する。まず、空間波電界強度計算方法の説明に先立っ
て、図3の模式図を参照して、短波の電離層伝搬モード
について説明する。短波は電離層及び地表での反射を繰
り返すことにより遠方に伝搬できるため、主に遠距離通
信に利用されている。電離層中の反射高度によって電波
伝搬特性が異なり、E層反射による伝搬をEモード、F
層反射によるものをFモードという。
【0028】周波数fの電波が入射角θで電離層に斜
め入射するとき、その電波と周波数fで垂直入射する
電波とが電離層内の同一高度で反射するとき、f=f
secθの関係がある。これをセカント法則と呼ぶ。
今、fを電離層で反射される最大周波数(臨界周波
数)とすると、θが与えられた場合にセカント法則か
ら計算されるfにおいては、θより小さい入射角では
電離層で反射されずに突き抜けてしまう。このθによ
って決まる電波の地表到達距離を跳躍距離という。送信
点から地表波が届かなくなった点から跳躍距離に至るま
での範囲を不感地帯という。
【0029】fとfとは同じ見かけの高さh´で反射
することを利用して、地表距離dを与えてh´,f及び
の関係を求めることができる。h´−f図表上にプ
ロットされたdとfをパラメータとする曲線群を伝送曲
線という。ある距離においてh´−fと伝送曲線とが交
わる最大の周波数を最高利用可能周波数(MUF:Maxi
mum Usable Frequency)という。MUFはある距離の通
信回線に対する利用可能周波数の上限を与えるものであ
り、基本MUFと運用MUFとに区別して定義されてい
る。基本MUFは電離層モデルに基づく伝送曲線から計
算される最高利用可能周波数であり、運用MUFは実際
の運用において期待される最高周波数である。Eモード
では運用MUFと基本MUFは同じ値を取り、Fモー
ドでは運用MUFと基本MUFの1.1倍〜1.35倍
で季節、日周変化及び放射電力により違いが生じてい
る。
【0030】次に、空間波電界強度計算方法を説明す
る。短波の電界強度は複雑に変化する電離層特性値の関
数であり、推定精度を向上させるために何度も改良が加
えられた結果、今日の計算方法に至っている。各伝搬モ
ード(w)の月中央値の電界強度Etw[dB(1μV
/m)]は、下記式(1)のようになる。
【0031】
【数1】 ここで、fは送信周波数[MHz]、Pは送信電力
[dB(1kW)]、G は要求されている方位角及び
仰角におけるアンテナ利得[dB]、Lbfは自由空間
における基本伝搬損[dB]でLbf=32.45+2
0logf+20logp’(P’は見かけの斜め伝搬
距離[km])、Lは電離層吸収損[dB]、L
Eモードの吸収損に対する補正項、LはMUFを越え
る周波数の伝搬損[dB]、Lは大地反射損[dB]
(n回反射に対してはL=2(n−1)[dB])、
は極域を通過する伝搬路での損失[dB](磁気緯
度<42.5゜ではL=0)、Lは空間波の補正項
(9.9dB)である。
【0032】特に、電離層吸収損L[dB]は、下記
式(2)で与えられる。
【0033】
【数2】 ここで、F(χ)=cos(0.881χ)或いは
0.02(何れか大きい方を使用)、f=fcosθ
(θは高度110kmでの入射角)、kはモードの
数、fは電波の周波数[MHz]、fは電子のジャイ
ロ周波数[MHz]、R12は太陽相対黒点数の12ヶ
月移動平均値、χは太陽天頂角、χjn oonは地方
時正午の天頂角、ATnoonは正午の吸収損失定数
(磁気中緯度sz地域では夏季において360)、ψ
(f/fE)はE層の通過減衰量(fがfEよ
り大ならば略1)、pは磁気俯角による損失補正項
(0.7〜1.6)である。
【0034】上記式(2)より送信電力、アンテナ利
得、伝搬モード、伝搬路の条件が与えられれば受信点の
電界強度が得られる。これを用いて受信局で検出できる
最小の電界強度となる下限の周波数が決まり、それを最
低有効周波数LUF(Lowest Useful Frequency)とい
う。
【0035】短波回線の予測は、送受信点の位置関係、
月、時刻等によって可能な伝搬モードを選んでそれぞれ
のモードについてMUFと電波の減衰量を計算して最も
卓越するモードを求め、それによって回線のMUFとL
UFとを決定することにより行われる。MUFとLUF
は電離層モデルによって変化するので、電離層モデル値
を決めるのに必要な太陽黒点数をパラメータとしてそれ
ぞれの月中央値の予測が短波伝搬曲線集にまとめられて
いる。なお、上記パラメータの一部は、電離層観測情
報、太陽活動情報として世界主要国がWEB上でリアル
タイムで公開しているので、それらを用いることができ
る。
【0036】次に、第1通信装置10の動作を図4に示
すフローチャートを参照しながら説明する。第1通信装
置10では、まず、入力部11から、自己(第1通信装
置10)の位置、通信相手(第2通信装置20)の位置
及び現在時刻等が入力される(ステップS10)。これ
らの入力されたデータは予測部12に送られる。
【0037】予測部12は、まず、周波数の種別を表す
変数iを「1」に初期化する(ステップS11)。次い
で、周波数f(最初は周波数f)の場合について、
自己(第1通信装置10)の位置を基準点Pとし、この
基準点Pの周囲の所定範囲に所定間隔のメッシュを仮想
的に形成する(ステップS12)。次いで、ステップS
12で形成されたメッシュの交点における電界強度を上
記式(1)に従って計算する(ステップS13)。
【0038】次いで、上記計算により得られた電界強度
と自己の受信感度とを比較する(ステップS14)。こ
こで、電界強度が受信感度より大きいことが判断される
と、その交点を受信対象範囲としてプロットする(ステ
ップS15)。一方、電界強度が受信感度以下であるこ
とが判断されると、ステップS15の処理はスキップさ
れる。なお、図示は省略してあるが、ステップS13〜
S15の処理は、メッシュの全ての交点に対して実行さ
れる。以上の処理により、周波数f(最初は周波数f
)で受信できる受信対象範囲RA(f)が求められ
る。
【0039】次いで、変数iがインクリメントされ(ス
テップS16)、その後、変数iが最大値より大きくな
ったかどうかが調べられる(ステップS17)。ここ
で、最大値は、この通信システムで使用可能な周波数の
種類の数である。そして、変数iが最大値より大きくな
っていないことが判断されると、ステップS13に戻
り、再度同様の処理が繰り返される。従って、2回目
は、周波数fで受信できる受信対象範囲RA(f
が求められる。以下、同様の処理により、周波数f
・・・と順次周波数を変えながら受信対象範囲RA
(f)、RA(f)・・・が求められる。
【0040】上記繰り返し実行の過程で、ステップS1
7で変数iが最大値より大きくなったことが判断される
と、各周波数における受信対象範囲の算出が完了する。
予測部12は、このようにして求めた受信対象範囲を出
力部13に送る(ステップS18)。これにより、例え
ば図5に示すような、受信対象範囲RA(f)、RA
(f)、RA(f)を示す絵がディスプレイ及び/
又はプリンタに出力され、処理は終了する。ユーザは、
この絵を見ることにより、自己の第1通信装置10は、
周波数f及びfでは通信可能であるが、周波数f
では通信できないことを認識できる。
【0041】その結果、第1通信装置10は、周波数f
又はfを用いて第2通信装置20と通信することに
なる。この場合、周波数fが他の通信装置で使用され
ている場合は周波数fで通信するという選択が可能に
なる。更に、第1通信装置10が移動局であれば、周波
数f及びfの両方とも他の通信装置で使用されてい
る場合であっても、地点Qに移動し、周波数fを用い
て通信するという選択が可能になる。
【0042】上述した第1の実施の形態では、第1通信
装置10の受信感度が一定の場合に、周波数を変えなが
ら受信対象範囲を求めたが、第1通信装置10が複数の
受信感度の中から選択できるように構成されている場合
には、更に、受信感度を変えながら上述した処理を実行
するように構成できる。この場合、1つの周波数に対し
て、図6に示すように、各受信感度で受信できる受信対
象範囲が求められる。例えば、受信感度a>a>a
>aとすれば、受信感度が大きい程広い受信対象範
囲が得られる。
【0043】従って、図5に示した例における第1通信
装置10の受信感度がaであるものとすると、周波数
では受信できないため、地点Qに移動する必要があ
ったが、受信感度をaからa又はaに上げること
により第1通信装置10は受信対象範囲に入ることにな
るので、地点Qに移動する必要がなくなる。
【0044】以上の説明では、第1通信装置10が受信
局として動作する場合に、第1通信装置10側で通信対
象範囲を予測し、この予測結果に従って周波数及び/又
は受信感度を変更して通信を行うように構成した。
【0045】しかし、第1通信装置10が送信局として
動作する場合に、第1通信装置10側で、受信局として
動作する第2通信装置20の通信対象範囲を予測し、こ
の予測結果に従って周波数及び/又は受信感度を変更し
て通信を行うように構成することもできる。
【0046】また、以上の説明では、第1通信装置10
が通信対象範囲を予測する構成としたが、第2通信装置
20が通信対象範囲を予測する構成とすることもでき、
この場合も上記第1通信装置10と全く同様の作用及び
効果を奏する。
【0047】更に、例えば図2に示したように、複数の
受信局で到来電波を測定して電波監視を行う場合におい
て、各受信局が自己の通信対象範囲を予測し、電波を送
信している送信局が自己の通信対象範囲の外にある場合
は、他の受信局に電波の測定を依頼して電波監視を行う
ように構成できる。この構成によれば、電波監視を確実
に行うことができる。
【0048】以上説明したように、本発明の第1の実施
の形態によれば、電離層の状態に依存して変化する電波
の伝搬特性を、複数の周波数及び/又は複数の受信感度
における通信対象範囲として予測し、これら予測された
複数の周波数及び/又は複数の受信感度の中から通信に
好適な周波数及び/又は受信感度を選択できる。従っ
て、通信装置の一方又は双方が移動局であっても、通信
に使用する周波数及び/又は受信感度の選択が容易にな
る。
【0049】また、従来、経験的に行っていた通信シス
テムの運用を予測的に行うことができるので、例えば時
刻毎の業務スケジューリングを行うことができ、電波の
伝搬特性に応じた効率的な業務割付を行うことができ
る。
【0050】また、電離層の状態に依存して電波の伝搬
特性が変化しても、時刻を指定することにより、各時間
帯における通信対象範囲を予測できるので、通信に使用
する周波数及び/又は受信感度を常に最適に選択するこ
とができる。その結果、通信不能な時間帯の発生を減ら
すことができる。
【0051】更に、電離層の状態に依存して発生する遠
距離伝搬可能な状況をも予測できるので、その状況を効
果的に利用して遠距離通信を行うことができるという利
点がある。
【0052】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態は、通信システムを構成する複数の受信局の中の
中心となる受信局が電波の伝搬予測を行うための予測部
を備え、他の受信局に予測部で予測した情報を提供する
ように構成されている。
【0053】図7は本発明の第2の実施の形態に係る通
信システムを示す図である。この通信システムは、第1
受信局10、第2受信局10、第3受信局10
送信局20、第1受信局10と送信局20とを結ぶ電
波伝搬路30、第1受信局10と第2受信局10
を結ぶ通信路31及び第1受信局10と第3受信局1
とを結ぶ通信路32から構成されている。
【0054】第1受信局10は、上述した第1実施の
形態における第1通信装置10に設けられた、入力部1
1と予測部12と出力部13と送受信部14との構成
に、さらに、第2受信局10及び第3受信局10
の間で通信するためのインタフェース15が追加されて
構成されている。
【0055】第2受信局10及び第3受信局10
各々は、第1の実施の形態における第1通信装置10か
ら入力部11及び予測部12が除去されると共に、第1
受信局10と通信するためのインタフェース(図示し
ない)を備えて構成されている。送信局20は、第1
の実施の形態における第2通信装置20と同じものであ
り、電波伝搬路30は、第1の実施の形態のそれと同じ
である。また、通信路31及び通信路32は、有線通信
路又は無線通信路から構成されている。
【0056】上記のように構成される本発明の第2の実
施の形態に係る通信システムでは、第1受信局10
は、第2受信局10及び第3受信局10の位置を
常に認識しており、予測部12は、自己の通信対象範囲
を予測する他、第2受信局10及び第3受信局10
の通信対象範囲をも予測する。そして、予測結果を、第
2受信局10及び第3受信局10に送る。
【0057】第2受信局10及び第3受信局10
各々は、受け取った予測結果を出力部13に出力し、こ
の出力に基づいて、自己が通信に使用する最適な周波数
及び/又は受信感度を選択する。
【0058】以上説明した第2の実施の形態に係る通信
システムによれば、複数の受信局の中の中心となる受信
局のみが予測部を備え、他の受信局は予測部を備える必
要がないので、他の受信局の構成を簡単にすることがで
き、通信システム全体のコストを低減できる。
【0059】この第2の実施の形態に係る通信システム
は、第1〜第3受信局10〜10 を固定局とする電
波監視システムを構築するのに好適である。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電波の伝搬路の状態に最適な周波数で通信や電波測定を
行うことのできる通信システム及び通信方法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システム
の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る通信システム
の動作を説明するための図である。
【図3】短波の電離層伝搬モードの模式図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る通信システム
の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る通信システム
において周波数を変化させた場合に形成される受信対象
範囲を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る通信システム
において受信感度を変化させた場合に形成される受信対
象範囲を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る通信システム
の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 第1通信装置 10 第1受信局 10 第2受信局 10 第3受信局 11,21 入力部 12,22 予測部 13,23 出力部 14,24 送受信部 15 インターフェイス 20 第2通信装置 20送信局 30 電波伝搬路 31、32 通信路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1通信装置及び第2通信装置の少なく
    とも一方が移動可能な通信システムであって、 前記第1通信装置は、 該第1通信装置の位置、前記第2通信装置の位置及び現
    在時刻を入力する入力部と、 前記入力部から入力された前記第1通信装置の位置、第
    2通信装置の位置及び現在時刻に基づいて、前記第2通
    信装置との間の通信に使用可能な周波数を予測する予測
    部とを備え、 前記予測部で予測された周波数を用いて通信を行うこと
    を特徴とする通信システム。
  2. 【請求項2】 前記予測部は、複数の周波数の各周波数
    について、前記第1通信装置が通信可能な範囲を算出
    し、算出された前記通信可能な範囲に前記第2通信装置
    が位置する場合に、該周波数を前記使用可能な周波数と
    することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 【請求項3】 第1通信装置及び第2通信装置の少なく
    とも一方が移動可能な通信システムであって、 前記第1通信装置は、 該第1通信装置の位置、前記第2通信装置の位置及び現
    在時刻を入力する入力部と、 前記入力部から入力された前記第1通信装置の位置、第
    2通信装置の位置及び現在時刻に基づいて、前記第2通
    信装置との間で通信可能な範囲を周波数毎に予測する予
    測部と、 前記予測部で予測された前記通信可能な範囲を周波数毎
    に出力する出力部とを備え、 前記出力部から出力された情報に基づいて通信を行うこ
    とを特徴とする通信システム。
  4. 【請求項4】 前記第1通信装置は移動局であり、 前記移動局は、前記予測部で予測された前記通信可能な
    範囲に移動した後に前記予測された周波数を用いて通信
    を行うことを特徴とする請求項3に記載の通信システ
    ム。
  5. 【請求項5】 第1通信装置及び第2通信装置の少なく
    とも一方が移動可能な通信システムにおける通信方法で
    あって、 前記第1通信装置は、 該第1通信装置の位置、前記第2通信装置の位置及び現
    在時刻を入力し、 入力された前記第1通信装置の位置、第2通信装置の位
    置及び現在時刻に基づいて、前記第2通信装置との間の
    通信に使用可能な周波数を予測し、 予測された周波数を用いて通信を行うことを特徴とする
    通信方法。
  6. 【請求項6】 前記予測するステップは、複数の周波数
    の各周波数について、前記第1通信装置が通信可能な範
    囲を算出し、算出された前記通信可能な範囲に前記第2
    通信装置に位置する場合に、該周波数を前記使用可能な
    周波数とすることを特徴とする請求項5に記載の通信方
    法。
  7. 【請求項7】 第1通信装置及び第2通信装置の少なく
    とも一方が移動可能な通信システムにおける通信方法で
    あって、 前記第1通信装置は、 該第1通信装置の位置、前記第2通信装置の位置及び現
    在時刻を入力し、 入力された前記第1通信装置の位置、第2通信装置の位
    置及び現在時刻に基づいて、前記第2通信装置との間で
    通信可能な範囲を周波数毎に予測し、 予測された前記通信可能な範囲を周波数毎に出力し、 出力された情報に基づいて通信を行うことを特徴とする
    通信方法。
  8. 【請求項8】 前記第1通信装置は移動局であり、 前記移動局は、前記予測部で予測された前記通信可能な
    範囲に移動した後に前記予測された周波数を用いて通信
    を行うことを特徴とする請求項7に記載の通信方法。
JP2002045007A 2002-02-21 2002-02-21 通信システム及び通信方法 Pending JP2003244052A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002045007A JP2003244052A (ja) 2002-02-21 2002-02-21 通信システム及び通信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002045007A JP2003244052A (ja) 2002-02-21 2002-02-21 通信システム及び通信方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003244052A true JP2003244052A (ja) 2003-08-29

Family

ID=27784156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002045007A Pending JP2003244052A (ja) 2002-02-21 2002-02-21 通信システム及び通信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003244052A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008252941A (ja) * 2008-07-01 2008-10-16 Mitsubishi Electric Corp 通信装置
JP2008252942A (ja) * 2008-07-01 2008-10-16 Mitsubishi Electric Corp 通信装置
JP2015197354A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 富士警備保障株式会社 地震予測システム
JP2018502536A (ja) * 2014-12-12 2018-01-25 サービスィズ ディベロップメント カンパニー エルエルシー 高周波数ラジオバンドを介するデータ伝送
JPWO2020003513A1 (ja) * 2018-06-29 2020-12-17 三菱電機株式会社 レーダ装置
JP7453111B2 (ja) 2020-09-23 2024-03-19 株式会社日立国際電気 無線通信システム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008252941A (ja) * 2008-07-01 2008-10-16 Mitsubishi Electric Corp 通信装置
JP2008252942A (ja) * 2008-07-01 2008-10-16 Mitsubishi Electric Corp 通信装置
JP4615590B2 (ja) * 2008-07-01 2011-01-19 三菱電機株式会社 通信装置
JP4628451B2 (ja) * 2008-07-01 2011-02-09 三菱電機株式会社 通信装置
JP2015197354A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 富士警備保障株式会社 地震予測システム
JP2018502536A (ja) * 2014-12-12 2018-01-25 サービスィズ ディベロップメント カンパニー エルエルシー 高周波数ラジオバンドを介するデータ伝送
JPWO2020003513A1 (ja) * 2018-06-29 2020-12-17 三菱電機株式会社 レーダ装置
JP7453111B2 (ja) 2020-09-23 2024-03-19 株式会社日立国際電気 無線通信システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2047253C (en) Method of locating a mobile station
US7773995B2 (en) Method and apparatus for utilizing RF signals to create a site specific representation of an environment
US6161018A (en) Method and system for estimating a subscriber's location in a wireless communication system service area
US7634265B2 (en) Radio wave propagation characteristic estimation system, and its method and program
US11800373B2 (en) System and method for 3D propagation modelling for planning of a radio network
US8244511B2 (en) Radio wave propagation characteristic estimation apparatus and computer program
JP2002204468A (ja) 移動電話システムの成長管理のための経路損失データ正規化方法
US20050014511A1 (en) Location estimation of wireless terminals through pattern matching of deduced signal strengths
JP5699545B2 (ja) 電波伝搬特性推定システム、電波伝搬特性推定方法、およびコンピュータプログラム
Turkka et al. Path loss measurements for a non-line-of-sight mobile-to-mobile environment
US20100137005A1 (en) Method for positioning portable communication device
KR102042105B1 (ko) 지형지물을 고려한 이기종 무선 시스템 간의 간섭 분석 장치 및 방법
Piazzi et al. Achievable accuracy of site-specific path-loss predictions in residential environments
CN104507160B (zh) 无线网络定位方法、接入点及定位服务器
JP6304653B2 (ja) 与干渉推定システム、無線装置
JP2003244052A (ja) 通信システム及び通信方法
KR101696387B1 (ko) 기지국 위치 추정 시스템 및 방법
JP6663098B2 (ja) 波源位置選択装置、波源位置算出装置、波源位置選択方法、波源位置算出方法、及びプログラム
JPH1051368A (ja) マイクロ波の回線ルート表示装置
EP3668197B1 (en) Method and radio for setting the transmission power of a radio transmission
KR20100050895A (ko) 측정 데이터를 이용한 규칙 기반의 무선망 최적화 방법
Yoon et al. Empirical model including the statistics of location variability for the over-rooftop path in the 32 GHz band
Foster et al. Microcellular measurements and their prediction
JP6311198B2 (ja) ホワイトスペース検出装置、ホワイトスペース検出方法、及びプログラム
Storsaeter et al. A GIS-based tool for optimizing C-ITS communication infrastructure