JP2000260973A - シミュレーション装置、シミュレーション方法、製造プロセス条件設定方法及び記録媒体 - Google Patents

シミュレーション装置、シミュレーション方法、製造プロセス条件設定方法及び記録媒体

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JP2000260973A
JP2000260973A JP6644599A JP6644599A JP2000260973A JP 2000260973 A JP2000260973 A JP 2000260973A JP 6644599 A JP6644599 A JP 6644599A JP 6644599 A JP6644599 A JP 6644599A JP 2000260973 A JP2000260973 A JP 2000260973A
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simulation
circuit
analysis
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Kenichiro Sonoda
賢一郎 園田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短い計算時間でデバイスの形状を反映したシ
ミュレーション結果を得ることができる、シミュレーシ
ョン装置及び方法を得る。 【解決手段】 ブロック分割手段2は、被シミュレーシ
ョン回路を規定した元のネットリストD1を取り込み、
パラメータ入力手段1より得た入力パラメータに基づい
て、被シミュレーション回路内のデバイスを特定する解
析ブロックを選択し、選択した解析ブロックを複数の部
分解析ブロックに分割し、解析ブロックと等価な回路構
成になるように複数の部分解析ブロック間を電気的に接
続し、最終的に、解析ブロックが複数の部分解析ブロッ
クに置き換えられた新たな被シミュレーション回路を規
定した変更ネットリストD2出力する。回路シミュレー
ション手段3は、変更ネットリストD2で規定される被
シミュレーション回路に対する回路シミュレーションを
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シミュレーショ
ン装置及びシミュレーション方法に関し、特に、半導体
集積回路の静電放電(electrostatic discharge,ESD)
をシミュレーションするシミュレーション装置及び方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ESDが半導体集積回路に印加される
と、その集積回路の機能が損傷したり、集積回路自体が
破壊されてしまうことがあるため、ESD耐性の高い素
子構造あるいは回路構成が望まれている。しかしなが
ら、半導体素子の微細化に伴い、所望のESD耐性を保
持することが困難な状況にある。
【0003】また、ESD試験はパッケージ化された最
終的な製品に対して行われるため、素子構造や回路構成
の変更を行ってから試験結果が得られる期間が長期化す
る傾向があり、製品開発期間を決める大きな要因の一つ
になっている。したがって、シミュレーションを用いて
ESD耐性の高い素子構造や回路構成の変更を高精度に
予測することが望まれている。
【0004】ESDが印加されたときには半導体素子に
大電圧がかかるため、通常の動作電圧では問題とならな
い形状効果が顕著に現れる。例えば、製造プロセスの原
因でMOSFETのゲート幅が一定とならず位置によっ
て異なると、ゲート幅の小さい位置に電流が集中して破
壊が起こりやすくなる。このようなデバイスの形状効果
を考慮したESDシミュレーションを行うには、従来、
3次元のデバイスシミュレーションを使用する必要があ
った。なお、デバイスシミュレーションは、デバイスの
物理的形状及び不純物分布をもとに、デバイス内部のキ
ャリアの振る舞いからデバイス特性を計算機によって求
めるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、デバイ
スシミュレーションでは、解析しようとする半導体素子
構造をメッシュと呼ばれる小領域に分割し、それぞれの
メッシュを代表する節点での電位やキャリア濃度等を計
算する関係上、計算すべき節点数が数十万以上と膨大に
なるため、3次元デバイスシミュレーションを用いる方
法は計算時間がかかり過ぎてしまうという問題点があっ
た。
【0006】この発明は上記問題点を解決するためにな
されたもので、短い計算時間でデバイスの形状を反映し
たシミュレーション結果を得ることができる、シミュレ
ーション装置及び方法を得ることをを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項1
記載のシミュレーション装置は、被シミュレーション回
路を規定したネットリストを受け、前記被シミュレーシ
ョン回路内のデバイスを特定する所定の解析ブロック
を、所定方向に沿って、前記所定の解析ブロックとの等
価性を維持しながら複数の部分解析ブロックに分割し、
前記所定の解析ブロックを複数の部分解析ブロックに変
更した新たな被シミュレーション回路を規定した変更ネ
ットリストを出力する解析ブロック分割手段と、前記変
更ネットリストで規定された被シミュレーション回路に
対して回路シミュレーションを実行する回路シミュレー
ション手段とを備え、前記解析ブロック分割手段は、前
記複数の部分解析ブロックそれぞれの回路シミュレーシ
ョン用特性値を個別設定可能である。
【0008】請求項2記載のシミュレーション装置は、
前記複数の部分解析ブロックそれぞれの前記回路シミュ
レーション用特性値を決定する情報を含む入力パラメー
タを前記解析ブロック分割手段に入力するパラメータ入
力手段をさらに備え、前記解析ブロック分割手段は、前
記入力パラメータに基づき、前記複数の部分解析ブロッ
クそれぞれの前記回路シミュレーション用特性値を設定
している。
【0009】請求項3記載のシミュレーション装置にお
いて、前記所定の解析ブロックは抵抗成分を考慮したM
OSトランジスタを含み、前記所定の方向は前記MOS
トランジスタのゲート幅方向を含んでいる。
【0010】請求項4記載のシミュレーション装置にお
いて、前記ブロック分割手段は、さらに、前記複数の部
分解析ブロックのうち隣接する部分解析ブロック間を接
続抵抗を介して電気的に接続している。
【0011】この発明に係る請求項5記載のシミュレー
ション装置は、3次元のデバイスシミュレーションが可
能な被シミュレーション回路構造を規定した計算構造デ
ータを受け、前記被シミュレーション回路構造内のデバ
イスを特定する3次元構造の所定の解析領域を、所定の
方向に沿って、前記所定の解析領域との等価性を維持し
ながら、各々が2次元のデバイスシミュレーションが可
能な複数の部分解析領域に分割し、前記所定の解析領域
を前記複数の部分解析領域に変更した新たな被シミュレ
ーション回路構造を規定した変更計算構造データを出力
する解析領域分割手段と、前記変更計算構造データで規
定された被シミュレーション回路構造に対して2次元の
デバイスシミュレーションを実行するデバイスシミュレ
ーション手段とを備えている。
【0012】請求項6記載のシミュレーション装置は、
前記複数の部分解析領域それぞれのデバイスシミュレー
ション用の特性値を決定する情報を含む入力パラメータ
を前記解析領域分割手段に入力するパラメータ入力手段
をさらに備え、前記解析領域分割手段は、前記入力パラ
メータに基づき、前記複数の部分解析領域それぞれのデ
バイスシミュレーション用の特性値を個別設定してい
る。
【0013】請求項7記載のシミュレーション装置にお
いて、前記所定の解析領域は抵抗成分を考慮したMOS
トランジスタを含み、前記所定の方向は前記MOSトラ
ンジスタのゲート幅方向を含んでいる。
【0014】請求項8記載のシミュレーション装置にお
いて、前記解析領域分割手段は、前記複数の部分解析領
域のうち隣接する部分解析領域間を接続抵抗を介して電
気的に接続している。
【0015】この発明に係る請求項9記載のシミュレー
ション方法は、(a)被シミュレーション回路を規定した
ネットリストを読み込むステップと、(b)前記被シミュ
レーション回路からデバイスを特定する所定の解析ブロ
ックを分割対象として選択するステップと、(c)前記所
定の解析ブロックを、所定方向に沿って、複数の部分解
析ブロックに分割するとともに、前記複数の部分解析ブ
ロックの回路シミュレーション用特性値をそれぞれ個別
設定するステップと、(d)前記所定の解析ブロックとの
等価性を維持すべく前記複数の部分解析ブロック間を電
気的接続した後、前記所定の解析ブロックを前記複数の
部分解析ブロックに変更した被シミュレーション回路を
規定した変更ネットリストを出力するステップと、(e)
前記変更ネットリストで規定された被シミュレーション
回路に対して回路シミュレーションを実行するステップ
とを備えている。
【0016】この発明に係る請求項10記載のシミュレ
ーション方法は、(a)3次元のデバイスシミュレーショ
ンが可能な被シミュレーション回路構造を規定した計算
構造データを読み込むステップと、(b)前記被シミュレ
ーション回路構造内のデバイスを特定する3次元構造の
所定の解析領域を分割対象として選択するステップと、
(c)前記所定の解析領域を、所定の方向に沿って、各々
が2次元のデバイスシミュレーションが可能な複数の部
分解析領域に分割するステップと、(d)前記所定の解析
領域との等価性を維持すべく前記複数の部分解析領域を
互いに電気的に接続して、前記所定の解析領域を前記複
数の部分解析領域に変更した被シミュレーション回路構
造を規定した変更計算構造データを出力するステップ
と、(e)前記変更計算構造データで規定された被シミュ
レーション回路構造に対して2次元のデバイスシミュレ
ーションを実行するステップとを備えている。
【0017】この発明に係る請求項11記載の製造プロ
セス条件設定方法は、(a)仮製造プロセス条件が設定さ
れた製造プロセスで製造された場合の所定の半導体集積
回路を被シミュレーション回路として、請求項9記載の
シミュレーション方法を実行させるステップと、(b)前
記ステップ(a)のシミュレーション結果に基づき、前記
被シミュレーション回路の所定の基準に対する良否を判
定するステップと、(c)前記ステップ(b)の判定が否の場
合に、前記仮製造プロセス条件を変更し、ステップ
(a),(b)を再度実行させるステップと、(d)前記ステッ
プ(b)の判定が良の場合に、前記仮製造プロセス条件を
前記所定の半導体集積回路の実際の製造に用いる実製造
プロセス条件として設定するステップとを備えている。
【0018】この発明に係る請求項12記載の製造プロ
セス条件設定方法は、(a)仮製造プロセス条件が設定さ
れた製造プロセスで製造された場合の所定の半導体集積
回路を被シミュレーション回路として、請求項10記載
のシミュレーション方法を実行させるステップと、(b)
前記ステップ(a)のシミュレーション結果に基づき、前
記被シミュレーション回路の所定の基準に対する良否を
判定するステップと、(c)前記ステップ(b)の判定が否の
場合に、前記仮製造プロセス条件を変更し、ステップ
(a),(b)を再度実行させるステップと、(d)前記ステッ
プ(b)の判定が良の場合に、前記仮製造プロセス条件を
前記所定の半導体集積回路の実際の製造に用いる実製造
プロセス条件として設定するステップとを備えている。
【0019】請求項13記載の記録媒体には、請求項9
記載のシミュレーション方法を実行させるためのプログ
ラムが記録されている。
【0020】請求項14記載の記録媒体には、請求項1
0記載のシミュレーション方法を実行させるためのプロ
グラムが記録されている。
【0021】
【発明の実施の形態】<実施の形態1>図1は、この発
明の実施の形態1であるESDシミュレーション装置の
構成を示すブロック図である。
【0022】同図に示すように、パラメータ入力手段1
は分割すべき解析ブロック、分割数、解析ブロックを分
割して得られる複数の部分解析ブロック間の電気的特性
値のバラツキの標準偏差等を含む情報を入力パラメータ
としてブロック分割手段2に与える。
【0023】ブロック分割手段2は、被シミュレーショ
ン回路を規定した元のネットリストD1を取り込み、パ
ラメータ入力手段1より得た入力パラメータに基づい
て、被シミュレーション回路内のデバイスを特定する解
析ブロックを選択し、選択した解析ブロックを複数の部
分解析ブロックに分割し、解析ブロックと等価な回路構
成になるように複数の部分解析ブロック間を電気的に接
続し、最終的に、解析ブロックが複数の部分解析ブロッ
クに置き換えられた新たな被シミュレーション回路を規
定した変更ネットリストD2出力する。なお、元のネッ
トリストD1は図示しないネットリスト付与手段より付
与される。
【0024】回路シミュレーション手段3は、変更ネッ
トリストD2を入力し、変更ネットリストD2で規定さ
れる回路に対する回路シミュレーションを行い回路シミ
ュレーション結果を出力する。なお、パラメータ入力手
段1、ブロック分割手段2及び回路シミュレーション手
段3は図示しない計算制御手段によって制御される。
【0025】図2は、実施の形態1のESDシミュレー
ション装置によるESDシミュレーション方法を示すフ
ローチャートである。図3は、人体モデル(human body
model,HBM)によるESDが印加されたMOSFETを
含む被シミュレーション回路を示す説明図である。
【0026】図3において、キャパシタ51(100p
F)とインダクタ52(7.5μH)及び抵抗53
(1.5kΩ)とがスイッチ54を介して直列に接続さ
れ、スイッチ54をオフ状態からオン状態に切り替える
際に、人体モデルによるESDがMOSFETに印加さ
れる。
【0027】一方、MOSFETは、基板70の上層部
にドレイン領域71及びソース領域72がそれぞれ選択
的に形成され、ドレイン領域71,ソース領域72間上
にゲート電極73(ゲート幅W)が形成されている。そ
して、ドレイン領域71が抵抗53の一端に接続され、
ソース領域72、ゲート電極73及び基板70が接地レ
ベルに接続される。
【0028】以下、図2のフローを図3に示したMOS
FETを例に挙げて説明する。
【0029】まず、ステップS1で、ブロック分割手段
2は、従来の回路シミュレーション用の回路を規定した
元のネットリストD1を読み込む。元のネットリストD
1は図4で示した被シミュレーション回路を規定するデ
ータである。
【0030】図4において、ゲート幅WのMOSトラン
ジスタ(MOSFET)Qのドレイン領域71にはドレ
イン抵抗RDが、ソース領域72にソース抵抗RSが、
ゲート電極73にゲート抵抗RGが基板70に基板抵抗
RSUBが設けられ、ドレイン領域71、基板70及び
ソース領域72によるバイポーラトランジスタTが設け
られる。
【0031】図2に戻って、ステップS2で、ブロック
分割手段2は元のネットリストD1で規定された被シミ
ュレーション回路から、パラメータ入力手段1より得た
入力パラメータに基づき、分割対象の解析ブロック(複
数可)を選択する。図4の回路例では、ドレイン抵抗R
D、ソース抵抗RS、ゲート抵抗RG、基板抵抗RSU
B、MOSトランジスタQ及びバイポーラトランジスタ
Tからなる構成が分割対象の解析ブロック4となる。
【0032】そして、ステップS3で、パラメータ入力
手段1より得た入力パラメータに基づき、解析ブロック
を所定の方向に沿って複数の部分解析ブロックに分割す
る。
【0033】例えば、図4の解析ブロック4をMOSト
ランジスタQのゲート幅方向に沿ってN個に分割する場
合、図5に示すように、解析ブロック4内のドレイン抵
抗RD、ソース抵抗RS、ゲート抵抗RG、基板抵抗R
SUB、MOSトランジスタQ及びバイポーラトランジ
スタTがMOSトランジスタQのゲート幅方向21に沿
ってN分割される。その結果、N個のMOSトランジス
タQ1〜Qn、N個のバイポーラトランジスタT1〜T
n、N個のドレイン抵抗RD1〜RDn、N個のソース
抵抗RS1〜RSn、N個のゲート抵抗RG1〜RGn
及びN個の基板抵抗RSUB1〜RSUBnがゲート幅
方向21に設けられる。
【0034】したがって、Qi,Ti,RDi,RS
i,RGi及びRSUBi(i=1〜N)によって一つ
の部分解析ブロック(第iの部分解析ブロック)が形成
されることになる。
【0035】ステップS3では、さらに、複数の部分解
析ブロックへの分割後、パラメータ入力手段1より得た
入力パラメータに基づき、各部分解析ブロックの回路シ
ミュレーション用の電気的特性値を個別設定する。回路
シミュレーション用の電気的特性値としては、抵抗RD
i,RSi,RGi及びRSUBiでは抵抗値、MOS
トランジスタQiではチャネル長、バイポーラトランジ
スタTiでは飽和電流等がある。
【0036】次に、ステップS4で、ブロック分割手段
2は、さらに、解析ブロックとの回路の等価性を維持し
ゲート幅方向の電流を考慮すべく、分割した複数の部分
解析ブロックうち隣接する部分解析ブロック間の抵抗の
節点間を節点接続抵抗で接続した後、解析ブロックを複
数の部分解析ブロックに変更した被シミュレーション回
路を規定した変更ネットリストD2を回路シミュレーシ
ョン手段3に出力する。
【0037】節点接続抵抗は、電流がデバイスのゲート
幅方向に流れるときの電圧降下を考慮するためのもので
あり、実際の物理現象として計算の精度を向上させるも
のである。なお、節点接続抵抗の値は、対応する領域の
シート抵抗から計算しても良いし、抵抗値ゼロ(節点接
続抵抗を設けないで電気的接続のみ行う)として近似す
ることもできる。なお、ゲート幅方向に流れる電流の考
慮については実施の形態2で詳述する。
【0038】図5の例では、ドレイン抵抗RD1〜RD
nのうち隣接するRDj,RD(j+1)間(j=1〜
(n−1))におけるMOSトランジスタ側の接点を節
点接続抵抗RDVjで接続し、ソース抵抗RS1〜RS
nのうち隣接するRSj,RS(j+1)間におけるM
OSトランジスタ側の接点を節点接続抵抗RSVjで接
続し、ゲート抵抗RG1〜RGnのうち隣接するRG
j,RG(j+1)間におけるMOSトランジスタ側の
接点を節点接続抵抗RGVjで接続し、基板抵抗RSU
B1〜RSUBnのうち隣接するRSUBj,RSUB
(j+1)間におけるバイポーラトランジスタ側の接点
を節点接続抵抗RSUBVjで接続している。図5で示
した被シミュレーション回路を規定したネットリストが
変更ネットリストD2となる。
【0039】図2に戻って、ステップS5で、回路シミ
ュレーション手段3は、変更ネットリストD2を受け、
変更ネットリストD2で規定された被シミュレーション
回路に対して回路シミュレーションを実行し、ステップ
S6で回路シミュレーション結果を出力してESDシミ
ュレーションを終了する。
【0040】図6は、ゲート幅W=160μmのMOS
FETを分割数N=5で実施の形態1のESDシミュレ
ーションを実行した場合のシミュレーション結果を示す
グラフである。このシミュレーション結果は、単位ゲー
ト幅当たりのドレイン電流Id/wの時間変化を示して
いる。同図において、破線L0が元のネットリストD1
に基づくシミュレーション結果を示し、実線L1がソー
ス抵抗RS1〜RS5及びドレイン抵抗RD1〜RD5
の抵抗値にそれぞれ±0.8%のバラツキを持たせた場
合の最小値であり、実線L2がその最大値である。
【0041】図6に示すように、元のネットリストD1
での回路シミュレーションでは得ることのできないドレ
イン電流のバラツキを、変更ネットリストD2に基づく
実施の形態1の回路シミュレーションでは、実線L1,
L2間の差として精度良く検出することができる。破線
L0を平均値とすると、ドレイン電流の最小値,最大値
の平均値からずれは、それぞれ−0.7%,+0.9%
である。
【0042】また、図6のシミュレーション結果を得る
べく行った、変更ネットリストD2に基づく回路シミュ
レーションの実行時間は、元のネットリストD1に基づ
く回路シミュレーションの実行時間の10倍以下に収ま
っており、デバイスシミュレーションの実行時間に比べ
れば遙かに短い時間で済む。
【0043】図7は通常のデバイスシミュレーションに
よる温度の時間変化のシミュレーション結果と、変更ネ
ットリストD2に基づく回路シミュレーションによる温
度の時間変化のシミュレーション結果とを比較したグラ
フである。なお、シミュレーション対象となったのは、
所定のゲート長、ゲート幅、ゲート酸化膜厚及びドレイ
ン,ソース領域の形成深さを有するMOSFETのHB
Mモデルである。
【0044】図7において、実線L3がデバイスシミュ
レーション結果であり、一点鎖線L4が変更ネットリス
トD2に基づく回路シミュレーション結果である。同図
に示すように、デバイスシミュレーションより計算時間
が短くて済む回路シミュレーションでも、デバイスシミ
ュレーションと同程度の温度変化が得られており、変更
ネットリストD2に基づく回路シミュレーションの精度
が高いことが伺える。
【0045】また、実施の形態1のシミュレーション装
置のブロック分割手段2は、パラメータ入力手段1より
得られる入力パラメータに基づき、複数の部分解析ブロ
ックそれぞれの電気的特性値を設定しているため、外部
からパラメータ入力手段1を用いて複数の部分解析ブロ
ックそれぞれの電気的特性値を所望の値に設定すること
ができる。
【0046】<実施の形態2>図8は、この発明の実施
の形態2であるESDシミュレーション装置の構成を示
すブロック図である。
【0047】同図に示すように、パラメータ入力手段1
1は分割すべき3次元の解析領域、分割数、解析領域を
分割して得られる複数の部分解析領域間の形状特性のば
らつきの標準偏差等からなる入力パラメータを解析領域
分割手段12に与える。
【0048】解析領域分割手段12は、被シミュレーシ
ョン回路構造を規定した元の計算構造データD11を取
り込み、パラメータ入力手段11より得た入力パラメー
タに基づいて、被シミュレーション回路構造内のデバイ
スを特定する3次元の解析領域を選択し、選択した解析
領域を分割して複数の2次元の部分解析領域を得、解析
領域と等価な回路構成になるように複数の部分解析領域
間を電気的に接続し、最終的に、解析領域が複数の部分
解析領域に置き換えられた被シミュレーション回路構造
を規定した変更計算構造データD12を出力する。な
お、元の計算構造Dデータ11は図示しない元の計算構
造データ付与手段より付与される。
【0049】デバイスシミュレーション手段13は、変
更計算構造データD12を入力し、変更計算構造データ
D12で規定される被シミュレーション回路構造に対し
て2次元のデバイスシミュレーションを行いデバイスシ
ミュレーション結果を出力する。なお、パラメータ入力
手段11、解析領域分割手段12及びデバイスシミュレ
ーション手段13は図示しない計算制御手段によって制
御される。
【0050】図9は、実施の形態2のESDシミュレー
ション装置によるESDシミュレーション方法を示すフ
ローチャートである。以下、図9のフローを実施の形態
1と同様に図3に示したMOSFETを例に挙げて説明
する。
【0051】まず、ステップS11で、解析領域分割手
段12は、通常の3次元デバイスシミュレーション用の
被シミュレーション回路構造を規定した元の計算構造デ
ータD11を読み込む。元の計算構造データD11は図
10で示したデバイスを規定するデータである。
【0052】図10において、3次元構造のMOSFE
Tが解析領域となり、デバイスシミュレーションを行う
べく、3次元構造のMOSFETが破線で分割された3
次元構造のメッシュに分割されている。
【0053】図9に戻って、ステップS12で、解析領
域分割手段12は元の計算構造データD11で規定され
た被シミュレーション回路構造から、パラメータ入力手
段11より得た入力パラメータに基づき、分割対象の解
析領域を選択する。図10の回路例では、3次元構造の
MOSFET自体が解析領域となる。
【0054】そして、ステップS13で、パラメータ入
力手段11より得た入力パラメータに基づき、3次元の
解析領域を複数の2次元の部分解析領域に分割する。例
えば、上記3次元の解析領域を4個の2次元の部分解析
領域に分割する場合、図11に示すように、ゲート幅方
向21に垂直な2次元領域である部分解析領域41〜4
4に分割する。これら部分解析領域41〜44はそれぞ
れ2次元のデバイスシミュレーション用に複数のメッシ
ュ22に分割されている。
【0055】そして、部分解析領域41〜44のゲート
幅方向21の位置関係を考慮して、抵抗53の一端に接
続されるドレイン領域は、元の構造の中心部とみなされ
る部分解析領域42及び43のドレイン領域71のみで
あり、互いに電気的に接続されるゲート電極、ソース領
域及び基板も元の構造の中心部とみなされる部分解析領
域42及び43のゲート電極73、ソース領域72及び
基板70のみに設定される。
【0056】ステップS13では、さらに、複数の部分
解析領域への分割後、パラメータ入力手段1より得た入
力パラメータに基づき、各部分解析領域の各メッシュに
おけるデバイスシミュレーション用の特性値を個別設定
する。デバイスシミュレーション用の特性値としては、
例えば、形状、導電型式、不純物濃度等がある。
【0057】次に、ステップS14で、解析領域分割手
段12は、解析領域との回路構造の等価性を維持しゲー
ト幅方向の電流を考慮すべく、複数の部分解析領域のう
ち、隣接する部分解析領域で対応するメッシュの頂点間
をメッシュ接続抵抗を接続した後、解析領域を複数の部
分解析領域に変更した被シミュレーション回路構造を規
定した変更計算構造データD12をデバイスシミュレー
ション手段13に出力する。
【0058】図11の例では、部分解析領域41〜44
のうち隣接する部分解析領域間で対応するメッシュの各
頂点間をメッシュ接続抵抗23で接続している。
【0059】メッシュ接続抵抗は、実施の形態1の節点
接続抵抗と同様、電流がデバイスのゲート幅方向に流れ
るときの電圧降下を考慮するためのものであり、実際の
物理現象として計算の精度を向上させるものである。な
お、メッシュ接続抵抗の値は、対応する領域のシート抵
抗から計算しても良いし、抵抗値ゼロ(メッシュ接続抵
抗を設けないで電気的接続のみ行う)として近似するこ
ともできる。
【0060】図12は、メッシュ接続抵抗(実施の形態
1では節点接続抵抗)を設ける効果説明用の説明図であ
る。図12では、説明の理解を容易にするため、解析領
域を2つの部分解析領域31,32に分割し、メッシュ
接続抵抗として、2つの部分解析領域のドレイン領域
間、ソース領域間、ゲート領域間及び基板領域間にそれ
ぞれ接続抵抗RDV、RSV、RGV及びRSUBVを
設けた必要最小限の構成を示している。
【0061】半導体製造プロセスのバラツキにより、一
つのトランジスタでもその形成位置よってチャネル長が
異なることが起こり得る。一方、図12の構成では、部
分解析領域31,32のチャネル長Leff1,Leff2それ
ぞれを個別設定しているため、Leff1,Leff2間にバラ
ツキを持たせることにより、形成位置によって異なるチ
ャネル長が形成される状態をシミュレーションすること
ができる。
【0062】仮に、部分解析領域31と部分解析領域3
2とにおけるデバイスシミュレーション用の特性値を違
えてLeff1<Leff2になるように設定すると、部分解析
領域31のチャネル抵抗が部分解析領域32のチャネル
抵抗より低くなるため、部分解析領域32に比べて部分
解析領域31を流れる電流量の方が大きくなる。このよ
うに、部分解析領域31,32間で流れる電流量が異な
ると、接続抵抗RDV、RDV、RSV、RGV及びR
SUBVそれぞれの両端に電位差が生じ電流が流れる。
【0063】この電流が、元の計算構造データD11に
おける3次元のデバイスシミュレーションによって検出
可能なゲート幅方向21の電流に対応する。すなわち、
2次元の部分解析領域間を接続抵抗で接続することによ
り、ゲート幅方向への電流の流れを考慮したシミュレー
ションを、2次元の組合せ構造である変更計算構造デー
タD12に対して行うことができる。
【0064】図9に戻って、ステップS15で、デバイ
スシミュレーション手段13は、変更計算構造データD
12を入力し、変更計算構造データD12で規定された
計算構造に対して2次元のデバイスシミュレーションを
実行し、ステップS16でデバイスシミュレーション結
果を出力してESDシミュレーションを終了する。
【0065】このように、実施の形態2のESDシミュ
レーション装置の解析領域分割手段12は、解析領域
を、ゲート幅方向に沿って、各々が2次元のデバイスシ
ミュレーションが可能な複数の部分解析領域に分割する
とともに複数の部分解析領域を互いに電気的に接続し、
解析領域を複数の部分解析領域に変更した被シミュレー
ション回路構造を規定した変更計算構造データD12を
出力している。
【0066】したがって、複数の部分解析領域それぞれ
の物理特性値に違いを持たせることにより、ゲート幅方
向の形状効果を考慮した2次元のデバイスシミュレーシ
ョンを実行することができる。
【0067】さらに、2次元のデバイスシミュレーショ
ンは、3次元のデバイスシミュレーションに比べて短い
計算時間で行うことができるため、比較的短時間でシミ
ュレーション結果を得ることができる。
【0068】さらに、実施の形態2のESDシミュレー
ション装置の解析領域分割手段12は、パラメータ入力
手段11より得られる入力パラメータに基づき、複数の
部分解析領域それぞれの物理特性値を設定しているた
め、外部からパラメータ入力手段11を用いて複数の部
分解析領域それぞれの物理特性値を所望の値に設定する
ことができる。
【0069】<実施の形態3>図13は、この発明の実
施の形態3である製造プロセス条件設定方法を示すフロ
ーチャートである。製造プロセス条件とは所定の半導体
集積回路を複数の工程からなる所定の製造プロセスを経
て製造する場合の各工程におけるマスクの形状,ウェハ
プロセス条件等を含む条件を意味する。以下、図13を
参照して、製造プロセス条件設定方法を説明する。
【0070】まず、ステップS21で、製造プロセスで
用いるパターニング用の仮マスクの形状を設定し、続い
てステップS22でイオン注入エネルギー,拡散時間等
の仮ウェハプロセス条件を設定する。その結果、仮マス
クの形状及び仮ウェハプロセス条件を含む仮製造プロセ
ス条件が決定する。
【0071】したがって、上記仮製造プロセス条件下の
所定の製造プロセスを経て製造された場合の所定の半導
体集積回路の電気的特性値が決定する。
【0072】そして、ステップS23において、ステッ
プS21,S22で電気的特性値が決定した所定の半導
体集積回路を被シミュレーション回路として、実施の形
態1(回路シミュレーション)あるいは実施の形態2
(2次元のデバイスシミュレーション)で示したESD
シミュレーションを実行する。
【0073】次に、ステップS24で、ESDシミュレ
ーション結果に基づきESD規格を満足しているか否か
を判定する。ESD規格として、例えばシミュレーショ
ン結果で得られた最大温度が所定の温度以下である等が
ある。
【0074】ステップS24でESD規格を満足してい
ない(NO)と判定されると、ステップS25で仮マス
ク形状を変更し、ステップS26で仮ウェハプロセス条
件を変更することにより、所定の半導体集積回路の電気
的特性値を変更してステップS23で再度ESDシミュ
レーションを実行させる。
【0075】以降、ステップS24で、ESD規格を満
足している(YES)と判定されるまで、ステップS2
3〜S26が繰り返される。
【0076】ステップS24でESD規格を満足してい
る(YES)と判定されると、ステップS27で仮マス
ク形状を実マスク形状に設定し、ステップS28で仮ウ
ェハプロセスを実ウェハプロセス条件に設定する。これ
ら実マスク形状及び実ウェハプロセス条件を含む条件が
実製造プロセス条件となる。
【0077】実製造プロセス条件下の製造プロセスを経
て得られる半導体集積回路は、実施の形態1あるいは実
施の形態2のESDシミュレーションのシミュレーショ
ン結果によって、ESD規格を満足することが前もって
検証されているため、所定の半導体集積回路を実製造プ
ロセス条件下の製造プロセスを経て実際に製造すれば、
確実にESD規格を満足した半導体集積回路を得ること
ができる。その結果、少ない費用と期間でESD規格を
満足する半導体集積回路を製造することができる。
【0078】<実施の形態4(記録媒体への適用)>図
14はこの発明の実施の形態4であるシミュレーション
装置のハードウェア構成を示す説明図である。実施の形
態4のシミュレーション装置は、図2で示した実施の形
態1のESDシミュレーション(回路シミュレーショ
ン)方法、あるいは図9で示した実施の形態2のESD
シミュレーション(2次元のデバイスシミュレーショ
ン)方法を記録媒体に記録させたことを特徴としてい
る。
【0079】図14に示すように、ESDシミュレーシ
ョン装置として、CPU61、キーボード62、マウス
63及びディスプレイ64から構成されるコンピュータ
を用い、実施の形態1あるいは実施の形態2のESDシ
ミュレーション方法を記述したシミュレーション実行プ
ログラムをCPU61が読み取り可能なフレキシブルデ
ィスク65あるいはCD−ROM66に記録させてい
る。なお、図1あるいは図8で記述された構成部(パラ
メータ入力手段1,ブロック分割手段2,回路シミュレ
ーション手段3,パラメータ入力手段11,解析領域分
割手段12及び素子シミュレーション手段13)は、シ
ミュレーション実行プログラムを構成する機能ブロック
として割り当てられる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、この発明における
請求項1記載のシミュレーション装置の解析ブロック分
割手段は、所定の解析ブロックを、所定方向に沿って、
所定の解析ブロックとの等価性を維持しながら複数の部
分解析ブロックに分割して、所定の解析ブロックを複数
の部分解析ブロックに変更した被シミュレーション回路
を規定した変更ネットリストを出力しており、上記複数
の部分解析ブロックの回路シミュレーション用特性値を
それぞれ個別設定可能である。
【0081】したがって、複数の部分解析ブロックそれ
ぞれの回路シミュレーション用特性値に違いを持たせる
ことにより、上記所定方向におけるデバイスに形状変化
を持たせた被シミュレーション回路に対する回路シミュ
レーションを実行することができるため、単一の解析ブ
ロックの回路シミュレーションでは考慮できなかったデ
バイスの上記所定方向の形状変化に精度良く反映したシ
ミュレーション結果を短い計算時間で得ることができ
る。
【0082】請求項2記載のシミュレーション装置の解
析ブロック手段は、パラメータ入力手段より得られる入
力パラメータに基づき、複数の部分解析ブロックそれぞ
れの回路シミュレーション用特性値を設定しているた
め、外部からパラメータ入力手段を用いて複数の部分解
析ブロックそれぞれの回路シミュレーション用特性値を
所望の値に設定することができる。
【0083】請求項3記載のシミュレーション装置にお
いて、所定の解析ブロックは抵抗成分を考慮したMOS
トランジスタを含み、所定の方向はMOSトランジスタ
のゲート幅方向を含むため、MOSトランジスタにおけ
るゲート幅方向の形状へ変化を精度良く反映した回路シ
ミュレーションを実行することができる。
【0084】請求項4記載のシミュレーション装置のブ
ロック分割手段は、さらに、複数の部分解析ブロックの
うち隣接する部分解析ブロック間を接続抵抗を介して電
気的に接続するため、ゲート幅方向に流れる電流を上記
接続抵抗の両端の電位差として考慮することができる。
【0085】この発明における請求項5記載のシミュレ
ーション装置の解析領域分割手段は、所定の解析領域
を、所定の方向に沿って、所定の解析領域との等価性を
維持しながら、各々が2次元のデバイスシミュレーショ
ンが可能な複数の部分解析領域に分割し、所定の解析領
域を複数の部分解析領域に変更した被シミュレーション
回路構造を規定した変更計算構造データを出力してい
る。
【0086】したがって、複数の部分解析領域それぞれ
のデバイスシミュレーション用の特性値に違いを持たせ
ることにより、上記所定方向の形状変化を考慮した2次
元のデバイスシミュレーションを実行することができ
る。
【0087】さらに、2次元のデバイスシミュレーショ
ンは、3次元のデバイスシミュレーションに比べて短い
計算時間で行うことができるため、比較的短時間でシミ
ュレーション結果を得ることができる。
【0088】請求項6記載のシミュレーション装置の解
析領域手段は、パラメータ入力手段より得られる入力パ
ラメータに基づき、複数の部分解析領域それぞれのデバ
イスシミュレーション用の特性値を設定しているため、
外部からパラメータ入力手段を用いて複数の部分解析領
域それぞれのデバイスシミュレーション用の特性値を所
望の値に設定することができる。
【0089】請求項7記載のシミュレーション装置にお
いて、所定の解析領域は抵抗成分を考慮したMOSトラ
ンジスタを含み、所定の方向はMOSトランジスタのゲ
ート幅方向を含むため、MOSトランジスタにおけるゲ
ート幅方向の形状変化に精度良く反映した2次元のデバ
イスシミュレーションを実行することができる。
【0090】請求項8記載のシミュレーション装置の解
析領域分割手段は、複数の部分解析領域のうち隣接する
部分解析領域間を接続抵抗を介して電気的に接続するた
め、ゲート幅方向に流れる電流を上記接続抵抗の両端の
電位差として考慮することができる。
【0091】この発明における請求項9記載のシミュレ
ーション方法のステップ(c)は、所定の解析ブロックを
所定方向に沿って複数の部分解析ブロックに分割すると
ともに、複数の部分解析ブロックの回路シミュレーショ
ン用特性値をそれぞれ個別設定し、ステップ(d)は、所
定の解析ブロックとの等価性を維持すべく複数の部分解
析ブロック間を電気的に接続して、所定の解析ブロック
を複数の部分解析ブロックに変更した被シミュレーショ
ン回路を規定した変更ネットリストを出力している。
【0092】その結果、複数の部分解析ブロックそれぞ
れの回路シミュレーション用特性値に違いを持たせるこ
とにより、上記所定方向におけるデバイスに形状変化を
持たせた被シミュレーション回路に対する回路シミュレ
ーションをステップ(e)で実行することができるため、
単一の解析ブロックの回路シミュレーションでは考慮で
きなかったデバイスの上記所定方向の形状変化に精度良
く反映したシミュレーション結果を短い計算時間で得る
ことができる。
【0093】この発明における請求項10記載のシミュ
レーション方法のステップ(c)は、所定の解析領域を、
所定の方向に沿って、各々が2次元のデバイスシミュレ
ーションが可能な複数の部分解析領域に分割し、ステッ
プ(d)は、所定の解析領域との等価性を維持すべく複数
の部分解析領域を互いに電気的に接続して、所定の解析
領域を複数の部分解析領域に変更した被シミュレーショ
ン回路構造を規定した変更計算構造データを出力してい
る。
【0094】したがって、複数の部分解析領域それぞれ
のデバイスシミュレーション用特性値に違いを持たせる
ことにより、上記所定方向におけるデバイスの形状変化
に精度良く反映した2次元のデバイスシミュレーション
をステップ(e)で実行することができる。
【0095】さらに、2次元のデバイスシミュレーショ
ンは、3次元のデバイスシミュレーションに比べて短い
計算時間で行うことができるため、比較的短時間でシミ
ュレーション結果を得ることができる。
【0096】この発明における請求項11記載の製造プ
ロセス条件設定方法は、請求項9記載のシミュレーショ
ン方法の回路シミュレーション結果によって所定の基準
における良否判定された仮製造プロセス条件を実製造プ
ロセス条件として設定しているため、上記実製造プロセ
ス条件下の所定の製造プロセスを経て所定の半導体集積
回路を実際に製造すれば、確実に所定の基準を満足した
半導体集積回路を得ることができる。
【0097】この発明における請求項12記載の製造プ
ロセス条件設定方法は、請求項10記載のシミュレーシ
ョン方法の2次元のデバイスシミュレーション結果によ
って所定の基準における良否判定された仮製造プロセス
条件を実製造プロセス条件として設定しているため、上
記実製造プロセス条件下の所定の製造プロセスを経て所
定の半導体集積回路を実際に製造すれば、確実に所定の
基準を満足した半導体集積回路を得ることができる。
【0098】この発明における請求項13記載の記録媒
体は、請求項9記載のシミュレーション方法を実行させ
るためのプログラムが記録されているため、このプログ
ラムをコンピュータに実行させることにより、単一の解
析ブロックの回路シミュレーションでは考慮できなかっ
たデバイスの形状変化に精度良く反映したシミュレーシ
ョン結果を短い計算時間で得ることができる。
【0099】この発明における請求項14記載の記録媒
体は、請求項10記載のシミュレーション方法を実行さ
せるためのプログラムが記録されているため、このプロ
グラムをコンピュータに実行させることにより、デバイ
スの形状変化に精度良く反映した2次元のデバイスシミ
ュレーションを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるESDシミュ
レーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1のESDシミュレーション方法
を示すフローチャートである。
【図3】 HBMモデルを示す回路図である。
【図4】 実施の形態1の元のネットリストで規定され
る回路構成を示す回路図である。
【図5】 実施の形態1の変更ネットリストで規定され
る回路構成を示す回路図である。
【図6】 実施の形態1によるシミュレーション結果を
示すグラフである。
【図7】 実施の形態1によるシミュレーション結果を
示すグラフである。
【図8】 この発明の実施の形態2であるESDシミュ
レーション装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 実施の形態2のESDシミュレーション方法
を示すフローチャートである。
【図10】 実施の形態2の元の計算構造で規定される
構造を示す説明図である。
【図11】 実施の形態2の変更計算構造で規定される
回路構成を示す回路図である。
【図12】 ゲート幅方向の電流を考慮することの説明
用の説明図である。
【図13】 この発明の実施の形態3である製造プロセ
ス条件設定方法を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態4であるシミュレー
ション装置の記録媒体への適用を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パラメータ入力手段、2 ブロック分割手段、3
回路シミュレーション手段、11 パラメータ入力手
段、12 解析領域分割手段、13 デバイスシミュレ
ーション手段、D1 元のネットリスト、D2 変更ネ
ットリスト、D11 元の計算構造データ、D12 変
更計算構造データ。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被シミュレーション回路を規定したネッ
    トリストを受け、前記被シミュレーション回路内のデバ
    イスを特定する所定の解析ブロックを、所定方向に沿っ
    て、前記所定の解析ブロックとの等価性を維持しながら
    複数の部分解析ブロックに分割し、前記所定の解析ブロ
    ックを複数の部分解析ブロックに変更した新たな被シミ
    ュレーション回路を規定した変更ネットリストを出力す
    る解析ブロック分割手段と、 前記変更ネットリストで規定された被シミュレーション
    回路に対して回路シミュレーションを実行する回路シミ
    ュレーション手段とを備え、 前記解析ブロック分割手段は、前記複数の部分解析ブロ
    ックそれぞれの回路シミュレーション用特性値を個別設
    定可能であることを特徴とする、シミュレーション装
    置。
  2. 【請求項2】 前記複数の部分解析ブロックそれぞれの
    前記回路シミュレーション用特性値を決定する情報を含
    む入力パラメータを前記解析ブロック分割手段に入力す
    るパラメータ入力手段をさらに備え、 前記解析ブロック分割手段は、前記入力パラメータに基
    づき、前記複数の部分解析ブロックそれぞれの前記回路
    シミュレーション用特性値を設定する、請求項1記載の
    シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の解析ブロックは抵抗成分を考
    慮したMOSトランジスタを含み、前記所定の方向は前
    記MOSトランジスタのゲート幅方向を含む、請求項1
    あるいは請求項2記載のシミュレーション装置。
  4. 【請求項4】 前記ブロック分割手段は、さらに、前記
    複数の部分解析ブロックのうち隣接する部分解析ブロッ
    ク間を接続抵抗を介して電気的に接続する、請求項3記
    載のシミュレーション装置。
  5. 【請求項5】 3次元のデバイスシミュレーションが可
    能な被シミュレーション回路構造を規定した計算構造デ
    ータを受け、前記被シミュレーション回路構造内のデバ
    イスを特定する3次元構造の所定の解析領域を、所定の
    方向に沿って、前記所定の解析領域との等価性を維持し
    ながら、各々が2次元のデバイスシミュレーションが可
    能な複数の部分解析領域に分割し、前記所定の解析領域
    を前記複数の部分解析領域に変更した新たな被シミュレ
    ーション回路構造を規定した変更計算構造データを出力
    する解析領域分割手段と、 前記変更計算構造データで規定された被シミュレーショ
    ン回路構造に対して2次元のデバイスシミュレーション
    を実行するデバイスシミュレーション手段と、を備える
    シミュレーション装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の部分解析領域それぞれのデバ
    イスシミュレーション用の特性値を決定する情報を含む
    入力パラメータを前記解析領域分割手段に入力するパラ
    メータ入力手段をさらに備え、 前記解析領域分割手段は、前記入力パラメータに基づ
    き、前記複数の部分解析領域それぞれのデバイスシミュ
    レーション用の特性値を個別設定する、請求項5記載の
    シミュレーション装置。
  7. 【請求項7】 前記所定の解析領域は抵抗成分を考慮し
    たMOSトランジスタを含み、前記所定の方向は前記M
    OSトランジスタのゲート幅方向を含む、請求項5ある
    いは請求項6記載のシミュレーション装置。
  8. 【請求項8】 前記解析領域分割手段は、前記複数の部
    分解析領域のうち隣接する部分解析領域間を接続抵抗を
    介して電気的に接続する、請求項7記載のシミュレーシ
    ョン装置。
  9. 【請求項9】 (a)被シミュレーション回路を規定した
    ネットリストを読み込むステップと、 (b)前記被シミュレーション回路からデバイスを特定す
    る所定の解析ブロックを分割対象として選択するステッ
    プと、 (c)前記所定の解析ブロックを、所定方向に沿って、複
    数の部分解析ブロックに分割するとともに、前記複数の
    部分解析ブロックの回路シミュレーション用特性値をそ
    れぞれ個別設定するステップと、 (d)前記所定の解析ブロックとの等価性を維持すべく前
    記複数の部分解析ブロック間を電気的接続した後、前記
    所定の解析ブロックを前記複数の部分解析ブロックに変
    更した被シミュレーション回路を規定した変更ネットリ
    ストを出力するステップと、 (e)前記変更ネットリストで規定された被シミュレーシ
    ョン回路に対して回路シミュレーションを実行するステ
    ップと、を備えるシミュレーション方法。
  10. 【請求項10】 (a)3次元のデバイスシミュレーショ
    ンが可能な被シミュレーション回路構造を規定した計算
    構造データを読み込むステップと、 (b)前記被シミュレーション回路構造内のデバイスを特
    定する3次元構造の所定の解析領域を分割対象として選
    択するステップと、 (c)前記所定の解析領域を、所定の方向に沿って、各々
    が2次元のデバイスシミュレーションが可能な複数の部
    分解析領域に分割するステップと、 (d)前記所定の解析領域との等価性を維持すべく前記複
    数の部分解析領域を互いに電気的に接続して、前記所定
    の解析領域を前記複数の部分解析領域に変更した被シミ
    ュレーション回路構造を規定した変更計算構造データを
    出力するステップと、 (e)前記変更計算構造データで規定された被シミュレー
    ション回路構造に対して2次元のデバイスシミュレーシ
    ョンを実行するステップと、を備えるシミュレーション
    方法。
  11. 【請求項11】 (a)仮製造プロセス条件が設定された
    製造プロセスで製造された場合の所定の半導体集積回路
    を被シミュレーション回路として、請求項9記載のシミ
    ュレーション方法を実行させるステップと、 (b)前記ステップ(a)のシミュレーション結果に基づき、
    前記被シミュレーション回路の所定の基準に対する良否
    を判定するステップと、 (c)前記ステップ(b)の判定が否の場合に、前記仮製造プ
    ロセス条件を変更し、ステップ(a),(b)を再度実行させ
    るステップと、 (d)前記ステップ(b)の判定が良の場合に、前記仮製造プ
    ロセス条件を前記所定の半導体集積回路の実際の製造に
    用いる実製造プロセス条件として設定するステップと、 を備えた製造プロセス条件設定方法。
  12. 【請求項12】 (a)仮製造プロセス条件が設定された
    製造プロセスで製造された場合の所定の半導体集積回路
    を被シミュレーション回路として、請求項10記載のシ
    ミュレーション方法を実行させるステップと、 (b)前記ステップ(a)のシミュレーション結果に基づき、
    前記被シミュレーション回路の所定の基準に対する良否
    を判定するステップと、 (c)前記ステップ(b)の判定が否の場合に、前記仮製造プ
    ロセス条件を変更し、ステップ(a),(b)を再度実行させ
    るステップと、 (d)前記ステップ(b)の判定が良の場合に、前記仮製造プ
    ロセス条件を前記所定の半導体集積回路の実際の製造に
    用いる実製造プロセス条件として設定するステップと、
    を備えた製造プロセス条件設定方法。
  13. 【請求項13】 請求項9記載のシミュレーション方法
    を実行させるためのプログラムが記録されている、コン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 【請求項14】 請求項10記載のシミュレーション方
    法を実行させるためのプログラムが記録されている、コ
    ンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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