JP2000260417A - 積層型電池 - Google Patents
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Abstract
させることができ、また、集電処理のためのデッドスペ
ースおよび電池自体の重量を小さくすることができ、製
造コストが安価で、かつ、エネルギー密度、出力密度の
高い積層型電池を提供する。 【解決手段】 正極シートおよび負極シートを積層した
積層電極体50を有する積層型電池において、電極合材
層が形成されていない部分を設けた電極シートを積層さ
せて積層電極体50を形成し、この電極合材層未形成部
13(23)つまり金属箔集電体のみからなる部分を突
出させ、さらに、この部分を積層電極体50の積層端面
に該平行に折り曲げることより重畳させ、この重畳した
部分に、板状の集電端子部材60を接合させるという集
電処理方式を採用する。
Description
極体を備えてなる積層型電池であって、集電構造に特徴
を有する積層型電池に関する。
い、高エネルギー密度の電池が要求され、情報関連機
器、通信機器等の分野では、リチウムイオン二次電池が
既に実用化され広く普及するに至っている。リチウムイ
オン二次電池のような二次電池は、一般に、起電反応の
素となる活物質を金属箔製の集電体表面に塗工したシー
ト状の電極を捲回してあるいは複数枚を重ね合わせて積
層することにより電極体を形成させ、この電極体を電解
液とともに電池缶内に収納して構成されている。そし
て、このような電極積層型電池において、電極体から電
池外部への集電方法としては、集電体の一部に短冊状の
リードを設け、このリードの一端を外部へ通ずる端子に
接合することによって行われている。
車の開発が急がれる中、高性能なリチウムイオン二次電
池等を電気自動車用の電源に使用するといった試みもな
され、二次電池の大容量化は一層進展するものと考えら
れる。上記のような電極を捲回してなる筒型電池の場
合、大容量化させるためには電極面積を増大化させるこ
とが必要となる。ところが、電極面積を増大化させた場
合、電池の内部抵抗(通電抵抗)を小さい状態に保ちつ
つ電極の隅々から効率よく集電するためには、上記集電
用リードを1つの電極に数多く付設する必要があり、集
電のための機構を複雑化、煩雑化させることにつなが
る。また、電池内に集電のためのスペースを多く必要と
し、電池の出力体積密度、エネルギ体積密度を小さくす
るものとなっていた。
層型電池の集電機構として、特開平9−92335号公
報、特開平9−92338号公報、特開平9−3570
1号公報等に示すものがあった。これらに示す集電処理
の方式は、以下のようなものである。まず、帯状の集電
体の表面に幅方向の一端部に未塗工部を残すようにして
電極合材を塗工し、この未塗工部を切り欠くことによ
り、集電用リードをいくつも形成させたシート状の電極
を作成する(図13参照)。次に、これらの電極を、互
いの集電用リードが背向するように位置させ、セパレー
タを挟装させて、これらを捲回し、電極体を形成させる
(図14、図15参照)。そして、円盤状のフランジ部
とネジを形成した外部端子部とからなる集電体を用い、
電極体の捲回端面に突出した集電用リードを、電極体の
捲回端面に配置させた集電端子のフランジ部の外周に集
め、これをリングを用いて押さえつけてレーザ溶接する
(図16参照)、あるいは、集めた集電用リードをフラ
ンジ部外周に押さえつけるように数箇所の超音波接合を
行う(図17参照)方式である。あるいはまた、リード
の先端に孔を穿孔する、あるいはU字状の切込加工を
し、この孔等により係止状態で雄ネジが形成されている
電極体の捲回芯の先端部にナットで固定する方式(図1
8参照)である。なお、集電用リードの形成について
は、上記の切り欠きによるものの他、未塗工部に短冊状
の金属箔を超音波接合、抵抗溶接等の手段を用いて接合
することにより形成する方法でも行われていた(図19
参照)。
たくさんの集電用リードを形成させなけばならないた
め、このリード形成作業に多大な工数がかかり、また、
集電体からバラバラな状態で突出した集電用リードを整
然とした状態に捌くためにも多大な工数を必要とし、電
池の製造コストを大きく引き上げるものとなっていた。
さらに、レーザ溶接、超音波接合にて行う方式は、フラ
ンジ部を有する比較的大型の集電端子部品を必要とする
ため、集電端子部品の重量および体積が、電池のエネル
ギー密度、出力密度を低下させる要因となっていた。ま
た、集電用リード先端の孔等を係止させる方式は、孔等
を形成させる工数の増大に加え、ナットでの締込みとい
う機械的な締結であるため、接触による通電抵抗が大き
く、やはり電池のエネルギー密度、出力密度を低下させ
る要因となっていた。
電極捲回型Ni−Cd電池についての集電方式として、
特公昭60−31066号公報に示すものが紹介されて
いる(図20参照)。この方式は、集電体の表面に活物
質からなる電極合材層を形成させて電極を作製し、この
電極を捲回して電極体を構成させ、電極体の捲回端面を
構成する集電体の端面に、板状の集電端子部品を超音波
接合させるものである。この方式によれば、電極に集電
用リードを設ける必要がなく、集電処理作業の迅速化が
図れるという利点、および、比較的薄い集電端子部品を
用いることで、集電処理のためのデッドスペースを小さ
くできるという利点があった。しかし、集電体の端面に
接合させるため、接合面積は小さく、通電抵抗が大きい
ものとなり、電池のエネルギー密度、出力密度が向上し
ないという欠点があった。また、リチウム二次電池等の
ように、集電体が非常に薄い(30μm以下)場合は、
接合すること自体が困難であり、接合面積も極めて小さ
く、大容量化を目的とする場合、エネルギー密度、出力
密度を向上させることができないことが、致命的なもの
となっていた。
させて構成された積層型電池において、上記従来の集電
方式の抱える問題を解決すべくなされたものであり、集
電処理に対する作業工数を大幅に減少させるとともに、
電極を構成する集電体と集電端子部品との接合面積を増
大させることを課題とし、製造コストが安価であって、
エネルギー密度、出力密度の高い積層型電池を提供する
ことを目的としている。
正極シートおよび負極シートまたはこれらの部分が複数
回積層された積層電極体と、該積層電極体を構成する各
前記正極シートおよび負極シートから集電するそれぞれ
の集電端子部材とを備えてなる積層型電池であって、前
記正極シートおよび前記負極シートは、金属箔製のそれ
ぞれの集電体と、該集電体の表面に形成されたそれぞれ
の電極合材層とからなり、前記正極シートと前記負極シ
ートの少なくとも一方の前記集電体は、前記積層電極体
より突出するとともに少なくともその一部が折り曲げら
れて互いに重畳する前記電極合材層が形成されていない
電極合材層未形成部を有し、少なくとも一方の前記集電
端子部材は、板状部を有し、該板状部が前記電極合材層
未形成部の重畳する部分に接合されていることを特徴と
する。
層が形成されていない部分を設けた電極を積層させて電
極体を形成し、この電極合材層未形成部つまり金属箔集
電体のみからなる部分を突出させ、さらに、この部分を
電極体の積層端面に該平行に折り曲げることより重畳さ
せ、この重畳した部分を、板状の集電端子部材を接合さ
せるという集電処理方式を採用するものである。このよ
うな集電処理方式を採用することにより、本発明の積層
型電池は、集電用リードを電極に付設することを必要と
せず、集電処理作業に要する作業工数を大幅に減少させ
ることができるものとなる。また、本電池では、集電体
の端面ではなく平面部にて接合させているために、接合
面積が大きく、内部抵抗が小さく、エネルギー密度、出
力密度の高い電池となる。さらに、板状の集電端子部材
は比較的薄い軽量のものを採用することができるため、
集電処理のためのデッドスペースおよび電池自体の重量
を小さくすることができ、この点からも、エネルギー密
度、出力密度の高い電池となる。
形態について、製造方法とともに説明する。説明の便宜
上、リチウムイオン二次電池についての実施形態につい
て説明するが、本発明の積層型電池は、リチウムイオン
二次電池に限られず、金属箔製の集電体表面に活物質を
含む電極合材からなる層を形成させた電極を有し、この
電極を積層させて構成される電池であれば、例えば、ニ
ッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等、種々の電
池について適用できる。また、一次電池、二次電池を問
うものでなく、また、電気二重層キャパシタにも適用が
できるため、本明細書において、電池とは、この電気二
重層キャパシタをも含むことを意味する。
形態であるリチウムイオン二次電池では、金属箔製集電
体の表面に活物質を含む電極合材を層状に形成させた電
極シートを使用する。本実施形態で用いる正極シートお
よび負極シートを図1に模式的に示す。正極シート10
は、帯状金属箔製の正極集電体11とその表面に形成さ
れた正極合材層12とからなり、負極シート20は帯状
金属箔製の負極集電体21とその表面に形成された負極
合材層22とからなる。正極シート10および負極シー
ト20の長さおよび幅については、作成しようとする電
池の容量、電極の積層方式等に応じて任意のものとする
ことができる。
方向の一端部に所定幅で全長にわたって正極合材層未形
成部13および負極合材層未形成部23がそれぞれ設け
られている。本発明の積層型電池では、この電極合材層
未形成部13、23に短冊状のリードを数多く付設する
といった加工を必要としないことに特徴がある。つま
り、従来技術で示したもの(図13、図19参照)とは
異なり、電極シート10、20に複数の集電用リードを
設けることを必要とせず、この電極合材層未形成部1
3、23を、直接、集電端子部材に接合する。したがっ
て、集電処理作業の迅速化が図れることとなる。電極合
材層未形成部13、23の幅は、その少なくとも一部を
折り曲げることができ、後に説明する集電端子部材との
接合において、適切な接合面積を確保できる程度であれ
ばよく、特に限定されるものではない。
材層未形成部13、23を形成させる工程、つまり、電
極合材層未形成部13、23を設けるように、集電体1
1、21の表面に電極合材層12、22を形成する工程
は、特に限定されるものでなく、種々の方法によって行
うことができる。リチウムイオン二次電池の場合、この
電極合材層12、22の形成は、連続的に塗布、乾燥が
行えるコータと呼ばれる塗工機を用いて、塗工という方
法によって行うのが一般的であり、この方法に従えばよ
い。なお、電極合材層12、22は、集電体11、21
の片面に形成するものでもよく、また集電体11、21
の両面に形成するものであってもよい。ただし、電池の
出力密度、エネルギー密度等を考慮すれば両面に形成す
るのが望ましく、その場合は両面に電極合材層未形成部
13、23を設け、両面の電極合材層未形成部13、2
3がそれぞれ幅方向の同じ一端部に位置するようにすれ
ばよい。
体11には、アルミニウム等の金属箔でその厚みは10
〜30μm程度のものを使用することができる。この正
極集電体11に塗工される正極合材は、例えば、リチウ
ム複合酸化物粉末等からなる活物質に黒鉛等の導電材、
ポリフッ化ビニリデン等の結着剤を混合し、n−メチル
ピロリドン等の溶剤を適量加えたもので、ペースト状と
なっているものを用いればよい。負極集電体21には、
銅等の金属箔でその厚みは5〜20μm程度のものを使
用することができる。この負極集電体21に塗工される
負極合材は、例えば、黒鉛等の炭素材料粉末からなる活
物質に、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤を混合し、n
−メチルピロリドン等の溶剤を適量加えたもので、正極
合材同様、ペースト状となっているものを用いればよ
い。なお電極合材層の厚みは、片面あたり、30〜25
0μmとするのが望ましい。
についての実施形態である本実施形態の場合、上記正極
シートおよび負極シートを、その間にセパレータを挟装
させて積層し、電極体を形成させる。積層方式には、大
別して2つの方式があり、そのいずれをも採用できる。
一つは、従来技術で示したのと同様の方式であり、帯状
の長い正極シートおよび負極シートそれぞれ1枚ずつ
を、その間にセパレータを介して捲回して、電極体を形
成させる方式である。この方式により、正極シートおよ
び負極シートの各部分は、互いに幾重にも積層させられ
ることになる。電極シートを捲回して積層電極体を形成
させる様子を、図2に模式的に示す。
して、セパレータ30、負極シート20、セパレータ3
0、正極シート10の4枚を層状に重ねて捲回する。こ
の際、正極シート10の正極合材層未形成部13と負極
シート20の負極合材層未形成部23が、幅方向で互い
に背向し、正極合材層未形成部13がセパレータ30お
よび負極シート20より突出し、負極合材層未形成部2
3がセパレータ30および正極シート10より突出する
ように重ね合わせる。なお、セパレータ30は、正極シ
ート10および負極シート20を物理的に隔離し、電解
液を保持する役割を果たすものであり、リチウムイオン
二次電池の場合、例えば、厚さ20〜40μm程度のポ
リエチレン等の微多孔質膜を用いるのができる。なお、
セパレータの幅は、絶縁を担保するため、正極合材層お
よび負極合材層の塗工幅より若干広くするのが望まし
い。ちなみに、電極シートおよびセパレータの捲回は、
捲回機を用い、正極シート10、負極シート20、2枚
のセパレータ30のそれぞれに対して、長手方向にテン
ションをかけ、それぞれが弛まないように行う。
ール状(渦巻状)の積層電極体が完成する。形成された
積層電極体を、図3に模式的に示す。この図が示すよう
に、積層電極体50は、正極合材層未形成部13および
負極合材層未形成部23が、正極合材層および負極合材
層が重ね合わされて捲回されている部分より捲回端面
(積層端面)の両側に突出した格好になっている。つま
り、それぞれの電極合材層未形成部13、23が、それ
ぞれ隣接した状態で、積層電極体50より突出するもの
となっている。以下、本明細書において、このように電
極シートを捲回して積層させる方式を「捲回積層型」と
いう。なお、捲回芯40は、捲回後抜き取ることもで
き、そのまま残した状態で積層電極体50を構成するこ
ともできる。また、図3に示すような円筒状の積層電極
体に限らず、断面が楕円状、偏平楕円状、あるいは多角
形状の積層電極体とするものであってもよい。
の形成方式は、正極シートおよび負極シートをそれぞれ
複数枚用い、それらをセパレータを介し、交互に幾重に
も重ね合わせる方式である。以下、本明細書において、
この方式のものを、「重畳積層型」という。重畳積層型
の積層電極体の形成の様子について、その一例を図4に
模式的に示す。図4に示す形態のものは、方形の正極シ
ート10および負極シート20を用いている。この方形
の電極シート10、20は、例えば、図1に示した帯状
の長いものを、所定の長さに切断する等して作製すれば
よい。また、図4で示すものは、電極合材層未形成部1
3、23を互いに背向するように配置し、かつ、一方の
電極合材層未形成部13(23)が、正極合材層12お
よび負極合材層22が重ね合わさる部分より突出するよ
うな状態で、正極シート10および負極シート20が重
畳されて積層電極体50を完成する。したがって、捲回
積層型同様、完成された、積層電極体は、それぞれの電
極合材層未形成部13、23が、それぞれ隣接した状態
で、積層電極体50より突出するものとなっている。
する積層端面からそれぞれの電極合材層未形成部13、
23が突出する態様のものとなっている。重畳積層型を
採用する場合、この態様に限られず、方形の電極シート
10、20を用いる場合、隣り合う積層端面からそれぞ
れの電極合材層未形成部13、23が突出する態様のも
のとすることができる。また、図5に示すように、電極
合材層未形成部13、23を電極シート10、20の一
部に設けて、両極の絶縁を確保した状態で、積層電極体
50の同じ積層端面から電極合材層未形成部13、23
突出させる態様のものとすることもできる。このように
同じ積層端面から突出させる場合は、2箇所以上の積層
端面での集電処理を必要とせず、後に説明する集電端子
部材による集電処理スペースを小さくできるという利点
がある。
積層型電池における集電処理方式を模式的に示せば、図
6および図7のようになる。図6(a)は、捲回積層型
の積層電極体についての集電処理方式であり、図6
(b)は、重畳積層型の積層電極体についての集電処理
方式である。また、図7は、その断面を拡大して示した
ものである。この集電処理方式は、上記のように積層電
極体50から突出させた電極合材層未形成部13の少な
くとも一部を折り曲げ、隣接する電極合材層未形成部1
3の一部を重畳させ、この重畳する部分に集電端子部材
60を接合させるものである。なお、図7は正極側の集
電の様子を示しており、正極負極の接触による短絡を防
止するため、正極シート10の正極合材層12のある部
分を、負極シート20の負極合材層22のある部分よ
り、若干量突出させる格好となっている。
の箔端面を接合する従来の集電処理方式と異なり、本発
明の積層型電池の集電方式では、電極合材層未形成部を
折り曲げ、集電体の表面を集電端子部材に接合させてい
る。したがって、集電体が10μm〜30μmという非
常に薄いものであっても、本発明の積層型電池の集電処
理方式は、充分な接合強度の得られるものとなる。ま
た、本集電処理方式では、集電体表面で接合させること
で、接合面積を広くすることができることから、接合部
での通電抵抗を小さいものとすることができ、本発明の
積層型電池は、エネルギー密度、出力密度の高い電池と
なる。
部を有するものを用い、この板状部を電極合材層未形成
部に接合させる。互いに重畳するように折り曲げた電極
合材層未形成部は、積層電極体の積層端面に概平行な状
態となるため、折り曲げた電極合材層未形成部の表面に
接合される集電端子部材の接合面も、積層電極体の積層
端面と概平行になる。集電端子部材を板状のものあるい
は板状部を有することとしたのは、集電処理のためのス
ペースを小さくすることにより、充放電に寄与しないデ
ッドスペースを小さくし、電池の体積効率(エネルギー
体積密度、出力体積密度等)を高めるためである。
反応電位等を考慮すれば、電極合材層未形成部つまり電
極を構成する集電体と同じ材質であることが望ましい。
リチウムイオン二次電池の場合、例えば、正極側から集
電する集電端子部材には、アルミニウム等を、負極側か
ら集電する集電端子部材には銅等を用いるのが望まし
い。
合は、特に限定するものではなく、超音波接合、導電性
接着剤を用いた接着、ろう材を両者の間に介して行うろ
う付け等、種々の方法を採用できる。これらの中でも、
超音波接合法による接合は、電極体への熱影響が少な
く、接合部における通電抵抗が小さく、また接合強度も
充分確保できかつ接合作業の迅速性に優れるといった利
点を有するため、この超音波接合法を採用することが望
ましい。
波接合する様子を、図8に示す。超音波接合は、超音波
接合機にて行えばよい。超音波接合機は、図に示されて
いない受台(アンビル)と、この受台に対向する位置に
あって、受台に向かう方向に加圧することができ、かつ
超音波振動を伝達するホーン71と、ホーン先端に取付
けられたチップ72とからなる。受台の上に積層電極体
50を支持させ、積層電極体50から突出する電極合材
層未形成部13(23)を互いに隣接する部分が重畳す
るように折り曲げ、この部分に板状の集電端子部材60
を載せる。チップ71を集電端子部材60の接合面とな
る反対側の面に当接させ、さらにその面を加圧する(図
のAの方向)。加圧した状態で、ホーン71により横振
動(例えば、図のBの方向)をチップ72に伝達させ
る。チップ72の横振動により電極合材層未形成部13
(23)と集電端子部材60の接合面との間で摩擦が生
じ、この結果、電極合材層未形成部13(23)と集電
端子部材60とが接合される。そして、この操作を、チ
ップ72を移動させながら(例えば、図のCの方向)行
うことにより、隣接する各電極合材層未形成部をすべて
集電端子部材に接合させることができる。
さ等によって若干異なるものとなるが、20kHz〜4
0kHz程度のものでよい。このように、超音波接合に
よれば、簡便かつ迅速な操作を行うだけで、充分な接合
強度が得られ、かつ、通電抵抗の小さな接合部が確保さ
れる。なお、この超音波接合法を用いる場合、電極合材
層未形成部の重畳されている部分にも振動が伝わり、電
極合材層未形成部どうしも接合される。そのため接合面
積はかなり大きいものとなり、電極合材層未形成部どう
しの接合は、接合部の接合強度の向上、通電抵抗の減少
に大きく貢献している。
については、電池の容量、電極シートの面積等に応じて
任意のものとできる。板状部の面積を広く採れば、接合
部の面積も大きくすることができ、通電抵抗を減少させ
ることができる。ただし、接合面が大きすぎれば、超音
波接合の作業工数が増大し、また集電端子部材の重量も
大きくなることから、これらを総合して決定すればよ
い。また、集電端子部材の板状部の厚さも、作業性、部
材自体および接合部の強度、電池の体積効率、電池全体
の重量等を考慮し、任意の厚さに決定すればよい。
ト、負極シートから集電された積層電極体は、電池缶に
挿設される。一般に、電池には外部端子が設けられるた
め(電池缶または蓋が外部端子の機能を果たす場合もあ
る)、集電端子部材と外部端子との間を電気的に導通さ
せる必要がある。集電端子部材と外部端子との導通の方
式は、特に限定するものではなく、一般の電池で採用さ
れている方式を用いればよい。例えば、通電抵抗を考慮
した充分な断面積を持つ金属箔あるいは金属片のリード
を用い、このリードの両端を集電端子部材および外部端
子のそれぞれに接合させる方式などである。また、電池
缶が外部端子を兼ねる場合にあっては、何らかの方法に
て、集電端子部材を直接電池缶に接合させるものであっ
てもよい。
略化させるため、集電端子部材に外部端子の機能をも兼
用させる態様を採用することができる。つまり、集電端
子部材を、電極合材層未形成部に接合させるための板状
部と、外部端子となる外部端子部とからなるように構成
する態様である。この板状部と外部端子部とからなる集
電端子部材を用いた実施形態を、図9に模式的に示す。
ついての実施形態を示し、図9(b)は、重畳積層型の積
層電極体についての実施形態を示す。図9(a)に示す
実施形態で用いる集電端子部材60は、十字形の板状部
61と、その中心であって一方の板状面から突出させる
ように付設され先端に雄ネジを形成した円柱状の外部端
子部62とからなる。板状部61の外部端子部62が設
けられていない面(図の裏面)を電極合材層未形成部1
3(23)に接合させている。集電端子部材60を接合
後、積層電極体50を電池缶に挿設して電池を組付ける
際、外部端子部62は、電池缶あるいは電池缶を密閉す
る蓋からシール材を介して外部に突出させられ、電池の
外部端子としての役割を果たすことになる。図9(b)
に示す実施形態で用いる集電端子部材60は、図9
(a)に示すものと同様に、板状部61と、その一面か
ら突出させた外部端子部62とからなり、板状部61の
外部端子部62が設けられていない面(図の裏面)をそ
れぞれの電極合材層未形成部13、23に接合させてい
る。そして、同様に、外部端子部62は、電池を組付け
ることによって、外部端子の役割を果たす。
一体的に形成させることにより、外部端子と集電端子部
材との間の導通処理を施すための作業が省略されるた
め、電池組付け作業が短縮され、電池の製造コストをよ
り削減することが可能となる。なお、図に示す実施形態
では、外部端子部に雄ネジを形成させているが、この態
様に限られず、接続される相手部品に応じた種々の態様
のものとできる。外部端子部は、板状部に溶接等により
接合することにより設けてもよく、また、ネジ止め、カ
シメ等の機械的接合によるものでもよく、さらに、1つ
の材料から折り曲げ、削り出し等の方法によって設けら
れるものであってもよい。
に、捲回芯を用いて捲回形成される。この捲回芯を、捲
回中心に残したまま積層電極体を構成させることもでき
る。捲回芯を有する捲回積層型の積層電極体にあって
は、集電端子部材をこの捲回芯に止着させる態様の集電
処理方式を採用することもできる。集電端子部材を捲回
芯に止着させた態様の集電処理方式を、図10に模式的
に示す。
示すものの変形態様である。集電端子部材60は十字形
状の板状部61と、板状部61と分離可能な外部端子部
62からなる。積層電極体50の捲回中心にある巻芯4
0は、その端部に雌ネジ41が形成されている。外部端
子部62には、この雌ネジ41に嵌合する雄ネジ63が
形成されており、板状部61には、その中央に雄ネジ6
3が挿通される孔64が穿孔されている。
極体50の電極合材層未形成部13(23)が折り曲が
って重畳するように、集電端子部材60の板状部61を
積層電極体50の捲回端面(積層端面)に付設する。次
に、板状部61の孔64を利用して、外部端子部62の
雄ネジ63を捲回芯40の雌ネジ41に勘合させること
により、板状部61を捲回芯40に止着させる。この
後、板状部61と電極合材層未形成部13(23)と
を、例えば上述したような超音波接合等の手段により、
接合させればよい。なお、板状部61の捲回芯40への
止着は、接合後に行うものであってもよい。
0に固定される態様の集電処理方式は、機械強度的にも
より優れた集電処理方式となる。また、板状部61の止
着後、電極合材層未形成部13(23)との接合を行え
ば、接合作業自体も、より安定したものとなる。図10
に示す態様は、ネジによって板状部を捲回芯に止着させ
ているが、止着の方法はネジによる方法に限定されるわ
けではなく、カシメ、圧入、接着等、種々の方法を採用
することができる。なお、図10に示す態様のものは外
部端子部を有するものであるが、集電端子部材が外部端
子部を有しない場合であっても、集電端子部材を捲回芯
に止着させる態様のものを採用することも可能である。
された積層電極体は、一般に、その積層電極体の形状に
応じた電池缶に挿設され、電解液を注入した後に、電池
缶蓋を被せて電池缶を密閉して電池が完成させられる。
リチウムイオン二次電池の場合、例えば、電池缶が正極
側の外部端子を兼ねるような場合は、電池缶はアルミニ
ウム等の金属製のものを使用すればよく、負極の外部端
子を兼ねるような場合は、銅、ニッケル、ステンレス鋼
板等の金属製のものを使用すればよい。また、電池缶蓋
についても、正極側あるいは負極側の外部端子を兼ねる
場合は、電池缶の場合に使用した材質からなる金属製の
ものを使用すればよい。なお、リチウムイオン二次電池
の場合、注入される電解液には、例えば、エチレンカー
ボネート、ジエチルカーボネート等の有機溶媒にLiB
F 4、LiPF6等の電解質を溶解させた非水電解液を使
用することができる。
いて、その数例を示した。上記の実施形態においては、
正極側および負極側ともに、板状部を有する集電端子部
材を用い、この板状部に電極合材層未形成部を折り曲げ
て接合する集電処理方式を採用している。本発明の積層
型電池においては、作製しようとする電池の種類、形
式、構造等に応じ、正極側、負極側のいずれか一方の側
に上記集電処理方式を採用し、他方の側については、従
来から採用されている公知の集電処理方式を採用するも
のであっても構わない。
良好なものであることは先に述べた。上記実施形態に基
づき、実際に、捲回積層型の積層電極体を有する積層型
電池を作製し、従来からの集電処理方式を採用する積層
型電池と比較し、本発明の積層型電池が集電処理に必要
となるスペースを小さくできることを確認した。以下
に、これを実施例として掲げる。
態様の、捲回積層型の積層電極体を有するリチウムイオ
ン二次電池である。正極シートは、20μmの厚さのア
ルミニウム箔集電体の両面にそれぞれ厚さ50μmの正
極合材層を形成させた帯状のものを使用し、負極シート
は、10μmの厚さの銅箔集電体の両面にそれぞれ厚さ
40μmの負極合材層を形成させた帯状のものを使用し
た(図1参照)。正極シートおよび負極シートの幅はそ
れぞれ、50mm、54mmで、長さはそれぞれ8m、
8.5mとし、正極合材層未形成部および負極合材層未
形成部の幅はどちらも5mmとした。この正極シートお
よび負極シートを捲回した積層電極体(図3参照)を、
上記図9(a)のように、板状部を有する集電端子部材
を用い、この板状部に正極合材層未形成部、負極合材未
形成部を折り曲げ、直接超音波接合にて接合した。集電
処理後、電池缶に挿設し電池を完成させた。図11にそ
の様子を示す。
の、捲回積層型の積層電極体を有するリチウムイオン二
次電池である。上記実施例で用いた正極シート、負極シ
ートの正極合材層未形成部、負極合材層未形成部のそれ
ぞれに、短冊状の集電用リードを超音波接合にて付設し
たものを正極シート、負極シートとして用いた(図19
参照)。集電用リードの材質は、正極集電体、負極集電
体と同じ材質とし、その厚さは50μm、幅は10m
m、長さは50mmとした。この正極シートおよび負極
シートを捲回した積層電極体に対し、図17に示す様
に、比較的厚いフランジ部を有する集電端子部品を用
い、フランジ部の周囲に集電用リードを超音波接合して
集電処理を行った。集電処理した後、電池缶に挿設し電
池を完成させた。図12にその様子を示す。
実施例および比較例の積層型電池は、正極側、負極側と
も同じ集電処理方式を採用しているため、負極側につい
て比較する。比較例の積層型電池は、図12(b)に示
すように、5mm幅の負極合材層未形成部23に、短冊
状の集電用リード92を付設しているため、積層電極体
50の積層端面(厳密には負極合材層が存在する部分)
からフランジを有する集電端子部品91までの間隔を7
mm必要とした。さらに、図12(a)に示すように、
フランジの外周部に接合させるため、集電端子部品91
のフランジ部の厚さが5mm必要となった。これに対し
て、実施例の積層型電池は、図11(b)に示すよう
に、負極合材層未形成部23を折り曲げて集電端子部材
60の板状部表面に直接接合させているため、集電端子
部材60と積層電極体50の積層端面との間隔を4mm
しか必要としない。さらに、図11(a)に示すよう
に、集電端子部材60は、その板状部の厚みを2mmし
か必要としない。したがって、実施例の積層型電池の場
合の集電処理に必要なスペースは、同じ積層電極体を有
する比較例の積層型電池にの場合と比較して、片方の極
あたり6mmの厚さ分だけ小さくすることができる。
処理のためのスペースを小さくすることができること
で、体積効率(エネルギー体積密度、出力体積密度)の
良好な電池となることが確認できた。さらに、比較的薄
い集電端子部材を使用できることから、電池自体の重量
をも軽くでき、エネルギー重量密度、出力重量密度をも
大きい電池のなることが確認できた。さらにまた、多数
の短冊状の集電用リードを付設する作業を必要とせず、
また、この集電用リードを捌くといった作業をも必要と
しないことから、本発明の積層型電池が集電処理作業に
必要な工数を大幅に削減できることをも確認できた。
成されていない部分を設けた電極シートを積層させて積
層電極体を形成し、この電極合材層未形成部つまり金属
箔集電体のみからなる部分を突出させ、さらに、この部
分を積層電極体の積層端面に該平行に折り曲げることよ
り重畳させ、この重畳した部分に、板状の集電端子部材
を接合させるという集電処理方式を採用する。このよう
な集電処理方式を採用することで、本発明の積層型電池
は、集電処理作業に要する作業工数を大幅に減少させる
ことができ、また、集電処理のためのデッドスペースお
よび電池自体の重量を小さくすることができ、製造コス
トが安価で、かつ、エネルギー密度、出力密度の高い電
池となる。
用することのできる正極シートおよび負極シートを示
す。
極シートおよび負極シートを捲回して積層電極体を形成
させる様子を示す。
ることができる捲回積層型の積層電極体を示す。
数枚の正極シートおよび負極シートを重畳させて積層電
極体を形成させる様子を示す。
できる重畳積層型の積層電極体であって、同じ積層端面
から正極側、負極側の電極合材層未形成部を突出させた
態様の積層電極体を示す。
用することのできる集電処理方式の態様を示す。
集電処理方式において、集電処理されている部分の断面
を拡大して示す。
電端子部材が電極合材層未形成部に超音波接合される様
子を示す。
部端子部を設けた集電端子部材を用いて集電処理する態
様のものを示す。
積層電極体を有する積層型電池の実施形態において、集
電端子部材が捲回芯に止着された態様のものを示す。
式を示す。
示す。
層型電池において使用されている電極シートであって、
短冊状の集電用リードを設けた電極シートを示す。
層型電池において、電極シートを捲回して積層電極体を
形成させる様子を示す。
層型電池において、電極シートを捲回して形成された積
層電極体を示す。
層型電池において、フランジ部有する集電端子部品を用
い、集電用リードを集電端子部品のフランジ部にレーザ
溶接することによって集電処理する様子を示す。
層型電池において、フランジ部有する集電端子部品を用
い、集電用リードを集電端子部品のフランジ部に超音波
接合することによって集電処理する様子を示す。
層型電池において、集電用リードの先端部を加工し、こ
の先端部を捲回芯端部に係止させることによって集電処
理する様子を示す。
層型電池において使用されている電極シートであって、
短冊状の集電用リードを接合によって設けた電極シート
を示す。
層型電池において、電極体の積層端面を構成する集電体
の端面を集電端子部材に接合させた集電処理方式を示
す。
Claims (4)
- 【請求項1】 正極シートおよび負極シートまたはこれ
らの部分が複数回積層された積層電極体と、該積層電極
体を構成する各前記正極シートおよび負極シートから集
電するそれぞれの集電端子部材とを備えてなる積層型電
池であって、 前記正極シートおよび前記負極シートは、金属箔製のそ
れぞれの集電体と、該集電体の表面に形成されたそれぞ
れの電極合材層とからなり、 前記正極シートと前記負極シートの少なくとも一方の前
記集電体は、前記積層電極体より突出するとともに少な
くともその一部が折り曲げられて互いに重畳する前記電
極合材層が形成されていない電極合材層未形成部を有
し、 少なくとも一方の前記集電端子部材は、板状部を有し、
該板状部が前記電極合材層未形成部の重畳する部分に接
合されていることを特徴とする積層型電池。 - 【請求項2】 前記集電端子部材の板状部と前記電極合
材層未形成部の重畳する部分との接合は、超音波接合に
よってなされている請求項1に記載の積層型電池。 - 【請求項3】 前記少なくとも一方の集電端子部材は、
外部端子となる外部端子部を有する請求項1または請求
項2のいずれかに記載の積層型電池。 - 【請求項4】 前記積層電極体は、前記正極シートおよ
び前記負極シートが捲回芯を中心に捲回されて積層さ
れ、 前記少なくとも一方の集電端子部材は、前記捲回芯に止
着されている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
の積層型電池。
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