JP2000257663A - 筒形流体封入式防振装置 - Google Patents

筒形流体封入式防振装置

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JP2000257663A
JP2000257663A JP6304699A JP6304699A JP2000257663A JP 2000257663 A JP2000257663 A JP 2000257663A JP 6304699 A JP6304699 A JP 6304699A JP 6304699 A JP6304699 A JP 6304699A JP 2000257663 A JP2000257663 A JP 2000257663A
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fluid
vibration input
elastic stopper
main vibration
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JP6304699A
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English (en)
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Naohito Kuwayama
直仁 桑山
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デフマウント等に好適に用いられる、簡単な
構造で高減衰効果を発揮し得る筒形流体封入式防振装置
を提供すること。 【解決手段】 主たる振動入力方向の外径寸法よりもそ
れに直交する外径寸法の方が大きくされた異形軸部材1
2を採用し、該異形軸部材12と外筒部材14の間に形
成された流体室48,48内に、異形軸部材12から主
たる振動入力方向に突出する傘状の弾性ストッパ突部3
4を形成すると共に、該流体室48の周方向両側壁部に
対して肉抜孔42を形成して薄肉部44を設けた。これ
により、流体室内での弾性ストッパ突部34の変位に基
づいて、有効なダッシュポット的作用が発揮されるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用等を利用して防振効果を得るようにした流体封入式防
振装置に係り、特に、軸部材とその外周側に離間配置さ
れた外筒部材を本体ゴム弾性体で連結せしめた筒形構造
を有し、自動車のデフマウント等に好適に用いられる筒
形流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、内部に封入された流体の流動作用等を利用
して防振効果を得るようにした流体封入式防振装置の一
種として、内筒金具と、該内筒金具の径方向外方に離間
して配設された外筒金具を、本体ゴム弾性体で連結する
と共に、内筒金具を主たる振動入力方向となる径方向で
挟んだ少なくとも一方の側において、内筒金具と外筒金
具の間に位置して、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成
されることにより振動が入力される、非圧縮性流体が封
入された流体室を形成した筒形の流体封入式防振装置が
知られており、例えば、自動車用のデフマウント等への
適用が検討されている。
【0003】ところで、このような防振装置では、有効
な防振効果を発揮するように、入力振動に応じた防振特
性が要求されることとなり、例えば、自動車のデフマウ
ント等のように、径方向の入力振動に対して高減衰効果
が要求される場合がある。そのような場合、従来では、
一般に、米国特許第3698703号等に記載されてい
るように、内部に非圧縮性流体が封入されて振動入力時
に相対的な圧力差が生ぜしめられる一対の流体室を形成
すると共に、それらの流体室を相互に連通する流体流路
を設けて、該流体流路を通じて流動せしめられる流体の
流動抵抗等を利用して減衰特性を得るようにした構造が
採用されている。
【0004】ところが、このような流体流路を通じての
流体の流動抵抗等に基づいて減衰特性を得る構造では、
流体流路を形成する必要があることに加えて、大きな振
動荷重が入力される場合には、内外筒金具の過大な相対
変位量を制限するだけの目的で、別途、ストッパ機構を
付加する必要があるために、構造が複雑となり製造性や
コスト性が悪いという問題があった。
【0005】また、例えば、内筒金具から外筒金具に向
かって突出し、外筒金具への当接によって内外筒金具の
相対変位量を制限するゴム突起からなるストッパ機構を
設けたとしても、ゴム突起を支持する内筒金具が比較的
小径の円筒形状であるために、ストッパ作用時にゴム突
起に局部的な応力集中が生じ易く、耐荷重性能や耐久性
能を十分に得ることが難しいという問題があった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、簡単な構造をもって、軸直角方向の入力振
動に対する高減衰特性とストッパ機構を実現することが
出来、しかも、耐荷重性能および耐久性に優れた、新規
な構造の筒形流体封入式防振装置を提供することにあ
る。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本
発明の態様や技術的特徴は、以下に記載のものに限定さ
れることなく、明細書全体および図面に記載された発明
思想に基づいて認識されるものであることが理解される
べきである。
【0008】本発明の第一の態様は、軸部材と、該軸部
材の軸直角方向外方に離間して配設された外筒部材を本
体ゴム弾性体で連結すると共に、該軸部材を主たる振動
入力方向で挟んだ少なくとも一方の側において、壁部の
一部が該本体ゴム弾性体で構成されることにより振動が
入力される、非圧縮性流体が封入された流体室を形成し
た筒形流体封入式防振装置において、前記軸部材を、主
たる振動入力方向の外径寸法よりもそれに直交する外径
寸法の方が大きくされた異形軸部材とする一方、該軸部
材から主たる振動入力方向に向かって前記流体室内に突
出する弾性ストッパ突部を設けると共に、該弾性ストッ
パ突部における周方向両端面にそれぞれすぐり部を設け
て、該弾性ストッパ突部の突出先端部分を周方向両側に
広がる傘部とし、更に、主たる振動入力方向に直交する
方向での該軸部材の外径寸法よりも該弾性ストッパ突部
の傘部の幅寸法を小さくすると共に、前記本体ゴム弾性
体で形成された該流体室の周方向側壁部に対して、前記
軸部材の軸方向に延びる肉抜孔を形成して、それら周方
向側壁部に薄肉部を設けたことを、特徴とする。
【0009】このような第一の態様に従う構造とされた
筒形流体封入式防振装置においては、特定の異形軸部材
を採用したことにより、主たる振動入力方向における弾
性ストッパ突部の支持面積を大きく確保することが出来
るのであり、また、弾性ストッパ突部の幅寸法を該軸部
材の外径寸法よりも小さくしたことにより、ストッパ突
部の外筒部材への当接によるストッパ作用時にストッパ
突部の略全体に対して有効な圧縮力が作用せしめられる
こととなる。その結果、ストッパ突部の外筒部材への当
接によって、軸部材と外筒部材の軸直角方向でのストッ
パ機能が有効に発揮されると共に、ストッパ作用時に
も、ストッパ突部における局部的な応力集中が軽減乃至
は回避され得て、優れた耐久性が発揮されるのである。
【0010】また、弾性ストッパ突部にすぐり部を設け
て傘形状とすると共に、流体室の周方向側壁部に薄肉部
を設けたことにより、主たる振動入力時に軸部材と外筒
部材が相対変位せしめられた際、弾性ストッパ突部が流
体室内で変位せしめられることによってピストン形のダ
ッシュポット的作用が効率的に発現されることによっ
て、封入流体の流動に伴う減衰力が極めて有効に発揮さ
れて優れた防振効果が実現されるのである。
【0011】なお、かかる第一の態様において、ストッ
パ突部における軸方向(軸部材の軸方向をいう)両端面
にもすぐり部を形成しても良いが、必ずしも必要でな
い。また、ストッパ突部が配設された流体室は、軸部材
を挟んで主たる振動入力方向の少なくとも一方の側に形
成されれば良く、軸方向他方の側には、要求される防振
特性等に応じて、軸方向に貫通する肉抜孔を形成した
り、本体ゴム弾性体を充填したりする他、封入流体の流
動作用等に基づく防振効果を発揮し得る液室等を形成す
ることも可能である。
【0012】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に係る筒形流体封入式防振装置において、前記流体
室を、前記軸部材を主たる振動入力方向で挟んだ両側に
対向位置して一対形成し、それら各流体室内に前記弾性
ストッパ突部を形成すると共に、各流体室の周方向側壁
部に前記肉抜項を形成して薄肉部を設けたことを特徴と
する。このような本態様においては、一対の流体室内
で、それぞれ、ストッパ突部によるピストン形のダッシ
ュポット的作用が発現されることから、より優れた減衰
効果が発揮されると共に、各流体室内におけるストッパ
突部の外筒部材への当接によって、主たる振動入力方向
の両側で有効なストッパ機能が発揮され得る。
【0013】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に係る筒形流体封入式防振装置において、
前記軸部材の外周面から主たる振動入力方向に突出する
硬質の補強材を設けて、前記弾性ストッパ突部の前記す
ぐり部よりも基部側に埋設固着すると共に、主たる振動
入力方向に直交する方向での該補強材の幅寸法を、該弾
性ストッパ突部において前記両側すぐり部で小さくされ
た部位の幅寸法よりも大きくしたことを、特徴とする。
このような本態様においては、弾性ストッパ突部の弾性
変形特性や弾性変形量を補強材の形状や大きさで調節す
ることが可能となり、弾性ストッパ突部の突出高さが大
きい場合等においても、弾性ストッパ突部の外筒部材へ
の当接によるストッパ機能が一層安定して発揮され得
る。しかも、補強材の幅寸法が、ストッパ突部のすぐり
部形成部位における幅寸法よりも大きくされていること
により、ストッパ突部の耐久性も有利に確保され得るこ
ととなる。
【0014】さらに、本発明の第四の態様は、前記第一
乃至第三の何れかの態様に係る流体封入式防振装置にお
いて、前記流体室の周方向側壁部における薄肉部を、主
たる振動入力方向での投影において、前記弾性ストッパ
突部の周方向両端縁部よりも外方に位置せしめたこと
を、特徴とする。このような本態様においては、流体室
の周方向側壁部に薄肉部を設けたことにより、高周波の
振動入力時における流体室剛性が低減されて、高周波振
動に対する防振性能が向上され得る。また、低周波大振
幅振動の入力時にも、弾性ストッパ突部の変位に伴う流
体室内での流体流動の安定化と流動量の増大が図られる
ことにより、ダッシュポット的作用に基づく減衰性能の
向上も図られ得る。
【0015】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に係る流体封入式防振装置におい
て、前記流体室の周方向両側の内面を、主たる振動入力
方向に略直交する方向に広がるように形成すると共に、
かかる流体室の周方向両側の内面を、主たる振動入力方
向において、前記弾性ストッパ突部のすぐり部よりも軸
部材側に位置せしめたことを、特徴とする。このような
本態様においては、流体室の容積が有利に確保されるこ
とに加えて、流体室の周方向両壁部に形成された薄肉部
によるダッシュポット的作用の更なる効率化が達成され
て、より一層の防振効果の向上が図られ得る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0017】先ず、図1及び図2には、本発明の一実施
形態としての自動車用デフマウント10が、示されてい
る。このデフマウント10は、軸部材としての内筒金具
12と外筒部材としての外筒金具14が、本体ゴム弾性
体16によって弾性的に連結された構造を有しており、
内筒金具12が自動車のサブフレーム等のボデー側に固
着される一方、外筒金具14がリヤ側デファレンシャル
ハウジングに直接乃至は間接的に固着されることによ
り、デファレンシャルハウジングとボデーの間に介装さ
れて、デファレンシャルハウジングをボデーに対して防
振支持せしめるようになっている。なお、かかるデフマ
ウント10の装着状態下において、内筒金具12と外筒
金具14の間には、防振すべき振動が、図1中の略上下
方向に入力されるようになっている。
【0018】より詳細には、内筒金具12は、有底筒形
状を有しており、径方向一方向で対向する周壁部が周方
向に所定長さで平行に延びる一対の平坦部11,11と
されると共に、それらの平坦部11,11の周方向両端
部同志が半円筒部13,13で連結された、全体として
小判形乃至は扁平円筒形の筒形状を有しており、且つ軸
方向一方の開口部が、一体形成された底壁部17によっ
て覆蓋されている。この内筒金具12は、剛性材、例え
ば鉄鋼等の金属で形成されており、例えば圧延鋼板をプ
レス成形すること等によって得られたものが好適に採用
される。
【0019】また、内筒金具12の筒壁部15の外周面
には、各平坦部11の中央部分から、それぞれ、主たる
振動入力方向となる径方向に向かって突出する補強材と
しての補強突起21が、溶接等によって固着されてい
る。この補強突起21は、金属等の硬質材で形成されて
おり、内筒金具12の軸方向よりも周方向で幅広とされ
て、且つ中央部分が最も高く、周方向両側に向かって次
第に低くなる湾曲円弧形状の突出先端面を有している。
【0020】さらに、内筒金具12の底壁部17には、
二つの取付孔18,18が貫設されている。そして、こ
の内筒金具12は、図示しないボデー側部材に対して、
例えば、底壁部17の外面が重ね合わされた状態で、各
取付孔18に挿通されるボルト等によって、固定的に取
り付けられている。
【0021】また、内筒金具12の外周側には、該内筒
金具12の径方向外方に離間して周囲を取り囲むように
して、金属スリーブ20が配設されている。この金属ス
リーブ20は、内筒金具12の長軸よりも十分に大きな
内径寸法を有する大径の略円筒形状を有しており、内筒
金具12と略同一の中心軸上に配設されている。更に、
この金属スリーブ20には、内外周面に貫通する一対の
窓部22,22が、径方向一方向で対向位置して設けら
れている。これらの窓部22,22は、それぞれ、金属
スリーブ20の軸方向の中央部分に位置して、周方向に
半周弱の長さを有しており、互いに主たる振動入力方向
となる径方向(図1中の上下方向)で対向位置せしめら
れている。
【0022】そして、これら内筒金具12と金属スリー
ブ20の径方向対向面間に、本体ゴム弾性体16が介装
されている。この本体ゴム弾性体16は、全体として略
厚肉の円筒形状を有しており、図3にも示されているよ
うに、その内周面に内筒金具12が加硫接着されると共
に、外周面に金属スリーブ20が加硫接着された一体加
硫成形品24として形成されている。なお、本体ゴム弾
性体16は、内筒金具12の内周面にも回されており、
内筒金具12の内周面を略全面に亘って覆う薄肉の被覆
ゴム層26が、本体ゴム弾性体16と一体的に形成され
ている。また、本体ゴム弾性体16は、金属スリーブ2
0の外周面にも回されており、金属スリーブ20の外周
面を覆うシールゴム層27が、本体ゴム弾性体16と一
体的に形成されている。なお、シールゴム層27の表面
には、金属スリーブ20の外周面上において、各窓部2
2の開口部の回りを取り囲むようにして延びる複数条の
シールリップ28が一体形成されている。
【0023】さらに、本体ゴム弾性体16には、一対の
ポケット部30,30が、それぞれ外周面に開口して形
成されている。各ポケット部30は、本体ゴム弾性体1
6の軸方向中央部分に位置して、主たる振動入力方向た
る本体ゴム弾性体16の径方向一方向(図1中の上下方
向)で対向位置せしめられている。また、各ポケット部
30は、金属スリーブ20における窓部22の周方向両
端部を繋ぐように直線的に延びる底面30を有してお
り、かかる底面32が、内筒金具12の平坦部11の径
方向外方に位置して、該平坦部11と略平行に広がって
形成されている。そして、これら一対のポケット部3
0,30は、金属スリーブ20に設けられた一対の窓部
22,22を通じて、それぞれ一体加硫成形品24の外
周面に開口せしめられている。
【0024】また、内筒金具12の外周面に加硫接着さ
れた本体ゴム弾性体16で形成された、各ポケット部3
0の底壁部には、その中央部分からポケット部30内に
突出する弾性ストッパ突部としてのストッパ突部34が
一体形成されている。かかるストッパ突部34は、ポケ
ット部30の内法寸法:Bよりも小さいマウント軸方向
寸法bと、内筒金具12の長軸側の外径寸法(主たる振
動入力方向に直交する、図1中の左右方向での外径寸
法):Dよりも小さいマウント軸直方向寸法:Lをもっ
て形成されており、特に本実施形態では、かかるストッ
パ突部34の軸直角方向寸法:Lが、内筒金具12の平
坦部11の周方向寸法と略同じが僅かに大きい程度に設
定されている。
【0025】更にまた、ストッパ突部34には、軸直角
方向両側(図1中、左右方向両側)の端面から、それぞ
れ、内方に向かって延びる一対のすぐり部36,36が
形成されている。そして、これらのすぐり部36,36
によってストッパ突部34の軸直角方向幅寸法(図1中
の左右方向寸法)が小さくされることにより、かかるス
トッパ突部34が、内筒金具12から径方向に延びる脚
部38の先端部分において、マウント周方向両側に向か
って広がる傘部40が一体形成された形状とされてい
る。なお、傘部40の突出先端面(外周面)は、周方向
両側に行くに従って突出高さが次第に小さくなる円筒面
形状とされている。
【0026】また、各ストッパ突部34の脚部38の基
端部(内筒金具12側端部)には、内筒金具12に固設
された補強突起21が配設されて、脚部38内に埋設さ
れて加硫接着されている。この補強突起21のマウント
軸方向における幅寸法は、ストッパ突部34よりも小さ
くされており、補強突起21の脚部38のマウント軸方
向中央部分に配設されている。また、該補強突起21の
マウント軸直角方向(図1中の左右方向)における幅寸
法は、ストッパ突部34の脚部38よりは大きいが、傘
部40よりは小さく設定されており、すぐり部36,3
6の最深部よりも内筒金具12側に位置して配設されて
いる。
【0027】また一方、本体ゴム弾性体16で形成され
た、各ポケット部30の底壁部には、該ポケット部30
の周方向両側に位置する部分、即ち、ポケット部30の
周方向両側において内筒金具12と外筒金具14を径方
向に弾性連結する部分において、それぞれ、軸方向に貫
通して延びる肉抜孔42が形成されている。そして、こ
の肉抜孔42が形成されることによって、肉抜孔42と
ポケット部30の間に位置する、ポケット部30の周方
向両側の壁部が薄肉化されて、比較的容易に弾性変形が
生ぜしめられ得る薄肉部44とされている。
【0028】なお、本実施形態では、一対のポケット部
30,30の周方向両側の端部間において、内筒金具1
2と外筒金具14の径方向対向面間に介装されて、それ
ら内外筒金具12,14を径方向で直接に連結する、本
体ゴム弾性体16の弾性連結部46,46に対して、そ
れぞれ、周方向両側に位置して軸方向に貫通する肉抜孔
42,42が形成されている。換言すれば、各弾性連結
部46において、二つの肉抜孔42,42が、周方向両
側に分割して位置せしめられた状態で形成されているの
である。その結果、内筒金具12と外筒金具14は、主
たる振動入力方向に直交する軸直方向において、弾性連
結部46,46によって径方向に直接に弾性連結されて
おり、かかる軸直方向において有効なばね剛性が発揮さ
れるようになっている。
【0029】また、本実施形態では、肉抜孔42によっ
て各ポケット部30の周方向両側の壁部に形成された薄
肉部44は、何れも、主たる振動入力方向(図1中の上
下方向)での投影において、ストッパ突部34の傘部4
0の周方向両端縁部よりも軸直方向(図1中の左右方
向)外方に位置せしめられている。換言すれば、各薄肉
部44は、主たる振動入力方向での投影において、スト
ッパ突部34と重ならないように、主たる振動入力方向
に直交する方向で相互に位置をずらせて形成されている
のである。
【0030】さらに、このような構造とされた一体加硫
成形品24には、図1及び図2に示されているように、
外筒金具14が外挿され、絞り加工等で縮径されること
により、外筒金具14が、金属スリーブ20に対して、
シールゴム層27を挟んで、嵌着固定されている。これ
により、金属スリーブ20の各窓部22、ひいては各ポ
ケット部30の開口部が流体密に覆蓋されていると共
に、それら各ポケット部30には、非圧縮性流体が充填
されて封入されている。以て、それら一対のポケット部
30,30によって、壁部の一部が本体ゴム弾性体16
で構成されて、内外筒金具12,14間に入力される振
動が及ぼされる一対の流体室48,48が形成されてい
る。なお、これらの流体室48,48への封入流体とし
ては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリ
コール,シリコーン油、或いはそれらの混合物等が、何
れも採用可能であり、特に、本実施形態では、低周波振
動と高周波振動に対する防振効果を共に有利に得るため
に、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体が、好適に
採用される。
【0031】そして、各流体室48内には、内筒金具1
2側から突設されたストッパ突部34が配設されてお
り、該ストッパ突部34の突出先端面が、外筒金具14
の内周面に対して、略一定の間隙をもって対向位置せし
められていると共に、ストッパ突部34の傘部40の外
周面と流体室48の内周面との間には、傘部40の回り
を連続して環状に広がり、流体室48内における傘部4
0の軸直角方向での変位に際して、流体流動が生ぜしめ
られる環状間隙50が形成されている。
【0032】従って、上述の如き構造とされたデフマウ
ント10においては、主たる振動入力方向に低周波大振
幅の振動が入力されると、内外筒金具12,14の径方
向での相対変位に伴って、各流体室48内で、ストッパ
突部34が突出方向に変位せしめられる。その際、流体
室48をシリンダとし、ストッパ突部34の傘部40を
ピストンとすると共に、環状間隙50をピストン周隙間
とするダッシュポット構造が発現されることとなる。そ
の結果、傘部40の突出先端面積と環状間隙50の流路
断面積の比によって増速されて環状間隙50を流動せし
められる流体の流動抵抗が発揮されると共に、環状間隙
50を通じての流体流動抵抗によって発生した差圧力
が、傘部40の外面(径方向外側面)と内面(径方向内
側面)に働いて抵抗力が増幅されることにより、大きな
振動減衰効果が発揮されるのである。
【0033】なお、特に本実施形態では、ストッパ突部
34の傘部40を挟んで、ストッパ突部34の突出先端
面側と反対側の領域における圧力変化が、薄肉部44,
44によって軽減されるようになっていることから、傘
部40の外面と内面に働く圧力差が一層大きくされて、
より優れた抵抗力増幅効果、ひいては減衰効果が発揮さ
れることとなる。
【0034】また、上述の如きデフマウント10におい
ては、高周波小振幅の振動入力時にも、各流体室48内
に生ぜしめられる圧力変化が、薄肉部44,44の微小
な弾性変形によって有利に吸収,軽減されて、良好なる
防振効果が発揮され得る。
【0035】すなわち、上述の如き構造とされたデフマ
ウント10においては、低周波大振幅の振動に対してス
トッパ突部34のダッシュポット的作用に基づく高減衰
効果が発揮されて、デフノーズ角が抑えられることによ
り、デフ共振時における高周波小振幅振動の発生そのも
のが軽減されることに加えて、発生した高周波小振幅振
動に対しては、薄肉部44,44の液圧吸収作用に基づ
く低動ばね効果が発揮されることとなり、それによっ
て、トルク変動によって発生するとされる、一般に30
〜90Hz程度のドスン音に対して、極めて有効な防振効
果が発揮され得るのである。
【0036】さらに、上述の如きデフマウント10にお
いては、各流体室48,48が、完全な密閉構造とされ
ていることから、過大な振動荷重が入力された際には、
流体室48,48の内圧が大幅に変化して、有効なマウ
ント剛性が発揮されることにより、有効なストッパ機能
が発揮される。特に、ストッパ突部34の傘部40が、
内外筒金具12,14の主たる振動入力方向での対向面
内に納まる大きさとされていることから、ストッパ突部
34が外筒金具14に当接し、更に内外筒金具12,1
4間で圧縮せしめられた際にも、ストッパ突部34に対
する局部的な圧縮力の作用による応力集中が、有利に軽
減乃至は回避されることとなる。
【0037】その結果、過大な振動荷重入力時にも、内
外筒金具12,14の相対的変位量、ひいては本体ゴム
弾性体16の変形量が、有効に制限されて優れたストッ
パ機能が発揮されると共に、各部材への応力集中も緩和
乃至は回避されて、優れた耐久性が発揮されるのであ
る。
【0038】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的な記載によって、何等、限
定的に解釈されるものでない。
【0039】例えば、前記実施形態では、内筒金具12
を挟んだ径方向両側に一対の流体室48,48が形成さ
れていたが、その何れか一方の側だけに流体室48を形
成しても良い。また、各流体室48には、周方向両側の
壁部に薄肉部44,44が形成されていたが、その何れ
か一方の側の壁部だけに薄肉部44を形成しても良い。
【0040】また、前記実施形態では、主たる振動入力
方向に直交する径方向で内外筒金具12,14を連結す
る弾性連結部46,46に対して、それぞれ、周方向両
側に分割位置せしめられた二つの肉抜孔42,42が形
成されていたが、それら二つの肉抜孔を周方向に連続さ
せて一つの肉抜孔としても良い。
【0041】更にまた、ストッパ突部34の基部におけ
る補強突起21は、必ずしも設ける必要はなく、ストッ
パ突部34の全体をゴム弾性体で形成することも可能で
ある。
【0042】また、軸部材の具体的形状は、前記実施形
態のものに限定されるものでなく、例えば、楕円筒形状
や楕円ロッド形状、矩形筒形状や矩形ロッド形状等の軸
部材も、適宜に採用可能である。
【0043】加えて、前記実施形態では、本発明を自動
車用のデフマウントに適用したものの一具体例を示した
が、本発明は、その他、例えば自動車用エンジンマウン
トやボデーマウント、或いは自動車以外の各種装置に用
いられる筒形防振装置に対して、何れも、適用可能であ
る。
【0044】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0045】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた筒形流体封入式防振装置において
は、振動入力時に弾性ストッパ突部が流体室内で変位せ
しめられることにより、ダッシュポット的作用に基づく
高減衰効果が発揮されることから、優れた防振特性が簡
単な構造で実現され得る。しかも、特定の異形軸部材が
採用されると共に、弾性ストッパ突部が、軸部材と外筒
部材の主たる振動入力方向での対向面内に収まる大きさ
とされることから、過大な振動入力時における弾性スト
ッパ突部を介しての軸部材と外筒部材の当接に基づくス
トッパ作用時においても、弾性ストッパ突部に対する局
部的な応力集中が軽減乃至は回避されて、安定したスト
ッパ機能が優れた耐久性をもって発揮され得るのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてデフマウントを示す
横断面図であって、図2におけるI−I断面に相当する
図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1に示されたデフマウントを構成する一体加
硫成形品を示す側面図である。
【符号の説明】 10 デフマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 本体ゴム弾性体 34 ストッパ突部 36 すぐり部 38 脚部 40 傘部 42 肉抜孔 44 薄肉部 48 流体室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材と、該軸部材の軸直角方向外方に
    離間して配設された外筒部材を本体ゴム弾性体で連結す
    ると共に、該軸部材を主たる振動入力方向で挟んだ少な
    くとも一方の側において、壁部の一部が該本体ゴム弾性
    体で構成されることにより振動が入力される、非圧縮性
    流体が封入された流体室を形成した筒形流体封入式防振
    装置において、 前記軸部材を、主たる振動入力方向の外径寸法よりもそ
    れに直交する外径寸法の方が大きくされた異形軸部材と
    する一方、該軸部材から主たる振動入力方向に向かって
    前記流体室内に突出する弾性ストッパ突部を設けると共
    に、該弾性ストッパ突部における周方向両端面にそれぞ
    れすぐり部を設けて、該弾性ストッパ突部の突出先端部
    分を周方向両側に広がる傘部とし、更に、主たる振動入
    力方向に直交する方向での該軸部材の外径寸法よりも該
    弾性ストッパ突部の傘部の幅寸法を小さくすると共に、
    前記本体ゴム弾性体で形成された該流体室の周方向側壁
    部に対して、前記軸部材の軸方向に延びる肉抜孔を形成
    して、該周方向側壁部に薄肉部を設けたことを特徴とす
    る筒形流体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 前記流体室を、前記軸部材を主たる振動
    入力方向で挟んだ両側に対向位置して一対形成し、それ
    ら各流体室内に前記弾性ストッパ突部を形成すると共
    に、各流体室の周方向側壁部に前記肉抜孔を形成して薄
    肉部を設けた請求項1に記載の筒形流体封入式防振装
    置。
  3. 【請求項3】 前記軸部材の外周面から主たる振動入力
    方向に突出する硬質の補強材を設けて、前記弾性ストッ
    パ突部の前記すぐり部よりも基部側に埋設固着すると共
    に、主たる振動入力方向に直交する方向での該補強材の
    幅寸法を、該弾性ストッパ突部において前記両側すぐり
    部で小さくされた部位の幅寸法よりも大きくした請求項
    1乃至3の何れかに記載の筒形流体封入式防振装置。
  4. 【請求項4】 前記流体室の周方向側壁部における薄肉
    部を、主たる振動入力方向での投影において、前記弾性
    ストッパ突部の周方向端縁部よりも外方に位置せしめた
    請求項1乃至4の何れかに記載の筒形流体封入式防振装
    置。
  5. 【請求項5】 前記流体室の周方向両側の内面を、主た
    る振動入力方向に略直交する方向に広がるように形成す
    ると共に、かかる流体室の周方向両側の内面を、主たる
    振動入力方向において、前記弾性ストッパ突部のすぐり
    部よりも軸部材側に位置せしめた請求項1乃至4の何れ
    かに記載の筒型流体封入式防振装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283779A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置
DE102011001629A1 (de) * 2011-03-29 2012-10-04 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Hydrobuchse
CN114810918A (zh) * 2022-06-27 2022-07-29 中国第一汽车股份有限公司 一种传动轴中间支撑系统及主动控制方法

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DE102011001629A1 (de) * 2011-03-29 2012-10-04 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Hydrobuchse
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