JP3265872B2 - 流体封入式防振支持体におけるシール構造 - Google Patents

流体封入式防振支持体におけるシール構造

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JP3265872B2 JP29709594A JP29709594A JP3265872B2 JP 3265872 B2 JP3265872 B2 JP 3265872B2 JP 29709594 A JP29709594 A JP 29709594A JP 29709594 A JP29709594 A JP 29709594A JP 3265872 B2 JP3265872 B2 JP 3265872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に封入された流体の流動作
用に基づいて防振効果を得るようにした、自動車用エン
ジンマウント等に好適に用いられる流体封入式防振支持
体において優れたシール性を発揮するシール構造に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来より、振動伝達系を構成する部材間に
は、その振動伝達の抑制や絶縁を図るべく、種々の防振
支持体が介装されている。そして、そのような防振支持
体において優れた防振効果を発揮し得るものとして、内
部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室を備え、か
かる流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにし
た、所謂流体封入式防振支持体が知られており、例えば
自動車用エンジンマウントやサスペンション・ブッシュ
等として、好適に用いられてきている。
【0003】ところで、この流体封入式防振支持体にお
いては、より優れた防振効果を得る上で、流体室のシー
ル性が十分に確保されている必要がある。このため、従
来では、一般に、互いに組み付けられることにより流体
室の少なくとも一部を画成する第一の部材と第二の部材
との間に、ゴムシール部が挟圧状態下で介装されて、目
的とするシールが構成されている。
【0004】より詳しくは、ゴムシール部は、一般的
に、図7乃至図9に示される如き形状をもって構成され
ているのである。即ち、ゴムシール部114は、第一の
部材116に対して、該第一の部材116の図示しない
第二の部材への組付面よりも所定高さ突出せしめられた
状態で、全周にわたって、一体的に設けられている。ま
た、その先端面、換言すれば第二の部材に対する当接面
には、1条の突出部118が、隆起するように設けられ
(図7参照)、或いは幅方向の中央部に溝部120が設
けられることにより、その両サイドに複数条(ここでは
2条)の突出部118がそれぞれ形成されている(図8
及び図9参照)。そして、第一の部材116と図示しな
い第二の部材とを互いに組み付けた状態下で、突出部1
18が圧縮されつつ、ゴムシール部114が該第一の部
材116と該第二の部材との間で挟圧せしめられること
により、それら両部材間のシールが行なわれ得、以て流
体室のシール性が確保され得るようになっいるのであ
る。
【0005】ところが、従来の流体封入式防振支持体に
あっては、図7に示される如きゴムシール部114が採
用される場合、突出部118が1条のみ形成されている
だけであるため、シール性を確保するのに十分な窘迫力
を得ることが難しかった。また、図8及び図9に示され
る如きゴムシール部114が採用される場合において
も、単に、複数の突出部118が、その高さ方向に圧縮
変形せしめられるようになっている過ぎないものである
ことから、振動の入力時において流体室の内圧が大きく
上昇せしめられるものや、自動車用流体封入式エンジン
マウント等の如く、機能上、取り付けられるべき部位へ
の取付前において、流体室内が負圧状態とされるもの
等、流体室の内外において大きな圧力差が生ぜしめられ
るようなものについては、シールの信頼性が今一つ十分
でなかったのである。
【0006】それ故、より優れたシール性を確保する上
で、ゴムシール部に複数の突出部を設けると共に、該突
出部が一定の方向に倒された状態で、圧縮せしめられ得
るように為すことが考えられるが、図8及び図9に示さ
れる如きゴムシール部114を採用する従来のシール構
造では、溝部120内に入り込んだ流体が、第一の部材
116と図示しない第二の部材とが組み付けられる際
に、該溝部120内に閉じ込められ、また突出部11
8,118がそれら両部材によって圧縮される際に、そ
の流体圧の上昇に伴って、該突出部118,118を押
圧するようになるため、突出部118,118が、周方
向において、部分的に、流体室側に倒れ込んだり、それ
とは反対の側に倒れ込んだりして、不安定となり、その
結果、有効なシール性を得ることが極めて困難であった
のである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、流体室を構成する第一の部材と第二の部材
との組付時において、一定の方向に倒された状態で圧縮
せしめられ、しかも十分な窘迫力を発揮する突出部をゴ
ムシール部に設けることによって、流体室の内圧の変化
に拘わらず、優れたシール性を確保し得る流体封入式防
振支持体におけるシール構造を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、互いに組み付けられることにより、所定
の非圧縮性流体が封入される流体室の少なくとも一部を
画成する第一の部材と第二の部材を備えた流体封入式防
振支持体において、該第一の部材の該第二の部材に対す
る組付面に、ゴムシール部を設けて、それら二つの部材
を互いに組み付けた状態下で、該ゴムシール部を該第一
の部材と該第二の部材との間にて挟圧せしめることよ
り、それら両部材間のシールを行なうようにしたシール
構造において、該ゴムシール部における前記第二の部材
に対する当接面に、所定高さで突出する複数の山部を前
記流体室から離隔する方向に向かって配列せしめた状態
で一体的に形成し、且つ該複数の山部の突出高さが前記
流体室から離隔するに従って次第に高くなるように構成
すると共に、それら各山部の前記流体室側の傾きがそれ
とは反対側の傾きよりも大きくなるように構成して、前
記第一の部材と第二の部材とを組み付けた際に、該複数
の山部を前記流体室から離隔するものから順に前記流体
室側に倒しつつ、該ゴムシール部を該第一の部材と該第
二の部材との間で挟圧せしめ得るようにしたことを、そ
の特徴とするものである。
【0009】なお、かくの如き本発明に従う流体封入式
防振支持体におけるシール構造の好ましい第一の態様に
よれば、前記複数の山部のうち、前記流体室から最も離
隔する最外山部の前記流体室とは反対側の傾斜面に、該
最外山部よりも高さの低い突部が設けられ、該最外山部
が前記流体室側に倒された状態で、前記ゴムシール部が
前記第一の部材と第二の部材との間で挟圧せしめられる
際に、該突部がそれら両部材にて押し潰され得るように
構成される。
【0010】また、本発明の望ましい第二の態様によれ
ば、前記複数の山部が、前記ゴムシール部の前記第二の
部材との当接面上において互いに近接して配置せしめら
れ、前記流体室側に倒されることによって、互いに重な
り合うように構成されることとなる。
【0011】さらに、本発明の有利な第三の態様によれ
ば、前記流体封入式防振支持体が、第一、第二の取付金
具と、それらを連結するゴム弾性体と、該第二の取付金
具にて支持され、振動入力方向に直角に広がる仕切部材
と、これに対して第一の取付金具側に形成され、該ゴム
弾性体にて壁部の一部が構成され、振動入力時に内圧変
動が惹起される、所定の非圧縮性流体を封入する受圧室
と、該受圧室とは反対側に形成され、壁部の一部が可撓
性膜にて構成され、その変形に基づいて容積変化が許容
される、所定の非圧縮性流体を封入する平衡室とを含ん
でなり、該第二の取付金具及び該仕切部材が前記第一及
び第二の部材として構成され、該第二の取付金具の該仕
切部材に対する組付面に、前記山部を備えた前記ゴムシ
ール部が形成されることとなる。
【0012】更にまた、本発明の好ましい第四の態様に
よれば、前記流体封入式防振支持体が、内、外筒金具
と、それらの間に介装され、外周面に向かって開口する
凹所を備えたゴム弾性体と、該内筒金具と該外筒金具の
間に位置せしめられ、該ゴム弾性体により該内筒金具に
対して連結される、該ゴム弾性体の凹所に対応した窓部
を有する金属スリーブと、該金属スリーブの窓部を通じ
て外周面に開口する該ゴム弾性体の凹所を該外筒金具で
覆うことにより形成される、所定の非圧縮性流体を封入
する流体室とを含んでなり、該金属スリーブ及び該外筒
金具が前記第一及び第二の部材として構成され、該金属
スリーブの該外筒金具に対する組付面に、前記山部を備
えた前記ゴムシール部が形成されることとなる。
【0013】
【作用・効果】従って、このような本発明に従う流体封
入式防振支持体におけるシール構造にあっては、流体室
の少なくとも一部を画成する第一の部材と第二の部材と
の間にて挟圧せしめられるゴムシール部の第二の部材に
対する当接面に、所定高さで突出する複数の山部が設け
られ、かかる複数の山部が、流体室から離隔する方向に
向かって配列せしめられると共に、その配列順に従って
突出高さが次第に高くなるように構成されているところ
から、第一の部材に対して第二の部材を組み付けた際
に、ゴムシール部に設けられた複数の山部が、流体室か
ら最も離隔するものから順に、第二の部材に対して当接
せしめられ、更には該第二の部材に押圧されて、倒され
され得、それにより、ゴムシール部において、かかる複
数の山部にて十分な窘迫力が発揮され得るのであり、し
かもそれら複数の山部の傾きが、流体室側とは反対の側
よりも流体室側の方が大きくなるように構成されている
ことから、全べての山部が、流体室側に倒れされ得るの
である。なお、そのような第一及び第二の両部材の組付
時において、隣り合う山部の間に入り込んだ流体は、低
い高さの山部と第二の部材との間の隙間を通じて流体室
側に向かって良好に流出せしめられ得るのであり、それ
によって、かかる流体が、隣り合う第一及び第二の山部
の間に閉じ込められて、流体圧の上昇に伴って各山部を
流体室とは反対の側に押圧せしめるようなことが有効に
防止され得ることとなる。
【0014】従って、本発明に係るシール構造を採用す
れば、流体室を構成する第一の部材と第二の部材との組
付時において、ゴムシール部に設けられた突出部が、十
分な窘迫力をもって、一定の方向に倒された状態で圧縮
され得るのであり、それによって、流体封入式防振支持
体に対して、特に流体室の内外において大きな圧力差が
生ぜしめられるようなものに対しても、優れたシール性
が効果的に付与せしめられ得ることとなるのである。
【0015】なお、上記した本発明の第一の態様に従う
構成が採用される場合には、突部の存在によって、更に
優れたシール性が極めて効果的に得られ、それによっ
て、内圧が負圧状態とされた流体室への大気の流入が有
利に防止され得て、シールの信頼性の向上がより有効に
図られ得るのである。
【0016】また、本発明の第二の態様に従う構成が採
用される場合には、ゴムシール部の突出部における窘迫
力がより一層高められ得て、更に優れたシール性が得ら
れることとなるのである。
【0017】さらに、本発明の第三の態様に従う構成が
採用される場合には、シール性に富む流体封入式マウン
トが有利に得られることとなる。
【0018】更にまた、本発明の第四の態様に従う構成
が採用される場合には、優れたシール性を有する流体封
入式筒形マウントが有利に得られることとなるのであ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の幾つかの実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0020】先ず、図1には、本発明に従うシール構造
が採用されてなる自動車用エンジンマウント10の一例
が示されている。このエンジンマウント10は、互いに
所定距離を隔てて対向配置された第一の取付金具12と
第二の取付金具14が、それらの間に介装されたゴム弾
性体16によって連結されてなる構造とされており、第
一の取付金具12および第二の取付金具14がエンジン
側およびボデー側の各一方に取り付けられることによ
り、エンジンを含むパワーユニットをボデーに対して防
振支持せしめるようになっている。なお、そのようなマ
ウント装着状態下では、第一の取付金具12と第二の取
付金具14の対向方向にパワーユニットの支持荷重が及
ぼされて、ゴム弾性体16が弾性変形することにより、
それら両取付金具12,14が互いに接近して位置せし
められると共に、防振を目的とする主たる振動荷重が、
それら両取付金具12,14の略対向方向に入力される
こととなる。
【0021】より詳細には、第一の取付金具12は、円
形平板形状を呈しており、その中央部分には、取付ボル
ト18が上方(図1中の上方をいう。以下、同じ)に突
出して固設されている。また、この第一の取付金具12
の下面中央部には、カップ形状を呈する支持金具20
が、開口部において溶着されることにより、下方(図1
中の下方をいう。以下、同じ)に突出して固設されてい
る。
【0022】一方、第二の取付金具14は、筒金具22
と底金具24から構成されている。筒金具22は、全体
として略大径の円筒形状を呈しており、軸方向一方(上
方)の端部が所定長さに亘って外方に向かって拡径する
テーパ状とされている一方、軸方向他方の端部に、径方
向外方に向かって広がる段差部26が設けられており、
更にかかる段差部26の外周縁部には、下方に向かって
延び出すかしめ部28が一体的に形成されている。
【0023】また、底金具24は、全体として略大径の
皿形状を呈しており、その底部30の中央部分には、取
付ボルト32が下方に突出して固設されている。更に、
この底金具24の開口周縁部には、径方向外方に向かっ
て広がるフランジ部34が設けられている。そして、底
金具24のフランジ部34が、筒金具22の段差部26
に重ね合わされ、筒金具22のかしめ部28にてかしめ
固定されて一体化されることにより、全体として深底の
略有底円筒形状をもって第二の取付金具14が構成され
るようになっているのである。
【0024】そこにおいて、筒金具22は、第一の取付
金具12に対して、略同一軸心上で軸方向に所定距離を
隔てて配されており、それら第一の取付金具12と筒金
具22との対向面間にゴム弾性体16が介装されてい
る。それによって、第一の取付金具12と筒金具22が
ゴム弾性体16によって弾性的に連結されているのであ
る。
【0025】かかるゴム弾性体16は、全体として略円
錐台形状を呈しており、その小径側の端面に第一の取付
金具12が加硫接着されている一方、大径側端部の外周
面に筒金具22が加硫接着されている。また、ゴム弾性
体16の中央部分には、支持金具20が取り付けられて
いる。即ち、ゴム弾性体16は、第一の取付金具12、
支持金具20および筒金具22を含む一体加硫成形品3
6として形成されているのである。
【0026】また、かかる一体加硫成形品36には、筒
金具22の開口部に対して、仕切部材40および可撓性
膜42が、それぞれ組み付けられ、更に、その外側から
底金具24が組み付けられている。そして、底金具24
のフランジ部34が筒金具22のかしめ部28に対して
かしめ固定されて固着されることにより、第二の取付金
具14が形成されていると共に、仕切部材40および可
撓性膜42が、それら筒金具22と底金具24のかしめ
部位で外周縁部を挟持されることによって、第二の取付
金具14によって固定的に支持されている。
【0027】なお、可撓性膜42は、外周縁部にリング
金具44が加硫接着された薄肉円板形状のゴム膜によっ
て構成されており、筒金具22と底金具24のかしめ部
位でリング金具44が流体密に挟持されることによって
組み付けられている。また、仕切部材40は、それぞれ
略浅底の有底円筒形状を有すると共に、開口周縁部に外
向きのフランジ部を備えた第一の仕切金具46および第
二の仕切金具48を互いに軸方向に重ね合わせることに
よって形成されており、筒金具22と底金具24のかし
め部位で互いに重ね合わせたフランジ部を挟持されるこ
とによって組み付けられている。
【0028】これにより、筒金具22の開口部が可撓性
膜42によって覆蓋されており、以て、この可撓性膜4
2とゴム弾性体16との間に、所定の非圧縮性流体が封
入された流体室50が形成されている。なお、本実施例
では、流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るた
めに、流体室50の封入流体として、水やアルキレング
リコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等
の低粘性流体が好適に採用される。
【0029】さらに、かかる流体室50が前記仕切部材
40によって二分されることにより、壁部の一部がゴム
弾性体16にて構成されて、振動入力時にゴム弾性体1
6の変形に基づいて内圧変動が生ぜしめられる受圧室5
2と、壁部の一部が可撓性膜42にて構成されて、可撓
性膜42の変形に基づいて容積変化が許容される平衡室
54が、仕切部材40を挟んだ両側に形成されている。
なお、可撓性膜42と底金具24の間は、可撓性膜42
の変形を許容する空気室56とされている。
【0030】また、仕切部材40の外周部分には、第一
の仕切金具46と第二の仕切金具48の筒壁部間を周方
向に所定長さで延び、連通孔58,60を通じて受圧室
52および平衡室54に連通されることにより、それら
受圧室52と平衡室54を相互に連通するオリフィス通
路62が形成されている。なお、本実施例では、オリフ
ィス通路62の内部を通じて流動せしめられる流体の共
振作用に基づいて、シェイク等の低周波振動に対する高
減衰効果が発揮されるようにチューニングされている
【0031】また、仕切部材40の中央部分には、第一
の仕切金具46と第二の仕切金具48の底壁部間におい
て、可動ゴム板64が所定量だけ変位可能に収容配置さ
れており、この可動ゴム板64の変位に基づいて、第一
及び第二の仕切金具46,48の底壁部に穿孔された通
孔66,68を通じての、受圧室52と平衡室54の間
での流体流動が許容されるようになっている。そして、
本実施例では、この可動ゴム板64の変位に基づく流体
流動によって、こもり音等の高周波振動の入力時に受圧
室52の内圧上昇が緩和されて、振動伝達率の増加が抑
えられるようにチューニングされているのである。
【0032】ところで、かくの如き構造とされたエンジ
ンマウント10にあっては、流体室50(受圧室52及
び平衡室54)への流体の封入が、例えば、図2に示さ
れる如く、一体加硫成形品36に対する仕切部材40,
可撓性膜42および底金具24の組み付けを、流体中で
行うことによって、有利に為され得ることとなる。即
ち、一体加硫成形品36を流体中に浸漬し、筒金具22
の上下を反転させて筒金具22を鉛直上方に向かって開
口させることにより、その内部に流体を充満させた後、
かかる筒金具22の開口部に仕切部材40と可撓性膜4
2を重ね合わせ、底金具24によって密閉することによ
り、流体室50への流体の注入および封止を行うことが
できるのである。
【0033】ここにおいて、本実施例にあっては、特に
一体加硫成形品36におけるゴム弾性体16の第二の取
付金具14との連結部位に、筒金具22の筒壁部内周面
に沿って、段差部26の内側の湾曲面にまで達する長さ
をもって延びる薄肉のゴム膜70が、該筒金具22の筒
壁部内周面に加硫接着された状態で、一体的に設けられ
ている。また、図3からも明らかなように、このゴム膜
70の先端部分がゴムシール部72とされており、その
先端面、換言すれば該ゴムシール部72の仕切部材40
に対する当接面には、筒金具22の段差部26の内面よ
りも底金具24に向かって所定寸法突出し、且つ周方向
に連続して延びる2つの山部74,76が一体的に形成
されている。
【0034】さらに、この2つの山部74,76は、一
体加硫成形品36において径方向外方に向かって、互い
に近接して隣り合う状態で、配置せしめられている。即
ち、一体加硫成形品36のエンジンマウント10への組
付状態下において、流体室50から離隔する方向に向か
って配列せしめられているのである(図2参照)。そし
て、それら2つの山部74,76においては、流体室5
0(受圧室52)から離隔して配された外側山部74
が、流体室50に近接して配された内側山部76よりも
所定寸法だけ高くなるように構成されており、また流体
室50側の面が略鉛直面とされている一方、それとは反
対側の面が、該流体室50に向かって傾斜した傾斜面と
されて、各山部74,76の流体室50側の傾きが、そ
れとは反対側の傾きよりも大きくなるように、それぞれ
構成されている。而して、特に外側山部74の流体室5
0側とは反対の側の傾斜面には、該外側山部74よりも
高さの低い突部78が、一体的に形成されている。な
お、外側山部74と内側山部76の突出高さの差は、好
ましくは5mm程度とされる。
【0035】それ故、かくの如きゴムシール部72が設
けられてなる一体加硫成形品36に対する仕切部材40
の組付時においては、先ず、ゴムシール部72の外側山
部74が、仕切部材40の第一の仕切金具46に当接せ
しめられ、更に傾きの大きな流体室50側に倒され、隣
り合う内側山部76に重なり合う状態で、該第一の仕切
金具46と第二の取付金具14の筒金具22との間で圧
縮せしめられる。その際、外側山部74と内側山部76
との間から押し出された流体は、該内側山部76と第一
の仕切金具46との間の隙間を通じて、流体室50側に
流動せしめられる。次いで、内側山部76が、該第一の
仕切金具46に当接せしめられ、外側山部74と同様
に、傾きの大きな流体室50側に倒されて、該第一の仕
切金具46と筒金具22とにて圧縮せしめられる。ま
た、それと同時に、外側山部74に設けられた突部78
も、第一の仕切金具46と筒金具22との間で圧縮せし
められる。
【0036】かくして、本実施例に係るエンジンマウン
ト10にあっては、第二の取付金具14と仕切部材40
とを組み付けた状態下で、ゴムシール部72の外側山部
74と内側山部76が、重なり合うようにして流体室5
0側に倒されて、第二の取付金具14の筒金具22と仕
切部材40の第一の仕切金具46との間で、大きな窘迫
力をもって圧縮せしめられ、更には外側山部74に設け
られた突部78も、それら両金具22,46にて圧縮せ
しめられつつ、ゴムシール部72が、第二の取付金具1
4と仕切部材40との間で挟圧され得るようになってい
るのである。このことから明らかなように、本実施例に
おいては、第二の取付金具14により、第一の部材が、
また支持部材40により、第二の部材が、それぞれ構成
されているのである。
【0037】従って、本実施例に係るエンジンマウント
10にあっては、自動車の所定部位への取付前におい
て、流体室50が負圧状態とされている場合において
も、またかかる所定部位への取付後において、振動の入
力時に、流体室50の内圧が上昇せしめられた際にも、
従来に比して、より優れたシール性が発揮され得て、外
部からの大気の流入や外部への流体の漏れ等が極めて効
果的に防止され得るのである。
【0038】また、かかるエンジンマウント10におい
ては、ゴムシール部72が、第二の取付金具14の筒金
具22における段差部26の内側の湾曲面上に形成され
ていることから、第二の取付金具14に対して仕切部材
40が組み付けられる際に、かかる段差部26の外縁部
において、該第二の取付金具14の筒金具22と仕切部
材の第一の仕切金具46とが、ゴムシール部72を何等
介在しない状態で、直接に当接せしめられ得、以てそれ
ら第二の筒金具22と仕切部材40との間において、ゴ
ムシール部72のヘタリ等に起因するシール性の低下や
ガタツキの発生等が有効に防止され得るといった利点が
ある。
【0039】次に、図4及び図5には、本発明に従うシ
ール構造が採用されてなる自動車用エンジンマウントの
別の例が示されている。かかるエンジンマウント80
は、互いに径方向に所定距離を隔てて略平行に且つ所定
量だけ偏心して配された内筒金具82と外筒金具84
が、それらの間に介装されたゴム弾性体85によって連
結された構造を有している。そして、図面上に明示はさ
れていないが、内筒金具82及び外筒金具84が、車体
側およびパワーユニット側の各一方に取り付けられるこ
とにより、パワーユニットを車体に対して防振支持せし
めるようになっている。なお、そのような装着状態下で
は、パワーユニットの支持荷重および防振すべき主たる
振動荷重が、何れも内筒金具82と外筒金具84の略偏
心方向に入力されると共に、パワーユニットの支持荷重
が及ぼされることによりゴム弾性体85が弾性変形し
て、内筒金具82と外筒金具84の偏心量が減少せしめ
られることとなる。
【0040】より詳細には、内筒金具82は厚肉の円筒
形状を有しており、その径方向外方には、所定距離を隔
てて略平行に且つ所定量だけ偏心して、金属スリーブ8
6が配設されている。
【0041】この金属スリーブ86は、薄肉の大径円筒
形状を呈しており、内筒金具82を偏心方向に挟んで軸
直角方向に対向位置する部分に、第一の窓部88および
第二の窓部90が形成されている。また、第二の窓部9
0の周方向中央部分には、略チャンネル状の当接金具9
2が径方向内方に突出する状態で、該第二の窓部90を
軸方向に跨いで溶着されている。更に、第一の窓部88
と第二の窓部90との周方向両側端縁部間には、それぞ
れ、外周面に開口する周溝94が、軸方向中央部分を周
方向に形成されている。更にまた、周溝94の外周面上
には、従来と同様に、オリフィス形成ゴム95が加硫接
着されており、かかるオリフィス形成ゴム95によっ
て、周溝94の外周面上を周方向に延びる凹溝97が形
成されている。
【0042】そして、これら内筒金具82と金属スリー
ブ86の間に、ゴム弾性体85が介装されており、かか
るゴム弾性体85によって内筒金具82と金属スリーブ
86が弾性的に連結されている。このゴム弾性体85
は、全体として略厚肉の円筒形状を呈しており、その内
外周面が内筒金具82及び金属スリーブ86に加硫接着
された一体加硫成形品として形成されている。なお、金
属スリーブ86の外周面には、薄肉のゴムシール部87
が、ゴム弾性体85と一体的に形成されている。
【0043】また、かかるゴム弾性体85における内筒
金具82と金属スリーブ86の偏心方向における離隔距
離の小なる側(第二の窓部90の位置する側)には、金
属スリーブ86の第二の窓部90を通じて外周面に開口
する凹所96が形成されている。また、この凹所96の
底部と内筒金具92の間には、軸方向に貫通した肉抜孔
98が、凹所96の底面に沿うようにして形成されてい
る。
【0044】そして、この肉抜孔98により凹所96の
底壁部が薄肉化されて、変形容易な可撓性膜100とさ
れている。また、かかる肉抜孔98によって、ゴム弾性
体85が、実質的に内筒金具82と金属スリーブ86の
偏心方向両側に二分されており、パワーユニット支持荷
重の入力時にゴム弾性体85が弾性変形せしめられた
際、ゴム弾性体85における引張応力の発生が軽減乃至
は防止されるようになっている。
【0045】また一方、ゴム弾性体85における内筒金
具82と金属スリーブ86の偏心方向における離隔距離
の大なる側(第一の窓部88の位置する側)には、金属
スリーブ86の第一の窓部88を通じて外周面に開口す
るポケット部102が形成されている。即ち、このポケ
ット部102は、マウント周方向両側および軸方向両側
の壁部が、何れもゴム弾性体85によって構成されてい
るのである。
【0046】さらに、ポケット部102内には、ストッ
パ部103が、ポケット部102の底部から外筒金具8
4側に向かって所定高さで突出位置せしめられている。
このストッパ部103は、一端側が内筒金具82に取り
付けられて、外筒金具84に向かって所定寸法延び出す
支持金具104と、該支持金具104の他端側に溶着さ
れた板状のストッパ金具106とが、ゴム弾性体85に
て覆われて構成されている。これによって、大荷重の入
力時には、ストッパ部103が外筒金具84側に当接さ
れて、内筒金具82と外筒金具84の相対的変位量が制
限されて、パワーユニットの過大な変位が防止されると
共に、ゴム弾性体85の過大な変形が防止され得るよう
になっているのである。
【0047】そして、内筒金具82と金属スリーブ86
の偏心方向において、ゴム弾性体85を挟んだ両側に位
置する凹所96とポケット部102は、金属スリーブ8
6において、第一の窓部88と第二の窓部90とに跨が
って形成された周溝94の外周面上に形成された前記凹
溝97によって連通せしめられている。
【0048】而して、かくの如き内筒金具82及び金属
スリーブ86にゴム弾性体85が加硫接着された一体加
硫成形品には、更に外筒金具84が外挿されており、八
方絞り加工等によって金属スリーブ86の外周面に嵌着
固定されている。それによって、ポケット部102およ
び凹所96の開口部が覆蓋されて、それぞれ内部に所定
の非圧縮性流体が封入された流体室としての受圧室10
8及び平衡室110が形成されていると共に、周溝94
及び凹溝97が覆蓋されて、受圧室108と平衡室11
0を相互に連通するオリフィス通路112が形成されて
いる。
【0049】すなわち、かかる受圧室108は、周壁部
がゴム弾性体85によって構成されており、内外筒金具
82,84間への主たる振動入力方向(図4,5中、上
下方向)における振動入力時に、ゴム弾性体85の弾性
変形に基づいて内圧変動が生ぜしめられるようになって
いる一方、平衡室110は、底壁部が可撓性膜100に
よって構成されており、この可撓性膜100の変形に基
づいて容積変化が許容されるようになっているのであ
る。なお、本実施例では、流体の共振作用に基づく防振
効果を有利に得るために、受圧室108および平衡室1
10への封入流体として、前記第一の実施例と同様なも
のが採用されることとなる。
【0050】かくして、上述の如き構造とされたエンジ
ンマウントにあっては、その装着状態下に主たる振動入
力方向の振動が入力されると、受圧室108と平衡室1
10の間に相対的な内圧変動が惹起されることにより、
オリフィス通路112を通じての流体流動が生ぜしめら
れて、かかる流体の共振作用に基づいて、所定の防振効
果が発揮されることとなるのである。なお、本実施例で
は、オリフィス通路112を通じて流動する流体の共振
作用に基づいて、低周波振動に対する高減衰効果が発揮
されるようにオリフィス通路112の長さや断面積等が
チューニングされている。
【0051】ところで、かくの如き構造とされたエンジ
ンマウント80にあっても、前記実施例と同様に、流体
室(受圧室108及び平衡室110)への流体の封入
が、例えば、一体加硫成形品に対する外筒金具84の組
付けを流体中で行うこと等によって為され得ることとな
るが、その際、金属スリーブ86の外周面に設けられた
前記ゴムシール部87が該金属スリーブ86と外筒金具
84にて挟圧されて、それら両部材84,86間のシー
ルが行なわれ得るようになっている。
【0052】そして、エンジンマウント80の一体加硫
成形品に対する外筒金具84の組付け加工(八方絞り加
工)前の状態の一部を示す図6に示される如く、本実施
例にあっては、特にゴムシール部87の外筒金具84と
の当接面に、前記第一の実施例におけるゴムシール部7
2に設けられたものと同様な構造を有する2つの山部が
互いに近接した状態で、隣り合って、一体的に形成され
ている。即ち、それら2つの山部は、流体室(受圧室1
08及び平衡室110)から離隔して配された、突出高
さの高い外側山部74と、該流体室に近接して配され
た、突出高さの低い内側山部76とからなっており、流
体室側の傾きが、それとは反対側の傾きより大きくなる
ように構成さている。そして、かかる外側山部74の流
体室側とは反対側の傾斜面には、外側山部74よりも低
い高さの突部78が一体的に形成されている。
【0053】それ故、本実施例に係るエンジンマウント
80においては、外筒金具84と金属スリーブ86とを
組み付けた状態下で、ゴムシール部87の外側山部74
と内側山部76が、重なり合うようにして流体室側に倒
されて、外筒金具84と金属スリーブ86との間で、大
きな窘迫力をもって圧縮せしめられ、更には外側山部7
4に設けられた突部78も、それら両金具84,86に
て圧縮せしめられつつ、ゴムシール部87が、外筒金具
84と金具スリーブ86との間で挟圧され得るようにな
っているのである。このことから明らかなように、本実
施例においては、金属スリーブ86により、第一の部材
が、また外筒金具84により、第二の部材が、それぞれ
構成されているのである。
【0054】従って、本実施例にあっても、前記実施例
1と同様に、流体室の内圧変動に拘わらず、優れたシー
ル性が極めて効果的に確保され得るのである。
【0055】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ、限定して解釈されるものではない。
【0056】例えば、前記実施例では、オリフィス通路
62,112を通じて相互に連通された各一つの受圧室
52,108と平衡室54,110を備えた構造のエン
ジンマウントに対して本発明を適用したものの一例を示
したが、その他、本発明は、単一の流体室を備えたもの
や、三つ以上の流体室と複数のオリフィス通路を備えた
もの等に対しても、同様に適用され得る。
【0057】また、前記実施例では、低粘性流体が流体
室に封入されて流体の共振作用に基づく防振効果を得る
ようにした流体封入式防振支持体に対して本発明を適用
したものの一例を示したが、その他、本発明は、振動入
力時にずり剪断作用に基づく減衰効果を発揮し得る高粘
性流体が封入された流体室を備えた流体封入式防振支持
体にも、同様に適用され得る。
【0058】さらに、互いに組み付けられることによ
り、所定の非圧縮性流体が封入される流体室の少なくと
も一部を画成する第一の部材と第二の部材とを備えてな
る流体封入式防振支持体において、該第一の部材の該第
二の部材に対する組付面にゴムシール部を設けて、該ゴ
ムシール部を該第一の部材と該第二の部材との間にて挟
圧せしめることにより、それら両部材間のシールが行な
われ得るようになっているものであれば、それら第一及
び第二の部材の形状や具体的構造は、前記実施例におけ
る如きものに何等限定されるものでないことは、勿論で
ある。
【0059】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、自動車用のサスペンションブッ
シュ,メンバマウント等、或いは自動車以外の各種装置
における流体封入式防振支持体に対して、何れも同様に
適用され得るものである。
【0060】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うシール構造が採用されてなる流体
封入式防振支持体の一例を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示された流体封入式防振支持体の組付方
法を説明するための分解説明図である。
【図3】図2における要部拡大断面説明図である。
【図4】本発明に従うシール構造が採用されてなる流体
封入式防振支持体の別の例を示す縦断面説明図である。
【図5】図4におけるA−A断面に相当する説明図であ
る。
【図6】図4に示された流体封入式防振支持体におい
て、一体加硫成形品に対する外筒金具の組付け加工前の
状態を示す要部拡大断面説明図である。
【図7】従来の流体封入式防振支持体に設けられるゴム
シール部の一例を示す要部拡大断面説明図である。
【図8】従来の流体封入式防振支持体に設けられるゴム
シール部の別の例を示す図7に対応する図である。
【図9】従来の流体封入式防振支持体に設けられるゴム
シール部の更に別の例を示す図7に対応する図である。
【符号の説明】
10,80 自動車用エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16,85 ゴム弾性体 40 仕切部材 42,100 可撓性膜 50 流体室 52,108 受圧室 54,110 平衡室 62,112 オリフィス通路 72,87 ゴムシール部 74 外側山部 76 内側山部 82 内筒金具 84 外筒金具 86 金属スリーブ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに組み付けられることにより、所定
    の非圧縮性流体が封入される流体室の少なくとも一部を
    画成する第一の部材と第二の部材を備えた流体封入式防
    振支持体において、該第一の部材の該第二の部材に対す
    る組付面に、ゴムシール部を設けて、それら二つの部材
    を互いに組み付けた状態下で、該ゴムシール部を該第一
    の部材と該第二の部材との間にて挟圧せしめることよ
    り、それら両部材間のシールを行なうようにしたシール
    構造にして、 該ゴムシール部における前記第二の部材に対する当接面
    に、所定高さで突出する複数の山部を前記流体室から離
    隔する方向に向かって配列せしめた状態で一体的に形成
    し、且つ該複数の山部の突出高さが前記流体室から離隔
    するに従って次第に高くなるように構成すると共に、そ
    れら各山部の前記流体室側の傾きがそれとは反対側の傾
    きよりも大きくなるように構成して、前記第一の部材と
    第二の部材とを組み付けた際に、該複数の山部を前記流
    体室から離隔するものから順に前記流体室側に倒しつ
    つ、該ゴムシール部を該第一の部材と該第二の部材との
    間で挟圧せしめ得るようにしたことを特徴とする流体封
    入式防振支持体におけるシール構造。
  2. 【請求項2】 前記複数の山部のうち、前記流体室から
    最も離隔する最外山部の前記流体室とは反対側の傾斜面
    に、該最外山部よりも高さの低い突部が設けられ、該最
    外山部が前記流体室側に倒された状態で、前記ゴムシー
    ル部が前記第一の部材と第二の部材との間で挟圧せしめ
    られる際に、該突部がそれら両部材にて押し潰され得る
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体封入
    式防振支持体におけるシール構造。
  3. 【請求項3】 前記複数の山部が、前記ゴムシール部の
    前記第二の部材との当接面上において互いに近接して配
    置せしめられ、前記流体室側に倒されることによって、
    互いに重なり合うようになっている請求項1又は請求項
    2に記載の流体封入式防振支持体におけるシール構造。
  4. 【請求項4】 前記流体封入式防振支持体が、第一、第
    二の取付金具と、それらを連結するゴム弾性体と、該第
    二の取付金具にて支持され、振動入力方向に直角に広が
    る仕切部材と、これに対して第一の取付金具側に形成さ
    れ、該ゴム弾性体にて壁部の一部が構成され、振動入力
    時に内圧変動が惹起される、所定の非圧縮性流体を封入
    する受圧室と、該受圧室とは反対側に形成され、壁部の
    一部が可撓性膜にて構成され、その変形に基づいて容積
    変化が許容される、所定の非圧縮性流体を封入する平衡
    室とを含んでなり、該第二の取付金具及び該仕切部材が
    前記第一及び第二の部材として構成され、該第二の取付
    金具の該仕切部材に対する組付面に、前記山部を備えた
    前記ゴムシール部が形成されている請求項1乃至3の何
    れかに記載の流体封入式防振支持体におけるシール構
    造。
  5. 【請求項5】 前記流体封入式防振支持体が、内、外筒
    金具と、それらの間に介装され、外周面に向かって開口
    する凹所を備えたゴム弾性体と、該内筒金具と該外筒金
    具の間に位置せしめられ、該ゴム弾性体により該内筒金
    具に対して連結される、該ゴム弾性体の凹所に対応した
    窓部を有する金属スリーブと、該金属スリーブの窓部を
    通じて外周面に開口する該ゴム弾性体の凹所を該外筒金
    具で覆うことにより形成される、所定の非圧縮性流体を
    封入する流体室とを含んでなり、該金属スリーブ及び該
    外筒金具が前記第一及び第二の部材として構成され、該
    金属スリーブの該外筒金具に対する組付面に、前記山部
    を備えた前記ゴムシール部が形成されている請求項1乃
    至3の何れかに記載の流体封入式防振支持体におけるシ
    ール構造。
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