JP2000257534A - 筒内噴射用燃料噴射弁 - Google Patents

筒内噴射用燃料噴射弁

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JP2000257534A
JP2000257534A JP11055086A JP5508699A JP2000257534A JP 2000257534 A JP2000257534 A JP 2000257534A JP 11055086 A JP11055086 A JP 11055086A JP 5508699 A JP5508699 A JP 5508699A JP 2000257534 A JP2000257534 A JP 2000257534A
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Yoshio Okamoto
良雄 岡本
Ayumi Miyajima
歩 宮島
Yuzo Kadomukai
裕三 門向
Makoto Yamakado
山門  誠
Kiyoshi Amo
天羽  清
Toru Ishikawa
石川  亨
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Abstract

(57)【要約】 【課題】筒内噴射ガソリンエンジンにあっては、希薄な
混合気を形成して安定した燃焼を実現し燃費向上や排気
ガス浄化を図る。安定した希薄燃焼を行うには、点火性
の良い混合気をプラグ回りに供給し混合気の成層化を図
る必要があり、これを達成し得る筒内燃料噴射装置用の
電磁式燃料噴射弁が必要となる。 【解決手段】燃料旋回型の電磁式燃料噴射弁にあって、
燃料に旋回を与える燃料旋回部材の内周面上部において
複数個の燃料旋回通路を設けると共に、下部端面部に別
なる複数個の燃料旋回通路を構成し、噴霧を中実状とし
噴射後期の噴霧量を増加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料(ガソリン)
を燃焼室内に直接噴射して燃焼させる内燃機関にあっ
て、希薄な混合気を安定して燃焼可能な噴霧特性を生成
し得る筒内噴射用燃料噴射弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸気管内に燃料を噴射する吸
気管内燃料噴射装置に対して、燃焼室内に直接燃料を噴
射する筒内燃料噴射装置の普及が進んでいる。
【0003】特開平6−146886 号公報記載の筒内噴射型
内燃機関は、シリンダに嵌挿されたピストン上面とシリ
ンダヘッドの下面との間に形成された燃焼室と、該シリ
ンダの中心軸線を含む基準面の一側で該燃焼室に開口す
る吸気開口端と、該吸気開口端から上方へ延びる吸気ポ
ートと、該基準面の他側に位置するように該シリンダヘ
ッドに形成され、開閉弁を介して該燃焼室と連通する排
気ポートと、該燃焼室の該吸気ポート側の側部に、噴射
口を該燃焼室に臨ませるように配置された電磁式燃料噴
射弁とを備え、該吸気ポートによって燃焼室内に導入さ
れる吸気流が、該中心軸線方向に沿って該基準面の一側
でシリンダヘッドの下面からピストンの上面方向へ向か
い該基準面の他側でピストンの上面からシリンダヘッド
の下面方向へ向かう縦渦流を形成するように構成され、
該縦渦流の形成を促進すべく、該吸気ポートの吸気流心
が該軸線方向一側半部へ偏心されていることを特徴とし
ているもので、電磁式燃料噴射弁を筒内噴射に最適な状
態で取り付けることができるとともに、燃焼室内に強い
タンブル(縦渦)流を形成して、希薄燃焼でも安定して
機関を運転できるようにしたというものである。
【0004】一方、筆者らが検討対象とした筒内噴射ガ
ソリンエンジンの主要構成図を図5に示す。詳細は後述
するが、該筒内噴射ガソリンエンジンに取り付けられる
電磁式燃料噴射弁は、シリンダヘッドの吸気側に30°
〜45°程度の傾斜をもって配置されており、該噴射孔
はピストン上面に設けられるキャビティ(凹み)に向け
られている。吸気弁部より導入される吸気流は、該キャ
ビティ回りを流れる旋回流として形成され、該電磁式燃
料噴射弁から噴射された燃料噴霧のシリンダ内壁面への
付着を防止するとともに、上方の点火プラグへ誘導し、
希薄燃焼でも安定して機関を運転できるように構成して
いる。
【0005】この種の筒内噴射ガソリンエンジンは、負
荷によって均質燃焼と成層燃焼を使い分けている。筆者
らの実験解析結果によると、均質燃焼では、燃焼室全体
に噴霧を拡散させて混合気の均質化を行う必要性から広
角噴霧でかつ軸対象の均一な噴霧であること、また一
方、成層燃焼では、混合気の過度の分散を防止して点火
プラグ回りに可燃混合気を導く必要性から噴霧角は狭く
コンパクトな噴霧であることがわかった。
【0006】このような噴霧を生成するために、筆者ら
は筒内噴射用として燃料旋回型の電磁式燃料噴射弁を用
いている。関連する噴射弁として、特開昭60−95186 号
公報記載の間欠式渦巻噴射弁が挙げられる。該噴射弁
は、弁体に設けた弁孔に針弁を挿入し針弁の弁先端部が
当接する弁孔の弁座部に噴射孔を連設し、針弁が弁孔の
弁座部からリフトして離脱することにより開弁したとき
に燃料に旋回運動を付与する渦巻噴射弁であって、前記
接線通路の近傍で弁孔と針弁間の開口面積を針弁のリフ
ト量に応じて増加及び減少させるようにしたというもの
で、燃料噴霧の角度,貫徹力(到達距離),微粒化等の
特性を針弁のリフト量に応じて制御するということを特
徴としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、均質
燃焼では広く分散した噴霧が、成層燃焼ではコンパクト
な噴霧が必要となるが、このような噴霧を生成するため
に、燃料に旋回力を付与する燃料旋回型の電磁式燃料噴
射弁を用いている。
【0008】燃料旋回型の噴霧は、大気圧下では内部に
空洞を有する中空円錐状となって噴射孔出口部の液膜は
速やかに分裂し、液滴の運動量が失われるため噴霧の到
達距離が抑制されるという特徴をもっている。一方、加
圧下では雰囲気密度の増大によって噴霧の到達距離は抑
制されるとともに、内外の圧力差によって噴霧はしぼ
み、形態としてはコンパクトな中実構造の噴霧となる。
【0009】本発明に係る筒内噴射ガソリンエンジン
は、均質燃焼時には広角噴霧を、成層燃焼時にはコンパ
クトな噴霧を必要としているため、このような噴霧の形
態変化を利用して安定した燃焼を実現している。しかる
に本発明は、特に成層燃焼時の燃焼安定範囲の拡大に着
目したものであり、この安定燃焼範囲の拡大にはコンパ
クトな噴霧であると共に、点火プラグ方向に指向される
可燃混合気の持続時間をできる限り長くすることが必須
となる。すなわち、成層燃焼時に必要なコンパクトな噴
霧形状の時系列変化を最適化することになる。
【0010】前者の引用例では、燃焼室内に発生する強
い縦渦流と噴射弁の噴口位置との適合や燃料噴射のタイ
ミングと着火性との関連に設計上の工夫がなされている
が、噴霧形状については特別な配慮がなされていない。
一方、後者の引用例では、噴霧角や噴霧の到達距離とい
ったマクロな形状を機関の運転条件によって最適に維持
するという画期的な配慮がなされているが、噴霧特性が
ミクロな観点から取り扱われておらず、機関の希薄燃焼
範囲の拡大についてはさほど考慮がなされているとはい
えない。
【0011】本発明の目的は、筒内噴射ガソリンエンジ
ンに用いる燃料旋回型の電磁式燃料噴射弁にあって、成
層燃焼時の燃焼安定範囲の拡大し得る噴霧形状を実現で
きる噴射弁構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このために、本発明の筒
内噴射用燃料噴射弁は、内部に燃料の流通する燃料通路
が形成されるとともに、該燃料通路の開閉を行う弁部材
と、該弁部材が当接する弁座部及び該弁座部の下流側に
おいて燃料の通過を許す燃料噴射孔とを備えるノズル部
材と、該ノズル部材の該弁座部の上流側において燃料に
旋回を与える燃料旋回部材とを備えてなり、該燃料旋回
部材は内部において開放される小径部と大径部とを有
し、且つ該小径部側の内周面部には軸心に対して傾斜す
る複数個の溝を、該大径部側の端面部には軸心に対して
偏心する複数個の溝をそれぞれ有してなり、該燃料旋回
部材がノズル部材に挿入固定されてなると共に、該燃料
旋回部材の内部に弁部材が挿入されることによって、そ
れぞれの複数個の溝が燃料通路として構成されるという
ものである。
【0013】また、本発明の筒内噴射用燃料噴射弁は、
内部に燃料の流通する燃料通路が形成されるとともに、
該燃料通路の開閉を行う弁部材と、該弁部材が当接する
弁座部及び該弁座部の下流側において燃料の通過を許す
燃料噴射孔とを有するノズル部材と、該ノズル部材の該
弁座部の上流側において燃料に旋回を与える燃料旋回部
材とを備えてなり、該燃料旋回部材は内部において開放
される小径部と大径部とを有し、且つ該小径部側の内周
面部には軸心に対して傾斜する複数個の溝を、該大径部
側の端面部には軸心に対して偏心する複数個の溝をそれ
ぞれ有してなり、該燃料旋回部材がノズル部材に挿入固
定されてなると共に、該燃料旋回部材の内部に弁部材が
挿入されることによって、それぞれの複数個の溝が燃料
通路として構成され、該小径部側の内周面部に構成され
る燃料通路の総面積が該大径部側の端面部に構成される
燃料通路の総面積に比して小さくしてなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1な
いし図4により説明する。図1は本発明の一実施例を示
す筒内燃料噴射装置用の電磁式燃料噴射弁1の縦断面
図、図2は弁部を拡大した要部縦断面図、図3は燃料旋
回部材の旋回通路を示す図、図4は実験により確認され
た噴霧形状を描写した図である。各々の図を用いて構造
及び動作について説明する。
【0015】電磁式燃料噴射弁1は、コントロールユニ
ットにより演算されたデューティのON−OFF信号に
より、シート部の開閉を行うことにより燃料の噴射を実
施する。磁気回路は、有底筒状のヨーク3,ヨーク3の
開口端を閉じる栓体部2aとヨーク3の中心部に延びる
柱状部2bとからなるコア2及びコア2に空隙を隔てて
対面するプランジャ4とからなる。柱状部2bの中心に
は、プランジャ4とロッド5と弁体6からなる可動部4
Aを、ノズル部材7に形成された燃料の通過を許す燃料
噴射孔部8の上流側のシート面9に、押圧する弾性部材
としてのスプリング10を挿入保持するための穴が設け
てある。
【0016】スプリング10の上端は、セット荷重を調
整するためにコア2の中心に挿通されたスプリングアジ
ャスタ11の下端に当接している。コア2の柱状部2b
側とヨーク3の可動部4B側で対面する隙間部は、コイ
ル14側へ燃料が流出するのを防ぐために、両者間に機
械的に固定されたシールリング12が設けられている。
磁気回路を励磁するコイル14はボビン13に巻かれ、
その外周をプラスチック材でモールドされている。
【0017】これらから成るコイル組立体15の端子1
7は、コア2のつば部に設けた穴16に挿入されてい
る。この端子17は、図示しないコントロールユニット
の端子と結合されている。ヨーク3の有底部には、可動
部4Aを受容するプランジャ受容部18が開けられてお
り、その下部にはさらにプランジャ受容部18より大径
に形成され、ストッパ19及びノズル部材7を受容する
ノズル受容部20がヨーク先端まで貫設されている。
【0018】可動部4Aは、磁性材料製プランジャ4
と、一端がプランジャ4に接合されたロッド5とロッド
5に連接する弁体6とより成るが、ロッド5のプランジ
ャ4側には燃料の通過を許す空洞部5Aが設けてある。
この空洞部5Aには燃料の流出口5Bが設けてある。ま
た可動部4Aは、プランジャ4の外周がシールリング1
2に当接することでその軸方向の動きを案内されるとと
もに、他端部に接合された弁体6がノズル部材7の中空
部の内壁21に挿入される円筒状の燃料旋回部材22の
内壁に当接することでそれぞれガイドされている。
【0019】ノズル部材7には、弁体6をガイドする円
筒状の燃料旋回部材22に続いて、弁体6をシートする
シート面9が形成されており、シート面9の中央には燃
料の通過を許す燃料噴射孔8が設けられている。可動部
4Aのストローク(軸上方への移動量)は、ロッド5の
首部の受け面5Cとストッパ19間の空隙の寸法で決定
される。なお、29はフィルターで燃料中,配管中のゴ
ミや異物がシート側へ侵入するのを防ぐために設けられ
ている。
【0020】ここに、本発明に係る燃料旋回部材22の
構造及び該燃料旋回部材22を用いた電磁式燃料噴射弁
の噴霧特性について図2ないし図4を用いて説明する。
【0021】図3において、(a)は燃料旋回部材22
の縦断面図を示しており、同図(b)はL方向視図を、同
図(c)はM方向視図をそれぞれ示している。この燃料
旋回部材22は内部に小径部25及び大径部26をそれ
ぞれ有してなり、該小径部25の内周面には軸心に対し
て傾斜する複数個の溝27が設けられている。また、大
径部26の端面部には軸心に対してオフセットされる複
数個の溝24が設けられている。本実施例では複数個の
溝27の総断面積は、溝24の総断面積に比して小さく
なるように設けられている。28は燃料旋回室であり複
数個の溝24及び溝27の出口部は、この旋回室28に
開放している。なお、複数個の溝27は軸心方向に並行
に設けられても良い。すなわち、複数個の縦溝として構
成されても良い。
【0022】要部拡大図を示す図2において、この燃料
旋回部材22の機能について説明する。該燃料旋回部材
22はノズル部材7の内壁面21に機械的に固定されて
おり、その小径部25の内周面には、僅かな隙間を以っ
て弁体6が挿入されている。すなわち、この部分で弁体
6の一端がガイドされている。かかる構成にあって、弁
体6は、軸方向に移動可能となるように配設されてい
る。該弁体6と大径部26間によって形成される環状空
間が燃料旋回室28となる。また、一方、燃料旋回部材
22の外周とノズル部材7の内壁面21間には軸方向通
路23が形成されており、この軸方向通路23の出口部
は径方向通路24に連通している。
【0023】加圧された燃料は弁体6の上方より導入さ
れ、軸方向通路23から径方向通路24を経て燃料旋回
室28に至る流れと、軸心に対して傾斜する複数個の燃
料通路27から燃料旋回室28に至る流れとに分流され
る。この際に、燃料通路27の総断面積は径方向通路2
4の総断面積に比して小さくなるように構成されている
ので、燃料の流量は燃料通路27側が少なくなる。ま
た、それぞれの燃料通路27および24を流れる際に旋
回力が付与されるが、燃料通路27の燃料の旋回力の強
さは、径方向通路24に比較して小さく構成されている
と共に、燃料通路27の出口部の位置は燃料噴射孔8か
ら遠くなっているため、この燃料通路27を至る燃料
は、径方向通路24より時間的に遅れて下流に向かう流
れとなっている。それぞれの通路を経た旋回燃料はさら
に下流の燃料噴射孔8に向いエンジンの燃焼室に向けて
噴射される。
【0024】図4は、本発明に係る燃料旋回部材22を
用いた燃料噴射弁の噴霧の流れ特性を、高速度写真撮影
によって得られた結果から描写して示したものである。
噴射は大気下で、下方に向けて行ったものであり、この
時の燃料圧力は7MPaである。また、噴霧は、噴射孔
下方50mmの位置に照射したレーザシート上を任意時刻
後に通過する液滴群を捕らえたものである。図の上部に
示した噴霧が従来例であり、図の下部に示した噴霧が本
発明に係る噴霧の様子である。従来の噴霧は初期に噴霧
量が多い中空構造で、いわゆる燃料旋回型の典型的な噴
霧構造を示しているが、本発明にかかる噴霧は、時間の
経過に比して噴霧量が増加すると共に、中心部に液滴群
が集中している特有の噴霧構造となる。
【0025】これは、前記したように、燃料の流れが、
径方向通路24を経て燃料旋回室28に至る流れと、軸
心に対して傾斜する複数個の燃料通路27から燃料旋回
室28に至る流れとに分流されているために生ずるもの
である。すなわち、それぞれの燃料通路27および24
を流れる際に付与される小と大の旋回強さによって成さ
れるものであり、しかも、燃料通路27の出口部の位置
は燃料噴射孔8から遠くなっているため、この燃料通路
27を至る燃料は、径方向通路24より時間的に遅れて
下流に向かう流れとなっているためである。
【0026】戻って、図1により本発明に係る燃料噴射
弁1の動作を説明する。
【0027】燃料噴射弁1は、電磁コイル14に与えら
れる電気的なON−OFF信号により、可動部4Aを操
作してバルブシート面9の開閉を行い、それによって燃
料の噴射制御を行う。電気信号がコイル14に与えられ
ると、コア2,ヨーク3,プランジャ4で磁気回路が形
成され、プランジャ4がコア2側に吸引される。プラン
ジャ4が移動すると、これと一体になっている弁体6も
移動してノズル部材7の弁座のシート面9から離れ噴射
孔8を開放する。
【0028】燃料は、図示しない燃料ポンプや燃料圧力
を調整するレギュレータを介して加圧調整され、フィル
タ26から燃料噴射弁1の内部に流入し、コイル組立体
15の下部通路、プランジャ4の外周部分、ストッパ1
9とロッド5の隙間、燃料旋回部材22の径方向通路2
3から24を至る流れと、軸心に対して傾斜する複数個
の燃料通路27を至る流れに分流され、しかる後、シー
ト部へ向けて旋回供給され燃料噴射孔8から噴射され
る。
【0029】次に、図5を用いて、筆者らが検討に用い
た筒内直噴ガソリンエンジン60についてその構成と燃
焼動作の概要を説明する。図は、エンジン回りの要部拡
大図を示している。61はスロットルバルブを内蔵する
吸入空気量制御装置で、62は吸入空気量制御装置61
を取り付ける吸気マニホールドである。63はシリンダ
ヘッドで、吸気マニホールド62側に吸気弁64,中央
部に点火プラグ65,吸気弁64と反対側に排気弁66
が設けられている。
【0030】本発明に係る筒内燃料噴射装置用の電磁式
燃料噴射弁1は、シリンダヘッド63の吸気マニホール
ド62との結合部付近に30°〜45°程度傾斜して取
り付けられる。その噴射方向は、燃焼室67内のピスト
ン69に設けられたキャビティ69Aに向かうように配
置されている。68はシリンダである。図中の白抜きの
矢印は吸気の流れを示しており、ハッチングの矢印は排
気ガスの流れをそれぞれ示している。
【0031】本ガソリンエンジンは、負荷によって燃焼
状態を以下のように制御している。部分負荷では後期筒
内噴射(圧縮行程噴射)により成層燃焼を、また、高負
荷では前記筒内噴射(吸気行程噴射)により均質燃焼を
行っている。成層燃焼では点火プラグ65近傍に濃い混
合気の層を形成させ希薄な混合気の安定燃焼を実現す
る。また、均質燃焼では燃焼室全体に混合気の均質化を
図り、予混合希薄燃焼を実現する。これらは、低燃費と
高出力を同時に実現することを狙ったものであり、筒内
燃料噴射装置用の電磁式燃料噴射弁1から噴射される噴
霧は、吸気,圧縮行程時における最適な噴射タイミング
に合わせてそれぞれ生成される。噴射信号は、図示しな
い制御ユニットがエンジンの運転情報に基づいて行う。
【0032】図は圧縮行程時の燃料噴射の状況を示した
もので、噴霧燃料は燃焼室67内の点火プラグ65に向
かうように分散され、速度の小さい小径液滴は、燃焼室
67内の空気とすみやかに混合が促進される。しかる
後、混合気はさらに圧縮され点火プラグ65にて安定し
て着火され、未燃焼ガスの排出量が抑制された安定した
希薄燃焼が実現される。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
内部に燃料の流通する燃料通路が形成されるとともに、
該燃料通路の開閉を行う弁部材と、該弁部材が当接する
弁座部及び該弁座部の下流側において燃料の通過を許す
燃料噴射孔とを有するノズル部材と、該ノズル部材の該
弁座部の上流側において燃料に旋回を与える燃料旋回部
材とを備えてなり、該燃料旋回部材は内部において開放
される小径部と大径部とを有し、且つ該小径部側の内周
面部には軸心に対して傾斜する複数個の溝を、該大径部
側の端面部には軸心に対して偏心する複数個の溝をそれ
ぞれ有してなり、該燃料旋回部材がノズル部材に挿入固
定されてなると共に、該燃料旋回部材の内部に弁部材が
挿入されることによって、それぞれの複数個の溝が燃料
通路として構成され、しかも、該小径部側の内周面部に
構成される燃料通路の総面積が該大径部側の端面部に構
成される燃料通路の総面積に比して小さくなるように構
成されるため、噴射後期の燃料量を増加させた中実状の
噴霧が生成される。
【0034】このような噴霧を筒内噴射ガソリンエンジ
ンの燃焼室に供給すると、点火プラグへ向かう混合気の
持続時間が長くなって安定した着火燃焼が実現され、未
燃ガス成分の排出量の低減と燃費の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である筒内燃料噴射装置用の
電磁式燃料噴射弁の縦断面図。
【図2】本発明の燃料噴射弁の先端部周辺の拡大断面
図。
【図3】(a),(b),(c)は燃料旋回部材の旋回通
路をなす溝を示す図。
【図4】本発明に係る噴霧を模式的に示す図。
【図5】本発明の燃料噴射弁を組み込んだ筒内噴射ガソ
リンエンジンの要部拡大図。
【符号の説明】
1…電磁式燃料噴射弁、6…弁体、7…ノズル部材、8
…燃料噴射孔、22…燃料旋回部材、23…軸方向通
路、24…端面側の燃料通路、27…小径部側の燃料通
路、28…燃料旋回室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門向 裕三 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 山門 誠 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 天羽 清 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 石川 亨 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 Fターム(参考) 3G066 AA02 AA05 AB02 AD12 BA14 BA17 BA26 CC06U CC14 CC18 CC20 CC37 CC43 CC48 CE31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する
    電磁式燃料噴射弁であって、内部に燃料の流通する燃料
    通路が形成されるとともに、該燃料通路の開閉を行う弁
    部材と、該弁部材が当接する弁座部及び該弁座部の下流
    側において燃料の通過を許す燃料噴射孔とを備えるノズ
    ル部材と、該ノズル部材の該弁座部の上流側において燃
    料に旋回を与える燃料旋回部材とを備えてなり、該燃料
    旋回部材は内部において開放される小径部と大径部とを
    有し、且つ該小径部側の内周面部には軸心に対して傾斜
    する複数個の溝を、該大径部側の端面部には軸心に対し
    て偏心する複数個の溝をそれぞれ有してなり、該燃料旋
    回部材がノズル部材に挿入固定されてなると共に、該燃
    料旋回部材の内部に弁部材が挿入されることによって、
    それぞれの複数個の溝が燃料通路として構成されること
    を特徴とする筒内噴射用燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する
    電磁式燃料噴射弁であって、内部に燃料の流通する燃料
    通路が形成されるとともに、該燃料通路の開閉を行う弁
    部材と、該弁部材が当接する弁座部及び該弁座部の下流
    側において燃料の通過を許す燃料噴射孔とを有するノズ
    ル部材と、該ノズル部材の該弁座部の上流側において燃
    料に旋回を与える燃料旋回部材とを備えてなり、該燃料
    旋回部材は内部において開放される小径部と大径部とを
    有し、且つ該小径部側の内周面部には軸心に対して傾斜
    する複数個の溝を、該大径部側の端面部には軸心に対し
    て偏心する複数個の溝をそれぞれ有してなり、該燃料旋
    回部材がノズル部材に挿入固定されてなると共に、該燃
    料旋回部材の内部に弁部材が挿入されることによって、
    それぞれの複数個の溝が燃料通路として構成され、該小
    径部側の内周面部に構成される燃料通路の総面積が該大
    径部側の端面部に構成される燃料通路の総面積に比して
    小さいことを特徴とする筒内噴射用燃料噴射弁。
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