JP2000257511A - 発電装置及びその制御方法 - Google Patents

発電装置及びその制御方法

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JP2000257511A JP11058129A JP5812999A JP2000257511A JP 2000257511 A JP2000257511 A JP 2000257511A JP 11058129 A JP11058129 A JP 11058129A JP 5812999 A JP5812999 A JP 5812999A JP 2000257511 A JP2000257511 A JP 2000257511A
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田 宣 朗 槻
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樹 生 左近司
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受電電力一定制御(モード2)で要求される
高精度な出力制御を当該内燃機関に対して行う事が出来
て、且つ、当該内燃機関が高効率な運転効率を達成する
事が出来る様な発電装置及びその制御方法の提供。 【解決手段】 ガスエンジン(10)と組み合わせて構
成され、排気ガス過給機(TC)を設けており、商用電
力系統と電気的に接続されている系統連系にかかる発電
装置において、吸気系(12)に設けられたスロットル
(20)と、吸気系(12)或いは排気系(14)で排
気ガス過給機(TC)をバイパスするバイパスライン
(22A、22B)と、該バイパスライン(22A、2
2B)に介装されたバイパス弁(VA、VB)と、スロ
ットル(20)或いはバイパス弁(VA、VB)を制御
する制御ユニット(40)とを有しており、前記制御ユ
ニット(40)は、発電電力一定制御運転(モード1)
を行うべき場合に、前記スロットル(20)を全開状態
で固定し且つ前記バイパス弁(VA,VB)の開度を制
御して前記ガスエンジンの出力制御を行う様に構成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電装置及びその
制御方法に関する。より詳細には、定置式の内燃機関と
組み合わされた発電装置であって、商用電力系統と電気
的に接続されている系統連系にかかる発電装置と、その
発電装置を好適に制御するための方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】コージェネレーションシステム等で用い
られている発電装置としては、内燃機関(例えば都市ガ
スを燃料として用いるガスエンジン)と組み合わせた内
燃機関発電装置(例えばガスエンジン発電装置)が良く
知られている。
【0003】内燃機関と組み合わせた発電装置であっ
て、商用電力系統と電気的に接続されている系統連係で
は、その発電電力或いは出力を制御する制御方式とし
て、発電電力を一定に制御する「発電電力一定制御」
(モード1)と、商用電力系統からの受電電力を一定に
制御する「受電電力一定制御」(モード2)とが知られ
ている。
【0004】例えば図7でも示されているように、「モ
ード1」においては、発電出力(内燃機関の機関出力と
対応)の制御目標が定格出力であり、制御目標が常に一
定となっているので、急激な出力変動は要求されない。
一方、「モード2」には、始動時或いは停止時(図7に
おける左右両端の領域)等の様に、発電出力は負荷に対
応して制御する必要があるため、常に変動し、高精度な
(発電)出力制御が要求される。
【0005】「モード2」で要求される様な高精度な制
御を行うため、従来、この様な発電装置で用いられてい
る内燃機関、例えばガスエンジンの場合には、スロット
ル(バタフライ弁)の開度を制御し、混合気の供給量を
制御する事により出力制御を行うのが一般的である。そ
して、スロットルの前後(スロットルの上流側と下流
側)における差圧が大きいほど、スロットルの微小な開
度変化に対してガスエンジン出力変動が大きくなり、応
答性が向上し、制御性が良好となる。そのため、従来の
ガスエンジンの運転制御を行うに際しては、当該差圧を
大きく設定する様な設計或いは調節を行って、制御にお
ける応答性に余裕を設けている。
【0006】しかし、スロットルの前後、或いはスロッ
トルの上流側と下流側との間で大きな差圧が存在する
と、ポンピングロスとなってエンジンの熱効率に悪影響
を及ぼしてしまう。そのため、スロットルによる出力制
御を行っている従来のエンジンでは、高効率を達成する
事は困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した様な
従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、内燃
機関と組み合わせて構成された発電装置及びその制御方
法であって、受電電力一定制御(図7の「モード2」の
運転状態における制御)で要求される高精度な出力制御
を当該内燃機関に対して行う事が出来て、且つ、当該内
燃機関が高効率な運転効率を達成する事が出来る様な発
電装置及びその制御方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発電装置は、内
燃機関(例えばガスエンジン)と組み合わせて構成さ
れ、該内燃機関の排気ガスを用いて過給を行う排気ガス
過給機(所謂ターボチャージャ)を設けており、商用電
力系統と電気的に接続されている系統連系にかかる発電
装置において、吸気系に設けられて内燃機関に供給され
る混合気の供給量を制御するスロットルと、吸気系或い
は排気系で排気ガス過給機をバイパスするバイパスライ
ンと、該バイパスラインに介装されたバイパス弁と、ス
ロットル或いはバイパス弁を制御する制御ユニットとを
有しており、前記制御ユニットは、発電電力一定制御運
転(モード1)を行うべき場合に、前記スロットルを全
開状態で固定し且つ前記バイパス弁の開度を制御して前
記内燃機関の出力制御を行う様に構成されている。
【0009】ここで、前記制御ユニットは、受電電力一
定制御運転(モード2)を行うべき場合に、前記バイパ
ス弁を全閉状態で固定し且つ前記スロットルの開度を制
御して前記内燃機関の出力制御を行う様に構成されてい
るのが好ましい。
【0010】本発明の実施に際して、前記バイパスライ
ンは、排気系に介装された排気タービンをバイパスして
いるのが好ましい。或いは、前記バイパスラインは、吸
気系に介装された過給機をバイパスしているのが好まし
い。さらに、前記バイパスラインは排気系及び吸気系に
それぞれ設けられており、排気系に設けられたバイパス
ラインは排気タービンをバイパスしており、吸気系に設
けられたバイパスラインは過給機をバイパスしているの
が好ましい。
【0011】そして、内燃機関の出力を検出する手段
と、商用電力系統からの受電電力を検出する手段と、各
種制御タイミングを決定するために時間を計測する手段
とを有しており、前記制御ユニットは、内燃機関の出
力、商用電力系統からの受電電力、計測された時間に基
いて、発電電力一定制御運転(モード1)を行うべき状
態であるか或いは受電電力一定制御運転(モード2)を
行うべき状態であるかを判断する様に構成されているの
が好ましい。
【0012】本発明の制御方法は、内燃機関と組み合わ
せて構成され、該内燃機関の排気ガスを用いて過給を行
う排気ガス過給機を設けており、商用電力系統と電気的
に接続されている系統連系にかかる発電装置の制御方法
において、発電電力一定制御運転(モード1)を行うべ
き状況であるか否かを判定する工程と、発電電力一定制
御運転(モード1)を行うべき場合に、吸気系に設けら
れたスロットルを全開状態で固定し、且つ、排気ガス過
給機をバイパスするバイパスラインに介装されたバイパ
ス弁の開度を制御して前記内燃機関の出力制御を行う工
程、とを有している。
【0013】本発明の制御方法の実施に際して、受電電
力一定制御運転(モード2)を行うべき状況であるか否
かを判定する工程と、受電電力一定制御運転(モード
2)を行うべき場合に、前記バイパス弁を全閉状態で固
定し且つ前記スロットルの開度を制御して前記内燃機関
の出力制御を行う工程、とを含んでいるのが好ましい。
また、前記バイパスラインは排気系及び吸気系にそれぞ
れ設けられており、排気系及び吸気系に設けられたバイ
パスラインの各々にはバイパス弁が介装されており、受
電電力一定制御運転(モード2)から発電電力一定制御
運転(モード1)に移行する過渡期であるか否かを判定
する工程と、前記スロットルを全開状態で固定し、排気
側バイパスラインのバイパス弁を全閉状態で固定し、吸
気側バイパスラインのバイパス弁の開度を制御して前記
内燃機関の出力制御を行う前記過渡期の初期工程と、該
初期工程に引き続いて行われ、前記スロットルを全開状
態で固定し、吸気側バイパスラインのバイパス弁を全閉
状態で固定し、排気側バイパスラインのバイパス弁の開
度を制御して前記内燃機関の出力制御を行う発電電力一
定制御運転(モード1)工程、とを含んでいるのが好ま
しい。
【0014】さらに、前記バイパスラインは排気系及び
吸気系にそれぞれ設けられており、排気系及び吸気系に
設けられたバイパスラインの各々にはバイパス弁が介装
されており、発電電力一定制御運転(モード1)から受
電電力一定制御運転(モード2)に移行する過渡期であ
るか否かを判断する工程と、前記スロットルを全開状態
で固定し、排気側バイパスラインのバイパス弁を全閉状
態で固定し、吸気側バイパスラインのバイパス弁の開度
を制御して前記内燃機関の出力制御を行う前記過渡期の
初期工程と、該初期工程に引き続いて行われ、前記バイ
パス弁を全閉状態で固定し且つ前記スロットルの開度を
制御して前記内燃機関の出力制御を行う受電電力一定制
御運転(モード2)工程、とを含んでいるのが好まし
い。
【0015】これに加えて、内燃機関の出力、商用電力
系統からの受電電力、計測された時間に基いて、発電電
力一定制御運転(モード1)を行うべき状態であるか或
いは受電電力一定制御運転(モード2)を行うべき状態
であるかを判断する工程を含んでいるのが好ましい。
【0016】上述した様な構成を具備する本発明によれ
ば、急激な出力変動が要求されない発電電力一定制御運
転(モード1)においては、スロットルを全開状態で固
定し、バイパス弁の開度制御によって出力制御を行って
いるので、スロットルの前後の差圧は必要ではない。そ
のため、従来技術のようなポンピングロスを生じる恐れ
が無くなり、従来技術では達成不可能な高効率化が可能
となるのである。
【0017】一方、高精度な出力制御が要求される受電
電力一定制御運転(モード2)においては、バイパス弁
は全閉状態で固定され、スロットルで出力制御を行う。
これにより、従来と同様な精度の高い制御が実施される
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面の図1−図6を参
照して、本発明の実施形態について説明する。図におい
て、同一の部材には同様な符号を付して、重複説明を省
略している。図1において、全体を符号10で示すガス
エンジンは図示しない発電装置と一体的に構成されてお
り、例えば都市ガスの様な燃料ガスを用いた定置式のガ
スエンジン発電装置を設けたコージェネレーションシス
テムを構成している。そして明確には図示されていない
が、商用の電力系統と電気的に接続されて、系統連係と
なっている。
【0019】ガスエンジン10の吸気ライン12及び排
気ライン14には、全体を符号TCで示すターボチャー
ジャが設けられている。より詳細には、吸気マニホルド
16を介してガスエンジン10に混合気を供給する吸気
ライン12には、ターボチャージャTCの過給機Sが介
装されており、排気マニホルド18を介してガスエンジ
ン10と接続している排気ライン14には、ターボチャ
ージャTCの排気タービンTが介装されている。
【0020】吸気ライン12にはスロットル20が介装
されている。このスロットル20の開度を制御・調節す
る事により、ガスエンジン10の出力が制御できる。
【0021】一方、排気ライン14における排気タービ
ンTの上流側(エンジン10側)の領域からは、タービ
ンTをバイパスするバイパスライン22Bが分岐してい
る。このバイパスライン22Bは、タービンTの下流側
(図示しない外部側)で排気ライン14と合流してお
り、その途中にバイパス弁VBが介装されている。
【0022】なお、吸気ライン12において、符号24
及び符号26は、燃料ガス供給ラインを示している。
【0023】図1において、符号30はガスエンジン1
0の出力(コージェネレーションシステムの発電量に対
応する物理量)を検出するためのガスエンジン出力セン
サ(内燃機関の出力を検出する手段)であり、符号32
は商用の電力系統からの受電電力を検出するためのセン
サ(商用電力系統からの受電電力を検出する手段)であ
り、符号34は後述する各種制御に必要なタイミングを
計測するためのタイマ(各種制御タイミングを決定する
ために時間を計測する手段)である。センサ30、セン
サ32、タイマ34は、図1において1点鎖線で示す制
御ラインCL1、CL2、CL3により、それぞれ、制
御ユニット40に対してその検出信号を送出する。そし
て、制御ユニット40からは、それぞれ制御ラインCL
4、CL5を介して、スロットル20、バイパス弁VB
に対して制御信号(弁開度を制御する信号)が送出され
る。
【0024】図1には明示されていないが、ガスエンジ
ン10の運転制御に必要な吸気ライン圧力、ブースト圧
力・温度、吸入空気温度・湿度、燃料ガス温度・圧力
が、図示しない計測手段により計測され、制御ユニット
において必要な処理が施されて、運転制御が行われる。
【0025】図1で示す実施形態の作用について、主と
して図2を参照して説明する。
【0026】先ず、コージェネレーションシステムの発
電量に対応する物理量であるガスエンジン10の出力を
センサ30により計測し、図示しない商用電力系統から
の受電電力をセンサ32により計測すると共に、タイマ
34により時間的間隔を計測する(ステップS1)。
【0027】そして、定格値以上の発電電力に相当する
エンジン出力(所定値以上のエンジン出力)がセンサ3
0で計測され、且つ、センサ32により商用電力系統か
らの受電電力が所定値以上である状態が、所定時間以上
に亘って継続したか否か(タイマ34)が、制御ユニッ
ト40において判断される(ステップS2)。なお、こ
こでいう定格値、所定値、所定時間は、個々のシステム
のハード的な各種条件、設置箇所の各種環境、使用目
的、設計事項、その他により異なるものであり、所謂
「ケース・バイ・ケース」で求められるべき数値とな
る。
【0028】所定値以上のエンジン出力で且つ商用電力
系統からの受電電力も所定値以上である状態が所定時間
以上に亘って継続したのであれば(ステップS2がYe
s)、その時点における運転状態は図7における「モー
ド1」であると判断する(ステップS3)。
【0029】モード1の運転状態は、発電電力を一定に
制御する運転であり、ガスエンジン10の出力の急激な
制御や、敏速な応答性は必要とされない。従って、スロ
ットル20による迅速な制御も必須ではない。そのた
め、図示の実施形態によれば、スロットル20を全開状
態に固定する(ステップS4)と共に、バイパス弁VB
を制御してバイパスライン22Bを流れる排気流量を調
節する事によって過給圧力を制御し、以って、ガスエン
ジン10の出力制御を行う(ステップS4)。
【0030】モード1の運転状態では敏速な応答制御は
要求されず、スロットル20による制御は必須ではない
ので、スロットル20を全開して、吸気ライン12にお
ける抵抗を減少すると共に、従来技術で問題となってい
たポンピングロスを解消する事が出来る。そのため、高
効率運転が可能となる。
【0031】一方、所定値以上のエンジン出力で且つ商
用電力系統からの受電電力も所定値以上である状態が、
所定時間以上継続しなければ(ステップS2がNo)、
その時点における運転状態は図7における「モード2」
であると判断する(ステップS5)。
【0032】モード2の運転状態は、商用電力系統から
の受電電力を一定に制御する運転であり、発電出力或い
はガスエンジン10は負荷に合わせて制御しなければな
らず、急激な制御や、敏速な応答性が要求される。従っ
て、モード2の運転状態においては、スロットル20の
開度制御による迅速な制御が望ましい。そのため図示の
実施形態によれば、バイパス弁VBを全閉状態として、
スロットル20によってガスエンジン10の出力制御を
行う(ステップS6)。
【0033】ステップS4及びステップS6の後、運転
を継続するのであれば(ステップS7がNo)ステップ
S1に戻り、運転を終了するのであれば(ステップS7
がYes)、所定の手順に従って終了する。
【0034】図3は本発明の第2実施形態を示してい
る。
【0035】図1の第1実施形態では、バイパスライン
22B及びバイパス弁VBは、排気ライン14側(或い
は排気タービンT側)に設けられている。これに対し
て、図3の第2実施形態では、パイパスライン22A及
びバイパス弁VAは、吸気ライン12側(過給機S側)
に設けられている。
【0036】図3の第2実施形態では、モード1の運転
状態(バイパス弁VAの開度制御によりガスエンジン1
0の出力制御を行う状態)において、スロットル20を
全開状態に固定して、バイパス弁VAの開度或いはバイ
パスライン22Aを流れる混合気(過給機Sにより圧縮
された混合気)の流量を制御する事により、ガスエンジ
ン10の出力制御を行っている。そして図1の第1実施
形態に比較して、図3の第2実施形態は効率が多少劣る
ものの、応答性は向上している。その他の構成及び作用
について、図3の第2実施形態は、図1及び図2で説明
した第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0037】図4は、本発明の第3実施形態を示してい
る。図1の第1実施形態と、図3の第2実施形態は、バ
イパスライン(22B、22A)及びバイパスバルブ
(VB、VA)が、排気ライン14側(排気タービンT
側)或いは吸気ライン12側(過給機S側)のいずれか
一方のみに設けられている。これに対して、図4で示す
第3実施形態では、排気ライン14側(排気タービンT
側)及び吸気ライン12側(過給機S側)の双方に、バ
イパスライン(22B、22A)及びバイパスバルブ
(VB、VA)が設けられている。そして、排気ライン
14側のバイパスバルブVBは、制御ラインCL5Bを
介して制御ユニット40からの制御信号を受信する様に
構成されており、吸気ライン12側のバイパスバルブV
Aは、制御ラインCL5Aにより制御ユニット40と接
続されている。
【0038】図4の実施形態におけるその他の構成につ
いては、図1或いは図3で示すのと概略同様であるの
で、説明は省略する。
【0039】次に、図4の実施形態の作用について説明
する。当該実施形態において、上述したモード1の運転
状態において、高効率を追求したい場合には、スロット
ル20を全開状態に固定して、且つ、バイパス弁VAを
全閉状態に固定して、バイパス弁VBの開度或いはバイ
パスライン22Bを流れる排気流量を制御する事によ
り、ガスエンジン10の出力制御をすれば良い。
【0040】一方、上述したモード1の運転状態におい
て迅速な応答性を達成したい場合には、スロットル20
を全開状態に固定して、且つ、バイパス弁VBを全閉状
態に固定して、バイパス弁VAの開度或いはバイパスラ
イン22Aを流れる混合気流量を制御する事により、ガ
スエンジン10の出力制御をするのである。図4で示す
実施形態の作用の詳細について、主として図5を参照し
つつ、以下において説明する。
【0041】先ず、コージェネレーションシステムの発
電量に対応する物理量であるガスエンジン10の出力を
センサ30により計測し、図示しない商用電力系統から
の受電電力をセンサ32により計測すると共に、タイマ
34により時間的間隔を計測する(ステップS10)。
【0042】そして、定格値以上の発電電力に相当する
エンジン出力(所定値以上のエンジン出力)がセンサ3
0で計測され、且つ、センサ32により商用電力系統か
らの受電電力が所定値以上である状態が、所定時間以上
に亘って継続したか否か(タイマ34)が、制御ユニッ
ト40において判断される(ステップS12)。
【0043】所定値以上のエンジン出力で且つ商用電力
系統からの受電電力も所定値以上である状態が所定時間
以上に亘って継続したのであれば(ステップS11がY
es)、その時点における運転状態は図7における「モ
ード1」であると判断する(ステップS12)。そし
て、前回のサイクル(ステップS10からステップS1
7に至る1連の制御)が「モード2」ではなかったか否
かを判断する(ステップS13)。
【0044】ここで、前回のサイクルにおいても運転状
態が「モード1」であれば(ステップS13がYe
s)、連続してモード1の運転が行われているため、ガ
スエンジン10の出力制御もモード1に好適な形式で制
御する。すなわち、モード1の運転状態は、発電電力を
一定に制御する運転であり、ガスエンジン10の出力の
急激な制御や、敏速な応答性は必要とされないので、ス
ロットル20による迅速な制御も必須ではない。そのた
め、スロットル20を全開状態に固定する。それと共
に、バイパス弁VAによる応答性の良好な制御も必須で
はないので、バイパス弁VAも全閉状態に固定する。そ
して、バイパス弁VBを制御してバイパスライン22B
を流れる排気流量を調節する事によって過給圧力を制御
し、以って、ガスエンジン10の出力制御を行う(ステ
ップS14)。換言すれば、モード1の状態では、高効
率化を企図した制御が最適である。
【0045】これに対してステップS13が「No」の
場合、すなわち、前回のサイクルにおいては運転状態が
「モード2」であった場合は、モード2からモード1へ
の過渡期である。上述した通り、モード2の運転状態は
商用電力系統からの受電電力を一定に制御する運転であ
り、ガスエンジン10は負荷に合わせて制御しなければ
ならず、急激な制御や、敏速な応答性が要求される。従
って、モード2からモード1への過渡期においても、ガ
スエンジン10の出力は迅速に制御されることが望まし
い。一方、モード1の運転状態ではスロットル20によ
る出力制御は行われない。
【0046】そのため、ステップS13が「No」の場
合には、バイパス弁VAによる応答性の良好な制御が行
われる。より詳細には、スロットル20は全開状態に固
定され、バイパス弁VBは全閉状態に固定され、バイパ
ス弁VAの開度或いはバイパスライン22Aを流れる混
合気の流量を制御する事により、ガスエンジン10の出
力制御が行われる(ステップS15)。
【0047】この状態で、モード2からモード1の過渡
期に対応する時間が経過するまで制御を行い(ステップ
S16が「No」のループ)、過渡期が経過したならば
(ステップS16が「Yes」)、モード1に最適な制
御を行う。すなわち、バイパス弁VBの開度制御により
ガスエンジン10の出力を制御して、高効率化を図るの
である(ステップS14)。
【0048】ここで、モード1の運転状態ではスロット
ル20を全開しているため、吸気ライン12における抵
抗を減少することが出来る。それと共に、従来技術で問
題となっていたポンピングロスを解消する事が出来る。
そのため、高効率運転が可能となる。
【0049】ステップS11において、所定値以上のエ
ンジン出力で且つ商用電力系統からの受電電力も所定値
以上である状態が、所定時間以上継続しなければ、その
時点における運転状態は図7における「モード2」であ
ると判断する(ステップS19)。そして、前回のサイ
クルが「モード1」ではなかったか否かを判断する(ス
テップS20)。
【0050】ここで、前回のサイクルにおいても運転状
態が「モード2」であれば(ステップS20がYe
s)、連続してモード2の運転が行われているため、ガ
スエンジン10の出力制御もモード2に好適な形式で制
御する。前述した通り、モード2の運転状態では発電出
力或いはガスエンジン10は負荷に合わせて制御しなけ
ればならず、急激な制御や、敏速な応答性が要求される
ので、スロットル20の開度制御による迅速な制御が望
ましい。そのため図示の実施形態によれば、バイパス弁
VA及びVBを全閉状態として、スロットル20のみに
よってガスエンジン10の出力制御を行う(ステップS
21)。
【0051】これに対してステップS20が「No」の
場合、すなわち、前回のサイクルにおいては運転状態が
「モード1」であった場合は、モード1からモード2へ
の過渡期である。図5で示す制御においては、この過渡
期において直ちにモード2の運転へ移行することはせ
ず、先ず、モード1の運転(スロットル20を全開で固
定)であって、且つ、制御の応答性が良好な運転を行
う。すなわち、バイパス弁VBを全閉で固定して、バイ
パス弁VAの開度を制御して、バイパスライン22Aを
流れる混合気の流量制御を行う(ステップS22)ので
ある。
【0052】そして、ステップS22で示す運転を過渡
期に対応する時間(ステップS23の「所定時間」)だ
け継続して(ステップS23が「No」のループ)、モ
ード2の運転状態に移行する(ステップS21)。
【0053】ステップS14及びステップS21の後、
運転を継続するのであれば(ステップS17がNo)ス
テップS10に戻るが、その際に、ステップS18にお
いて、所定時間だけ待機する(ステップS18がNoの
ループ)。換言すれば、図5の制御(図2及び図6で示
す制御も同様)は休み無く行われるのではなく、ステッ
プS10からステップS17に至る1連の制御(サイク
ル)が、所定の時間的間隔を空けて断続的に行われるの
である。なお、運転を終了するのであれば(ステップS
17がYes)、所定の手順に従って終了する。
【0054】図5で示す制御は、モード2からモード1
へ移行する場合のみならず、その逆の場合(モード1か
らモード2への移行)においても、過渡期には多段階に
亘って運転を移行している。しかし、モード1からモー
ド2へ変化する際には、直ちに運転を変化させても良
い。
【0055】図6は、その様な制御を示しており、図5
の制御と概略同様であるが、モード2の運転状態と判定
された場合(ステップS19)、直ちにバイパス弁VB
及びVAを全閉状態に固定し、スロットル20によるガ
スエンジン10の出力制御を行う(ステップS21)。
その他の制御については、図5と同様である。
【0056】図示の実施形態は、あくまでも例示であ
り、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない
旨を付記する。
【0057】
【発明の効果】本発明の作用効果を、以下に列挙する。 (1) 内燃機関(例えばガスエンジン)を用いた系統
連系の発電装置において、良好な制御性を維持しつつ、
従来に比較して著しく高い効率を達成する事が出来る。 (2) 発電電力一定制御運転(モード1)において、
スロットル前後の差圧の発生を防止し、当該差圧に起因
するポンピングロスを解消して、高い効率を達成でき
る。 (3) 受電電力一定制御運転(モード2)において、
負荷変動に対応した急激な出力制御に対処する事が出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の要部を示すブロック
図。
【図2】図1の実施形態における制御の1例を示すフロ
ーチャート。
【図3】本発明の第2実施形態の要部を示すブロック
図。
【図4】本発明の第3実施形態の要部を示すブロック
図。
【図5】第3実施形態における制御の1例を示すフロー
チャート。
【図6】第3実施形態におけるその他の制御例を示すフ
ローチャート。
【図7】系統連系のガスエンジン発電装置の運転を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 19/02 F02D 29/06 H 5H590 23/00 43/00 301K 29/06 301R 43/00 301 45/00 301M H02P 9/04 J 45/00 301 F02B 37/00 303A H02P 9/04 37/12 301E Fターム(参考) 3G005 DA06 EA16 FA06 GA02 GB18 GB27 GC07 GD13 GD14 HA19 JA00 JB26 3G065 AA03 AA10 BA02 CA13 DA04 EA07 KA02 3G084 AA05 BA05 BA19 CA05 DA04 EC03 FA31 3G092 AA18 AB06 AC08 DC01 DC12 DG07 FA02 FA06 GA05 GA06 HE06Z HF01Z 3G093 AA16 AB02 BA14 BA18 CA05 DA00 DB28 EA09 EA11 FA12 5H590 AA02 AA21 CA09 CA26 CE01 EB21 FA01 HA06 HA11 HA15 HA18 JA09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と組み合わせて構成され、該内
    燃機関の排気ガスを用いて過給を行う排気ガス過給機を
    設けており、商用電力系統と電気的に接続されている系
    統連系にかかる発電装置において、吸気系に設けられて
    内燃機関に供給される混合気の供給量を制御するスロッ
    トルと、吸気系或いは排気系で排気ガス過給機をバイパ
    スするバイパスラインと、該バイパスラインに介装され
    たバイパス弁と、スロットル或いはバイパス弁を制御す
    る制御ユニットとを有しており、前記制御ユニットは、
    発電電力一定制御運転を行うべき場合に、前記スロット
    ルを全開状態で固定し且つ前記バイパス弁の開度を制御
    して前記内燃機関の出力制御を行う様に構成されている
    事を特徴とする発電装置。
  2. 【請求項2】 前記制御ユニットは、受電電力一定制御
    運転を行うべき場合に、前記バイパス弁を全閉状態で固
    定し且つ前記スロットルの開度を制御して前記内燃機関
    の出力制御を行う様に構成されている請求項1の発電装
    置。
  3. 【請求項3】 前記バイパスラインは、排気系に介装さ
    れた排気タービンをバイパスしている請求項1、2のい
    ずれかの発電装置。
  4. 【請求項4】 前記バイパスラインは、吸気系に介装さ
    れた過給機をバイパスしている請求項1、2のいずれか
    の発電装置。
  5. 【請求項5】 前記バイパスラインは排気系及び吸気系
    にそれぞれ設けられており、排気系に設けられたバイパ
    スラインは排気タービンをバイパスしており、吸気系に
    設けられたバイパスラインは過給機をバイパスしている
    請求項1、2のいずれかの発電装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関の出力を検出する手段と、商用
    電力系統からの受電電力を検出する手段と、各種制御タ
    イミングを決定するために時間を計測する手段とを有し
    ており、前記制御ユニットは、内燃機関の出力、商用電
    力系統からの受電電力、計測された時間に基いて、発電
    電力一定制御運転を行うべき状態であるか或いは受電電
    力一定制御運転を行うべき状態であるかを判断する様に
    構成されている請求項1−5のいずれか1項の発電装
    置。
  7. 【請求項7】 内燃機関と組み合わせて構成され、該内
    燃機関の排気ガスを用いて過給を行う排気ガス過給機を
    設けており、商用電力系統と電気的に接続されている系
    統連系にかかる発電装置の制御方法において、発電電力
    一定制御運転を行うべき状況であるか否かを判定する工
    程と、発電電力一定制御運転を行うべき場合に、吸気系
    に設けられたスロットルを全開状態で固定し、且つ、排
    気ガス過給機をバイパスするバイパスラインに介装され
    たバイパス弁の開度を制御して前記内燃機関の出力制御
    を行う工程、とを有している事を特徴とする制御方法。
  8. 【請求項8】 受電電力一定制御運転を行うべき状況で
    あるか否かを判定する工程と、受電電力一定制御運転を
    行うべき場合に、前記バイパス弁を全閉状態で固定し且
    つ前記スロットルの開度を制御して前記内燃機関の出力
    制御を行う工程、とを含む請求項7の制御方法。
  9. 【請求項9】 前記バイパスラインは排気系及び吸気系
    にそれぞれ設けられており、排気系及び吸気系に設けら
    れたバイパスラインの各々にはバイパス弁が介装されて
    おり、受電電力一定制御運転から発電電力一定制御運転
    に移行する過渡期であるか否かを判定する工程と、前記
    スロットルを全開状態で固定し、排気側バイパスライン
    のバイパス弁を全閉状態で固定し、吸気側バイパスライ
    ンのバイパス弁の開度を制御して前記内燃機関の出力制
    御を行う前記過渡期の初期工程と、該初期工程に引き続
    いて行われ、前記スロットルを全開状態で固定し、吸気
    側バイパスラインのバイパス弁を全閉状態で固定し、排
    気側バイパスラインのバイパス弁の開度を制御して前記
    内燃機関の出力制御を行う発電電力一定制御運転工程、
    とを含む請求項7、8のいずれかの制御方法。
  10. 【請求項10】 前記バイパスラインは排気系及び吸気
    系にそれぞれ設けられており、排気系及び吸気系に設け
    られたバイパスラインの各々にはバイパス弁が介装され
    ており、発電電力一定制御運転から受電電力一定制御運
    転に移行する過渡期であるか否かを判断する工程と、前
    記スロットルを全開状態で固定し、排気側バイパスライ
    ンのバイパス弁を全閉状態で固定し、吸気側バイパスラ
    インのバイパス弁の開度を制御して前記内燃機関の出力
    制御を行う前記過渡期の初期工程と、該初期工程に引き
    続いて行われ、前記バイパス弁を全閉状態で固定し且つ
    前記スロットルの開度を制御して前記内燃機関の出力制
    御を行う受電電力一定制御運転工程、とを含む請求項
    7、8のいずれかの制御方法。
  11. 【請求項11】 内燃機関の出力、商用電力系統からの
    受電電力、計測された時間に基いて、発電電力一定制御
    運転を行うべき状態であるか或いは受電電力一定制御運
    転を行うべき状態であるかを判断する工程を含む請求項
    7−10のいずれか1項の制御方法。
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