JP2000257141A - 地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法 - Google Patents

地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法

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JP2000257141A JP11060043A JP6004399A JP2000257141A JP 2000257141 A JP2000257141 A JP 2000257141A JP 11060043 A JP11060043 A JP 11060043A JP 6004399 A JP6004399 A JP 6004399A JP 2000257141 A JP2000257141 A JP 2000257141A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既設管渠に接続されているサービス管の破損を
防止する。地盤改良に際して、交通障害や騒音問題が生
じないようにする。 【解決手段】既設管渠1の切削更新に先だって、サービ
ス管2内の全体にわたり仮ライニングを施し、この仮ラ
イニング材20によりサービス管2全体を一体化すると
ともに、これと既設管渠1とを一体化する。また、管渠
更新後、サービス管2内を通して、サービス管2の先端
部2c内に地盤改良材を供給し、この供給改良材Gを新
設管渠10とサービス管先端部2cとの隙間s2を介し
て、近傍地盤に浸透させ、当該近傍地盤の地盤改良を行
うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老朽化した下水道
管渠などの既設管渠を非開削で更新する際、既設管渠に
接続されているサービス管を同時に非開削で復旧、更生
するようにした地下埋設管渠更新時に於けるサービス管
の非開削復旧方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に都市部では下水道事業をはじ
めとしてライフラインの整備が進んでいる。しかしなが
ら、一方では過去に布設された管渠の老朽化や管渠能力
の不足が問題化しつつあり、その布設替えが望まれてい
る。
【0003】布設替えに当たっては、既設管渠をそのま
まとしながら、ルートを別にしながら1〜2サイズ大き
な新設管渠を開削工法により布設するのが最も施工が容
易でかつコストも安い。しかし、都市部においては、新
規に管渠を布設するための用地を確保することが難しく
なっているとともに、道路交通の確保の問題、地下空間
に錯綜している地下埋設物の問題などがあり、新設管渠
のためのルートを確保すること自体が困難になりつつあ
る。
【0004】このような問題を一挙に解決しつつ、新設
の管渠を布設するための工法として考えられたのがリフ
レッシュシールド工法、パイプバースティング工法、パ
イプイーティング工法などと言われる、非開削による管
渠更新工法である。この工法は、既設管渠を掘進機等で
切削破砕しながら、その後方から新設管渠を後続させる
ことにより、開削工事を行うことなく、既設管渠と略同
位置に1〜2サイズ大きなまたは同径サイズの新設管渠
を布設するものである。
【0005】前記リフレッシュシールド工法は、図14
に示されるように、中央に開口部を設けたカッターヘッ
ド51とその中空部に設けた方向制御支持装置(ガイド
装置)52を有するシールド掘進機50により、既設管
渠54および周辺地盤を掘削撤去しながら、シールド掘
進機50の後方に新設管渠53を布設するものである。
この場合、シールド掘進機50の掘進力は新設管渠53
の基端(立て坑)に置かれた図示しない元押しジャッキ
により新設管渠53を介して与えられる。また、前記カ
ッターヘッド51の中央を貫いて設けられた管を通して
下水等の流下水を流すことにより、現在の管渠を使用し
ながらの活線施工が可能となっている。なお、掘削ずり
はベルトコンベア55等を通じて坑外へ運ばれる。
【0006】また、前記パイプバースティング工法は老
朽管を内部から強制的に押し広げて空間を作り、その中
に更新管を挿入する方法であり、前記パイプイーティン
グ工法は、老朽管を破砕しながら掘削機内部に取り込
み、掘削機後方の空洞部に更新管を挿入する方法であ
る。
【0007】しかしながら、前記非開削による管渠更新
工法においては、既設管渠の掘削撤去の際に、既設管渠
に接続されているサービス管の接続端部分が不揃いに破
損されてしまい、その後に新設管渠に対する接続がうま
くできなかった。また、本管渠への接続部位の破損に留
まらず、図15に示すように陶製等の非可撓性サービス
管102の場合には切削更新機100の切削ビット10
1が接触したとたんに管長手方向に沿って亀裂103が
走る場合があることや、図16に示すように塩ビ製等の
可撓性サービス管104の場合には管内部方向へ凹む場
合があることも判明した。このため、本管を非開削で更
新したとしてもサービス管については、開削工事によっ
て交換しているのが現状である。折角、本管を非開削で
更新したとしても、接続されている多数のサービス管の
箇所毎に掘削を行っていたのでは、当然に施工効率が悪
くなり、本管を非開削で行ったメリットも失われること
となり、従来より数々の非開削による管渠更新方法が提
案されているにも拘わらず、その需要が伸びない原因と
もなっている。また、前記サービス管交換のための開削
工事によって、道路交通規制が必要となったり、工事騒
音など周辺環境の問題も発生している。
【0008】かかる問題点に対して、本出願人らは、先
の特開平10−231955号公報に示されるように、
既設管渠の切削更新に先だってサービス管の既設管渠近
傍部位の内部に発泡樹脂や自硬性材料等の切削可能な充
填材を充填してサービス管を補強する方法(以下、先行
技術1という)、並びにこの方法とともに既設管渠の切
削更新に先だってサービス管の既設管渠近傍部位に切断
目地を形成しておく方法(以下、先行技術2という)を
提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開平10−231955号公報に示される方法は、その
後実験を重ねた結果、次の問題点を有していることが判
明した。
【0010】<先行技術1の問題点>既設管渠の切削更
新に先だってサービス管内部に発泡樹脂や自硬性材料等
の切削可能な充填材を充填してサービス管を補強すれ
ば、切削更新時におけるサービス管の破損を防げるもの
の、既設管渠の更新後において充填材を切削撤去しなけ
ればならない。また、その際の切削によってサービス管
を亀裂発生等により破損させてしまう虞がある。
【0011】また、特開平10−231955号公報に
例示されるように、サービス管の既設管渠近傍部位の内
部にのみ充填材を充填しただけでは、サービス管全体が
一体となっていないため、図15および図16に示すよ
うに、切削更新機100の進行に伴い、切削ビット10
1の回転力および更新機100の進行力によって管10
2,104が既設管渠110の管芯方向に引きずり込ま
れてしまうことが判明した。さらに、通常のサービス管
は、複数の管体が積み重なっているだけであるため、例
えば周辺地盤が緩い場合、既設管渠近傍部位の管体が既
設管渠の管芯方向に引きずり込まれると、その上側の管
体は支えを失いずれ落ちてしまうことも判明した。これ
らの現象は、サービス管が非可撓性の場合であると、可
撓性の場合であるとを問わず発生する。
【0012】<先行技術2の問題点>既設管渠の切削更
新に先だって、サービス管の既設管渠近傍部位に切断目
地を形成する場合、サービス管内にインナーカッターを
挿入して目地形成を行うが、対象となるサービス管が老
朽化していると亀裂等の破損が発生したり、対象となる
サービス管が既に破損している場合、その破損が拡大す
ることがある。
【0013】切断目地を形成するには、本管内からのカ
メラ監視等の作業が必要となるため、作業が煩雑であり
且つ作業コストも高くならざるを得ない。
【0014】<地盤改良に関する問題点>他方、特開平
10−231955号公報に示されるように、特に既設
管渠とサービス管の接続位置が地下水位以下もしくは既
設管渠周辺の地盤が緩い場合には、接続部位周辺の地盤
補強、ならびに新設管渠の内壁にサービス管に連通する
孔を形成する際の、新設管渠内への地下水や地盤土の流
入防止のために、既設管渠とサービス管との接続部位近
傍の地盤に改良剤を注入し地盤改良するのが望ましい。
【0015】しかし、同公報に示されるような在来の地
盤改良を採用する場合、地上からの施工となるため、次
の問題点がある。すなわち、この場合、既設管渠および
サービス管の埋設位置を探査する必要があるため、その
分だけ施工手間がかかり且つ施工費用も高くなる。さら
に、地上から施工する在来の地盤改良では、改良部位を
定め難く、改良位置の位置決め精度が低い。
【0016】また、在来の地盤改良の場合、地上に地盤
改良機を設置することになるので、その設置場所の確保
が必要になる。特にサービス管は建物や施設から道路に
向かって延在し、道路下に埋設された管渠に合流するよ
うになっている場合が殆どであり、従って通常の場合に
は地盤改良機を道路に設置する必要があるため、交通障
害や騒音問題も発生する。
【0017】<新設管渠にサービス管と連通する孔を形
成させる際の問題点>既設管渠を非開削によって新設管
渠に更新した後、この新設管渠にサービス管と連通する
孔を形成するにあたり、前述特開平10−231955
号公報に示す方法では、サービス管側から挿入したドリ
ルにより新設管渠におけるサービス管接続部位にマーキ
ング孔を形成しておき、しかる後、作業員若しくは管内
ロボットにより、新設管渠側からマーキング孔を基準
に、新設管渠におけるサービス管接続部位に、サービス
管内径と実質的に同径の連通孔を形成する方法を提案し
た。しかし、この方法では、連通孔形成工程に先だって
マーキング孔を形成しなければならず、作業が煩雑であ
った。
【0018】以上のように、従来方法の実現には依然と
して多数の問題点が残っていた。そこで本発明の主たる
課題は、上述したようなサービス管の破損・変形および
更新機によるサービス管の引き込み及びズレ落ちの防止
や、地盤改良における改良部位の位置決め精度向上およ
び交通障害や騒音問題の解決、新設管渠にサービス管へ
の連通孔を形成する際の孔形成作業の簡素化を図り、も
って地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復
旧の現実化を図ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明のうち請求項1記載の発明は、地下に埋設されてある
既設管渠を非開削にて新設管渠に更新する際に適用され
るサービス管の非開削復旧方法であって、前記サービス
管における、少なくとも前記既設管渠に対する接続部分
内に対して仮ライニングを行い、しかる後、前記既設管
渠を非開削で掘削撤去するとともに、撤去部位に新設管
渠を布設して管渠更新を行い、しかる後、前記新設管渠
に前記サービス管と連通する孔を形成した後、少なくと
も前記新設管渠とサービス管とに跨がる範囲に亘って本
ライニングを行い新設管渠とサービス管とを一体化させ
ることを特徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサー
ビス管の非開削復旧方法である。
【0020】請求項2記載の発明は、既設管渠を非開削
によって新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービ
ス管と連通する孔を形成する、地下に埋設されてある既
設管渠を非開削にて新設管渠に更新する際に適用される
サービス管の非開削復旧方法であって、少なくとも前記
新設管渠にサービス管と連通する孔を形成するのに先だ
って、地盤改良剤を、前記サービス管内ならびに前記新
設管渠外面と前記サービス管先端との隙間を介して、前
記新設管渠の外側における前記サービス管先端部近傍の
地盤に浸透させて、当該地盤の改良を行うことを特徴と
する、地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削
復旧方法である。
【0021】請求項3記載の発明は、既設管渠を非開削
によって新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービ
ス管と連通する孔を形成する、地下に埋設されてある既
設管渠を非開削にて新設管渠に更新する際に適用される
サービス管の非開削復旧方法であって、少なくとも前記
新設管渠にサービス管と連通する孔を形成するのに先だ
って、可撓性鞘体の先端部内に地盤改良剤を保持させ、
この鞘体を前記サービス管内に反転挿入し、前記鞘体先
端部の反転により前記改良剤を放出させるとともに、そ
の放出改良剤を前記新設管渠外面と前記サービス管先端
との隙間を介して、前記新設管渠の外側における前記サ
ービス管先端部近傍の地盤に浸透させて、当該地盤の改
良を行うことを特徴とする、地下埋設管渠更新時に於け
るサービス管の非開削復旧方法である。
【0022】請求項4記載の発明は、地下に埋設されて
ある既設管渠を非開削にて新設管渠に更新する際に適用
されるサービス管の非開削復旧にあたり、前記サービス
管における、少なくとも前記既設管渠に対する接続部分
内に対して仮ライニングを行い、しかる後、前記既設管
渠を非開削で掘削撤去するとともに、撤去部位に新設管
渠を布設して管渠更新を行い、しかる後、前記新設管渠
に前記サービス管と連通する孔を形成した後、少なくと
も前記新設管渠とサービス管とに跨がる範囲に亘って本
ライニングを行い新設管渠とサービス管とを一体化させ
るとともに;少なくとも前記新設管渠にサービス管に連
通する孔を形成するのに先だって、可撓性鞘体の先端部
内に地盤改良剤を保持させ、この鞘体を前記サービス管
内に反転挿入し、鞘体先端部の反転によって前記改良剤
を放出させるとともに、その放出改良剤を前記新設管渠
外面と前記サービス管先端との隙間を介して、前記新設
管渠の外側における前記サービス管先端部近傍の地盤に
浸透させて、当該地盤の改良を行うことを特徴とする、
地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方
法である。
【0023】請求項5記載の発明は、前記改良剤の放出
に際し或いは放出後に、前記鞘体の反転挿入圧を上昇さ
せ、この上昇した反転挿入圧を前記放出改良剤に作用さ
せて、前記放出改良剤を前記地盤内に強制的に浸透させ
る、請求項3または4記載の地下埋設管渠更新時に於け
るサービス管の非開削復旧方法である。
【0024】請求項6記載の発明は、既設管渠を非開削
によって新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービ
ス管と連通する孔を形成する、地下に埋設されてある既
設管渠を非開削にて新設管渠に更新する際に適用される
サービス管の非開削復旧方法であって、前記サービス管
内径と実質的に同径の連通孔を形成する連通孔用ビット
と、この連通孔用ビットを回転駆動する回転駆動手段を
備えたドリル装置を用い、前記サービス管側から挿入し
た前記連通孔用ビットにより、前記新設管渠における前
記サービス管との接続部位に、前記サービス管内径と実
質的に同径の連通孔を形成することを特徴とする、地下
埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法で
ある。
【0025】請求項7記載の発明は、少なくとも前記連
通孔の形成時に、前記連通孔用ビットの削孔中心を前記
サービス管の管心線上に保持する、請求項6記載の地下
埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法で
ある。
【0026】請求項8記載の発明は、既設管渠を非開削
によって新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービ
ス管と連通する孔を形成する、地下に埋設されてある既
設管渠を非開削にて新設管渠に更新する際に適用される
サービス管の非開削復旧方法であって、先端側から順
に、マーキング孔形成のためのマーキング孔用ビット、
および前記サービス管内径と実質的に同径の連通孔を形
成する連通孔用ビットを一体的に備えるとともに、これ
らビットを回転駆動する回転駆動手段を備えたドリル装
置を用い、前記連通に際し、前記サービス管内に前記マ
ーキング孔用ビットおよび連通孔用ビットを挿入して、
前記サービス管側から、前記マーキング孔用ビットによ
りマーキング孔を形成するとともに、このマーキング孔
内に挿通している前記マーキング孔用ビットにより、前
記連通孔用ビットを前記サービス管の横断面方向に位置
決めした状態で、前記連通孔用ビットによって、前記新
設管渠における前記サービス管との接続部位に前記サー
ビス管内径と実質的に同径の連通孔を形成することを特
徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非
開削復旧方法である。
【0027】請求項9記載の発明は、少なくとも前記マ
ーキング孔および連通孔の形成時に、前記マーキング孔
用ビットの削孔中心および前記連通孔用ビットの削孔中
心を、前記サービス管の管心線上に保持する、請求項8
記載の地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削
復旧方法である。
【0028】請求項10記載の発明は、地下に埋設され
てある既設管渠を非開削にて新設管渠に更新した後、こ
の新設管渠にサービス管と連通する孔を形成する際に、
前記サービス管側から挿入され使用されるドリル装置で
あって、前記サービス管内径と実質的に同径の連通孔を
形成する連通孔用ビットと、この連通孔用ビットを回転
駆動する回転駆動手段とを備えたことを特徴とする、地
下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法
に使用するドリル装置である。
【0029】請求項11記載の発明は、地下に埋設され
てある既設管渠を非開削にて新設管渠に更新した後、こ
の新設管渠にサービス管と連通する孔を形成する際に、
前記サービス管側から挿入され使用されるドリル装置で
あって、前記サービス管内径と実質的に同径の連通孔を
形成する連通孔用ビットと、この連通孔用ビットを回転
自在に支持する支持体と、この支持体の側部から張出し
て前記サービス管内面に接離自在の張出し部と、前記連
通孔用ビットを回転駆動する回転駆動手段とを備え、前
記張出し部をサービス管内面に当接させた状態で、前記
支持体を介して前記連通孔用ビットの削孔中心が前記サ
ービス管の管心線上に保持されるように構成したことを
特徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の
非開削復旧方法に使用するドリル装置である。
【0030】請求項12記載の発明は、地下に埋設され
てある既設管渠を非開削にて新設管渠に更新した後、こ
の新設管渠にサービス管と連通する孔を形成する際に、
前記サービス管側から挿入され使用されるドリル装置で
あって、先端側から順に、マーキング孔形成のためのマ
ーキング孔用ビット、および前記サービス管内径と実質
的に同径の連通孔を形成する連通孔用ビットを一体的に
備えるとともに、これらビットを回転駆動する回転駆動
手段を備えたことを特徴とする、地下埋設管渠更新時に
於けるサービス管の非開削復旧方法に使用するドリル装
置である。
【0031】請求項13記載の発明は、地下に埋設され
てある既設管渠を非開削にて新設管渠に更新した後、こ
の新設管渠にサービス管と連通する孔を形成する際に、
前記サービス管側から挿入され使用されるドリル装置で
あって、先端側から順に、マーキング孔形成のためのマ
ーキング孔用ビット、および前記サービス管内径と実質
的に同径の連通孔を形成する連通孔用ビットを一体的に
備えるとともに、これらビットを回転自在に支持する支
持体と、この支持体の側部から張出して前記サービス管
内面に接離自在の張出し部と、前記マーキング孔用ビッ
トおよび連通孔用ビットを回転駆動する回転駆動手段を
備え、前記張出し部をサービス管内面に当接させた状態
で、前記支持体を介して前記マーキング孔用ビットおよ
び連通孔用ビットの削孔中心が前記サービス管の管心線
上に保持されるように構成したことを特徴とする、地下
埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法に
使用するドリル装置である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図1に示す、複数の管体2
a,2a…を嵌合接続してなるサービス管2が、宅地枡
3から既設管渠1に対して連通接続されている管渠構造
を例に採り、本発明方法を施工手順を踏みながら詳述す
る。 《第1ステップ;仮ライニング工程》先ず、図3に示す
ように、サービス管2内全体に仮ライニング材を内張り
し、個々の管体2a,2a…を一体化させる。
【0033】その具体的方法としては、いわゆるICP
(Inversion Chemical Pipe)ライナー&ブリース工法も
しくはINS工法と呼ばれる公知の方法を好適に採用す
ることができる。これらの工法は、不織布やフェルト又
はこれらとプラスティックフィルムとの積層体によって
形成されたパイプ状の袋体に、不飽和ポリエステル等の
熱硬化性樹脂を含浸させたもの(以下、ライニング材と
いう)を、水圧や空気圧等の流体圧によって管路内に反
転挿入させ、しかる後、このライニング材に熱を加え、
ライニング材に含浸している熱硬化性樹脂を硬化させ、
この硬化ライニング材により管路内壁面に密着したライ
ニング体を構築する方法である。ただし、この仮ライニ
ングに重ねて、後述の本ライニングを行うので、仮ライ
ニングにおけるライニング材(以下、仮ライニング材と
いう)は、厚みがあり過ぎるのは好ましくない。しか
し、薄くし過ぎると後述の更新工程においてサービス管
2の破損を防ぎ得ない。本発明者らの実験によると、仮
ライニング材の厚さは1〜3mmとするのが好ましい。
【0034】より詳細には、先ず図2に示すように仮ラ
イニング材20の基端部20aを折り返し、この折り返
し部分20aをサービス管2の宅地枡側入口部2bの外
側に固定した状態で、折り返し部分20a内面と未折り
返し部分20b外面との隙間s1に対して、給気または
注水によって圧力を加える。この圧力により、仮ライニ
ング材20は未折り返し部分20bを順次繰り出し折り
返しつつ、サービス管2内に反転しながら挿入される。
この際、仮ライニング材20が無秩序に挿入されていく
のを防止するべく、仮ライニング材20の先端部20c
に反転ロープ21を繋いでおき、この反転ロープ21の
繰り出しを制御することにより、仮ライニング材20の
反転挿入を制御するのが好ましい。
【0035】図3に示すように、仮ライニング材20が
完全に反転挿入され、既設管渠1内に到達したならば、
反転ロープ21を固定した状態で、ライニング材20内
に温水若しくは高温蒸気を注入して仮ライニング材20
を硬化させる。かくしてサービス管2内面に密着する筒
状ライニング体が形成される。図4に示すように、硬化
した仮ライニング材20はサービス管入口部分2b外側
において切断し、仮ライニング作業を完了する。なお、
この仮ライニング材20の反転挿入は、図示例のように
宅地枡側から行うのが好ましいが、既設管渠1側から行
っても良い。後者の場合、後述の本ライニングと同様に
行う。
【0036】《第2ステップ;止水パッカの設置工程》
次に、次述の第3ステップにおいて、既設管渠1の切削
更新を行うに際し、切削更新機のカッタ面盤部の泥水圧
力がサービス管2内へ逸脱するのを防止するべく、図4
に示すように、サービス管2内の既設管渠1近傍部位を
エアパッカ、ゴムパッカ等の止水パッカ4にて閉塞す
る。なお、止水パッカ4は宅地枡3側からサービス管2
内へ挿入し設置することを推奨する。
【0037】《第3ステップ;既設管渠の切削撤去およ
び更新工程》以上、サービス管2に対する前処理が完了
した段階で、老朽化した既設管渠1の切削撤去および更
新を行う。既設管渠1の切削撤去および更新に用いられ
る掘進装置としては、既存のものをそのまま使用するこ
とができる。例えば、本出願人の一人が先の特願平7−
244372号において、構造が簡易であるとともに、
掘進効率に優れ、掘削抵抗の低減化によりたとえ長距離
であっても管渠の布設が容易で、しかも既設管渠の周辺
に存在する異物の種類を問わずに掘進が可能である掘進
装置を提案しているので、この装置を使用することがで
きる。本出願人による特願平9−68335号において
提案した掘進装置も使用できる。
【0038】新設管渠10は図5に示されるように、既
設管渠1と比べて1〜2サイズ大きなもの(または同径
サイズ)が用いられ、既設管渠1の略同位置に布設され
る。図示例では、既設管渠1に対して同軸的すなわち管
心が同位置となるように新設管渠10を布設している
が、例えば管底部や管頂部等が同位置となるように布設
することもできる。また、新設管渠10が布設されたな
らば、サービス管2内のパッカ4は撤去する。
【0039】《第4ステップ;地盤改良工程》当然では
あるが、既設管渠1の切削撤去および更新が完了した段
階では、図5に示すように、新設管渠10と切削後のサ
ービス管2の先端2dとは接続されていない。すなわ
ち、更新の際には、新設管渠布設のために新設管渠10
よりも若干大径のカッタ面盤により掘削がなされ、サー
ビス管2の切削先端部2dも切削されジグザグ状(図示
せず)をなすので、新設管渠10外面とサービス管先端
2dとの間に隙間s2が形成されてしまう。したがっ
て、このままでは、施工部位近傍の地盤が軟弱である場
合に、当該隙間s2を介してサービス管2の先端部2d
内に地下水が侵入したり、当該隙間s2から露出する地
山がサービス管2内に崩落する虞がある。特に、新設管
渠の布設に続いて、次述するようにサービス管2に対す
る連通孔を新設管渠10に穿孔形成すると、その穿孔に
伴う振動により地山崩落を起し易く、かつ前述の隙間s
2を介して新設管渠10内にまで地下水や崩落地盤土が
侵入してしまう。
【0040】そこで、少なくとも後述の接続部復旧作業
に先だって、好ましくは新設管渠布設直後に、サービス
管2周辺からの地下水侵入を防止しかつサービス管2付
近の地山崩壊防止等の目的で、図8に示されるように、
新設管渠10の外側におけるサービス管2先端部近傍の
地盤を地盤改良し地盤改良体9を造成するのが好まし
い。
【0041】他方、地盤改良工法としては何ら制限され
ないが、土質性状に合った工法および地盤改良材を用い
ることはもちろんのこと、隣接位置に民家等があること
が多いため周辺環境に及ぼす影響の少ない工法および地
盤改良材を選定するのが好ましい。この点については、
先の特開平10−231955号公報においても述べた
とおりである。しかし、従来の技術の欄で述べたよう
に、在来の地盤改良工法は地上から施工するものしかな
いため、改良位置の位置決め精度が低く、かつ交通障害
や騒音問題を解決しえない。
【0042】そこで、本発明では、サービス管2内を通
して、サービス管2先端部内に地盤改良剤Gを供給し、
その供給改良剤Gを、新設管渠10外面とサービス管先
端面との隙間s2を介して、新設管渠10の外側におけ
るサービス管先端部2d近傍の地盤に浸透させて、当該
地盤の改良を行う工法を採用することを推奨する。より
具体的には図6〜8に示すように、可撓性鞘体40の先
端部40c内に地盤改良剤Gを充填するとともに、この
鞘体40の基端部40aを折り返し、この折り返し部分
40aサービス管2の宅地枡側入口2bの外側に固定し
た状態で、折り返し部分40a内面と未折り返し部分4
0b外面との隙間s3に対して注水等により圧力を作用
させ、鞘体40を反転挿入することで、地盤改良剤Gを
サービス管2先端部内に供給する方法を提案する。反転
挿入の仕方については、前述の仮ライニングと同様であ
るので、ここでは敢えて説明を略す。ただし、鞘体40
の全長(鞘体先端からサービス管外固定部位までの長
さ。後述の反転ロープ41は含まない。)は、前述の鞘
体固定部位からサービス管2内を通り、サービス管2の
先端部2dが臨む新設管渠10外面部分までと等しくし
ておく。
【0043】反転挿入中、本ライニング材先端部40c
は、本ライニング材基端部40bの圧力付与部位を最後
に通過するので、図7に示すように隙間s3に加わる内
圧(図中矢印で示した)によって、その入口部が閉じら
れた密閉袋形状に保たれ、その内部の地盤改良剤Gを放
出しないように包んで保持しつつ、サービス管2内に挿
入されていく。この際、前述の仮ライニングと同様に鞘
体40の先端外面に反転ロープ41を連結しておき、こ
の反転ロープ41により鞘体の挿入を制御する。
【0044】鞘体の全長は、前述のとおり鞘体固定部位
からサービス管2内を通り、サービス管2の先端部2d
が臨む新設管渠10外面部分までの距離と等しいので、
図9に示すように、鞘体先端部40cは新設管渠10外
面部分に到達する。この際、鞘体の反転挿入圧を上昇さ
せることで、鞘体先端部が反転し改良剤Gを放出し始め
る。また、上昇した反転挿入圧が改良剤に作用し、放出
改良剤Gが前述の新設管渠10外面とサービス管2先端
との隙間s2を介して、新設管渠10の外側におけるサ
ービス管2先端部近傍の地盤に強制的に浸透される。こ
の強制浸透の利点は、反転挿入圧を高めても、保持量の
改良剤が浸透されるとそれ以上は改良剤に圧力が加わら
ずに済む点にもある。したがって、周囲の地盤の乱さず
に、サービス管2の先端部2dの近傍のみを良好に地盤
改良できる。
【0045】かくして、浸透改良剤の硬化により当該浸
透部位の地盤が硬化し改良体9が形成される。鞘体40
は、改良剤G放出後に反転ロープ41を引っ張ることに
より引き抜く。
【0046】図示しないが、この他にも例えば改良剤供
給管をサービス管2内に挿入し、その先端出口をサービ
ス管2の先端部2d内に臨ませ、好ましくはさらに供給
管の先端出口よりも基端側のサービス管2内をパッカ等
により塞いだ後、改良剤供給管を介してサービス管2の
先端部内に改良剤を供給し、この供給改良剤を前述のよ
うに新設管渠10外面とサービス管2先端との隙間s2
を介して、新設管渠10の外側におけるサービス管2先
端部近傍の地盤に強制的に注入浸透させるようにしても
良い。
【0047】《第5ステップ;接続部復旧工程》地盤改
良が完了したならば、次に新設管渠10とサービス管2
とを連通させて接続部を復旧する作業に入る。本復旧作
業において、最終的にはサービス管2の内径と同径の連
通孔を、新設管渠10のサービス管2と対応する位置に
形成するのであるが、そのためには、先ずサービス管2
の接続位置を明確にしておく必要がある。このマーキン
グの方法としては、先の特開平10−231955号公
報において第1〜第4の方法として示されている。本発
明では、これら4種の方法のいずれも採用することがで
きるが、作業が簡易かつ安価で済むとともに位置決め精
度も正確な次のマーキング方法を採用することができ
る。
【0048】すなわち、図9に示されるような、駆動ユ
ニット11Aと、内部に回転軸を有するフレキシブルホ
ース11Bと、このフレキシブルホース11Bの先端部
において回転軸に取付けられたカッタービット11C
と、フレキシブルホース11Bの先端部外面に張出して
取り付けられ、カッタービット11Cの回転軸芯をサー
ビス管2の中心軸芯位置に保持する求心ジグ部材11D
とを備えたドリル装置11を持ち込み、図10に示され
るように、地上の宅地枡3側からサービス管2にフレキ
シブルホース11Bを先端側から挿入し、新設管渠10
の側壁にマーキング小孔MHを穿孔し、サービス管接続
中心位置をマーキングする。なお、前記構造のドリル装
置11に代えて、コンクリートバイブレータやエンジン
式排水ポンプの先端にカッタを取り付けたドリル装置な
どを使用することもできる。
【0049】マーキング孔MHを穿孔し、接続中心部位
が特定されたならば、新設管渠10に前記サービス管2
に対する連通孔を開ける。新設管渠10の内径が800
mm以上である場合には、直接作業員が管内に入り込ん
で、人力によりハンマードリル等を使用して管壁の削孔
および管口仕上を行ってもよいが、内径が800mm未満
の場合には作業員が進入することが困難であるため、図
11に示されるように、管内TVカメラ18aを備える
とともに、少なくとも管断面に沿う揺動および管径方向
への伸縮が可能な伸縮アーム18bの先端に円形カッタ
18cを備えた管内穿孔ロボット18を用いて、第5ス
テップによって形成したマーキング孔MHの中心(サー
ビス管の接続部分の中心に相当する)に、円形カッタ1
8cの中心を合わせて削孔し、サービス管2に対する連
通孔(図示せず)を形成する。
【0050】他方、かかる特開平10−231955号
公報記載の方法を含む連通孔形成方法では、新設管渠1
0におけるサービス管2接続部位に、サービス管内径と
実質的に同径の連通孔を形成するに際し、マーキング小
孔MHを形成する必要があり、しかも、新設管渠10お
よびサービス管2の各管側から削孔を行う必要があるの
で、作業が煩雑となる点が懸念される。
【0051】そこで、さらに好適には、図12に示すよ
うなサービス管2側から挿入され使用されるドリル装置
60を用いることができる。このドリル装置60は、先
端側から順に、マーキング孔形成のためのマーキング孔
用ビット61、およびサービス管内径と実質的に同径の
連通孔を形成する連通孔用ビット62を一体的に備える
とともに、これらビット61,62を回転自在に支持す
る支持体63と、この支持体63の側部から張出してサ
ービス管2内面に接離自在の張出し部64,64と、マ
ーキング孔用ビット61および連通孔用ビット62を回
転駆動する回転駆動手段を備えるものである。
【0052】さらに詳説する。図示のドリル装置60で
は、マーキング孔用ビット61は連通孔用ビット62の
前面に同軸的に固定されて一体となっており、この一体
ビットは、サービス管2内に遊びをもって挿入される支
持体63により回転自在に支持されるとともに、同一の
フレキシブルシャフト65を介して図示しない回転駆動
源により回転駆動されるようになっている(これらフレ
キシブルシャフトおよび回転駆動源が回転駆動手段を構
成する)。
【0053】支持体63の側面には一対の張出し部6
4,64が反対向きに取付けられている。張出し部6
4,64は、パンタグラフ装置66,66でそれぞれ支
承されており、図示しない伸縮駆動手段により張出およ
び収縮自在とされ、それによってサービス管2内面に接
離自在とされている。
【0054】穿孔に際しては、先ず、両張出し部64,
64がサービス管2内面に当接しないように収縮させた
状態で、支持体63をサービス管2内に挿入していく。
張出し部64,64を収縮しておくことで、支持体63
挿入をスムーズに行うことができる。マーキング孔用ビ
ット61先端が新設管渠10に当接したならば、両張出
し部64,64を張出させサービス管2内面に押し付け
て、支持体63を介してマーキング孔用ビット61およ
び連通孔用ビット62の削孔中心をサービス管2の管心
線上に保持する。
【0055】かかる保持状態で、回転駆動源を作動さ
せ、マーキング孔用ビット61によりマーキング孔61
Hをサービス管2側から形成する。この形成に伴い、支
持体63をさらに挿入していき、続いて、このマーキン
グ孔61H内に挿通しているマーキング孔用ビット61
により連通孔用ビット62をサービス管2の横断面方向
に位置決めした状態で、連通孔用ビット62によって、
新設管渠10におけるサービス管2との接続部位にサー
ビス管2内径と実質的に同径の連通円形孔を形成する。
【0056】かくして、サービス管2側から一工程で、
新設管渠10におけるサービス管2との接続部位に、サ
ービス管2内径と実質的に同径の、しかもサービス管内
壁面と実質的に面一の内面を有する連通孔を形成するこ
とができる。本穿孔方法によれば穿孔作業も簡素とな
り、穿孔ロボットも不要である。
【0057】なお、図示しないが、上記ドリル装置60
におけるマーキング孔用ビット61および連通孔用ビッ
ト62は、それぞれ別個の回転駆動手段により同速でま
たは差速をもって回転駆動されるようにしたり、同一ま
た別個の回転駆動手段により差速をもって回転するよう
に構成したりすることができる。また、上記ドリル装置
60における支持体63および張出し部64に代えて、
前述の求心ジグ部材11Dを取付けて、削孔中心をサー
ビス管2の管心線上に常に保持するようにしても良い。
さらに、上記ドリル装置60におけるマーキング孔用ビ
ット61は省略しても良い。
【0058】《第6ステップ;本ライニング》前記第5
ステップによって、新設管渠10とサービス管2とを連
通させることができたならば、最後に新設管渠10とサ
ービス管2とに跨がる範囲に、仮ライニング材20に重
ねて本ライニング材30を施工して仮ライニング材20
および本ライニング材30を一体化するとともに、新設
管渠10とサービス管2とを一体化させる。本ライニン
グも、前述の仮ライニングと同様に、いわゆるICP
(InversionChemical Pipe)ライナー&ブリース工法も
しくはINS工法と呼ばれる公知の方法を好適に採用す
ることができる。ただし、仮ライニングと同様に宅地枡
側からライニング材を反転挿入すると、新設管渠11と
サービス管2とを一体化させ難いので、好ましくは新設
管渠10内から施工を行う。
【0059】すなわち、図13に示すように、本ライニ
ング材のツバ31を支持する枠装置19aと、この固定
部位を撮影する管内カメラ19bとを備える管内ライニ
ングロボット19を用いてライニング作業を行う。新設
管渠10におけるサービス管2の接続口の周りに、本ラ
イニング材の折り返し部分30aのツバ31を固定支持
した状態で、折り返し部分30a内面と未折り返し部分
30b外面との隙間s4に対して、給気または注水によ
って圧力を加える。この圧力により、本ライニング材3
0は未折り返し部分30bを順次繰り出し折り返しつ
つ、サービス管2内に反転しながら挿入される。これら
の一連の作業は管内走行カメラ19bによって監視す
る。
【0060】他の点については、基本的に前述の仮ライ
ニングと同様である。すなわち、反転挿入の際、本ライ
ニング材30が無秩序に挿入されていくのを防止するべ
く、本ライニング材30の先端部30cに反転ロープ3
2を繋いでおき、この反転ロープ32の繰り出しを制御
することにより、本ライニング材30の反転挿入を制御
するのが好ましい。図示しないが、本ライニング材30
が完全に反転挿入され、宅地枡3内に到達したならば、
反転ロープ32を固定した状態で、本ライニング材30
内に温水若しくは高温蒸気等の熱媒体を注入してライニ
ング材30を硬化させ、ライニング作業を完了する。
【0061】硬化したライニング材30は、ツバ31が
新設管渠10内に屈曲延在し新設管渠10の内壁面に密
着するので、新設管渠10とサービス管2との良好な一
体化を図ることができる。
【0062】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、老
朽化した下水道管渠などの既設管渠を非開削で更新する
とともに、既設管渠に接続されているサービス管を同時
に非開削で復旧、更生する際における、サービス管の破
損・変形および更新機によるサービス管の引き込み及び
ズレ落ちの防止や、地盤改良における改良部位の位置決
め精度向上および交通障害や騒音問題の解決、新設管渠
にサービス管への連通孔を形成する際の孔形成作業の簡
素化を図り、もって地下埋設管渠更新時に於けるサービ
ス管の非開削復旧の現実化を図ることができるようにな
る。なお、上述のサービス管の破損・変形ならびに更新
機によるサービス管の引き込み及びズレ落ち防止効果が
奏せられる点については、本発明方法に従い、地中に埋
設した管渠およびサービス管に対して更新機による管渠
更新を行う実験によって確認済みである。◇
【図面の簡単な説明】
【図1】本サービス管復旧方法の施工対象を示す概略縦
断面図である。
【図2】本サービス管復旧方法の第1ステップの施工要
領を示す要部拡大概略縦断面図である。
【図3】本サービス管復旧方法の第1ステップの施工要
領を示す概略縦断面図である。
【図4】本サービス管復旧方法の第2ステップの施工要
領を示す概略縦断面図である。
【図5】本サービス管復旧方法の第3ステップの施工要
領を示す概略縦断面図である。
【図6】本サービス管復旧方法の第4ステップの施工要
領を示す要部拡大概略縦断面図である。
【図7】第4ステップの施工要領を示す要部拡大概略縦
断面図である。
【図8】本サービス管復旧方法の第4ステップの施工要
領を示す概略縦断面図である。
【図9】本サービス管復旧方法の第5ステップで用い
る、マーキング装置の概略斜視図である。
【図10】本サービス管復旧方法の第5ステップにおけ
る、マーキング要領を示す概略縦断面図である。
【図11】本サービス管復旧方法の第5ステップにおけ
る、接続復旧要領を示す概略縦断面図である。
【図12】本サービス管復旧方法の第5ステップにおけ
る、他の接続復旧要領を示す概略縦断面図である。
【図13】本サービス管復旧方法の第6ステップの施工
要領を示す概略縦断面図である。
【図14】従来の掘進機による管渠更新要領図である。
【図15】従来方法による既設管渠の切削状態を示す概
略縦断面図である。
【図16】従来方法による既設管渠の切削状態を示す概
略縦断面図である。
【符号の説明】
1…既設管渠、2…サービス管、3…宅地枡、4…止水
パッカー、9…地盤改良体、10…新設管渠、11…マ
ーキングドリル装置、18…管内穿孔ロボット、19…
管内ライニングロボット、20…仮ライニング材、30
…本ライニング材、40…鞘体、G…地盤改良剤。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月12日(1999.3.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 地下埋設管渠更新時に於けるサービス
管の非開削復旧方法
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月22日(1999.4.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】鞘体の全長は、前述のとおり鞘体固定部位
からサービス管2内を通り、サービス管2の先端部2d
が臨む新設管渠10外面部分までの距離と等しいので、
に示すように、鞘体先端部40cは新設管渠10外
面部分に到達する。この際、鞘体の反転挿入圧を上昇さ
せることで、鞘体先端部が反転し改良剤Gを放出し始め
る。また、上昇した反転挿入圧が改良剤に作用し、放出
改良剤Gが前述の新設管渠10外面とサービス管2先端
との隙間s2を介して、新設管渠10の外側におけるサ
ービス管2先端部近傍の地盤に強制的に浸透される。こ
の強制浸透の利点は、反転挿入圧を高めても、保持量の
改良剤が浸透されるとそれ以上は改良剤に圧力が加わら
ずに済む点にもある。したがって、周囲の地盤乱さず
に、サービス管2の先端部2dの近傍のみを良好に地盤
改良できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、老
朽化した下水道管渠などの既設管渠を非開削で更新する
とともに、既設管渠に接続されているサービス管を同時
に非開削で復旧、更生する際における、サービス管の破
損・変形および更新機によるサービス管の引き込み及び
ズレ落ちの防止や、地盤改良における改良部位の位置決
め精度向上および交通障害や騒音問題の解決、新設管渠
にサービス管への連通孔を形成する際の孔形成作業の簡
素化を図り、もって地下埋設管渠更新時に於けるサービ
ス管の非開削復旧の現実化を図ることができるようにな
る。なお、上述のサービス管の破損・変形ならびに更新
機によるサービス管の引き込み及びズレ落ち防止効果が
奏せられる点については、本発明方法に従い、地中に埋
設した管渠およびサービス管に対して更新機による管渠
更新を行う実験によって確認済みである
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 592057385 株式会社湘南合成樹脂製作所 神奈川県平塚市代官町31番27号 (71)出願人 000207621 大日本土木株式会社 岐阜県岐阜市宇佐南1丁目6番8号 (71)出願人 390028015 株式会社地崎工業 東京都港区西新橋2丁目23番1号 (71)出願人 597024773 中日コプロ株式会社 愛知県名古屋市千種区今池南26番4号 (71)出願人 000219406 東亜建設工業株式会社 東京都千代田区四番町5 (71)出願人 000222668 東洋建設株式会社 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 (71)出願人 390036504 日特建設株式会社 東京都中央区銀座8丁目14番14号 (71)出願人 395022018 日本海洋掘削株式会社 東京都港区西麻布三丁目20番16号 (71)出願人 000176785 三菱建設株式会社 東京都中央区日本橋本町3丁目3番6号 (72)発明者 千田 昌平 茨城県竜ヶ崎市松葉3−5−10 (72)発明者 正化 澄夫 東京都千代田区永田町2−17−3 株式会 社大本組内 (72)発明者 有賀 照男 神奈川県愛甲郡愛川町中津4036−1 コク ド工機株式会社内 (72)発明者 横島 康弘 神奈川県平塚市代官町31−27 株式会社湘 南合成樹脂製作所内 (72)発明者 杉浦 孝文 東京都新宿区市谷田町二丁目35番地 大日 本土木株式会社内 (72)発明者 佐々木 雅彦 東京都港区西新橋2−23−1 株式会社地 崎工業内 (72)発明者 前園 郁也 愛知県名古屋市千種区今池南26−4 中日 コプロ株式会社内 (72)発明者 相良 拓 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 (72)発明者 藤尾 良也 大阪府大阪市中央区高麗橋4−1−1 東 洋建設株式会社内 (72)発明者 中島 利美 東京都中央区銀座8−14−14 日特建設株 式会社内 (72)発明者 林 廣一 東京都港区西麻布3−20−16 日本海洋掘 削株式会社内 (72)発明者 高橋 勇 東京都中央区日本橋本町3−3−6 三菱 建設株式会社内 Fターム(参考) 2D063 BA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地下に埋設されてある既設管渠を非開削に
    て新設管渠に更新する際に適用されるサービス管の非開
    削復旧方法であって、 前記サービス管における、少なくとも前記既設管渠に対
    する接続部分内に対して仮ライニングを行い、 しかる後、前記既設管渠を非開削で掘削撤去するととも
    に、撤去部位に新設管渠を布設して管渠更新を行い、 しかる後、前記新設管渠に前記サービス管と連通する孔
    を形成した後、少なくとも前記新設管渠とサービス管と
    に跨がる範囲に亘って本ライニングを行い新設管渠とサ
    ービス管とを一体化させることを特徴とする、地下埋設
    管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法。
  2. 【請求項2】既設管渠を非開削によって新設管渠に更新
    した後、この新設管渠にサービス管と連通する孔を形成
    する、地下に埋設されてある既設管渠を非開削にて新設
    管渠に更新する際に適用されるサービス管の非開削復旧
    方法であって、 少なくとも前記新設管渠にサービス管と連通する孔を形
    成するのに先だって、 地盤改良剤を、前記サービス管内ならびに前記新設管渠
    外面と前記サービス管先端との隙間を介して、前記新設
    管渠の外側における前記サービス管先端部近傍の地盤に
    浸透させて、当該地盤の改良を行うことを特徴とする、
    地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方
    法。
  3. 【請求項3】既設管渠を非開削によって新設管渠に更新
    した後、この新設管渠にサービス管と連通する孔を形成
    する、地下に埋設されてある既設管渠を非開削にて新設
    管渠に更新する際に適用されるサービス管の非開削復旧
    方法であって、 少なくとも前記新設管渠にサービス管と連通する孔を形
    成するのに先だって、 可撓性鞘体の先端部内に地盤改良剤を保持させ、この鞘
    体を前記サービス管内に反転挿入し、前記鞘体先端部の
    反転により前記改良剤を放出させるとともに、その放出
    改良剤を前記新設管渠外面と前記サービス管先端との隙
    間を介して、前記新設管渠の外側における前記サービス
    管先端部近傍の地盤に浸透させて、当該地盤の改良を行
    うことを特徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサー
    ビス管の非開削復旧方法。
  4. 【請求項4】地下に埋設されてある既設管渠を非開削に
    て新設管渠に更新する際に適用されるサービス管の非開
    削復旧にあたり、 前記サービス管における、少なくとも前記既設管渠に対
    する接続部分内に対して仮ライニングを行い、 しかる後、前記既設管渠を非開削で掘削撤去するととも
    に、撤去部位に新設管渠を布設して管渠更新を行い、 しかる後、前記新設管渠に前記サービス管と連通する孔
    を形成した後、少なくとも前記新設管渠とサービス管と
    に跨がる範囲に亘って本ライニングを行い新設管渠とサ
    ービス管とを一体化させるとともに;少なくとも前記新
    設管渠にサービス管に連通する孔を形成するのに先だっ
    て、 可撓性鞘体の先端部内に地盤改良剤を保持させ、この鞘
    体を前記サービス管内に反転挿入し、鞘体先端部の反転
    によって前記改良剤を放出させるとともに、その放出改
    良剤を前記新設管渠外面と前記サービス管先端との隙間
    を介して、前記新設管渠の外側における前記サービス管
    先端部近傍の地盤に浸透させて、当該地盤の改良を行う
    ことを特徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサービ
    ス管の非開削復旧方法。
  5. 【請求項5】前記改良剤の放出に際し或いは放出後に、
    前記鞘体の反転挿入圧を上昇させ、この上昇した反転挿
    入圧を前記放出改良剤に作用させて、前記放出改良剤を
    前記地盤内に強制的に浸透させる、請求項3または4記
    載の地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復
    旧方法。
  6. 【請求項6】既設管渠を非開削によって新設管渠に更新
    した後、この新設管渠にサービス管と連通する孔を形成
    する、地下に埋設されてある既設管渠を非開削にて新設
    管渠に更新する際に適用されるサービス管の非開削復旧
    方法であって、前記サービス管内径と実質的に同径の連
    通孔を形成する連通孔用ビットと、この連通孔用ビット
    を回転駆動する回転駆動手段を備えたドリル装置を用
    い、 前記サービス管側から挿入した前記連通孔用ビットによ
    り、前記新設管渠における前記サービス管との接続部位
    に、前記サービス管内径と実質的に同径の連通孔を形成
    することを特徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサ
    ービス管の非開削復旧方法。
  7. 【請求項7】少なくとも前記連通孔の形成時に、前記連
    通孔用ビットの削孔中心を前記サービス管の管心線上に
    保持する、請求項6記載の地下埋設管渠更新時に於ける
    サービス管の非開削復旧方法。
  8. 【請求項8】既設管渠を非開削によって新設管渠に更新
    した後、この新設管渠にサービス管と連通する孔を形成
    する、地下に埋設されてある既設管渠を非開削にて新設
    管渠に更新する際に適用されるサービス管の非開削復旧
    方法であって、 先端側から順に、マーキング孔形成のためのマーキング
    孔用ビット、および前記サービス管内径と実質的に同径
    の連通孔を形成する連通孔用ビットを一体的に備えると
    ともに、これらビットを回転駆動する回転駆動手段を備
    えたドリル装置を用い、 前記連通に際し、前記サービス管内に前記マーキング孔
    用ビットおよび連通孔用ビットを挿入して、前記サービ
    ス管側から、前記マーキング孔用ビットによりマーキン
    グ孔を形成するとともに、このマーキング孔内に挿通し
    ている前記マーキング孔用ビットにより、前記連通孔用
    ビットを前記サービス管の横断面方向に位置決めした状
    態で、前記連通孔用ビットによって、前記新設管渠にお
    ける前記サービス管との接続部位に前記サービス管内径
    と実質的に同径の連通孔を形成することを特徴とする、
    地下埋設管渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方
    法。
  9. 【請求項9】少なくとも前記マーキング孔および連通孔
    の形成時に、前記マーキング孔用ビットの削孔中心およ
    び前記連通孔用ビットの削孔中心を、前記サービス管の
    管心線上に保持する、請求項8記載の地下埋設管渠更新
    時に於けるサービス管の非開削復旧方法。
  10. 【請求項10】地下に埋設されてある既設管渠を非開削
    にて新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービス管
    と連通する孔を形成する際に、前記サービス管側から挿
    入され使用されるドリル装置であって、 前記サービス管内径と実質的に同径の連通孔を形成する
    連通孔用ビットと、この連通孔用ビットを回転駆動する
    回転駆動手段とを備えたことを特徴とする、地下埋設管
    渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法に使用す
    るドリル装置。
  11. 【請求項11】地下に埋設されてある既設管渠を非開削
    にて新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービス管
    と連通する孔を形成する際に、前記サービス管側から挿
    入され使用されるドリル装置であって、 前記サービス管内径と実質的に同径の連通孔を形成する
    連通孔用ビットと、この連通孔用ビットを回転自在に支
    持する支持体と、この支持体の側部から張出して前記サ
    ービス管内面に接離自在の張出し部と、前記連通孔用ビ
    ットを回転駆動する回転駆動手段とを備え、 前記張出し部をサービス管内面に当接させた状態で、前
    記支持体を介して前記連通孔用ビットの削孔中心が前記
    サービス管の管心線上に保持されるように構成したこと
    を特徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサービス管
    の非開削復旧方法に使用するドリル装置。
  12. 【請求項12】地下に埋設されてある既設管渠を非開削
    にて新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービス管
    と連通する孔を形成する際に、前記サービス管側から挿
    入され使用されるドリル装置であって、 先端側から順に、マーキング孔形成のためのマーキング
    孔用ビット、および前記サービス管内径と実質的に同径
    の連通孔を形成する連通孔用ビットを一体的に備えると
    ともに、これらビットを回転駆動する回転駆動手段を備
    えたことを特徴とする、地下埋設管渠更新時に於けるサ
    ービス管の非開削復旧方法に使用するドリル装置。
  13. 【請求項13】地下に埋設されてある既設管渠を非開削
    にて新設管渠に更新した後、この新設管渠にサービス管
    と連通する孔を形成する際に、前記サービス管側から挿
    入され使用されるドリル装置であって、 先端側から順に、マーキング孔形成のためのマーキング
    孔用ビット、および前記サービス管内径と実質的に同径
    の連通孔を形成する連通孔用ビットを一体的に備えると
    ともに、これらビットを回転自在に支持する支持体と、
    この支持体の側部から張出して前記サービス管内面に接
    離自在の張出し部と、前記マーキング孔用ビットおよび
    連通孔用ビットを回転駆動する回転駆動手段を備え、 前記張出し部をサービス管内面に当接させた状態で、前
    記支持体を介して前記マーキング孔用ビットおよび連通
    孔用ビットの削孔中心が前記サービス管の管心線上に保
    持されるように構成したことを特徴とする、地下埋設管
    渠更新時に於けるサービス管の非開削復旧方法に使用す
    るドリル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113700115A (zh) * 2021-09-06 2021-11-26 中铁四局集团路桥工程有限公司 一种用于市政排水暗渠钢管改造的悬吊保护施工方法

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