JP2000256892A - プラスチック成形品のメッキ方法 - Google Patents
プラスチック成形品のメッキ方法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラスチック成形品の表面導電化処理を密着性
良く且つ生産性良く作製。 【解決手段】導電性塗膜を形成する前に、金型内面に、
それと剥離可能な、平均粒径が1〜10μmの少なくと
も1種のマット剤を含有する表面が粗面化された水溶性
樹脂層を設け、成形品表面に導電性層と前記樹脂層を転
写させた後、水溶液で、該マット剤粒子を含有する水溶
性樹脂層をマット剤ごと除去し、成形品表面に凹凸表面
に優れた導電性表面を露出させ、その後、この導電性塗
料面に直接的に電解金属メッキを行う、プラスチック表
面のメッキ方法。
良く且つ生産性良く作製。 【解決手段】導電性塗膜を形成する前に、金型内面に、
それと剥離可能な、平均粒径が1〜10μmの少なくと
も1種のマット剤を含有する表面が粗面化された水溶性
樹脂層を設け、成形品表面に導電性層と前記樹脂層を転
写させた後、水溶液で、該マット剤粒子を含有する水溶
性樹脂層をマット剤ごと除去し、成形品表面に凹凸表面
に優れた導電性表面を露出させ、その後、この導電性塗
料面に直接的に電解金属メッキを行う、プラスチック表
面のメッキ方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非導電性基材の導
電化処理に関し、特にプラスチックなどに導電性塗料を
塗装し、該塗面に導電性金属を電解メッキする非導電性
基材の導電化処理において、該導電性塗膜とメッキ金属
膜との密着性を改善することを目的にしたものである。
例えば、電子機器等から発生する電磁波をシールドする
のに有用な導電性基材を提供するものである。
電化処理に関し、特にプラスチックなどに導電性塗料を
塗装し、該塗面に導電性金属を電解メッキする非導電性
基材の導電化処理において、該導電性塗膜とメッキ金属
膜との密着性を改善することを目的にしたものである。
例えば、電子機器等から発生する電磁波をシールドする
のに有用な導電性基材を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクスの発達により、
各種の集積回路等を搭載した電子機器が急速に普及して
いる。ところが、このような電子機器で発生した電磁波
が他の機器の誤動作を引き起こしたり、逆に機器自身が
他から妨害を受けることがあるなど、いわゆる電磁波障
害の問題がクローズドアップされている。これまで、電
子機器のハウジングは導電性の板金製であったために、
発生した電磁波は板金製ハウジングに吸収されるので電
磁波障害の問題は認められなかった。しかしながら、半
導体の高集積化、プリント回路の多層化等を背景に電子
機器の小型化、軽量化等のニーズが高まり、量産化、コ
ストダウンのメリットが大きいプラスチック製のハウジ
ングが主流となっている。しかしながら、プラスチック
自体には導電性がないために電磁波にたいして遮蔽効果
がなく、電磁障害が生じるのである。それゆえ、プラス
チックハウジングには電磁波を遮蔽するために導電性を
付与せしめる必要がある。
各種の集積回路等を搭載した電子機器が急速に普及して
いる。ところが、このような電子機器で発生した電磁波
が他の機器の誤動作を引き起こしたり、逆に機器自身が
他から妨害を受けることがあるなど、いわゆる電磁波障
害の問題がクローズドアップされている。これまで、電
子機器のハウジングは導電性の板金製であったために、
発生した電磁波は板金製ハウジングに吸収されるので電
磁波障害の問題は認められなかった。しかしながら、半
導体の高集積化、プリント回路の多層化等を背景に電子
機器の小型化、軽量化等のニーズが高まり、量産化、コ
ストダウンのメリットが大きいプラスチック製のハウジ
ングが主流となっている。しかしながら、プラスチック
自体には導電性がないために電磁波にたいして遮蔽効果
がなく、電磁障害が生じるのである。それゆえ、プラス
チックハウジングには電磁波を遮蔽するために導電性を
付与せしめる必要がある。
【0003】従来、電磁波を遮蔽するために上記プラス
チックに導電性を付与する方法としては、導電性プラス
チックの射出成形、Zn等の金属溶出技術による導電性
表面処理、銅やニッケルなどを分散させた導電性塗料の
塗装による導電性表面処理、アルミなどの真空蒸着法に
よる表面処理、銅やニッケル等の無電解メッキ法による
導電性表面処理が提案されているが、いずれも長所、短
所があり満足されるものはない。例えば、シールド効果
と言う観点からすれば、最高レベルの板金に匹敵するの
は、無電解メッキによる表面処理方法である。特に、C
D−ROMや高性能LSIを搭載するパソコンでは、製
品機能として最高のEMIシールドレベルが要求される
ので無電解メッキ法を採用する必要がでてくる。一方、
このような金属メッキによる導電性表面処理は、シール
ド特性こそ高いレベルが得られるが、コストが高い上に
完成までの処理工程に1〜2時間を要するのであまり量
産向きとはいいがたい。
チックに導電性を付与する方法としては、導電性プラス
チックの射出成形、Zn等の金属溶出技術による導電性
表面処理、銅やニッケルなどを分散させた導電性塗料の
塗装による導電性表面処理、アルミなどの真空蒸着法に
よる表面処理、銅やニッケル等の無電解メッキ法による
導電性表面処理が提案されているが、いずれも長所、短
所があり満足されるものはない。例えば、シールド効果
と言う観点からすれば、最高レベルの板金に匹敵するの
は、無電解メッキによる表面処理方法である。特に、C
D−ROMや高性能LSIを搭載するパソコンでは、製
品機能として最高のEMIシールドレベルが要求される
ので無電解メッキ法を採用する必要がでてくる。一方、
このような金属メッキによる導電性表面処理は、シール
ド特性こそ高いレベルが得られるが、コストが高い上に
完成までの処理工程に1〜2時間を要するのであまり量
産向きとはいいがたい。
【0004】一方、これらの問題点を改良する方法とし
て、例えば、特開昭60−162792号明細書には、
プラスチック成形金型内面に、熱可塑性樹脂をバインダ
ーとする導電性塗料を塗布、乾燥して剥離可能な導電性
塗膜を形成した後、前記金型内に溶融プラスチック素材
を注入して前記導電性塗膜を可塑化すると共に前記溶融
プラスチック素材と密着性を向上させ成形品表面に前記
導電性塗膜を転写させて導電性層を形成し、この導電性
層に電解メッキ法により直接金属メッキをおこなうプラ
スチック製品のメッキ方法が述べられている。この方法
は、無電解メッキ法に比べて、コストも安く出来、且つ
量産性に適した優れた方法である。
て、例えば、特開昭60−162792号明細書には、
プラスチック成形金型内面に、熱可塑性樹脂をバインダ
ーとする導電性塗料を塗布、乾燥して剥離可能な導電性
塗膜を形成した後、前記金型内に溶融プラスチック素材
を注入して前記導電性塗膜を可塑化すると共に前記溶融
プラスチック素材と密着性を向上させ成形品表面に前記
導電性塗膜を転写させて導電性層を形成し、この導電性
層に電解メッキ法により直接金属メッキをおこなうプラ
スチック製品のメッキ方法が述べられている。この方法
は、無電解メッキ法に比べて、コストも安く出来、且つ
量産性に適した優れた方法である。
【0005】しかしながら、該明細書の技術説明内容に
おいては、プラスチック成形品素材と導電性塗料塗膜の
密着性の改善に関する技術に関しては述べられている
が、導電性塗料塗膜と電解金属メッキ膜の密着性の改善
に関しては何ら述べられていない。実際に該技術を追試
した結果、該技術の方法では導電性塗膜と電解金属メッ
キ膜との密着性が劣る結果が得られた。これは重大な欠
点であり、場合により、プラスチック筐体表面におい
て、金属面形成膜が剥離し電子回路を短絡して思わぬト
ラブルを生じかねない。 従来、メッキ金属膜と基材の
密着性をあげる方法としては、無電解メッキ方法を例に
すれば、特定の重合体表面にクロム酸を用いて、エッチ
ングしたり、微細なポーアをあけたりして、表面を粗面
化することにより表面積を大きくして、密着性をあげる
ことがしられている。仮に、該特開昭60−16279
2号明細書技術内容において、導電性塗料層面の表面凹
凸を形成させ表面を粗面化するために、マット剤を含有
する離型層(剥離層ではない)等を設けた(該明細書に
おいては、これに関する記載はなにもない)としても、
該離型層と該導電性塗料層間の剥離性達成するために
は、例えば、シリコーン樹脂やフッ素樹脂等により離型
層表面を表面処理する必要がある。これらの表面処理剤
は表面処理剤は、剥離時に導電性塗料層表面に一部転写
され、仮に、導電性塗料層表面がマット化されていたと
しても、金属メッキ膜と導電性塗料層間の密着性を劣化
させることになる。
おいては、プラスチック成形品素材と導電性塗料塗膜の
密着性の改善に関する技術に関しては述べられている
が、導電性塗料塗膜と電解金属メッキ膜の密着性の改善
に関しては何ら述べられていない。実際に該技術を追試
した結果、該技術の方法では導電性塗膜と電解金属メッ
キ膜との密着性が劣る結果が得られた。これは重大な欠
点であり、場合により、プラスチック筐体表面におい
て、金属面形成膜が剥離し電子回路を短絡して思わぬト
ラブルを生じかねない。 従来、メッキ金属膜と基材の
密着性をあげる方法としては、無電解メッキ方法を例に
すれば、特定の重合体表面にクロム酸を用いて、エッチ
ングしたり、微細なポーアをあけたりして、表面を粗面
化することにより表面積を大きくして、密着性をあげる
ことがしられている。仮に、該特開昭60−16279
2号明細書技術内容において、導電性塗料層面の表面凹
凸を形成させ表面を粗面化するために、マット剤を含有
する離型層(剥離層ではない)等を設けた(該明細書に
おいては、これに関する記載はなにもない)としても、
該離型層と該導電性塗料層間の剥離性達成するために
は、例えば、シリコーン樹脂やフッ素樹脂等により離型
層表面を表面処理する必要がある。これらの表面処理剤
は表面処理剤は、剥離時に導電性塗料層表面に一部転写
され、仮に、導電性塗料層表面がマット化されていたと
しても、金属メッキ膜と導電性塗料層間の密着性を劣化
させることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
スチック成形金型内面に、熱可塑性樹脂をバインダーと
する導電性塗料を塗布、乾燥して剥離可能な導電性塗膜
を形成した後、前記金型内に溶融プラスチック素材を注
入して前記導電性塗膜を可塑化すると共に前記溶融プラ
スチック素材と密着性を向上させ成形品表面に前記導電
性塗膜を転写させて導電性層を形成し、この導電性層に
電解メッキ法により直接金属メッキをおこなうプラスチ
ック製品のメッキ方法において、プラスチック成形品と
該導電性塗料層間の密着性を向上させるのみならず、該
導電性塗料層と電解メッキ金属層間の密着を強固にする
方法を提供することにある。
スチック成形金型内面に、熱可塑性樹脂をバインダーと
する導電性塗料を塗布、乾燥して剥離可能な導電性塗膜
を形成した後、前記金型内に溶融プラスチック素材を注
入して前記導電性塗膜を可塑化すると共に前記溶融プラ
スチック素材と密着性を向上させ成形品表面に前記導電
性塗膜を転写させて導電性層を形成し、この導電性層に
電解メッキ法により直接金属メッキをおこなうプラスチ
ック製品のメッキ方法において、プラスチック成形品と
該導電性塗料層間の密着性を向上させるのみならず、該
導電性塗料層と電解メッキ金属層間の密着を強固にする
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、プラスチ
ック成形金型内面に、熱可塑性樹脂をバインダーとする
導電性塗料を塗布、乾燥して剥離可能な導電性塗膜を形
成した後、前記金型内に溶融プラスチック素材を注入し
て前記導電性塗膜を可塑化すると共に前記溶融プラスチ
ック素材と密着性を向上させ成形品表面に前記導電性塗
膜を転写させて導電性層を形成し、この導電性層に電解
メッキ法により直接金属メッキをおこなうプラスチック
製品のメッキ方法において、前記導電性塗膜を形成する
前に、前記金型内面に、該金型内面と剥離可能な、平均
粒径が1〜10μmの少なくとも1種のマット剤を含有
する表面が粗面化された水溶性樹脂層を設け、成形品表
面に前記導電性層と前記水溶性樹脂層を転写させた後、
水溶液で、該マット剤粒子を含有する水溶性樹脂層をマ
ット剤ごと除去し、成形品表面に凹凸表面に優れた導電
性表面を露出させる。その後この導電性塗料面に直接的
に電解金属メッキを行うことを特徴とするプラスチック
表面のメッキ方法により達成される。
ック成形金型内面に、熱可塑性樹脂をバインダーとする
導電性塗料を塗布、乾燥して剥離可能な導電性塗膜を形
成した後、前記金型内に溶融プラスチック素材を注入し
て前記導電性塗膜を可塑化すると共に前記溶融プラスチ
ック素材と密着性を向上させ成形品表面に前記導電性塗
膜を転写させて導電性層を形成し、この導電性層に電解
メッキ法により直接金属メッキをおこなうプラスチック
製品のメッキ方法において、前記導電性塗膜を形成する
前に、前記金型内面に、該金型内面と剥離可能な、平均
粒径が1〜10μmの少なくとも1種のマット剤を含有
する表面が粗面化された水溶性樹脂層を設け、成形品表
面に前記導電性層と前記水溶性樹脂層を転写させた後、
水溶液で、該マット剤粒子を含有する水溶性樹脂層をマ
ット剤ごと除去し、成形品表面に凹凸表面に優れた導電
性表面を露出させる。その後この導電性塗料面に直接的
に電解金属メッキを行うことを特徴とするプラスチック
表面のメッキ方法により達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
導電性インクは、一般に導電性材料として、例えば銀、
ニッケル、銅、錫、ステンレス等の微粒子金属粉、ある
いは、導電性カーボンブラック、グラファイト等の非金
属粉、あるいはアルミ粉の表面を銀等でメッキした微粒
子複合型金属粉等が用いられており、これらの導電性材
料を有機や無機のバインダーに分散された状態で提供さ
れている。例えばこれらの多くはアチソン社からは提供
されている。このうち、金属粉を用いた導電性インクは
体積固有抵抗が10−3Ωcmオーダーと導電性が高く
本発明の目的に合ったものであるが原材料コストが高い
という欠点を有する。一方、導電性カーボンブラックや
グラファイト等を用いた導電性インクの場合、原材料コ
ストは安く、分散性が良好であるが、体積固有抵抗が一
般には100〜10−1Ωcmオーダーと導電性が低い
欠点を有する。
導電性インクは、一般に導電性材料として、例えば銀、
ニッケル、銅、錫、ステンレス等の微粒子金属粉、ある
いは、導電性カーボンブラック、グラファイト等の非金
属粉、あるいはアルミ粉の表面を銀等でメッキした微粒
子複合型金属粉等が用いられており、これらの導電性材
料を有機や無機のバインダーに分散された状態で提供さ
れている。例えばこれらの多くはアチソン社からは提供
されている。このうち、金属粉を用いた導電性インクは
体積固有抵抗が10−3Ωcmオーダーと導電性が高く
本発明の目的に合ったものであるが原材料コストが高い
という欠点を有する。一方、導電性カーボンブラックや
グラファイト等を用いた導電性インクの場合、原材料コ
ストは安く、分散性が良好であるが、体積固有抵抗が一
般には100〜10−1Ωcmオーダーと導電性が低い
欠点を有する。
【0009】しかしながら、カーボン系導電性インクに
おいても、最近は、特開平7−33883、特開平7−
53813、特開平7−41609、特開平1−101
373、特開昭62−88261、特開昭62−882
60、特開昭64−56777、特開昭54−3634
3、特開昭62−199663、特開昭63−1255
80、特開平1−184901、特開平2−28496
8、特開平5−65366、号明細書等に述べられてい
るごとく、導電性カーボンブラックとグラファイトの複
合系をバインダ中に分散した導電性インクを用いること
により、体積固有抵抗が10−2Ωcmオーダーの高導
電性が得られている。
おいても、最近は、特開平7−33883、特開平7−
53813、特開平7−41609、特開平1−101
373、特開昭62−88261、特開昭62−882
60、特開昭64−56777、特開昭54−3634
3、特開昭62−199663、特開昭63−1255
80、特開平1−184901、特開平2−28496
8、特開平5−65366、号明細書等に述べられてい
るごとく、導電性カーボンブラックとグラファイトの複
合系をバインダ中に分散した導電性インクを用いること
により、体積固有抵抗が10−2Ωcmオーダーの高導
電性が得られている。
【0010】本発明者は、先ず、種々の公知の導電性イ
ンクを用いて、電解メッキが可能な表面抵抗は幾らであ
るかを調べた。その結果として、導電性インク層の表面
抵抗が1.0×103Ω/□以下であれば、電解メッキ
法により、種々の金属メッキが可能であることを確認し
た。一方、表面抵抗の値は、導電性インクの膜厚に依存
する。
ンクを用いて、電解メッキが可能な表面抵抗は幾らであ
るかを調べた。その結果として、導電性インク層の表面
抵抗が1.0×103Ω/□以下であれば、電解メッキ
法により、種々の金属メッキが可能であることを確認し
た。一方、表面抵抗の値は、導電性インクの膜厚に依存
する。
【0011】本発明者は、先ず、種々の公知の導電性イ
ンクを用いて、電解メッキが可能な表面抵抗は幾らであ
るかを調べた。その結果として、導電性インク層の表面
抵抗が1.0×103Ω/□以下であれば、電解メッキ
法により、種々の金属メッキが可能であることを確認し
た。一方、表面抵抗の値は、導電性インクの膜厚に依存
する。
ンクを用いて、電解メッキが可能な表面抵抗は幾らであ
るかを調べた。その結果として、導電性インク層の表面
抵抗が1.0×103Ω/□以下であれば、電解メッキ
法により、種々の金属メッキが可能であることを確認し
た。一方、表面抵抗の値は、導電性インクの膜厚に依存
する。
【0012】一方、導電性インク層の膜厚はインク塗料
の原材料コストのみならず、塗工工程におけるコストに
も大きく影響し出来るだけ薄い方がよい。例えば、10
2Ω/□オーダーの表面抵抗(Ω/□)を10μm以下
の膜厚で得ようとする場合には、体積固有抵抗が10
−2Ωcmオーダー程度の導電性インクを使用すること
が好ましい。このような観点から、導電性カーボンブラ
ックとグラファイトのカーボン複合型導電性インク材料
を用いることは特に好ましい。
の原材料コストのみならず、塗工工程におけるコストに
も大きく影響し出来るだけ薄い方がよい。例えば、10
2Ω/□オーダーの表面抵抗(Ω/□)を10μm以下
の膜厚で得ようとする場合には、体積固有抵抗が10
−2Ωcmオーダー程度の導電性インクを使用すること
が好ましい。このような観点から、導電性カーボンブラ
ックとグラファイトのカーボン複合型導電性インク材料
を用いることは特に好ましい。
【0013】カーボン複合型導電性インクの高導電性
は、一般に平板粒子のグラファイトに3次元構造をもつ
カーボンを組み合わせることにより、グラファイトの平
板粒子相互のつながりを改善することにより発現される
と考えられている。
は、一般に平板粒子のグラファイトに3次元構造をもつ
カーボンを組み合わせることにより、グラファイトの平
板粒子相互のつながりを改善することにより発現される
と考えられている。
【0014】導電性カーボンブラックとグラファイトの
複合型導電性インクに使用される導電性カーボンの具体
例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラッ
ク、ファーネストブラック等従来公知の導電性カーボン
の使用が可能であるが、導電性の観点から、ケッチェン
ブラックが特に好ましい。勿論、カーボンブラック粒子
の表面を金属で被覆した複合粒子の使用も可能であるこ
とはいうまでもない。また、グラファイトに関しては鱗
状黒鉛、土状黒鉛、膨張黒鉛、特殊処理黒鉛、▲か▼焼
コークス、薄片化粉末等の形で、日本黒鉛K.K.、エ
ス・イー・シーK.K.、日立粉末冶金K.K.、中越
黒鉛K.K.等から各種のグラファイトが市販されてお
り、いずれも使用可能であるが、鱗状黒鉛、薄片化黒
鉛、膨張黒鉛等の使用が特に好ましい。
複合型導電性インクに使用される導電性カーボンの具体
例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラッ
ク、ファーネストブラック等従来公知の導電性カーボン
の使用が可能であるが、導電性の観点から、ケッチェン
ブラックが特に好ましい。勿論、カーボンブラック粒子
の表面を金属で被覆した複合粒子の使用も可能であるこ
とはいうまでもない。また、グラファイトに関しては鱗
状黒鉛、土状黒鉛、膨張黒鉛、特殊処理黒鉛、▲か▼焼
コークス、薄片化粉末等の形で、日本黒鉛K.K.、エ
ス・イー・シーK.K.、日立粉末冶金K.K.、中越
黒鉛K.K.等から各種のグラファイトが市販されてお
り、いずれも使用可能であるが、鱗状黒鉛、薄片化黒
鉛、膨張黒鉛等の使用が特に好ましい。
【0015】本発明において使用される金属あるいは非
金属微粒子導電性材料を有する導電性インク組成物に配
合される熱可塑性バインダーとしては、従来公知の各種
の有機バインダーが使用される。
金属微粒子導電性材料を有する導電性インク組成物に配
合される熱可塑性バインダーとしては、従来公知の各種
の有機バインダーが使用される。
【0016】前記熱可塑性有機バインダーとしては、例
えば、ビニル系樹脂(塩ビ系樹脂、(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂、ビニリデン系樹脂、酢ビ系樹脂等)、
ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリ
ル系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカー
ボネート、メラミン系樹脂、オレフィン系樹脂、ハロゲ
ン化ポリオレフィン、アセタール系樹脂、ブチラール系
樹脂、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオ
キサイド、セルロースエステル系樹脂、等が挙げられる
がこれらに限定されるものではない。又、これらの樹脂
は水中に分散したエマルジョン形態で使用してもよい。
更に、これらの組成中には熱硬化剤や光硬化剤等を添加
してもよい。
えば、ビニル系樹脂(塩ビ系樹脂、(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂、ビニリデン系樹脂、酢ビ系樹脂等)、
ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリ
ル系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカー
ボネート、メラミン系樹脂、オレフィン系樹脂、ハロゲ
ン化ポリオレフィン、アセタール系樹脂、ブチラール系
樹脂、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオ
キサイド、セルロースエステル系樹脂、等が挙げられる
がこれらに限定されるものではない。又、これらの樹脂
は水中に分散したエマルジョン形態で使用してもよい。
更に、これらの組成中には熱硬化剤や光硬化剤等を添加
してもよい。
【0017】本発明において、導電性インク組成物は、
通常水あるいは有機溶剤を使用するが、該有機溶剤とし
ては、従来公知の溶剤が目的に応じて使用可能である。
例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン等)、塩素化
炭化水素類(メチクロ、エチクロ、クロロベンゼン
等)、エーテルアルコール類(エトキシエタノール、メ
チルセロソルブ等)、エステル類(酢酸エステル等)、
アルコール類(エタノール、イソプロピルアルコール、
ブチルカルビトール等)、ケトン類(シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン等、酸アミド類(ジメチルホル
ムアミド等)等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
通常水あるいは有機溶剤を使用するが、該有機溶剤とし
ては、従来公知の溶剤が目的に応じて使用可能である。
例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン等)、塩素化
炭化水素類(メチクロ、エチクロ、クロロベンゼン
等)、エーテルアルコール類(エトキシエタノール、メ
チルセロソルブ等)、エステル類(酢酸エステル等)、
アルコール類(エタノール、イソプロピルアルコール、
ブチルカルビトール等)、ケトン類(シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン等、酸アミド類(ジメチルホル
ムアミド等)等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0018】前記カーボン系導電性インクを用いる場合
の、グラファイトと導電性カーボンとの配合割合は、重
量比で1:9〜9:1の範囲、更には4:6〜8:2の
範囲が好ましい。該カーボンの割合が前記範囲より多く
なると抵抗が高くなる傾向が生じ、また少なくなっても
グラファイト粒子間の繋がりが悪くなり、同じく抵抗が
高くなる傾向が生じる。
の、グラファイトと導電性カーボンとの配合割合は、重
量比で1:9〜9:1の範囲、更には4:6〜8:2の
範囲が好ましい。該カーボンの割合が前記範囲より多く
なると抵抗が高くなる傾向が生じ、また少なくなっても
グラファイト粒子間の繋がりが悪くなり、同じく抵抗が
高くなる傾向が生じる。
【0019】前記カーボン系導電性インクを用いる場合
のグラファイト及びカーボンの合計量とバインダーとの
配合割合としては、該導電剤の合計量/バインダーが重
量比で80/20〜20/80、更には30/70〜7
0/30の範囲が好ましい。この範囲より該導電剤の量
が少ない場合には所望の導電性が得られに難く、また多
すぎる場合には膜強度が弱くなる。又、金属系導電性イ
ンクを用いる場合の配合比率も同じである。
のグラファイト及びカーボンの合計量とバインダーとの
配合割合としては、該導電剤の合計量/バインダーが重
量比で80/20〜20/80、更には30/70〜7
0/30の範囲が好ましい。この範囲より該導電剤の量
が少ない場合には所望の導電性が得られに難く、また多
すぎる場合には膜強度が弱くなる。又、金属系導電性イ
ンクを用いる場合の配合比率も同じである。
【0020】本発明において使用する導電性塗料組成物
には、前記の他に必要に応じて、レベリング剤、可塑
剤、分散剤、沈降防止剤、滑剤、マット剤等を添加して
もよい。また、本発明の導電性インク組成物は、前記成
分をボールミル、サンドミル、ビーズミル、2本ロー
ル、ペイントシェーカー等の通常の分散機により均一に
分散させることにより製造される。
には、前記の他に必要に応じて、レベリング剤、可塑
剤、分散剤、沈降防止剤、滑剤、マット剤等を添加して
もよい。また、本発明の導電性インク組成物は、前記成
分をボールミル、サンドミル、ビーズミル、2本ロー
ル、ペイントシェーカー等の通常の分散機により均一に
分散させることにより製造される。
【0021】該導電性塗料の塗布方法については、特に
限定はなく、通常行われているスプレー法、刷毛塗り
法、浸漬法等でよいが、一般てきには、操作の簡便性や
塗膜の均一性の点からスプレー法が好ましい。
限定はなく、通常行われているスプレー法、刷毛塗り
法、浸漬法等でよいが、一般てきには、操作の簡便性や
塗膜の均一性の点からスプレー法が好ましい。
【0022】該導電性塗料層の塗布膜厚は、一般的に乾
燥膜厚で3〜100μmの範囲が好ましい。これ以上で
は無駄であり、またこれ以下では内部応力により金属メ
ッキ膜との密着性が劣化する。特に8〜25μmが好ま
しい。
燥膜厚で3〜100μmの範囲が好ましい。これ以上で
は無駄であり、またこれ以下では内部応力により金属メ
ッキ膜との密着性が劣化する。特に8〜25μmが好ま
しい。
【0023】本発明の対象となる溶融プラスチック素材
としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹
脂、AS樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂等の汎用プラスチック、ナイロン、ポリア
セタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエー
テル、ポリブチレンテレフタレート、GF強化ポリエチ
レンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン等の汎用
エンプラ、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリア
ミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン
等のスーパーエンプラ等があげられる。
としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹
脂、AS樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂等の汎用プラスチック、ナイロン、ポリア
セタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエー
テル、ポリブチレンテレフタレート、GF強化ポリエチ
レンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン等の汎用
エンプラ、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリア
ミドイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン
等のスーパーエンプラ等があげられる。
【0024】次に、本発明の特長である、該金型内面と
導電性塗料層面の間に設ける平均粒径が1〜10μmの
少なくとも1種を含有する表面が粗面化された水溶性樹
脂層を設ける効果に関して説明する。
導電性塗料層面の間に設ける平均粒径が1〜10μmの
少なくとも1種を含有する表面が粗面化された水溶性樹
脂層を設ける効果に関して説明する。
【0025】本発明に使用する水溶性樹脂としては、従
来公知のものが使用可能であるが、例えば、ポリビニル
アルコール及びその誘導体、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースのごときセルロース誘導体、ポリビニルピロ
リドン及びその誘導体、ゼラチン及びその誘導体、ポリ
アクリル酸及びその誘導体等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよいし、2種以上組み合わせても用いるこ
とが出来る。
来公知のものが使用可能であるが、例えば、ポリビニル
アルコール及びその誘導体、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースのごときセルロース誘導体、ポリビニルピロ
リドン及びその誘導体、ゼラチン及びその誘導体、ポリ
アクリル酸及びその誘導体等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよいし、2種以上組み合わせても用いるこ
とが出来る。
【0026】マット剤は、平均粒径が1〜10μmのも
のであれば、無機、有機低分子、あるいは有機高分子微
粒子等特に限定されるものではない。例えば、シリカ、
珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、ジルコニア、水酸化カルシウム、タルク、水酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、等があげられるが、これら
は単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよ
い。しかしながら、より金属メッキ層と導電性塗料層の
密着性を強固名ものにするには、水溶性樹脂のみならず
マット剤粒子も完全に導電性塗料層表面から除去される
か、あるいは導電性塗料層表面に残った粒子が少なくと
も密着性をダウンさせない粒子が好ましい。前者の例と
しては、酸性水溶液で溶解する炭酸カルシウムや水酸化
カルシウム等が好ましく、特に炭酸カルシウムが好まし
い。後者の例としては、酸化亜鉛や酸化チタンの例があ
げられる。
のであれば、無機、有機低分子、あるいは有機高分子微
粒子等特に限定されるものではない。例えば、シリカ、
珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、ジルコニア、水酸化カルシウム、タルク、水酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、等があげられるが、これら
は単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよ
い。しかしながら、より金属メッキ層と導電性塗料層の
密着性を強固名ものにするには、水溶性樹脂のみならず
マット剤粒子も完全に導電性塗料層表面から除去される
か、あるいは導電性塗料層表面に残った粒子が少なくと
も密着性をダウンさせない粒子が好ましい。前者の例と
しては、酸性水溶液で溶解する炭酸カルシウムや水酸化
カルシウム等が好ましく、特に炭酸カルシウムが好まし
い。後者の例としては、酸化亜鉛や酸化チタンの例があ
げられる。
【0027】このマット剤粒子と水溶性樹脂の割合は、
重量比で0.5〜5位の範囲が適当であり、該粒子を分
散した水溶性樹脂溶液の安定性からは4以下が望まれ
る。
重量比で0.5〜5位の範囲が適当であり、該粒子を分
散した水溶性樹脂溶液の安定性からは4以下が望まれ
る。
【0028】また、該マット剤含有水溶液中には乾燥速
度をあげるためにアルコール等を添加してもよい。また
沈降防止剤などを添加してもよい。分散に関しては、従
来公知の分散方法で可能である。
度をあげるためにアルコール等を添加してもよい。また
沈降防止剤などを添加してもよい。分散に関しては、従
来公知の分散方法で可能である。
【0029】これら塗液の塗布に関しては、導電性塗料
の塗布と同じくスプレー法や刷毛塗り法、浸漬法等従来
公知の方法が使用できる。また、これら塗布に際して金
型内面は離型剤等により、表面処理をしてもよい。何故
ならば、本発明の場合には金型からの剥離に際して、仮
に該離型剤が該塗膜の表面に付着していても該水溶性樹
脂層の溶解除去に際して除かれ、離型剤による導電性塗
料層表面の密着性を劣化させないことによる。乾燥後の
膜厚は概ね2〜15μmの範囲にするのが好ましい。こ
れ以下だと表面粗さが不十分になるか、あるいはマット
剤が脱落しやすい。またこれ以上だと溶解除去するのに
時間が長くなり好ましくない。
の塗布と同じくスプレー法や刷毛塗り法、浸漬法等従来
公知の方法が使用できる。また、これら塗布に際して金
型内面は離型剤等により、表面処理をしてもよい。何故
ならば、本発明の場合には金型からの剥離に際して、仮
に該離型剤が該塗膜の表面に付着していても該水溶性樹
脂層の溶解除去に際して除かれ、離型剤による導電性塗
料層表面の密着性を劣化させないことによる。乾燥後の
膜厚は概ね2〜15μmの範囲にするのが好ましい。こ
れ以下だと表面粗さが不十分になるか、あるいはマット
剤が脱落しやすい。またこれ以上だと溶解除去するのに
時間が長くなり好ましくない。
【0030】また、該水溶性樹脂を除去するための水溶
液に関しては、除去促進剤として界面活性剤やアルコー
ル等を加えてもよい。
液に関しては、除去促進剤として界面活性剤やアルコー
ル等を加えてもよい。
【0031】成形品の表面層である導電性塗料層上に電
解メッキ法により、銅、ニッケル、銀、金、半田、ある
いは銅/ニッケルの多層、あるいは複合系などの金属メ
ッキをおこなう方法は従来からの公知の方法を使用出
来、これらに関しては種々の成書がある。(例えば、
「表面処理技術総覧」(株)技術資料センター、198
7/12/21初版、P281〜422) どの金属を電解メッキにより設けるかは、本発明を何に
利用するかによりことなるが、例えば、電磁波シールド
部材として本発明を利用する場合には、メッキが容易
で、且つ導電性が優れ、さらに厚膜にもメッキでき、低
コスト等の理由により、銅を用いる事がこのましい。電
解メッキの一例を挙げて説明すると、硫酸銅、硫酸等を
主成分とする浴中に該基体を浸漬し、10〜40℃で、
電流密度1〜20アンペア/dm2で通電することによ
りメッキがおこなわれる。
解メッキ法により、銅、ニッケル、銀、金、半田、ある
いは銅/ニッケルの多層、あるいは複合系などの金属メ
ッキをおこなう方法は従来からの公知の方法を使用出
来、これらに関しては種々の成書がある。(例えば、
「表面処理技術総覧」(株)技術資料センター、198
7/12/21初版、P281〜422) どの金属を電解メッキにより設けるかは、本発明を何に
利用するかによりことなるが、例えば、電磁波シールド
部材として本発明を利用する場合には、メッキが容易
で、且つ導電性が優れ、さらに厚膜にもメッキでき、低
コスト等の理由により、銅を用いる事がこのましい。電
解メッキの一例を挙げて説明すると、硫酸銅、硫酸等を
主成分とする浴中に該基体を浸漬し、10〜40℃で、
電流密度1〜20アンペア/dm2で通電することによ
りメッキがおこなわれる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとずいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】実施例1 通常の離型処理が施されている金型内面に、下記組成の
水溶性樹脂をペイントシェーカーにて2時間分散後、乾
燥膜厚6μmなるようにスプレー塗布した。 《水溶性樹脂層の組成》 ・ ポリビニルアルコールPVA205(クラレ社製) 1.25重量部 ・ ポリビニルピロリドンK90(五協産業社製) 0.61重量部 ・ ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社) 1.25重量部 ・ 炭酸カルシウム(平均粒径4.4μm) 6.6重量部 ・ 純水 55重量部 ・ メタノール 40重量部
水溶性樹脂をペイントシェーカーにて2時間分散後、乾
燥膜厚6μmなるようにスプレー塗布した。 《水溶性樹脂層の組成》 ・ ポリビニルアルコールPVA205(クラレ社製) 1.25重量部 ・ ポリビニルピロリドンK90(五協産業社製) 0.61重量部 ・ ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社) 1.25重量部 ・ 炭酸カルシウム(平均粒径4.4μm) 6.6重量部 ・ 純水 55重量部 ・ メタノール 40重量部
【0034】次に、ポリエステル樹脂(東洋紡K.K.
製、商品名:バイロン300)13.0重量部、をトル
エン100重量部からなる溶剤に溶解させ、ついでグラ
フィト((株)中越黒鉛工業所製、商品名:CPB−3
0)8.0重量部とケッチェンブラックEC(ライオン
(株)製)3.0重量部を添加し、さらに混合した。得
られた混合物を2mmΦジルコニアビーズを用いペイン
トシェーカーで10時間分散し、導電性インク組成物を
得た。このインク組成物を、上記凹凸表面を有する水溶
性樹脂層上に乾燥膜厚10μmになるように塗布、乾燥
した。
製、商品名:バイロン300)13.0重量部、をトル
エン100重量部からなる溶剤に溶解させ、ついでグラ
フィト((株)中越黒鉛工業所製、商品名:CPB−3
0)8.0重量部とケッチェンブラックEC(ライオン
(株)製)3.0重量部を添加し、さらに混合した。得
られた混合物を2mmΦジルコニアビーズを用いペイン
トシェーカーで10時間分散し、導電性インク組成物を
得た。このインク組成物を、上記凹凸表面を有する水溶
性樹脂層上に乾燥膜厚10μmになるように塗布、乾燥
した。
【0035】次に、プラスチック素材としては、耐薬品
性に優れ且つ通常メッキ処理が困難とされる汎用エンプ
ラであるポリブチレンテレフタレート樹脂であるタフペ
ットpbtn−1000(三菱レーヨン社製)溶融注入
し、一体成形した。
性に優れ且つ通常メッキ処理が困難とされる汎用エンプ
ラであるポリブチレンテレフタレート樹脂であるタフペ
ットpbtn−1000(三菱レーヨン社製)溶融注入
し、一体成形した。
【0036】成形品を剥離後、PH2.0のHCl水溶
液で、マット剤ごと水溶性樹脂層を溶解除去した。遠赤
外線装置により熱キュア後の導電性インク層表面の表面
抵抗は2.5×102Ω/□であった。
液で、マット剤ごと水溶性樹脂層を溶解除去した。遠赤
外線装置により熱キュア後の導電性インク層表面の表面
抵抗は2.5×102Ω/□であった。
【0037】この後、上記導電性インク表面に市販の電
解メッキ用処理液(メルテック社製)を用い、所定の方
法に従い電解メッキをおこない、銅2μm、さらにその
上にニッケル1μmの金属メッキ膜を形成させた。得ら
れた成形品は電磁波シールド性は十分であった。また、
この金属メッキ膜の密着性は,JIS K54005m
m間隔の碁盤目テストでも10点の評価であり良好であ
った。
解メッキ用処理液(メルテック社製)を用い、所定の方
法に従い電解メッキをおこない、銅2μm、さらにその
上にニッケル1μmの金属メッキ膜を形成させた。得ら
れた成形品は電磁波シールド性は十分であった。また、
この金属メッキ膜の密着性は,JIS K54005m
m間隔の碁盤目テストでも10点の評価であり良好であ
った。
【0038】比較例1 実施例1において、水溶性樹脂層を設けない以外は同様
に実験をおこなった。この成形品の金属メッキ膜の密着
性に関する上記テストは3点であった。
に実験をおこなった。この成形品の金属メッキ膜の密着
性に関する上記テストは3点であった。
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明の
方法により、プラスチック成形品の表面導電化処理を密
着良く且つ生産性よく達成することが出来る。
方法により、プラスチック成形品の表面導電化処理を密
着良く且つ生産性よく達成することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA021 CB001 CD021 CD081 CE061 CF031 CG141 CG161 DA001 DA161 DB001 DD001 DE001 DF061 DG001 DJ021 DK011 HA026 HA036 HA286 KA06 MA10 NA20 PC08 4K024 AA03 AA09 AB02 BA13 BB09 BC10 DA10 GA12 GA16 5E321 AA01 BB23 BB25 GG05
Claims (3)
- 【請求項1】 プラスチック成形金型内面に、熱可塑性
樹脂をバインダーとする導電性塗料を塗布、乾燥して剥
離可能な導電性塗膜を形成した後、前記金型内に溶融プ
ラスチック素材を注入して前記導電性塗膜を可塑化する
と共に前記溶融プラスチック素材と密着性を向上させ成
形品表面に前記導電性塗膜を転写させて導電性層を形成
し、この導電性層に電解メッキ法により直接金属メッキ
をおこなうプラスチック製品のメッキ方法において、前
記導電性塗膜を形成する前に、前記金型内面に、該金型
内面と剥離可能な、平均粒径が1〜10μmの少なくと
も1種のマット剤を含有する表面が粗面化された水溶性
樹脂層を設け、成形品表面に前記導電性層と前記水溶性
樹脂層を転写させた後、水溶液で、該マット剤粒子を含
有する水溶性樹脂層をマット剤ごと除去し、成形品表面
に凹凸表面に優れた導電性表面を露出させる。その後こ
の導電性塗料面に直接的に電解金属メッキを行うことを
特徴とするプラスチック表面のメッキ方法。 - 【請求項2】 請求項1において、マット剤粒子が炭酸
カルシウムであることを特徴とするプラスチック表面の
メッキ方法。 - 【請求項3】 請求項2において、水溶性樹脂除去剤が
酸性の水溶液であることを特徴とするプラスチック表面
のメッキ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10987999A JP2000256892A (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | プラスチック成形品のメッキ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10987999A JP2000256892A (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | プラスチック成形品のメッキ方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256892A true JP2000256892A (ja) | 2000-09-19 |
Family
ID=14521497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10987999A Pending JP2000256892A (ja) | 1999-03-11 | 1999-03-11 | プラスチック成形品のメッキ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000256892A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002185156A (ja) * | 2000-10-28 | 2002-06-28 | Wl Gore & Assoc Gmbh | 電子ハウジングのための電磁干渉防止給排気部材 |
JP2011513567A (ja) * | 2008-03-13 | 2011-04-28 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 基板上に金属層を形成するための方法及び分散液、並びに金属化可能な熱可塑性成形用化合物 |
-
1999
- 1999-03-11 JP JP10987999A patent/JP2000256892A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002185156A (ja) * | 2000-10-28 | 2002-06-28 | Wl Gore & Assoc Gmbh | 電子ハウジングのための電磁干渉防止給排気部材 |
JP2011513567A (ja) * | 2008-03-13 | 2011-04-28 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 基板上に金属層を形成するための方法及び分散液、並びに金属化可能な熱可塑性成形用化合物 |
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