JP2000256730A - 溶鋼への窒素添加方法 - Google Patents
溶鋼への窒素添加方法Info
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Abstract
H脱ガス設備において加窒処理を行う場合、窒素の挙動
を確認しながらの処理となるため、処理時間が長く、浸
漬管の溶損が大きくなる。また石灰窒素をワイヤ状とし
たものを溶鋼へ添加する場合、スラグから溶鋼中へ酸素
が供給されるため、(Sol.Al)が減少することに
よる未脱酸状態の発生となっていた。 【解決手段】 本発明による溶鋼への窒素添加方法は、
アルミキルド鋼からなる溶鋼であって、石灰窒素を基剤
とする溶鋼用窒素添加剤に金属Al粉を35〜40ma
ss%配合した材料を鉄被覆してワイヤ状にした溶鋼用
ワイヤ状窒素添加剤を前記溶鋼へ添加することにより窒
素を100massppm以上含有させる方法である。
Description
方法に関し、特に、鋼の精錬工程において窒素成分の調
整を容易化するための新規な改良に関する。
して材料特性、特に強度および靭性を改善するために鋼
中に添加されているが、この鋼中に存在する固溶窒素
は、Alめっき時に母材とめっき相の境界面においてA
lNを生成するため、Alめっきの耐黒変性を向上させ
ることが知られている。しかしながら連続鋳造にて製造
する場合には、通常Al脱酸を行っており、このAlと
Nの反応により圧延・焼鈍時に前記AlNが析出し、固
溶窒素が減少する。この固溶窒素を確保するため、低A
l高Nとすることが望まれる鋼種がある。従来、窒素
〔N〕=100〜130massppmまで加窒を行う
場合には、転炉出鋼時に石灰窒素をブリケット状にした
ものである窒化ブリケットを投入し、RH脱ガスにおい
て還流ガスに窒素を使用すると共に、窒素ブリケット、
NMnを添加している。しかしこの場合、窒素ブリケッ
ト、NMnの比重は溶鋼に比べて小さいため、溶鋼表面
を浮遊し、さらに真空下であるため、歩留まりは小さ
く、窒素還流ガスに依存しているところが大きい。その
ためRH脱ガス処理時間が長くなる傾向にある。また更
なる他の手法として、石灰窒素をワイヤ状としたものを
添加する方法がある。この場合、スラグが溶鋼中に混合
され、酸素がスラグから溶鋼へ侵入するため、溶鋼へ侵
入した酸素は〔Sol.Al〕と反応し、〔Sol.A
l〕が減少していた。この〔Sol.Al〕が低過ぎる
場合、取鍋やタンディッシュにおいて侵入する酸素によ
り、リミングアクション(未脱酸状態)の発生を招き、
連続鋳造においてブレークアウトのトラブルを生じる可
能性がある。
加方法は、以上のように構成されていたため、次のよう
な課題が存在していた。すなわち、RH脱ガス設備にお
いて加窒処理を行う場合、窒素の挙動を確認しながらの
処理となるため、処理時間が長く、浸漬管の溶損が大き
くなる。また石灰窒素をワイヤ状としたものを溶鋼へ添
加する場合、スラグから溶鋼中へ酸素が供給されるた
め、〔Sol.Al〕が減少することによる未脱酸状態
の発生となっていた。
めになされたもので、特に、精錬工程において窒素成分
の調整を容易化するようにした溶鋼への窒素添加方法を
提供することを目的とする。
素添加方法は、アルミキルド鋼からなる溶鋼であって、
石灰窒素を基剤とする溶鋼用窒素添加剤に金属Al粉を
35〜40mass%配合した材料を鉄被覆してワイヤ
状にした溶鋼用ワイヤ状窒素添加剤を前記溶鋼へ添加す
ることにより窒素を100massppm以上含有させ
る方法であり、さらに、前記添加は、RH脱ガス処理後
の大気圧下で行う方法である。
鋼への窒素添加方法の好適な実施の形態について説明す
る。まず、図1で示されるように、アルミで脱酸したア
ルミキルド鋼からなる溶鋼5に窒素を100massp
pm以上含有させるために、金属Al粉を35〜40m
ass%配合し残りを石灰窒素として鉄被覆しワイヤ状
にした溶鋼用ワイヤ状窒素添加剤4の投入速度を調整し
ワイヤ溶解位置が溶鋼5の深さの2/3から3/4にな
るようにして溶鋼5へ窒素を添加する。なお、この場
合、前記溶鋼用ワイヤ状窒素添加剤4は、ワイヤフィー
ダー機7と取鍋6の集塵蓋3との間に接続されArガス
1が供給されたガイドパイプ2を介して溶鋼5中へ供給
されるように供給されている。従って、アルミと窒素を
同一ワイヤに包み込んで溶鋼5中に溶解させているた
め、アルミが溶解しアルミ濃度の高い溶鋼中では窒素の
溶解度が高くなり鋼中への窒素添加歩留まりが向上す
る。なお、アルミ配合なしの窒素ワイヤを用いて溶鋼に
添加した場合、ワイヤ投入前後での鋼中Alの変化はワ
イヤ投入前が0.021mass%で投入後は0.00
7mass%と減少した。このワイヤ投入に要した時間
は3分であり、このことから、溶鋼へ添加する窒素添加
剤をAl純分供給速度に換算して0.09〜0.10k
g/t−溶鋼/分の供給速度で溶鋼へ添加した。ここで
Alの歩留りを50%とした。
次の数1の(1)式及び(2)式に示す製鋼反応の推奨
平衡値(日本学術振興会製鋼19委員会編)に記されて
いるように、溶鋼中に窒素を添加した場合(1)式の反
応により吸窒が進行する。
り、酸素濃度が小さいほどfNは小さくなる。一方、酸
素濃度はAl濃度に反比例することが知られている。そ
こで、溶鋼へワイヤ投入中、局所的にAl濃度が高くな
り、酸素濃度が小さくなるため、窒素活量係数が小さく
なる。その結果、局所的に平衡窒素濃度が高くなり窒素
の溶解度が増すことになる。さらに、溶鋼用ワイヤ状窒
素添加剤4に金属Al粉を配合したことにより、金属A
l粉はスラグより侵入する酸素により〔Sol.Al〕
が消費されるため、これを補完する役割を果たす。更
に、金属Al粉の配合組成を35〜40mass%と最
適な範囲に限定しているが、ここで最適な範囲とは、種
々実験の結果、加窒挙動と〔Sol.Al〕挙動を安定
して得ることができる範囲を意味するものである。
1の第1表に示す化学組成に調整した溶鋼を用いて加窒
実験を行った。加窒後目標成分は〔N〕100〜130
massppm,〔Sol.Al〕0.004〜0.0
12mass%とした。
炉において取鍋に窒化ブリケットを入置きし、取鍋へ出
鋼した。RH脱ガスでは還流ガスとして窒素ガスを使用
し、窒素化合物の添加は行わない。その後前記溶鋼用ワ
イヤ状窒素添加剤4を添加し連続鋳造した。この溶鋼用
ワイヤ状窒素添加剤4の投入条件を表3の第3表に示
す。溶鋼用ワイヤ状窒素添加剤4として、石灰窒素63
mass%、金属Al粉37mass%に配合した混合
粉を使用した。この窒素添加剤4を鉄被覆してワイヤ状
とし、ワイヤフィーダー法で投入した。ワイヤ送給速度
は、ワイヤフィーダー機7により300m/minに調
整した。この時のAl供給速度は0.09kg/t−溶
鋼/分に相当する。
ol・Al濃度の変化を示す。ワイヤ投入前の〔N〕は
RH脱ガスで窒素還流ガスにより、70massppm
となっていた。ワイヤ投入により125massppm
となり、最終成分では130massppmであった。
一方、Sol・Alはワイヤ投入前後では変動せず、鋳
造時に0.009mass%となった。
て加窒実験を行った。ここでは窒素添加剤として金属A
lを混合していないものを使用した。すなわち石灰窒素
100mass%である。この混合粉を鉄被覆したワイ
ヤを投入速度300m/minで投入した。処理工程は
前述の実施例1と同様の工程とした。ワイヤの投入条件
も前述の第2表の実施例1と同じとした。実験結果は前
述の第3表に示す通りであり、実施例1と同様に加窒す
ることができたが、ワイヤ投入により、Sol・Alが
低減しており、鋳造時には0.004mass%以下と
なった。
すが、転炉において、炉の傾動を繰り返すローテーショ
ンを3分間行い、計画再吹錬とした。取鍋内に予め窒化
ブリケットを入置きし、出鋼し、〔N〕レベルを実施例
1のRH脱ガス設備で出鍋相当に調整した。RH脱ガス
設備では、実施例1と同様に還流ガスとして窒素ガスを
使用するとともに、窒化ブリケット、NMnの窒素化合
物を添加した。成分確認後、出鍋・連続鋳造した。実験
結果を表5の第5表に示す。〔Sol.Al〕成分はT
Dにおいて目標範囲とすることができた。一方、〔N〕
については、60分のRH脱ガス処理を実施したにもか
かわらず、目標範囲を得ることができなかった。
以上のように構成されているため、次のような効果を得
ることができる。すなわち、石灰窒素を基剤とする溶鋼
用窒素添加剤に金属Al粉を35〜40mass%配合
した材料を鉄被覆してワイヤ状にした溶鋼用ワイヤ状窒
素添加剤を用いているため、成分調整が困難な窒素成分
を容易に調整することができる。また、Sol.Alの
低下を同時に補完するため、Al成分範囲の低い鋼種に
も適用することが可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミキルド鋼からなる溶鋼であって、
石灰窒素を基剤とする溶鋼用窒素添加剤に金属Al粉を
35〜40mass%配合した材料を鉄被覆してワイヤ
状にした溶鋼用ワイヤ状窒素添加剤を前記溶鋼へ添加す
ることにより窒素を100massppm以上含有させ
ることを特徴とする溶鋼への窒素添加方法。 - 【請求項2】 前記添加は、RH脱ガス処理後の大気圧
下で行うことを特徴とする請求項1記載の溶鋼への窒素
添加方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06187099A JP3976439B2 (ja) | 1999-03-09 | 1999-03-09 | 溶鋼への窒素添加方法 |
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JP3976439B2 JP3976439B2 (ja) | 2007-09-19 |
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---|---|---|---|---|
JP2008528802A (ja) * | 2005-01-28 | 2008-07-31 | インジェクション アロイズ リミテッド | 溶融金属を精錬するためのワイヤ及び関連する製造方法 |
CN100410411C (zh) * | 2006-09-12 | 2008-08-13 | 谢英凯 | 不粉化的氮-铝-铁合金 |
KR101477419B1 (ko) * | 2013-08-30 | 2014-12-31 | 현대제철 주식회사 | 흡습기능을 갖는 모합금 피딩 파이프 및 모합금 피딩 파이프 제작 방법 |
KR101516724B1 (ko) * | 2013-10-30 | 2015-05-04 | 현대제철 주식회사 | 질소성분 보증이 가능한 비조질강 제조방법 |
JP2019063848A (ja) * | 2017-10-05 | 2019-04-25 | 東洋電化工業株式会社 | ワイヤー処理装置 |
CN117248153A (zh) * | 2023-09-22 | 2023-12-19 | 湖南华菱涟源钢铁有限公司 | 一种高氮钢的制备装置与制备方法 |
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1999
- 1999-03-09 JP JP06187099A patent/JP3976439B2/ja not_active Expired - Fee Related
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