JP2000255855A - フイルムの搬送装置および方法 - Google Patents

フイルムの搬送装置および方法

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JP2000255855A
JP2000255855A JP11353210A JP35321099A JP2000255855A JP 2000255855 A JP2000255855 A JP 2000255855A JP 11353210 A JP11353210 A JP 11353210A JP 35321099 A JP35321099 A JP 35321099A JP 2000255855 A JP2000255855 A JP 2000255855A
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belt
decompression
tentering
pressure
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JP11353210A
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Haruhisa Yushio
晴久 湯塩
Takanori Nishida
貴則 西田
Yasutaka Tanaka
康崇 田中
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルムの先端部を確実にとらえ、かつその
後も所定の方向に安定して円滑に送ることが可能な、し
かも自動化が容易な、フイルムの搬送装置および方法を
提供する。 【解決手段】 フイルムの走行方向に周回する、複数の
減圧吸引孔を有するベルトと、ベルトを挟んでフイルム
と対向するように設けた複数個の減圧室を有する減圧吸
引手段とを備え、かつ、その減圧吸引手段は、複数の減
圧室の減圧度を調整可能であることを特徴とするフイル
ムの搬送装置、および搬送方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フイルムの搬送装
置および方法に関し、とくに、周回するベルトを用いて
フイルムを搬送する、幅出し装置の入口部等に適用して
好適なフイルムの搬送装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフイルムの幅出し装置の入
口部等に設けられる搬送装置として、周回するベルトに
フイルムの先端部を吸着させながら案内する装置が知ら
れている。たとえば実用新案登録第2536088号公
報には、幅出し装置としてのフイルム横延伸装置の入口
部の両側に、多数の吸引孔を有し周回駆動されるベルト
と、該ベルトの内側に設けられ、吸引孔を通して空気を
吸入することによりフイルムをベルト表面に吸着するサ
クション装置(吸引手段)とを備えたフイルム導入装置
が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来から知
られている上記のような搬送装置においては、ベルトの
内側に設けられる減圧室の減圧圧力を調整することによ
ってフイルムのベルト表面への吸着力を調整することは
できるものの、単にこの減圧室の圧力調整のみでは以下
のような問題を生じることがある。
【0004】すなわち、周回されるベルトの吸引孔を通
して減圧室へと空気が吸引され、それによってフイルム
がベルト表面へと吸着されることになるが、供給されて
きたフイルムの先端部がベルトの始端部に吸着され始め
るときには、多数の吸引孔のうちの大部分はオープンの
状態にあるためそこから低抵抗で空気が吸引されること
になり、フイルムの吸着力を高めるのは困難である。し
かしフイルムの先端部が進むにしたがって、閉塞される
吸引孔の割合が多くなるため、同じ減圧圧力であっても
無駄に吸引される空気の量が減り、フイルムのベルトへ
の吸着力は自然に高められる。
【0005】このように吸着力が自然に変化する従来の
ベルト式搬送装置において、供給されてくるフイルムを
高速で導入しようとしたり、先端部に形状的なくせをも
ったフイルムが導入されたりすると、とくにベルトに吸
着され始める際にフイルムの先端部が浮き上がったり、
吸着位置がずれたりすることがある。このような状態に
なると、フイルムの搬送が不能になったり、所定の方向
に搬送されない事態を生じ、工程トラブルを招く。ま
た、自動搬送も困難になる。
【0006】また、搬送距離が長いなど吸引面積が広い
場合、吸着され始める際の吸着力を強化するために高い
吸引圧を掛ると、ベルトと減圧室間で生じる摩擦が大き
くなる。そのため、ベルトや減圧室の摩耗が激しくな
る。また、フイルムの進行とともに前記摩擦が大きくな
るが、過剰になればコンベア駆動力よりも大きくなりベ
ルトが動かなくなることがある。
【0007】さらに、幅出し装置へのフイルム導入に本
搬送装置を用いる場合、クリップへフイルムを把持させ
た後もあまりに高すぎる吸引圧で搬送し続けようとすれ
ば、フイルムがクリップから外れたりすなど、運転上の
障害を発生することがある。
【0008】そこで本発明の課題は、上記のような問題
点に着目し、供給されてくるフイルムの先端部を確実に
とらえ、かつその後も所定の方向に安定して円滑に送る
ことが可能な、しかも自動化が容易な、幅出し装置の入
口部(幅出し装置の直上流側)等に設けて好適なフイル
ムの搬送装置および方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のフイルムの搬送装置は、フイルムの走行方
向に周回する、複数の減圧吸引孔を有するベルトと、ベ
ルトを挟んでフイルムと対向するように設けた減圧室を
有する減圧吸引手段とを備え、かつ、その減圧吸引手段
は、減圧室の減圧度を調整可能であることを特徴とする
ものからなる。
【0010】上記減圧室には圧力調整弁が設けられてい
ることが好ましい。また、減圧室は、フイルムの走行方
向に沿って複数配列されていることが好ましい。
【0011】このフイルムの搬送装置は、フイルムの幅
に応じて複数列配置することが好ましい。また、このフ
イルムの搬送装置は、フイルムの走行方向および幅方向
の少なくとも一方へベルトを移動させる移動手段を有し
ていることが好ましい。幅方向への移動手段により、供
給されてくるシート状物の幅が変更された場合にも対応
でき、走行方向への移動手段により、たとえば、所望の
作動位置と待機位置間に移動できる。さらに、このフイ
ルムの搬送装置は、ベルトを昇降させる昇降手段を有し
ていることが好ましい。たとえば搬送装置をフイルムの
走行経路の下方に設置し、昇降手段によりフイルムに接
触可能な位置まで上昇され、所定の搬送後には下方に移
動されて待機される。
【0012】本発明に係るフイルムの製造装置は、上記
のような搬送装置とフイルムの幅出しを行う幅出し装置
とを備え、かつ、その幅出し装置をフイルムの走行方向
に関して搬送装置の下流側に設けたことを特徴とするも
のからなる。幅出し装置には、横延伸装置、同時二軸延
伸装置、乾燥装置、熱処理装置、コーティング装置等が
含まれる。
【0013】そしてこのフイルムの製造装置において
は、幅出し装置の上流側に、フイルムの走行方向を幅出
し装置に導入する方向と導入しない方向との切り替える
切替手段を設けるとともに、その切替手段に連動して搬
送装置を作動させるように構成することもできる。この
ような構成により、フイルムの先端部を切替手段により
ベルトの導入する方向に切り替え、切替手段から送られ
てくるフイルムの先端部をベルトに吸着させて幅出し装
置内へと搬送する一連の動作の全自動化が可能になる。
【0014】本発明に係るフイルムの搬送方法は、走行
するフイルムを複数の減圧吸引孔を有するベルトを介し
て減圧吸引しながらベルトとともに搬送するに際し、減
圧吸引孔による減圧度をベルトの走行方向に沿って調整
することを特徴とする方法からなる。この方法において
は、ベルトの走行方向最上流の減圧室の減圧度を最も高
くすることが好ましい。つまり、ベルトの走行方向に沿
ってそれぞれ異なる最適な減圧度に調整することによ
り、供給されてくるフイルムの先端部がベルトの始端部
から終端部に至るまでの全行程において、フイルムをベ
ルトに確実に吸着させることができ、正確に所定の方向
に案内できる。
【0015】また、本発明に係るフイルムの搬送方法
は、走行するフイルムを複数の減圧孔を有するベルトを
介して減圧吸引しながらベルトとともに搬送するに際
し、減圧吸引孔による減圧度を、走行するフイルムの先
端の進行にともない調整することを特徴とする方法から
なる。この方法においては、フイルム先端の進行にとも
ない自然に高められる減圧度を調整することが好まし
い。つまり、フイルムのフイルム先端の進行にともない
自然に高められる減圧度を調整し、ベルトと減圧室の摩
擦を軽減することにより、円滑なフイルムの搬送がで
き、かつ、円滑な幅出し装置にフイルム通しが可能にな
る。
【0016】本発明に係るフイルムの製造方法は、この
ようなフイルムの搬送方法を用いることを特徴とする方
法からなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図10
は、本発明の一実施態様に係るフイルムの搬送装置を示
しており、とくに本発明を、二軸延伸プラスチックフイ
ルムの幅出し装置(横延伸装置)の入口部において適用
した場合を示している。
【0018】図1および図2は、樹脂押出系からフイル
ム巻取機までの製膜工程全体を示している。ホッパ1か
ら供給された原料樹脂は押出機2によって押し出され、
フィルタ3を介してギヤポンプ4に送られ、ギヤポンプ
4からフィルタ5を通して口金6に供給され、そこから
キャストドラム7上にシート状に吐出される。キャスト
ドラム7を含む冷却装置8(キャスティング装置)で成
形された未延伸シート9は縦延伸機10に送られ、所定
の倍率をもって長手方向に一軸に延伸され、一軸延伸フ
イルム11に成形される。
【0019】一軸延伸フイルム11は、フイルム走行方
向切替手段12を通過した後、幅出し装置(幅出し機)
13に導入され、その中で予熱された後、所定の倍率を
もって幅方向に延伸され、二軸延伸フイルム14に製膜
される。二軸延伸フイルム14は、引取機15で引き取
られた後、巻取機16によってフイルムロール17とし
て巻き取られる。フイルム走行方向切替手段12の下方
には、フイルム粉砕機18が設けられている。幅出し装
置13にはフイルム11の両側を把持するクリップ19
が多数設けられており、クリップ19は、図2に示すよ
うに、フイルム11の幅方向両側においてそれぞれ無端
環状に配列されて走行される。クリップ19の閉動作
は、フイルム把持開始位置44においてクリップ開閉手
段20によって行われる(図3)。
【0020】フイルム走行方向切替手段12の部分は、
たとえば図3に示すように構成される。縦延伸機10か
ら供給されてくるフイルム11は、テンションロール3
1、ガイドロール32を経た後、ニップロール33とニ
ップロール34との間で、ロータリカッタ35によって
幅方向に切断可能となっている。ロータリカッタ35
は、回転刃36と固定刃37を備えており、両刃により
剪断または押し切りによってフイルム11が切断される
ようになっている。ニップロール34の下流側には、フ
イルムの走行方向を選択的に切り替える切替フラップ3
8が設けられており、図3の実線で示す位置に制御され
ているときには、フイルム11は幅出し装置13への導
入方向に送られ、図3の破線で示す位置に制御されてい
るときには、導入しない方向、つまり、粉砕機18の方
向に送られるようになっている。
【0021】切替フラップ38の下方には、本実施態様
では排出ベルトコンベア39が配置されており、送られ
てきたフイルム11を下方の粉砕機18に向けて円滑か
つ確実に送ることができるようになっている。粉砕機1
8の入口にはフィードロール40が設けられており、フ
イルム11は回転刃41と固定刃42との間に向けて所
定の速度で送られる。
【0022】このフイルム走行方向切替手段12と粉砕
機18は、フイルム11を幅出し装置13に導入しない
方向に切り替えるとともに、導入されていないフイルム
11を回収するために粉砕する、待機手段43を構成し
ている。
【0023】フイルム走行方向切替手段12の切替フラ
ップ38による幅出し装置13への導入方向への切替に
際しては、粉砕機18によって回収されている待機中の
フイルム11を、先ずロータリカッタ35で幅方向に切
断し、切替フラップ38を図4の破線位置から実線位置
へ切り替え、切断されたフイルム11の先端(切断端)
を切替フラップ38による案内によって幅出し装置13
への通紙方向に送る。
【0024】幅出し装置13の入口部には、フイルム走
行方向切替手段12により導入方向に向けられたフイル
ム11を幅出し装置13のフイルム把持開始位置44へ
と案内する、フイルム搬送装置45が設けられている。
【0025】フイルム搬送装置45は、本実施態様で
は、図4に示すように供給されてくるフイルム11の幅
方向に配設された3本のベルト46、47、47を有し
ており、中央部のベルト46は比較的広幅に、両側のベ
ルト47、47は比較的狭幅に形成されている。これら
ベルト46、47は、表面に開口された多数の吸引孔4
8を有しており、フイルム11の走行方向に周回され
る。周回は、ベルト46、47をかけ渡してある2本の
ロールのうちいずれか一方のロール(たとえば、下流側
のロール)を駆動すればよい。
【0026】各ベルト46、47の内側には、図5、図
6、図8にも示すように、複数の減圧室がフイルム11
の走行方向に配列されている。本実施態様では、中央の
ベルト46に対し、フイルム11の走行方向上流側から
3つの減圧室49a、49b、49cが配設されてお
り、両側のベルト47に対しては、上流側から3つの減
圧室50a、50b、50cが配設されている。これら
の減圧室49a、49b、49cおよび減圧室50a、
50b、50cは、各々個別に圧力調整(減圧度の調
整)が可能に構成されている。これら減圧室は、各ベル
ト46、47の吸引孔48を通して空気を吸引する減圧
吸引手段の一部を構成している。
【0027】各減圧室49a、49b、49cには、そ
れぞれ個別にブロワ51a、51b、51cがダクト5
2a、52b、52cを介して接続されており、各減圧
室50a、50b、50cには、それぞれ個別に、ある
いは両側にある減圧室50a、50b、50cの各組を
一対として各対に対して個別に、ダクト54a、54
b、54cを介してブロワ53a、53b、53cが接
続されている。各減圧室の大きさとしては、とくにフイ
ルム走行方向における長さとして、下流側ほど大きくす
ることが好ましい。たとえば、図6における減圧室49
a(または減圧室50a)をA、減圧室49b(または
減圧室50b)をB、減圧室49c(または減圧室50
c)をCで表すと、A<B≦Cの関係にあることが好ま
しい。
【0028】各減圧室に対しては、たとえば図7に示す
ような構成を有する圧力調整弁71a、71b、71c
が設けられており、各減圧室の減圧度がバネの長さやバ
ネ定数を変更することにより個別に調整できるようにな
っている。この各減圧室の減圧度は、上流側ほど大きく
することが好ましい。たとえば、図6における減圧室4
9a(または減圧室50a)をA、減圧室49b(また
は減圧室50b)をB、減圧室49c(または減圧室5
0c)をCで表すと、A>B≧Cの関係にあることが好
ましい。このような各減圧室の減圧度の調整は、上記圧
力調整弁71a、71b、71cによる方法以外、各ブ
ロワの回転数を個別に制御する方法でも可能である。
【0029】また、走行するフイルムの先端の進行にと
もない減圧室の減圧度は自然に高められるが、調整弁か
らの外気を取り入れ量も自然に増加するので、減圧室の
減圧度は自然に軽減される。調圧弁71a、71b、7
1cのバネ72の長さやバネ定数を調整することによ
り、その軽減の度合いを調整することが可能である。こ
のような各減圧室の減圧度の調整は、減圧室の減圧度の
検出手段を設けその検出手段からの情報や、走行するフ
イルムの先端位置の情報により、各吸引室のブロアの回
転数を制御する方法でも可能である。
【0030】また、本実施態様においては、各ベルト4
6、47および各ベルト用の各減圧室は、それぞれを一
組として個別に、図3および図4の矢印で示す方向に移
動できるようになっている。すなわち、適当な昇降手段
(図示略)により、上下方向に移動され、上方に移動さ
れたときに各ベルトがフイルム11に接触可能となり、
下方に移動されたときには待機される。また、適当なフ
イルム幅方向への移動手段(図示略)により、フイルム
幅方向における位置が調整される。さらに、適当なフイ
ルムの走行方向への移動手段(図示略)により、フイル
ム走行方向における位置が調整され、図3に示すよう
に、フイルム11を受け取って案内する位置と待機位置
とに調整される。
【0031】また本実施態様では、両側のベルト47の
上方に、フイルム11のエッジガイド板55が設けられ
ており、エッジガイド板55はベルト47と一定の位置
関係をもってベルト47と一体的に移動される。エッジ
ガイド板55により、フイルム11の両側エッジの位置
が、ベルト47に対して最適な位置に規制される。
【0032】なお、上記の導入されてくるフイルム11
に対する各ベルト46、47の位置の制御は、制御装置
56からの信号に基づいて自動調整されるようになって
いる。またフイルム走行方向切替手段12の各部の動
作、切替フラップ38の動作も制御装置56によって制
御され、該フイルム走行方向切替手段12における動作
と、ベルト46、47を用いたフイルム搬送装置の動作
の制御は連動されている。
【0033】各減圧室を構成する方法はとくに限定しな
いが、たとえば図9に示すように、各減圧室49a、4
9b、49c(または、減圧室50a、50b、50
c)を箱体57内に形成し、該箱体57の上面に長穴5
8を複数形成した構造に構成できる。箱体57の上面に
は、ベルトに対し低摩擦係数の材料を用いることが好ま
しい。
【0034】さらに、本実施態様では、図5、図10に
示すように、ベルト46の下流側のロール59(駆動ロ
ール)部分で、ベルト46からフイルム11が円滑に剥
離されるよう、剥離部60の前後の斜め下方からエアー
を吹きつけるエアーノズル61、62が設けられてい
る。
【0035】このように構成された装置においては、各
ベルトの吸引孔48を通して空気を吸引する各減圧室
が、個別に減圧度を調整可能に構成されるとともに、フ
イルム11の走行方向に配設されているので、フイルム
11の先端部の導入行程に沿って各減圧室がそれぞれ最
適な圧力に減圧され、フイルム11の先端部は浮き上が
ることなく良好にベルト表面に密着されてベルトととも
に所定の方向へ案内される。すなわち、フイルム走行方
向に配設された各減圧室の圧力は相互に影響し合うこと
がないから、それぞれ最適な圧力に調整される。たとえ
ば、上流側の減圧室49a、50aの減圧度を高めるこ
とにより、フイルム11の先端部が導入され始めた際の
浮き上がりやずれが適切に防止される。また、中央部の
減圧室49b、50bは、それ程減圧度を高くしなくて
も、フイルム11をベルト上に吸着するに十分な圧力で
ありさえすれば、フイルム11は円滑に所定の方向に案
内される。さらに下流側の減圧室49c、50cについ
ては、逆に減圧度を低く抑えることにより、ベルト終端
におけるフイルム11の剥離性が良好に保たれる。この
ようにフイルム走行方向の各部において、それぞれ最適
な吸着力に制御される。
【0036】また、走行するフイルム先端の進行にとも
ない自然に高められる減圧室の減圧度を調整できるの
で、ベルトと減圧室間で生じる摩擦が軽減できる。その
ため、ベルトや減圧室の摩耗も軽減される。また、ブロ
アによる吸引圧力を低減することなくベルトを円滑に運
転することができる。また、ブロアによる吸引圧力を低
減する必要が無く、フイルムが吸着され始める際の吸着
力を高めることができるので、フイルム11の先端部が
導入され始めた際の浮き上がりやずれが適切に防止され
る。
【0037】また、本発明に係る搬送装置の位置を各方
向に制御可能としておくことにより、導入されてくるフ
イルム11の位置や幅に変更や変動があっても、良好に
追従させることが可能になる。
【0038】また、フイルムの幅出し装置への導入に本
搬送装置を用いる場合、走行するフイルムの先端が進行
しても、圧力が過剰に上昇しないように調整できるの
で、クリップへフイルムを把持させた後、ベルトの吸着
力によりフイルムがクリップから外れたりするなど、運
転上の障害を発生することがない。
【0039】さらに、フイルム走行方向切替手段12が
設置されている場合には、制御装置56を介して切替手
段12の動作と連動させてフイルム搬送装置を作動させ
ることが可能になるから、フイルム走行方向の切替を含
めて、幅出し装置への導入に際し、待機状態から導入完
了動作までの一連の動作を全自動化することも可能にな
る。
【0040】なお、上記実施態様は、幅出し装置の入口
部において本発明に係るフイルムの搬送装置を適用した
例を示したが、本発明はこの部分に限らず、搬送装置の
必要なあらゆる部位に適用することが可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフイルム
の搬送装置および方法によれば、供給されてくるフイル
ムの先端部を確実にベルト上に吸着させ、かつ所定の方
向に安定して円滑に搬送することができる。
【0042】また、本発明を幅出し装置の入口部に適用
し、入口部直前にフイルム走行方向切替装置が設けられ
ている場合には、走行方向の切替動作も含めて幅出し装
置へのフイルム導入のための一連の動作の全自動化を図
ることが可能になる。とくに、高速製膜の工程に適用し
て大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るフイルムの搬送装置
を備えたフイルム製造装置の概略側面図である。
【図2】図1の装置の概略平面図である。
【図3】図1の装置の幅出し装置の入口部およびフイル
ム走行方向切替手段部の概略側面図である。
【図4】図1の装置の幅出し装置の入口部に設けられた
搬送装置の平面図である。
【図5】図4の装置の概略側面図である。
【図6】図4の装置の拡大部分概略側面図である。
【図7】図6の装置の圧力調整弁部分の概略縦断面図で
ある。
【図8】図6の装置の概略平面図である。
【図9】図6の装置の減圧室を形成する箱体の斜視図で
ある。
【図10】図5の装置の拡大部分斜視図である。
【符号の説明】
2 押出機 4 ギヤポンプ 6 口金 7 キャストドラム 8 冷却装置(キャスティング装置) 9 未延伸シート 10 縦延伸機 11 一軸延伸フイルム 11a フイルムの先端 12 フイルム走行方向切替手段 13 幅出し装置 14 二軸延伸フイルム 15 引取機 16 巻取機 17 フイルムロール 18 フイルム粉砕機 19 クリップ 20 クリップ開閉手段 31 テンションロール 32 ガイドロール 33、34 ニップロール 35 ロータリカッタ 36 回転刃 37 固定刃 38 切替フラップ 39 排出ベルトコンベア 40 フィードロール 41 回転刃 42 固定刃 43 待機手段 44 フイルム把持開始位置 45 フイルム搬送装置 46、47 ベルト 48 吸引孔 49a、49b、49c、50a、50b、50c 減
圧室 51a、51b、51c、53a、53b、53c ブ
ロワ 52a、52b、52c、54a、54b、54c ダ
クト 55 エッジガイド板 56 制御装置 57 箱体 58 長穴 59 ベルト駆動ロール 60 剥離部 61、62 エアーノズル 71a、71b、71c 圧力調整弁 72 バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 康崇 静岡県三島市4845番地(町、丁目表示な し) 東レ株式会社三島工場内 Fターム(参考) 3F103 AA03 BC02 BC06 BC10 BC11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムの走行方向に周回する、複数の
    減圧吸引孔を有するベルトと、ベルトを挟んでフイルム
    と対向するように設けた減圧室を有する減圧吸引手段と
    を備え、かつ、その減圧吸引手段は、減圧室の減圧度を
    調整可能であることを特徴とするフイルムの搬送装置。
  2. 【請求項2】 減圧室に圧力調整弁が設けられている、
    請求項1に記載のフイルムの搬送装置。
  3. 【請求項3】 複数の減圧室が、フイルムの走行方向に
    沿って配列されている、請求項1または2に記載のフイ
    ルムの搬送装置。
  4. 【請求項4】 フイルムの走行方向および幅方向の少な
    くとも一方へベルトを移動させる移動手段を有してい
    る、請求項1〜3のいずれかに記載のフイルムの搬送装
    置。
  5. 【請求項5】 ベルトを昇降させる昇降手段を有してい
    る、請求項1〜4のいずれかに記載のフイルムの搬送装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の搬送装
    置とフイルムの幅出しを行う幅出し装置とを備え、か
    つ、その幅出し装置をフイルムの走行方向に関して搬送
    装置の下流側に設けたことを特徴とするフイルムの製造
    装置。
  7. 【請求項7】 幅出し装置の上流側に、フイルムの走行
    方向を幅出し装置に導入する方向と導入しない方向とに
    切り替える切替手段を設けるとともに、その切替手段に
    連動して搬送装置を作動させるように構成した、請求項
    5に記載のフイルムの製造装置。
  8. 【請求項8】 走行するフイルムを複数の減圧吸引孔を
    有するベルトを介して減圧吸引しながらベルトとともに
    搬送するに際し、減圧吸引孔による減圧度をベルトの走
    行方向に沿って調整することを特徴とするフイルムの搬
    送方法。
  9. 【請求項9】 走行するフイルムを複数の減圧吸引孔を
    有するベルトを介して減圧吸引しながらベルトとともに
    搬送するに際し、減圧吸引孔による減圧度を、フイルム
    の進行にともない調整するフイルムの搬送方法。
  10. 【請求項10】 ベルトの走行方向下流側ほど減圧度を
    低くする、請求項8または9に記載のフイルムの搬送方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれかに記載の方
    法を用いることを特徴とするフイルムの製造方法。
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