JP2000255254A - 自動車用空調装置の保護回路 - Google Patents

自動車用空調装置の保護回路

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JP2000255254A
JP2000255254A JP5866699A JP5866699A JP2000255254A JP 2000255254 A JP2000255254 A JP 2000255254A JP 5866699 A JP5866699 A JP 5866699A JP 5866699 A JP5866699 A JP 5866699A JP 2000255254 A JP2000255254 A JP 2000255254A
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誠 ▲吉▼田
Makoto Yoshida
Nobuyuki Nishii
伸之 西井
Yasufumi Kurahashi
康文 倉橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の動力源を切り換えてまたは協調させて
車輪を駆動し、かつ、感電の恐れのない低電圧のバッテ
リを搭載したハイブリッド自動車の安全性を向上させ
る。 【解決手段】 電動コンプレッサ21と、36V電圧を
出力するバッテリ15からの出力電圧を所望の値に変換
し、電動コンプレッサ21に供給するインバータ装置2
3aと、これを制御する空調制御装置25とからなる空
調装置において、電動コンプレッサの密閉容器21b及
びパワー系バッテリ15の陰極は車体に接地され、パワ
ー系バッテリ15の陽極と電動コンプレッサ21の電力
端子との間に電流検出回路35を設ける。インバータ装
置23aの制御部33は電流検出回路35により検出さ
れた電流が所定値を上回ったときに電動コンプレッサ2
1に流入する電流を制限するように直流交流変換回路3
1の動作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の動力源を切
換えてまたは協調させて車輪を駆動するハイブリッド自
動車に搭載される空調装置の保護回路に関し、特に、動
力源の1つに対して電圧を供給するバッテリとして低い
電圧のバッテリを搭載したハイブリッド自動車に搭載さ
れる空調装置の保護回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車において、複数の動力源を
組み合わせて車輪を駆動し、低公害化や省エネルギー化
を図ったハイブリッド自動車が開発されている。ハイブ
リッド自動車は動力源としてはガソリンエンジンまたは
ディーゼルエンジンのような内燃機関と、電気により動
作する電動モータとを搭載しており、これらを単独でま
たは協調させて作動させることにより動力を得るように
なっている。通常、ハイブリッド自動車は、通常のガソ
リン車に搭載される制御回路を駆動するための低電圧
(例えば、12V)を出力するバッテリ(以下「制御系
バッテリ」という。)に加え、動力源としての電動モー
タ等を駆動するための高電圧(例えば、100〜300
V)を出力するバッテリ(以下「パワー系バッテリ」と
いう。)を備えている。これらのバッテリは車両の走行
中、エンジンと直結された電動モータが発電機として動
作することにより充電される。
【0003】また、ハイブリッド自動車は一般に車室内
の温調を行うための空調装置を備えている。空調装置に
おいて熱媒体である冷媒を圧縮する電動コンプレッサは
消費電力が大きいためパワー系バッテリにより駆動され
る。図7は従来のハイブリッド自動車における空調装置
の電動コンプレッサに対する電力供給系統を説明した図
である。図においては、空調装置の電動コンプレッサ2
1とインバータ装置23と空調制御装置25とが示され
ている。電動コンプレッサ21は電動モータ13により
充電されるバッテリ15bから供給される電圧により駆
動される。
【0004】パワー系バッテリとして100〜300V
程度の高電圧のバッテリを用いる場合、パワー系バッテ
リ15bは図7に示すように車体から絶縁される。これ
は感電等による人体への安全性の面からである。また、
電動コンプレッサ21の密閉容器21bは車体に接地さ
れており、このため、電動コンプレッサの巻線21aの
絶縁不良により、巻線21aが密閉容器21bに短絡す
ると、パワー系バッテリ15bの高圧側が車体と短絡さ
れ、短絡電流(以下「地絡電流」という。)が流れる。
この地絡電流は図7の場合は小電流であるが、感電や機
器の故障や車両の火災等を招き、車両の安全性を害する
要因となる。そこで、一般に、この地絡電流を検出する
ための地絡検出回路が設けられ、地絡電流が検出される
と電流遮断手段を作動させてこの地絡電流を遮断するよ
うになっている。図7では、地絡検出回路41a、41
bがパワー系バッテリ15bの陽極および陰極端子側に
それぞれ設けられており、地絡検出回路41a、41b
が地絡電流を検出すると電流遮断手段であるブレーカ4
3a、43bを作動させることにより地絡電流から空調
装置等を保護している。なお、この地絡検出回路41
a、41b内の抵抗は非常に大きな抵抗値を有している
ので、この抵抗を介しての地絡は安全上問題ないように
設計されている。
【0005】また、電流検出回路35bはインバータ装
置23及び電動コンプレッサ21を流れる電流を検出す
る。制御部33は電流検出回路35bにより検出された
電流が所定値を超えたとき、すなわち、電動コンプレッ
サの相間で巻線21aが短絡して生ずる相間短絡電流や
電動コンプレッサ21の過負荷による過電流が検出され
たときに、電動コンプレッサ21への電力供給を停止さ
せるように、または、電動コンプレッサ21の回転数が
減少するようにスイッチング素子の開閉を制御すること
により、相間短絡電流や過負荷による過電流からインバ
ータ装置23および電動コンプレッサ21を保護してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、乗員
だけでなく、車両のメンテナンスに係わる整備員への人
体への安全性の面からパワー系バッテリとして上記のよ
うな100〜300Vの高電圧のバッテリを用いるかわ
りに、36V程度の低い電圧を車輪駆動用のバッテリと
して採用したハイブリッド自動車が開発されつつある。
このハイブリッド自動車では、電動モータ13の駆動源
としての利用を、100〜300Vのバッテリを搭載し
た上記のハイブリッド自動車の場合と比較して、より制
限、限定することにより、パワー系バッテリの負担を軽
減する。これによりパワー系バッテリの容量を低減して
いる。このハイブリッド自動車では、高電圧での感電に
よる危険性がないため、パワー系バッテリの陰極側は車
体に接地される。
【0007】ところが、図7に示すように、従来の電流
検出回路35bはパワー系バッテリ15bの陰極側すな
わちグランド電位側に設けられているため、36V程度
の電圧をパワー系バッテリとして採用するハイブリッド
自動車においては地絡電流は電流検出回路35bを経由
しない。したがって、電動コンプレッサの巻線21aと
密閉容器21bの短絡(地絡)が検出されない。地絡が
発生すると、バッテリ15bが短絡状態となり、大電流
によってバッテリ15b電圧の急激な低下による加速性
の低下や走行中の急減速を引き起こし事故の原因となっ
たり、火災の原因となったりし、車両の安全性を害する
ため、36V程度の電圧をパワー系バッテリとして採用
するハイブリッド自動車において、この地絡電流に対す
る保護手段が要望される。
【0008】本発明は上記課題を解決すべくなされたも
のであり、その目的とするところは、複数の動力源を切
り換えて又は協調させて車輪を駆動し、低い電圧のバッ
テリを搭載したハイブリッド自動車に使用される空調装
置の保護回路において、安全性をより向上させる保護回
路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の空調
装置の保護回路は、直流電圧を出力する第1のバッテリ
と、第1のバッテリよりも低い直流電圧を出力する第2
のバッテリとを備えた車両で使用される自動車用空調装
置に対する保護回路である。自動車用空調装置は、冷媒
を圧縮する電動コンプレッサと、第1のバッテリからの
電圧を上記電動コンプレッサを駆動するための電圧に変
換し、電動コンプレッサに供給するインバータ手段と、
インバータ手段へ電動コンプレッサの回転数を指令する
空調制御手段とを備える。このとき、電動コンプレッサ
の密閉容器及び上記第1のバッテリの陰極が車体と等電
位になるように電気的に接続されている。第1の空調装
置の保護回路は、第1のバッテリの陽極と上記電動コン
プレッサの電力端子との間に設けられ、電動コンプレッ
サに流入する電流を検出する電流検出手段と、電流検出
手段により検出された電流が所定値を上回ったときに、
上記電動コンプレッサに流入する電流が所定値に減少す
るようにインバータ手段の出力を制御する制御手段とを
備える。
【0010】本発明に係る第2の空調装置の保護回路
は、直流電圧を出力する第1のバッテリと、該第1のバ
ッテリよりも低い直流電圧を出力する第2のバッテリと
を備えた車両で使用される自動車用空調装置に対する保
護回路である。自動車用空調装置は、冷媒を圧縮する電
動コンプレッサと、第1のバッテリからの電圧を電動コ
ンプレッサを駆動するための電圧に変換し、電動コンプ
レッサに供給するインバータ手段と、インバータ手段へ
電動コンプレッサの回転数を指令する空調制御手段とを
備える。このとき、インバータ手段は直列接続されたス
イッチング素子対を複数備え、各スイッチング素子対は
第1のバッテリに並列に接続される。また、第1のバッ
テリの陰極が車体と等電位になるように電気的に接続さ
れ、電動コンプレッサの密閉容器がインバータ手段の低
圧側のスイッチング素子の低圧側端と等電位になるよう
に電気的に接続される。第2の空調装置の保護回路は、
第1のバッテリの陰極と電動コンプレッサの電力端子と
の間に設けられ、電動コンプレッサから流出する電流を
検出する電流検出手段と、電流検出手段により検出され
た電流が所定値を上回ったときに、電動コンプレッサに
流入する電流が所定値に減少するようにインバータ手段
の出力を制御する制御手段とを備える。
【0011】本発明に係る第3の空調装置の保護回路
は、直流電圧を出力する第1のバッテリと、第1のバッ
テリよりも低い直流電圧を出力する第2のバッテリとを
備えた車両で使用される自動車用空調装置である。自動
車用空調装置は、冷媒を圧縮する電動コンプレッサと、
第1のバッテリからの電圧を電動コンプレッサを駆動す
るための電圧に変換し、電動コンプレッサに供給するイ
ンバータ手段と、インバータ手段へ電動コンプレッサの
回転数を指令する空調制御手段とを備える。このとき、
電動コンプレッサの密閉容器及び第1のバッテリの陰極
が車体と等電位になるように電気的に接続される。第3
の自動車用空調装置の保護回路は、第1のバッテリの出
力電圧の変化速度を検出する電圧変化検出手段と、電圧
変化検出手段により検出された電圧の変化速度に基づい
て、第1のバッテリの電圧降下速度が所定値を上回った
ときに、電動コンプレッサに流入する電流が所定値に減
少するようにインバータ手段の出力を制御する制御手段
とを備える。
【0012】上記第1、第2または第3の空調装置の保
護回路において、第1のバッテリの公称電圧は感電等の
安全性を考慮して60V以下が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明に係る自動車用空調装置の保護回路の実施の形態を説
明する。
【0014】(第1の実施の形態)図1は、本発明に係
る空調装置の保護回路を含む、ハイブリッド自動車にお
ける電力供給系統の一部を示した図である。図におい
て、ハイブリッド自動車は、車輪9の駆動源としてエン
ジン11と電動モータ13と、エンジン11と電動モー
タ13の切換等を行う車両制御装置14と、車両内の消
費電力が大きな電気負荷に電力を供給するパワー系バッ
テリ15と、車両内の消費電力が小さな電気負荷または
制御回路に対して電力を供給する制御系バッテリ17と
を備える。
【0015】パワー系バッテリ15として、公称電圧6
0V以下(例えば36V程度)すなわち感電等の場合で
も人体への危険性がない電圧のバッテリを用いる。制御
系バッテリ17として公称電圧12V程度のバッテリを
用いる。バッテリ15、17からの出力電圧は適宜、変
圧されて車内の各部に供給される。
【0016】ハイブリッド自動車は、通常の走行時はエ
ンジン11のみを用いて車輪9を駆動し、発進時等の一
定時は電動モータ13を用いて車輪9を駆動する。この
ように、本実施形態のハイブリッド自動車では、パワー
系バッテリ15として出力電圧が従来(100〜300
V)よりも低い電圧(36V程度)のものを使用できる
ように、電動モータ13を動力源として用いる場合を制
限している。ハイブリッド自動車がエンジン11により
駆動されている間、電動モータ13は発電機として動作
し、バッテリ15、17を充電する。これらの制御は車
両制御装置14により切り換えられる。パワー系バッテ
リ15の陰極端子は車体(車両のボディ)に接地されて
いる。すなわち、車体と等電位になるように電気的に接
続されている。
【0017】さらに、ハイブリッド自動車は車内の温度
調整を行う空調装置を備えている。図1においては、こ
の空調装置の構成要素のうち熱媒体である冷媒を圧縮す
る電動コンプレッサ21と、電動コンプレッサ21を駆
動するインバータ装置23aと、外気温度あるいは車室
内温度さらには冷凍サイクル圧力等の空調負荷を検出す
る空調負荷検出器25aと、この空調負荷検出器25a
からの検出信号に基づき、インバータ装置23aの出力
(すなわち、電動コンプレッサ21の回転数)を制御す
るための指令を行う空調制御装置25とが示されてい
る。電動コンプレッサ21の密閉容器21bは車体に接
地されている。
【0018】インバータ装置23aは、複数のスイッチ
ング素子31u〜31w、31x〜31zからなる直流
交流変換回路31と、スイッチング素子31u〜31
w、31x〜31zのオン・オフ動作を制御する制御部
33と、直流交流変換回路31すなわち電動コンプレッ
サ21に流入する電流を検出する電流検出回路35とを
備える。インバータ装置23aはパワー系バッテリ15
からの直流電圧を所望の大きさ、周波数の交流電圧に変
換し、電動コンプレッサ21に供給する。
【0019】直流交流変換回路31においては、一対の
スイッチング素子からなるハーフブリッジ回路がパワー
系バッテリ15の陽極端子に接続された電源ライン24
aと、パワー系バッテリ15の陰極端子に接続されたグ
ランドライン24bとの間にU、V、Wの各相毎に構成
されている。また、直流交流変換回路31において、制
御部33は空調制御装置25からの指令に基づき直流交
流変換回路31のスイッチング素子31u〜31w、3
1x〜31zの開閉動作をPWM(パルス幅変調)制御
し、バッテリ15からの直流電圧を交流電圧に変換す
る。その際、交流電圧の大きさ、周波数を変化させるこ
とにより電動コンプレッサ21の駆動を制御する。
【0020】電流検出回路35は、インバータ装置23
aから電動コンプレッサ21へ流入する電流を検出でき
るように、パワー系バッテリ15の高電圧側に設けられ
ている。このとき、電流検出回路35を図1の破線A、
B、Cで示すような、高圧側のスイッチング素子31u
〜31wと、電動コンプレッサ21の電力端子21u〜
21wとの間に設けてもよい。このように電流検出回路
35を高圧側に設けるため、電流検出回路35は、電流
を絶縁して検出する回路である必要がある。例えば、電
流検出回路35はホール素子や図2に示すようにフォト
カプラ37を用いて構成できる。
【0021】電流検出回路35をパワー系バッテリ15
の高圧側に設けるのは次の理由による。すなわち、電動
コンプレッサ21中で巻線21aが密閉容器21bと短
絡(地絡)すると地絡電流が流れ、また、巻線21aの
相間で短絡が起こると相間短絡電流が流れる。図1にこ
れらの電流の経路を地絡電流については実線で、相間短
絡電流ついては破線でそれぞれ示す。図に示すように、
地絡電流と相間短絡電流ともにパワー系バッテリ15の
陽極から電動コンプレッサ21の電力入力端子までの経
路すなわち電源ライン24aが電流経路に含まれる。ま
た、電動コンプレッサ21の過負荷により発生する過電
流についても電源ライン24aが電流経路に含まれる。
このため、電流検出回路35をパワー系バッテリ15の
高圧側に設けることによりこれらの異常電流を確実に検
出することができる。
【0022】また、地絡電流等の異常電流は大電流で危
険であるため、車両の安全性を害する。このため、制御
部33は、電動コンプレッサ21に流入する電流を監視
し、異常電流が検出されたときに電動コンプレッサ21
に流入する電流値を制限するように直流変換回路31の
動作を制御する。すなわち、制御部33は、地絡電流、
相間短絡電流または負荷変動による過電流を検出したと
きに、それらの異常電流からインバータ装置23aや電
動コンプレッサ21等を保護するためにインバータ装置
23等に流れる電流を制限するように直流交流変換回路
31のスイッチング動作を制御する。
【0023】図3に、制御部33の異常電流検出時の保
護動作のフローチャートを示す。図3に示すように、制
御部33は、電流検出回路35により検出された電流
(ID)を読み込み(S1)、この検出電流IDと所定値
Aとを比較する(S2)。ここで、所定値Aは検出電流
Dが地絡電流または相間短絡電流と判断される電流
値、例えば100〜200A程度に設定する。検出電流
Dが所定値A以上のときは、完全に電動コンプレッサ
21に流入する電流を遮断するため、全スイッチング素
子31u〜31w、31x〜31zをオフするように直
流交流変換回路31に制御信号を出力する(S5)。他
方、検出電流IDが所定値A未満のときは、検出電流ID
を所定値Bと比較し(S3)、検出電流IDが所定値B
以上のときは、電動コンプレッサ21に流入する電流を
正常範囲内に制限するために電動コンプレッサ21の回
転数を下げるように直流交流変換回路31に制御信号を
出力する(S4)。検出電流IDが所定値B未満のとき
は正常であると判断し、異常電流に対する保護のための
制御は特に行わない。ここで、所定値Bは、地絡電流ま
たは相間短絡電流ほど大きくない、過負荷時に流れる電
流値、例えば80A程度に設定する。
【0024】以上のように、電流検出回路35および制
御部33は地絡電流等の異常電流を検出し、異常電流検
出時に保護動作を行う。このように本実施形態では、従
来技術で述べたような地絡検出回路やブレーカを別途設
けることなく簡単な構成でかつ確実に地絡電流等の異常
電流から電動コンプレッサ等の保護が実現できる。
【0025】(第2の実施の形態)図4は、本発明に係
る自動車用空調装置の保護回路の別の実施形態を説明し
た図である。図1では、電動コンプレッサ21の密閉容
器21bが車体に接地されていたが、図4では、低圧側
のスイッチング素子31x〜31zの低圧側端子に電気
的に接続されている。このように電動コンプレッサ21
の密閉容器21bを低圧側のスイッチング素子31x〜
31zの低圧側端子に接地する場合は、図4に示すよう
に地絡電流と相間電流はともにグランドライン24bを
流れる。このため、インバータ装置23bにおいて、グ
ランドライン24bを流れる電流を検出するために、電
流検出回路35をグランドライン24b側に設けること
ができる。このときの制御部33の保護動作は第1の実
施の形態の場合と同様である。このように電流検出回路
35をグランドライン24b側に設けることにより、電
流回路35を、第1の実施の形態のように絶縁して検出
する回路に限定される必要がなく、より簡単に構成でき
る。本実施形態においても第1の実施形態と同様に、簡
単な構成でかつ確実に地絡電流等の異常電流から電動コ
ンプレッサ等の保護が実現できる。
【0026】(第3の実施の形態)図5は、本発明に係
る自動車用空調装置の保護回路のさらに別の実施形態を
説明した図である。図5に示すインバータ装置23c
は、図1に示すインバータ装置23aにおいて電流検出
回路35がグランドライン24b側に設けられ、また、
パワー系バッテリ15と並列に電圧変化検出回路37が
新たに設けられている。電圧変化検出回路37は、パワ
ー系バッテリ15の出力電圧vの降下速度(dv/d
t)を検出する。すなわち、電圧変化検出回路37はパ
ワー系バッテリ15の出力電圧の単位時間当りの降下量
(以下「電圧降下率」という。)を検出する。なお、電
圧降下速度については、電圧のみを検出し、制御部33
内でこの検出した電圧に基づき電圧降下速度を演算する
ようにしてもよい。
【0027】図5に示すように地絡電流はグランドライ
ン24bを経由したないため電流検出回路35によって
は検出されない。そこで、地絡の発生については電圧変
化検出回路37により検出する。つまり、地絡が発生す
ると、パワー系バッテリ15の両端子は短絡され、パワ
ー系バッテリ15の端子間電圧は急激に低下する。この
点から、電圧変化検出回路37によりパワー系バッテリ
15の出力電圧の変化を監視することにより、その電圧
が急激に降下したときに地絡が発生したことを検出でき
る。
【0028】図6に、本実施形態における制御部33の
地絡電流検出時の保護動作のフローチャートを示す。図
6に示すように、制御部33は、電圧変化検出回路37
により検出された電圧降下率を読み込み(S11)、こ
の電圧降下率と所定値とを比較する(S12)。ここ
で、所定値は地絡が発生したと判断するのに適当な電圧
降下率に設定する。制御部33は、電圧降下率が所定値
以上のときは、全スイッチング素子31u〜31w、3
1x〜31zをオフするように直流交流変換回路31に
制御信号を出力する(S5)。電圧降下率が所定値未満
のときは正常であると判断し、地絡電流に対する保護の
ための制御は特に行わない。このように、本実施形態で
は、地絡電流を検出せずに地絡の発生を検出でき、地絡
発生時の保護動作が可能となる。
【0029】なお、本実施形態での相間短絡電流や過負
荷による過電流に対する保護動作については電流検出回
路35からの検出値に基づき、図3のフローチャートが
示す制御においてステップS2とステップS5とを除い
た制御を行うことにより実現できる。
【0030】以上のように、上記実施形態における空調
装置の保護回路によれば、36V程度のパワー系バッテ
リを搭載したハイブリッド自動車において、簡単な回路
構成で地絡電流、相間短絡電流、過負荷による過電流等
の異常電流を検出でき、これらの異常電流から電動コン
プレッサ等の保護や、車両の安全性の向上を実現するこ
とができる。また、本発明に係る保護回路はハイブリッ
ド自動車における空調装置に限られず、走行用モータを
駆動するバッテリと独立したバッテリを空調装置の電源
として使用する電気自動車や、空調装置をバッテリで駆
動するガソリン車においても、それらの空調装置に対し
て同様に適用できる。
【0031】
【発明の効果】本発明の自動車用空調装置に用いる電動
コンプレッサの保護回路によれば、36V程度のバッテ
リを搭載し、このバッテリの電力を用いて空調装置の電
動コンプレッサを駆動する場合において、簡単な回路構
成で地絡電流を検出し遮断できるため、地絡電流から電
動コンプレッサ等を保護し、また、車両の安全性の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る空調装置の保護回路の第1の実
施の形態を説明した図。
【図2】 電流検出回路の一例を示した図。
【図3】 実施の形態1におけるインバータ装置の制御
部の異常電流検出時の保護動作を示すフローチャート。
【図4】 本発明に係る空調装置の保護回路の第2の実
施の形態を説明した図。
【図5】 本発明に係る空調装置の保護回路の第3の実
施の形態を説明した図。
【図6】 第3の実施の形態におけるインバータ装置の
制御部の地絡電流検出時の保護動作を示すフローチャー
ト。
【図7】 従来のハイブリッド自動車における空調装置
の空調装置の保護回路を説明した図。
【符号の説明】
15 パワー系バッテリ 17 制御系バッテリ 21 電動コンプレッサ 21a 電動コンプレッサの巻線 21b 電動コンプレッサの密閉容器 21u〜21w 電動コンプレッサの電力端子 23a〜23c インバータ装置 25 空調制御装置 25a 空調負荷検出器 31 直流交流変換回路 31u〜31w,31x〜31z スイッチング素子 33 制御部 35 電流検出回路 37 電圧変化検出回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電圧を出力する第1のバッテリと、
    該第1のバッテリよりも低い直流電圧を出力する第2の
    バッテリとを備えた車両で使用される自動車用空調装置
    であって、冷媒を圧縮する電動コンプレッサと、上記第
    1のバッテリからの電圧を上記電動コンプレッサを駆動
    するための電圧に変換し、上記電動コンプレッサに供給
    するインバータ手段と、該インバータ手段へ上記電動コ
    ンプレッサの回転数を指令する空調制御手段とを備え、
    上記電動コンプレッサの密閉容器及び上記第1のバッテ
    リの陰極が車体と等電位になるように電気的に接続され
    た自動車用空調装置の保護回路において、 上記第1のバッテリの陽極と上記電動コンプレッサの電
    力端子との間に設けられ、上記電動コンプレッサに流入
    する電流を検出する電流検出手段と、 上記電流検出手段により検出された電流が所定値を上回
    ったときに、上記電動コンプレッサに流入する電流が所
    定値に減少するように上記インバータ手段の出力を制御
    する制御手段とを備えたことを特徴とする自動車用空調
    装置の保護回路。
  2. 【請求項2】 直流電圧を出力する第1のバッテリと、
    該第1のバッテリよりも低い直流電圧を出力する第2の
    バッテリとを備えた車両で使用される自動車用空調装置
    であって、冷媒を圧縮する電動コンプレッサと、上記第
    1のバッテリからの電圧を電動コンプレッサを駆動する
    ための電圧に変換し、上記電動コンプレッサに供給する
    インバータ手段と、該インバータ手段へ上記電動コンプ
    レッサの回転数を指令する空調制御手段とを備え、上記
    インバータ手段は直列接続されたスイッチング素子対を
    複数備え、各スイッチング素子対は上記第1のバッテリ
    に並列に接続され、上記第1のバッテリの陰極が車体と
    等電位になるように電気的に接続され、上記電動コンプ
    レッサの密閉容器が上記インバータ手段の低圧側のスイ
    ッチング素子の低圧側端と等電位になるように電気的に
    接続された自動車用空調装置の保護回路において、 上記第1のバッテリの陰極と上記電動コンプレッサの電
    力端子との間に設けられ、上記電動コンプレッサから流
    出する電流を検出する電流検出手段と、 該電流検出手段により検出された電流が所定値を上回っ
    たときに、上記電動コンプレッサに流入する電流が所定
    値に減少するように上記インバータ手段の出力を制御す
    る制御手段とを備えたことを特徴とする自動車用空調装
    置に用いる電動コンプレッサの保護回路。
  3. 【請求項3】 直流電圧を出力する第1のバッテリと、
    該第1のバッテリよりも低い直流電圧を出力する第2の
    バッテリとを備えた車両で使用される自動車用空調装置
    であって、冷媒を圧縮する電動コンプレッサと、上記第
    1のバッテリからの電圧を上記電動コンプレッサを駆動
    するための電圧に変換し、上記電動コンプレッサに供給
    するインバータ手段と、該インバータ手段へ上記電動コ
    ンプレッサの回転数を指令する空調制御手段とを備え、
    上記電動コンプレッサの密閉容器及び上記第1のバッテ
    リの陰極が車体と等電位になるように電気的に接続され
    た自動車用空調装置の保護回路において、 上記第1のバッテリの出力電圧の変化速度を検出する電
    圧変化検出手段と、 該電圧変化検出手段により検出された電圧の変化速度に
    基づいて、上記第1のバッテリの電圧降下速度が所定値
    を上回ったときに、上記電動コンプレッサに流入する電
    流が所定値に減少するように上記インバータ手段の出力
    を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする自動車
    用空調装置の保護回路。
  4. 【請求項4】 上記第1のバッテリの公称電圧は60V
    以下であることを特徴とする請求項1、請求項2または
    請求項3記載の自動車用空調装置の保護回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004053365A (ja) * 2002-07-18 2004-02-19 Nissan Motor Co Ltd 地絡検出装置
CN108962676A (zh) * 2018-07-20 2018-12-07 东北大学 一种基于t型桥结构的直流置换式抗失压装置
CN115891689A (zh) * 2022-11-04 2023-04-04 华为数字能源技术有限公司 车载充电机、控制器、车载动力系统及电动车辆

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