JP2000255013A - 溶剤可溶型ポリイミドを用いた導電体積層体とその製法 - Google Patents

溶剤可溶型ポリイミドを用いた導電体積層体とその製法

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上 圭 池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電体層およびポリイミド層からなる導電体
積層体であって、電気的信頼性が高く、高屈曲性、高耐
熱性および高耐薬品性などの特性を満たし、特に好まし
くは反りの少ない導電体積層体を提供する。 【解決手段】 導電体層と樹脂層とが積層されてなる導
電体積層体であって、前記樹脂層が、カルボキシル基を
有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキシブル回路
基板に用いることのできる導電体積層体およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブル回路基板(Flexibl
e printed circuit:以下FPCとす
る)は、その柔軟性、軽量製、薄型性が電子機器の小型
化、軽量化にマッチし、近年急速に需要を伸ばしてい
る。FPCに用いられる絶縁性樹脂には、主にポリイミ
ド系材料とポリエステル系材料があり、その他にガラス
・エポキシ系材料が少量使用されている。その中で、ポ
リイミド系材料は、耐熱性、電気特性等において最も優
れた特性を有しており、今後の主流の材料になるとみら
れている。
【0003】現在、FPCには、3層構造と、2層構造
の2種類の構造が知られている。3層構造FPCは、典
型的にはポリイミドフィルムと銅箔を接着剤で貼り合わ
せた構造になっている。一方、2層構造FPCは、典型
的にはポリイミドと銅箔のみを貼り合わせた構造となっ
ている。
【0004】3層FPCは接着剤層が存在するため、短
時間の熱処理には耐えられても、長時間の熱処理を行っ
た場合には接着剤の劣化が生じ、信頼性が低下するとい
う問題がある。また、接着剤中への銅マイグレーション
の発生や接着剤中へのメッキ液の染み込みが生じるとい
う問題もある。
【0005】これに対し、2層FPCは接着剤層がない
ため、多く優れた特性を有している。この利点として
は、耐熱性が優れ、難燃性であり、誘電率および誘電正
接が小さく、周波数依存性および温度依存性が少ない、
表面抵抗および体積抵抗が大きく、各種の処理に対し安
定である、イオン性不純物が少なく、信頼性が高い、寸
法変化率が小さく、XY方向の変化率がほぼ同じであ
る、引き剥がし強度の熱による劣化が小さいなどが挙げ
られる。このように2層FPCは非常に優れた特性を有
しており、現在、高屈曲性を要求されるハードディスク
ドライブやフロッピーディスクドライブ、プリンター等
に使用されている。また、高耐熱性を要求されている自
動車のエンジンルーム内の部品や、耐薬品性を要求され
るガソリンタンクレベルセンサー等にも使用されてい
る。
【0006】このように優れた性能を有する2層FCP
の製造方法には、ポリイミドアミック酸ワニスを銅箔上
に塗布し、乾燥し、硬化させるキャスティング法と、ポ
リイミドフィルム上に銅を折出させるスパッタリング法
およびメッキ法がある。キャスティング法ではポリアミ
ック酸の安定性が悪いため、冷蔵保存が必要であるとい
う問題がある。また、硬化した際に脱水反応が生じるた
め、クラック等が生じ、信頼性が劣る、接着性が低い等
の問題がある。また、スパッタリング法では、真空中で
スパッタリングを行なうためコストが高くなる。また、
ポリイミド表面が非常に平滑であるため、銅−ポリイミ
ド間の接着性が悪いという問題がある。メッキ法でも、
スパッタリング法と同様に接着性が悪いという問題があ
る。
【0007】また、近年、特にハードディスクドライブ
等のアプリケーションに用いられるFPCに関して、反
りが問題となっている。この反りを解消するために、熱
膨張係数が銅なみ(20ppm)以下のポリイミドを用
いることがある。しかし、これらに対応可能なポリイミ
ドは限定されており、一般に接着性が悪いという問題が
存在している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決しようとするものであって、本発明の目的
は、導電体層およびポリイミド層からなる導電体積層体
であって、電気的信頼性が高く、高屈曲性、高耐熱性お
よび高耐薬品性などの上記特性を満たし、特に好ましく
は反りの少ない導電体積層体を提供することおよび前記
導電体積層体の容易かつ安価に製造できる方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カルボキ
シル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミドを導電体積
層体に用いることで上記課題が解決できることを知見し
本発明を完成させた。
【0010】ここに本発明の導電体積層体は、導電体層
と樹脂層とが積層されてなる導電体積層体であって、前
記樹脂層が、カルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型
ポリイミド層であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明について説明する。
【0012】導電体 本発明の導電体積層体において用いる導電体は特に限定
されないが、例えばアルミニウム、銅などの各種金属
箔、例えば、電解銅箔、圧延銅などを用いることができ
る。また膜厚に関しても用途に応じて任意に選ぶことが
できる。
【0013】ポリイミド層(樹脂層) 本発明の導電体積層体を構成する樹脂層は、カルボキシ
ル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層あれば特に
限定されない。
【0014】溶剤可溶型のポリイミドとは、本発明にお
いて、NMP、DMF、DMAc、γブチロラクトン、
DMSO、スルホラン等、好ましくはNMP等の溶剤に
可溶性のものを意味する。このような可溶性ポリイミド
は、電着塗料を形成することが可能であり、好ましくは
このようなポリイミドを含む電着液を形成して、電着法
によりポリイミド層を形成する。
【0015】また、閉環型ポリイミドとは、本発明にお
いては溶液中で既にイミド環が形成されている溶媒可溶
性ポリイミドを意味する。
【0016】さらに、カルボキシル基を有するポリイミ
ドとは、溶液中で既にイミド環が形成され、アミック酸
とは異なるカルボキシル基を導入したポリイミドを意味
し、好ましくは、ポリイミドの一原料であるジアミン成
分の少なくとも一部にジアミノ安息香酸を含有させるこ
とによって得ることができる。この場合、好ましくは酸
価が10〜200mmolKOH/100g resi
nであるポリイミドとする。ポリイミドの酸価を10m
mol/KOH以上とすることは、電着塗料を調製した
際の分散性を高め、沈殿等の発生を防ぐうえで好まし
く、また、酸価を200mmol/KOHを以下とする
ことは、ポリイミド層形成後の吸水性を低下させ、高温
高湿下において信頼性を向上させる点、および電着性を
向上させる点で好ましい。
【0017】さらに、本発明においては、形成後のポリ
イミド層は、好ましくは常温もしくは加熱により粘着性
あるいは接着性を示す絶縁性樹脂層であり、さらにポリ
イミド層に好ましくは、450〜550℃の温度で1時
間以上、より好ましくは、450〜500℃で1〜2時
間の熱処理が施される。これにより、導電体積層体の反
りの発生を低減することができる。
【0018】さらに本発明に用いるポリイミドは、その
用途に応じて10%熱分解温度が、好ましくは250℃
以上、より好ましくは350℃以上、特に好ましくは、
450℃以上であることができる。10%熱分解温度が
高いものは、多層基板等の電子部材の耐熱性向上の観点
から好ましい。また、本発明の好適態様において、45
0℃以上の熱処理を行う場合は、その熱処理温度に耐え
られるポリイミドとする。
【0019】また本発明に用いるポリイミドのイミド化
率は好ましくは85%以上、より好ましくは90%以
上、特に好ましくは95%以上が好ましい。イミド化率
が85%以下では、残留アミック酸が金属イオンのマイ
グレーションを促進させたり、ポリイミド溶液の経時変
化が大きくなる問題点がある。
【0020】本発明に用いるポリイミドの重量平均分子
量は10000〜100000が好ましい。特に好まし
くは50000〜80000である。分子量が1000
0以下であると、均一な塗膜を得難く、100000以
上ではゲル化が生じやすい。
【0021】分子量測定は、例えば東ソー(株)製高速
GPC装置を用いることにより行うことができる。ここ
で用いることのできるカラムは東ソー(株)製TSKg
elαM、溶媒はDMF+10mmolリン酸緩衝液
(PH7.0)流速0.5cm/minが挙げられる。
【0022】本発明に用いるポリイミドは、好ましくは
カルボシキル基を含むものであり、このようなカルボキ
シル基は、ジアミノ安息香酸などを用いて所要量導入す
ることができる。ジアミン中のジアミノ安息香酸量は1
0〜200mol%が好ましい。10mol%未満であ
ると分散性が悪化し、200mol%を超えると電着性
が悪化する。
【0023】(酸ジ無水物)本発明に用いるポリイミド
の合成に用いられる酸ジ無水物としては、特に限定され
ないが、例えば具体的には、 3,4,3’,4’ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水
物 3,4,3’,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ
無水物 2,3,3’,4’ビフェニルエーテルテトラカルボン
酸ジ無水物 3,4,3’,4’ビフェニルスルホンテトラカルボン
酸ジ無水物 ビス(ジカルボキシルフェニル)プロパン二無水物 4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフ
ルオロメチル)エチリデン]ビス(1,2−ベンゼンジ
カルボン酸ジ無水物)(6FDA) ビストリフルオロメチル化ピロメリット酸,ビス(ジカ
ルボキシフェニル)スルホン二無水物 ビス(ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物 チオフェンテトラカルボン酸二無水物 ピロメリット酸二無水物 1、2,5,6ナフタレンテトラカルボン酸二無水物 2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物 等の芳香族酸ジ無水物 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ジ無水物 シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物 ビシクロオクテンテトラカルボン酸 ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,
5,6−テトラカルボン酸ジ無水物 5(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)3−メチル
−3シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物 等の脂肪族酸ジ無水物を挙げることができる。これらは
単独、または二種以上の組み合わせで使用されるが、酸
ジ無水物、芳香族ジアミンの組み合わせが溶剤可溶のポ
リイミドとなるものを選ぶ必要がある。
【0024】(ジアミン)本発明に用いるポリイミドに
使用されるジアミンとしては、典型的には芳香族ジアミ
ンであり、好ましくは3,5ジアミノ安息香酸を含む。
その他の、芳香族ジアミンは特に限定されないが、例え
ば具体的には、 2,4(または、2,5−)ジアミノトルエン 1,4ベンゼンジアミン 1,3ベンゼンジアミン 6−メチル1,3−ベンゼンジアミン 4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−
ビフェニル 4,4’−アミノ−3,3’−ジメトキシ−1,1’−
ビフェニル 4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン) 4,4’−オキシビス(ベンゼンアミン) 3,4’−オキシビス(ベンゼンアミン) 3,3’−カルボキニル(ベンゼンアミン) 4,4’−チオビス(ベンゼンアミン) 4,4’−スルホニル(ベンゼンアミン) 3,3’−スルホニル(ベンゼンアミン) 1−メチルエチリジン4,4’−ビス(ベンゼンアミ
ン) 3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル 3,3’−ジニトロ−4,4’−ジアミノビフェニル 3,3’−ジアミノベンゾフェノン 1,5−ジアミノナフタレン 1−トリフルオロメチル2,2,2−トリフルオロエチ
リジン4,4’−ビス(ベンゼンアミン) 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ビス−
4(4−アミノフェニル)プロパン 4,4’−ジアミノベンズアニリド 2,6−ジアミノピリジン 4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチ
ルビフェニル 2,2ビス(4(4−アミノフェノキシ)フェニル)プ
ロパン ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホ
ン ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホ
ン ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エチル 1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン 1,3ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン ベンジジン‐3,3‐ジカルボン酸 4,4’−(または、3,4’−、3,3’−、2,
4’−)ジアミノ−ビフェニルエーテル ジアミノシラン化合物 等を挙げることができる。これらは単独でも二種以上混
合したポリイミド組成物とすることができるが、酸ジ無
水物、芳香族ジアミンの組み合わせが溶剤可溶のポリイ
ミドとなるものを選ぶ必要がある。
【0025】導電体積層体の製造方法 本発明の導電体積層体の製造方法は、まず導電体層を形
成してその後にこの導電体層上に、前記のようなカルボ
キシル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層を形成
することを特徴している。
【0026】好ましくは銅である導電体層上にポリイミ
ドをコーティングする方法としては、ダイコート法、カ
ーテインコート法、電着法等既存の方法が数種類あり、
特に限定されないが、好ましくは、低コストで膜厚制御
が容易という点から、電着法が望ましい。
【0027】電着法は、例えば銅箔および対抗電極を電
着塗料に浸漬し、直流電圧を印加して、電着塗膜を銅上
に成膜することにより行うことができる。その際、印加
する電圧、印加時間によって、膜厚を任意に制御でき
る。この電着にあたっては、通常は、銅のポリイミドを
電着させる面とは反対の面にマスクを施し、そのマスク
を施した面にポリイミドが電着しないようにする。ポリ
イミドの電着後は、マスクをはがし、乾燥させ、熱によ
り硬化させる。その際、ポリイミドの熱膨張係数を低減
させ、基板の反りをなくすため、前記のように高温で熱
処理することが好ましい。このような製造方法により、
低コストで、高信頼性で、反りのない、導電体積層体を
得ることができる。
【0028】
【実施例】以下本発明の詳細を実施例に基き説明する。
【0029】(ポリイミドの電着液の製造)通常ポリイ
ミドは、酸ジ無水物と、ジアミンの脱水縮重合反応によ
り合成を行なう。その際、ポリアミック酸を経た形でポ
リイミドが生成する。しかしながらこの反応は平衡反応
であり、ポリアミック酸からポリイミド、ポリイミドか
らポリアミック酸両方向の反応が同時に生じる。このた
め、ポリアミック酸を経たポリイミドはランダムな状態
となり、ブロック共重合体とはならない。一般にランダ
ム共重合体は、ブロック共重合体、交互共重合体より物
理的、化学的性質が劣るといわれている。そのため、本
発明では酸触媒を用い、脱水された水を逐次取り除きな
がら1段階でイミド化を行なう方法により、ブロック共
重合体からなるポリイミドを製造する方法を採用した。
【0030】10リットル容量の三つ口セパラブルフラ
スコにステンレス製イカリ攪拌器、窒素導入管およびス
トップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管をつ
けた還流冷却器を取り付けた。窒素気流を流しながら温
度調整機の付いたシリコーン浴中にセパブルフラスコを
つけて加熱した。反応温度は浴温で示した。
【0031】3,4、3′4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸ジ無水物(以後、BDTAと呼ぶ)322.
2g(1モル)、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル)スルホン(m−BAPS)216.3g
(0.5モル)、バレロラクトン15g(0.15モ
ル)、ピリジン24g(0.3モル)、NMP(Nメチ
ル2ピロリドンの略)2000g、トルエン300g、
を加えて、窒素を通じながらシリコン浴中、室温で30
分間200rpmで撹拌し、ついで180℃に昇温し
て、1時間、200rpmで撹拌しながら反応させた。
トルエン−水留出分150mlを除去し、空冷してBD
TA61.1g(0.5モル)、3,5ジアミノ安息香
酸(以後DABzと呼ぶ)152.16g(1モル)、
NMP1190g、トルエン300gを添加し、室温で
30分間200rpmで撹拌攪拌したのち、次いで18
0℃に昇温して、3時間、加熱、撹拌して反応を終了さ
せた。20%ポリイミドワニスを得た。酸当量(1個の
COOH当たりのポリマー量は1554)は70であっ
た。
【0032】20%濃度ポリイミドワニス1000gに
3SN(NMP:テトラヒドロチオフェン−1,1−ジ
オキシド=1:3(重量)の混合溶液)1500g、ベ
ンジルアルコール750g、メチルモルホリン50g
(中和率200%)、水300gを撹拌して水性電着液
を調製した。得られた水性電着液は、ポリイミド7.4
%、pH7.8、暗赤褐色透明液であった。
【0033】(ポリイミド層の形成)裏面マスク済みの
銅箔を上記の電着液に浸漬し、印加電圧150Vで電圧
の印加時間を3〜15分間に変更して電着を行なった。
銅箔裏面のマスキングテープを剥離し、ホットプレート
上で150℃3分間乾燥させた。450℃において60
分間熱硬化を行ない、導電体積層体を得た。
【0034】得られたポリイミド−銅箔を窒素雰囲気下
において、下記のように熱処理条件を変化させてベーク
を行なった。
【0035】得られた銅箔−ポリイミドを60℃の塩化
第2鉄40ボーメを用い、エッチングを施し、熱処理条
件の異なるポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィ
ルムを幅5mm長さ1.5cmに切り出し、パーキンエ
ルマー社製TMA7を用いて、フィルムの熱膨張係数を
求めた。熱膨張係数測定時の引張り荷重は10mNで測
定を行った。さらに実際に導電体積層体を形成し反りの
発生を観察した。各熱処理条件と線膨脹係数と反りの観
察結果を示す。 熱処理条件 線膨脹係数(×10-5/K) 反りの発生 300℃ 1時間 58 反り有り 350℃ 1時間 56 反り有り 350℃ 8時間 59 反り有り 400℃ 1時間 58 反り有り 400℃ 2時間 51 反り有り 450℃ 5分 73 反り有り 450℃ 30分 68 反り有り 450℃ 1時間 24 反り無し500℃ 1時間 23 反り無し この結果より、450℃1時間および500℃1時間の
熱処理条件で、線膨脹係数が低減することが確認され
た。また450〜500℃の温度で、1時間以上の時間
熱処理することにより、反りの無い導電体積層体を得ら
れることが確認された。
【0036】この導電体積層体を85℃85%RHの恒
温恒湿槽内で、直流電圧を印加して、絶縁抵抗を測定し
たところ、3μm膜厚で1000時間、絶縁性保持が可
能であった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、高電気的信頼性、高屈曲
性、高耐熱性および高耐薬品性などの特性を満たし、特
に好ましくは反りの少ない、導電体積層体を提供でき
る。さらに本発明の方法によれば、このような導電体積
層体を容易かつ低コストで製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂 寄 勝 哉 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB17A AK01B AK49B BA02 CC01B EA061 EH112 EH902 EJ422 EK172 GB43 JB01 JB08B JB20B JG01A JG04B JJ03 JK04 JL04 JL11B JL13B YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電体層と樹脂層とが積層されてなる導電
    体積層体であって、前記樹脂層が、カルボキシル基を有
    する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層であることを特徴と
    する、導電体積層体。
  2. 【請求項2】前記ポリイミド層が、電着法により形成さ
    れたポリイミド層である、請求項1に記載の導電体積層
    体。
  3. 【請求項3】前記ポリイミド層が、450〜500℃の
    温度で1時間以上の熱処理を施したものである、請求項
    1に記載の導電体積層体。
  4. 【請求項4】前記ポリイミドが、硬化前において溶剤可
    溶型であり、常温もしくは加熱により粘着性あるいは接
    着性を示す絶縁性樹脂層を形成する、請求項1に記載の
    導電体積層体。
  5. 【請求項5】前記ポリイミドが、テトラカルボン酸ジ無
    水物とジアミンとの反応生成物であるポリイミドであっ
    て、このジアミン成分の少なくとも一部にジアミノ安息
    香酸を含有し、酸価が10〜200mmolKOH/1
    00g resinである、請求項1に記載の導電体積
    層体。
  6. 【請求項6】前記導電体が銅である、請求項1に記載の
    導電体積層体。
  7. 【請求項7】導電体層と樹脂層とが積層されてなる導電
    体積層体の製造方法であって、導電体層形成後にこの導
    電体層上に、カルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型
    ポリイミド層を前記ポリイミドを含む電着液を用いた電
    着法により形成することを特徴とする、導電体積層体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】前記ポリイミド層が、450〜500℃の
    温度で1時間以上の熱処理を施したものである、請求項
    7に記載の導電体積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記ポリイミドが、硬化前において溶剤可
    溶型であり、常温もしくは加熱により粘着性あるいは接
    着性を示す絶縁性樹脂層を形成する、請求項7に記載の
    導電体積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記ポリイミドが、テトラカルボン酸ジ
    無水物とジアミンとの反応生成物であるポリイミドであ
    って、このジアミン成分の少なくとも一部にジアミノ安
    息香酸を含有し、酸価が10〜200mmolKOH/
    100g resinである、請求項7に記載の導電体
    積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記導電体が銅である、請求項7に記載
    の導電体積層体の製造方法。
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