JP2000254776A - 原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法 - Google Patents

原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法

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JP2000254776A
JP2000254776A JP11062515A JP6251599A JP2000254776A JP 2000254776 A JP2000254776 A JP 2000254776A JP 11062515 A JP11062515 A JP 11062515A JP 6251599 A JP6251599 A JP 6251599A JP 2000254776 A JP2000254776 A JP 2000254776A
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welding
welded portion
weld
corrosion cracking
stress corrosion
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Hiroshi Sakamoto
博司 坂本
Hidenori Takahashi
英則 高橋
Shohei Kawano
昌平 川野
Wataru Kono
渉 河野
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉内部配管の溶接部の内外面を同時に応力
腐食割れを防止する。 【解決手段】ステンレス鋼製配管を突合わせ溶接するに
あたり、配管母材1の内面または外面から深さ0.1 mmか
ら1.0 mm未満の範囲で溶融凝固層4を形成する。この
時、配管の外面を水冷する。溶融凝固層4の形成は760
J/cm以下の入熱のTIG溶接、またはレーザ溶接法で
行う。配管の内外面の一方に対して溶融凝固層4を形成
することにより、内外面ともに応力腐食割れを防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽水冷却原子炉の
炉内で冷却水に接して使用されるステンレス鋼製原子炉
内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽水冷却原子炉は、原子炉を構成するオ
ーステナイト系ステンレス鋼製機器,配管が原子炉冷却
水に接して高温で使用されるため、その溶接部では応力
腐食割れによる損傷を生じ、原子炉の機能の一部を損な
う可能性を持つ場合がある。
【0003】この応力腐食割れは、オーステナイト系ス
テンレス鋼が結晶粒界近傍において、溶接等に際して約
550 ℃〜850 ℃に加熱されることにより、その結晶粒界
近傍において主要な構成成分であるCrが減少し(鋭敏
化という)、この部分が溶存酸素を含有する原子炉冷却
水に接しながら、溶接等による引張りの残留応力が加わ
ることにより発生するものである。
【0004】軽水冷却原子炉における応力腐食割れは、
原子炉外の冷却水配管で経験されたが、様々な対策が提
案され、実際の配管に適用されている。その一つは、配
管溶接部内面の開先付近に対して応力腐食割れに強い金
属を溶接前に予め肉盛する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した方法は、溶接
後に引張り残留応力が加わる部分の、炉水に接する内面
における材質の耐応力腐食割れ性を改善することによっ
て、応力腐食割れを防ぐものである。しかしながら、こ
の方法は既に溶接されている配管には適用するには一度
その配管を切断する必要があるという欠点がある。
【0006】また、配管を溶接後に、配管の内面を冷却
しながら外面を高周波誘導加熱を行い、配管内面の残留
応力を圧縮応力にすることにより応力腐食割れを防止す
る方法が知られているが、この方法では配管外面の残留
応力は引張り側となるため、外面も冷却水に接する原子
炉内部の配管では、外面側からの応力腐食割れを防止で
きない。
【0007】さらに、配管材質を低炭素量のオーステナ
イト系ステンレス鋼にすることにより、溶接等の際の鋭
敏化を妨げることによって応力腐食割れを防止する方法
も知られている。しかしながら、この方法では、既に使
用されている間に適用する場合は、旧配管を撤去して新
しい低炭素量の材質の配管を敷設する必要がある。その
ため、多大な費用を伴うだけでなく、原子炉内の狭隘部
にある配管の場合には、旧配管の撤去と新配管の据え付
けが困難となる。
【0008】既に溶接され、使用されている原子炉内部
の配管の内面と外面の応力腐食割れを同時に防止する方
法として、例えば特開平8−5773号公報に、「監視カメ
ラおよび固定脚とともに改質手段を装備した表面改質装
置において、前記改質手段が処理対象部材の表面に急冷
凝固組織を形成させるとともに外面の残留応力を低減す
る急冷凝固処理、あるいは処理対象部材表面とともに外
面の残留応力を低減する固溶化熱処理を行うレーザ照射
装置であることを特徴とするジェットポンプの予防保全
装置」が開示されている。
【0009】この方法では、レーザ照射装置により照射
されるレーザ照射出力やレーザビームの移動速度の変化
により溶接部外面の残留応力が十分に圧縮側に転換でき
ない場合を生じる。
【0010】また、レーザ照射出力が大きい場合は、レ
ーザ照射により新たに鋭敏化領域を発生する場合が生じ
る。さらに、原子炉の運転中に配管が高い中性子照射を
受けた場合には、配管を構成する母材内部に核反応によ
り生成するHeが蓄積し、その溶接部に大きい熱が加え
られた時に、Heによる割れを発生することが懸念され
る等の課題がある。
【0011】図9は、従来例におけるオーステナイト系
ステンレス鋼配管の母材1の鋭敏化領域に応力腐食割れ
を発生した場合の概念図で、図9中、符号2は溶接金
属、3は溶接熱影響部、6は溶接部外面の鋭敏化領域に
発生した応力腐食割れで、7は溶接部内面の鋭敏化領域
に発生した応力腐食割れを示している。
【0012】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、配管溶接部の内面および外面の両方が冷却水
に接する原子炉内部配管の応力腐食割れを防止し、特
に、配管内面または外面の一方の面に、新たな鋭敏化し
た熱影響部または欠陥を形成することなく溶融凝固処
理、または肉盛を行うことにより耐応力腐食割れ性の材
質に改質すると同時に、配管外面または内面(溶融凝固
処理または肉盛を行わない面)における引張り残留応力
を減少させて配管の内,外面の応力腐食割れを同時に防
止するとともに、同時に、中性子照射を受けた配管に対
してもHeに起因する割れを発生することのない原子炉
内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する原子
炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法は、溶接部内
面または外面を表面から深さ0.1 mm以上1.0 mm未満の範
囲で溶融,凝固させることを特徴とする。
【0014】本発明によれば、旧配管を撤去、または切
断することなく、溶接内面の鋭敏化した熱影響部のう
ち、炉水に接する表面層を耐応力腐食割れ性に優れた溶
融,凝固層に改質することができ、応力腐食割れの発生
を防止することができる。
【0015】また、同時に溶接部内面側に溶融凝固層を
形成することにより、この部分には引張り残留応力が発
生する。一方、溶接部外面側には内面側の引張り残留応
力とバランスするように圧縮側に応力が働くため、外面
側の引張り残留応力は減少する。さらに、同様に溶接部
外面側を表面から深さ0.1 mm以上1.0 mm未満の範囲で溶
融,凝固させた場合は溶接部内面側の引張り応力が減少
する。
【0016】本発明によれば、配管の溶接部内面側と外
面側の熱影響部における応力腐食割れの発生を同時に防
止することができる。本発明方法において、溶融凝固層
の深さが0.1 mm未満では耐応力腐食割れ性を確保するた
めには薄すぎ、長期間の水中での使用に際して発生する
全面的なまたは局部的な腐食により溶融凝固層が減耗す
る可能性が強い。
【0017】また、内面側に溶融凝固層を形成した場合
の外面側に作用する圧縮側の応力を十分なものにするに
は、内面側の引張り残留応力発生部分(すなわち溶融凝
固層)を深さ0.1 mm以上とすることが望ましい。しか
し、この層が深すぎると、配管溶接部全体の歪みが増大
し、配管の機能に障害を発生する可能性が増大するた
め、1.0 mm未満、望ましくは0.5 mm未満とする。
【0018】請求項2に対応する原子炉内部配管溶接部
の応力腐食割れ防止方法は、請求項1の方法において、
溶接部内面または外面の表面層に深さ0.1 mm以上1.0 mm
未満の範囲で溶融,凝固させる過程で、当該溶接部の外
面または内面(すなわち、溶融凝固する面と反対側の
面)を水で水冷するものである。
【0019】冷却は強制空冷でも良いが、静止または流
動する水でも良く、原子炉の冷却水を用いても良い。溶
融凝固する面と反対側の面を冷却することにより、配管
の肉厚が小さい場合でも、外面の温度の上昇を抑え、そ
の面に働く圧縮側の応力の発生を確実なものにするもの
である。
【0020】請求項3に対応する原子炉内部配管溶接部
の応力腐食割れ防止方法は、請求項1または請求項2の
方法において、溶接部内面または外面に溶融凝固層を形
成する範囲を、溶接金属と母材との境界から母材側へ25
mm以上の範囲とするものである。
【0021】溶融凝固層の形成を溶融金属と母材との境
界から母材側へ25mm以上の範囲とすることにより、耐応
力腐食割れ性を改善範囲を増加するとともに、溶融凝固
する面と反対側の面における圧縮側応力が作用する範囲
を増加し、溶接部に発生する引張り残留応力を広い範囲
で減少させる。
【0022】これにより、応力腐食割れ防止方法として
より広い範囲で有効にするものである。ここで、溶融凝
固層を形成する範囲は母材との境界から母材側へ25mm以
上あるが、35mmないし40mmとするのが望ましい。
【0023】請求項4に対応する原子炉内部配管溶接部
の応力腐食割れ防止方法は、請求項3の方法において、
溶接部内面または外面に溶融凝固層を形成する過程で溶
融凝固する面と反対側の面を水冷するものである。
【0024】本発明によれば、薄肉の配管の溶接であっ
ても、その面における圧縮側の応力の作用を確実にでき
る。冷却は強制空冷でも良いが、静止した水でも良く、
原子炉の冷却水を用いても良い。
【0025】請求項5〜8に対応する原子炉内部配管溶
接部の応力腐食割れ防止方法は、各々請求項1〜4の方
法において、溶接部の内面または外面を表面からの深さ
0.1mm以上1.0 mm未満の範囲の溶融凝固層形成を、{レ
ーザ照射出力÷溶接速度}で得られる入熱が760 J/cm
未満のYAGレーザ溶接法または炭酸ガスレーザ溶接法
あるいは{(溶接電流×溶接電圧×60)÷溶接速度}で
得られる入熱が760 J/cm未満の溶加材なしのTIG溶
接法で行うものである。
【0026】本発明によれば、入熱760 J/cm未満とす
ることにより、鋭敏化を生じ易い高C量のステンレス鋼
溶接部でも、内面における溶融凝固層を、入熱による鋭
敏化を生じることなく形成できる。
【0027】また、原子炉内のオーステナイト系ステン
レス鋼配管等は供用中に中性子照射を受けており、高照
射量になると核変換生成物であるHeの材料内部での蓄
積が増大し、溶接等により高温にさらされてかつ冷却時
に引張り応力を受けると割れを生じる性質を持つように
なる。
【0028】これは、材料内部に蓄積されたHeが高温
でステンレス鋼結晶粒界に集まり微細なバブルを多数形
成し粒界の強度を弱める。ついで冷却時に引張り応力が
加わってその部分(バブルが多数生成した結晶粒界)に
割れを生じるものである。
【0029】しかし、760 J/cm未満の低入熱のYAG
レーザ溶接法または炭酸ガスレーザ溶接法あるいは溶加
材なしのTIG溶接法の場合は、部材が高温になる時間
が短く、冷却速度も速いことからHeバブルの形成が少
なく、割れを発生しにくくなる。したがって、本発明方
法によれば、Heを含有する中性子照射を受けた原子炉
内部配管にも割れの発生なく適用できる応力腐食割れ防
止方法を与えるものである。
【0030】請求項9に対応する方法は、請求項1の方
法において、溶接部内面または外面に溶融凝固層を形成
する代りに、重量で0.020 %以下のC,16〜22%のC
r,8〜14%のNi,残部Feおよび不純物からなるオ
ーステナイト系ステンレス鋼を溶接肉盛層を形成するこ
とにより原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れを防止す
る方法である。
【0031】本発明方法によれば、配管溶接熱影響部の
鋭敏化領域は肉盛層に覆われて炉水から隔離されるた
め、応力腐食割れの発生が防止される。肉盛溶接金属は
C量を0.020 %以下にすることにより、肉盛溶接自体に
よる鋭敏化も生じないことが保証される。
【0032】請求項10に対応する方法は、請求項9の方
法において、肉盛層形成過程で肉盛溶接する面と反対側
の面を水により冷却することにより、肉厚の薄い管でも
その面に作用する圧縮側応力を確実なものとする原子炉
内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法である。肉盛溶
接する面と反対側の面の冷却は強制空冷でも良いが、静
止または流動する水でも良く、原子炉の冷却水を用いて
も良い。
【0033】請求項11に対応する方法は、請求項9の方
法において、重量で16〜22%のCr,8〜14%のNi,
残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ステン
レス鋼の肉盛層形成過程での入熱を溶接肉盛を{(溶接
電流×溶接電圧×60)÷溶接速度}で得られる入熱が76
0 J/cm未満のTIG溶接法で行うことにより原子炉内
部配管溶接部の応力腐食割れを防止する方法である。
【0034】入熱760 J/cm未満とすることにより、鋭
敏化を生じ易い高C量のステンレス鋼溶接部でも、新た
な鋭敏化を生じることなく肉盛層を形成できる。また、
部材が高温になる時間が短く、冷却速度も速いことから
Heバブルの形成が少なく、割れを発生しにくくなる。
したがって本発明によれば、Heを含有する中性子照射
を受けた原子炉内部配管にも割れの発生なく適用できる
応力腐食割れ防止方法を与えるものである。
【0035】請求項12に対応する発明は、請求項11の発
明において、肉盛層を溶接部に内面または外面に形成す
る過程で、肉盛溶接する面と反対側の面を水によって冷
却することによって原子炉内部配管溶接部の応力腐食割
れを防止する。
【0036】すなわち、本発明は、肉盛溶接する面と反
対側の面を冷却することにより、肉厚の薄い配管でも鋭
敏化することなく、またHeによる割れを防止しながら
その面に作用する圧縮側応力を確実なものとして原子炉
内部配管溶接部の応力腐食割れを防止する。なお、肉盛
溶接する面と反対側の面の冷却は強制空冷でも良いが、
静止または流動する水でも良く、原子炉の冷却水を用い
ても良い。
【0037】請求項13に対応する発明は、請求項9の発
明において、肉盛溶接を{レーザ照射出力÷溶接速度}
で得られる入熱が760 J/cm未満のレーザ溶接法で行う
ことによって原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れを防
止する方法である。入熱760J/cm未満とすることによ
り、鋭敏化を生じ易い高C量のステンレス鋼溶接部でも
入熱による新たな鋭敏化を生じることなく肉盛層を形成
できる。
【0038】また、この方法によれば、部材が高温にな
る時間が短く、冷却速度も速いことからHeバブルの形
成が少なく、割れを発生しにくくなる。したがって、こ
の方法は、Heを含有する中性子照射を受けた原子炉内
部配管にも割れの発生なく適用できる応力腐食割れ防止
方法を与えるものである。
【0039】請求項14に対応する発明は、請求項13の発
明において、溶接部の内面または外面に溶接肉盛すると
同時に肉盛溶接する面と反対側の面を水冷することによ
って当該溶接部の応力腐食割れを防止する方法である。
【0040】すなわち、肉盛溶接する面と反対側の面を
冷却することにより肉厚の薄い配管でも、鋭敏化するこ
となく、またHeによる割れを防止しつつ溶接部外面に
作用する圧縮側応力を確実なものとする原子炉内部配管
溶接部の応力腐食割れ防止方法である。肉盛溶接する面
と反対側の面の冷却は強制空冷でも良いが、静止または
流動する水でも良く、原子炉の冷却水を用いても良い。
【0041】請求項15に対応する方法は、請求項3の方
法において、溶接金属と母材との境界から母材側へ25mm
以上の範囲にわたって溶融凝固層を形成する代りに、重
量で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のN
i,残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ス
テンレス鋼を溶接肉盛することによって原子炉内部配管
溶接部の応力腐食割れを防止する方法である。
【0042】すなわち、肉盛層を溶接金属と母材との境
界から母材側へ25mm以上の範囲とすることにより、その
面における耐応力腐食割れ性を改善範囲を増加するとと
もに、肉盛溶接する面と反対側の面における圧縮側応力
が作用する範囲を増加し、溶接部に発生する引張り残留
応力を広い範囲で減少させる。
【0043】これにより、応力腐食割れ防止方法として
より広い範囲で有効にすることができる。ここで、溶融
凝固層を形成する範囲は母材との境界から母材側へ25mm
以上であるが、35mmないし40mmとするのが望ましい。
【0044】請求項16に対応する方法は、請求項15の方
法であって、溶接金属と母材との境界から母材側へ25mm
以上の範囲に肉盛溶接する過程で同時に肉盛溶接する面
と反対側の面を水冷することによってなす原子炉内部配
管溶接部の応力腐食割れ防止方法である。
【0045】この方法によって、応力腐食割れ防止効果
をより広い範囲で有効にするとともに、肉厚の薄い配管
でも溶接部外面に作用する圧縮側応力を確実なものとす
る原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れを防止すること
ができる。肉盛溶接する面と反対側の面の冷却は強制空
冷でも良いが、静止または流動する水でも良く、原子炉
の冷却水を用いても良い。
【0046】請求項17に対応する方法は、請求項15の方
法において、溶接金属と母材との境界から母材側へ25mm
以上の範囲に行う肉盛溶接を{(溶接電流×溶接電圧×
60)÷溶接速度}で得られる入熱が760 J/cm未満のT
IG溶接法で行う原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ
防止方法である。
【0047】この方法により、入熱を760 J/cm未満と
することにより、鋭敏化を生じ易い高C量のステンレス
鋼溶接部でもその面に入熱による新たな鋭敏化を生じる
ことなく肉盛層を形成でき、中性子照射を受けた溶接で
あっても割れの発生なく肉盛層を形成できるとともに、
応力腐食割れ防止方法としてより広い範囲で有効にする
ことができる。
【0048】請求項18に対応する方法は、請求項17の方
法において、肉盛溶接を{レーザ照射出力÷ビーム移動
速度}で得られる入熱が760 J/cm未満のレーザ溶接法
で行う原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法で
ある。
【0049】請求項19に対応する方法は、請求項16の方
法において、溶接金属と母材との境界から母材側へ25mm
以上の範囲に行う肉盛溶接を{(溶接電流×溶接電圧×
60)÷溶接速度}で得られる入熱が760 J/cm未満のT
IG溶接法、または、{レーザ照射出力÷ビーム移動速
度}で得られる入熱が760 J/cm未満のレーザ溶接法で
行う原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法であ
る。
【0050】この方法により、肉厚の薄い配管に対して
も、肉盛溶接する面と反対側の面に作用する圧縮側応力
を確実なものとする原子炉内部配管溶接部の応力腐食割
れを防止する方法を提供する。肉盛溶接する面と反対側
の面の冷却は強制空冷でも良いが、静止または流動する
水でも良く、原子炉の冷却水を用いても良い。
【0051】
【発明の実施の形態】図1から図3により請求項1に対
応する本発明方法の第1の実施の形態を説明する。図1
は原子炉内部配管溶接部の内面に深さ0.1 mm以上1.0 mm
未満の溶融,凝固層を形成したものである。原子炉内部
配管を構成するオーステナイト系ステンレス鋼1の一部
は溶接を行うと溶接金属2の両側の熱影響部3に鋭敏化
部を生じ、配管の供用中にこの部分に粒界応力腐食割れ
を発生する場合がある。これを防止するため、配管内面
の熱影響部を覆うように溶融凝固層4を形成する。
【0052】図2はオーステナイト系ステンレス鋼製管
の母材1の溶接部外面の溶接熱影響部3を覆うように溶
融凝固層4を形成した場合の配管の縦断面図を示してい
る。溶接部外面に形成した溶融凝固層4は表面からの深
さが0.1 〜1.0 mmである。この溶融凝固層4は、表1に
示すように、酸素を含有する高温高圧水中での耐応力腐
食割れが優れている。表1は表面に溶融凝固層を形成し
たものと、そうでないものの鋭敏化ステンレス鋼から採
取した試験片の応力腐食割れ試験の結果を示している。
【0053】
【表1】
【0054】試験片はSUS304(C量;0.06%)に650 ℃
/20時間の鋭敏化熱処理したものを使用する。溶融凝固
層形成後に、この面を表面にし、幅10mm,長さ50mm,厚
さ2mmの板状試験片を採取した。
【0055】試験方法は試験片表面での引張り歪みが1
%になるように、試験片を曲げ治具に取付け、グラファ
イトファイバーウールを挟んで固定し、288 ℃で8ppm
の酸素を含む純水中に浸漬し、500 時間経過後、試験片
を取出し、表面の観察および長手方向の断面を顕微鏡で
観察し、割れの発生の有無を調べる。表1中の試験結果
は割れを発生した試験片の数/試験を行った試験片の数
で示している。
【0056】表1から明らかなように、溶融凝固層を形
成してない試験片には7個中、5個応力腐食割れを発生
している。溶融凝固層を形成した試験片の場合は溶融凝
固層の深さが0.1 mmの場合も7個全ての試験片に応力腐
食割れが発生していないことが認められた。
【0057】すなわち、650 ℃で20時間加熱処理して鋭
敏化させたSUS304ステンレス鋼に、レーザビームを照射
して形成した溶融凝固層を含むものと、そうでない試験
体から、この面が表面になるように試験片を採取して、
溶存酸素を含む高温水中で曲げ歪みを与え、500 時間保
持する応力腐食割れ試験の結果、鋭敏化したままの試験
片全てに応力腐食割れが発生しているのに対して、溶融
凝固層を含む試験片では全く発生していない。
【0058】この溶融凝固層を鋭敏化した領域を覆うよ
うに形成することにより、鋭敏化した部分が溶存酸素を
含む冷却水から隔離することにより、当該溶接部におけ
る応力腐食割れを防止する。
【0059】さらに、溶融凝固層を形成することによ
り、図3に示すようにその反対側の面(すなわち、内面
に溶融凝固層を形成した場合は外面、外面に溶融凝固層
を形成した場合は内面)には圧縮側の応力が働き、この
ことが応力腐食割れの発生要因の一つである、「引張り
応力」を減少し、溶融凝固層を形成した反対側の面の応
力腐食割れをも防止する作用を持つ。
【0060】すなわち、図3において(a)は配管の突
合わせ溶接部近傍の外面の残留応力の分布を示し、
(b)は配管溶接の内面に溶融凝固層を形成した後の配
管溶接部外面の残留応力を示すもので、内面に溶融凝固
層を形成することにより、反対側の外面の引張り残留応
力が減少し、わずかに圧縮側へ移行している。
【0061】(c)は溶接部外面を冷却しながら溶接部
内面に溶融凝固層を形成した場合の溶接部外面の残留応
力、(d)は溶接部内面に形成する溶融凝固層の幅を溶
融線境界から25mmとした場合の溶接部外面の残留応力を
示している。
【0062】つぎに図4および図5により請求項2に対
応する本発明方法の第2の実施の形態を説明する。図4
は図1において、溶融凝固層4を溶接部内面に形成する
際に外面を水5により冷却する場合を示し、図5は溶融
凝固層4を溶接部外面に形成する際に内面を水5により
冷却する場合を示す。溶融凝固層を形成する面と反対側
の面を冷却することにより、図3において、(c)に示
すように冷却した面の残留応力はさらに圧縮側となり、
SCC防止作用がさらに高まる。
【0063】つぎに図6により請求項3に対応する本発
明方法の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態
は、溶接部内面側に溶融凝固層を形成した場合の例とし
て示す。図6において溶接部内面に形成する溶融凝固層
4の形成を溶接金属と母材の境界から25mmの範囲とした
ものである。なお、図6中、図1と同一部分には同一符
号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0064】溶接による熱影響により生じる鋭敏化領域
は、母材1の含有炭素量が高いほど、また、溶接金属2
を形成する溶接入熱が高いほど、母材と溶接金属の境界
からの距離が大きく広がる傾向を持っているが、この方
法によれば、鋭敏化領域を冷却水から隔離する領域が広
くなり、より広い鋭敏化領域を有する溶接部に対しても
応力腐食割れを防止できる効果がある。
【0065】また、溶融凝固層を形成した面と反対側の
面における圧縮側の応力が作用する領域も図3中符号d
で示すように広がり、外面における応力腐食割れ防止効
果が作用する範囲を広げることができる。
【0066】つぎに図7および図8により請求項4に対
応する本発明方法の第4の実施の形態を説明する。図7
および図8中、図1と同一部分には同一符号を付して重
複する部分の説明は省略する。
【0067】すなわち、本実施の形態は、図7に示した
ように、配管溶接部の内面側に表面からの深さ0.1 mm以
上1.0 mm未満の範囲であり、かつ溶接金属と母材との境
界から母材側へ25mm以上の範囲の溶融凝固層4を形成
し、その際に溶接部外面を水冷する方法を示し、図8は
配管溶接部の外面側に同様の溶融凝固層4を形成し、そ
の際に溶接部内面側を水冷する方法を示す。
【0068】本実施の形態によれば、より広い鋭敏化領
域を有する溶接部に対しても応力腐食割れ防止効果が作
用し、かつ溶融凝固層を形成した面と反対側の面におけ
る圧縮側の応力が作用する領域が広く、より大幅に圧縮
側にすることができ、より確実な応力腐食割れ防止作用
を得ることができる。
【0069】請求項5〜請求項19に対応する発明は、請
求項1〜請求項4において、溶融凝固層の形成方法に係
るもので、いずれも溶融凝固層形成時に入熱を760 J/
cm未満とする。
【0070】これにより、溶接部をなす配管の母材が高
い炭素含有量を有するオーステナイト系ステンレス鋼で
ある場合でも、応力腐食割れ防止作用を確保でき、かつ
中性子照射を受けて材料内にHeを蓄積しているオース
テナイト系ステンレス鋼である場合でも、Heに起因す
る割れを発生せずに、健全な溶接部を維持でき、応力腐
食割れを防止できる。これらの発明の構成とその作用は
前記[課題を解決する手段]に記したとおりである。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、配管溶接部の内面およ
び外面の両方が冷却水に接する原子炉内部配管溶接部の
応力腐食割れを防止することが容易に可能となる。すな
わち、配管内面または外面の一方の面に新たな鋭敏化し
た熱影響部または欠陥を形成せずに溶融凝固処理または
肉盛を行う。
【0072】これにより耐応力腐食割れ性の材質に改質
すると同時に、配管外面または内面(溶融凝固処理また
は肉盛を行わない面)における引張り残留応力を減少す
ることにより、配管の内,外面の応力腐食割れを同時に
防止する方法を提供するものである。同時に、中性子照
射を受けた配管に対してもHeに起因する割れを発生し
ない応力腐食割れ防止方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の第1の実施の形態を説明するため
の配管溶接部を部分的に示す縦断面図。
【図2】図1において、配管溶接部の外面に溶融凝固層
を形成した状態を部分的に示す縦断面図。
【図3】同じく配管溶接部外面の残留応力測定結果を示
す分布図。
【図4】本発明方法の第2の実施の形態を説明するため
の配管溶接部を部分的に示す縦断面図。
【図5】図4において、配管溶接部の内面を冷却しなが
ら外面に溶融凝固層を形成した状態を示す縦断面図。
【図6】本発明方法の第3の実施の形態を説明するため
の配管溶接部を部分的に示す縦断面図。
【図7】本発明方法の第4の実施の形態を説明するため
の配管溶接部を部分的に示す縦断面図。
【図8】オーステナイト系ステンレス鋼製管の配管溶接
部の内面を冷却しながら外面に溶融凝固層を形成した配
管の縦断面図。
【図9】従来例におけるオーステナイト系ステンレス鋼
製管の配管溶接部の鋭敏化領域に応力腐食割れを発生し
た場合の概念図。
【符号の説明】
1…配管の母材、2…溶接金属、3…溶接熱影響部、4
…溶接部内面に警世した溶融凝固層、5…配管内面の冷
却水、6…溶接部外面の鋭敏化領域に発生した応力腐食
割れ、7…溶接部内面の鋭敏化領域に発生した応力腐食
割れ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 26/00 B23K 26/00 G 310 310F 310B 31/12 31/12 G21C 19/02 G21C 19/02 J G21D 1/00 G21D 1/00 B GDL GDLX // B23K 101:06 103:04 (72)発明者 川野 昌平 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 河野 渉 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB07 CA03 CC03 CC04 DF09 DG05 EA02 4E068 BB00 BE00 DA15 DB01 4E081 AA08 BA03 BA27 CA11 DA05 DA14 DA23 DA26 DA57 YS10 YX02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲で溶融,凝固させることを特徴とす
    る原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲で溶融,凝固させ、同時に前記溶接
    部外面または内面(すなわち、溶融凝固させる面と反対
    側の面)を水冷することを特徴とする原子炉内部配管溶
    接部の応力腐食割れ防止方法。
  3. 【請求項3】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲であり、かつ溶接金属と母材との境
    界から母材側へ25mm以上の範囲を溶融,凝固させること
    を特徴とする原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止
    方法。
  4. 【請求項4】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲であり、かつ溶接金属と母材との境
    界から母材側へ25mm以上の範囲を溶融,凝固させ、同時
    に前記溶接部外面または内面(すなわち、溶融凝固させ
    る面と反対側の面)を水冷することを特徴とする原子炉
    内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  5. 【請求項5】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲で溶融,凝固させる原子炉内部配管
    溶接部の応力腐食割れ防止方法において、前記溶融を
    {レーザ照射出力÷ビーム移動速度}で得られる入熱が
    760 J/cm未満のYAGレーザ溶接法または炭酸ガスレ
    ーザ溶接法あるいは{(溶接電流×溶接電圧×60)÷溶
    接速度}で得られる入熱が760 J/cm未満の溶加材なし
    のTIG溶接法で行うことを特徴とする原子炉内部配管
    溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  6. 【請求項6】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲で溶融,凝固させ、同時に前記溶接
    部外面または内面(すなわち、溶融凝固させる面と反対
    側の面)を水冷する原子炉内部配管溶接部の応力腐食割
    れ防止方法において、前記溶融を{レーザ照射出力÷ビ
    ーム移動速度}で得られる入熱が760 J/cm未満のYA
    Gレーザ溶接法または炭酸ガスレーザ溶接法あるいは
    {(溶接電流×溶接電圧×60)÷溶接速度}で得られる
    入熱が760 J/cm未満の溶加材なしのTIG溶接法で行
    うことを特徴とする原子炉内部配管溶接部の応力腐食割
    れ防止方法。
  7. 【請求項7】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲であり、かつ溶接金属と母材との境
    界から母材側へ25mm以上の範囲を溶融,凝固させるる原
    子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法において、
    前記溶融を{レーザ照射出力÷ビーム移動速度}で得ら
    れる入熱が760 J/cm未満のYAGレーザ溶接法または
    炭酸ガスレーザ溶接法あるいは{(溶接電流×溶接電圧
    ×60)÷溶接速度}で得られる入熱が760 J/cm未満の
    溶加材なしのTIG溶接法で行うことを特徴とする原子
    炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  8. 【請求項8】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面から深さ0.1 mmか
    ら1.0 mm未満の範囲であり、かつ溶接金属と母材との境
    界から母材側へ25mm以上の範囲を溶融,凝固させ、同時
    に前記溶接部外面または内面(すなわち、溶融凝固させ
    る面と反対側の面)を水冷する原子炉内部配管溶接部の
    応力腐食割れ防止方法において、前記溶融を{レーザ照
    射出力÷ビーム移動速度}で得られる入熱が760 J/cm
    未満のYAGレーザ溶接法または炭酸ガスレーザ溶接法
    あるいは{(溶接電流×溶接電圧×60)÷溶接速度}で
    得られる入熱が760 J/cm未満の溶加材なしのTIG溶
    接法で行うことを特徴とする原子炉内部配管溶接部の応
    力腐食割れ防止方法。
  9. 【請求項9】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接するに
    あたり、前記溶接部の内面または外面において、重量で
    0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のNi,
    残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ステン
    レス鋼を溶接肉盛することを特徴とする原子炉内部配管
    溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  10. 【請求項10】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、重量
    で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のN
    i,残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ス
    テンレス鋼を溶接肉盛すると同時に前記溶接部外側また
    は内側(すなわち、肉盛溶接をする面と反対側の面)を
    水冷することを特徴とする原子炉内部配管溶接部の応力
    腐食割れ防止方法。
  11. 【請求項11】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、重量
    で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のN
    i,残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ス
    テンレス鋼を溶接肉盛する原子炉内部配管溶接部の応力
    腐食割れ防止方法において、前記溶接肉盛を{(溶接電
    流×溶接電圧×60)÷溶接速度}で得られる入熱が760
    J/cm未満のTIG溶接法で行うことを特徴とする原子
    炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  12. 【請求項12】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、重量
    で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のN
    i,残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ス
    テンレス鋼を溶接肉盛すると同時に前記溶接部外側また
    は内側(すなわち、肉盛溶接をする面と反対側の面)を
    水冷する原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法
    において、前記溶接肉盛を{(溶接電流×溶接電圧×6
    0)÷溶接速度}で得られる入熱が760 J/cm未満のT
    IG溶接法で行うことを特徴とする原子炉内部配管溶接
    部の応力腐食割れ防止方法。
  13. 【請求項13】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、重量
    で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のN
    i,残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ス
    テンレス鋼を溶接肉盛する原子炉内部配管溶接部の応力
    腐食割れ防止方法において、前記溶接肉盛を{レーザ照
    射出力÷溶接速度}で得られる入熱が760 J/cm未満の
    レーザ溶接法で行うことを特徴とする原子炉内部配管溶
    接部の応力腐食割れ防止方法。
  14. 【請求項14】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面において、重量で0.020 %
    以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のNi,残部Fe
    および不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼を
    溶接肉盛すると同時に前記溶接部外側または内側(すな
    わち、肉盛溶接をする面と反対側の面)を水冷する原子
    炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法において、前
    記溶接肉盛を{レーザ照射出力÷ビーム移動速度}で得
    られる入熱が760 J/cm未満のレーザ溶接法で行うこと
    を特徴とする原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止
    方法。
  15. 【請求項15】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、溶接
    金属と母材との境界から母材側へ25mm以上の範囲にわた
    って、重量で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜
    14%のNi,残部Feおよび不純物からなるオーステナ
    イト系ステンレス鋼を溶接肉盛することを特徴とする原
    子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  16. 【請求項16】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、溶接
    金属と母材との境界から母材側へ25mm以上の範囲にわた
    り、重量で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14
    %のNi,残部Feおよび不純物からなるオーステナイ
    ト系ステンレス鋼を溶接肉盛すると同時に前記溶接部外
    側または内側(すなわち、肉盛溶接をする面と反対側の
    面)を水冷することを特徴とする原子炉内部配管溶接部
    の応力腐食割れ防止方法。
  17. 【請求項17】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、溶接
    金属と母材との境界から母材側へ25mm以上の範囲にわた
    り、重量で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14
    %のNi,残部Feおよび不純物からなるオーステナイ
    ト系ステンレス鋼を溶接肉盛する原子炉内部配管溶接部
    の応力腐食割れ防止方法において、前記溶接肉盛を
    {(溶接電流×溶接電圧×60)÷溶接速度}で得られる
    入熱が760 J/cm未満のTIG溶接法で行うことを特徴
    とする原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  18. 【請求項18】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面または外面において、溶接
    金属と母材との境界から母材側へ25mm以上の範囲にわた
    り、重量で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14
    %のNi,残部Feおよび不純物からなるオーステナイ
    ト系ステンレス鋼を溶接肉盛する原子炉内部配管溶接部
    の応力腐食割れ防止方法において、前記溶接肉盛を{レ
    ーザ照射出力÷ビーム移動速度}で得られる入熱が760
    J/cm未満のレーザ溶接法で行うことを特徴とする原子
    炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法。
  19. 【請求項19】 ステンレス鋼製管を突合わせ溶接する
    にあたり、前記溶接部の内面において、溶接金属と母材
    との境界から母材側へ25mm以上の範囲にわたって、重量
    で0.020 %以下のC,16〜22%のCr,8〜14%のN
    i,残部Feおよび不純物からなるオーステナイト系ス
    テンレス鋼を溶接肉盛すると同時に前記溶接部外側また
    は内側(すなわち、肉盛溶接をする面と反対側の面)を
    水冷する原子炉内部配管溶接部の応力腐食割れ防止方法
    において、前記溶接肉盛を{(溶接電流×溶接電圧×6
    0)÷溶接速度}で得られる入熱が760 J/cm未満のT
    IG溶接法、または、{レーザ照射出力÷ビーム移動速
    度}で得られる入熱が760 J/cm未満のレーザ溶接法で
    行うことを特徴とする原子炉内部配管溶接部の応力腐食
    割れ防止方法。
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