JP2000254727A - 自動車板金修復方法及び装置 - Google Patents

自動車板金修復方法及び装置

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JP2000254727A
JP2000254727A JP11061616A JP6161699A JP2000254727A JP 2000254727 A JP2000254727 A JP 2000254727A JP 11061616 A JP11061616 A JP 11061616A JP 6161699 A JP6161699 A JP 6161699A JP 2000254727 A JP2000254727 A JP 2000254727A
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Japan
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melt adhesive
shaped
hot melt
sheet metal
rod
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JP11061616A
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Eizo Nomura
栄三 野村
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D1/00Straightening, restoring form or removing local distortions of sheet metal or specific articles made therefrom; Stretching sheet metal combined with rolling
    • B21D1/06Removing local distortions

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Straightening Metal Sheet-Like Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板金部表面の凹み部に溶接を行うことなく
凹み部を修復でき、それによって裏側に装着されている
内装材を取り外す必要がなく、またドアの場合でも分解
する必要がなくなるなど、作業を短時間で簡単に行うこ
とのできる自動車板金修復方法を提供すること。 【解決手段】 自動車の板金部表面に形成された凹み部
1を修復する方法であって、凹み部1を加熱することに
より該凹み部1に強力に接着される棒状ホットメルト接
着剤3の長手方向一端部を前記凹み部1に接着し、該棒
状ホットメルト接着剤3の他端部を引張手段によって凹
み部1から浮き上がる方向に引張することによって、凹
み部1を引き上げ修復する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事故等によって自
動車のボディ等の板金部表面に形成された凹み部を修復
する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディに他の自動車が当たるな
どしてできた凹み部を修復するのに、従来では、穴の開
いた1個又は複数個の金属製円板の周面部をボディ表面
の凹み部にスポット溶接し、この円板に棒体を通して、
棒体を適当な引張手段により引張することによって、凹
み部を修復するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の方法では、ボディ表面の凹み部に金属製円板が
溶接されることにより、ボディの裏側が加熱されて、そ
の裏側に装着されている内装材が焼けてしまうことか
ら、修復作業に当たっては内装材を全て取り外す必要が
あって、この取外し作業に非常な手間と時間を要し、ボ
ディ裏側に電気配線がされている場合は特に厄介であっ
た。また、溶接によってボディの鉄板が熱で変形して歪
んでしまうことがあり、また修復作業の終了後は、凹み
部に溶接した円板を取外し、溶接残片を除去した後、そ
の溶接部の表側のみならず裏側も塗装する必要があるな
ど、修復作業が非常に面倒であった。
【0004】本発明は、板金部表面の凹み部に溶接を行
うことなく凹み部を修復でき、それによって裏側に装着
されている内装材を取り外す必要がなく、またドアの場
合でも分解する必要がなくなるなど、作業を短時間で簡
単に行うことのできる自動車板金修復方法及び装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
自動車の板金部表面に形成された凹み部1を修復する方
法であって、凹み部1を加熱することにより該凹み部1
に強力に接着される棒状ホットメルト接着剤3の長手方
向一端部3aを前記凹み部1に接着し、該棒状ホットメ
ルト接着剤3の他端部3bを引張手段によって凹み部1
から引き上げる方向に引張することによって、凹み部1
を引き上げ修復するようにしたことを特徴とする。
【0006】請求項2に係る発明は、自動車の板金部表
面に形成された凹み部1を修復する装置であって、凹み
部1を加熱することにより該凹み部1に長手方向一端部
3aが強力に接着される棒状ホットメルト接着剤3と、
棒状ホットメルト接着剤3の長手方向他端部3bを凹み
部1から引き上げる方向に引張する引張手段とからなる
ことを特徴とする。
【0007】請求項3は、請求項2に記載の自動車板金
修復装置において、引張手段は、支持梁部4,5及び支
持脚部6からなるブリッジ架構7と、ブリッジ架構7の
支持梁部4,5を上下に挿通するように配置される円筒
状の引き上げ部材8と、引き上げ部材8に嵌挿された棒
状ホットメルト接着剤3をその下端から所要長さ突出し
た状態で引き上げ部材8に固定する固定手段と、引き上
げ部材8の上端部に螺嵌されてブリッジ架構7の支持梁
部4,5上に押し付けられる締付ナット10とからな
り、ブリッジ架構7を、その支持梁部4,5が凹み部1
を跨いで支持脚部6が非凹み部2上に接地するように架
設し、引き上げ部材8に固定された棒状ホットメルト接
着剤3の下端部3aを凹み部1に接着した状態で締付ナ
ット10を締め付けることによって、棒状ホットメルト
接着剤3の上端部3bを引張するようになっていること
を特徴とする。
【0008】請求項4は、請求項3に記載の自動車板金
修復装置において、ブリッジ架構7の支持梁部4,5
は、一対の帯状平板11,11を側面どうしが対向する
よう所定間隔で平行に配して、両帯状平板11,11の
両端部を連結軸12により連結したものからなり、支持
脚部6は、両帯状平板11,11の上下両側端部に係合
する上下一対のコ字状座板14,14に支持ボルト15
を貫通させてナット16により両座板14,14を両帯
状平板11,11に固定すると共に、支持ボルト15の
下端部を接地ベース17に取り付けたものからなること
を特徴とする。
【0009】請求項5は、請求項4に記載の自動車板金
修復装置において、接地ベース17は、ゴム状弾性体か
らなるもので、上面側に球状凹部17aを有し、この球
状凹部17aには、支持ボルト15の下端部に形成され
た剛性球体15aが枢動可能に圧嵌されていることを特
徴とする。
【0010】請求項6は、請求項4又は5に記載の自動
車板金修復装置において、支持梁部4,5を形成する一
対の帯状平板11,11の上側端部に係合されたコ字状
座板18の引き上げ部材挿通孔18aに引き上げ部材8
が挿通され、この引き上げ部材8の上端部に螺嵌された
締付ナット10はその締付け時に上記コ字状座板18上
に押し付けられるようになっていることを特徴とする。
【0011】請求項7は、請求項3〜6の何れかに記載
の自動車板金修復装置において、棒状ホットメルト接着
剤3を引き上げ部材8に固定する固定手段は、上端部内
周面に雌ねじ部19aが形成され且つ下端部内周部がテ
ーパ面19bに形成され、その雌ねじ部19aを介して
引き上げ部材8の下端部に螺嵌される締付筒19と、締
付筒19内のテーパ面19bに嵌着され、締付筒19の
締付け操作により棒状ホットメルト接着剤3を掴持固定
するコレット20とを備えたチャック9からなることを
特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、自動車のドアDのアウタ
ーパネルP表面に凹み部1が形成されている状態を示
し、図2は、ドアDを車体から取り外して凹み部1に自
動車板金修復装置を設置した状態を概略示したものであ
る。図3は、アウターパネルP表面の凹み部1に自動車
板金修復装置を設置した状態を示す平面図、図4はその
縦断側面図である。
【0013】本発明に係る自動車板金修復装置は、図3
〜図6に示すように、アウターパネルPの凹み部1を加
熱することによって、この凹み部1に下端部3aが強力
に接着される棒状ホットメルト接着剤3と、この棒状ホ
ットメルト接着剤3の上端部3bを引張する引張手段と
からなるもので、この引張手段は、夫々複数の支持梁部
4,5及び支持脚部6からなるブリッジ架構7と、この
ブリッジ架構7の各支持梁部4,5を上下に挿通するよ
うに配置される円筒状の引き上げ部材8と、各引き上げ
部材8に嵌挿された棒状ホットメルト接着剤3をその下
端から所要長さ突出した状態で引き上げ部材8に固定す
る固定手段としてのチャック9と、前記引き上げ部材8
の上端部に螺嵌されて各支持梁部4,5上に押し付けら
れる締付ナット10とによって構成される。
【0014】ブリッジ架構7の各支持梁部4,5は、図
3から分かるように、一対の鋼板製帯状平板11,11
をその側面どうしが対向するよう所定間隔で平行に配し
て、両帯状平板11,11の両端部を、連結軸12とそ
の両端部に螺合されるナット13によって連結したもの
からなる。両支持梁部4,5のうちの一方の支持梁部4
は、図3に示すように長尺側の一対の帯状平板11,1
1によって形成され、他方の支持梁部5は、前記一方の
支持梁部4を形成する長尺側帯状平板11,11の中間
所要部に接続具21によって直角の向きに接続された短
尺側の各一対の帯状平板11,11によって形成され
る。この実施形態では、長尺状支持梁部4と短尺状支持
梁部5との2種類の支持梁部を設けているが、長さの異
なる3種類以上の支持梁部を設けてもよい。
【0015】各支持脚部6は、図6の(A)及び(B)
に示すように、両帯状平板11,11の上下両側端部に
係合する上下一対のコ字状座板14,14のボルト挿通
穴14a,14aに支持ボルト15を貫通させてナット
16により両座板14,14を両帯状平板11,11に
固定すると共に、支持ボルト15の下端部を接地ベース
17に取り付けてなるものである。この接地ベース17
は、例えばネオプレン(商品名)のような合成ゴム等の
ゴム状弾性体によって形成されたもので、上面側に球状
凹部17aを有し、この球状凹部17aに、支持ボルト
15の下端部に形成された剛性球体15aが枢動可能に
圧嵌されている。
【0016】前記引張手段の各引き上げ部材8は、図5
の(A)及び(B)に示すように、支持梁部4,5を形
成する一対の帯状平板11,11の上側端部に係合され
たコ字状座板18の引き上げ部材挿通孔18aに挿通さ
れて、この引き上げ部材8の上端雄ねじ部8aに螺嵌さ
れた締付ナット10が、ナット締付け時に上記コ字状座
板18の上面に押し付けられるようになっている。
【0017】棒状ホットメルト接着剤3を引き上げ部材
8に固定する固定手段としてのチャック9は、図5の
(B)及び図8から分かるように、上端部内周面に雌ね
じ部19aが形成され且つ下端部内周部がテーパ面19
bに形成された締付筒19と、この締付筒19のテーパ
面19bに嵌着されたコレット20とからなるもので、
締付筒19の雌ねじ部19aを引き上げ部材8の下端側
雄ねじ部8bに螺合して、この締付筒19を締め付け方
向に回転させることによってコレット20が収縮し、そ
れにより締付筒19とコレット20と棒状ホットメルト
接着剤3と引き上げ部材8とが一体となって、棒状ホッ
トメルト接着剤3を引き上げ部材8に固定するようにな
っている。このチャック9によれば、簡単な構造で、棒
状ホットメルト接着剤3を引き上げ部材8に対し確実強
固に固定できる。尚、コレット20は複数個に縦割りさ
れて、外周の環状溝20aに割リングが嵌合される。
【0018】図9は短尺状支持梁部5を形成する帯状平
板11,11の一端部が接続具21により長尺状支持梁
部4の帯状平板11,11に接続される状態を示してい
る。接続具21は、下向きコ字状溝21aと上向きコ字
状溝21bとを連設してなるもので、この接続具21の
下向きコ字状溝21aを、長尺状支持梁部4の帯状平板
11に係合させると共に、上向きコ字状溝21bに、短
尺状支持梁部5を形成する帯状平板11,11端部の連
結軸12を嵌合させるようにすればよい。
【0019】棒状ホットメルト接着剤3は、金属構造物
等の接着に使用されるホットメルト接着剤を所要径の棒
状に形成されたもので、この実施形態では、熱可塑性の
ポリアミド系接着剤、例えば共重合ナイロンにより形成
されたものを使用している。この棒状ホットメルト接着
剤3は、その長手方向の一端部を凹み部1に接着し、そ
の他端部を前記引張手段によって凹み部1から引き上げ
る方向に引張することによって、凹み部1を引き上げ修
復するものであるから、凹み部1に接着される棒状ホッ
トメルト接着剤3の一端接着部には相当大きな引張力が
かかる。
【0020】ここで、棒状ホットメルト接着剤3の引張
接着強さをσ、この接着剤3の接着面積をA、接着部が
破損するまでの最大引張力をPmax とすれば、σ=P
max /Aの関係が成り立つ。この場合、棒状ホットメル
ト接着剤3に共重合ナイロンを使用するものとして、そ
の引張接着強さσを常温20℃で概ね100kgf/cm2
し、そして例えば直径1.9cmの棒状ホットメルト接
着剤3を使用した場合、凹み部1に対する棒状ホットメ
ルト接着剤3の接着面積Aは、溶融時に拡径するため棒
状ホットメルト接着剤3自体の断面積(0.95 cm ×
0.95 cm ×π=約2.84cm2 )よりも大きく、例
えば3.2cm2 となり、しかしてσ=Pma x /Aの関係
から、Pmax =σ×Aとなる。従って、接着部が破損す
るまでの最大引張力Pmax =σ×A=100kgf/cm2 ×
3.2cm2 =約320kgf となる。
【0021】この最大引張力Pmax の約320kgf は、
1本の棒状ホットメルト接着剤3の接着部が破損するま
での最大引張力であるから、1つの凹み部1について複
数本の棒状ホットメルト接着剤3を使用した場合の最大
引張力は、上記320kgf の複数倍となる。しかして、
このような最大引張力Pmax を考慮して、棒状ホットメ
ルト接着剤3を前記引張手段により凹み部1から引き上
げる方向に引張すればよい。また、上記Pmax =σ×A
の関係式から、棒状ホットメルト接着剤3は、できるだ
け径の大きいものを使用する方がよい。この実施形態で
は、上記のように直径1.9cmのものを使用してい
る。
【0022】上述したような構成を有する自動車板金修
復装置の使用による凹み部1の修復方法の一例について
図2〜図4を中心に他の図面を参照して以下に説明す
る。
【0023】先ず、アウターパネルPに凹み部1が形成
されているドアDを車体から取外して、床又は作業台上
に置き(尚、ドアDを車体から取外さずにそのままの状
態で作業を行うことも可能である)、そしてアウターパ
ネルPの凹み部1に引張手段を仮設すると共に、引張手
段と凹み部1との間に棒状ホットメルト接着剤3を介装
する。
【0024】引張手段の仮設にあたっては、先ず、この
引張手段の一部であるブリッジ架構7を架設する。即
ち、図3に示すように、長尺状の支持梁部4を凹み部1
の中央部を跨ぐように配して、その両端部に取り付けた
支持脚部6,6を非凹み部2に接地する。また、この長
尺状支持梁部4の中央部には、2つの短尺状支持梁部
5,5を長尺状支持梁部4と直交するように両側から配
して、各短尺状支持梁部5の一端部を接続具21によっ
て長尺状支持梁部4に接続すると共に、各短尺状支持梁
部5の一端部に支持脚部6を取り付け、その各支持脚部
6を非凹み部2に接地する。
【0025】この際、各支持脚部6は、図6に示すよう
に、支持梁部4,5に固定された支持ボルト15の下端
部が接地ベース17に対し枢動可能に枢着されているか
ら、非凹み部2が湾曲状や傾斜状となっていても、接地
ベース17側をその非凹み部2の形状に対応して枢動さ
せることによって、安定状態に接地させることができ
る。
【0026】上記のようにしてブリッジ架構7を架設し
た後、各支持梁部4,5の所要箇所には、棒状ホットメ
ルト接着剤3を凹み部1に設置するために、図5に示す
ように、一対の帯状平板11,11の上端部にコ字状座
板18を係合して、このコ字状座板18の挿通穴18a
に引き上げ部材8を挿通すると共に、引き上げ部材8に
棒状ホットメルト接着剤3を嵌挿し、この棒状ホットメ
ルト接着剤3をチャック9(固定手段)によって引き上
げ部材8の下端から所要長さ突出させた状態に固定し、
そして引き上げ部材8の上端雄ねじ部8aに締付ナット
10を軽く螺嵌する。このとき、棒状ホットメルト接着
剤3の下端は凹み部1に軽く接触した状態にある。
【0027】それから、前記各棒状ホットメルト接着剤
3の下端部を凹み部1に接着するわけであるが、この際
には、各棒状ホットメルト接着剤3を引き上げ部材8を
介して凹み部1から上方へ持ち上げた状態とし、この状
態で凹み部1における棒状ホットメルト接着剤3の直下
部分(被接着部)をハンド式のドライヤー(熱風供給
機)によって加熱し、凹み部1の被接着部が棒状ホット
メルト接着剤3の溶融温度、例えば約60℃になったと
き、各棒状ホットメルト接着剤3を降下して、その下端
部3aを加熱された凹み部1の被接着部に接着する。
【0028】この場合、凹み部1を加熱せずに棒状ホッ
トメルト接着剤3の下端部3aだけを所要温度に加熱し
ても、凹み部1の被接着部に対する棒状ホットメルト接
着剤3下端部の接着力は弱いが、上記のように凹み部1
側を所要温度に加熱し、この加熱した凹み部1に棒状ホ
ットメルト接着剤3の下端部3aを押し付けることによ
って、凹み部1の被接着部に対する棒状ホットメルト接
着剤下端部3aの接着力は極めて強力なものとなる。
【0029】上記のように各棒状ホットメルト接着剤3
の下端部3aを凹み部1の被接着部に強力に接着した
後、各引き上げ部材8の上端雄ねじ部8aに螺嵌されて
いる締付ナット10を締め付け方向に回すことにより引
き上げ部材8を引き上げて、チャック9を介して棒状ホ
ットメルト接着剤3を凹み部1から引き上げる方向、即
ち上方に引張し、斯くして凹み部1を、図4の仮想線図
示のように非凹み部2と同レベルまで引き上げることに
よって、元通りに修復することができる。
【0030】凹み部1を修復した後は、各棒状ホットメ
ルト接着剤3の下端部3aが凹み部1に接着されている
部分を前記の加熱温度と略同じ温度に加熱して、その接
着部分を溶融させることによって、棒状ホットメルト接
着剤3を凹み部1から切り離す。この際、凹み部1の被
接着部には、接着剤3の接着部片が付着しているため、
この接着部片を適当な溶剤により溶かして除去する。こ
の後、ブリッジ架構7の支持梁部4,5から、各棒状ホ
ットメルト接着剤3、引き上げ部材8、チャック9を取
り外し、そして更にブリッジ架構7を分解すればよい。
【0031】以上説明したような修復方法では、棒状ホ
ットメルト接着剤3の下端部を凹み部1に接着する際
に、凹み部1を棒状ホットメルト接着剤3の溶融温度で
ある60℃程度に加熱するだけで、従来の修復方法のよ
うに溶接を一切用いないから、凹み部1のあるアウター
パネルPの裏側に内装材が装着されていたり、電気配線
が設けてあっても、それらが焼損するおそれがなく、極
めて安全であると共に、ドアDの場合にはインナーパネ
ルを外したり、ボディの場合にその内装材を取外したり
する余分な作業が不要となり、更には凹み部1の修復作
業後も面倒な補修作業を行う必要がなく、従って作業を
簡単容易に能率良く行うことができる。
【0032】また、上述した自動車板金修復装置によれ
ば、引張手段は、支持梁部4,5及び支持脚部6からな
るブリッジ架構7と、このブリッジ架構7の支持梁部
4,5を上下に挿通するように配置される円筒状の引き
上げ部材8と、この引き上げ部材8に嵌挿された棒状ホ
ットメルト接着剤3をその下端から所要長さ突出した状
態で引き上げ部材8に固定するチャック9と、引き上げ
部材8の上端部に螺嵌されてブリッジ架構7の支持梁部
4,5上に押し付けられる締付ナット10とから構成さ
れているため、ブリッジ架構7を、その支持梁部4,5
が凹み部1を跨いで支持脚部6が非凹み部2上に接地す
るように架設し、引き上げ部材8に固定された棒状ホッ
トメルト接着剤3の一端部を凹み部1に接着した状態で
締付ナット10を締め付けるだけの簡単な作業で、棒状
ホットメルト接着剤3の他端部を強力に引張して、凹み
部1の引き上げ修復を行うことができる。
【0033】また、この自動車板金修復装置では、ブリ
ッジ架構7の支持梁部4,5が、一対の帯状平板11,
11を側面どうしが対向するよう所定間隔で平行に配し
て、両帯状平板11,11の両端部を夫々連結軸12に
より連結したものからなり、支持脚部6が、両帯状平板
11,11の上下両側端部に係合する上下一対のコ字状
座板14,14に支持ボルト15を貫通させてナット1
6により両座板14,14を両帯状平板11,11に固
定すると共に、支持ボルト15の下端部を接地ベース1
7に取り付けたものからなるため、ブリッジ架構7の組
み付け及び分解を簡単容易に行うことができる。
【0034】更に、支持梁部4,5を形成する一対の帯
状平板11,11の上側端部に係合されたコ字状座板1
8の引き上げ部材挿通孔18aに引き上げ部材8が挿通
され、この引き上げ部材8の上端部に螺嵌された締付ナ
ット10がその締付け時にコ字状座板18上に押し付け
られるようになっているから、凹み部1内で引き上げ部
材8に嵌挿された棒状ホットメルト接着剤3を移動させ
たり、その位置を調整する場合には、コ字状座板18を
一対の帯状平板11,11に沿ってスライドさせればよ
く、従ってその移動及び調整作業を簡単容易に行うこと
ができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1及び2に係る発明によれば、棒
状ホットメルト接着剤の一端部を凹み部に接着する際
に、凹み部をホットメルト接着剤の溶融温度に加熱する
だけで、従来の修復方法のように溶接を一切使用しない
から、凹み部のある板金部の裏側に内装材が装着されて
いたり、電気配線が設けてあっても、それらが焼損する
おそれがなく、極めて安全であると共に、板金部の内装
材を取外したりする余分な作業が不要となり、更に凹み
部の修復作業後も、仕上げ塗装等の面倒な補修作業を行
う必要がなく、従って作業を簡単容易に能率良く行うこ
とができる。
【0036】またこの際に、凹み部を加熱せずに棒状ホ
ットメルト接着剤の下端部だけを所要温度に加熱して
も、凹み部の被接着部に対する棒状ホットメルト接着剤
下端部の接着力は弱いが、凹み部側を所要温度に加熱し
て、この加熱した凹み部に棒状ホットメルト接着剤の一
端部を接着することによって、凹み部の被接着部に対す
る棒状ホットメルト接着剤端部の接着力が極めて強力な
ものとなるから、凹み部により大きな引張力をかけるこ
とができて、凹み部を元通りに確実に修復することがで
きる。また、この発明によれば、鉄板及びアルミ板の何
れの板金部の修復にも適用可能である。
【0037】請求項3に係る発明によれば、ブリッジ架
構を、その支持梁部が凹み部を跨いで支持脚部が非凹み
部上に接地するように架設して、引き上げ部材に固定さ
れた棒状ホットメルト接着剤の一端部を凹み部に接着し
た状態で締付ナットを締め付けるだけの簡単な作業で、
棒状ホットメルト接着剤の他端部を強力に引張して、凹
み部の引き上げ修復を行うことができる。
【0038】請求項4に係る発明によれば、ブリッジ架
構の支持梁部が、一対の帯状平板を所定間隔で平行に配
して、両帯状平板の両端部を連結軸により連結したもの
からなり、また支持脚部が、両帯状平板の上下両側端部
に係合する上下一対のコ字状座板に支持ボルトを貫通さ
せてナットにより両座板を両帯状平板に固定すると共
に、支持ボルトの下端部を接地ベースに取り付けたもの
からなるため、ブリッジ架構の組み付け及び分解を簡単
容易に行うことができる。
【0039】請求項5に係る発明によれば、接地ベース
がゴム状弾性体からなるもので、上面側に球状凹部を有
し、この球状凹部に、支持ボルトの下端部に形成された
剛性球体が枢動可能に圧嵌されているから、非凹み部が
湾曲状や傾斜状となっていても、接地ベース側をその非
凹み部の形状に対応して枢動させることによって、安定
状態に接地させることができる。
【0040】請求項6に係る発明によれば、凹み部内で
引き上げ部材に嵌挿された棒状ホットメルト接着剤を移
動させたり、その位置を調整する場合に、コ字状座板を
一対の帯状平板に沿ってスライドさせればよく、従って
その移動及び調整作業を簡単容易に行うことができる。
【0041】請求項7に係る発明によれば、固定手段
は、上端部内周面に雌ねじ部が形成され且つ下端部内周
部がテーパ面に形成され、その雌ねじ部を介して引き上
げ部材の下端部に螺嵌される締付筒と、締付筒内のテー
パ面に嵌着され、締付筒の締付け操作により棒状ホット
メルト接着剤を掴持固定するコレットとを備えたチャッ
クからなるため、固定手段の簡単が構造になると共に、
棒状ホットメルト接着剤を引き上げ部材に対し確実強固
に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車ドアのアウターパネル表面に凹み部が
形成されている状態を示す概略斜視図である。
【図2】 ドアを車体から取り外して凹み部に自動車板
金修復装置を設置した状態を示す概略斜視図である。
【図3】 アウターパネル表面の凹み部に自動車板金修
復装置を設置した状態を示す平面図である。
【図4】 アウターパネル表面の凹み部に自動車板金修
復装置を設置した状態を示す縦断側面図である。
【図5】 (A)はブリッジ架構の支持梁部に取り付け
られた引き上げ部材及びこれに嵌挿された棒状ホットメ
ルト接着剤を示す側面図、(B)は(A)のX−X線断
面図である。
【図6】 (A)はブリッジ架構の支持脚部を示す側面
図、(B)は(A)のY−Y線断面図である。
【図7】 図6の(A)のZ−Z線断面図である。
【図8】 締付ナット、引き上げ部材、チャック及び棒
状ホットメルト接着剤を示す分解配列図である。
【図9】 長尺状支持梁部に対する短尺状支持梁部の接
続状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 凹み部 2 非凹み部 3 棒状ホットメルト接着剤 4,5 ブリッジ架構の支持梁部 6 ブリッジ架構の支持脚部 7 ブリッジ架構 8 引き上げ部材 9 チャック(固定手段) 10 締付ナット 11 帯状平板 12 連結軸 14 コ字状座板 15 支持ボルト 15a 剛性球体 17 接地ベース 18 コ字状座板 19 締付筒 20 コレット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の板金部表面に形成された凹み部
    を修復する方法であって、凹み部を加熱することにより
    該凹み部に強力に接着される棒状ホットメルト接着剤の
    長手方向一端部を前記凹み部に接着し、該棒状ホットメ
    ルト接着剤の他端部を引張手段によって凹み部から引き
    上げる方向に引張することによって、凹み部を引き上げ
    修復するようにしたことを特徴とする自動車板金修復方
    法。
  2. 【請求項2】 自動車の板金部表面に形成された凹み部
    を修復する装置であって、凹み部を加熱することにより
    該凹み部に長手方向一端部が強力に接着される棒状ホッ
    トメルト接着剤と、棒状ホットメルト接着剤の長手方向
    他端部を凹み部から引き上げる方向に引張する引張手段
    とからなることを特徴とする自動車板金修復装置。
  3. 【請求項3】 引張手段は、支持梁部及び支持脚部から
    なるブリッジ架構と、ブリッジ架構の支持梁部を上下に
    挿通するように配置される円筒状の引き上げ部材と、引
    き上げ部材に嵌挿された棒状ホットメルト接着剤をその
    下端から所要長さ突出した状態で引き上げ部材に固定す
    る固定手段と、引き上げ部材の上端部に螺嵌されてブリ
    ッジ架構の支持梁部上に押し付けられる締付ナットとか
    らなり、ブリッジ架構を、その支持梁部が凹み部を跨い
    で支持脚部が非凹み部上に接地するように架設し、引き
    上げ部材に固定された棒状ホットメルト接着剤の下端部
    を凹み部に接着した状態で締付ナットを締め付けること
    によって、棒状ホットメルト接着剤の上端部を引張する
    ようになっていることを特徴とする請求項2に記載の自
    動車板金修復装置。
  4. 【請求項4】 ブリッジ架構の支持梁部は、一対の帯状
    平板を側面どうしが対向するよう所定間隔で平行に配し
    て、両帯状平板の両端部を連結軸により連結したものか
    らなり、支持脚部は、両帯状平板の上下両側端部に係合
    する上下一対のコ字状座板に支持ボルトを貫通させてナ
    ットにより両座板を両帯状平板に固定すると共に、支持
    ボルトの下端部を接地ベースに取り付けたものからなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動車板金修復装
    置。
  5. 【請求項5】 接地ベースは、ゴム状弾性体からなるも
    ので、上面側に球状凹部を有し、この球状凹部には、支
    持ボルトの下端部に形成された剛性球体が枢動可能に圧
    嵌されていることを特徴とする請求項4に記載の自動車
    板金修復装置。
  6. 【請求項6】 支持梁部を形成する一対の帯状平板の上
    側端部に係合されたコ字状座板の引き上げ部材挿通孔に
    引き上げ部材が挿通され、この引き上げ部材の上端部に
    螺嵌された締付ナットはその締付け時に上記コ字状座板
    上に押し付けられるようになっていることを特徴とする
    請求項4又は5に記載の自動車板金修復装置。
  7. 【請求項7】 棒状ホットメルト接着剤を引き上げ部材
    に固定する固定手段は、上端部内周面に雌ねじ部が形成
    され且つ下端部内周部がテーパ面に形成され、その雌ね
    じ部を介して引き上げ部材の下端部に螺嵌される締付筒
    と、締付筒内のテーパ面に嵌着され、締付筒の締付け操
    作により棒状ホットメルト接着剤を掴持固定するコレッ
    トとを備えたチャックからなることを特徴とする請求項
    3〜6の何れかに記載の自動車板金修復装置。
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